JP4444546B2 - 摩擦攪拌接合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転による摩擦熱で被接合物を軟化、攪拌して接合する摩擦攪拌接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、或る提案された摩擦攪拌接合装置1を示す正面図である。この摩擦攪拌接合装置1では、先端にピン2を有する回転子3を高速で回転させながらワークに押し付け、ピン2とワークとの接合部を、回転による摩擦熱で軟化させるとともに、回転によって攪拌して接合する。つまり、摩擦攪拌接合装置1は、回転子3を、その軸線まわりに高速で回転させる回転用駆動源4と、回転子3を、回転軸線にそって直進移動させる直進駆動源5とを有する。摩擦攪拌接合装置1は、支持フレーム6とリニアスライダ7とボールねじ8とを有し、支持フレーム6が、加工機械本体に保持される。
【0003】
リニアスライダ7は、支持フレーム6に固定される。直進案内されるリニアスライダ7のガイド部には、回転自在に支持される回転子3と、回転子3を回転駆動する回転駆動源4とが取り付けられる。ボールねじ8は、リニアスライダ7に平行に支持フレーム6に固定され、ボールねじ8のねじ軸10に螺着されるナット部材9がリニアガイド7のスライド部材に連結される。したがって、ボールねじ8のねじ軸10を、サーボモータなどの直進駆動源5で回転駆動することによって、ナット部材9はねじ軸10にそって上下に直進移動する。このナット部材9に取り付けられるスライド部材は、回転子3および回転駆動源4とともに直進移動する。
【0004】
このような構成によって回転子3を回転させながら直進移動させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した摩擦攪拌接合装置1では、回転子3を回転駆動するための回転駆動源4ごと直進駆動源5でスライドさせて、ワークに押圧していたので、大容量の直進駆動源を必要とし、装置全体が大掛かりになるといった問題を有する。またこれにより、コストアップも招いていた。さらに、このような大重量の摩擦攪拌接合装置1を装備する加工機械本体の負荷重量も大きくなってしまう。
【0006】
また、ボールねじ8とリニアスライダ7とを用いる構造では、直進駆動力を発生するボールねじ8のねじ軸10と、押圧したときにワークから負荷を受ける回転子3の軸線とは、図7で参照符Wで示すように距離Wだけ離間している。このように直進駆動軸と負荷軸とが離間していると、押圧時に曲げモーメントが発生し、これによってガタが生じやすく、耐久性に問題がある。
【0007】
また、直進駆動源5であるサーボモータの電流値に基づいて回転子の押圧力を検出する場合があるが、上記したようにガタが生じると、電流値が変動し、押圧力を正確に検出できなくなるといった問題が生じる。
【0008】
また、直進駆動源5は、回転子3とともに回転駆動源4を直進移動させるので、回転駆動源4の重量分、直進駆動源5による回転子3の押圧力と、直進駆動源4の電流値との関係に誤差を与えるといった問題がある。
【0009】
本発明の目的は、回転駆動源を直進駆動源で移動させず、また、押圧時に曲げモーメントが発生しないように構成される摩擦攪拌接合装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高速回転する回転子を回転軸線方向に移動させ、先端部を被接合物に押圧し、前記先端部の回転による摩擦熱によって前記被接合物の接触部を軟化させ、攪拌して被接合物を接合する摩擦攪拌接合装置において、
回転子を回転軸線まわりに高速回転させるサーボモータから成る回転駆動源と、
回転子を回転軸線方向に直進移動させるサーボモータから成る直進駆動源と、
回転駆動源および直進駆動源をそれぞれ支持し、回転子を回転軸線方向に移動可能に支持する支持部材と、
回転子の回転軸線方向への移動を許容し、かつ回転駆動源からの回転駆動力を回転子に伝達する回転伝達手段と、
回転子の回転を許容し、かつ直進駆動源からの直進駆動力を回転子に同軸に伝達する直進伝達手段とを備えることを特徴とする摩擦攪拌接合装置である。
