JPH0113747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、建築物等の開口部に取付けられる開
閉可能なルーバー窓に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする課題］ 従来、この種ルーバー窓は、その性質上、厨房
まわりや浴室等の換気用として用いられることが
多かつたが、建築美にも重点が置かれる今日の建
築様式において、ルーバー窓が持つ本来の美的特
性から住宅用居間、応接間等の部屋の通気を兼ね
た装飾窓として使用したいとする要望が高まつて
いる。

しかしながら従来のルーバー窓は、その用途に
より、ガラス板、合成樹脂板等の採光板でルーバ
ー羽根を形成したもの、あるいはステンレス板、
アルミニウム板等の遮光板でルーバー羽根を形成
したものが知られているが、前者のものにあつて
はルーバー羽根が採光板で形成されているため閉
塞時にあつても採光されてしまい、このため雨戸
等の遮光部材を別途設けなければ遮光ができない
と共に防犯性が劣るという欠点が有り、また後者
のものにあつては逆に遮光状態で閉塞されるため
採光閉塞状態にすることができないという欠点が
有り、そこで遮光板と採光板とを組合わせたルー
バー羽根を用いることも提唱されるが、この場合
に、通気機能の他に、遮光閉塞、採光閉塞、さら
には雨仕舞いの良さ、さらには防犯性に優れてい
る等の諸機能を備えたルーバー窓の出現が強く要
望されていた。

［課題を解決する手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑み、これらの欠
点を一掃することができるルーバー窓を提供する
ことを目的として創案されたものであつて、開口
部に所定間隔を存して複数並設されたルーバー羽
根を開閉操作機構の操作で支持軸を支点として一
体回動可能にして通気及び閉塞の切換えができる
よう構成してなるルーバー窓において、上記ルー
バー羽根を、採光板と遮光板とを前記支持軸部を
頂部として下側に向けて山形状に拡開するよう所
定角度を存して一体的に取付け、開閉操作機構の
操作で隣接ルーバー羽根同志が離間する通気開放
姿勢から遮光閉塞あるいは採光閉塞状態に変姿で
きるよう構成するに、前記通気開放姿勢で遮光板
は室外側に採光板は室内側に突出するよう振り分
け配設すると共に、隣接するルーバー羽根同志に
ついて、遮光閉塞姿勢では上側遮光板の下端部を
下側支持軸部に室外側からオーバーラツプするよ
うに接当させ、採光閉塞姿勢では上側採光板の下
端部を下側支持軸部に室内側からオーバーラツプ
するように接当させたことを特徴とするものであ
る。

そして本考案は、この構成によつて、ルーバー
窓として必要な諸機能を備えたものである。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、１は本考案が実施されたル
ーバー窓であつて、該ルーバー窓１は上下枠２及
び左右の縦枠２ａによつて形成された窓枠に建付
けられている。３はルーバー窓１を構成するルー
バー羽根であつて、該ルーバー羽根３は本実施例
ではアルミニウム等の遮光部材で形成された遮光
板４及びガラス、合成樹脂等の採光部材で形成さ
れた採光板５とによつて略直角状に折曲形成され
た羽根体が用いられている。即ち、押出し成形等
適宜手段によつて長尺状に形成された遮光板４に
は、その基端縁側に支持軸６の嵌合部４ａが形成
されていると共に、側面視において遮光板４との
成す角度が略直角となるよう採光板５が嵌合固定
される嵌合溝４ｂが形成されており、これら嵌合
部４ａ、嵌合溝４ｂに支持軸６、採光板５をそれ
ぞれ取付けることによつてルーバー羽根３が形成
される。

この様に形成されたルーバー羽根３は、その支
持軸６を左右縦枠２ａに回動自在に支架すること
によつて遮光板４が屋外側、採光板５が室内側に
配されるよう上下方向に所定間隔を存して複数並
設されている。左右縦枠２ａに回動自在に支架さ
れた支持軸６の先端は縦枠２ａ内まで貫通してい
るが、左右何れか一側の支持軸６の先端部には作
動杆９の一端が固定されている。上下複数のルー
バー羽根３にそれぞれ固定された上記各作動杆９
の他端は連結杆８を介して一連状に連結枢支され
ている。一方、上記各作動杆９のうちの任意の作
動杆９（実施例では上から三段目のもの）に基端
側が一体的に連結固定された操作レバー７の先端
は縦枠２ａに穿設した長孔７ａを介して室内側に
突出しており、この突出した操作レバー７を上下
操作することによつて、ルーバー羽根３は第３図
Ａに示す如く支持軸６部を頂部として遮光板４、
採光板５が下側に向けて山形状に拡開して離間す
る中間の通気開放姿勢から、第３図Ｂに示す如く
隣接するルーバー羽根３間において、上側ルーバ
ー羽根３の遮光板４の先端部が下側ルーバー羽根
３の嵌合部４ａに室外側からオーバーラツプする
ように接当して略面一状になる遮光閉塞姿勢、あ
るいは第３図Ｃに示す如く隣接するルーバー羽根
３間において、上側ルーバー羽根３の遮光板５の
先端部が下側ルーバー羽根３の嵌合部４ａに室内
側からオーバーラツプするように接当して略面一
状になる採光閉塞姿勢に選択的に変姿操作ができ
るようになつている。

