JPH0121850Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用ドアの構造に関し、特に、
ドアパネルに取り付けたウエザーストリツプと昇
降するウインドガラスとの摺接構造の改良に関す
るものである。

（従来技術） 従来より、例えば実開昭56−132111号公報等に
開示されているように、自動車用ドアのドアパネ
ルを構成するインナパネル及びアウタパネルの各
上端にそれぞれドアの長手方向に延びる略同一形
状のゴム製等のウエザーストリツプを取り付け、
上記両パネル間に格納される開位置と両パネルの
上方に突出する閉位置との間を昇降するウインド
ガラスの内外面にそれぞれ上記ウエザーストリツ
プを圧接させるようにすることにより、ドア内部
へ雨水や埃等が侵入するのを防止するようにした
ドア構造はよく知られている。

しかしながら、上記従来の構造では、両ウエザ
ーストリツプがウインドガラスに圧接されている
ため、その接触抵抗が大であり、ウインドガラス
の昇降時（開閉時）に大きな駆動力を要する嫌い
があつた。

また、アウタパネルとウインドガラスとの交差
角が大きく、そのため、ウインドガラスの閉時
（上昇端位置への移動時）にアウタパネルとウイ
ンドガラスとを面一にするのは困難であり、自動
車の空力特性を高める上でのドアのフラツシユサ
ーフエイス化を充分に図り得ない。

（考案の目的） そこで、本考案の目的は、自動車用ドアのウイ
ンドガラス昇降時のウエザーストリツプとの接触
抵抗を小さくし、その駆動力の軽減を図るととも
に、ウインドガラスの閉時のウエザーストリツプ
との間の部分を面一にしてドアのフラツシユサー
フエイス化を図り得るようにすることにある。

（考案の構成） 上記目的の達成のため、本考案の構成は、ドア
のアウタパネルに取り付けられるアウタ側ウエザ
ーストリツプの外面を車外側に向つて下方に傾斜
させ、かつアウタパネルと略面一状にする。ま
た、該アウタ側ウエザーストリツプとウインドガ
ラス外面との間にドアの長手方向に延びる隙間を
形成し、上記ウインドガラス下端に取り付けられ
てウインドガラスをウインドレギユレータに連結
するためのホルダー部材をウインドガラスの長手
方向に延ばして、そのウインドガラス外面側の上
端部に車外側に向つて下方に傾斜する傾斜面を形
成する。そして、ウインドガラスの閉時におい
て、ホルダー部材の傾斜面がアウタ側ウエザース
トリツプの外面と略面一になるように該アウタ側
ウエザーストリツプをウインドガラス外面側のホ
ルダー部材に当接させて上記アウタ側ウエザース
トリツプとウインドガラス外面との隙間を閉塞す
るようにしたものである。

（考案の効果） したがつて、本考案によれば、ウインドガラス
の昇降時にその外面とアウタ側ウエザーストリツ
プとの間に隙間が形成されるので、ウインドガラ
スのウエザーストリツプとの接触抵抗が極めて小
さくなり、よつて自動車用ドアにおけるウインド
ガラスの昇降駆動力を軽減することができる。ま
た、ウインドガラスの閉時に上記ウインドガラス
外面とアウタ側ウエザーストリツプとの隙間がホ
ルダー部材で閉塞され、かつ該ホルダー部材の傾
斜面がアウタ側ウエザーストリツプの外面と略面
一になるので、ウインドガラス外面からアウタパ
ネル外面までがホルダー部材の傾斜面及びアウタ
側ウエザーストリツプ外面によつて面一状に滑ら
かに連続し、よつてドアをフラツシユサーフエイ
ス化して空力特性を向上させ、燃費の低減等を図
ることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本考案が適用された自動車のドアＡを
示し、１はインナパネル２とアウタパネル３とを
接合してなるドアパネル、４は該ドアパネル１の
上部に立設されたドアサツシユであつて、該ドア
サツシユ４とドアパネル１とによつてドアウイン
ド５が形成される。

上記ドアパネル１の上端には第３図に拡大詳示
するようにドアＡの長手方向（前後方向）に延び
る開口部６が形成され、該開口部６の車室側縁す
なわちインナパネル２の上端にはドアＡの長手方
向に延びるゴム製のインナ側ウエザーストリツプ
７が取り付けられている。一方、開口部６の車体
外側縁すなわちアウタパネル３の上端には同じく
ドアＡの長手方向に延びるゴム製のアウタ側ウエ
ザーストリツプ８が取り付けられている。そし
て、上記アウタ側ウエザーストリツプ８の外面８
ａは車外側に向つて下方に傾斜していて、アウタ
パネル３外面と面一に設けられている。