【0012】
また本発明は、高速回転する回転子を回転軸線方向に移動させ、先端部を被接合物に押圧し、前記先端部の回転による摩擦熱によって前記被接合物の接触部を軟化させ、攪拌して被接合物を接合し、
加工機械本体に装備される摩擦攪拌接合装置において、
回転子を回転軸線まわりに高速回転させるサーボモータから成る回転駆動源と、
回転子を回転軸線方向に直進移動させるサーボモータから成る直進駆動源と、
回転駆動源および直進駆動源をそれぞれ支持し、回転子を回転軸線方向に移動可能に支持する支持部材と、
回転子の回転軸線方向への移動を許容し、かつ回転駆動源からの回転駆動力を回転子に伝達する回転伝達手段と、
回転子の回転を許容し、かつ直進駆動源からの直進駆動力を回転子に同軸に伝達する直進伝達手段とを備え、
支持部材は、加工機械本体に固定され、
加工機械本体は、前記回転軸線と直角方向に、任意の長さ分、回転子と被接合物との相対動作を生じさせることを特徴とする摩擦攪拌接合装置である。
【0013】
また本発明は、前記回転子の回転駆動力は、回転子の側面に伝達されることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記回転子の回転駆動力は、回転子の一端部に伝達されることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、回転子を回転させる回転駆動源は、回転子の回転軸線方向への変位を許容した状態で回転力を伝達する回転伝達手段によって回転力を伝達するので、回転駆動源を支持部材に固定した状態で、回転子を回転させながら、直進駆動源で回転子を直進移動させることができる。これによって、直進駆動源は、回転子のみを直進移動させればよく、回転駆動源を移動させる必要がないので、直進駆動源の容量が少なくてすみ、小型化できる。これによって、この摩擦攪拌接合装置を保持する加工機械本体の負担も軽くなる。また、回転駆動源を移動させる必要がないことにより、直進駆動源の電流値と押圧力との関係に、誤差が生じにくくなる。
【0016】
また、回転駆動源の回転力は、回転子の側面から伝達されてもよく、端部から伝達されてもよい。
【0022】
また本発明は、(a)回転子保持部材70であって、
回転子の回転子本体36が挿入される回転子挿入孔72を有し、回転子を保持する下端部を有し、
前記下端部の外周部に、前記軸線Lに平行に延びる複数のスプライン76が形成される回転子保持部材70と、
(b)回転支持部材73であって、
内周側に前記スプライン76が嵌まる第1スプライン受け75と、
第1スプライン受け75を、支持部材に、前記軸線Lまわりに回転可能に支持し、支持部材に取り付けられる第1軸受け74とを有する回転支持部材73とを含み、
前記回転駆動源は、支持部材に固定的に支持される回転駆動用モータ41を含み、
前記回転伝達手段は、回転子の回転軸線方向への移動を許容し、回転駆動用モータ41からの回転駆動力を回転子保持部材70に伝達し、
前記直進駆動原は、支持部材に固定的に支持される直進駆動用モータ40を含み、
前記直進伝達手段は、回転子の回転を許容し、直進駆動用モータ40からの直進駆動力を回転子保持部材70の上端部に同軸に伝達することを特徴とする。
【0023】
また本発明は、支持部材は、加工機械本体に固定され、
加工機械本体は、前記回転軸線と直角方向に、任意の長さ分、回転子と被接合物との相対動作を生じさせることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態である摩擦攪拌接合装置20を示す図である。摩擦攪拌接合装置20は、加工機械本体23に装備される。
【0025】
摩擦攪拌接合装置20は、支持部材である支持フレーム30、回転子31、回転押圧機構32を有する。支持フレーム30が加工機械本体23に固定され、回転押圧機構32を保持する。回転押圧機構32は、回転子31を、その軸線Lまわりに高速で回転させるとともに、回転軸線L方向に直進移動させる。また、回転子31の先端に対向する受け部33が、別途設けられる。回転子31は、先端側が先細りとなり(図2参照)、先端部は回転軸線Lと同軸の円柱部35が形成され、その下端面から回転軸線Lに沿ってピン34が突出して設けられる。