尚、図中、１０，１０ａは密封用のラバー体、
１１は防虫網である。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、ルーバー窓１を用いて通気するには、操作レ
バー７を中間位置にセツトしておけば良く、これ
によつてルーバー羽根３は嵌合部４ａを頂部とし
て遮光板４、採光板５が下側に向いた山形状に拡
開する通気開放姿勢となつて各隣接するルーバー
羽根３間は離間し、ここから通気されることにな
る。

一方、遮光閉塞するには操作レバー７を上側に
操作して各ルーバー羽根３を支持軸６を支点とし
て遮光板４が略面一状に連続する遮光閉塞姿勢に
すれば、ルーバー窓１は通気は勿論採光もない状
態で閉塞される。しかもこの状態では、採光板５
は室内側に位置しているものの、遮光板４は隣接
する下側ルーバー羽根３の嵌合部４ａに外側から
オーバーラツプする状態で連続状に接当して丁度
鎧戸状態になつて閉塞しており、従つて直接雨水
が遮光板４に付着しても、これはそそのまま水滴
となつて下側に流れることになり、雨水が羽根間
から室内側に浸入してしまう不具合を防止して雨
仕舞いの良いものになると共に、オーバーラツプ
部による強度アツプが計れて、ルーバー窓１を、
防犯性は勿論、耐風性に優れた雨戸としての兼用
化ができる。

また、採光閉塞するには、操作レバー７を下側
に操作して各ルーバー羽根３を採光板５が略面一
状に連続する採光閉塞姿勢にすれば良く、この状
態では略面一状に連続する採光板５によつてルー
バー窓１は閉塞姿勢のまま採光することができ
る。しかもこのものでは、採光板４が室外側に水
平状に突出しているため、これが庇としての働
き、従つて直射日光や雨が閉塞姿勢の採光板５側
に直接当つてしまうことを有効に阻止でき、この
ため上側採光板４が下側ルーバー羽根３の嵌合部
４ａに室内側からオーバーラツプするものであつ
ても雨仕舞いの良いものにできる。

さらにこのものは、通気開放姿勢となつている
とき下側が拡開するよう山形状になつているた
め、降雨のため何れの閉塞状態にしても、雨が付
着した面が室内側に向いてしまうことがなく、さ
らに一段と雨仕舞いの良いものとなる。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成された
ものであるから、開口部は、遮光板と採光板とで
形成されたルーバー羽根によつて、通気開放姿勢
から、遮光状態と採光状態との何れの閉塞姿勢に
選択切換えできる。しかもルーバー羽根は、これ
を遮光閉塞状態とした場合に、遮光板の下端部
が、隣接する下側ルーバー窓の支持軸部に外側か
らオーバーラツプする状態で接当しているため丁
度鎧戸構造となり、このため採光板は室内側に突
出していて雨水が直接遮光板に付着してもこの雨
水は下側にそのまま流れることになつて室内側に
浸入してしまうことを防止でき、雨仕舞いの良い
ものにできると共に、オーバーラツプ部による強
度アツプが計れて、ルーバー窓を、防犯性は勿
論、耐風性に優れた雨戸として兼用できる。

一方、採光閉塞姿勢とした場合に、遮光板が室
外側に突出してこれが庇として作用し、このため
日除けと共に雨が支持軸部まで浸入してしまうこ
とを効果的に防止して、採光閉塞状態でも雨仕舞
いの良いものにできる。

そのうえ通気開放姿勢となつているとき両板体
は、下側が拡開するよう山形状に組付けられてい
るため、降雨のため何れの閉塞状態にしても、雨
が付着した面が室内に向いてしまうことがなく、
さらに一段と雨仕舞いの良いものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るルーバー窓の実施例を示
したものであつて、第１図はルーバー窓の全体正
面図、第２図Ａ，Ｂはルーバー羽根の側面図、平
面図、第３図Ａ，Ｂ，Ｃは作用説明図である。 図中、１はルーバー窓、３はルーバー羽根、４
は遮光板、５は採光板、６は支持軸、７は操作レ
バーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部に所定間隔を存して複数並設されたルー
   バー羽根を開閉操作機構の操作で支持軸を支点と
   して一体回動可能にして通気及び閉塞の切換えが
   できるよう構成してなるルーバー窓において、上
   記ルーバー羽根を、採光板と遮光板とを前記支持
   軸部を頂部として下側に向けて山形状に拡開する
   よう所定角度を存して一体的に取付け、開閉操作
   機構の操作で隣接ルーバー羽根同志が離間する通
   気開放姿勢から遮光閉塞あるいは採光閉塞状態に
   変姿できるよう構成するに、前記通気開放姿勢で
   遮光板は室外側に採光板は室内側に突出するよう
   振り分け配設すると共に、隣接するルーバー羽根
   同志について、遮光閉塞姿勢では上側遮光板の下
   端部を下側支持軸部に室外側からオーバーラツプ
   するように接当させ、採光閉塞姿勢では上側採光
   板の下端部を下側支持軸部に室内側からオーバー
   ラツプするように接当させたことを特徴とするル
   ーバー窓。