９は上記ドアウインド５を開閉するウインドガ
ラスであつて、該ウインドガラス９はドアパネル
１内に没入して格納される開位置と、ドアパネル
１から上方に突出して上縁部がドアサツシユ４上
部に当接する閉位置との間を上記両ウエザースト
リツプ７，８間を通つて昇降可能に設けられてい
る。該ウインドガラス９の下端には第２図に示す
ようにウインドガラス９の長手方向に延びるゴム
製のホルダー部材１０がウインドガラス９の下端
を挟持するように接着によつて取り付けられてい
る。該ホルダー部材１０はその下部に取付孔１
２，１２を有し、該取付孔１２，１２を介してウ
インドガラス９昇降駆動用のレギユレータ装置
（図示せず）のアーム先端を案内するレギユレー
タガイド１１が取り付けられている。また、ホル
ダー部材１０のウインドガラス外面側部１０ａの
上端は車体外側に向つて下方に傾斜する傾斜面１
３に形成されている。

さらに、上記ウインドガラス９の外面とアウタ
側ウエザーストリツプ８との間にはドアＡの長手
方向に延びる所定の隙間１４が形成されている。
そして、ウインドガラス９の閉時（上昇端位置へ
の移動時）において、ホルダー部材１０のウイン
ドガラス外面側部１０ａがアウタ側ウエザースト
リツプ８に当接して該アウタ側ウエザーストリツ
プ８とウインドガラス９外面との間に形成されて
いた隙間１４を閉塞し、かつ該ホルダー部材１０
の傾斜面１３がアウタ側ウエザーストリツプ８の
外面８ａと略面一になるように構成されている。
尚、第１図中、１５はドアＡを車体（図示せず）
に揺動自在に支持するためのヒンジである。

したがつて、上記実施例においては、ウインド
ガラス９の昇降時（開閉時）、該ウインドガラス
９の外面とアウタ側ウエザーストリツプ８との間
には所定の隙間１４が形成されているため、ウイ
ンドガラス９はインナ側ウエザーストリツプ７の
みと接触しながら昇降するようになり、ウインド
ガラス９とウエザーストリツプ７，８との接触抵
抗が従来の構造に比べて小さくなつてウインドガ
ラス９に対する昇降駆動力を軽減することができ
る。

また、ウインドガラス９の閉時、その下端に取
り付けられたホルダー部材１０のウインドガラス
外面側部１０ａが上記アウタ側ウエザーストリツ
プ８に当接して、上記ウインドガラス昇降時にそ
の外面とアウタ側ウエザーストリツプ８との間に
形成されていた隙間１４を閉塞し、かつ該ウイン
ドガラス外面側部１０ａ上端の傾斜面１３がアウ
タ側ウエザーストリツプ８の外面８ａと略面一に
なるため、ドアパネル１内部に対する気密性及び
水密性を確保しながらドアＡ外表面をフラツシユ
サーフエイス化することができ、空力特性の向上
等を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はドアの
全体斜視図、第２図はウインドガラスの斜視図、
第３図は要部拡大斜視図である。 Ａ……ドア、１……ドアパネル、２……インナ
パネル、３……アウタパネル、７……インナ側ウ
エザーストリツプ、８……アウタ側ウエザースト
リツプ、８ａ……外面、９……ウインドガラス、
１０……ホルダー部材、１０ａ……ウインドガラ
ス外面側部、１３……傾斜面、１４……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インナパネルとアウタパネルとから成るドアパ
   ネルと、上記インナパネルの上端に取り付けら
   れ、ドアの長手方向に延びるインナ側ウエザース
   トリツプと、上記アウタパネルの上端に取り付け
   られ、かつ車体外側に向つて下方に傾斜して上記
   アウタパネルと略面一状の外面を有し、ドアの長
   手方向に延びるアウタ側ウエザーストリツプと、
   上記両ウエザーストリツプ間を昇降可能に設けら
   れたウインドガラスと、該ウインドガラスの下端
   に取り付けられ、かつウインドガラス外面側の上
   端部に車外側に向つて下方に傾斜する傾斜面を有
   し、ウインドガラスの長手方向に延びるホルダー
   部材とを備えていて、上記アウタ側ウエザースト
   リツプとドアガラス外面との間にはドアの長手方
   向に延びる隙間が形成されており、ウインドガラ
   スの閉時において該ウインドガラス外面側のホル
   ダー部材とアウタ側ウエザーストリツプとが当接
   して該アウタ側ウエザーストリツプとウインドガ
   ラス外面との隙間が閉塞され、かつ該ホルダー部
   材の傾斜面がアウタ側ウエザーストリツプの外面
   と略面一になるように設けられていることを特徴
   とする自動車用ドア構造。