JP7484685B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
エンジンと車輪との動力伝達経路にモータが設置されるとともに、動力伝達経路におけるエンジンとモータとの間の部分にクラッチが介設されたハイブリッド車両が知られている(例えば特許文献1参照)。このような車両では、エンジン及びモータの双方の駆動が制御され、クラッチが完全係合状態又はスリップ係合状態にある場合がある。
特開平06-323213号公報
エンジン駆動制御では、エンジン回転数が所定値以下に低下した場合に、エンジンストールを防止するために、エンジンでの燃料噴射量を増量補正して、エンジン回転数を上昇させる噴射増量処理が実行される場合がある。噴射増量処理では、エンジン回転数が所定値以下の範囲内で、エンジン回転数が低下するほど燃料噴射量の増量補正分が増大し、エンジン回転数が増大するほど燃料噴射量の増量補正分が減少するように設定される。
モータに関しては、モータ回転数が車速やアクセルペダル開度に応じて定められる目標範囲よりも低下した場合にモータのトルクを増大させてモータ回転数を目標範囲内まで上昇させるモータ駆動制御が実行される。これにより、モータ回転数を目標範囲内に維持することができる。
クラッチが完全係合状態又はスリップ係合状態の場合には、エンジン回転数が所定値以下に低下すると、エンジンの回転がクラッチを介してモータにも伝達され、モータ回転数も目標範囲から外れて低下する。これにより、エンジン側では噴射増量処理が実行され、モータ側ではモータ回転数が上昇するように制御される。これによりエンジン回転数は上昇するが、この場合でのエンジン回転数の上昇は、噴射増量分のみならず、上述したモータ回転数の上昇によってもアシストされている。
この状態で、エンジン回転数が上昇して噴射増量分が減少されると、エンジン回転数はモータの回転によって維持できないほどに低下する可能性がある。このようにエンジン回転数が再度低下すると、噴射増量分が再び増大してエンジン回転数は再度上昇する。以上のようにして、エンジン回転数がハンチングする可能性がある。
そこで本発明は、エンジン回転数のハンチングを抑制したハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、エンジンと車輪との動力伝達経路にモータが設置されるとともに、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記モータとの間の部分にクラッチが介設されたハイブリッド車両の制御装置であって、前記エンジンの駆動中にエンジン回転数が所定値以下に低下した場合に、前記エンジンの運転状態に応じて定められる基本燃料噴射量に、前記エンジン回転数が前記所定値以下の範囲内で前記エンジン回転数が上昇するほど減少するように定められた増量補正分を加算した燃料噴射量に基づいて目標燃料噴射量を設定する噴射増量処理を含む、エンジン駆動制御を実行するエンジン制御部と、モータ回転数が目標範囲よりも低下した場合に前記モータのトルクを増大させて前記モータ回転数を前記目標範囲内にまで上昇させるモータ駆動制御を実行するモータ制御部と、前記エンジン駆動制御及び前記モータ駆動制御の実行中であって前記クラッチが完全係合状態又はスリップ係合状態であるか否かを判定する判定部と、を備え、前記エンジン制御部は、前記判定部により肯定判定がなされた場合には、前記噴射増量処理の実行を制限する、ハイブリッド車両の制御装置によって達成できる。
本発明によれば、エンジン回転数のハンチングを抑制したハイブリッド車両の制御装置を提供できる。
図1は、ハイブリッド車両の概略構成図である。 図2は、エンジンの概略構成図である。 図3は、噴射増量処理でのエンジン回転数に応じた燃料噴射の増量補正分を示している。 図4は、ECUが実行する噴射増量処理を制限する制御の一例を示したフローチャートである。 図5は、エンジン及びモータの駆動制御中にK0クラッチが完全係合状態で噴射増量処理が実行される比較例でのエンジン回転数の推移を示した図である。 図6は、エンジン及びモータが駆動制御中にK0クラッチが完全係合状態で噴射増量処理が制限される本実施例でのエンジン回転数の推移を示した図である。
[ハイブリッド車両の概略構成]