【0026】
たとえばアルミニウム合金板などの2枚のワークを接合する場合、2枚のワークを重ね、接合部の下部に摩擦攪拌接合装置20の受け部33が配置される。次に、回転押圧機構32で回転子31を高速で回転させるとともに、回転子31を前進移動させる。すると、受け部33と回転子31との間に2枚のワークが挟持され、回転子31先端のピン34がワークの接合部に押圧される。回転しながら押圧されることによって摩擦熱が発生し、接合部近傍が軟化し、ピン34が挿入される。
【0027】
ピン34が回転しながら挿入されることにより、接合部近傍で塑性流動を起こし、ピン34によって攪拌される。また、ピン34が挿入され、回転子31の円柱部35の下端面(ショルダー部)がワーク表面に押圧されると、この下端面によっても、ワーク表面が攪拌される。このようにして、ピン34が2枚のワークの接合部を超えるまで挿入され、所定の押圧力で所定時間押圧して攪拌する。加工機械本体23は、接合時もしくは接合中においては、接合の適用内容に応じて、回転軸線Lと直角方向に、任意の長さ分、回転子31とワークとの相対動作を生じさせる。その後、回転押圧機構32で回転子31を、回転軸線Lに沿って後退させる。ピン34が引き抜かれると、攪拌され塑性流動を起こした接合部近傍が冷却して硬化し、接合部で2枚のワークが接合される。
【0028】
図2は、摩擦攪拌接合装置20の回転押圧機構32の構成を示す図である。回転子31は、回転子本体36と回転子31を保持する回転子保持部材70とからなり、回転押圧機構32は、回転子31を回転駆動する回転駆動源であるインダクションモータ41、回転子31を直進移動させる直進駆動源であるサーボモータ40と、インダクションモータ41からの回転力を回転子保持部材70に伝達する回転伝達手段42と、サーボモータ40の直進駆動力を回転子保持部材70に伝達する直進伝達手段43とを有する。
【0029】
支持フレーム30は、サーボモータ40、インダクションモータ41を固定的に支持し、回転子保持部材70を回転支持部材73を介して支持する。回転子保持部材70は、外周に回転軸線Lに平行に延びる複数のスプライン76を有し、前記回転支持部材73は、内周側にスプライン76が嵌まるスプライン受け75を有し、外周側に軸受け74を有し、この軸受け74が支持フレーム30に取り付けられる。このような構成によって、回転子保持部材70は、回転軸線Lまわりに回転可能で、かつ回転軸線L方向に移動自在に支持フレーム30に支持される。
【0030】
回転子保持部材70は、円柱状であり、下端部に回転子挿入孔72が形成され、この回転子挿入孔72に回転子本体36が挿入され、回転軸線Lまわりの回転、および回転軸線L方向への移動が阻止されて回転子保持部材70に保持される。
【0031】
回転伝達手段42は、インダクションモータ41の出力軸67に固定される第一ベルト車61、Vベルト62、第二ベルト車63、スプライン軸66、スプライン軸66と第二ベルト車63とを連結するユニバーサルジョイント64とから構成される。回転子保持部材70の上端部には、内スプラインを有するスプライン孔71が、回転軸線Lと同軸に形成され、このスプライン孔71に前記スプライン軸64が挿入される。これによって、スプライン軸64と回転子保持部材70とは、軸線L方向に直進移動可能で、かつ軸線Lまわりの回転が阻止された状態で連結される。
【0032】
第二ベルト車63は、軸受け65によって軸線Lまわりに回転自在に支持フレーム30に支持され、この第二ベルト車63から第一ベルト車61にわたってVベルト62が巻き掛けられ、第二ベルト車63とスプライン軸81とが、ユニバーサルジョイント64を介して連結される。このような構成の回転伝達手段42によって、インダクションモータ41の回転力が回転子31に伝達される。
【0033】
