JPH0120735B2 - - Google Patents

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JPH0120735B2
JPH0120735B2 JP16130181A JP16130181A JPH0120735B2 JP H0120735 B2 JPH0120735 B2 JP H0120735B2 JP 16130181 A JP16130181 A JP 16130181A JP 16130181 A JP16130181 A JP 16130181A JP H0120735 B2 JPH0120735 B2 JP H0120735B2
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JP
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photographic
layer
acid
particles
undercoat layer
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JP16130181A
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JPS5862644A (ja
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Jun Yamaguchi
Hideo Kawaguchi
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE19823237359 priority patent/DE3237359A1/de
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Publication of JPH0120735B2 publication Critical patent/JPH0120735B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/85Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by antistatic additives or coatings
    • G03C1/853Inorganic compounds, e.g. metals

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は後から塗設されるハロゲン化銀写真層
(以下写真層と記す)に対する接着性が改良され、
同時に支持体の帯電特性が改良された写真用支持
体に関するものである。 写真用支持体に要求される特性は、一つには後
から塗設される写真層に対する強固な接着性であ
り、もう一つには支持体の帯電特性である。写真
用支持体は一般に電気絶縁性を有しており、写真
感光材料の製造工程中ならびに使用時に同種また
は異種物質の表面との間の接触摩擦または剥離を
うけることによつて静電電荷が蓄積されることが
多い。この蓄積された静電電荷は多くの障害を引
起すが、最も重大な障害は、支持体に写真用乳剤
を塗布する工程において、支持体フイルムと搬送
ローラー等の間で生じた支持体フイルム上の静電
気が写真用乳剤塗布ヘツドの近くで放電し、その
時生じた光によつて乳剤層上に点状又は樹枝状や
羽毛状の線斑を生じることである。これがいわゆ
るスタチツクマークとよばれているもので、写真
フイルムの商品価値を著しく損ね、場合によつて
は全く失なわしめる。例えば医療用又は工業用X
−レイフイルム等に現われた場合には非常に危険
な判断につながることは容易に認識されるであろ
う。この現象は現像してみて初めて明らかになる
もので、非常に厄介な問題の一つである。またこ
れらの蓄積された静電電荷はフイルム表面へ塵埃
が付着したり、塗布が均一に行なえないなどの第
2次的な誘起せしめる原因にもなる。 第一の写真用支持体上に写真層を強固に接着せ
しめる方法として従来、種々の方法が試みられて
きた。その方法は()薬品処理、放電処理、紫
外線処理などの表面活性化処理を行つた後、直接
写真層を塗設する方法()一旦表面活性化処理
を行つた後下引き層を塗設し、この上に写真層を
塗設する方法()一旦表面活性化処理を行つた
後、下引き第一層を塗設し、更に、主に親水性ポ
リマーより成る下引き第二層を塗設し、この上に
写真層を塗設する方法がある。 これらの方法については例えば米国特許第
2698241号、同第2764520号、同第2864755号、同
第2864756号、同第3475193号、英国特許第
788365、同第804005号、同第891469号等に記載さ
れている。 これらの方法の内、一般に上記()の方法が
広く用いられている。特に支持体がポリエチレン
テレフタレート(以下、PETと記す)、ポリスチ
レン等の場合には、表面活性化処理をした後、さ
らに下引き第一層、下引き第二層を設けないと支
持体と写真層の接着は弱かつた。 しかしこの()の方法に於てさえ、接着は充
分でなく、例えば米国特許第3788856号に見られ
る如く、下引き第二層にラテツクスを混合する方
法が試みられている。しかしこの方法を用いる
と、支持体製造工程で、下引き第二層を設けた支
持体を巻き取つた時、前面の下引き第二層同志ま
たは、片面の下引き第二層と反対面の層とが非常
に接着し易くなる。このように接着したロールは
次の写真層塗布工程で写真層を塗布するためのロ
ールの巻きほぐし、送り出しが困難となり、事実
上写真工業に於ての製造適性がない事となる。 また、前記の静電気による障害をなくすのに最
も良い方法は、物質の電気伝導性を上げて、蓄積
電荷が放電する前に静電電荷を短時間に逸散せし
めるようにすることである。そのような電気伝導
性の層を支持体に附与するために従来種々の努力
がなされて来た。例えば米国特許第3864132に記
載されている如く、金属酸化物の蒸着層を設ける
方法がある。しかし、本方法を写真工業に適用す
る場合蒸着設備の設備投資が必要であり、また、
蒸着処理速度は一般に写真工業で用いられている
塗布処理速度より遅いため生産性の低い方法と考
えねばならない。この欠点を解消した方法として
例えば特開昭55−145783に記載の如き、導電性の
