JP7466336B2 - 学生服用編地及び学生服 - Google Patents

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本発明は、学生服用編地、その製法、及び該編地を表地に用いた学生服に関する。より詳しくは、本発明は、摩耗耐久性を持ちながらハリコシ、洗濯耐久に優れた撥水性、吸水性を有する学生服用編地、その製法、及び該編地を表地に用いた学生服に関する。
従来、学生服の素材としては、ハリコシがあって仕立て栄えがよい織物が主流であった。例えば、以下の特許文献1には、目付が大きく強度を保ちながら、速乾性に優れる織物が提案されているが、該織物はストレッチ性に乏しく、しわになりやすいという欠点がある。他方、近年、快適性やイージーケアの観点から、ストレッチ性に優れ、しわになりにくい編地が着目されている。
しかしながら、編地はストレッチ性に優れるものの、擦れによる耐摩耗性や鋭いものに引っかかってループが引き出されてしまうスナッグ現象という欠点がある。この欠点を解消すべく、例えば、以下の特許文献2には、編地の一部に撚り糸を用いて、編み込む糸長比を調整することによって抗スナッグ性を発揮する学生服用編物が提案されている。しかしながら、提案された織物では、スナッグを抑制するために、編地表面は平滑なものに限られてしまい意匠性に欠けるという問題がある。また、合成繊維を使用した学生服は家庭用洗濯機で洗濯できるイージーケア性も求められるが、例えば、染色後加工により施される撥水加工剤は洗濯で脱落しやすく、その耐久性を持たせる方法については提案されていない。
特許第5917800号公報 特許第6191067号公報
以上の従来技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、摩耗耐久性を持ちながらハリコシ、洗濯耐久に優れた撥水性、吸水性を有する学生服用編地、その製法、及び該編地を表地に用いた学生服を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、一定の太さを有する糸のループを編地表面(おもてめん)で凸になるように編成することで、弱糸が外力から保護されて耐摩耗性が向上し、また、凹部には撥水剤、吸水剤が残存することで、後加工の洗濯耐久性も向上すること、さらに、柄表現も可能になることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]総繊度75dtex超220dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントAが25重量%以上90重量%未満の混率で、かつ、合成繊維マルチフィラメントAの総繊度の1/3~2/3の総繊度、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントBが10重量%超75重量%以下の混率で編成された、ループ密度35~120コース/2.54cm、35~70ウェール/2.54cmの編地であって、該編地の最表面(おもてめん)には、該合成繊維マルチフィラメントAが存在し、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機VR-3000を用いて倍率12倍で該編地の表面(おもてめん)の線粗さをヨコ方向に長さ10mm測定するとき、輪郭曲線要素の平均高さRcが120以上300以下であり、かつ、JIS L 1096 に規定するマーチンデール摩耗試験機を用いて押圧荷重9.0±0.2kPaで該編地の表面(おもてめん)を摩擦するとき、該表面(おもてめん)に存在する糸が破断するときの摩擦回数が30000回以上であり、かつ、該表面(おもてめん)に撥水加工が施され、JIS L 0217 103法に準じた洗濯30回後のJIS L 1092スプレー法による撥水性が3級以上であることを特徴とする学生服用編地。
[2]総繊度75dtex超220dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントAが25重量%以上90重量%未満の混率で、かつ、合成繊維マルチフィラメントAの総繊度の1/3~2/3の総繊度、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントBが10重量%超75重量%以下の混率で編成された、ループ密度35~120コース/2.54cm、35~70ウェール/2.54cmの編地であって、該編地の最表面(おもてめん)には、該合成繊維マルチフィラメントAが存在し、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機VR-3000を用いて倍率12倍で該編地の表面(おもてめん)の線粗さをヨコ方向に長さ10mm測定するとき、輪郭曲線要素の平均高さRcが120以上300以下であり、かつ、JIS L 1096 に規定するマーチンデール摩耗試験機を用いて押圧荷重9.0±0.2kPaで該編地の表面(おもてめん)を摩擦するとき、該表面(おもてめん)に存在する糸が破断するときの摩擦回数が30000回以上であり、かつ、該表面(おもてめん)に吸水加工が施され、JIS L 0217 103法に準じた洗濯30回後のJIS L 1907滴下法による吸水性が5秒以下であることを特徴とする学生服用編地。
[3]総繊度が50dtex以下の合成繊維マルチフィラメントDの混率が2重量%未満である、前記[1]又は[2]に記載の学生服用編地。