直進伝達手段43は、サーボモータ40の出力軸44に固定される有歯ベルト車45と、タイミングベルト46と、ナット部材47とを有し、この直進伝達手段43に直線部材48が連結される。直進部材48は、前記ナット部材47が螺合するねじ軸49と、ねじ軸49の下端部に固定され、回転子保持部材70の上端部に連結される連結部材50とを有する。連結部材50の下端部は、一対の軸受け80を介して、回転子保持部材70が軸線Lまわりに回転可能で、かつ連結部材50と回転子保持部材70とが回転軸線L方向へ移動が阻止された状態で連結される。また、連結部材50下端部の外周部には、回転軸線Lに平行な方向に延びる複数の外スプライン82が設けられ、支持フレーム30には、前記外スプライン82が嵌り込むスプライン受け83が固定される。これによって、連結部材50は、回転軸線Lまわりの回転が阻止され、かつ回転軸線L方向へ移動可能に設けられる。
【0034】
連結部材50の上端部にはねじ軸49が固定され、このねじ軸49は、回転軸線Lに同軸に配置される。ねじ軸49に螺合するナット部材47は、ボールネジであり、軸受け52を介して回転軸線Lまわりに回転自在に支持され、軸受け52は、支持フレーム30に固定される。このナット部材47の上端部に有歯ベルト車51が一体に固定され、この有歯ベルト車51からサーボモータ40に取り付けられる有歯ベルト車45にわたってタイミングベルト46が巻き掛けられる。
【0035】
次に、直進伝達手段43の動作について説明する。サーボモータ40を回転させると、有歯ベルト車45、タイミングベルト46を介してナット部材47が回転する。ナット部材47は、支持フレーム30に対して回転軸線L方向に固定的に保持されているので、ナット部材47の回転によってねじ軸49が前進(下降)する。ねじ軸49の下端部に固定される連結部材50は、回転子保持部材70に対して、回転可能かつ回転軸線L方向の移動が阻止されて連結されるので、回転子保持部材70が回転可能な状態で前進する。サーボモータ40を逆転させると、ナット部材47の回転方向も逆転し、回転子31は後退(上昇)する。
【0036】
回転伝達手段42は、スプライン軸64によって、回転軸線L方向に移動可能で、かつ回転軸線Lまわりの回転力を回転子保持部材70に伝達可能に構成されるので、回転子保持部材70を前進、後退させながら回転させることができる。
【0037】
このようにして、インダクションモータ41で回転子31を高速で回転させながら、サーボモータ40によって回転軸線L方向に前進させ、回転子31先端をワークに押圧し、サーボモータ40を逆転させることによって、回転子31を回転させながら後退させることができる。このとき、回転子に直進力を作用させる直進伝達手段43の直進部材48は、ねじ軸49が回転子31の回転軸線Lと同軸にあるので、前述した従来技術のように、押圧時に曲げモーメントが発生することが防がれる。また、直進駆動源であるサーボモータ40は、従来技術のように回転子とともに回転駆動源であるインダクションモータ41を直進移動させる必要がないので、サーボモータ40のモータ容量が小さくて済み、サーボモータ40を小型、軽量化できる。
【0038】
また、摩擦攪拌接合装置20では、サーボモータ40の電流値によって、押圧力を検出するが、押圧時に曲げモーメントが発生しないことにより、サーボモータの電流値と押圧力との関係に、誤差が生じにくくなる。
【0039】
図2に示す直進伝達手段43では、ナット部材47を回転軸線Lまわりに回転自在に、かつ回転軸線L方向への移動を阻止して支持フレーム30に設け、このナット部材47を回転させることによって、直進部材のねじ軸49を前進、後退させるように構成したが、これとは逆に構成してもよい。つまり、図3に示すように、ねじ軸92を軸受け94によって回転自在に支持し、直進部材として下端部が回転子保持部材70に連結され、上端部にねじ軸92に螺合するナット部材91を有する連結部材90を設け、ねじ軸92に有歯ベルト車93を固定し、タイミングベルト46を介してねじ軸92を回転させることによって、ナット部材91に一体に設けられる連結部材90を前進、後退させるように構成してもよい。
【0040】