水分散性重合体と架橋性ラテツクスを用いる方法
がある。しかし、本方法の場合親水性のラテツク
スを用いているため、この層を下引き第二層に用
いた場合、前記下引き第二層のポリマーラテツク
スを混合した場合と同様、下引き第二層同志また
は下引き第二層と支持体反対面とが不必要の接着
をおこし、下引きずみロールが巻きほぐせなくな
る必配がある。 また、導電性ラテツクスがカチオンラテツクス
の場合、下引き第二層に用いた時にカチオン物質
特有の写真特性に対する悪作用が生じることがあ
る。 一方、例えば米国特許第3062700号、特開昭52
−113224号及び同55−12927号等において、電子
写真感光体あるいは静電記録体の導電性支持体用
の導電性素材として結晶性の酸化亜鉛、酸化第二
錫及び酸化インジウム等の金属酸化物を用いる事
が知られている。しかしながら、これら結晶性の
金属酸化物粒子をハロゲン化銀乳剤の帯電防止剤
として用いることは全く知られておらず、更にこ
れらの導電性素材がハロゲン化銀感光乳剤層とど
のような相互作用を持つかは全く予想のつかない
ものであつた。ちなみに米国特許第3245833号に
記載されている導電性素材としてハロゲン化銀、
ハロゲン化銅が用いられているが、これらの導電
性素材は米国特許第3428451号に示すようにハロ
ゲン化銀乳剤層との間で相互作用を有し写真性に
悪影響があることが明示されているのである。 更に、写真感光材料を使用して得られた画像
は、透過光によつて観察する場合と、反射光によ
つて観察する場合とがある。後者の場合には、画
像のない部分の反射率はできるだけ高いことが好
ましい。一方、前者の場合には、画線のない部分
の光透過率を高くすることが好ましく、写真感光
材料による光散乱を小さくすることが望ましい。
光散乱を極力低下させる目的の為に、写真感光材
料に導電層を導入して帯電防止を行う場合に大き
な制約があり、現実には製造工程的に不利な前述
の金属酸化物の蒸着層や、不必要な接着特性を有
する導電性の水分散性高分子等を利用せざるを得
なかつた。従つて前述の米国特許第3062700号、
特開昭52−113224及び特開昭55−12927号等に記
載の酸化亜鉛、導電性酸化第2錫及び酸化インジ
ウムはこの意味からも電子写真用あるいは静電記
録用の導電性紙には利用できるものの、透過光に
より画像を観察するタイプのハロゲン化銀写真感
光材料には、そのままでは利用することができな
い。 本発明の第一の目的は写真層に対する接着性が
改良された支持体を提供することである。 本発明の第二の目的は帯電特性が改良され、乳
剤塗布工程でのスタチツクマークの発生やフイル
ム表面への塵埃の付着の必配が少く塗布が均一に
行なえるような支持体を提供することである。 本発明の第三の目的は、写真特性を損うことの
ない、支持体の帯電特性の改良法の提供である。 本発明の第四の目的は前記3つの目的を満した
透過光による画像の観察に適した写真感光材料を
提供することである。 本発明のこれらの目的は、ZnO、TiO2
SnO2、Al2O3、In2O3、MgO、BaO、MoO3の中
から選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸化物
あるいはこれらの複合酸化物あるいはこれらに異
種原子を少量含む微粒子であつて該微粒子の体積
抵抗率が107Ω−cm以下である微粒子を親水性バ
インダー中に分散した下引き第二層を、疎水性ポ
リマーを主成分とする下引き第一層を塗設した支
持体に塗設したことを特徴とする帯電特性及び写
真層の接着性が改良された写真用支持体によつて
達成される。 本発明に用いられる導電性微粒子として好まし
いのは結晶性の金属酸化物粒子であるが、酸素欠
陥を含むもの、及び用いられる金属酸化物に対し
てドナーを形成する異種原子を少量含むもの等は
一般的に言つて導電性が高いので好ましく特に後
者はハロゲン化銀乳剤にカブリを与えないので特
に好ましい。金属酸化物の例としてはZnO、
TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、MgO、BaO、
MoO3等、あるいはこれらの複合酸化物が良く、
特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子
を含む例としてはZnOに対してAl、In等、TiO2
に対してはNb、Ta等、SnO2に対してはSb、
Nb、ハロゲン元素等が挙げられる。異種原子の
添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましいが0.1〜
10mol%であれば特に好ましい。 本発明において利用される結晶性金属酸化物粒
子の粒子サイズは、光散乱をできるだけ小さくす
る為に小さい方が好ましいが、粒子とバインダー
の屈折率の比をパラメーターとして決定されるべ
きものである。Mieの理論を用いて、因みに550n
mの波長の光について、散乱効率5、10、30、50
%に対する粒子サイズを求めたものが第1表であ
る。各波長に対して第1表類似のものが作れる
が、ここでは省略し、第1表を以つ白色光に対す
る光散乱の目安とする。
【表】 写真感光材料の中、X−レイフイルムのように
画像を直接肉眼で観察するタイプの感材では、画
像のハイライト部の散乱効率が50%以下であるこ
とが好ましいし、カラースライド、カラーネガフ
イルム、黒白ネガフイルム、映画フイルム等のよ
うに画像を投影して利用するタイプの感材ではハ
イライト部の散乱効率は20%以下であることが好
ましい。 カラープリント、黒白印画紙等では光散乱は小
さい必要はないが、本発明をこれらに適用したと
しても何ら不都合はないことは自明のことであ
る。 本発明に使用される主な導電性粒子の母体とな
る金属酸化物の屈折率を第2表に例示する。 第 2 表 ZnO 2.0 TiO2 2.7〜2.9 SnO2 2.0 Al2O3 1.7〜1.8 本発明に使用されるバインダーについては後述
するが、屈折率はおよそ1.4〜1.6の範囲にある。
したがつて第1表の数値から判断して、およそ
0.5μ以下の導電性粒子を使用すれば本発明の大部
分が実現され、0.2μ以下の導電性粒子を使用すれ
ば光散乱効率10%以下の極めて光透過性の高い感
材を得ることが可能である。 本発明に用いられる導電層は25℃、25%R.H.