[4]前記合成繊維マルチフィラメントAと前記合成繊維マルチフィラメントBはいずれも、仮撚加工されたポリエステル繊維である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の学生服用編地。
[5]前記合成繊維マルチフィラメントAの破断強度が3.5cN/dtex以上であり、かつ、破断伸度が20%以上50%以下である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の学生服用編地。
[6]前記編地は経編地であり、かつ、前記合成繊維マルチフィラメントAと前記合成繊維マルチフィラメントBはいずれも300~1200T/mの撚糸である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の学生服用編地。
[7]前記編地は丸編地であり、該編地の最表面(おもてめん)に、前記合成繊維マルチフィラメントAのニットループが存在し、かつ、該合成繊維マルチフィラメントAと前記合成繊維マルチフィラメントBはいずれも1300~1900T/mの撚糸である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の学生服用編地。
[8]ウール、ナイロン、アクリル、綿、キュプラ、及びレーヨンからなる群から選ばれる繊維Cを30重量%以下の混率でさらに含む、前記[1]~[7]のいずれかに記載の学生服用編地。
[9]前記編地の表面(おもてめん)の、JIS L 1058 D-3法に準拠した15時間試験後のスナッグ性が3級以上である、前記[1]~[8]のいずれかに記載の学生服用編地。
[10]以下の工程:
熱セット後に総繊度が75dtex超220dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下となる合成繊維マルチフィラメントAと、合成繊維マルチフィラメントAの総繊度の1/3~2/3の総繊度、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントBとを用いて編地を編成する工程;及び
得られた編地を熱セットする工程;
を含む、前記[1]~[9]のいずれかに記載の学生服用編地の製造方法。
[11]前記[1]~[9]のいずれかに記載の学生服用編地の表面(おもてめん)を表地に用いた学生服。
本発明に係る学生服用編地を表地に用いれば、編物の欠点であるスナッグや耐摩耗性を向上させながら、ハリコシがあり、さらに染色加工時に付帯加工された撥水性または吸水性の耐久性が改善された学生服を得ることができる。
実施例1の丸編地の表面(おもてめん)の断面の電子顕微鏡写真である。 従来技術で得られた丸編地の表面(おもてめん)の断面の電子顕微鏡写真である。 実施例1、2比較例1、2の丸編地の編立図である。 従来技術の丸編地例の編立図である。 実施例3の経編地(一例)の編立図である。 輪郭曲線要素の平均高さRcの求め方の説明図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の学生服用編地は、総繊度75dtex超220dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントAが25重量%以上90重量%未満の混率で、かつ、合成繊維マルチフィラメントAの総繊度の1/3~2/3の総繊度、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントBが10重量%超75重量%以下の混率で編成された、ループ密度35~120コース/2.54cm、35~70ウェール/2.54cmの編地であって、該編地の最表面(おもてめん)には、該合成繊維マルチフィラメントAが存在し、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機VR-3000を用いて倍率12倍で該編地の表面(おもてめん)の線粗さをヨコ方向に長さ10mm測定するとき、輪郭曲線要素の平均高さRcが120以上300以下であり、かつ、JIS L 1096 に規定するマーチンデール摩耗試験機を用いて押圧荷重9.0±0.2kPaで該編地の表面(おもてめん)を摩擦するとき、該表面(おもてめん)に存在する糸が破断するときの摩擦回数が30000回以上であり、かつ、該表面(おもてめん)に撥水加工が施され、JIS L 0217 103法に準じた洗濯30回後のJIS L 1092スプレー法による撥水性が3級以上であるか、又は該表面(おもてめん)に吸水加工が施され、JIS L 0217 103法に準じた洗濯30回後のJIS L 1907滴下法による吸水性が5秒以下であることを特徴とする。
[合成繊維マルチフィラメントA]