図4は、本発明の他の実施形態の摩擦攪拌接合装置の回転押圧機構100の構造を示す図である。図2、図3に示す回転押圧機構32では、回転駆動力および直進力が、回転子31の一端部から伝達される構成であるが、本実施形態の回転押圧機構100では、回転駆動力が回転子31の一端部から入力され、回転力が回転子31の側面に伝達される。
【0041】
つぎに、本実施形態の回転押圧機構100の構成について詳細に説明する。なお、前述した回転押圧機構32に対応する構成には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0042】
本実施形態の直進伝達手段110に連結される直進部材101は、円筒状であり、回転軸線Lに同軸に回転子保持部材70の上端部を外囲して配置される。この円筒状の直進部材101の上下両端部に設けられる軸受け102,103を介して直進部材101と回転子保持部材70とは、回転軸線Lまわりに相対的に回転自在であり、回転軸線L方向への移動が阻止されて連結される。この直進部材101の外周には外ねじが形成され、この外ねじにナット部材104が螺合する。
【0043】
ナット部材104は、一対の軸受け105,106を介して支持フレーム30に、回転軸線Lまわりに回転自在に、かつ回転軸線L方向への移動が阻止されて支持される。また、ナット部材104の外周には歯が形成されて有歯ベルト車として機能する。したがって、サーボモータ40の有歯ベルト車45からナット部材104にわたってタイミングベルト46が巻き掛けられることによって、サーボモータ40の回転駆動力が、直進部材101に伝達される。
【0044】
また、直進部材101の外周部には回転軸線Lに平行にガイド溝107が形成されており、前記ナット部材104の上方で、直進部材101を外囲する環状の回り止め部材108が支持フレーム30に固定されており、回り止め部材108には内側に突出し、直進部材101の前記ガイド溝107に嵌まり込む回り止め突起109が形成される。これによって、直進部材101は、回転軸線L方向には移動可能で、回転軸線Lまわりの回転が阻止される。
【0045】
また、インダクションモータ41は、出力軸67にユニバーサルジョイント64を介してスプライン軸64が連結され、このスプライン軸64と回転子保持部材70とが、回転軸線Lまわりの回転が阻止され、かつ回転軸線L方向に移動可能に連結される。
【0046】
サーボモータ40を回転駆動させると、有歯ベルト車45、タイミングベルト46を介してナット部材104が回転軸線Lまわりに回転し、このナット部材104の回転によって、直進部材101を介して回転子保持部材70および回転子31が回転軸線L方向に直進移動する。このようにして、直進駆動源であるサーボモータ40からの直進力が、直進部材107の側面から伝達される。
【0047】
またインダクションモータ41からの回転力は、スプライン軸64によって、回転軸線L方向に移動可能に伝達され、これによって、回転子31は、回転軸線Lまわりに回転しながら回転軸線L方向に直進移動することができる。このようにして、回転力は、回転子31の一端部から伝達される。
【0048】
本実施形態においても、回転駆動源であるインダクションモータ41を移動させることが防がれる。また回転子31に直進力を作用させる直進部材48が、回転軸線Lと同軸に配置されるので、押圧時に曲げモーメントが作用するといったことが防がれる。
【0049】
図5は、本発明のさらに他の実施形態の摩擦攪拌接合装置の回転押圧機構120の構成を示す図である。この回転押圧機構120では、インダクションモータ41からの回転力が回転子31の側面から伝達され、サーボモータ40からの直進力が、回転子31の上端部から伝達される。なお、図1〜図4に示される構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0050】
この回転押圧機構120では、図2で説明した回転押圧機構32と同様の直進伝達手段43を有する。ただし、本実施形態の回転伝達手段121は、回転子保持部材70の側面から回転力が伝達されるので、直進伝達手段43の連結部材50は、回転伝達手段のタイミングベルト62を避ける必要がないので、連結部材50の構成を小さくすることができる。