図1は、ハイブリッド車両の概略構成図である。ハイブリッド車両には、走行用の駆動源としてのエンジン10及びモータ15が搭載されている。同ハイブリッド車両におけるエンジン10から車輪13への動力伝達経路には、変速ユニット11が設けられている。変速ユニット11と左右の車輪13とは、ディファレンシャル12を介して駆動連結されている。
変速ユニット11には、K0クラッチ14とモータ15とが設けられている。変速ユニット11においてモータ15は、エンジン10から車輪13への動力伝達経路上に位置するように設置されている。
K0クラッチ14は、同動力伝達経路におけるエンジン10とモータ15との間の部分に位置するように設置されている。K0クラッチ14は、油圧の供給を受けて完全係合状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を接続する。K0クラッチ14は、油圧供給の停止に応じて開放状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を遮断する。K0クラッチ14は、トルク伝達を開始してから完全係合するまでスリップ係合状態となる。完全係合状態ではエンジン10とモータ15とは直結されるためエンジン回転数とモータ回転数とが一致する。スリップ係合状態及び開放状態では、エンジン回転数とモータ回転数とは一致しない。
モータ15は、インバータ17を介して車載バッテリ16に接続されている。モータ15は、車載バッテリ16からの給電に応じて車両の駆動力を発生するモータとして機能する一方で、エンジン10や車輪13からの動力伝達に応じて車載バッテリ16に充電する電力を発電する発電機としても機能する。モータ15と車載バッテリ16との間で授受される電力は、インバータ17により調整されている。
変速ユニット11には、トルク増幅機能を有した流体継ぎ手であるトルクコンバータ18と、ギア段の切替えにより変速比を多段階に切替える有段式の自動変速機19と、が設けられている。変速ユニット11において自動変速機19は、上記動力伝達経路におけるモータ15よりも車輪13側の部分に位置するように設置されている。そして、トルクコンバータ18を介して、モータ15と自動変速機19とが連結されている。トルクコンバータ18には、油圧の供給を受けて係合してモータ15と自動変速機19とを直結するロックアップクラッチ20が設けられている。
さらに変速ユニット11には、オイルポンプ21と油圧制御機構22とが設けられている。そして、オイルポンプ21が発生した油圧が、油圧制御機構22を介して、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、自動変速機19、及びロックアップクラッチ20にそれぞれ供給されている。油圧制御機構22には、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、自動変速機19、及びロックアップクラッチ20のそれぞれの油圧回路と、それらの作動油圧を制御するための各種の油圧制御弁と、が設けられている。
ハイブリッド車両には、同車両の制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)23が設けられている。ECU23は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶された記憶装置と、を備える電子制御ユニットである。ECU23は、詳しくは後述するエンジン制御部、モータ制御部、及び判定部を機能的に実現する。
ECU23は、詳しくは後述するがエンジン10の駆動制御及びモータ15の駆動制御を行う。また、ECU23は、インバータ17を制御して、モータ15と車載バッテリ16との間での電力の授受量を調整することで、モータ15のトルク制御を行う。さらにECU23は、油圧制御機構22の制御を通じて、K0クラッチ14やロックアップクラッチ20、自動変速機19の駆動制御を行う。尚、ECU23には、車速や運転者のアクセルペダルの踏込量であるアクセルペダル開度などの検出信号が入力されている。
