JP7464879B2 - 電池用カーボン被覆リチウム酸化物の製造方法、および、電池用カーボン被覆リチウム酸化物 - Google Patents

電池用カーボン被覆リチウム酸化物の製造方法、および、電池用カーボン被覆リチウム酸化物 Download PDF

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Description

本発明は、カーボン被覆リチウム酸化物の製造方法、および、カーボン被覆リチウム酸化物に関する。
リチウムイオンの挿入および脱離反応を用いるリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度の高い二次電池として様々な電子機器、自動車用電源、及び電力貯蔵等の用途で広く使用されている。その性能向上及び低コスト化を目的に、電極材料及び電解質材料の研究開発が進められている(非特許文献1)。
近頃では、スマートフォン等のIT機器及びIoT機器の発展により、モバイル電源用としてリチウム二次電池が注目されている。モバイル機器の小型化にともない、電池の小型化・薄型も求められ、より一層の高エネルギー密度化が電池材料に求められている。
馬原 隆徳ら、「Li2CoPO4Fの合成方法ならびにその炭素コーティング手法の改善による充放電サイクル特性および放電容量の向上」、GS Yuasa Technical Report、Vol.14 No.1、June 28, 2017 Nature Vol.363 603-605(1993) Chemical Physics Letters Vol.292 567-574(1998)
非特許文献1では、電圧が高くエネルギー密度の高い電池の例としてポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fに着目している。Li2CoPO4Fは、組成式あたりLiを2原子含むことから、より大きな理論容量(287mgAh/g)を有している。
Li2CoPO4Fは、イオン電導性が低いため、正極活物質として用いるには、カーボンコーティングなどを行うことにより、電子伝導性を付与することが必要である。電子伝導性を付与するカーボンには、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン、グラファイト、非晶質カーボンを使用したものがある。
球状または鱗片状であるフラーレン、グラフェン、グラファイト、および、非晶質カーボンは、正極活物質同士の電気的な導電パスを維持することが困難であり、所望の導電性を発揮するには大量のカーボンが必要なため、相対的に正極活物質の量を低下することになり、エネルギー密度を下げてしまうことになる。
繊維状であるカーボンナノチューブは、その特異な構造に基づく高い導電性が期待できるが、その繊維状の特性を有効に活用するためには、カーボンナノチューブが凝集することなく、正極活物質に均一にコーティングされていることが好ましい。しかしながら、一般的なカーボンナノチューブは、凝集力が強く、バンドルと呼ばれる束状の凝集体を形成し、正極活物質に均一にコーティングさせることは困難である。
これまでに、カーボンナノチューブの分散媒に対する分散性を改善するため、様々な試みがなされている。例えば、超音波を照射する方法(非特許文献1)が挙げられる。超音波を照射する方法は、超音波の照射が終了すると、再度、カーボンナノチューブの凝集が始まってしまう。カーボンナノチューブの製造方法は、例えば電極放電法、気相成長法、及びレーザー法などが知られている(非特許文献2、3)。
したがって、導電性が高いカーボンがコーティングされたリチウム酸化物を得ることは、高エネルギー密度な電池を作製するうえで重要な課題である。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、導電性が高いカーボン被覆リチウム酸化物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様のカーボン被覆リチウム酸化物は、カーボンで被覆されたリチウム酸化物であって、前記カーボンは、カーボンが枝分かれした三次元ネットワーク構造の共連続繊維状カーボンを含む。
本発明の一態様は、カーボン被覆リチウム酸化物の製造方法であって、カーボンが枝分かれした三次元ネットワーク構造の共連続繊維状カーボンを、粉砕する粉砕工程と、粉砕した前記共連続繊維状カーボンと、リチウム酸化物とを混合する混合工程とを含む。
