JP7509606B2 - テープタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、おむつの背側部分の両側部に設けた連結テープをおむつの腹側部分の外面に止着することによって着用者に装着する使い捨ておむつ(以下、「テープタイプ使い捨ておむつ」という。)に関するものである。
従来から市販されているテープタイプ使い捨ておむつは、おむつの背側部分の両側部に外方へ突出するファスニング基材シートを設け、このファスニング基材シートから外方に突出する突出部を形成し、その突出部の内面に粘着剤層や面ファスナー要素を設けたものが一般的である。おむつを身体に密着させるために、おむつの背側部分の両側部に前記ファスニング基材シートおよび突出部をそれぞれ前後方向に2つずつ設けたものが多い。
この市販されているテープタイプ使い捨ておむつの装着方法は、着用者が任意に決めることができるが、以下の2通りの方法が大勢である。
1つ目の装着方法は、上下2段のファスニング基材シートを略平行の状態でおむつの腹側部分の外面に止着する「通常止め」である。この装着方法は、着用者が標準的な体型である場合や肥満体型である場合によく見られる。
2つ目の装着方法は、上下2段のファスニング基材シートを互いに交差させるようにしながらおむつの腹側部分の外面に止着する「クロス止め」である。この装着方法は、着用者が痩せ型である場合によく見られる。
上記「通常止め」を行った場合には、以下のような問題が生じる。
第1に、使い捨ておむつが装着者の身体に密着しづらいため、装着中に使い捨ておむつが重力によってズレ落ちてしまう可能性がある。
第2に、使い捨ておむつと装着者の背中(特に、装着者の背骨付近)との間に隙間が生じやすく、その隙間部分から尿などの体液が漏れ出る(いわゆる「背漏れ」が発生する)可能性がある。
「通常止め」を行うと上記のような問題が生じるため、着用者が痩せ型である場合は勿論のこと、標準的な体型や肥満体型である場合にも「クロス止め」をすることが好ましい。具体的には、おむつを装着する際に、上下2段のファスニング基材シートのうちの上側(背側)のファスニング基材シートを骨盤(詳しくは、骨盤の腸骨の上前腸骨棘をいう。以下、「骨盤」と称した場合は同じ箇所をいう。)の上を通るように背側から腹側へ引き寄せ、その後に腹側部分の外面に斜め下方へ止着することが好ましい。このように装着すると、おむつの背側部分のサイドフラップ部(背側部分のうち、股間部よりも幅方向外側へ延び出た部分)の背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かるため、おむつのズレ落ちを効果的に防止することができる。
なお、上記の装着方法は例示であって、装着時に上側のファスニング基材シートを必ずしも骨盤の上を通す必要はない。すなわち、装着状態でおむつの背側部分のサイドフラップ部の背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かれば、他の装着方法を用いてもよい。例えばクロス止めをした後、おむつのサイドフラップ部の背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かるように、おむつの背側部分のサイドフラップ部を引き上げても良い。
また、上記では、おむつの背側部分の両側部に上下2段のファスニング基材シートを設けてクロス止めをする場合について説明したが、おむつの背側部分の両側部に前記ファスニング基材シートおよび突出部をそれぞれ1つずつ設けた形態の場合も同様である。すなわち、そのファスニング基材シートを骨盤の上を通るように背側から腹側へ引き寄せ、その後に腹側部分の外面に斜め下方へ止着するなどして、おむつの背側部分のサイドフラップ部の背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かるように装着することが好ましい。
以上のように、ファスニング基材シートをクロス止めをするように装着する(ファスニング基材シートが1つだけである場合は、上下2段のファスニング基材シートの上側のシートと同様に装着する)ことが好ましいが、このようなテープの止め方は一般消費者にそれほど認知されておらず、ファスニング基材シートを略平行の状態でおむつの腹側部分の外面に止着する「通常止め」が多く行われている現状がある。
なお、本発明に関連する発明として以下の2つがある。
特許文献1記載の使い捨ておむつは、おむつの後胴回り域に後側ウエスト伸縮シートが配置され、前記後側ウエスト伸縮シートが配置された第1領域と、前記第1領域よりも製品幅方向外側に位置し、前記後側ウエスト伸縮シートが配置されていない第2領域と、を有しており、前記第2領域の製品幅方向の伸長率は、前記第1領域の前記製品幅方向の伸長率よりも低く、前記第1領域の製品幅方向端部における製品幅方向の伸長率は、前記第1領域の製品幅方向中央における製品幅方向の伸長率よりも低く、前記第1領域と前記第2領域は、前記後胴回り域の胴回り保持部の前側端部と前記後胴回り域の胴回り保持部の後側端部とに跨がって配置されている。このような構成にすることで、ウエスト開口部の周囲に配置された弾性部材であるウエスト伸縮シート全体をバランスよく伸長させて、着用者の腰回りのフィット性を高めることができる旨の効果が開示されている。
また、特許文献2記載の使い捨ておむつは、おむつの後胴回り域に後側ウエスト伸縮シートが配置され、前記後側ウエスト伸縮シートが配置された第1領域と、前記第1領域よりも製品幅方向外側に位置し、前記後側ウエスト伸縮シートが配置されていない第2領域と、を有しており、前記第2領域の製品幅方向の伸長率は、前記第1領域の製品幅方向の伸長率よりも低く、前記第1領域の製品幅方向端部における製品幅方向の伸長率は、前記第1領域の製品幅方向中央における製品幅方向の伸長率よりも低く、前記第1領域と前記第2領域は、前記後胴回り域の前記胴回り保持部の前側端部と前記後胴回り域の前記胴回り保持部の後側端部とに跨がって配置されている。このような構成にすることで、ウエスト開口部の周囲に配置された弾性部材であるウエスト伸縮シート全体をバランスよく伸長させて、着用者の腰回りのフィット性を高めることができる旨の効果が開示されている。