ECU23は、モータ走行モード、ハイブリッド走行モード、及びエンジン走行モードの何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させる。モータ走行モードでは、ECU23はK0クラッチ14を開放してモータ15の動力で車輪13を回転させる。ハイブリッド走行モードでは、ECU23はK0クラッチ14を係合してエンジン10及びモータ15の動力で車輪13を回転させる。エンジン走行モードでは、ECU23はK0クラッチ14を係合してエンジン10の動力で車輪13を回転させる。尚、ハイブリッド走行モードでは、モータ15の力行運転による走行アシストや、モータ15の回生運転による回生発電が行われる。尚、走行モードの切替えは、車速やアクセルペダル開度から求められた車両の要求駆動力と、車載バッテリ16の充電状態などに基づいて行われる。
[エンジンの概略構成]
図2は、エンジン10の概略構成図である。エンジン10には、混合気の燃焼を行う気筒30が設けられている。同図には、エンジン10が有する複数の気筒30のうちの一つのみが表示されている。各気筒30には、ピストン31が往復動可能に収容されている。各気筒30のピストン31は、エンジン10の出力軸であるクランク軸33に、コネクティングロッド32を介してそれぞれ連結されている。コネクティングロッド32及びクランク軸33は、ピストン31の往復運動をクランク軸33の回転運動に変換するクランク機構を構成する。なお、エンジン10には、クランク軸33の回転角を検出するクランク角センサ34が設けられている。
エンジン10の各気筒30には、吸気の導入路である吸気通路35が吸気バルブ36を介して接続されている。エンジン10の各気筒30には、排気の排出路である排気通路37が排気バルブ38を介して接続されている。吸気通路35には、吸入空気量を検出するエアフローメータ39と、吸気の流量を調整するための弁であるスロットルバルブ40と、が設けられている。エンジン10には、気筒30内に燃料を噴射する筒内噴射弁41が、各気筒30にそれぞれ設けられている。各気筒30には、吸気通路35を通じて導入された吸気と筒内噴射弁41が噴射した燃料との混合気を火花放電により点火する点火装置42が設けられている。排気通路37には、排気浄化用の触媒装置43が設けられている。
ECU23には、クランク角センサ34及びエアフローメータ39の検出信号が入力される。ECU23は、クランク軸33が既定の角度分回転する毎のクランク角の割り込み処理として、クランク角センサ34の検出信号からエンジン回転数の演算を行う。ECU23は、スロットルバルブ40の開度制御、筒内噴射弁41の燃料噴射制御、点火装置42の点火制御などを通じてエンジン駆動制御を行う。
ECU23は、エンジン駆動制御中では、筒内噴射弁41の燃料噴射量は、吸入空気量、エンジン回転数、及び目標空燃比に応じて基本燃料噴射量を算出し、基本燃料噴射量を目標噴射量として設定する。このようにして設定された目標噴射量と燃圧に応じて、実際の燃料噴射量が目標噴射量となるように筒内噴射弁41の開弁期間が制御される。しかしながら、所定の条件が成立した場合には、ECU23は以下の噴射増量処理を実行する。
[噴射増量処理]
ECU23は、エンジン駆動制御中においてエンジン回転数が所定値α以下となった場合に、噴射増量処理を実行する。噴射増量処理は、エンジン回転数が所定値α以下となった場合に、エンジンストールを防止するために燃料噴射量を増量補正する処理である。具体的には、上述したように算出された基本燃料噴射量に、所定の増量補正分を加算した燃料噴射量を、最終的な目標噴射量として算出する処理である。
図3は、噴射増量処理でのエンジン回転数に応じた燃料噴射の増量補正分を示している。図3では、横軸はエンジン回転数[rpm]を示し、縦軸は増量補正分[ml]を示している。図3に示すように、エンジン回転数が所定値α以下の範囲内でエンジン回転数が低下するほど、増量補正分は増大するように設定される。換言すれば、エンジン回転数が所定値α以下の範囲内でエンジン回転数が上昇するほど、増量補正分は減少するように設定される。エンジン回転数が所定値α以下の範囲内でエンジン回転数が低下するほど、エンジン回転数を燃料噴射によって大きく上昇させる必要があるからである。また、エンジン回転数が所定値α以下の範囲内でエンジン回転数が上昇するほど、エンジン回転数を燃料噴射によって増大させる分は少なくて済み、また、エンジン回転数が高いほど、気筒30内での燃料の気化が促進され、燃料噴射量に対するエンジン10の出力性能も向上するからである。