本発明によれば、導電性が高いカーボン被覆リチウム酸化物およびその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る共連続繊維状カーボンの製造方法を示すフローチャートである。 共連続繊維状カーボンのSEM画像である。 本発明の実施形態に係るカーボン被覆リチウム酸化物の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
〔実施形態の製造方法〕
図1は、本発明の実施形態に係る共連続繊維状カーボンの製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態の共連続繊維状カーボンの製造方法は、分散工程(ステップS1)、凍結工程(ステップS2)、乾燥工程(ステップS3)、及び炭化工程(ステップS4)を含む。この製造方法では、セルロースナノファイバー分散液が必要である。
セルロースナノファイバーであれば、原料は特に限定されることはない。セルロースナノファイバーには、例えば、木質由来、パルプ由来、甲殻類由来、バクテリア由来、食物由来、植物由来、その他生物由来などがある。セルロースナノファイバーには、木質由来セルロースナノファイバー、パルプ由来セルロースナノファイバー、甲殻類由来セルロースナノファイバー、バクテリア由来セルロースナノファイバー、食物由来セルロースナノファイバー、植物由来セルロースナノファイバー、その他生物由来セルロースナノファイバーからなる群より選択される少なくとも1種を用いてもよい。
セルロースナノファイバー分散液中のセルロースナノファイバーの形態は、分散した形態が好ましい。よって、図1に示す製造工程では、分散工程(ステップS1)を含むが、分散工程(ステップS1)は無くても良い。つまり、セルロースナノファイバーが分散した形態の分散液を用いる場合は、当該工程は不要である。
分散工程は、セルロースナノファイバー分散液に含まれるセルロースナノファイバーを分散する。分散媒は、水(H2O)などの水系、及び、カルボン酸、メタノール(CH3OH)、エタノール(C2H5OH)、プロパノール(C3H7OH)、n-ブタノール、イソブタノール、n-ブチルアミン、ドデカン、不飽和脂肪酸、エチレングリコール、ヘプタン、ヘキサデカン、イソアミルアルコール、オクタノール、イソプロパノール、アセトン、グリセリンなどの有機系からなる群より選択される少なくとも一種を含む。また、分散媒は、前記群より選択される少なくとも一種からなるものでもよい。
セルロースナノファイバーの分散は、例えば、ホモジナイザー、超音波洗浄器、超音波ホモジナイザー、マグネチックスターラー、撹拌機、振とう器等を用いれば良い。
また、セルロースナノファイバー分散液のセルロースナノファイバーの固形分濃度は、0.001~80質量%が好ましく、0.01~30質量%がより好ましい。これは、固形分濃度が薄すぎると、セルロースナノファイバー同士のネットワークが形成できず、後述する炭化工程(ステップS4)において、カーボンの共連続構造を形成することが困難となるためである。また、固形分濃度が濃すぎると、後述する凍結工程(ステップS2)において凝集してしまい、更には、炭化工程(ステップS4)において、セルロースの焼結が進行し、繊維状構造を形成することが困難となるためである。
凍結工程は、セルロースナノファイバー分散液を凍結させて凍結体を得る(ステップS2)。この工程は、例えば、セルロースナノファイバー分散液を試験管のような適切な容器に収容し、液体窒素などの冷却材中で試験管の周囲を冷却することで、試験管に収容したセルロースナノファイバーを凍結することで行う。
凍結させる手法は、セルロースナノファイバー分散液の分散媒を凝固点以下に冷却ができれば、特に限定されるものではなく、冷凍庫などで冷却してもよい。セルロースナノファイバー分散液を凍結することで、分散媒が流動性を失い、分散質であるセルロースナノファイバーが固定され、三次元ネットワーク構造が構築される。
乾燥工程は、凍結工程で凍結させた凍結体を真空中で乾燥させて乾燥体を得る(ステップS3)。この工程は、凍結した分散媒を固体状態から昇華させる。例えば、得られた凍結体をフラスコのような適切な容器に収容し、容器内を真空引きすることで実施される。凍結体を真空雰囲気下に配置することで、分散媒の昇華点が低下し、常圧では昇華しない物質においても昇華させることが可能である。
乾燥工程における真空度は、使用する分散媒によって異なるが、分散媒が昇華する真空度であれば特に制限されない。例えば、分散媒に水を使用した場合、圧力を0.06MPa以下とした真空度にする必要があるが、昇華潜熱として熱が奪われるため、乾燥に時間を要する。このため、真空度は1.0×10-6Pa~1.0×10-2Paが好適である。更に乾燥時にヒーターなどを用いて熱を加えても良い。