【0051】
回転子保持部材70の外周には複数のスプライン122が、回転軸線Lに平行に形成される。回転力伝達手段121は、インダクションモータ41の出力軸に固定されるVベルト車61、Vベルト62、スプライン受け123を有する。スプライン受け123は、環状であり、回転子保持部材70の前記スプライン122に嵌まり込み、スプライン受け123と回転子保持部材70とは、回転軸線Lまわりの回転が阻止され、かつ回転軸線L方向へ移動可能に連結される。このスプライン受け123は、上下一対の軸受け124,125によって、回転軸線Lまわりに回転自在に、かつ回転軸線L方向への移動が阻止されて支持フレーム30に支持される。また、スプライン受け123の外周部は、ベルト車として機能し、この外周部にはVベルト62が巻き掛けられる。
【0052】
このような構成によって、インダクションモータ41の回転力が、Vベルト車61、Vベルト62を介してスプライン受け123、回転子保持部材70および回転子31を回転軸線Lまわりに回転駆動する。また、回転子保持部材70は、直進移動可能に支持されているので、直進伝達手段43からの直進力によって回転しながら直進移動することができる。
【0053】
本実施形態においても、回転駆動源であるインダクションモータ41を移動させることが防がれる。また回転子31に直進力を作用させる直進部材48が、回転軸線Lと同軸に配置されるので、押圧時に曲げモーメントが作用するといったことが防がれる。
【0054】
また、本実施形態の直進伝達手段43を、図3で説明した構成と同様に、直進部材にナット部材を固定し、ねじ軸側を回転させるように構成してもよい。
【0055】
図6は、本発明のさらに他の実施形態の摩擦攪拌接合装置の回転押圧機構130の構成を示す図である。この回転押圧機構130では、直進力および回転力が回転子31の側面から伝達される。つまり、図4で説明した直進伝達手段110と、図5で説明した回転伝達手段121を有する。なお、図1〜図5に示される構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0056】
本実施形態においても、回転駆動源であるインダクションモータ41を移動させることが防がれる。また回転子31に直進力を作用させる直進部材101が、回転軸線Lと同軸に配置されるので、押圧時に曲げモーメントが作用するといったことが防がれる。
【0057】
また、上述した各実施形態では回転駆動源としてインダクションモータを用いるように構成したが、本発明はこれに限らず、回転駆動源をサーボモータとしてもよい。このとき、回転伝達手段は、Vベルトでなく、タイミングベルトを用いる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回転子を回転させる回転駆動源は、回転子の回転軸線方向への変位を許容した状態で回転力を伝達する回転伝達手段によって回転力を伝達するので、回転駆動源を支持部材に固定した状態で、回転子を回転させながら、直進駆動源で回転子を直進移動させることができる。これによって、直進駆動源は、回転子のみを直進移動させればよく、回転駆動源を移動させる必要がないので、直進駆動源の容量が少なくてすみ、小型化できる。これによって、この摩擦攪拌接合装置を保持する加工機械本体の負担も軽くなる。また、回転駆動源を移動させる必要がないことにより、直進駆動源の電流値と押圧力との関係に、誤差が生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摩擦攪拌接合装置を摩擦攪拌接合装置20に適用した実施の一形態を示す図である。
【図2】摩擦攪拌接合装置20の回転押圧機構32の構造を示す図である。
【図3】直線伝達機構43の他の形態を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態の回転押圧機構100の構造を示す図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態の回転押圧機構120の構造を示す図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態の回転押圧機構130の構造を示す図である。