特許第5946801号公報 特許第6420754号公報
しかし、前記特許文献1および2記載の発明は、着用者の腰回りのフィット性を高めることを目的として為されたものであり、ファスニング基材シートを略平行の状態でおむつの腹側部分の外面に止着する「通常止め」を抑止するための構成にはなっていない。
そこで、本発明の主たる課題は、着用者に対して、おむつの背側部分のサイドフラップ部の背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かるように装着することを促すテープタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
(第1の態様)
股間部と、前記股間部から前側へ延び出た腹側部分と、前記股間部から後側へ延び出た背側部分と、
前記背側部分の両側部に幅方向外側へ延びる連結テープとを有し、
装着状態で、前記腹側部分の外面に前記連結テープを連結するテープタイプ使い捨ておむつであって、
前記背側部分には、その後端部から前側へ向かって切断された背側切断部が形成されていることを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
(第2の態様)
前記背側部分は、前記股間部よりも幅方向外側に延び出たサイドフラップ部を有し、
前記背側切断部は前記サイドフラップ部に形成されている前記第1の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第3の態様)
前記背側切断部は、前記背側部分の一部が切り取られた切り取り部であり、
前記切り取り部の切り取り幅は、前側よりも後側が大きい前記第1または第2の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第4の態様)
前記背側切断部は切り込み線である前記第1または第2の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第5の態様)
前記背側切断部の少なくとも一部を伸縮補強シートで覆っている前記第1~第4のいずれかの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第6の態様)
前記伸縮補強シートのうち、前後方向の後側の張力が前側の張力よりも高い前記第5の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第7の態様)
前記背側部分は、前記股間部よりも幅方向外側に延び出たサイドフラップ部を有し、
前記背側部分のサイドフラップ部には、その前端部から後側へ向かって切断された股間側切断部が形成されている前記第1~第6のいずれかの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第8の態様)
前記股間側切断部は、前記背側部分の一部が切り取られた切り取り部であり、
前記切り取り部の切り取り幅は、後側よりも前側が大きい前記第7の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第9の態様)
前記股間側切断部の少なくとも一部を伸縮補強シートで覆っている前記第7または第8の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第10の態様)
前記伸縮補強シートのうち、前後方向前側の張力が後側の張力よりも高い前記第9の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(第11の態様)
製品状態において、前記伸縮補強シートは自然長状態で背側部分に設けられている前記第5、6、9、10のいずれか1つの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
以上のとおり本発明によれば、着用者に対して、おむつの背側部分のサイドフラップ部の背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かるように装着することを促すテープタイプ使い捨ておむつを提供することができる。
本発明にかかる第1実施形態のおむつを内面側からみた平面図である。なお、おむつの後側から前側を見た状態を基準として、幅方向の左右を定めている(図2以下においても同様)。また、切断部は直線状の切り込み線である。 本発明にかかる第1実施形態のおむつを裏面側からみた平面図である。 図1のX-X線の断面図である。 図1のY-Y線の断面図である。 (5A)図1のZ-Z線の断面図である。(5B)5Aの変形例であり、伸縮補強シートを裏面側に設けた例である。 図1の状態から、幅方向右側かつ前後方向後側に位置する連結テープを斜め下に引っ張った状態を示す平面図(拡大図)である。 図1の状態から、幅方向右側かつ前後方向前側に位置する連結テープを斜め上に引っ張った状態を示す平面図(拡大図)である。 本発明にかかる第2実施形態のおむつを内面側からみた平面図(拡大図)である。(8A)は伸縮補強シートを貼り付ける前の状態を示したものであり、(8B)は貼り付ける伸縮補強シートを示したものであり、(8C)は伸縮補強シートを貼り付けた後の状態を示したものである。なお、切断部は直線状の切り込み線である。 本発明にかかる第3実施形態のおむつを内面側からみた平面図(拡大図)である。