炭化工程は、乾燥工程で乾燥させた乾燥体を、燃焼させない雰囲気中で加熱して炭化し、共連続繊維状カーボンを得る(ステップS4)。セルロースナノファイバーの炭化は、不活性ガス雰囲気中で200℃~2000℃、より好ましくは、600℃~1800℃で焼成して炭化すればよい。セルロースが燃焼しないガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであればよい。また、セルロースが燃焼しないガスは、水素ガス、一酸化炭素ガスなどの還元性ガスであってもよく、また、二酸化炭素ガスであってもよい。カーボン材料に対し賦活効果を有し、高活性化が期待できる二酸化炭素ガスまたは一酸化炭素ガスがより好ましい。
以上述べた製造方法により、三次元ネットワーク構造を有する共連続繊維状カーボンを得る。
図2は、本実施形態の製造方法によって作製された共連続繊維状カーボンのSEM(Scanning Electron Microscope)画像である。倍率は10000倍である。当該画像から、三次元ネットワーク構造が構築されている様子が分かる。
このように、本実施形態の共連続繊維状カーボンは、凝集体が形成されるカーボンナノチューブとは異なり、繊維状のカーボンが枝分かれして共連続した三次元ネットワーク構造を有している。このため、この共連続繊維状カーボンを導電性フィラーとして溶剤に添加した際にも、枝分かれ構造が束状のバンドル(凝集体)を形成することを抑制し、繊維状カーボン同士の導電パスを維持したまま均一に分散することが可能となる。
共連続繊維状カーボンの繊維径は、小さすぎると、後述の粉砕工程(ステップS5)において、繊維が細かく切断されてしまい、後述の混合工程(ステップS6)で共連続繊維状カーボンが凝集してしまう。また、繊維径が大きすぎると、共連続繊維状カーボンをリチウム酸化物にコーティングする際に、分散性が低下し、望む導電性が得られない。このため、繊維径は10nm~200nmが好適である。
同様に、共連続繊維状カーボンの繊維長も、短すぎると、後述の混合工程(ステップS6)において共連続繊維状カーボンが凝集してしまい、長すぎると、共連続繊維状カーボンをリチウム酸化物にコーティングする際に、分散性が低下し、望む導電性が得られない。このため、繊維長は300nm~2μmが好適である。
本実施形態で記載する繊維長は、共連続繊維状カーボンをSEM観察し、ある枝分かれ部から次の枝分かれ部まで(隣接する枝分かれ部の間)をトレースすることで測定した長さの平均値と定義する。また、測定箇所は500箇所以上とする。
繊維径が10nm~200nmで、繊維長が300nm~2μmの共連続繊維状カーボンを製造するためには、使用するセルロースナノファイバーの繊維径は、20nm~400nmで、繊維長は500nm~4μmが好適である。
通常、セルロースナノファイバーは炭化工程(ステップ4)で、分解、燃焼、賦活等により、繊維は、炭化前と比較して、細く且つ短くなる。しかし、繊維径が20nmより小さいセルロースナノファイバーを用いた場合、凍結工程(ステップS2)で繊維が凝集し、その後の乾燥工程(ステップS3)で繊維径の大きいセルロースナノファイバーの乾燥体が得られる。そのため、繊維径が20nmより小さいセルロースナノファイバーを使用した場合、得られる共連続繊維状カーボンの繊維径は200nmより大きくなってしまう。
図3は、本実施形態の共連続繊維状カーボンがコーティングされたカーボン被覆リチウム酸化物の製造方法を示すフローチャートである。カーボン被覆リチウム酸化物は、カーボンが枝分かれした三次元ネットワーク構造の共連続繊維状カーボンを含む。
図3に示す製造方法は、図1に示す製造方法(ステップS1-S4)に、粉砕工程(ステップS5)、混合工程(ステップS6)、乾燥工程(ステップS7)をさらに含む。すなわち、本実施形態のカーボン被覆リチウム酸化物は、ステップS1-S4で製造した共連続繊維状カーボンに対して、ステップS5-S7の工程を加える。
粉砕工程は、前述の炭化工程(ステップS4)で炭化させた共連続繊維状カーボンを粉砕する(ステップS5)。粉砕工程は、例えば、ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高速回転せん断型撹拌機、コロイドミル、ロールミル、高圧噴射式分散機、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、アトライターなどを使用して、共連続繊維状カーボンを粉末またはスラリー状にする。