本実施形態の学生服用編地には、熱セット後に総繊度が75dtex超220dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下となる合成繊維マルチフィラメントA(以下、耐摩耗糸ともいう。)が、該編地の表面(おもてめん)の最も外側である最表面(おもてめん)に、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機VR-3000を用いて倍率12倍で該編地の表面(おもてめん)の線粗さをヨコ方向に長さ10mm測定するとき、輪郭曲線要素の平均高さRcが120以上300以下となるように存在する。合成繊維マルチフィラメントAの熱セット後の総繊度は、84dtex以上176dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上3.8以下であることが好ましい。総繊度が220dtexを超え、単糸繊度が5.0dtexを超えると、繊維の剛性が高くなり、曲げがたく、編地の風合いが硬くなる。総繊度が75dtex以下、単糸繊度1.5dtex未満であると、繊維の強度が低く、耐摩耗性や抗スナッグ性が低下する。合成繊維マルチフィラメントAは、編地表面(おもてめん)で十分な凸をつくるために、25重量%以上90重量%未満の混率で交編されることが好ましい。混率が25重量%未満であると、編地表面で凸になるループが足りず弱糸を摩耗から守りづらくなる。混率を25重量%以上とするためには、摩耗されることとなる編地の表面(おもてめん)の表面積の50%以上を合成繊維マルチフィラメントAが占めるように編地を編成すればよい。
合成繊維マルチフィラメントAは、糸物性上、強力が高いものが適しており、破断強度は3.5cN/dtex以上であり、かつ、破断伸度は20%以上50%以下であることが好ましい。より好ましくは、破断強度は4.0cN/dtex以上、さらに好ましくは4.2cN/dtex以上である。破断強度が3.5cN/dtex未満であると、耐摩耗性が良好でない。他方、破断強度は大きいほど摩耗性向上には好ましい特性値であるが、6.0cN/dtex以上では繊維が硬くなる。破断伸度は、より好ましくは30%以上45%以下である。破断伸度が20%未満であると、フィブリル化が起こりやすく、良好な耐摩耗性は得られず、他方、破断伸度が50%を超えると、破断強度を3.5cN/dtex以上とすることが困難となる。合成繊維マルチフィラメントAの製造方法としては、例えば、特許第5700708号公報に記載されているような、延伸処理後、特定範囲の弛緩熱処理を行い、繊維の物性、特に強度、伸度、応力―歪曲線における微分ヤング率を特定範囲に規定したもの、例えば、旭化成株式会社製「エルマックス/ELMAX」(登録商標)が挙げられる。
[合成繊維マルチフィラメントB]
また、本実施形態の学生服用編地には、合成繊維マルチフィラメントA(耐摩耗糸A)でできたループが編地表面(おもてめん)でより凸になりやすいよう、熱セット後に該耐摩耗糸Aの総繊度の1/3~2/3の総繊度、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下となる合成繊維マルチフィラメントBが10重量%超75重量%以下の混率となるように存在する。
合成繊維マルチフィラメントBの単糸繊度は1.5dtex以上3.8dtex以下が好ましい。合成繊維マルチフィラメントBの混率が75重量%以上になると、摩擦に弱い細い糸が編地の表面(おもてめん)を多く占めることになり、編地の耐摩耗性が低下する。編地を交編する際に、総繊度の太い耐摩耗糸Aの送り込み長を長くしてループを盛り上がりやすくすることができる。これにより、編地に耐摩耗性や抗スナッグ性を持たせながら柄表現を多彩にすることが可能となる。
合成繊維マルチフィラメントの総繊度は上記の範囲であればよいが、編地の強度、耐摩耗性を確保するために、50dtexを超えることが好ましい。
本発明の学生服用編地の編成方法は特に限定されず、経編地でもヨコ編地でもよい。ヨコ編地、特に丸編地において、編地表面に合成繊維マルチフィラメントAが凸の構造を形成させるための方法としては、前述した糸Bによって合成繊維マルチフィラメントAを凸構造にする上に、合成繊維マルチフィラメントAからなるループと合成繊維マルチフィラメントBからなるループを交互に配置させて、繊度差によるループの凹凸を形成させる方法が好ましく、さらに総繊度の太い合成繊維マルチフィラメントAのランナー長を合成繊維マルチフィラメントBより長くする、製品表側に編み込まれるA糸に裏側からB糸をタック組織で編み込んで盛り上げる柄を作るなど、編組織に合わせて適宜条件を選択して調整することができる。
かかる繊度差と交編する重量混率と編組織の組み合わせにより、本実施形態の学生服用編地では、該編地の最表面(おもてめん)には、該合成繊維マルチフィラメントAが存在し、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機VR-3000を用いて倍率12倍で該編地の表面(おもてめん)の線粗さをヨコ方向に長さ10mm測定するとき、輪郭曲線要素の平均高さRcが120以上300以下であり、かつ、JIS L 1096 に規定するマーチンデール摩耗試験機を用いて押圧荷重9.0±0.2kPaで該編地の表面(おもてめん)を摩擦するとき、該表面(おもてめん)に存在する糸が破断するときの摩擦回数が30000回以上であるものとなる。
輪郭曲線要素の平均高さRcが120以上300以下であれば、耐摩耗糸のループが編地の表面(おもてめん)に十分に露出したものといえる。
以下、図6を参照して、複合加工糸が現れている編地表面(おもてめん)の輪郭曲線要素の平均高さRcについて以下説明する。