尚、図3では、エンジン回転数が上昇するほど増量補正分は直線的に減少するが、これに限定されず、増量補正分は曲線的又は段階的に減少してもよい。
[モータトルク補正処理]
ECU23は、モータ駆動制御中にモータトルク補正処理を実行する。モータトルク補正処理では、モータ回転数が、車速やアクセルペダル開度等に応じて定められる目標範囲から外れた場合に、モータ回転数を目標範囲内に属するようにモータ15のトルクを補正する処理である。具体的には、モータ回転数が目標範囲よりも低い場合には、インバータ17を制御することにより車載バッテリ16からモータ15へ供給される電力を増大させる。これによりモータ15のトルクを増大させ、モータ回転数を目標範囲内にまで上昇させる。また、モータ回転数が目標範囲を上回る場合には、ECU23はインバータ17を制御して車載バッテリ16からモータ15へ供給される電力を低下させる。これによりモータ15のトルクを低下させ、モータ回転数を目標範囲内にまで低下させる。このようにして、モータ回転数が所定の目標範囲内に維持される。
[噴射増量処理の制限]
次に、噴射増量処理の制限について説明する。図4は、ECU23が実行する噴射増量処理の制限の一例として、エンジンの運転状態に応じて定められる基本燃料噴射量のみを計算し、エンジン回転数に応じた前述の噴射増量処理を停止する制御の一例を示したフローチャートである。この制御は本ハイブリッド車両のシステム起動中に繰り返し実行される。ECU23は、エンジン10及びモータ15が駆動制御中であるか否かを判定する(ステップS1)。エンジン10の駆動制御中とは、エンジン10で燃料噴射が行われて混合気の燃焼が行われていることによりエンジン10が回転している状態であり、例えば燃料噴射が行われずにスタータモータ等によって外部から強制的に回転させられている状態を含まない。モータ15の駆動制御中とは、モータ15に電力が供給されて駆動する力行状態であり、回生電力が発生する回生状態を含まない。ステップS1でNoの場合、本制御を終了する。ステップS1でNoの場合とは、エンジン10の稼働が停止された状態で走行モードがモータ走行モードに制御されている場合や、モータ15の駆動制御を停止した状態でエンジン10により走行しているエンジン走行モードに制御されている場合である。
ステップS1でYesの場合、ECU23は、油圧制御機構22によりK0クラッチ14に供給される油圧の検出するセンサの出力値に基づいて、K0クラッチ14が完全係合状態又はスリップ係合状態であるか否かを判定する(ステップS2)。センサの出力値から算出されるK0クラッチ14に供給される油圧が所定値以上の場合には、完全係合状態又はスリップ係合状態であると判定され、上記の油圧が所定値未満の場合には、開放状態と判定される。ステップS1及びS2は、エンジン駆動制御及びモータ駆動制御の実行中であってK0クラッチ14が完全係合状態又はスリップ係合状態であるか否かを判定する判定部が実行する処理の一例である。
ステップS2でNoの場合には、ECU23はエンジン回転数が所定値α以下となったか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3でYesの場合には、ECU23は上述した噴射増量処理を実行する(ステップS4)。ステップS3でNoの場合、又はステップS4の処理の実行後、ECU23はモータ回転数が目標範囲外であるか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5でYesの場合、ECU23は上述したようにモータトルク補正処理を実行する(ステップS6)。ステップS5でNoの場合、又はステップS6の実行後は本制御を終了する。ステップS3及びS4の処理はエンジン制御部が実行するよりの一例である。ステップS5及びS6の処理は、モータ制御部が実行する処理の一例である。
このように、ステップS1でYesでありステップS2でNoの場合には、噴射増量処理及びモータトルク補正処理の双方が実行され得る。即ち、モータ走行モードからハイブリッド走行モードへの切替要求を受けて、K0クラッチ14を開放状態のままエンジン10を始動させてK0クラッチ14がスリップ係合状態となるまでの間では、噴射増量処理及びモータトルク補正処理は実行され得る。