この場合、共連続繊維状カーボンは、二次粒子径が10nm~1mmが好ましく、1μm~50μmがより好ましい。これは、二次粒子径が10nmより小さくなるまで粉砕した場合、共連続な構造が壊れ、十二分な導電パスを得ることが困難となるためである。更に、二次粒子径が小さ過ぎると、共連続繊維状カーボンが束状に凝集し、バンドルを形成してしまい均一にリチウム酸化物にコーティングすることが出来なくなるためである。また、二次粒子径が1mmを超える場合、共連続繊維状カーボンがバンドルを形成することは無いが、導電性フィラーとして機能する共連続繊維状カーボンが十二分にリチウム酸化物の粉体に分散せず、印刷後に所望の導電性を維持することが困難となる。
遊星ボールミルを用いた製造法は、粒子径を制御できるため、好ましい。本実施形態では、遊星ボールミルの容器(ジャー)内に、共連続繊維状カーボンと、1mm以下のジルコニアビーズとを入れ、容器を自転および公転させることによって、共連続繊維状カーボンを粉砕した。ここでは、公自転比は1:-2とした。この時、公転の回転数が、500rpmを超えると、共連続繊維状カーボンが粉砕されすぎてしまい、二次粒子径が10nm未満になり、好ましくない。また、公転の回転数が100rpmより小さいと、共連続繊維状カーボンを粉砕することができない。
本実施形態では、窒素雰囲気下にて行ったが、不活性ガスであれば何でもよく、例えば、アルゴン、ヘリウムなどを使用することができる。また、空気中にても同様の効果が得られるが、工程中に一部の炭素が酸素と化学反応を起こし、二酸化炭素になるため、収率が低下してしまう。
また、共連続繊維状カーボンは、気孔率が高く、密度が低い。このため、共連続繊維状カーボンを単独で粉砕した場合、粉砕時または粉砕後に共連続繊維状カーボンの粉末が舞い、取扱いが困難である。そのため、共連続繊維状カーボンに溶媒を含浸させてから粉砕することが好ましい。
ここで用いる溶媒は、特に限定されないが、有機溶媒を用いてもよい。例えば、溶媒は、3 - メチル - 3 - メトキシブチルエーテル、3 - メチル- 3 - メトキシブタノール、n-ブタノール、n-ブチルアミン、n-メチルピロリドン、アセトン、イソアミルアルコール、イソブタノール、イソプロパノール、エタノール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル、オクタノール、カルボン酸、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ドデカン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロパノール、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレンモノメチルエーテル、ヘキサデカン、ヘプタン、メタノール、酢酸ブチル、乳酸ブチル、不飽和脂肪酸、グリセリンからなる群より選択される少なくとも1種を含む。また、溶媒は、前記群より選択される少なくとも1種からなるものでもよい。
混合工程は、粉砕工程(ステップS5)で粉砕した共連続繊維状カーボンと、リチウム酸化物とを混合させて共連続繊維状カーボンがコーティングされたカーボン被覆リチウム酸化物を得る(ステップS6)。
この工程において、溶媒を追加してもよい。溶媒は、特に限定されないが、例えば、3 - メチル - 3 - メトキシブチルエーテル、3 - メチル- 3 - メトキシブタノール、n-ブタノール、n-ブチルアミン、n-メチルピロリドン、アセトン、イソアミルアルコール、イソブタノール、イソプロパノール、エタノール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル、オクタノール、カルボン酸、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ドデカン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロパノール、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレンモノメチルエーテル、ヘキサデカン、ヘプタン、メタノール、酢酸ブチル、乳酸ブチル、不飽和脂肪酸、グリセリンなどの有機系、及び、水などの水系からなる群より選択される少なくとも1種を含む。また、溶媒は、前記群より選択される少なくとも1種からなるものでもよい。
混合工程は、例えば、ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高速回転せん断型撹拌機、コロイドミル、ロールミル、高圧噴射式分散機、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、アトライター、混練機などを使用することができる。
遊星ボールミルを用いた製造法は、粒子径を制御できるため、好ましい。公自転比は、1:-2とした。このとき、公転の回転数が、500rpmを超えると、カーボンが粉砕されすぎてしまい、二次粒子径が10nmより小さくなり、好ましくない。また、公転の回転数が100rpmより小さいと、カーボンを粉砕することができない。
