JP7133959B2 - アウター固定タイプの使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
<請求項1に記載の発明>
肌面側シートと、非肌面側シートと、これらのシートの間に介在された吸収体と、アウターの内面に固定するための粘着部材とを備えた、アウター固定タイプの使い捨ておむつにおいて、
前記粘着部材は、前記非肌面側シートの外面の幅方向中央部に設けられ、
前記使い捨ておむつの幅方向の前後両端部が折り返されて前記非肌面側シートの外面に設けられた貼り合わせ部で貼り合わされ、
前記貼り合わせ部は、前記使い捨ておむつの前端側に配される前端側貼り合わせ部と後端側に配される後端側貼り合わせ部からなり、
前記肌面側シートには、細長状弾性部材を有する立体ギャザーが前後方向に配されており、
前記細長状弾性部材が、前記前端側貼り合わせ部と前記高端側貼り合わせ部の間のみに前後方向に配されたものである、
ことを特徴とするアウター固定タイプの使い捨ておむつ。
アウター固定タイプ使い捨ておむつの接着部は厚みを帯びて腰(しなやかさ、弾力性)を有するので、曲げ強さが比較的大きくなる。また、曲げ強さが比較的大きいと、装着者が装着するときや運動するときに接着部が捲れたり折れたりしない、との効果を有する。
接着部は非肌面側シートが折り返されて貼り合わせ部で貼り合わされており、液透過性トップシートの両側部には、細長状弾性部材を有する立体ギャザーが前後方向に配されて、細長状弾性部材は、前後両端部がいずれも貼り合わせ部の中央側端縁まで至っている。そのため、使い捨ておむつを展開する際、平面ギャザーの幅方向外側への広がりに追従して、立体ギャザーも幅方向外側に広がりつつ際立って起立する、との効果を有する。
前記粘着部材を覆う剥離シートを有し、
前記使い捨ておむつの幅方向の両端部は、前記剥離シートに重ならないように折り返されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のアウター固定タイプの使い捨ておむつ。
非肌面側シートの幅方向両端部は、剥離シートに重ならないように折り返されているので、保護者は剥離シートを剥離しやすい、との効果を有する。
幅方向両側部の前後方向中央部に平面ギャザーがそれぞれ形成され、
前記平面ギャザーの前後両端部は、前記使い捨ておむつが折り返されてなる接着部に至らない、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアウター固定タイプの使い捨ておむつ。
平面ギャザーと接着部を有し、平面ギャザーの前後両端部はいずれも使い捨ておむつが折り返されてなる接着部に至らない。仮に平面ギャザーの前後両端部が接着部に至ってしまうとすると、平面ギャザーの伸長性が失われ、***物の外部への漏れを防止するという平面ギャザーの機能が発揮されないものとなってしまう。よって、平面ギャザーの前後両端部を接着部に至らないとすることで、使い捨ておむつを展開する際、平面ギャザーは曲げ強さの大きい接着部に引っ張られ、幅方向外側に広がり易いものとなり、従来品よりも漏れ防止機能が発揮される。また、接着部は前後方向の両端に延在するように設ける必要がなく、局所的に設けるのみであるので貼り合わせに使用する接着剤や係合部材の材料費を低減できる、との効果を有する。
前記接着部の最大折り返し幅は、それぞれ前記使い捨ておむつの全幅の9~15%である、
ことを特徴とする請求項3に記載のアウター固定タイプの使い捨ておむつ。
最大折り返し幅が使い捨ておむつの全幅の9~15%であるので、接着部は十分な厚みを帯びて腰を有し、曲げ強さが大きく、装着者が装着するときや運動するときに接着部が捲れたり折れたりしない、との効果を有する。
前記貼り合わせ部の前後方向の長さは、それぞれ前記使い捨ておむつの全長の6~15%である、
ことを特徴とする請求項4に記載のアウター固定タイプの使い捨ておむつ。
貼り合わせ部の前後方向の長さが使い捨ておむつの全長の6~15%であるので、接着部は十分な曲げ強さを有する。貼り合わせ部の前後方向の長さが15%を越えると貼り合わせ部が平面ギャザーまで達してしまい、平面ギャザーが十分に伸長しなくなり、***物の外部への漏れの原因となり得る。そこで、このような範囲にすることで、平面ギャザーは曲げ強さの大きい接着部に引っ張られ、幅方向外側に広がり易いものとなり、従来品よりも漏れ防止機能が発揮される。また、接着部は平面ギャザー及び立体ギャザーの細長状弾性部材に近接するので、平面ギャザー及び立体ギャザーは幅方向外側に広がり易くなる、との効果を有する。