(9A)は伸縮補強シートを貼り付ける前の状態を示したものであり、(9B)は貼り付ける伸縮補強シートを示したものであり、(9C)は伸縮補強シートを貼り付けた後の状態を示したものである。なお、切断部は三角形の切り取り部である。 本発明にかかる第4実施形態のおむつを内面側からみた平面図(拡大図)である。(10A)は伸縮補強シートを貼り付ける前の状態を示したものであり、(10B)は貼り付ける伸縮補強シートを示したものであり、(10C)は伸縮補強シートを貼り付けた後の状態を示したものである。なお、切断部は略半円形の切り取り部である。 図8(8C)のP-P線の断面図であり、図9(9C)のQ-Q線の断面図であり、図10(10C)のR-R線の断面図である。 クロス止めをした状態を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。
なお、本発明に係る使い捨ておむつを展開した状態で、着用者の肌に近い側の面を「内面」といい、遠い側の面を「外面」という。また、着用者に近い側を「内面側」といい、遠い側を「外面側」という。
(テープタイプ使い捨ておむつ100)
図1、図2は、本発明に係るテープタイプ使い捨ておむつの一例100を示しており、この使い捨ておむつ100は、裏面側に位置するバックシート1と肌に接触する透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在されているものである。
なお、股間部Cは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、殆ど多くの製品では前後方向中央部及びその前後近傍の部分である。具体的には、成人向け吸収性物品の場合、製品の前後方向中央を基準として±150mmの範囲である。また、腹側部分(前側部分)Fは股間部Cよりも前側の部分を意味し、背側部分(後側部分)Bは股間部Cよりも後側の部分を意味する。
(トップシート2)
トップシート2は、吸収体3の周囲より外側に延出しており、吸収体3側縁より外側に延在する部分がバックシート1にホットメルト接着剤等により固着されている。トップシート2としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。トップシート2に用いる不織布の繊維目付けは15~30g/mであるのが好ましく、厚みは0.05~1mmであるのが好ましい。
(吸収体3)
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。また、必要に応じて、吸収体3はクレープ紙CPにより包むことができる。また、吸収体3の形状は適宜定めることができるが、図示したような砂時計形状の他、長方形等のように、股間部の前側から後側まで延在する形状が好適である。吸収体3におけるパルプ目付けは100~500g/m程度、厚みは1~15mm程度であるのが望ましい。また、高吸水性樹脂の目付けは0~300g/m程度であるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
(液不透過性シート15)
吸収体3の外側には、液不透過性シート15が吸収体3の周縁より若干食み出すように設けられている。この液不透過性シート15は、吸収体3に吸収された***物の裏面側への移動を遮断するものである。液不透過性シート15としては、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムの他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。バックシート1の単位面積あたりの重量は10~40g/mであるのが好ましく、厚みは0.01~0.1mmであるのが好ましい。
(バックシート1)
液不透過性シート15の外面は、不織布からなるバックシート1により覆われており、このバックシート1は、所定の食み出し幅をもって液不透過性シート15の周縁より外側に食み出している。バックシート1としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
(セカンドシート)
図示しないが、吸収体3の内面に、尿などの逆戻りを防止するためのセカンドシートを設けても良い。セカンドシートの側縁から吸収体3が一部食み出すようにセカンドシートの幅を設けても良いし、吸収体3の側縁が食み出さないようにセカンドシートの幅を広げることもできる。セカンドシートとしては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
おむつ100の内面の両側部(図示形態ではトップシート2の側縁部表面からその側方に延在する外装シート12の表面)には、バリヤーシート4の幅方向外側の部分が前後方向全体にわたり貼り付けられている。バリヤーシート4は、各種不織布(スパンボンド不織布が好適である)の他、バックシート1に用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好適である。バリヤーシート4の幅方向中央側の部分は、前後方向両端部では物品内面(図示形態ではトップシート2表面)にホットメルト接着剤等の手段により固着されているが、これらの間の中間部は非固定の自由部分となっており、この自由部分の先端部(展開状態における幅方向中央側の端部)には、バリヤーシートの起立に寄与する起立弾性伸縮部材4Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この起立弾性伸縮部材4G(他の起立弾性伸縮部材や細長状弾性伸縮部材30も同様)としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。この自由部分は、起立弾性伸縮部材4Gの収縮力が作用する結果、物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立するバリヤーを構成する。この起立部分の基端はバリヤーシート4における幅方向外側の固定部分と内側の部分との境に位置する。このように、起立弾性伸縮部材4Gが収縮して生じるバリヤーのことを立体ギャザー40といい、この立体ギャザー40を構成するバリヤーシート4をギャザーシートともいう。