なお、ここでは、粉砕工程(ステップS5)の後に、混合工程(ステップS6)を行う製造方法を示したが、遊星ボールミルを用いた場合、粉砕工程(ステップS5)と混合工程(ステップS6)を同時に行うことができるため、粉砕工程(ステップS5)を省略することもできる。
乾燥工程は、溶媒を含んだ共連続繊維状カーボンがコーティングされたカーボン被覆リチウム酸化物を、恒温槽、乾燥機、自然乾燥等で乾燥させることで、溶剤を除去し、共連続繊維状カーボンがコーティングされたカーボン被覆リチウム酸化物を得る(ステップS7)。溶剤の除去が可能であれば、特に乾燥温度に制限はないが、使用する溶剤の沸点、引火点及び、発火点以下の温度で加熱することで、乾燥時間を短縮することができる。
以上述べたように、本実施形態のカーボン被覆リチウム酸化物は、カーボンで被覆されたリチウム酸化物であって、前記カーボンは、カーボンが枝分かれした三次元ネットワーク構造の共連続繊維状カーボンを含む。
また、本実施形態のカーボン被覆リチウム酸化物の製造方法は、カーボンが枝分かれした三次元ネットワーク構造の共連続繊維状カーボンを、粉砕する粉砕工程と、粉砕した前記共連続繊維状カーボンと、リチウム酸化物とを混合する混合工程とを含む。
本実施形態では、導電性が高いカーボン被覆リチウム酸化物およびその製造方法を提供することができる。
〔実施形態の評価〕
本実施形態のカーボン被覆リチウム酸化物の効果を確認する目的で、共連続繊維状カーボンとリチウム酸化物とを混合し、その混合物のペレットの抵抗を測定する実験を行った。ここでは、リチウム酸化物に、ポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを用いた。
(共連続繊維状カーボンの作製)
以下に説明する実施例および比較例で用いる共連続繊維状カーボンの作製方法を説明する。ここでは、平均繊維径40nmで、平均繊維長1μmのセルロースナノファイバーを用いた。このセルロースナノファイバー1gと、超純水10gとをホモジナイザー(エスエムテー製)で12時間撹拌することで、セルロースナノファイバー分散液を調整し、試験管の中に、流し込んだ。
上記試験管を液体窒素中に30分間浸すことでセルロースナノファイバー分散液を完全に凍結させた。セルロースナノファイバー分散液を完全に凍結させた後、凍結させたセルロースナノファイバー分散液をシャーレ上に取り出し、これを凍結乾燥機(東京理科器械株式会社製)により10Pa以下の真空中で24時間乾燥させることで、セルロースナノファイバーの乾燥体を得た。真空中で乾燥させた後は、乾燥体を窒素雰囲気下で600℃、2時間焼成することにより、セルロースナノファイバーをカーボン化させて、共連続繊維状カーボンを作製した。共連続繊維状カーボンをSEM観察したところ平均繊維径は20nm、平均繊維長は500nmであることを確認した。
(実施例1)
本実施例は、前述の共連続繊維状カーボンとリチウム酸化物(Li2CoPO4F)とを、遊星ボールミルの公転回転数を50rpmで粉砕混合し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕混合工程は、窒素雰囲気下で実施し、また、エタノールを混合する湿式法を用いた。本実施例では、粉砕工程および混合工程を同時に行った。
粉砕混合工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、前記共連続繊維状カーボンとポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを10:90の割合で投入し、さらに有機溶媒であるエタノールを投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてこれらを粉砕および混合した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、50rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールを分離した。共連続繊維状カーボンは粉砕されず、ふるい上に残った。ふるいを通ったリチウム酸化物を大気中にて自然乾燥によりエタノールを蒸発させた。さらに、60度のオーブンにリチウム酸化物の粉体を入れ、24時間乾燥させた。
(実施例2)
本実施例は、前述の共連続繊維状カーボンとリチウム酸化物(Li2CoPO4F)とを、遊星ボールミルの公転回転数を100rpmで粉砕混合し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕混合工程は、窒素雰囲気下で実施し、また、エタノールを混合する湿式法を用いた。本実施例では、粉砕工程および混合工程を同時に行った。