編組織図に示す供給口1に合成繊維マルチフィラメントAを用いれば、編地作製を経て編地表面(おもてめん)に、該複合加工糸のニットループが現れる。「編地底面」とは、ニットループとニットループの間に存在する空間の底部であり、「編地頂点」とは、ニットループの頂点を意味する。測定曲線に示すように、輪郭曲線要素とは、線粗さ測定長さ(10mm)における、一つの(波の)編地底面の深さと編地頂点の高さの和である。輪郭曲線要素の平均高さRcとは、輪郭曲線要素の(全ての波の)平均値である。すなわち編地の表面に凹凸が現れれば、Rc値は高くなる。本実施形態の学生服用編地では、Rc値は120以上300以下である必要があり、好ましくは130以上250以下である。表面に凹凸が形成されると、強力な合成繊維マルチフィラメントAが存在する凸部は耐摩耗性を発揮し、凹部には染色後加工によって付加された加工剤が摩耗から守られ、耐久性を発揮することができる。Rc値が120未満であると、編地表面は平滑傾向であり、耐摩耗性や抗スナッグ性はよいが、編地全面が摩耗されるため、加工剤が残存しにくく耐久性が低下してしまう。他方、Rc値が300を超えると、凹凸が高すぎて鋭いものなどに引っ掛かりやすくなり、スナッギング悪化の原因となる。
合成繊維マルチフィラメントAと合成繊維マルチフィラメントBはいずれも、仮撚加工されたポリエステル繊維であることができる。
本実施形態の学生服用編地において、熱セット後に総繊度20dtex以上50dtex以下で、沸水収縮率が10%以上の合成繊維マルチフィラメントDをさらに混用することによっても、当該凹凸を強調することができるが、特殊な繊維をさらに混用することで、耐久性、染色性等の管理が煩雑になること、またコスト上の点から、本発明では総繊度50dtex以下の合成繊維マルチフィラメントを混用しないか、混用しても混率が2重量%未満であることが好ましい。
本実施形態の学生服用編地のループ密度は、35~120コース/2.54cm、35~70ウェール/2.54cmであり、好ましくは40~100コース/インチ(2.54cm)、40~65ウェール/インチ(2.54cm)である。ループ密度が35コース、35ウェール/インチ未満であると、編地上で凸になっている耐摩耗糸Aのループ間隔が離れる原因となり、弱糸が表面にさらされて摩耗される原因となる。他方、120コース/インチ、70ウェール/インチを超えると、ループ密度が高すぎて、通気度やストレッチ性が低下し、快適性に悪影響を及ぼす。
経編地においても、同様に、設計組織に合わせて合成繊維マルチフィラメントAとBの整経本数とガイドへ通す配列を調整することによって所定の重量混率となるようにすればよい。本実施形態の学生服用編地を経編機で編成する場合、スナッグやピリングといった生地の物性を保持する点から、ニードル面を製品表側として扱うことが好ましい。凹凸を形成するためには、A糸をバック筬に、B糸をフロント筬又はミドル筬に編み込むことが好ましく、例えば、A糸とB糸を各筬のガイドに一本交互に通した1in1outで交編してストライプ調にする方法が挙げられ、これによって前述の丸編地同様の表面状態を達成することができる。
前記したように、合成繊維マルチフィラメントA、Bはいずれも、ポリエステルからなり、仮撚加工されたものであることができる。ポリエステルは、任意の方法によって合成したもので構わない。例えば、ポリエステルの場合、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化学反応させるか、テレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸とエチレングリコールとをエステル交換反応させるか、又はテレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸の低級アルキルエステエルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるか、又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかして、テレフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応と、によって製造されたものであることができる。また、単糸の断面形状としては、特に制限はなく通常の丸断面でもよいし、異型断面形状であってもよい。具体的な異型断面形状としては、三角、四角、十字、扁平、W型、I型、くびれ付扁平型などが挙げられる。
前記ポリエステル繊維には、必要に応じて艶消し剤(酸化チタン化合物)、紫外線吸収剤、微細孔形成剤(有機スルホン酸金属塩)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化アンチモン)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール)、抗菌剤のような無機粒子の1種類以上が0.1重量%以上含まれていてもよい。
本実施形態の学生服用編地は、丸編地であり、該編地の最表面(おもてめん)に、前記合成繊維マルチフィラメントAのニットループが存在し、かつ、該合成繊維マルチフィラメントと前記合成繊維マルチフィラメントBはいずれも1300~1900T/mの撚糸であることができる。
合成長繊維は特有の光沢を有しており、これを編地にした際に表面がぎらつく原因となって安っぽく見えてしまう。合成繊維に撚りをかけることで、編地のぎらつきを消失させながらハリコシをだし、学生服として好ましいウールのようなシャリ感を与えることができる。
本実施形態の学生服用編地が丸編地である場合、合成繊維マルチフィラメントAとBの撚り回数は1300~1900T/mが好ましい。1900T/mを超えると、トルクが強すぎて編み立て性が悪化する。他方、1300T/m未満であると、合成繊維のテカリ消失やシャリ感の付与が不十分となる。
