JP7509127B2 - 情報処理装置、電子楽器システム、電子楽器、音節進行制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
第1操作子への操作が検出されてから設定時間経過後に第2操作子への操作が検出された場合、前記第2操作子への操作が検出されたタイミングに操作継続中の操作子の数のみに応じて、発音させる音節を第1音節から次の第2音節に進めるか、進めないかを制御する、
制御部を備える。
図1は、本発明に係る電子楽器システム1の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、電子楽器システム1は、電子楽器2と、端末装置3と、が通信インターフェースI(又は通信ネットワークN)を介して接続されて構成されている。
電子楽器2は、ユーザの鍵盤101の押鍵操作に応じて楽器音を出力する通常モードの他、鍵盤101の押鍵操作に応じて歌声を発音する歌声発音モードを有し、コーラス隊などの複数のパートからなる和声をポリフォニック発音させることが可能となっている。
また、音源部204、音声合成部205には、それぞれD/Aコンバータ211、212が接続され、音源部204から出力される楽器音の波形データ、音声合成部205から出力される歌声の音声波形データ(歌声波形データ)は、それぞれD/Aコンバータ211、212によりアナログ信号に変換され、アンプ213により増幅された後、スピーカ214から出力されるようになっている。
ROM202は、プログラム及び各種固定データ等を記憶する。
音源部204は、PCM(Pulse Code Modulation)音源方式に限定されず、例えば、FM(Frequency Modulation)音源方式等、他の音源方式を用いたものであってもよい。
図4は、図1の端末装置3の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、端末装置3は、CPU301、ROM302、RAM303、記憶部304、操作部305、表示部306、通信部307等を備えて構成されたコンピュータであり、各部はバス308により接続されている。端末装置3としては、例えば、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、スマートフォン等が適用可能である。
図5は、歌声発音モードにおける、鍵盤101の押鍵操作に応じた歌声の発音に係る構成を示す図である。以下、図5を参照して、電子楽器2において歌声発音モードで鍵盤101の押鍵操作に応じて歌声を発音する際の動作について説明する。
CPU201は、歌声発音モードスイッチが押下されると、動作モードを歌声発音モードに移行させる。また、ユーザが第2のスイッチパネル103の音色選択スイッチにより発音させたい声の音色を選択すると、CPU201は、選択された音色の情報を音源部204に設定する。
端末装置3において、歌声発音モードで発音させたい任意の歌唱曲の歌詞データ及び音高データが入力されると、CPU301は、入力された歌唱曲の歌詞データ及び音高データを学習済みモデル302aに入力して、学習済みモデル302aに歌声パラメータ群を推論させ、推論された歌声パラメータ群である歌声情報を通信部307により電子楽器2に送信する。
歌唱曲を時間方向に所定時間単位で区切ったそれぞれの区間をフレームと呼び、学習済みモデル302aは、フレーム単位で歌声パラメータを生成する。すなわち、1つの歌唱曲の歌声情報は、フレーム単位の複数の歌声パラメータ(歌声パラメータ群)により構成される。本実施形態では、歌唱曲を所定のサンプリング周波数(例えば、44.1kHz)でサンプリングしたときの1サンプルの長さ×225を1フレームとする。
図6は、フレームと音節の関係を示すイメージ図である(なお、図6は、登録商標を使用したものではない)。図6に示すように、歌唱曲の音声は、複数の音節(図6では第1音節~第3音節)により構成されている。それぞれの音節は、一般的には、1つの母音、又は、1つの母音と1又は複数の子音の組み合わせにより構成されている。各音節は、時間方向に連続する複数のフレーム区間にわたって発音され、一つの歌唱曲に含まれる各音節の音節開始位置、音節終了位置、母音開始位置、母音終了位置(いずれも、時間方向における位置)は、フレーム位置(先頭から何番目のフレームか)によって特定することができる。歌声情報における、各音節の音節開始位置、音節終了位置、母音開始位置、母音終了位置に該当するフレームの歌声パラメータには、第〇音節開始フレーム、第〇音節終了フレーム、第〇母音開始フレーム、第〇母音終了フレーム(〇は自然数)等の情報が含まれている。
ユーザにより鍵盤101が操作され、キースキャナ206から演奏操作情報が入力されると、CPU201は、押鍵操作された鍵の音高情報を音源部204に入力する。音源部204は、予め設定された音色の、入力された音高情報に応じた波形データを発声音源用波形データとして波形ROMから読み出し音声合成部205の合成フィルタ205aに入力する。