粉砕混合工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、前記共連続繊維状カーボンとポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fとを10:90の割合で投入し、さらに有機溶媒であるエタノールを投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてこれらを粉砕および混合した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、100rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールとカーボン被覆リチウム酸化物を分離した後、カーボン被覆リチウム酸化物を大気中にて自然乾燥によりエタノールを蒸発させた。さらに、60度のオーブンにカーボン被覆リチウム酸化物の粉体を入れ、24時間乾燥させた。
(実施例3)
本実施例は、前述の共連続繊維状カーボンとリチウム酸化物(Li2CoPO4F)とを、遊星ボールミルの公転回転数を300rpmで粉砕混合し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕混合工程は、窒素雰囲気下で実施し、また、エタノールを混合する湿式法を用いた。本実施例では、粉砕工程および混合工程を同時に行った。
粉砕混合工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、前記共連続繊維状カーボンとポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを10:90の割合で投入し、さらに有機溶媒であるエタノールを投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてこれらを粉砕および混合した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、300rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールとカーボン被覆リチウム酸化物を分離した後、カーボン被覆リチウム酸化物を大気中にて自然乾燥によりエタノールを蒸発させた。さらに、60度のオーブンにカーボン被覆リチウム酸化物の粉体を入れ、24時間乾燥させた。
(実施例4)
本実施例は、前述の共連続繊維状カーボンとリチウム酸化物(Li2CoPO4F)とを、遊星ボールミルの公転回転数を500rpmで粉砕混合し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕混合工程は、窒素雰囲気下で実施し、また、エタノールを混合する湿式法を用いた。本実施例では、粉砕工程および混合工程を同時に行った。
粉砕混合工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、前記共連続繊維状カーボンとポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを10:90の割合で投入し、さらに有機溶媒であるエタノールを投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてこれらを粉砕および混合した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、500rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールとカーボン被覆リチウム酸化物を分離した後、カーボン被覆リチウム酸化物を大気中にて自然乾燥によりエタノールを蒸発させた。さらに、60度のオーブンにカーボン被覆リチウム酸化物の粉体を入れ、24時間乾燥させた。
(実施例5)
本実施例は、前述の共連続繊維状カーボンとリチウム酸化物(Li2CoPO4F)とを、遊星ボールミルの公転回転数を500rpmで粉砕混合し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕混合工程は、大気中で実施し、また、エタノールを混合する湿式法を用いた。本実施例では、粉砕工程および混合工程を同時に行った。
