JPH0117457Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、三列シートを有するワゴンタイプの
自動車のシート装置に関するものである。

（従来技術） この種、ワゴンタイプの自動車において、リヤ
シートのシートクツシヨンとシートバツクとを直
立状態に保持して、センタシート後方に大きなカ
ーゴルームを形成し得るようにしたものは知られ
ている（例えば、実開昭58−80332号公報参照）。
しかしながら、リヤシートを移動および変形させ
てカーゴルームを形成しつつ、該リヤシートをシ
ート装置の一部として有効に活用するようにした
ものは知られていない。

（考案の目的） 本考案は、上記課題を解決すべくなされたもの
で、その目的は、リヤシートのシートクツシヨン
を前側下方に変動されることによつて、リヤシー
トのシートバツク後方にカーゴルーム用スペース
を形成すると同時にシートバツクを後傾させたセ
ンタシートとリヤシートのシートバツクとでハー
フベツトを構成せんとすることにある。

（考案の構成） 本考案は、車室前方のフロントフロアに載置さ
れるフロントシートと、前記フロントフロア後方
のリヤフロアに載置され、シートクツシヨンに対
してシートバツクがリクライニング部材を介して
後傾自在に取付けられているセンタシートおよび
リヤシートとを備えた自動車において、前記リヤ
シートのシートクツシヨン後部を前記リヤフロア
に対してロツク部材を介して着脱自在とする一
方、前記リヤシートのシートクツシヨン前部に、
下端をリヤフロアに回動自在に取付けてなるリン
ク部材の上端を回動自在に取付け、前記センタシ
ートのシートバツク後傾時において該シートバツ
ク下方に前記リヤシートのシートクツシヨンを移
動可能となして、リヤシート後方にカーゴルーム
用スペースを形成しつつ、センタシートとリヤシ
ートとでハーフベツドを構成し得るようにしたこ
とを特徴としている。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本考案の実施例
にかかる自動車のシート装置を説明する。

第１図には、三列シートを有するワゴンタイプ
の自動車の略図が示されており、この自動車にお
いては、エンジン１の上方となる車室前方に位置
するフロントフロア２に、フロントシート３が載
置され、該フロントフロア２後方のリヤフロア４
にはセンタシート５およびリヤシート６が載置さ
れている。

第２図ないし第６図には本考案の第１実施例が
示されている。

前記センタシート５およびリヤシート６は、乗
員が着座するシートクツシヨン５ａおよび６ａ
と、これらシートクツシヨン５ａおよび６ａに対
してそれぞれリクライニング部材７および８を介
して後傾自在に取付けられ、乗員の背もたれとな
るシートバツク５ｂおよび６ｂとによつてそれぞ
れ構成されている。

前記センタシート５のシートクツシヨン５ａ
は、リヤフロア４に固定されたスライド部材９に
対して前後方向に水平摺動可能とされている。

前記リヤシート６のシートクツシヨン６ａ後部
には、後部シート脚１０の上端が軸１１によつて
回動自在に取付けられている。

前記後部シート脚１０の下部には、リヤフロア
４側方のタイヤハウス１２後部に突設したロツク
ピン１３に係合して、後部シート脚１０の姿勢保
持を行なうロツク部材１４がピン１５によつて弧
回動自在に枢支されている。又、後部シート脚１
０には、ロツク部材１４をロツク解除方向に操作
するロツク解除レバー１６がピン１７によつて弧
回動自在に枢支されている。符号１８は後部シー
ト脚１０下端にロツクピン１３を嵌挿すべく形成
された凹部である（第４図および第５図参照）。

一方、前記リヤシート６のシートクツシヨン６
ａ前部には、前部シート脚となるリンク部材１９
の上端が軸２０によつて回動自在に取付けられて
いる。該リンク部材１９の下端は、リヤフロア４
に固着されたブラケツト２１に対して軸２２によ
つて回動自在に取付けられている（第６図参照）。

しかして、リヤシート６は、後部シート脚１０
のロツクを解除した状態において、リヤフロア４
側の軸２２を回転中心として前側下方に移動し、
そのシートクツシヨン６ａがセンタシート５のシ
ートバツク５ｂを後傾させた状態で該シートバツ
ク５ｂ下方に位置せしめられるようになつている
（第２図鎖線図示）。符号２３はリヤシート６の前
方移動時における位置決めを行なうストツパーで
ある。この時、リヤシート６の後部シート脚１０
は、タイヤハウス１２前部に突設したロツクピン
２４（第５図参照）に対してロツクされる。

このようにすると、前方に移動したリヤシート
６のシートバツク６ｂ後方に、カーゴルーム用ス
ペースが形成されると同時に、センタシート５の
シートクツシヨン５ａとシートバツク５ｂとを着
座面とし且つリヤシート６のシートバツク６ｂを
背もたれ面とするハーフベツドが形成される。