また、キースキャナ206から演奏操作情報が入力されると、CPU201は、後述する音節進行制御処理(図8参照)を実行することにより、演奏操作に応じて発音させるフレームを特定し、特定されたフレームのスペクトルパラメータをRAM203から読み出して合成フィルタ205aに入力する。
次いで、CPU201は、キースキャナ206により演奏操作情報が入力されたか否かを判断する(ステップS2)。
演奏操作情報が入力されたと判断した場合(ステップS2;YES)、CPU201は、音節進行制御処理を実行する(ステップS3)。
押鍵操作を検出した場合(ステップS31;YES)、CPU201は、KeyOnCounterにKeyOnCounter+1を設定する(ステップS32)。
ここで、KeyOnCounterは、現在押鍵されている(押鍵中の)鍵の数(操作継続中の操作子の数)を格納する変数である。
すなわち、検出された押鍵操作が他の操作子が押鍵されていない状態でなされたか否かを判断する。
ここで、FirstKeyOnTimeは、現在押鍵されている鍵のうち最初に押鍵された鍵(第1操作子)が押鍵された時間を格納する変数である。すなわち、CPU201は、KeyOnCounterが1であると判断した場合、第1操作子への操作(第1押鍵と呼ぶ)を検出したと判断してFirstKeyOnTimeの設定を行う。
ここで、Mは、検出された押鍵操作(第2操作子への操作)が、第1押鍵とほぼ同時に操作されたか否かを判定するために予め設定された同時判定期間(数msec程度。本発明の設定時間に対応。)である。SystemTime - FirstKeyOnTime>Mではない場合(すなわち、第1押鍵からの経過時間が同時判定期間内である場合)、検出された押鍵操作は第1押鍵と同時押鍵であるとみなされる。SystemTime - FirstKeyOnTime >Mである場合(すなわち、第1押鍵からの経過時間が同時判定期間外である場合)、検出された押鍵操作は第1押鍵と同時押鍵とはみなされない。
ここで、ステップS35の判断がNOとなる押鍵は、第1押鍵と同時押鍵である。複数の同時押鍵の場合は、第1押鍵も含めて全体で1つの音節が進むよう制御する。本実施形態では、第1押鍵で音節を進めるため、同時押鍵となるその他の押鍵では、ステップS41に移行して、音節を進めないよう制御する。
ここで、ステップS36でKeyOnCounterと比較する設定数(ここでは4)は、歌声発音モードで発音するパート数である。本実施形態では、歌声発音モードでソプラノ、アルト、テノール、バスの4つのパートを発音させることとして、ステップS36でKeyOnCounterと比較する設定数を4としている。なお、この設定数は、ユーザ操作に応じて変更可能である。
このCurrentFramePosは、現在の発音対象のフレームのフレーム位置を格納する変数であり、ステップS43又はS44において次の発音対象のフレームのフレーム位置に置き換えられるまでは、前回発音されたフレームのフレーム位置が格納されている。
すなわち、前回発音されたフレームが最後の音節ではない場合は、発音対象のフレームの位置が次の音節の音節開始位置に進行する。前回発音されたフレームが最後の音節である場合は、前回発音された音節の次の音節がないため、発音対象のフレームの位置が最初の音節開始位置のフレームに進行する。
ここで、120は、デフォルトのテンポ値であるが、これに限定されるものではない。再生レートは、ユーザが予め設定した値である。例えば、再生レートが240に設定されている場合、次に発音するフレームの位置が現在のフレーム位置から2つ進んだ位置に設定される。再生レートが60に設定されている場合、次に発音するフレームの位置が現在のフレーム位置から0.5進んだ位置に設定される。
NextFramePos>母音終了位置ではないと判断した場合(ステップS42;NO)、CPU201は、ステップS43に移行し、CurrentFramePosにNextFramePosを設定し(ステップS43)、図7のステップS4に移行する。すなわち、発音対象のフレームのフレーム位置をNextFramePosに進行させるが、NextFramePosは前回発音された音節の母音終了位置より手前であるため、次の音節には進まない。
図9に示す演奏のT1のタイミングの押鍵は、4つのパートの同時押鍵であるので音節が1つ進む。T2のタイミングの押鍵は、同時判定期間外の押鍵であり、このタイミングで押鍵されている鍵の数はパート数(4)に達しているため、音節は進まない。T3のタイミングの押鍵は、4つのパートの同時押鍵であるので音節が1つ進む。T4のタイミングの押鍵は、4つのパートの同時押鍵であるので音節が1つ進む。T5のタイミングの押鍵は、同時判定期間外の押鍵であり、このタイミングで押鍵されている鍵の数はパート数(4)に達しているため、音節は進まない。T6のタイミングの押鍵は、同時判定期間外の押鍵であり、このタイミングで同時に押鍵されている鍵の数はパート数(4)に満たないため、音節が1つ進む。