粉砕混合工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、前記共連続繊維状カーボンとポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを10:90の割合で投入し、さらに有機溶媒であるエタノールを投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてこれらを粉砕および混合した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、500rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールとカーボン被覆リチウム酸化物を分離した後、カーボン被覆リチウム酸化物を大気中にて自然乾燥によりエタノールを蒸発させた。さらに、60度のオーブンにカーボン被覆リチウム酸化物の粉体を入れ、24時間乾燥させた。
(実施例6)
本実施例は、前述の共連続繊維状カーボンとリチウム酸化物(Li2CoPO4F)とを、遊星ボールミルの公転回転数を500rpmで粉砕混合し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕混合工程は、窒素雰囲気下で実施し、溶媒を混合しない乾式法を用いた。本実施例では、粉砕工程および混合工程を同時に行った。
粉砕混合工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、前記共連続繊維状カーボンとポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを10:90の割合で投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてこれらを粉砕および混合した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、500rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールとカーボン被覆リチウム酸化物を分離した。
(実施例7)
本実施例は、前述の共連続繊維状カーボンとリチウム酸化物(Li2CoPO4F)とを、遊星ボールミルの公転回転数を600rpmで粉砕混合し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕混合工程は、窒素雰囲気下で実施し、また、エタノールを混合する湿式法を用いた。本実施例では、粉砕工程および混合工程を同時に行った。
粉砕混合工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、前記共連続繊維状カーボンとポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを10:90の割合で投入し、さらに有機溶媒であるエタノールを投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてこれらを粉砕および混合した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、600rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールとカーボン被覆リチウム酸化物を分離した後、カーボン被覆リチウム酸化物を大気中にて自然乾燥によりエタノールを蒸発させた。さらに、60度のオーブンにカーボン被覆リチウム酸化物の粉体を入れ、24時間乾燥させた。
(比較例1)
比較例1では、共連続繊維状カーボンを用いない場合を説明する。本比較例では、ケッチェンブラックと、リチウム酸化物(Li2CoPO4F)とを、遊星ボールミルの公転回転数を500rpmで粉砕混合し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕混合工程は、窒素雰囲気下で実施し、また、エタノールを混合する湿式法を用いた。本比較例では、粉砕工程および混合工程を同時に行った。
粉砕混合工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、ケッチェンブラックとポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを10:90の割合で投入し、さらに有機溶媒であるエタノールを投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてこれらを粉砕および混合した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、500rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールとカーボンがコーティングされたリチウム酸化物を分離した後、当該リチウム酸化物を大気中にて自然乾燥によりエタノールを蒸発させた。さらに、60度のオーブンにカーボンがコーティングされたリチウム酸化物の粉体を入れ、24時間乾燥させた。
