JPH021135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ルーフの一部に開口部を設け、該開
口部にガラス又は合成樹脂等の透明又は半透明板
よりなるリツドを装着したサンルーフタイプの自
動車（以下サンルーフ車と略称する）におけるシ
エードパネルのストツパ装置に関するものであ
る。

従来の技術 ルーフの開口部に設けた透明又は半透明のリツ
ドを前後方向にスライドさせて開閉するようにし
たスライドリツド式のサンルーフ車においては、
リツドの下部に該リツドと平行に配設される日除
用のシエードパネルを、前記リツドの開作動時は
該リツドと一体となつて後方にスライドし得るよ
う構成すると共にリツドの閉状態では該シエード
パネルをリツドとは独立して前後方向にスライド
移動させ得るようになつているのが普通である
（例えば実公昭58−27851号公報参照）。

上記のようにリツド閉状態において乗員が任意
に開閉操作できるようになつているシエードパネ
ルを備えたサンルーフ車においては、シエードパ
ネルを前方にスライド操作した場合、該シエード
パネルの前縁部が当接して該シエードパネルの全
閉位置を規制するシエードストツパが必要であ
り、従来は例えば実開昭57−1916号公報に開示さ
れているように合成樹脂により押え板状若しくは
クリツプ状のストツパ部材を形成し、該ストツパ
部材をルーフ開口部周縁下部のフレームに形成し
た雨樋の山形状に接着等の手段にて固着した構造
を採つている。

考案が解決しようとする問題点 上記のような従来のシエードストツパは、複数
の独立した部品として構成されるので、部品点数
が多くなり、更に該独立した部品をそれぞれ取付
ける取付作業が必要となるので、取付作業が厄介
で、全体としてコスト高にならざるを得ないとい
う問題を有している。

本考案は上記のような従来の問題を解消するこ
とを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記のようなサンルーフ車において
は、ルーフ開口部前縁部下部のフレームに、リツ
ド閉時はリツド下部に倒伏しリツド開作動に伴な
いルーフ開口部前縁より上方に回動突出するデフ
レクタが回動可能に取付けられていることに着目
し、該デフレクタをフレームに回動可能に取付け
る為のデフレクタブラケツトの後端部に、シエー
ドパネル閉作動時該シエードパネル前縁部が当接
して該シエードパネルの全閉位置を規制するスト
ツパ部を一体に折曲形成したことを特徴とするも
のである。

作 用 上記構成により、独立した部品としてのシエー
ドパネルストツパは全く不要となり、部品点数の
削減をはかり得ると共に、シエードパネルストツ
パ自体の取付作業も完全に省略でき、全体として
大幅なコストダウンをはかり得るものである。

実施例 以下本考案の実施例を附図を参照して説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を示
すもので、１はルーフ、２は該ルーフ１の開口部
を開閉するガラス或は合成樹脂等の透明又は半透
明板よりなるリツドであり、該リツド２は図示の
ようにルーフ１と面一に連なつて開口部を閉塞す
る全閉位置から図示しないガイドレールに沿つて
開口部後方のルーフの下部又は上部に格納された
全閉位置までの間を図示しない電動モータ等の駆
動源によつて前後方向にスライド作動し得るよう
構成されている。

３はルーフ１の開口部周縁下部に取付けられた
フレームであり、該フレーム３にはルーフ１の開
口部周縁とリツド２の周縁との当り部より漏れた
雨水等を受けてこれを車外に排出する為のドリツ
プレール４が形成けされ、又該フレーム３の左右
両側部には図示は省略しているがリツド２の開閉
作動を案内するレールが装着されている。

５はシエードパネルであり、該シエードパネル
５は前記リツド２の下部において該リツド２とほ
ぼ平行状態に配設され、前記図示しないレールに
案内されて図示の全閉状態から後方にスライドし
た全閉状態までの間をスライド作動できるよう取
付支持されており、該シエードパネル５はリツド
２の全閉状態においてはリツド２とは関係なく自
由に開閉作動させることができ、リツド２が図示
の全閉状態から後方にスライドする開作動時のみ
該リツド２と連動してシエードパネル５は自動的
に開作動するよう構成されている。

６はフレーム３の前方部分に設けられるデフレ
クタであり、該デフレクタ６はフレーム３にビス
９等によつて取付けられるデフレクタブラケツト
７にヒンジピン８を中心として上下方向に回動可
能なるよう取付けられ、リツド２の閉時は該デフ
レクタ６は実線示のようにリツド２の前縁部下部
に倒伏した状態にて格納され、リツド２が後方に
開いて行くとそれに連動して上方に回動し鎖線示
のようにルーフ開口部前縁より上方に突出して起
立した使用状態となり、リツド２が閉作動すると
それに連動して実線示のような格納位置に戻るよ
うになつている。