という低湿度の状況においても表面抵抗率1011Ω
以下、好ましくは109Ω以下にすることが望まし
い。この為に通常の下引き第二層として用いられ
る0.1〜1μm程度の塗布厚さを仮定すれば動電性
粒子の体積抵抗率は107Ω−cm以下、好ましくは
105Ω−cm以下であることが望まれる。 本発明に使用される結晶性の金属酸化物から成
る導電性微粒子は主として次のような方法により
製造される。第1に金属酸化物微粒子を焼成によ
り作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下
で熱処理する方法、第2に焼成により金属酸化物
微粒子を製造するときに導電性を向上させる為の
異種原子を共存させる方法、第3に焼成により金
属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下
げて、酸素欠陥を導入する方法等が容易である。 第1の方法では、微粒子表面の導電性を効果的
に向上させることができるが、熱処理中に粒子成
長が起る可能性があるので条件を選ぶ必要があ
る。また、熱処理は還元雰囲気で行う方が良い場
合がある。第2の方法は、最も製造経費が少くて
済むと思われるので好ましい。例えば、SnO2
水和物であるβ−スズ酸コロイド(無定形)を焼
成炉中に噴霧してSnO2微粒子を得る方法におい
て、β−スズ酸コロイド中に塩化アンチモン、硝
酸アンチモン、酸化アンチモンの水和物等を共存
させておくと導電性SnO2微粒子を得ることがで
きる。また別の例としてSnCl4、TiCl4を酸化分
解してSnO2、TiO2を作製する所謂気相法におい
て、酸化分解の時に異種原子の塩類を共存させる
と導電性のSnO2、TiO2を得ることができる。ま
た、金属の有機酸塩を加熱分解して金属酸化物を
得る方法において、加熱分解の際に異種金属の塩
類を共存させる方法もある。第3の方法の例とし
ては、酸素雰囲気中で金属を蒸発させて金属酸化
物微粒子を得る真空蒸発法において、酸素量を不
足気味にしておく方法、あるいは酸素を十分に供
給せずに金属、金属塩類を加熱する方法がある。 本発明に使用される導電性粒子はできるだけ小
さい方が望ましいが、前記の粒子作製法によつて
得られた微細粒子は、強く凝集してしまつて、粗
大粒子となつてしまうことがある。これを避ける
為に、導電性粒子を作る際に、導電性向上には直
接寄与しない微細な粒子を微粒子化助剤として共
存させると効果があることが多い。この目的に利
用される粒子としては、導電性を高める目的で作
られたのではない微細な金属酸化物粒子(たとえ
ばZnO、TiO2、Al2O3、SiO2、MgO、BaO、
WO3、MoO3、P2O5等)、BaSO4、SrSO4
CaSO4MgSO4等の硫酸塩の微粒子、MgCO3
CaCO3等の炭酸塩の微粒子等がある。 ここに例として挙げた粒子は着色の少いものな
ので導電性微粒子と共にバインダー中に分散させ
て用いることも可能である。また、大部分の助剤
用粒子及び粗大粒子を除く目的で、物理的あるい
は化学的処理をすることもできる。すなわち得ら
れた粒子を液体中に投入し、ボールミル、サンド
ミル等により粉砕した後、過、水簸あるいは遠
心沈降等により、極微細導電性粒子を選択的に捕
集する方法、あるいは上記のように粉砕した後、
助剤粒子だけを溶解してしまうという方法が効果
的である。これらの操作を繰返したり、また組合
せることにより一段と効果的に極微細導電性粒子
が得られることは言うまでもない。粒子を分散す
る液体中に、分散助剤として界面活性剤、少量の
本発明に使用できるバインダー類あるいは少量の
ルイス酸、ルイス塩基を加えておくと更に効果的
に極微細導電性粒子が得られる。 化学的処理を併用すれば、助剤粒子として使用
できる粒子は更に広い範囲に汎ることは自明のこ
とである。 本発明に使用する導電層のバインダーとしては
ゼラチン、誘導体ゼラチン、コロイド状アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質;カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジアセチ
ルセルロース、トリアセチルセルロース等のセル
ロース化合物;寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷ
ん誘導体等の糖誘導体;合成親水性コロイド例え
ばポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリル
アミドまたはこれらの誘導体、および部分加水分
解物、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル
等のビニル重合体およびその共重合体、ロジン、
シエラツク等の天然物およびその誘導体、その他
多くの合成樹脂類が用いられる。また、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸エステルおよびその誘導体、ポリ酢酸ビ
ニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合
体、ポリオレフイン、オレフイン−酢酸ビニル共
重合体等の水エマルジヨンも使用することができ
る。この中でゼラチンが最も好ましい。 あるいは、また、酸化アルミニウム、酸化す
ず、酸化バナジウム等の金属酸化物の水和物のコ
ロイドをバインダーとして用いることも可能であ
る。 本発明に使用される下引き第二層には、従来知
られている導電性高分子をそのバインダーの一部
または全部として使用できる。これらの化合物
は、例えば、ポリビニルベンゼンスルホン酸塩
類、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウム
クロライド、米国特許第4108802号、同4118231
号、同4126467号、同4137217号等に記載の四級塩
ポリマー類、米国特許第4070189号、
OLS2830767号(US SerNo.816127)等に記載さ
れた架橋型ポリマーラテツクス類等である。 本発明は写真用支持体の下引き第二層に導電性
を有する無機金属酸化物粒子と親水性のバインダ
ーよりなる層を設けることよりなるが、下引き第
