JPH0120318Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は数槽に区分されたタンクの各槽から
独立に配管されて各槽ごとの独立の吐出口を有す
るタンクローリの油種槽番表示器に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

上記型式のタンクローリは、油槽所において各
槽ごとに、例えば第１槽にはガソリン、第２槽に
は軽油、第３槽には灯油というような異種石油製
品を荷積みし、各ガソリンスタンドでこれらを
各々対応する地下タンクに荷降ろしするものであ
る。この場合、タンクローリの吐出口と、地下タ
ンクの注入口とを、順次連結する作業が必要であ
る。この際連結を誤まると、地下タンクに異種石
油製品を混入することとなり、重大事故の原因と
なり、また多大の損害をこうむることになる。こ
のため連結の際には、各槽に積載されている油種
を確認するとともに、各槽に対応する吐出口を確
認した上で、地下タンクのこれに対応する注入口
を確かめてから連結することが不可欠である。

このような場合、従来は各槽に荷積みする際に
その油種を記憶しておくか、あるいは伝票等に記
録しておき、連結の際にはその記憶あるいは伝票
等にもとづいて確認し、さらに不安な場合は、吐
出口近傍に設けた覗き窓から目視する等の、種々
の手段を用いることにより、確認を行ない、誤連
結を防止していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、記憶、伝票等によることは、記憶違
い、記載ミス等の可能性が大きいため、不安が残
り、確認には細心の注意を払つて行なう必要があ
り、結果的に荷卸ろしに時間と労力が費やされる
とともに、誤つて異種石油製品を地下タンクに混
入させるおそれも少なくなかつた。

〔課題を解決するための手段〕 この考案は上記の確認を正確にかつ迅速に行な
うことができる一つの有力な手段を提供すべく、
適宜間隔を置いて相対峙する２枚の板のそれぞれ
の表面に槽番を表示した槽番表示体と、この槽番
表示体の前記２枚の板の間に軸を介して回動可能
に支承しかつその上部が前記槽番表示体上に突出
し、この突出する部分の両面に周辺に表示した複
数の油種のうちの１種のみが選択的に露出する油
種表示板とからなり、タンクの前記槽番に該当す
る槽上において、このタンク上に設けられた防護
枠の内側に、前記槽番と一種類の油種とを防護枠
上に突出表示する起立位置と、前記油種挿番表示
器自体が防護枠の内側に納まる転倒位置とをとり
得るように起倒自体に取り付けて成るタンクロー
リの油種槽番表示器を提案するものである。

〔作用〕

上述の構成からなるこの考案の油種槽番表示器
を使用し、タンクローリの走行時には、この油種
槽番表示器を防護枠の内側に納めておくと共に、
積み込み時には前記油種槽番表示器を起立させ
て、これに表示されている槽番と、油種とを確認
した上で、タンク内へ所定の油種の液体を装入
し、また荷卸ろし時にも前記油種槽番表示器を起
立させ、これに表示されている槽番に対応する槽
番の吐出口から前記油種の液体を地下タンク等へ
装填するものである。

〔構成〕

第１図はこの考案の油種槽番表示器を有するタ
ンクローリの概略側面図で、タンクローリ１のシ
ヤシ２にタンク３を架装し、このタンク３の上部
に、防護枠４を取り付けている。前記タンク３内
は複数の、図示の場合は３つの、独立の槽に区分
されており、防護枠内各々の槽の上部には、図示
しないが各々独立の注入口が設けられ、またタン
ク下部側面には各々の槽から独立に配管された吐
出口５，６及び７が設けられている。そして各槽
の各々の上部近傍の防護枠４の内側側面に、この
考案の油種槽番表示器８，９及び１０を取りつけ
てあるものである。

第２図はこの考案の実施例の、吐出口を有する
側からの正面図であり、第３図はその裏面図、第
４図は第３図のＡ−Ａ断面図である。図におい
て、適宜間隔を置いて相対峙する２枚のほぼ逆台
形状をなした板１１及び１２のうち、板１１に固
定したネジ穴付きスペーサ１３，１３…にビス１
４，１４…をねじ込むことによつてこれら板１
１，１２が互いに固定する。前記板１１の上部外
面に第２図に示すように槽番１５を付し、前記板
１２のほぼ中心部外面に、第３図に示すように槽
番１６を付して、槽番表示体を構成する。また板
１１の上部内面に軸１７を固定し、この軸１７
に、円形状をし両面の中心の周辺に複数の油種、
例えばガソリン、軽油、灯油を付した油種表示板
１８の中心に設けられた凹状嵌着部１９を回転自
在に挿通するとともに、反発ばね２０を前記凹状
嵌着部１９の外部に挿着して、板１２と油種表示
板１８とに押圧力を加え、この表示板１２を軸１
７の方向に移動可能に保持する。さらに前記嵌着
部１９の外部に、ハンドル２１を取り付け、他
方、表示板１８の適宜の位置に、ストツパ穴２
２，２２…を設け、これらに嵌合するストツパピ
ン２３を板１１に植設する。したがつてハンドル
２１を手前に引いて回転することにより、ガソリ
ン、軽油、灯油と記入した表示板１８を、所望の
油種を表示するように回転することができる。