【図7】従来の摩擦攪拌接合装置1を示す図である。
【符号の説明】
23 加工機械本体
20 摩擦攪拌接合装置
30 支持フレーム
31 回転子
32,100,120,130 回転押圧機構
34 ピン
40 サーボモータ
41 インダクションモータ
42 回転伝達手段
43 直進伝達手段
Claims (6)
- 高速回転する回転子を回転軸線方向に移動させ、先端部を被接合物に押圧し、前記先端部の回転による摩擦熱によって前記被接合物の接触部を軟化させ、攪拌して被接合物を接合する摩擦攪拌接合装置において、
回転子を回転軸線まわりに高速回転させるサーボモータから成る回転駆動源と、
回転子を回転軸線方向に直進移動させるサーボモータから成る直進駆動源と、
回転駆動源および直進駆動源をそれぞれ支持し、回転子を回転軸線方向に移動可能に支持する支持部材と、
回転子の回転軸線方向への移動を許容し、かつ回転駆動源からの回転駆動力を回転子に伝達する回転伝達手段と、
回転子の回転を許容し、かつ直進駆動源からの直進駆動力を回転子に同軸に伝達する直進伝達手段とを備えることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 高速回転する回転子を回転軸線方向に移動させ、先端部を被接合物に押圧し、前記先端部の回転による摩擦熱によって前記被接合物の接触部を軟化させ、攪拌して被接合物を接合し、
加工機械本体に装備される摩擦攪拌接合装置において、
回転子を回転軸線まわりに高速回転させるサーボモータから成る回転駆動源と、
回転子を回転軸線方向に直進移動させるサーボモータから成る直進駆動源と、
回転駆動源および直進駆動源をそれぞれ支持し、回転子を回転軸線方向に移動可能に支持する支持部材と、
回転子の回転軸線方向への移動を許容し、かつ回転駆動源からの回転駆動力を回転子に伝達する回転伝達手段と、
回転子の回転を許容し、かつ直進駆動源からの直進駆動力を回転子に同軸に伝達する直進伝達手段とを備え、
支持部材は、加工機械本体に固定され、
加工機械本体は、前記回転軸線と直角方向に、任意の長さ分、回転子と被接合物との相対動作を生じさせることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 前記回転子の回転駆動力は、回転子の側面に伝達されることを特徴とする請求項1または2記載の摩擦攪拌接合装置。
- 前記回転子の回転駆動力は、回転子の一端部に伝達されることを特徴とする請求項1または2記載の摩擦攪拌接合装置。
- (a)回転子保持部材70であって、
回転子の回転子本体36が挿入される回転子挿入孔72を有し、回転子を保持する下端部を有し、
前記下端部の外周部に、前記軸線Lに平行に延びる複数のスプライン76が形成される回転子保持部材70と、
(b)回転支持部材73であって、
内周側に前記スプライン76が嵌まる第1スプライン受け75と、
第1スプライン受け75を、支持部材に、前記軸線Lまわりに回転可能に支持し、支持部材に取り付けられる第1軸受け74とを有する回転支持部材73とを含み、
前記回転駆動源は、支持部材に固定的に支持される回転駆動用モータ41を含み、
前記回転伝達手段は、回転子の回転軸線方向への移動を許容し、回転駆動用モータ41からの回転駆動力を回転子保持部材70に伝達し、
前記直進駆動源は、支持部材に固定的に支持される直進駆動用モータ40を含み、
前記直進伝達手段は、回転子の回転を許容し、直進駆動用モータ40からの直進駆動力を回転子保持部材70の上端部に同軸に伝達することを特徴とする請求項1記載の摩擦撹拌接合装置。 - 支持部材は、加工機械本体に固定され、
加工機械本体は、前記回転軸線と直角方向に、任意の長さ分、回転子と被接合物との相対動作を生じさせることを特徴とする請求項5記載の摩擦撹拌接合装置。
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