二層による光散乱を少くする上で、次のような点
にも留意すべきである。 すなわち、光散乱は下引き第二層内部のみなら
ず、下引き第二層が他の物質と接する界面におい
ても生じることである。この場合、下引き第二層
用のバインダーと感光乳剤層用バインダーとがほ
ぼ等しい屈折率を持つているために両層の界面で
の光散乱の影響はあまり大きくない。 一方、下引き第二層を感光材料の背面すなわち
写真感光材料と外部の媒体(通常は空気)と接す
る位置に配置する場合、下引き第二層と媒体との
界面で光散乱が生じる。この光散乱を抑制する為
には、導電層を覆うように、被覆層を設ける方法
がある。この被覆層には下引き第二層の保護層と
しての機能を兼備させることができるので、本発
明の好ましい態様の一つである。 下引き第二層の厚さは通常0.05〜3μ程度であ
り、無機酸化物粒子の粒子径は0.01〜1μ程度が好
ましく更に好ましくは0.05〜0.5μ程度である。粒
子がこれより大きな場合は、粒子が下引き第二層
の中に納まらず、光散乱がやや大きくなる。 導電性粒子をより効果的に使用して下引き第二
層の抵抗を下げるために、下引き第二層中におけ
る導電性粒子の体積含有率は高い方が良いが、あ
まり導電性粒子の体積含有率が高いと下引き第二
層の強度が弱くなるため、導電性粒子の体積含有
率は5〜95%更に好ましくは30〜80%、更に好ま
しくは40〜70%の範囲が望ましい。 しかし上記の範囲は使用する写真フイルムベー
スの種類、写真、組成物、形態又は塗布方式によ
つて異なることは勿論である。 本発明の写真感光材料の支持体として使用され
るものは例えばセルロースナイトレートフイル
ム、セルロースアセテートフイルム、セルロース
アセテートブチレートフイルム、セルロースアセ
テートプロピオネートフイルム、ポリスチレンフ
イルム、ポリエチレンテレフタレートフイルムで
代表される線状ポリエステル(テレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、2,5−2,6−および
2,7−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、セ
バシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ジフエニ
ルジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ま
たはビス−p−カルボキシルフエノキシエタンの
ようなジカルボン酸またはその低級アルキルジエ
ステル一種またはそれ以上を、場合によつてはピ
パリン酸のようなモノカルボン酸を併用して一種
またはそれ以上のグリコールたとえばエチレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコールまた
は1,4−シクロヘキサンジメタノールを縮合さ
せることにより得られる。)ポリカーボネートフ
イルムその他これらの積層物、等がある。更に詳
細にはバライタ又はα−オレフインポリマー特に
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテ
ンコポリマー等炭素原子2〜10個のα−オレフイ
ンのポリマーを塗布またはラミネートした紙、を
挙げることが出来る。 これらの支持体は感光材料の使用目的に応じ
て、透明なものと不透明なものの中から選択をし
て用いられる。また透明な場合にも無色透明のも
のだけでなく染料、顔料を添加して着色透明にす
ることが可能である。 下引き第一層の重合体または共重合体成分は支
持体フイルムに対する接着強度が強力である任意
の重合体または共重合体から選ぶことができる。
この強力な接着強度は、通常の写真処理液で処理
する前および後の乾燥状態においてもまた通常の
写真処理液で処理する間の湿潤状態においても維
持されなければならない。しかるべき重合体また
は共重合体は例えばスチレンの共重合体:ブタジ
エンとアクリロニトリルとのカルボキシル化共重
合体、スチレンとブタジエンとアクリル酸エステ
ルとの共重合体、スチレンとブタジエンとアクリ
ル酸エステルとジビニルベンセンの共重合体のよ
うなブタジエン共重合体:クロル酢酸ビニル、ア
クリル酸エチルおよびアクリルアミドの共重合体
のようなビニルエステルの共重合体:ポリエステ
ルやコポリエステルの水分散液のようなポリエス
テルおよびコポリエステル、たとえばスルホテレ
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、エチレ
ングリコールおよびネオペンチルグリコールの共
重合体(特に“Eastman Binder”DFBとして市
販のもの);線状ポリエステルウレタン(特に
“Deamacol”8066)して市販のもの)のような
ポリウレタン:アクリル酸エステルおよび/また
はメタクリル酸エステルを含む共重合体、たとえ
ばイタコン酸、アクリルアミドまたはメタクリル
アミドのような親水性共重合体をも1ないし15モ
ル%含む共重合体:塩化ビニル共重合体、たとえ
ば、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリ
ル酸エステルおよびイタコン酸、アクリルアミド
またはメタクリルアミドのような親水性共重合体
を含む塩化ビニル共重合体:ならびに塩化ビニリ
デン共重合体、たとえば塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、イタコン酸共重合体または塩化ビニ
リデン、メチルアクリレート、アクリル酸共重合
体等の中から選ぶことができる。この時上記の例
にしばられる事なく、下引き第一層用の重合体、
共重合体を選ぶことができる。 下引き第一層用いるのが好ましい一群の共重合
体は例えば特開昭55−65949、同51−112326号、
同51−117617号、同51−121323号、同51−123139
号、同51−139320号に記載の如き、ジオレフイン
単量体と1種以上のビニル単量体と必要により他
の成分より成る共重合体の水分散液や、特開昭52
−65422号、同51−114120号に記載の如きブレン
ド物であつてもよい。 また他の下引き第一層に用いるのが適切な一群
の好ましい共重合体として、塩化ビニリデン共重