(エンドフラップ部EF)
使い捨ておむつ100の前後方向LD両端部では、バックシート1、外装シート12、透液性トップシート2およびバリヤーシート4が吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。
(フロントターゲットテープ6)
前記おむつの腹側表面には、幅方向に沿ってフロントターゲットテープ6が設けられている。このフロントターゲットテープ6に後述する止着手段5を止着することによって、おむつが身体に装着される。
(サイドフラップ部SF)
使い捨ておむつ100の左右両側部では、バックシート1、外装シート12、透液性トップシート2およびバリヤーシート4が吸収体3の側縁よりも側方にそれぞれ延在し、吸収体3の存在しないサイドフラップ部SFが形成されている。各サイドフラップ部SFにおけるシート間(例えばバックシート1とトップシート2の間)(サイドフラップ部を構成するシートをサイドフラップシートともいう)には、腹側部分Fのウエスト側部分から背側部分Bのウエスト側部分まで、複数本の細長状弾性伸縮部材(図示しない)が前後方向LDに間隔を空けて平行に、かつそれぞれ長手方向に伸張した状態で挟持固定されている。
サイドフラップ部SFのうち腹側部分F及び背側部分Bにそれぞれ位置する部分は、それらの間の股間部Cよりも幅方向WD外側に延び出ており、これらの部分が、おむつの胴回り部分となるウエスト側サイドフラップ部WSFをそれぞれ構成する。なお、ウエスト側サイドフラップ部WSFのうち、腹側部分Fに位置するものを腹側サイドフラップ部FSFといい、背側部分Bに位置するものを背側サイドフラップ部BSFという。
背側サイドフラップ部BSFの両側部には、その側縁の上端部及び下端部近傍からそれぞれ突出する止着テープ5が取り付けられている。腹側部分Fのウエスト側端縁と背側部分Bのウエスト側端縁とが合わさるように、おむつ100の前後方向中央を境に二つ折りした状態では、腹側部分Fの腹側サイドフラップ部FSFの下縁は背側部分Bの下側の止着テープ5の下縁より股間側に位置するように、サイドフラップ部SFの寸法・形状及び止着テープ5の位置等が定められている。また、腹側部分Fの胴回り部表面に幅方向に沿ってフロントターゲットテープ6が貼着されており、身体への装着に際しては、おむつ100を身体にあてがった状態で、両側の止着テープ5を腰の各側から腹側外面に回してフロントターゲットテープ6に止着する。フロントターゲットテープ6は省略することもでき、その場合、止着テープ5はおむつ外面(図示形態の場合バックシート1の外表面)に直に止着される。
(基材シート8)
使い捨ておむつ100の背側部分Bの両端部には基材シート8が設けられている。例えば、この基材シート8をバリヤシート4とバックシート1の間に挟み込むようにして設けても良いし、図示形態のように、トップシート2とバックシート1の間に挟みこむようにして設けても良い。以上のように、基材シート8を厚み方向のどこに設けるかは特に限定されず、バリヤシート4、トップシート2、バックシート1および液不透過性シート15等の各シートのいずれかの間、または、最も内側に位置するシートの内側表面、もしくは、最も裏側に位置するシートの裏側表面に設けることができる。この基材シート8とバックシート1やトップシート2は、ホットメルト接着剤等により接着されている。この基材シート8は必ずしもバックシート1とトップシート2の間に設けなくても良い。具体的には、バックシート1の外面側やトップシート2の内面側に設けるようにしても良い。
この基材シート8はホットメルト接着等によって基端側がおむつ本体に固着される。そして、基端側から先端側へ向かって延在するように設けられる。
基材シート8は、複数枚の不織布を貼り合わせて形成することも、一枚の不織布で形成することもできる。この不織布としては公知のものを用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。特にオレフィン系繊維を用いたスパンボンド不織布、SMS不織布が好ましい。使用する不織布の坪量は適宜定めることができるが、着用者の肌に触れることと、一定の強度が必要になることから、高目付の不織布が望ましく、好ましくは50~100g/mの坪量を有するのが好ましい。
(突出部12)
前記基材シート8の先端側には、外方へ突出する上下2段の突出部12が形成されている。この突出部12は、基材シート8自体を外方へ突出させることによって形成しても良いし、基材シート8とは別体の部材を用意し、ホットメルト等によって、それを基材シート8と固着することによって形成しても良い。突出部12を基材シート8とは別体の部材により形成する場合、その素材には不織布や弾性伸縮部材を用いることができる。弾性伸縮部材としては、例えば、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。不織布としては、例えば、前記基材シート8と同様の素材を用いることができる。
なお、上下3段以上の突出部12を設けるようにしても良いが、製造の容易性や装着時の便宜を考慮すると段数は少ないほうが好ましく、上下2段からなるものが特に好ましい。上側の突出部12Aと下側の突出部12Bの間には、両突出部12A、12Bが離間した部分(谷部)が形成される。
(止着手段5)