図1~図6は、アウター固定タイプ使い捨ておむつ200を示している。このアウター固定タイプ使い捨ておむつ200は、前後方向中央に対して前側に延在する腹側部分F1及び後側に延在する背側部分B1とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)L1は150~450mm程度、全幅W1は120~200mm程度とすることができる。
立体ギャザーシート24の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコーンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
平面ギャザー41はアウター固定タイプ使い捨ておむつ200の幅方向の外側であって、かつ、前後方向の中央側に形成されている。詳述すると、平面ギャザー41は、サイドフラップ部SFにおける立体ギャザーシート24の基部24xに対向する部位に設けられている。サイドフラップ部SFを形成する液不透過性シート21と外装シート25の幅方向の外側部には、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する細長状弾性部材42が所定の伸長状態で設けられている。これにより、装着者にアウター固定タイプ使い捨ておむつ200を装着した場合には、細長状弾性部材42の収縮力によって平面ギャザー41が装着者の脚部に押接させ***物の外部への漏れを防止することができる。
本発明は、アウター固定タイプ使い捨ておむつ200の両側部であって、かつ、前後方向の両端部の4隅、すなわち、頂点部に位置する接着部43に腰を持たせることで曲げ強さを大きくし、捲れや折れを防止したものである(図9参照)。
アウター固定タイプ使い捨ておむつ200は、上述のとおり、液不透過性シート21の内面と、液透過性トップシート22との間に、吸収体23が介在された基本構造を有している。アウター固定タイプ使い捨ておむつ200の内外方向の厚さは、図4からも分かるとおり、中央側から両端側にかけて次第に薄く形成される。同様に、図5からも分かるとおり、中央側から両端側にかけて次第に薄く形成される。よって、同頂点部は薄く形成されており同頂点部の曲げ強さは中央側と比較して小さい。ここで、曲げ強さとは、アウター固定タイプ使い捨ておむつ200を展開したときの平面に対して、アウター固定タイプ使い捨ておむつ200が平面方向以外の方向の外力を受けた場合の折れにくさ(曲がりにくさ)をいう。同外力の方向は、例えば同平面に対して斜め方向であってもよく、垂直方向であってもよい。
そして、折り返したときに接する双方の面は互いに貼り合わされている。この折り返したときに接する双方の面のうちの一方の面には、貼り合わせ部44が前後方向に延在されている。貼り合わせ部44には、接着剤や係合部材(以下、「接着剤等」という。)45が設けられている。接着剤等45は、折り返したときに接する双方の面が互いに接合(係合)し、接着部43の折り返し状態が維持されるもの、であればよい。接着剤等45として、例えば、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールを用いることができる。また、メカニカルファスナーのフック材等を用いてもよい。フック材は、多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であってもよい。貼り合わせ部44に設ける接着剤等45は、貼り合わせ部44の全範囲に設けてもよく、また、間隔を空けつつ貼り合わせ部44の全範囲に亘って設けてもよい。
接着部43の幅方向の中央側への折り返し幅Pは、折り返す前の頂点部の幅方向の側縁が剥離シート31に重ならない程度の幅にするとよい。換言すると、接着部43は、アウター固定タイプ使い捨ておむつの幅方向の側縁が剥離シート31の側縁に位置して貼り合わされて形成されている。具体的には、アウター固定タイプ使い捨ておむつ200の全幅W1の9~15%にするのが好ましい。折り返し幅Pがこの範囲より短いと、接着部43の曲げ強さは大きいものとはならず、接着部43の捲れや折れを効果的に防止できない。また、折り返し幅Pがこの範囲より長いと、頂点部の幅方向の側縁が剥離シート31に達してしまい、剥離シート31の隔離をスムーズに行うことができない。そして、立体ギャザー24cの一部も折り返されてしまい、立体ギャザー24cの機能が損なわれる。
各々の貼り合わせ部44は前後方向に長くても平面ギャザー41に配される細長状弾性部材42の先端よりも中央側に延在しないものとするとよい。換言すると、平面ギャザー41の前後両端部42eは、前記非肌面側シートが折り返されてなる接着部43に至らないものとする。具体的には、貼り合わせ部44の長さNは、アウター固定タイプ使い捨ておむつ200の全長L1の6~15%の長さにするとよい。より好ましくは、同長さNは、アウター固定タイプ使い捨ておむつ200の全長L1の8~15%の長さにするとよい。同長さNが6%未満だと、曲げ強さが十分大きいものとならず、アウター100の装着時に捲れや折れが発生する。また、同長さNが15%を超えると、貼り合わせ部44が細長状弾性部材42の先端よりも中央側に延在してしまう。そうすると、平面ギャザー41は、貼り合わせ部44に固定されてしまい、十分に伸長しなくなってしまう。そして、平面ギャザー41の***物の外部への漏れを防止する機能が発揮されないものとなってしまう。