合体、たとえば米国特許第2627088号に記載のも
ののような写真用下塗り層として当業界公知のも
のがある。塩化ビニリデンと共重合させる適切な
共重合体としてはたとえば、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、シト
ラコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、
メサコン酸、イタコン酸、アルキル基の炭素数が
1ないし4であるイタコン酸のモノアルキルエス
テル、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物、ア
クリル酸、メタクリル酸、アルキル基の炭素数が
1ないし18であるアクリル酸およびメタクリル酸
のアルキルエステル酢酸ビニル、塩化ビニル、ス
チレン、ハロゲノ酢酸ビニル、ハロゲノ酢酸アリ
ルがある。 本発明を実施するにあたり必要に応じて、支持
体表面をあらかじめコロナ放電、紫外線照射、火
炎処理、真空グロー放電処理等の慣用的に行なわ
れている予備処理をしてもよい。 本発明に係る下引き用塗布液は、一般によく知
られた塗布方法、例えば、デイツプコート法、エ
アーナイフコート法、カーテンコート法、ローラ
ーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコ
ート法、あるいは米国特許第2681294号明細書に
記載のホツパーを使用するエクストルージヨンコ
ート法等により塗布することができる。必要に応
じて、米国特許第2761791号、同3508947号、同
2941898号、及び同3526528号明細書、尾崎等著
「コーテイング工学」253頁(1973年朝倉書店発
行)などに記載された方法により2層以上の層を
同時に塗布することができる。 本発明に係る下引き液の塗布量としては固型分
体積にして支持体1平方米当り0.01〜10c.c.特に
0.1〜3c.c.であることが好ましい。 かくして塗布された下引き液は続いて乾燥工程
において乾燥されるが、その条件は120℃〜200℃
で10秒から10分であるが、この範囲内で温度及び
時間を適宜決めることができる。 本発明に係る下引き第一層および/もしくは下
引き第二層には必要により架橋剤、界面活性剤、
膨潤剤、親水性ポリマー、マツト剤、帯電防止剤
を添加してもよい。 架橋剤としては例えば、米国特許第3325287号、
同3288775号、同3549377号、ベルギー特許
6602226号等に記載のトリアジン系化合物:米国
特許第3291624号、3232764号、フランス特許第
1543694号、英国特許第1270578号に記載のジアル
デヒド系化合物;米国特許第3091537号、特公昭
49−26580号等に記載のエポキシ系化合物;米国
特許第3642486号等に記載のビニル系化合物;米
国特許第3392024号に記載のアジリジン系化合
物;米国特許第3549378号等に記載のエチレンイ
ミン系化合物:及びメチロール系化合物がある。
好ましく用いられる化合物は2,4−ジクロロ−
6−ヒドロキシ−s−トリアジンのナトリウム塩
もしくは1,3−ビス(ビニルスルホニル)プロ
パノール−2であり、これら架橋剤に下引き層塗
布液1当り0.001〜10g用いるのが好ましい。 膨潤剤としては特に添加の必要はないが、例え
ばフエノール、レゾルシン等を添加してもよく、
その添加量は下引き液1当り1〜10gである。 マツト剤としては粒子径0.1〜10μの二酸化ケイ
素(シリカ)、ポリスチレン、ポリメチルメタク
リレートが好ましい。 帯電防止剤としてはアニオン又はカチオン界面
活性剤、イオネン系ポリマー、特開昭49−3972号
等に記載のマレイン酸系共重合体等を用いること
ができる。 下引き第一層には親水性ポリマー例えばゼラチ
ンの如き天然ポリマー、ゼラチン誘導体、ポリビ
ニルアルコール、酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など
の合成ポリマーを添加してもよい。その添加量は
下引き液1当り0.05〜5g特に0.1〜1gであ
る事が好ましい。 本発明の写真感光材料において各写真構成層は
また次のようなバインダーを含むことができる。
例えば親水性コロイドとしてゼラチン、コロイド
状アルブミン、カゼインなどの蛋白質;カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース化合物;寒天、アルギン酸ソー
ダ、でんぷん誘導体等の糖誘導体;合成親水性コ
ロイド例えばポリビニルアルコール、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合体、ポ
リアクリルアミドまたはこれらの誘導体および部
分加水分解物等が挙げられる。必要に応じてこれ
らのコロイドの二つ以上の混合物を使用する。 この中で最も用いられるのはゼラチンであるが
ここに言うゼラチンはいわゆる石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチンおよび酵素処理ゼラチンを指
す。ゼラチンの一部または全部を合成高分子物質
で置きかえることができるほか、いわゆるゼラチ
ン誘導体すなわち分子中に含まれる官能基として
のアミノ基、イミノ基、ヒドロキシ基またはカル
ボキシル基をそれらと反応しうる基を1個持つた
試薬で処理、改質したもの、あるいは高分子物質
の分子鎖を結合させたグラフトポリマーで置きか
えて使用してもよい。 本発明に用いられる写真感光材料のハロゲン化
銀乳剤は通常、水溶性銀塩(例えば硝酸銀)溶液
と水溶性ハロゲン塩(例えば臭化カリウム)溶液
とをゼラチンの如き水溶性高分子溶液の存在下で
混合してつくられる。このハロゲン化銀としては
塩化銀、臭化銀のほかに混合ハロゲン化銀例えば
塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等を用いること
ができる。これらのハロゲン化銀粒子は公知、慣
用の方法に従つて作られる。勿論いわゆるシング
ルジエツト法、ダブルジエツト法、コントロール
ダブルジエツト法等を用いて作ることも有用であ
る。これらの写真乳剤はT.H.James及びC.E.K.