(比較例2)
比較例2では、カーボンを用いずに、リチウム酸化物(Li2CoPO4F)のみを、遊星ボールミルの公転回転数を500rpmで粉砕し、乾燥させて正極活物質を作製した。粉砕工程は、窒素雰囲気下で実施し、また、エタノールを混合する湿式法を用いた。
粉砕工程は、Retsch社の遊星ボールミル(型番:PM100)に、直径2mmのジルコニアボールと直径1mmのジルコニアボールを1:1の割合で投入し、非ポリアニオン系正極活物質であるLi2CoPO4Fを投入し、さらに有機溶媒であるエタノールを投入した。そして、遊星ボールミルを回転させてリチウム酸化物を粉砕した。
遊星ボールミルの公自転比は1:-2で、公転回転数は、500rpmとし、1時間粉砕を行った。ふるいをかけて、ジルコニアボールとリチウム酸化物を分離した後、リチウム酸化物を大気中にて自然乾燥によりエタノールを蒸発させた。さらに、60度のオーブンにリチウム酸化物の粉体を入れ、24時間乾燥させた。
(評価方法)
実施例および比較例で作製したリチウム酸化物の粉体を、φ20の容器に入れ、0.5kNの圧力をかけてペレットを作製し、抵抗率を測定した。実験例1および比較例2の抵抗率「-」は、測定不能(10Ω以上)を示す。
Figure 0007464879000001
表1に示すように、実施例2-7の抵抗率は、共連続繊維状カーボンが粉砕されず、カーボンがコーティングされない実施例1の抵抗率より低減していることが確認できた。したがって、本実施形態の共連続繊維状カーボンがコーティングされたリチウム酸化物は、共連続繊維状カーボンがコーティングされないリチウム酸化物(実施例1)よりも、導電性が高く、高エネルギー密度なリチウム電池を実現できる。
なお、実施例5は、実施例4と比較して抵抗率が増加した。これは、大気中で共連続繊維状カーボンを粉砕することで、カーボン表面が酸化するなどして、導電パスの形成が十分に行われないと考えられる。
実施例6は、実施例4と比較して抵抗率が増加した。これは、乾式の場合、共連続繊維状カーボンの粉砕が不均一になり、導電パスの形成が十分に行われないと考えられる。
実施例7は、実施例4と比較して抵抗率が増加した。これは、遊星ボールミルの公転回転数が高いために、共連続繊維状カーボンが粉砕され、共連続な構造が壊れ、導電パスの形成が不十分になると考えられる。
比較例1は、非晶質カーボンを用いたカーボン被覆リチウム酸化物であり、抵抗率は10である。非晶質カーボンは、共連続な構造を有していない。このために、十二分な導電パスの形成が困難なためである。
比較例2は、カーボンでコーティングしていないリチウム酸化物であり、抵抗率が測定範囲を超えてしまった。比較例2では導電パスがないため、リチウム酸化物間で十分な導通を取ることが困難であると考えられる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、様々な変形および組み合わせが可能である。
S1:分散工程
S2:凍結工程
S3:乾燥工程
S4:炭化工程
S5:粉砕工程
S6:混合工程
S7:乾燥工程

Claims (4)

  1. カーボンで被覆されたリチウム酸化物であって、
    前記カーボンは、カーボンが枝分かれした三次元ネットワーク構造の共連続繊維状カーボンを含み、
    前記共連続繊維状カーボンは、繊維径が10nm~200nmで、繊維長が300nm~2μmで、二次粒子径が1μm~50μmである
    電池用カーボン被覆リチウム酸化物。
  2. カーボンが枝分かれした三次元ネットワーク構造の共連続繊維状カーボンを、粉砕する粉砕工程と、
    粉砕した前記共連続繊維状カーボンと、リチウム酸化物とを混合する混合工程とを含み、
    前記粉砕工程は、遊星ボールミルを用い、前記遊星ボールミルの公転回転数が100rpm~500rpmの範囲である
    電池用カーボン被覆リチウム酸化物の製造方法。
  3. 前記混合工程は、
    粉砕した前記共連続繊維状カーボンと、前記リチウム酸化物と、有機溶媒とを混合して混合物を得る第1工程と、
    前記混合物の溶媒を除去し、カーボンが被覆されたリチウム酸化物を得る第2工程と、を含む
    請求項2に記載の電池用カーボン被覆リチウム酸化物の製造方法。
  4. 前記粉砕工程および前記混合工程は、不活性ガス中で行われる
    請求項2または3に記載の電池用カーボン被覆リチウム酸化物の製造方法。
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