上記デフレクタ６のリツド２との連動機構は従
来より既に一般に用いられ公知となつているので
詳しい図示及び説明は省略する。

本考案は上記のようにサンルーフ車において従
来よりルーフ開口部の前縁部に起倒可能なるよう
デフレクタ６が必ず取付けられていることに着目
し、該デフレクタ６をフレーム３に取付ける為の
デフレクタブラケツト７の後端部を下方に折曲し
て、シエードパネル５の閉作動時該シエードパネ
ル５の前縁部５ａが当接し該シエードパネル５の
全閉位置を規制するストツパ部７ａを形成したも
のである。

即ちデフレクタブラケツト７は第２図に示すよ
うに帯状板材の前端部にデフレクタ６の回転中心
となるヒンジピン８の嵌装用穴部７ｂを形成する
と共に後端部を山状に上方に屈曲した上で下方に
折り返し、所定の上下方向寸法をもつたシエード
パネルのストツパ部７ａが屈曲形成された構造と
なつており、このような構造のデフレクタブラケ
ツト７はフレーム３前部の左右にそれぞれビス９
等によつて固着され、穴部７ｂにヒンジピン８を
嵌装することによりデフレクタ６を第１図に示す
ように起倒可能なるよう支持するものであり、該
左右のデフレクタブラケツト７のストツパ部７ａ
はシエードパネル５の閉作動時該シエードパネル
５の前縁部５ａが当接してそれ以上のシエードパ
ネルの前方移動を拘止し、該シエードパネル５の
全閉位置を規制するものである。

デフレクタブラケツト７のストツパ部７ａには
その表面に適宜合成樹脂、ゴム等の弾性皮膜７ｃ
を形成し（例えばデイツピング形成等）、シエー
ドパネル前縁部５ａとの当りをやわらかくし当り
音を吸収低減することが望ましい。

第３，４図は本考案の第２の実施例を示すもの
で、この例ではデフレクタブラケツト７の後端部
に、シエードパネル５の前縁部５ａが当接してシ
エードパネル５の全閉位置を規制するストツパ部
７ａを折曲形成すると共に、該ストツパ部７ａの
一部を切り起して該ストツパ部７ａに当接したシ
エードパネル５の前縁部５ａの上側に庇状に突出
する庇状突出部７a′を形成し、シエードパネル５
を勢良く閉作動させたとき該シエードパネル５前
縁部５ａがストツパ部７ａに勢良く衝突しその勢
によつて、また走行中の振動によつて該シエード
パネル５前縁部５ａが上方に浮き上ろうとするの
を該庇状突出部７a′にて抑え、的確なるシエード
パネル５の全閉位置を保持できるようにし、また
これによつて該シエードパネルがリツド２やデフ
レクタ６に当つて生ずる音を防止しようとするも
のである。

上記庇状突出部７a′にもストツパ部７ａと同様
その表面に合成樹脂、ゴム等の弾性材よりなる弾
性皮膜７ｃを形成しておくことが望ましい。

上記以外の構造は第１，２図の第１実施例と同
じであり、第１，２図と同一の符号は同一の部分
を表わしている。

考案の効果 以上のように本考案によれば、サンルーフ車に
おけるシエードパネルの全閉位置規制用のストツ
パを、サンルーフ車においてももともと装備され
ているデフレクタの取付用ブラケツトにて一体に
形成したことにより、従来のように独立した部品
としてシエードパネルストツパを構成する必要が
なく、部品点数の削減をはかることができると共
に、シエードパネルストツパの取付作業も完全に
省略することができ、全体として大幅なコストダ
ウンをはかることができるもので、実用上多大の
効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を示
すもので、第１図は要部縦断側面図、第２図イ，
ロは第１図のデフレクタブラケツトの平面図及び
側面図である。第３図及び第４図は本考案の第２
の実施例を示すもので、第３図は要部縦断側面
図、第４図イ，ロは第３図のデフレクタブラケツ
トの平面図及び側面図である。 １……ルーフ、２……リツド、３……フレー
ム、５……シエードパネル、６……デフレクタ、
７……デフレクタブラケツト、７ａ……ストツパ
部、７a′……庇状突出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ルーフの一部に開口部を設け、該開口部に透
   明又は半透明のリツドを前後方向にスライドし
   て開閉できるよう装着すると共に、該リツドの
   下部に該リツドとほぼ平行に配設され前後方向
   にスライドして開閉できるシエードパネルを有
   しているサンルーフタイプの自動車において、
   前記ルーフの開口部の前縁部においてリツド閉
   時はリツド下部に倒伏しリツド開作動に伴つて
   ルーフ開口部前縁より上方に回動突出するデフ
   レクタをルーフ開口部前縁下部のフレームに回
   動可能に取付ける為のデフレクタブラケツトの
   後端部に、上記シエードパネル前縁部が当接し
   て該シエードパネルの全閉位置を規制するスト
   ツパ部を一体に折曲形成したことを特徴とする
   サンルーフタイプ自動車のシエードパネルのス
   トツパ装置。 (2) デフレクタブラケツト後端部のストツパ部
   は、その一部を切り起されて、シエードパネル
   全閉状態において該シエードパネル前縁部の上
   部に庇状に突出する庇状突出部が一体に形成さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   のサンルーフタイプ自動車のシエードパネルの
   ストツパ装置。