ステップS1及びS2でYesの場合には、ECU23は噴射増量処理の実行を制限する(ステップS7)。具体的には、噴射増量処理を停止する。尚、この場合においても、上述した基本燃料噴射量が算出されこの基本燃料噴射量が目標燃料噴射量に設定される。ここでステップS1及びS2でYesの場合とは、K0クラッチ14が完全係合状態の場合においては、走行モードがエンジン10及びモータ15の動力によって走行するハイブリッド走行モードに制御されている場合である。また、ステップS1及びS2でYesの場合であって、例えばK0クラッチ14がスリップ係合状態の場合においては、例えばK0クラッチ14が開放状態にあるモータ走行モードから、K0クラッチ14が完全係合状態となるハイブリッド走行モードへ移行中の場合や、ハイブリッド走行モードからモータ走行モードへの移行中の場合である。ステップS7は、ステップS1及びS2により肯定判定がなされた場合に噴射増量処理の実行を制限するエンジン制御部が実行する処理の一例であり、本実施例では噴射増量処理を停止することにより噴射増量処理の実行を制限している。
このようにステップS7により噴射増量処理が停止された後では、エンジン10は駆動制御中であるが、図4に示すようにECU23はステップS3及びS4の処理は実行せずに、ステップS5及びS6の処理のみを実行し得る。即ち、噴射増量処理は実行されずに、モータトルク補正処理のみが実行され得る。尚、ステップS1でNoの場合には、エンジン10のみが駆動制御中の場合には、上述した噴射増量処理が制限されることなく実行され得る状態であり、モータ15のみが駆動制御中の場合には、上述しモータトルク補正処理が実行され得る状態である。
[比較例]
図5は、エンジン10及びモータ15の駆動制御中にK0クラッチ14が完全係合状態で噴射増量処理が実行される比較例でのエンジン回転数の推移を示した図である。図5の例では、例えば低品質の燃料の使用によりエンジン10の燃焼状態が悪化してエンジン回転数が低下する場合を示す。
エンジン回転数が低下し始め(時刻t1x)、エンジン回転数が所定値α以下となると(時刻t2x)、噴射増量処理が実行されると共に、モータ回転数が元の目標回転数に維持するようにモータ15への電力供給量が増大する。エンジン回転数がさらに低下すると(時刻t3x)、燃料噴射の増量補正分は更に増大し、モータ15に供給される電力量の増大に伴ってエンジン回転数は上昇し始める。エンジン回転数が上昇するにつれて、増量補正分は小さくなる。この場合でのエンジン回転数の上昇は、噴射増量分のみならずモータトルク補正によるモータ回転数の上昇によってもアシストされている。
エンジン回転数が所定値αを超えてピークになると(時刻t4x)、増量補正分はゼロとなる。この状態では、エンジン10の燃焼状態は改善されずに、エンジン回転数はモータ15の回転によって維持できないほどに低下し、エンジン回転数は再び低下する。このようにエンジン回転数が再度低下すると、噴射増量分が再度増大してエンジン回転数は上昇し始める(時刻t5x)。しかしながらエンジン回転数が所定値αを超えて上昇すると再び噴射増量分がゼロに設定されてエンジン回転数が低下し始める(時刻t6x)。このように、エンジン回転数がハンチングする可能性がある。エンジン回転数がハンチングすると、エンジン10の駆動音が周期的に増減し、また車速も不安定となる可能性がある。
[本実施例]
図6は、エンジン10及びモータ15が駆動制御中にK0クラッチ14が完全係合状態で噴射増量処理が停止される本実施例でのエンジン回転数の推移を示した図である。
エンジン回転数が低下し始め(時刻t1)、エンジン回転数が所定値α以下となっても(時刻t2)、本実施例では、基本燃料噴射量は算出されてエンジン10の駆動は継続されるが、上述した噴射増量処理は停止される。このためエンジン回転数は比較例でのピーク値よりは低下するが、モータ15への電力供給の増大によりエンジン回転数は徐々に上昇して(時刻t3)安定する(時刻t4)。このように、エンジン回転数のハンチングを抑制できるため、エンジン10の駆動音も一定となり、車速も安定する。尚、この場合では増量噴射処理が制限されているが、エンジン10の回転はモータ15によりアシストされているため、エンジンストールが発生することが抑制されている。
尚、本実施例において図4に示したように、K0クラッチ14がスリップ係合状態においてもエンジン10及びモータ15の駆動制御中に噴射増量処理が制限される理由は以下による。スリップ係合状態においてもエンジン10とモータ15の動力が互いに及ぼし合い、上述したように噴射増量処理を制限なく実行すると、エンジン回転数がハンチングする可能性があるからである。