また、本実施形態の学生服用編地は、経編地であり、かつ、前記合成繊維マルチフィラメントAと前記合成繊維マルチフィラメントBはいずれも300~1200T/mの撚糸であることができる。
経編地は、製造時において、丸編みよりも、トルクが編み立て性に与える影響が大きいため、合成繊維マルチフィラメントAとBの撚り回数は300~1200T/mが好ましい。
[繊維C]
本実施形態の学生服用編地は、ウール、ナイロン、綿、アクリル、キュプラ、及びレーヨンからなる群から選ばれる繊維Cを30重量%以下の混率でさらに含むことができる。
本実施形態の学生服用編地は、ポリエステル繊維のみからなる編物であってもよいが、他の繊維が交編されていてもよく、非制限的に、例えば、ナイロン、アクリル、キュプラ、レーヨン等の繊維で交編してもよい。他の繊維としてキュプラ、レーヨンなど強度が低い繊維を交編するときは、編地の表面(おもてめん)側に露出しない組織に、30重量%以下の混率で編み込むことが好ましい。
尚、総繊度50dtex以下の合成繊維マルチフィラメント(以下の繊維Dを包含する)は、耐摩耗性の観点から、混用しないか、混用しても混率が2重量%未満であることが好ましい。
本実施形態の学生服用編地は、前記した合成繊維マルチフィラメントA、B、場合により繊維Cを用いて通常の編機を使用して容易に作製することができる。また、編地の染色加工として、通常の染色仕上げ工程を適用できる。例えば、液流染色機、ウインス染色機等を任意に選択することができる。ピンテンターによる熱セットも生地にシワがよらないように適度に引き伸ばせばよい。
[繊維D]
また、本実施形態の学生服用編地には、熱セット後に総繊度20dtex以上50dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下となる沸水収縮率が10%以上の合成繊維マルチフィラメントDが2重量%未満で編み込まれてもよい。合成繊維マルチフィラメントDの沸水収縮率を、合成繊維マルチフィラメントA、Bの沸水収縮率よりも、5%以上高くすることにより、沸水収縮率10%以上の合成繊維マルチフィラメントD(以下、収縮糸Dともいう。)が、染色加工時、熱セット時の熱で収縮し前記した繊度を持ち、摩耗に強い合成繊維マルチフィラメントAのループが、編地の表面(おもてめん)に配し、耐摩耗性の糸で凸部を有する構造を形成し、もって編地の耐摩耗性を向上させるとともに、学生服用編地として好ましいハリコシを付与する傾向がさらに強くなる。
かくして得られた、本実施形態の学生服用編地は、JIS L 1096 に規定するマーチンデール摩耗試験機を用いて押圧荷重9.0±0.2kPaで該編地の表面(おもてめん)を摩擦するとき、該表面(おもてめん)に存在する糸が破断するときの摩擦回数が30000回以上であるものとなる。学生服(学生衣料)は最低3年と着用期間が長く、一日の着用時間も長くなるため摩耗による耐久性はきわめて重要である。発明者らは、通常織物に適用される全方向への摩耗を行うマーチンデール法による過酷な条件で試験を繰り返し、摩耗回数が30000回以上というこれまで達成されていなかった学生服用編地の耐摩耗性を達成した。
本実施形態の学生服用編地では、該編地の表面(おもてめん)の、JIS L 1058 D-3法に準拠した15時間試験後のスナッグ性が3級以上であることが好ましい。
また、本実施形態の学生服用編地を表地に用いて学生服を作製し、該表地に撥水加工を施すとき、又は、学生服を作製する前に該編地自体に撥水加工を施すとき、JIS L 0217 103法に準じた洗濯30回後のJIS L 1092スプレー法による撥水性が3級以上である学生服を製造することができる。
本実施形態の学生服用編地では、編地表面(おもてめん)に凹凸構造が形成されることによって、撥水加工剤が固着する表面積が増加する。これにより編地表面に撥水剤が付着しやすくなり繰り返し洗濯が行われても残存する撥水剤が多くなるため耐久性が長持ちしやすくなる。図1は、実施例1の編地を切って、その断面から表面形態を電子顕微鏡で撮影したものである。ループによって編地表面に凹凸が形成されている様子が観察できる。
他方、図2は、従来技術で得られた平滑な丸編地の表面形態を撮影したものである。ループが同じ高さで並び平滑である様子が観察できる。尚、図2に示す従来技術で得られた編地は、以下の[従来技術の丸編地の製造方法]で製造したものであり、特定の糸使い及び表面平滑化により抗スナッグ性は改良されたが、意匠性が劣り、また撥水加工や親水加工を行う場合に、剤が洗濯で脱落しやすく加工耐久性が劣る。
[従来技術の丸編地の製造方法(比較例3)]
福原精機22ゲージ33インチの丸編機を用いて、図4に示すように、強度4.1cN/dtex、伸度26.4%のポリエステル加工糸174デシテックス72フィラメントAを、F3、F6に、強度4.1cN/dtex、伸度30.4%のポリエステル加工糸85デシテックス36フィラメントBを、F1、F4に、そして強度2.5cN/dtex、伸度18.7%のポリエステル加工糸110デシテックス48フィラメント(2つ目の)Bを、F2、F5に供給し、編地表面が全面A糸からなる平滑な生機を得た。得られた生機を連続式水系リラックス/精錬機を用いて80℃で精錬した後、ピンテンターにて巾だしして、190℃×1minでプレセットを行った。その後、液流染色機にて、130℃ポリエステル分散染色を行い、ソーピング後、シワを取り除くため適度に生地を伸長させ、170℃×1minのファイナルセットを行い、生地を得た。得られた生地は、糸の混率としてAが52.1%、Cが30.2%、(2つ目の)Cが17.7%、58コース/インチ、38ウェール/インチ、目付は324g/m2、平均高さRcが117.4μm、摩耗回数は35000回、スナッグはタテ4級、ヨコ4級、ぎらつきは×であった。