パッドタイプの使い捨ておむつの装着について次に説明する。
アウター固定タイプ使い捨ておむつ200は、内面側の中央が横方向に谷折りされた状態で製品包装シートでパッケージされている。保護者(介護者)は、製品包装シートからこのアウター固定タイプ使い捨ておむつ200を取り出す。図6に示すように保護者(介護者)はこの折られた状態のアウター固定タイプ使い捨ておむつ200の外面側に貼り付けられた剥離シート31を剥離する。そして、保護者(介護者)は剥離により表出した粘着部材30をアウター固定タイプ使い捨ておむつ200の谷折りを展開しつつ、アウター100の内面に取り付ける。このようにして、アウター固定タイプ使い捨ておむつ200はアウター100に固定される。
先ず、従来の形態のアウター固定タイプ使い捨ておむつ200を製造した後、同おむつ200の外面の貼り合わせ部44に粘着剤や係合部材を塗布又は設ける。その後、前後方向に谷折りの折り目46を形成し、頂点部を幅方向中央側に折り込む。そして、折り込まれる部分を貼り合わせ部44に当接させて貼り合せる。このようにして本実施形態が形成される。
特許文献1では吸収パッドの周縁に一周囲むように粘着剤を塗布する形態を開示している。一方で、本実施形態では貼り合わせ部44はアウター固定タイプ使い捨ておむつ200の各頂点部にのみ形成されている。このことから、本実施形態では粘着剤や係合部材を塗布又設ける範囲が僅かであるので、粘着剤や係合部材に掛かる材料費を低減化でき経済的である。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向LD」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向WD」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。また「肌面側」とはアウター固定タイプ使い捨ておむつ200を装着者が装着した場合における、肌に触れる同おむつ200の内面側をいう。「非肌面側」とはアウター固定タイプ使い捨ておむつ200を装着者が装着した場合における、肌に触れない同おむつ200の外面側をいう。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
Claims (5)
- 肌面側シートと、非肌面側シートと、これらのシートの間に介在された吸収体と、アウターの内面に固定するための粘着部材とを備えた、アウター固定タイプの使い捨ておむつにおいて、
前記粘着部材は、前記非肌面側シートの外面の幅方向中央部に設けられ、
前記使い捨ておむつの幅方向の前後両端部が折り返されて前記非肌面側シートの外面に設けられた貼り合わせ部で貼り合わされ、
前記貼り合わせ部は、前記使い捨ておむつの前端側に配される前端側貼り合わせ部と後端側に配される後端側貼り合わせ部からなり、
前記肌面側シートには、細長状弾性部材を有する立体ギャザーが前後方向に配されており、
前記細長状弾性部材が、前記前端側貼り合わせ部と前記後端側貼り合わせ部の間のみに前後方向に配されたものである、
ことを特徴とするアウター固定タイプの使い捨ておむつ。 - 前記粘着部材を覆う剥離シートを有し、
前記使い捨ておむつの幅方向の両端部は、前記剥離シートに重ならないように折り返されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のアウター固定タイプの使い捨ておむつ。 - 幅方向両側部の前後方向中央部に平面ギャザーがそれぞれ形成され、
前記平面ギャザーの前後両端部は、前記使い捨ておむつが折り返されてなる接着部に至らない、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアウター固定タイプの使い捨ておむつ。 - 前記接着部の最大折り返し幅は、それぞれ前記使い捨ておむつの全幅の9~15%である、
ことを特徴とする請求項3に記載のアウター固定タイプの使い捨ておむつ。 - 前記貼り合わせ部の前後方向の長さは、それぞれ前記使い捨ておむつの全長の6~15%である、
ことを特徴とする請求項4に記載のアウター固定タイプの使い捨ておむつ。
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