[その他]
上記実施例では、噴射増量処理の実行の制限として、基本燃料噴射量のみを計算し噴射増量処理の実行自体を停止することを一例として説明したが、これに限定されない。例えば、基本燃料噴射量に加算する増量補正分をエンジン回転数によらずに常時ゼロに設定して噴射増量処理を実質的に実施しないことにより、噴射増量処理の実行を制限してもよい。また、増量補正分をエンジン回転数によらずに常時ゼロ以外の固定値に設定することにより、噴射増量処理の実行を制限してもよい。例えば、エンジン回転数が過度に低下しないように増量補正分を所定の固定値に設定することにより噴射増量処理の実行を制限してもよい。この場合、増量補正処理が制限されている場合での増量補正分を、噴射増量処理が制限されていない場合での増量補正分の最大値よりも小さい値に設定することが考えられ、例えば、噴射増量処理が制限されていない場合での取り得る増量補正分の範囲の中間値から最小値の間の固定値に設定してもよい。増量補正分が変動しないため、このような場合にもエンジン回転数のハンチングを抑制できる。
上記のエンジン10では、気筒30内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁41が設けられていたが、これに限定されず、筒内噴射弁41の代わりに、吸気ポートに向けて燃料を噴射するポート噴射弁が設けられていてもよいし、筒内噴射弁41とポート噴射弁の双方が設けられていてもよい。筒内噴射弁41とポート噴射弁の双方が設けられている場合には、噴射増量処理では、双方の噴射弁の合計の噴射量である基本噴射量に増量補正分が加算される。
上記のエンジン10は、火花点火式のガソリンエンジンであるが、点火装置42が設けられていない圧縮着火式であってもよく、例えばディーゼルエンジンであってもよい。
本実施例では、単一のECU23によりハイブリッド車両を制御する場合を例示したが、これに限定されず、例えばエンジン10を制御するエンジンECU、モータ15を制御するモータECU、K0クラッチ14を制御するクラッチECU等の複数のECUによって、上述した制御を実行してもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 エンジン
11 変速ユニット
12 ディファレンシャル
13 車輪
14 K0クラッチ
15 モータ
16 車載バッテリ
17 インバータ
18 トルクコンバータ
19 自動変速機
20 ロックアップクラッチ
21 オイルポンプ
22 油圧制御機構
23 ECU(ハイブリッド車両の制御装置)
30 気筒
34 クランク角センサ
35 吸気通路
41 筒内噴射弁

Claims (1)

  1. エンジンと車輪との動力伝達経路にモータが設置されるとともに、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記モータとの間の部分にクラッチが介設されたハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記エンジンの駆動中にエンジン回転数が所定値以下に低下した場合に、前記エンジンの運転状態に応じて定められる基本燃料噴射量に、前記エンジン回転数が前記所定値以下の範囲内で前記エンジン回転数が上昇するほど減少するように定められた増量補正分を加算した燃料噴射量に基づいて目標燃料噴射量を設定する噴射増量処理を含む、エンジン駆動制御を実行するエンジン制御部と、
    モータ回転数が目標範囲よりも低下した場合に前記モータのトルクを増大させて前記モータ回転数を前記目標範囲内にまで上昇させるモータ駆動制御を実行するモータ制御部と、
    前記エンジン駆動制御及び前記モータ駆動制御の実行中であって前記クラッチが完全係合状態又はスリップ係合状態であるか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記エンジン制御部は、前記判定部により肯定判定がなされた場合には、前記噴射増量処理の実行を制限する、ハイブリッド車両の制御装置。
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