前記突出部12の内面、または基材シート8の先端側の内面には、粘着剤層20や面ファスナー要素9といった止着手段5が設けられる。この粘着剤層20としては、例えば、ポリアクリル酸エステルを主体としたアクリル系接着剤や、天然ゴムまたは合成ゴムの弾力性成分を主体とした粘着付与剤を主成分として、これに可塑剤、老化防止剤などが配合されているゴム系接着剤などを使用することができる。その他、ホットメルト接着剤なども使用可能である。また、面ファスナー要素9としては、面ファスナーのフック材やループ材を用いることができる。
止着手段5として、面ファスナー要素9を設ける場合においては、おむつの腹側表面に設けたフロントターゲットテープ6と面ファスナー要素9とを脱着可能に止着できるようにする。例えば、突出部12に設けた面ファスナー要素9をフック材とした場合、フロントターゲットテープ6はループ材とする。また、突出部12に設けた面ファスナー要素9をループ材とした場合、フロントターゲットテープ6をフック材とする。フック材の突起形状は公知のものを用いることができ、例えば鉤状、きのこ状、錯状を挙げることができる。なお、面ファスナー要素9とフロントターゲットテープ6との剥離強度は、300~800gfとなるようにするのが好ましい。
(連結テープ10)
以上の説明における基材シート8、突出部12および止着手段5を総称して連結テープ10という。なお、基材シート8と突出部12が一つの部材となっている場合は、基材シート8(または突出部12)と試着手段5を総称して連結テープ10という。
(切断部11)
背側部分Bには、その後端部から前側へ向かって切断された背側切断部11Bが形成されている。図示した例では、背側切断部11Bは背側部分Bのエンドフラップ部EFに形成されている。この背側切断部11Bを設ける幅方向WDの位置は、おむつ100の幅方向WD中央側部分(詳しくは吸収体3の股間部Cの中心部分を通る幅方向WDの範囲とほぼ同じ範囲。以下同じ。)にしても良いが、おむつ100の幅方向WD外側部分(前記幅方向WD中央側部分よりも外側の部分)にすることが好ましい。なぜならば、着用者が仰向けに寝た状態でおむつ100を装着する場合、背側切断部11Bがおむつ100の幅方向WD中央側部分にあると、当該背側切断部11Bが着用者の体圧で押しつぶされて、背側切断部11Bが幅方向に広がりにくなり、その結果連結テープ10を股間側へ向かって斜めに引っ張ることがしにくくなるからである。背側切断部11Bを設ける幅方向WDのより好ましい位置は、背側部分Bのサイドフラップ部SFである。
割合で特定する場合は、おむつ100の後端縁の幅方向WDの全長を100%とした場合に、おむつ100の後端縁の幅方向WDの左側端から0~30%の範囲に左側の背側切断部11BLを設けることが好ましく、6~24%の範囲に左側背側切断部11BLを設けることがより好ましく、12~16%の範囲に左側背側切断部11BLを設けることがさらに好ましい。同様に、おむつ100の後端縁の幅方向WDの全長を100%とした場合に、おむつ100の後端縁の幅方向WDの右側端から0~30%の範囲に右側の背側切断部11BRを設けることが好ましく、6~24%の範囲に右側背側切断部11BRを設けることがより好ましく、12~16%の範囲に右側背側切断部11BRを設けることがさらに好ましい。
この背側切断部11は、おむつ100の背側部分Bの後側端部を起点として、そこから股間側へ向かって形成されることが好ましい。さらに、背側切断部11は前記背側部分Bの後側端縁を起点とすることがより好ましい。おむつ100の背側部分Bの後側端縁が切断されていないと、装着時に背側切断部11が幅方向WDに広がりにくくなるからである。しかし、背側部分Bの後側端縁が切断されていなくても、背側部分Bの後側端部の大部分が切断されている場合はこのような問題が生じる可能性は低い。装着時に連結テープ10を外側へ引っ張った際に、背側部分Bの後側端縁が切断されて、結果的に背側部分Bの後側端縁がもともと切断されていた場合と同じ形態になる可能性が高いからである。このような態様の例としては、背側切断部11を点線の切り込み線で形成した場合を挙げることができる。
背側切断部11Bを形成する股間側の位置は、突出部12(前後方向に複数個(例えば2個)の突出部12が設けられている場合は、最も背側の突出部12をいう。)が設けられた位置と同じ(前後方向の)位置までとすることが好ましい。より詳しくは、突出部12のうちの股間側端縁の位置と同じ(前後方向の)位置までとすることが好ましく、突出部12のうちの前後方向中央部分の位置と同じ(前後方向の)位置までとすることがより好ましい。背側切断部11Bの股間側端部の位置が、突出部12が設けられた位置よりも背側にある場合、例えば突出部12のうちの背側端縁の位置より背側にある場合は、背側切断部11Bの前後方向の長さが十分ではなく、装着時における背側切断部11Bの開きが十分にならないため、着用者に対して、おむつ100の背側部分Bのサイドフラップ部SFの背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かるように装着することを促しにくい。他方、背側切断部11Bの股間側端部の位置が、突出部12が設けられた位置よりも股間側にある場合、例えば突出部12のうちの股間側端縁の位置より股間側にある場合は、装着するために連結テープ10を腹側へ引っ張った時に、連結テープ10が斜め下方に誘導されるのではなく、真横方向に誘導されてしまう可能性があり、この場合も着用者に対して、おむつ100の背側部分Bのサイドフラップ部SFの背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かるように装着することを促しにくい。