Mees著、「The Theory of the Photographic
Process」第3版、Mac Millan社刊;P.
Grafikides著、「Chemie Photographique」、
Paul Montel社刊等の成書にも記載され一般に用
いられているアンモニア法、中性法、酸性法等
種々の方法で調製し得る。このようにして調製し
たハロゲン化銀粒子を化学増感剤(例えばチオ硫
酸ナトリウム、N,N,N′−トリメチルチオ尿
素、一価金のチオシアナート錯塩、一価金のチオ
硫酸錯塩、塩化第一スズ、ヘキサメチレンテトラ
ミン等)の存在下で熱処理をし、粒子を粗大化し
ないで感度を上昇させることが出来る。 写真乳剤は必要に応じてシアニン、カルボシア
ニン等のポリメチン増感色素類の単独あるいは組
合せ使用、またはそれらとスチリル染料等との組
合せ使用によつて分光増感や強色増感を行なうこ
とができる。 また本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤には感光材料の製造工程、保存中あるいは処理
中の感度低下やカブリの発生を防ぐために種々の
化合物を添加することができる。それらの化合物
は4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン−3−メチル−ベンゾチア
ゾール、1−フエニル−5−メルカプトテトラゾ
ールをはじめ多くの複素環化合物、含水銀化合
物、メルカプト化合物、金属塩類など極めて多く
の化合物が古くから知られている。使用できる化
合物の例としてはT.H.James及びC.E.K.Mees著、
「The Theory of the Photographic Process」
第3版(1966年)、Mac Millan社刊に原文献を
挙げて記載されている。 ハロゲン化銀写真乳剤がカラー写真感光材料と
して用いられる場合にはカプラーをハロゲン化銀
乳剤層中に含ませてもよい。この様なカプラーは
4当量型のジケトメチレン系イエローカプラー、
2当量型のジケトメチレン系イエローカプラー、
例えば米国特許第3277157号、同3408194号、同
3551155号、特開昭47−26133号、同48−66836号
等に記載された化合物;4当量型又は2当量型の
ピラゾロン系マゼンタカプラーやインダゾロン系
マゼンタカプラー例えば米国特許第2600788号、
同3214437号、同3476560号、特開昭47−26133号
等に記載された化合物;α−ナフフトール系シア
ンカプラーやフエノール系シアンカプラー例えば
米国特許第2474293号、同3311476号、同3481741
号、等に記載された化合物などが用いられる。そ
のほかに米国特許第3227554号、同3253924号、同
3379529号、同3617291号、同3770436号等に記載
された現像抑制剤を放出しうるカプラーも使用す
ることができる。 本発明の写真感光材料におけるハロゲン化銀乳
剤層およびその他の親水性コロイド層は各種の有
機または無機の硬化剤(単独または組合せて)に
より硬化されうる。代表的な例としてはムコクロ
ル酸、ホルムアルデヒド、トリメチロールメラミ
ン、グリオキザール、2,3−ジヒドロキシ−
1,4−ジオキサン、2,3−ジヒドロキシ−5
−メチル−1,4−ジオキサン、サクシンアルデ
ヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化
合物;ジビニルスルホン、メチレンビスマレイミ
ド、1,3,5−トリアクリロイル、ヘキサヒド
ロ−s−トリアジン、1,3,5−トリビニルス
ルホニル−ヘキサヒドロ−s−トリアジンビス
(ビニルスルホニルメチル)−エーテル、1,3−
ビス(ビニルスルホニル)プロパノール−2、ビ
ス(α−ビニルスルホニルアセトアミド)エタン
の如き活性ビニル系化合部;2,4−ジクロロ−
6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
塩、2,4−ジクロロ−6−メトキシ−s−トリ
アジンの如き活性ハロゲン化合物;2,4,6−
トリエチレンイミノ−s−トリアジンの如きエチ
レンイミン系化合物;などを挙げることが出来
る。 本発明の写真構成層には界面活性剤を単独また
は混合して添加してもよい。それらは塗布助剤と
して用いられるものであるが、時としてその他の
目的、例えば乳化分散、増感その他の写真特性の
改良、帯電列調整等のためにも適用される。 これらの界面活性剤はサポニン等の天然界面活
性剤、アルキレンオキシド系、グリセリン系、グ
リシドール系などのノニオン界面活性剤、高級ア
ルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウムまたはスル
ホニウム類等のカチオン界面活性剤;カルボン
酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エステル、リン酸
エステル等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、
アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸またはリン酸エステル類等の両性界面
活性剤である。また、同様の目的の為にフツ素系
界面活性剤を使用することも可能である。 これら使用しうる界面活性剤化合物例の一部は
米国特許第2271623号、同2240472号、同2288226
号、同2739891号、同3068101号、同3158484号、
同3201253号、同3210191号、同3294540号、同