更に、本実施例の場合、車室後部に大きなカー
ゴルーム用スペースを希望するときには、第３図
図示の如くリヤシート６のシートクツシヨン６ａ
およびシートバツク６ｂを直立状態とすることも
できる。この時、シートバツク６ｂはセンタシー
ト５のシートバツク５ｂに対して保持具２５を介
して姿勢保持される。

第７図ないし第１０図には、本考案の第２実施
例が示されている。

この場合、リヤシート６の前部シート脚となる
リンク部材１０の上端を枢支すべき軸２０がシー
トクツシヨン６ａ下面に設けたスライド部材２６
に対して前後方向に摺動自在に係合されている。
従つて、リヤシート６の前方移動時には、シート
クツシヨン６ａは、第７図鎖線図示の如く後傾時
におけるセンタシート５のシートクツシヨン５ｂ
下方にあつてリヤフロア４上に水平載置される。
なお、後部シート脚１０はリヤフロア４上に突設
したロツクピン１３にロツクされるようになつて
いる。又、本実施例においては、前記軸２０には
ネジ孔付ブラケツト２７が固着され、該ネジ孔付
ブラケツト２７には、座角調整ネジ２８が前向き
に螺合されている。該座角調整ネジ２８の前部
は、シートクツシヨン６ａ前部に固着したブラケ
ツト２９下端に形成した切欠穴３０に対してロツ
クレバー３１によつて係合保持されている。（第
９図および第１０図参照）。該ロツクレバー３１
はブラケツト２９に対してピン３２によつて弧回
動自在に枢支されており、スプリング３３で常に
ロツク方向に付勢されている。符号３４は座角調
整ネジ２８の位置決めを行なうストツパーであ
る。しかして、座角調整ネジ２８の螺回動によつ
て、軸２０が前方あるいは後方に移動せしめら
れ、シートクツシヨン６ａの座角調整が行なわれ
るのである（第９図鎖線図示）。又、ロツクレバ
ー３１をロツク解除方向に操作すると、座角調整
ネジ２８の前部がブラケツト２９から離脱し、軸
２０はスライド部材２６に沿つて摺動可能となる
のである。

かかる構成において、本第２実施例において
も、第７図鎖線図示の如く、リヤシート６を前側
下方に移動し、センタシート５のシートバツク５
ｂを後方傾動させると、リヤシート６のシートバ
ツク６ｂ後方にカーゴルーム用スペースが形成さ
れると同時に、センタシート５のシートクツシヨ
ン５ａおよびシートバツク５ｂを着座面とし且つ
リヤシート６のシートバツク５ｂを背もたれ面と
するハーフベツドが形成される。又、リヤシート
６のシートクツシヨン６ａおよびシートバツク６
ｂを第８図鎖線図示の如く略直立状態となすこと
もでき、このようにすると、第１実施例と同様に
車室後部に広いカーゴルーム用スペースを形成す
ることができる。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、必要に応じて、
リヤシートのシートクツシヨンを前側下方に移動
して、リヤシートのシートバツク後方にカーゴル
ーム用スペースを形成すると同時に、センタシー
トのシートクツシヨンおよび後傾させたシートバ
ツクを着座面とし、リヤシートのシートバツクを
背もたれ面とするハーフベツドを形成し得るよう
にしたので、センタシートおよびリヤシートの有
効活用により、車室内空間を多角的に利用できる
という実用的な効果がある。

又、バリエーションに富むシート利用が可能と
なり、居住性が向上するという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般のワゴンタイプの自動車のシート
装置を示す側面図、第２図および第３図は本考案
の第１実施例にかかる自動車のシート装置の側面
図、第４図は第２図における後部シート脚部分の
詳細図、第５図は第２図におけるタイヤハウス部
の詳細図、第６図は第２図におけるリンク部材部
分の詳細図、第７図および第８図は本考案の第２
実施例にかかる自動車のシート装置の側面図、第
９図は第７図におけるリンク部材部分の詳細図、
第１０図は第９図のＡ−Ａ断面図である。 １……エンジン、２……フロントフロア、３…
…フロントシート、４……リヤフロア、５……セ
ンタシート、５ａ……センタシートのシートクツ
シヨン、５ｂ……センタシートのシートバツク、
６……リヤシート、６ａ……リヤシートのシート
クツシヨン、６ｂ……リヤシートのシートバツ
ク、７，８……リクライニング部材、１４……ロ
ツク部材、１９……リンク部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室前方のフロントフロアに載置されるフロン
   トシートと、前記フロントフロア後方のリヤフロ
   アに載置され、シートクツシヨンに対してシート
   バツクがリクライニング部材を介して後傾自在に
   取付けられているセンタシートおよびリヤシート
   とを備えており、該リヤシートのシートクツシヨ
   ン後部はロツク部材によつてリヤフロアに対して
   着脱自在とされ、前記リヤシートのシートクツシ
   ヨン前部には、下端をリヤフロアに回動自在に取
   付けてなるリンク部材の上端が回動自在に取付け
   られ、前記センタシートのシートバツク後傾時に
   該シートバツク下方に前記リヤシートのシートク
   ツシヨンが移動可能とされていることを特徴とす
   る自動車のシート装置。