背側切断部11Bの形状は、特に限定されないが、例えば切り込み線11BLとすることができる。この切り込み線11BLは、前述したように点線(切断された部分と切断されていない部分がランダムに連続する線。一点鎖線のほか、二点鎖線なども含む。)にすることもできるし、いわゆる実線(切断されていない部分がない線)にすることもできる。なお、切断方向は特に限定されず、背側切断部11Bの背側端部を起点として、前後方向LDに沿って(幅方向WDと垂直の方向に)延び出るように形成しても良いし、背側切断部11Bの背側端部を起点として、股間側へ向かって左側斜め方向にまたは右側斜め方向に延び出るように形成しても良い。また、この切り込み線11BLは直線状にすることもできるし、カーブを付けた曲線や、ジグザグ線にするなど、他の態様にしても良い。
また、背側切断部11Bの形状は、背側部分Bの一部が切り取られた切り取り部11BTとしても良い。この切り取り部11BTの形状は特に限定されないが、背側から股間側へ向かって切りとられる面積が小さくなる形状とすることが好ましい。例えば、図9に示すように、背側部分Bの後端縁を底辺と見立てたときに、股間側へ向かって次第に窄まる三角形状の切り取り部11BTとすることができる。このように背側から股間側へ向かって切りとられる部分が次第に小さくなる形状とすることで、装着のために連結テープ10を腹側へ引っ張った際に切り取り部11BTが扇状に開き易くなり、その結果、着用者に対して、おむつ100の背側部分Bのサイドフラップ部SFの背側端部が着用者の骨盤に引っ掛かるように装着することを促しやすくなる。なお、切り取り部11BTの形状を三角形にした場合、背側端縁と接する各内角α、βの角度は特に限定されないが、背側端縁の線を0度とした場合に、各内角α、βの角度を約50度~80度とすることが好ましく、約60度~70度とすることがより好ましい。前述のように、三角形の切り取り部11BTの頂点TPの位置は突出部12の辺りまでと決まっていることから、前記角度α、βを約50度未満にした場合は、切りとられる三角形の底辺(背側端縁)の長さが長くなり、結果として切り取り部11BTの形状が大きくなりすぎてしまうため、装着時に連結テープ10を引っ張った際に、切り取り部11BTが開きすぎて背側端部の締め付け力が弱まるおそれがある。反対に、前記角度α、βを約80度よりも大きくした場合は、切りとられる三角形の底辺(背側端縁)の長さが短くなり、結果として切り取り部11BTの形状が小さくなりすぎてしまうため、装着時に連結テープ10を引っ張った際に、切り取り部11BTが扇状に開くという、切り取り部11BTの形状を三角形にする利点が発揮されにくい。
なお、切り取り部11BTの形状を前述のような三角形にした場合、装着のために連結テープ10を腹側へ引っ張った時に、切り取り部11BTの股間側の頂点TPに力がかかりやすいため、そこから背側部分Bに裂け目が生じる可能性がある。このような不具合を防ぐために、より好ましくは、切り取り部11BTの形状を頂点TPがないものにすることが好ましい。例えば、図10に示すように、切り取り部11BTの形状を略半円状にすると、このような不具合の発生を防ぐことができる。切り取り部11BTの形状を三角形状にした場合は、頂点TPの周囲に裂け止め線(切り裂き止めとなる切り込み線)STを入れるようにしても良い。
図9、10に示すように、前記後側切断部11Bは、背側部分Bを構成するすべてのシートを切断することが好ましい(切り込み線11BLの場合も切り取り部11BTの場合も同様である)。シートの一部が切断されていないと、その切断されていないシートが邪魔をして、後側切断部11Bを幅方向に開きづらいからである。
以上の説明では、背側切断部11Bについて説明してきたが、連結シート10が前後方向LDに2つ以上設けられており、クロス止めを行う場合には、背側切断部11Bとともに股間側切断部11Aを設けるようにするとよい。股間側切断部11Aを設けることによって、股間側の連結シート10を斜め上方向に持ち上げやすくなるため、クロス止めがしやすくなるからである。股間側切断部11Aについては、背側切断部11Bと同様であるから、ここでは説明を省略する。(図面では、股間側切断部11Aの切り込み線を符号11ALとし、股間側切断部11Aの切り取り部を符号11ATとしている。)なお、背側切断部11Bの方向を説明する際に、背側部分Bの背側端縁を起点として、股間側にどのように延び出るように形成するか等について述べてきたが、股間側切断部11Aの場合はそれとは逆の構造になる。すなわち、背側部分の股間側端縁を起点として、背側にどのように延び出るか、どのような形状にするか、どの程度の長さ延び出るかというように、股間側切断部11Aの前後方向LDの起点と終点が逆になる。なお、股間側切断部11Aの股間側の起点は、足回りに沿ってカットされた部分になる。
以上のとおり、図面においては、切断部を符号11で示した。そして、切断部11のうち、股間側に位置する切断部(股間側切断部)を符号11Aで示し、背側に位置する切断部(背側側切断部)を符号11Bで示している。また、切断部11として、切り取り線11Lと切り取り部11Tを例示することができる。切り取り線11Lのうち、股間側に位置する切り取り線(股間側切り取り線)を符号11ALで示し、背側に位置する切り取り線(背側切り取り線)を符号11BLで示している。切り取り部11Tのうち、股間側に位置する切り取り部(股間側切り取り部)を符号11ATで示し、背側に位置する切り取り部(背側切り取り部)を符号11BTで示している。
(伸縮補強シート18)