3415649号、同3441413号、同34422654号、
3475174号、同3545974号、同3666478号、同
3507660号、英国特許第1198450号をはじめ小田良
平他著「界面活性剤の合成とその応用(槙書店、
1964年)およびA.W.ペリイ著「サーフエスアク
テイブエージエンツ」(インターサイエンスパブ
リケーシヨンインコーポレーテイド、1958年)、
J.P.シスリー「エンサイクロペテイア オブ ア
クテイブエージエンツ第2巻」(ケミカルパブリ
ツシユカンパニー、1964年)などの成書に記載さ
れている。 本発明に於て、フツ素系界面活性剤を併用する
と、スタチツクマーク防止に効果が大きい。併用
効果の得られるフツ素系界面活性剤としては、以
下の化合物例をあげることができる。 例えば、英国特許1330356号、同1524631号、米
国特許3666478号、同3589906号、特公昭52−
26687号、特開昭49−46733号、同51−32322号、
等に記載されているフツ素系界面活性剤がある。 代表的化合物例をあげるならば、例えば、N−
パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピル
グリシンカリウム塩、2−(N−パーフルオロオ
クチルスルホニル−N−エチルアミン)エチルホ
スフエート、N−〔4−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンジル〕−N,N−ジメチルアンモニオ
アセテート、N−〔3−(N′,N′,N′−トリメチ
ルアンモニオ)プロピル〕パーフルオロオクチル
スルホンアミドアイオダイド、N−(ポリオキシ
エチレニル)−N−プロピルパーフルオロオクチ
ルスルホアミド(C8F17SO2N(C3H7
(CH2CH2O)oH)、及び、含フツ素コハク酸系化
合物などがあげられる。 又、本発明に於ては、滑性化組成物、例えば米
国特許第3079837号、同第3080317号、同第
3545970号、同第3294537号及び日本公開特許昭52
−129520号に示されるような変性シリコーン等を
写真構成層中に含むことができる。 本発明の写真感光材料は写真構成層中に米国特
許第3411911号、同3411912号、特公昭45−5331号
等に記載のポリマーラテツクスを、又マツト剤と
してシリカ、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウ
ム、ポリメチルメタクリレート等を含むことがで
きる。 本発明の実施によつて写真感光材料の製造工程
中および/あるいは使用時に起るスタチツクに起
因した故障が改善された。 本発明の実施により予期しない効果として写真
感光材料の乳剤面とバツク面との間の接触、乳剤
面と乳剤面との間の接触および写真感光材料が一
般によく接触する物質例えばゴム、金属、プラス
チツク及び螢光増感紙等との接触に起因するスタ
チツクマークの発生は著しく減少した。 次に本発明の効用を実施例を挙げて具体的に説
明するが本発明はこれに限定されるものではな
い。 なお、実施例における接着テストは以下の方法
により行つた。 (1) 乾燥時の接着テスト 生フイルムおよび現像処理済みの乾燥フイル
ムの乳剤面に、カミソリの刃を用いて網目状に
約4mm間隔に傷をつけ、その上に粘着テープ
(住友スリーエム社製スコツチパーマセルテー
プ)を貼りつけ瞬間的に剥離する。この方法で
剥離部分が0〜5%未満の場合A級、5〜30未
満の場合をB級、30〜100%をC級とする。 (2) 湿潤時の接着テスト 現像、定着、水洗の各段階に於て処理液中で
フイルムの乳剤面に鉄筆を用いて引掻き傷を2
本交叉してつけ、その傷の部分を線に直角方向
に指頭でこする。乳剤層が傷以上に剥離しない
場合A級、最大剥離巾が5mm以内の時B級、こ
れより大の時C級とする。 実施例 1 塩化第二スズ水和物65重量部と三塩化アンチモ
ン1.5重量部をエタノール1000重量部に溶解し均
一溶液を得た。この溶液に1N水酸化ナトリウム
水溶液を前記溶液のPHが3になるまで滴下してコ
ロイド状酸化第二スズと酸化アンチモンの共沈澱
を得た。得られた共沈澱を50℃に24時間放置し赤
褐色のコロイド状沈澱を得た。 赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分離し
た。過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心
分離によつて水洗した。この操作を3回繰り返し
過剰イオンを除去した。 過剰イオンを除去したコロイド状沈澱100重量
部を平均粒径0.3μの硫酸バリウム50重量部及び水
1000重量部に混合し900℃に加熱された焼成炉中
に噴霧し青味がかつた平均粒径0.1μの酸化第二ス
ズと硫酸バリウムからなる粉末状混合物を得た。 この混合物1gを内径が1.6cmの絶縁性シリン
ダに入れ、上下よりステンレス電極で1000No./cm2
の圧力で加圧しながら、粉末の比抵抗を測定した
ところ11Ω−cmであつた。 実施例 2 二軸延伸、配向結晶化されたポリエチレンテレ
フタレートフイルムに下記組成から成る下引き第
一層用の液を塗布した。 ついで180℃で1分間乾燥、熱処理をし、乾燥
下引き第一層の膜厚0.5μの被覆組成物を得た。 下引き第一層用塗布液 Γブタジエン−スチレン−アクリル酸エステル共
重合ラテツクス(固型分50%、ブタジエン/ス