撥水加工の際に用いる撥水剤としては、非制限的に、フッ素系、シリコン系、パラフィン系、エチレン尿素系、脂肪酸系などの撥水剤を挙げることができるが、洗濯耐久性の点からフッ素系、シリコン系の撥水剤を使用するのが好ましい。
また、撥水加工に限らず、吸水加工、抗菌防臭加工、防汚加工等、最終的な要求特性に応じて適宜付与することができる。吸水加工としては、編地にポリエチレングリコールジアクリレートやその誘導体、ポリエチレンテレフタレート-ポリエチレングリコール共重合体などの親水化剤を染色時に同浴加工するか、ファイナルセット工程で編地に付与することが好ましい。また、かかる親水化剤の付着量は、編地の重量に対して0.25~0.5重量%であることができる。これにより、本実施形態の学生服用編地を表地に用いて学生服を作製し、該表地に吸水加工を施すとき、又は、学生服を作製する前に該編地自体に吸水加工を施すとき、JIS L 0217 103法に準じた洗濯30回後のJIS L 1907滴下法による吸水性が5秒以下である学生服を製造することができる。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。
まず、実施例等で用いた各種物性の測定方法等を以下に説明する。
(1)耐摩耗性
JIS L 1096織物及び編物の生地試験方法に基づき、マーチンデール摩耗試験機にて押圧荷重9.0±0.2kPa摩擦し、編地表面の糸が破断した時の摩擦回数を記録する。破断した時の摩擦回数が30000回以上を合格とした。
(2)撥水性
JIS L 1092スプレー法に基づき撥水性を判定した。比較見本を参考に1級(もっとも悪い)から5級(もっとも良い)の間で等級を決定した。3級以上を合格とした。
(3)吸水性
JIS L 1907に基づき水を1滴滴下して試験片の鏡面反射が消えるまでの時間をストップウォッチで測定して記録した。1秒未満であればその旨を記載した。
(4)スナッグ性
スナッグ性は、JIS L 1058に記載のICI型ピリング試験機を用いたカナノコ法(D-3法)で15時間操作した後の試料外観を観察して評価した。標準写真1級(もっとも悪い)から5級(もっとも良い)の間で等級を決定した。尚、1級と2級の中間程度である場合1-2級と判定した。タテおよびヨコが3級以上を合格とした。
(5)ぎらつき(光沢)
ぎらつきの判定は、生地表面を目視により確認し判定した。ぎらつきが強く学生服としてふさわしくない見た目の編地は×、ぎらつきが弱いが消失しているとはいえない見た目の編地は△、ぎらつきが無く学生服にふさわしい見た目の編地は○と判定した。
(6)目付
20℃×65%RHで1日調湿した編地から10cm×10cmのサンプルを切り出し、精密天秤で重量をgで測定し100を乗じてg/m2に換算した。
(7)原糸の破断強度、破断伸度
JIS L 1013化学繊維フィラメント糸試験方法に基づき、下記の条件で平均5回測定した平均値をもとめた。単糸繊度は、糸の繊度をフィラメント数で除して算出した。
試験片長さ :200mm
引張速度 :200mm/min
(8)輪郭曲線要素の平均高さRc
編地表面(製品表となる側)について、以下の測定を行った。
編地表面に大きなたるみ、シワがよらないよう直径12cmの円形状の型枠に編地をはめて固定した。その型枠の中央部分を、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機VR-3000を用いて倍率12倍で編地ヨコ方向10mmの長さにおいて線粗さを測定した。測定長さ(10mm)における輪郭曲線要素の平均高さRcを得た。位置を代えた測定長さ(10mm)において10回測定し、得られた平均高さRcの平均値を算出した。
(9)洗濯処理
JIS L 0217 103法に基づき編地を30回洗濯する。「洗濯後」とは、編地がかかる洗濯処理を施されていることを意味する。
[実施例1]
福原精機28ゲージ33インチの丸編み機を用いて、図3に示すように、破断強度4.3cN/dtex、破断伸度34.5%、沸水収縮率4.0%のポリエステル加工糸176デシテックス48フィラメントで撚数が1300T/mの撚糸Aを、給糸口F3、F7、F11に、強度3.7cN/dtex、伸度18.9%、沸水収縮率4.0%のポリエステル84デシテックス36フィラメントで撚数が1600T/mの撚糸Bを、F1、F5、F9に、そして強度3.7cN/dtex、伸度18.9%、沸水収縮率4.0%のポリエステル84デシテックス36フィラメント加工糸Bを、F2、F4、F6、F8、F10、F12に供給して、ツイル組織の生機を作製した。得られた生機を連続式水系リラックス/精錬機を用いて80℃で精錬した後、ピンテンターにて巾だしして、190℃×1minでプレセットを行った。その後、液流染色機にて130℃ポリエステル分散染色を行いソーピング後、フッ素系吸水加工剤を添加した水槽に浸漬してマングルで脱水し、シワを取り除くため適度に生地を伸長させ、170℃×1minのファイナルセットを行い、生地を得た。得られた生地は、糸の重量混率がポリエステル176デシテックス48フィラメント撚糸A54.7%、ポリエステル84デシテックス36フィラメント撚糸B24.0%、ポリエステル84デシテックス36フィラメントB21.3%、48コース/インチ、45ウェール/インチ、目付は272g/m2、平均高さRcが234μm、摩擦回数は42500回、スナッグはタテ4級、ヨコ4級、初期撥水は4級、摩耗後の撥水性は3級、洗濯30回後の撥水性は3級、ぎらつきは○であった。結果を以下の表1に示す。