具体的に、CPU201は、鍵盤101において押鍵操作された鍵及び押鍵中の鍵の音高情報を音源部204に入力し、音源部204により、予め設定された音色の、入力された音高情報に応じた波形データを波形ROMから読み出して発声音源用波形データとして音声合成部205の合成フィルタ205aに入力させる。また、CPU201は、CurrentFramePosに格納されているフレーム位置のフレームのスペクトルパラメータをRAM203に記憶されている歌声情報から取得して、合成フィルタ205aに入力する。そして、合成フィルタ205aにより、入力されたスペクトルパラメータと発声音源用波形データに基づいて歌声波形データを生成させ、生成された歌声波形データをD/Aコンバータ212によりアナログ音声信号に変換させ、アンプ213とスピーカ214を介して出力(発音)させる。
ステップS7において、CPU201は、離鍵操作された鍵以外の、現在押鍵中の鍵の音高情報と、CurrentFramePosに格納されているフレーム位置のフレームのスペクトルパラメータに基づいて、歌声の音声を合成させて出力させる。
具体的に、CPU201は、離鍵操作された鍵以外の、現在押鍵中の鍵の音高情報を音源部204に入力し、音源部204により、予め設定された音色の、入力された音高情報に応じた波形データを発声音源用波形データとして音声合成部205の合成フィルタ205aに入力させる。また、CPU201は、CurrentFramePosに格納されているフレーム位置のフレームのスペクトルパラメータをRAM203に記憶されている歌声情報から取得して、合成フィルタ205aに入力する。そして、合成フィルタ205aにより、入力されたスペクトルパラメータと発声音源用波形データに基づいて歌声波形データを生成させ、生成された歌声波形データをD/Aコンバータ212によりアナログ音声信号に変換させ、アンプ213とスピーカ214を介して出力(発音)させる。
例えば、歌声発音モード中に歌声発音モードスイッチが押下された場合、CPU201は、歌声発音モードの終了が指示されたと判断する。
歌声発音モードの終了が指示されたと判断した場合(ステップS7;YES)、CPU201は、歌声発音モードを終了する。
例えば、CPU201は、操作継続中の操作子の数が設定数に達している場合に、第1音節から第2音節に進めないように制御し、操作継続中の操作子の数が設定数に満たない場合に、第1音節から第2音節に進めるように制御する。
したがって、例えば、メロディーパートは音高を変化させずに母音を維持したまま、アルトやバスパートだけがメリスマで音高を変えるような場合に、歌詞の音節を進行させないようにすることができ、和声を再現する場合の音節進行を適切に制御することができる。
例えば、上記実施形態においては、本発明の情報処理装置が電子楽器2に含まれる構成として説明したが、これに限定されない。例えば、本発明の情報処理装置の機能が、有線又は無線による通信インターフェースを介して電子楽器2に接続された外部装置(例えば、上述の端末装置3(PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等))に備えられていることとしてもよい。この場合、情報処理装置は、音節の位置制御に応じたパラメータ(ここでは、スペクトルパラメーター)を電子楽器2に送信し、電子楽器2は、受信したパラメータに基づいて合成した音声を発音する。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
第1操作子への操作が検出されてから設定時間経過後に第2操作子への操作が検出された場合、前記第2操作子への操作が検出されたタイミングに操作継続中の操作子の数に応じて、発音させる音節を第1音節から次の第2音節に進めるか、進めないかを制御する、
制御部を備える情報処理装置。
<請求項2>
前記制御部は、
前記操作継続中の操作子の数が設定数に達している場合に、前記第1音節から前記第2音節に進めないように制御し、
前記操作継続中の操作子の数が前記設定数に満たない場合に、前記第1音節から前記第2音節に進めるように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記制御部は、検出された前記タイミングに操作継続中の操作子が存在しない場合に、発音させる音声に対応する音節を前記第1音節から前記第2音節に進めるように制御する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記制御部は、いずれの操作子への操作がされていない状態でいずれかの操作子への操作を検出した場合に、前記第1操作子への操作を検出したと判断して前記設定時間のカウントを開始する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項5>