チレン重量比=40/60) 10c.c. Γ2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジンナトリウム塩8%水溶液 2c.c. Γ蒸留水 150c.c. 実施例 3 実施例1で得られたSnO2粉末 10重量部 水 40重量部 からなる混合物を1N NaOH液を用いてPH6.5に
調整した後、ペイント・シエーカーで1時間分散
し、均一な分散液を得た。この分散液を
100rpm30分遠心分離し、粗大粒子を取り除いた。
この液の濃度は14重量%液であつた。このSnO2
液とPH6.5の10重量%のゼラチン液及び蒸留水を
下記混合比となるよう混合し、ワイヤーバーを用
いて実施例2で作成した下引き第一層を有する支
持体上に塗布をした。この下引き第二層を塗布後
140℃5分乾燥した。
【表】 SnO2の比重は5.5とし、ゼラチンの比重は1.3と
して計算した。 各れも下引き第二層の膜厚は0.3μ 得られた支持体を25℃10%RHの条件下に2時
間放置後、下引き第二層の表面抵抗値は絶縁抵抗
測定器(川口電機社製VE−30型)によつて測定
した。またこの支持体の光散乱は光散乱測定器
(ナルミ社製)で測定した。また、この下塗済み
支持体にレントゲン用ハロゲン化銀乳剤
(AgBrI、I=2.5モル%)を1平方米当たり銀3
gとゼラチン3.5gになるように塗布乾燥して接
着力を測定した。 結果は以下の通りであり、SnO2の体積%が50
%のものは良好な帯電特性を備えかつ非常に強く
乳剤層が支持体と接着している事が判る。
〔ハロゲン化銀乳剤組成〕
バインダー;ゼラチン9.15g/乳剤80g当り ハロゲン化銀組成;AgI8.5mol%および
AgBr91.5mol%BExcess20mol% 銀量;4.42×10-2mol% ハロゲン化銀粒子の平均粒径;0.75μm 〔添加剤組成〕 ポリビニルベンゼンスルホン酸カリウム(2%溶
液);2c.c./乳剤80g当り ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(1%溶
液);2c.c./乳剤80g当り 〔SnO2粉末/水分散物の分散条件〕 水34c.c.中にSnO2粉末をそれぞれ5mg、20mg、
80mg及び200mg分散した分散物。 上記の含有量でSnO2粉末を含む4種類のハロ
ゲン化銀乳剤をそれぞれ100μmのポリエチレン
テレフタレートフイルムに乾燥塗布銀量が3.2乃
至3.3g/m2となるように塗布し、乾燥してSnO2
粉末を含むハロゲン化銀写真感光材料を準備し
た。比較のために同様の処方でSnO2粉末を含ま
ないハロゲン化銀写真感光材料を準備した。 次にこの様にして作成された資料、更にこの資
料をドライサーモ(50℃、20%RH下で7日間)
し、ウエツトサーモ(50℃、80%RH下で7日
間)した資料について、それぞれハロゲン化銀乳
剤層のカブリ及び感度について調べた。現像液と
しては、D76現像液(イーストマンコダツク社
製)を用い、現像条件は20℃、8分とした。 その結果第3表に示す通り、SnO2粒子の有無
によるカブリの増加は全く認められなかつた。
【表】 更にこれらについて、カブリプラス0.2の濃度
における感度を比較したところ、SnO2粒子の有
無及びその量にほぼ無関係にサーモ試験なし及び
SnO2粒子無しの比較資料の感度を100とした時に
ドライサーモ試験を行なつたものは112の感度を
示し、ウエツトサーモを行なつたものは63の感度
を示した。(尚、SnO2を200mg含み、ウエツトサ
ーモを行なつたもののみ100の感度を示した。) 以上の結果、本発明に用いられる導電性金属酸
化物の使用はハロゲン化銀乳剤に示して写真性に
影響がないことが判つた。 実施例 5 酸化亜鉛 100重量部 Al(NO33・9H2Oの10%水溶液 5重量部 水 100重量部 からなる混合物を10分間超音波照射し均一分散液
を得た。この分散液を110℃で1時間乾燥後、1
×10-4Torr、600℃で5分間焼成し比抵抗2×
102Ω−cmの酸化亜鉛を得た。粒径は2μであつた。
この粒子をボールミルにより粉砕して平均粒径
0.7μの粒子を得た。 実施例 6 実施例5によつて得られたZnO粉末 10重量部 水 150重量部 からなる混合物をペイント・シエーカーで1時間
分散し均一な分散液を得た。この分散液を
1000rpm、30分遠心分離し粗大粒子を取り除い
た。残つた上澄液を2000rpm、1時間遠心分離し
微細粒子からなるZnOペーストを得た。 上記ZnOペースト10重量部をゼラチン10%水溶
液25重量部、水100重量部に混合しペイント・シ
エーカーで1時間分散して下引き第二層用塗布液
を調整した。 この塗布液を実施例3と同様な方法で乾燥重量
2g/m2になるように実施例2のフイルムに塗布
し導電性支持体を得た。 この支持体を25℃、25%RHの条件下に2時間
放置し表面抵抗を測定したところ3×109Ωであ
つた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 写真用支持体材料の少くとも片面に疎水性ポ
    リマーを主成分とする下引き第一層を設け、該ポ
    リマー層上にZnO、TiO2、SnO2、Al2O3
    In2O3、MgO、BaO、MoO3の中から選ばれた少
    くとも1種の結晶性の金属酸化物あるいはこれら
    の複合酸化物あるいはこれらに異種原子を少量含
    む微粒子であつて、かつ該微粒子の体積抵抗率が
    107Ω−cm以下である微粒子と親水性バインダー
    とを含む下引き第二層を設けた事を特徴とする写
    真用支持体。
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