[実施例2]
福原精機28ゲージ33インチの丸編み機を用いて、図3に示すように、破断強度4.3cN/dtex、破断伸度34.5%、沸水収縮率4.0%のポリエステル加工糸176デシテックス48フィラメントで撚数が1600T/mの撚糸Aを、給糸口F3、F7、F11に、強度3.7cN/dtex、伸度18.9%、沸水収縮率4.0%のポリエステル84デシテックス36フィラメントで撚数が1600T/mの撚糸Bを、F1、F5、F9に、そして強度3.7cN/dtex、伸度18.9%、沸水収縮率4.0%のポリエステル84デシテックス36フィラメント加工糸Bを、F2、F4、F6、F8、F10、F12に供給して、ツイル組織の生機を作製した。得られた生機を連続式水系リラックス/精錬機を用いて80℃で精錬した後、ピンテンターにて巾だしして、190℃×1minでプレセットを行った。その後、液流染色機にて130℃ポリエステル分散染色を行いソーピング後、ポリエステル系吸水加工剤を添加した水槽に浸漬してマングルで脱水し、シワを取り除くため適度に生地を伸長させ、170℃×1minのファイナルセットを行い、生地を得た。得られた生地は、糸の重量混率がポリエステル176デシテックス48フィラメント撚糸A58.0%、ポリエステル84デシテックス36フィラメント撚糸B24.4%、ポリエステル84デシテックス36フィラメントB17.6%、50コース/インチ、45ウェール/インチ、目付は279g/m2、平均高さRcが274μm、摩擦回数は59000回、スナッグはタテ3-4級、ヨコ3-4級、初期吸水性は1秒、摩耗後の吸水性は5秒、洗濯30回後の吸水性は1秒、ぎらつきは○であった。結果を以下の表1に示す。
[実施例3]
カールマイヤー社製28ゲージ130インチのトリコット機を用いて、図5に示すように、フロント筬に強度4.2cN/dtex、伸度30.6%、沸水収縮率2.6%のポリエステル加工糸56デシテックス24フィラメントBを、ミドル筬とバック筬に強度3.7cN/dtex、伸度18.9%、沸水収縮率4.0%のポリエステル加工糸84デシテックス36フィラメントAを用いて逆ハーフ組織の生機を作製した。得られた生機を実施例2と同様の方法で加工し生地を得た。得られた生地は糸の重量混率が、ポリエステル加工糸56デシテックス24フィラメントB27.1%、ポリエステル加工糸84デシテックス36フィラメントA72.8%(ミドル筬10.7%、バック筬62.2%)、54コース/インチ、36ウェール/インチ、目付は183g/m2、平均高さRcが135μm、摩擦回数は40000回、スナッグはタテ4級、ヨコ3級、初期吸水性は1秒、摩耗後の吸水性は2秒、洗濯30回後の吸水性は1秒、ぎらつきは△であった。結果を以下の表1に示す。
[比較例1]
福原精機28ゲージ33インチの丸編み機を用いて、図3に示すように、ポリエステル短繊維とウール短繊維を混紡した番手1/80の糸Cを、給糸口F1、F2、F3、F5、F6、F7、F9、F10、F11に、強度3.1cN/dtex 、伸度29.3%、沸水収縮率4.1%のCD-PET加工糸84デシテックス48フィラメントで撚数1200T/mの撚糸Aを、F4、F8、F12に、そして強度4.2cN/dtex、伸度32.5%、沸水収縮率40.8%の共重合ポリエステル収縮糸33デシテックス12フィラメントDを、F12へ供給して、ツイル組織の生機を得た。ウールとポリエステルを両染めした以外は実施例1と同様の方法で加工し、生地を得た。得られた生地は糸の混率がウール/ポリエステル混紡1/80 Dが83.9%、CD-PET加工糸84デシテックス48フィラメント撚糸Aが12.0%、ポリエステル収縮糸33デシテックス12フィラメントBが4.1%、48コース/インチ、58ウェール/インチ、目付は285g/m2、平均高さRcが76.7μm、摩耗回数は19250回、スナッグはタテ3級、ヨコ3級、初期撥水4級、摩耗後の撥水性は2-3級、洗濯30回後の撥水性は2級、ぎらつきは○であった。結果を以下の表1に示す。
[比較例2]
福原精機32ゲージ33インチの編み機を用いて、図3に示すように、強度4.2cN/dtex、伸度30.6%、沸水収縮率2.6%のポリエステル加工糸56デシテックス24フィラメントAを、給糸口F3、F7、F11に、そして綿とキュプラを混紡した番手60/1の糸Cを、F1、F2、F4、F5、F6、F8、F9、F10、F12に供給して、ツイル組織の生機を作製した。得られた生機を実施例1と同様の方法で加工し、生地を得た。得られた生地は、糸の混率がポリエステル加工糸56デシテックス24フィラメントAが25.4%、綿・キュプラ混紡糸60/1 Dが78.6%、48コース/インチ、54ウェール/インチ、目付は192g/m2、平均高さRcは82.9μm、摩耗回数は18500回、スナッグはタテ2-3級、ヨコ2-3級、初期の撥水性は4級、摩耗後の撥水性は2-3級、洗濯30回後の撥水性は2級、ぎらつきは△であった。結果を以下の表1に示す。
[比較例3]
比較例3は、前記した従来技術の丸編地に実施例2と同様の方法で吸水加工を施したものである。