次に前記板１１及び１２によつて構成される槽
番表示体の下部の端部付近を、防護枠４の内側に
固定された軸２４によつて回転自在に軸支し、ま
た前記表示体が第３図のように外部に突出する状
態のときに、この状態を維持し、槽番表示体の回
転をストツプするストツパピン２５を、前記防護
枠４に固定する。したがつて前記槽番表示体を回
転し、横転倒させると、この表示体は防護枠４内
に収納され、外部に突出せず、これを垂直に起立
させると、槽番及び油種の表示が外部から観察で
きるようになる。なお槽番表示体を防護枠から突
出させ又は収納させる手段としては、前記軸２４
を用いる実施例に限らず、図示しないが例えば防
護枠にガイドレールを固定して、槽番表示体をこ
のガイドレールに沿つて垂直方向に上下させるこ
とによる等の手段によつても突出．収納ができ
る。

上述の表示器を用いて給油作業を行なうには、
例えば油槽所において、槽番１の槽にガソリンを
荷積みする場合は、前記タンク３の上部にある注
入口に注入パイプを接続する際に、前記油種表示
板１８のハンドル２１を操作して、ガソリンの表
示が外部に露出するようにセツトする。タンクロ
ーリの走行中には、この油種槽番表示器を転倒さ
しておき、防護枠から突出しないようにしてお
く。ガソリンスタンドに到着して給油する際は、
タンク上部の底弁ハンドルを開く必要があるが、
その際に、油種槽番表示器を垂直に立て直す。そ
してこの油種槽番表示器の表示をみて確認しなが
ら、対応する吐出考を地下タンクの注入口に連結
するものである。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、この考案の表示器は荷積
みする際に同時に、その荷積みする油種を現物と
照合しつつ表示板をセツトするから、そのセツト
を誤まるおそれはきわめて少なく、また記憶違い
や記録ミスも生ずる余地がない。そしてガソリン
スタンドでホースを連結し、地下注入口に荷降ろ
しする際は、この正確に表示された油種槽番表示
器で表示された油種と槽番とを確認しつつ連結で
きるから、連結誤まりのおそれもきわめて少な
く、また上記表示が信頼性が高いことから、他の
確認手段を併用するとしても、それは補足的でよ
いため、きわめて迅速に連結が可能となる。更に
走行中は防護枠内に収納できるから、タンクロー
リの地上高を制限する法令に違反するおそれもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の油種槽番表示器を有するタ
ンクローリの概略側面図、第２図はこの考案の実
施例の正面図、第３図はその裏面図で、第４図は
第３図のＡ−Ａ断面図である。 なお、図において、１……タンクローリ、２…
…タンクローリ１のシヤシ、３……タンク、４…
…防護枠、５，６，７……吐出口、８，９，１０
……油種槽番表示器、１１，１２……板、１３…
…スペーサ、１４……ビス、１５，１６……槽番
表示、１７……軸、１８……油種表示板、１９…
…嵌着部、２０……ばね、２１……ハンドル、２
２……ストツパ穴、２３……ストツパピン、２４
……軸、２５……ストツパピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜間隔を置いて相対峙する２枚の板のそれぞ
   れの表面に槽番を表示した槽番表示体と、この槽
   番表示体の前記２枚の板の間に軸を介して回動可
   能に支承しかつその上部が前記槽番表示体上に突
   出し、この突出する部分の両面に周辺に表示した
   複数の油種のうちの１種のみが選択的に露出する
   油種表示板とからなり、タンクの前記槽番に該当
   する槽上において、このタンク上に設けられた防
   護枠の内側に、前記槽番と一種類の油種とを防護
   枠上に突出表示する起立位置と、前記油種挿番表
   示器自体が防護枠の内側に納まる転倒位置とをと
   り得るように起倒自体に取り付けて成るタンクロ
   ーリの油種槽番表示器。