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
電子楽器と、
を備え、
前記情報処理装置は、音節の位置制御に応じたパラメータを前記電子楽器に送信し、
前記電子楽器は、受信した前記パラメータに基づいて合成した音声を発音する、
電子楽器システム。
<請求項6>
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
複数の操作子と、
を備える電子楽器。
<請求項7>
情報処理装置の制御部が、
第1操作子への操作が検出されてから設定時間経過後に第2操作子への操作が検出された場合、前記第2操作子への操作が検出されたタイミングに操作継続中の操作子の数に応じて、発音させる音節を第1音節から次の第2音節に進めるか、進めないかを制御する、方法。
<請求項8>
情報処理装置の制御部が、
第1操作子への操作が検出されてから設定時間経過後に第2操作子への操作が検出された場合、前記第2操作子への操作が検出されたタイミングに操作継続中の操作子の数に応じて、発音させる音節を第1音節から次の第2音節に進めるか、進めないかを制御する、
処理を実行するためのプログラム。
2 電子楽器
101 鍵盤
102 第1のスイッチパネル
103 第2のスイッチパネル
104 LCD
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 音源部
205 音声合成部
205a 合成フィルタ
206 キースキャナ
208 通信部
209 バス
210 タイマ
211 D/Aコンバータ
212 D/Aコンバータ
213 アンプ
214 スピーカ
3 端末装置
301 CPU
302 ROM
302a 学習済みモデル
303 RAM
304 記憶部
305 操作部
306 表示部
307 通信部
308 バス
Claims (8)
- 第1操作子への操作が検出されてから設定時間経過後に第2操作子への操作が検出された場合、前記第2操作子への操作が検出されたタイミングに操作継続中の操作子の数のみに応じて、発音させる音節を第1音節から次の第2音節に進めるか、進めないかを制御する、
制御部を備える情報処理装置。 - 前記発音させる各音節は、夫々、順次発音させる複数のフレームを含み、
前記制御部は、
前記操作継続中の操作子の数が設定数に達している場合、再生レートに従って算出される次に発音させるフレームの位置が現在の発音対象である前記第1音節の母音終了位置を超えるか否かを判断し、
超える場合に、発音するフレーム位置として前記母音終了位置を設定することにより、前記第1音節から前記第2音節に進めないように制御し、
超えない場合に、前記次に発音するフレーム位置から発音させることにより、前記第1音節から前記第2音節に進めないように制御し、
前記操作継続中の操作子の数が前記設定数に満たない場合に、前記第1音節から前記第2音節に進めるように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記制御部は、検出された前記タイミングに操作継続中の操作子が存在しない場合に、発音させる音声に対応する音節を前記第1音節から前記第2音節に進めるように制御する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。 - 前記制御部は、いずれの操作子への操作がされていない状態でいずれかの操作子への操作を検出した場合に、前記第1操作子への操作を検出したと判断して前記設定時間のカウントを開始する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
電子楽器と、
を備え、
前記情報処理装置は、音節の位置制御に応じたパラメータを前記電子楽器に送信し、
前記電子楽器は、受信した前記パラメータに基づいて合成した音声を発音する、
電子楽器システム。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
複数の操作子と、
を備える電子楽器。 - 情報処理装置の制御部が、
第1操作子への操作が検出されてから設定時間経過後に第2操作子への操作が検出された場合、前記第2操作子への操作が検出されたタイミングに操作継続中の操作子の数のみに応じて、発音させる音節を第1音節から次の第2音節に進めるか、進めないかを制御する、
方法。 - 情報処理装置の制御部が、
第1操作子への操作が検出されてから設定時間経過後に第2操作子への操作が検出された場合、前記第2操作子への操作が検出されたタイミングに操作継続中の操作子の数のみに応じて、発音させる音節を第1音節から次の第2音節に進めるか、進めないかを制御する、
処理を実行するためのプログラム。
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