背側切断部11Bの切断部分には伸縮補強シート18が設けられている。この伸縮補強シート18は、おおむね幅方向WDに伸縮する(伸縮する方向が幅方向WDと完全に一致する必要なく、その幅方向WDから少しずれて斜めに伸縮してもよい)部材であり、製品状態で、伸縮補強シート18は背側部分Bに自然長状態で取り付けられている(例えば、ホットメルト接着によって貼り付けられている。その他の公知の形態で取り付けてもよい。)ことが好ましい。勿論、少し幅方向WD左右に引っ張った状態で背側部分Bに取り付けても良いが、伸縮補強シート18は背側切断部11Bが左右に広がることを邪魔しないようにすることが重要であるため、作業者が連結テープ10を腹側へ引っ張った際に、伸縮補強シート18も腹側へ伸びるように、自然長状態で取り付けることが好ましい。なお、この伸縮補強シート18は、背側部分Bの背側部分の一部が(背側切断部11Bを形成するために)切断されることで、強度が弱くなった部分(切断された部分)を補強する役割を有する。そのため、この伸縮補強シート18は、背側切断部11Bの全体を覆うように取り付けることが好ましい。ただし、このような形態に限られるものではなく、背側切断部11Bの一部分のみを覆うように設けても良い。ただし、切断箇所の強度を補強するという観点からすると、背側切断部11Bの切断された部分を幅方向WDに跨ぐようにして設けることが望ましい。
伸縮補強シート18は、背側部分Bのうちの背側切断部11Bが形成された部分の周辺に取り付けられている。特に、背側切断部11Bが切れ込み線である場合は、その切れ込み線を中心とした、股間側へ向かって次第に窄まる逆三角形状の部分に、ホットメルト接着剤などを塗布せず、その逆三角形状の部分の外側にホットメルト接着剤などを塗布することで、伸縮補強シート18と背側部分Bを一体化することが好ましい。このように、逆三角形状の非接着部分を設けることで、連結テープ10を前側へ引っ張った際に、背側切断部11Bが扇状に開きやすくなる。
なお、伸縮補強シート18は、背側部分Bの最も内側(トップシート2の内側)に設けても良いし、最も裏側(バックシート1の裏側)に設けても良い。伸縮補強シート18を背側部分Bの最も内側に設けた場合は、装着時におけるおむつの見た目が良くなるが、着用者の肌に伸縮補強シート18の硬い部分(例えば、ホットメルト接着部分)が当たって、肌触りが悪くなる。反対に、伸縮補強シート18を背側部分Bの最も外側に設けた場合は、これと(最も内側に設けた場合と)反対のメリットおよびデメリットがある。
伸縮補強シート18としては、特に限定を設けないが、それ自体弾性を有する熱可塑性樹脂製のシートのような、弾性(エラスティック)フィルムの他、伸縮不織布であってもよい。また、伸縮補強シート18としては、無孔のものの他、通気のために多数の孔やスリットが形成されたものも用いることができる。特に、幅方向WD(伸縮方向ED、MD方向)における引張強度が8~25N/35mm、前後方向LD(伸縮方向と直交する方向XD、CD方向)における引張強度が5~20N/35mm、幅方向WDにおける引張伸度が450~1050%、及び前後方向LDにおける引張伸度が450~1400%の弾性シート30であると好ましい。伸縮補強シート18の厚みは特に限定されないが、20~40μm程度であるのが好ましい。また、伸縮補強シート18として、2層構造または複数層構造の不織布シートを用いることもできる。この不織布シートは、不織布シートを構成する任意のシートの間に細長状弾性伸縮部材が挟まれて配設され、この細長状弾性伸縮部材の伸縮作用によって、不織布シート全体が伸縮可能となっている。
伸縮補強シート18を糸ゴムなどの細長弾性伸縮部材を挟んだ不織布シートで形成する場合、細長弾性伸縮部材の張力は特に限定されないが、前後方向LD背側に配置される細長弾性伸縮部材の張力を前後方向LD股間側に配置される細長弾性伸縮部材の張力よりも大きくすることが好ましい。このように、背側切断部11Bに設けられた伸縮補強シート18の背側の張力を股間側の張力よりも高くすることで、背側切断部11Bが扇状に多少開きにくくなるデメリットはあるが、伸縮補強シート18の収縮力が効くことにより、背側切断部11Bを境にして幅方向WD両側にある部分の一体性を高めることができる。一体性が低い場合、装着のために連結テープ10を腹側へ引っ張った際に、背側部分Bの中央部分(両側の背側切断部11BL、11BRの間の部分)が着用者の背中に密着しにくくなるため、背もれを誘発するおそれがあるが、一体性を高めることによって、このような不具合の発生を防止することができる。
同様に、伸縮補強シート18を伸縮不織布や伸縮フィルムで構成する場合も、同様の理由により、前後方向LD背側の張力を前後方向LD股間側の張力よりも大きくすることが好ましい。このような張力の差を設けるために、伸縮補強シート18と背側部分Bとの間の超音波接着の面積を調整することが好ましい。具体的には、伸縮補強シート18のうち、前後方向LD股間側の超音波接着の面積を増やし、前後方向LD後側の超音波接着の面積を減らすようにするとよい。
また、以上の説明では、背側切断部11Bに設ける伸縮補強シート18について述べてきたが、股間側切断部11Cを設けた場合は、この股間側切断部11Cにも伸縮補強シート18を設けることが好ましい。背側切断部11Bに伸縮補強シート18を設ける理由と同様の理由からである。なお、背側切断部11Bに設ける伸縮補強シート18の方向を説明する際に、背側部分Bの背側端縁を起点として股間側にどのように形成するか等について述べてきたが、股間側切断部11Cに設ける伸縮補強シート18の場合はそれとは逆の構造(前後方向LDの起点と終点が逆)になる。
(接合手段)
各構成部材を接合する接合手段としては、接着剤を例示することができ、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などにより、あるいは弾性部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性部材の外周面への塗布により形成されるものである。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
(明細書中の用語の説明)