本発明に係る学生服用編地を表地に用いれば、編物の欠点であるスナッグや耐摩耗性を向上させながら、ハリコシがあり、さらに染色加工時に付帯加工された撥水性または吸水性の耐久性が改善された学生服を得ることができる。

Claims (8)

  1. 総繊度75dtex超220dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントAが25重量%以上90重量%未満の混率で、かつ、合成繊維マルチフィラメントAの総繊度の1/3~2/3の総繊度、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントBが10重量%超75重量%以下の混率で編成された、ループ密度35~120コース/2.54cm、35~70ウェール/2.54cmの編地であって、該編地は丸編地であり、かつ、該合成繊維マルチフィラメントAと該合成繊維マルチフィラメントBはいずれも1300~1900T/mの撚糸であり、該編地の最表面(おもてめん)には、該合成繊維マルチフィラメントAのニットループが存在し、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機VR-3000を用いて倍率12倍で該編地の表面(おもてめん)の線粗さをヨコ方向に長さ10mm測定するとき、輪郭曲線要素の平均高さRc(μm)が120以上300以下であり、かつ、JIS L 1096 に規定するマーチンデール摩耗試験機を用いて押圧荷重9.0±0.2kPaで該編地の表面(おもてめん)を摩擦するとき、該表面(おもてめん)に存在する糸が破断するときの摩擦回数が30000回以上であり、かつ、該表面(おもてめん)に撥水加工が施され、JIS L 0217 103法に準じた洗濯30回後のJIS L 1092スプレー法による撥水性が3級以上であることを特徴とする学生服用編地。
  2. 総繊度75dtex超220dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントAが25重量%以上90重量%未満の混率で、かつ、合成繊維マルチフィラメントAの総繊度の1/3~2/3の総繊度、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントBが10重量%超75重量%以下の混率で編成された、ループ密度35~120コース/2.54cm、35~70ウェール/2.54cmの編地であって、該編地は丸編地であり、かつ、該合成繊維マルチフィラメントAと該合成繊維マルチフィラメントBはいずれも1300~1900T/mの撚糸であり、該編地の最表面(おもてめん)には、該合成繊維マルチフィラメントAのニットループが存在し、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機VR-3000を用いて倍率12倍で該編地の表面(おもてめん)の線粗さをヨコ方向に長さ10mm測定するとき、輪郭曲線要素の平均高さRc(μm)が120以上300以下であり、かつ、JIS L 1096 に規定するマーチンデール摩耗試験機を用いて押圧荷重9.0±0.2kPaで該編地の表面(おもてめん)を摩擦するとき、該表面(おもてめん)に存在する糸が破断するときの摩擦回数が30000回以上であり、かつ、該表面(おもてめん)に吸水加工が施され、JIS L 0217 103法に準じた洗濯30回後のJIS L 1907滴下法による吸水性が5秒以下であることを特徴とする学生服用編地。
  3. 総繊度が50dtex以下の合成繊維マルチフィラメントDの混率が2重量%未満である、請求項1又は2に記載の学生服用編地。
  4. 前記合成繊維マルチフィラメントAの破断強度が3.5cN/dtex以上であり、かつ、破断伸度が20%以上50%以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の学生服用編地。
  5. ウール、ナイロン、アクリル、綿、キュプラ、及びレーヨンからなる群から選ばれる繊維Cを30重量%以下の混率でさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の学生服用編地。
  6. 前記編地の表面(おもてめん)の、JIS L 1058 D-3法に準拠した15時間試験後のスナッグ性が3級以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の学生服用編地。
  7. 以下の工程:
    熱セット後に総繊度が75dtex超220dtex以下、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下となる合成繊維マルチフィラメントAと、合成繊維マルチフィラメントAの総繊度の1/3~2/3の総繊度、単糸繊度1.5dtex以上5.0dtex以下の合成繊維マルチフィラメントBとを用いて編地を編成する工程;及び
    得られた編地を熱セットする工程;
    を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の学生服用編地の製造方法。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の学生服用編地の表面(おもてめん)を表地に用いた学生服。
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