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向LD」とは腹側(前側)FSと背側(後側)BSを結ぶ方向を意味し、「幅方向WD」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・製法における「MD方向(マシンダイレクション又はライン流れ方向)」及び「CD方向(MD方向と直交する横方向)」とは、加工設備の「MD方向」及び「CD方向」を意味し、いずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。また、製品におけるMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。図示形態は、殆ど多くの使い捨ておむつの製品と同様に、前後方向がMD方向となり、幅方向がCD方向となるものである。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・トップシートの「厚み」は「見かけの厚み」を意味し、以下の方法により測定する。すなわち、測定に際しては、縦30mm×横30mmの測定片を切り出す。この際、測定部分を通る切断面を作る。例えば、トップシートにおける貫通孔の周縁部を除く部分について、見かけの厚みを測定する場合、MD方向に平行で、貫通孔及びその周縁部を通らない切断面を形成する。そして、この切断面の拡大写真をキーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX-1000等を用いて撮影し、この拡大写真に基づいてトップシートの目的部分の見かけの厚みを測定する。最大値及び最小値を求める場合には10点以上測定し、最大値及び最小値を決定する。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J-B(測定範囲0~35mm)又は型式K-4(測定範囲0~50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm、及び加圧面積:2cmの条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
1…バックシート、2…(透液性)トップシート、3…吸収体、4…バリヤシート、4G…起立弾性伸縮部材、5…止着手段、6…フロントターゲットテープ、8…基材シート、9…面ファスナー要素、10…連結テープ、11…切断部、11A…股間側切断部、11B…背側切断部、11L…切り取り線、11AL…股間側切り取り線、11BL…背側切り取り線、11T…切り取り部、11AT…股間側切り取り部、11BT…背側切り取り部、12…突出部、12A…上側の突出部、12B…下側の突出部、15…液不透過性シート、17…(クロス止めを容易にするための)切れ込み、18…伸縮補強シート、21…(伸縮補強シートの)細長状弾性伸縮部材、31…接合部、32…非接合部、40…立体ギャザー、100…(テープ式使い捨て)おむつ、F…腹側部分、C…股間側部分、B…背側部分、EF…エンドフラップ部、HA…(ホットメルト)接着剤、SF…サイドフラップ部、ST…裂け止め線

Claims (5)

  1. 股間部と、前記股間部から前側へ延び出た腹側部分と、前記股間部から後側へ延び出た背側部分と、
    前記背側部分の両側部に幅方向外側へ延びる連結テープとを有し、
    前記連結テープは前記背側部分の幅方向両側部にそれぞれ前後方向に並べて2つずつ設けられており、
    装着状態で、前側の前記連結テープと後側の前記連結テープを互いに交差させて、前記腹側部分の外面に前記連結テープを連結するテープタイプ使い捨ておむつであって、
    前記背側部分には、その後端部から前側へ向かって切断された背側切断部が形成されており、
    前記背側切断部の少なくとも一部は伸縮補強シートで覆われており、
    前記背側部分は、前記股間部よりも幅方向外側に延び出たサイドフラップ部を有し、
    前記背側部分のサイドフラップ部には、その前端部から後側へ向かって切断された股間側切断部が形成されており、
    前記股間側切断部の少なくとも一部は伸縮補強シートで覆われており、
    前記背側切断部に設けられた前記伸縮補強シートおよび前記股間側切断部に設けられた前記伸縮補強シートは、それぞれ自然張状態で取り付けられている、
    ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記サイドフラップ部には吸収体が設けられておらず
    前記股間側切断部は前記サイドフラップ部にのみ設けられている、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記背側切断部は切り込み線であり、
    前記背側切断部を覆う前記伸縮補強シートのうち、
    前記切り込み線を取り囲む、股間側へ向かって次第に窄まる逆三角形の部分が前記背側部分に接着されておらず、
    前記逆三角形の部分よりも外側の部分が前記背側部分に接着されている、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記背側切断部を覆う前記伸縮補強シートのうち、前後方向の後側の張力が前側の張力よりも高い請求項1~3のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記股間側切断部を覆う前記伸縮補強シートのうち、前後方向前側の張力が後側の張力よりも高い請求項1~3のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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