以下、棚卸しシステムの実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、消費者が所有するスマートフォン等の通信端末を、複数の店舗で導入された棚卸しシステムの買物支援装置として利用する場合である。
図1は、本実施形態に係る棚卸しシステム1の概略構成を示すブロック図である。棚卸しシステム1は、複数の店舗システム10と、管理サーバ20と、ネットワーク30と、買物支援装置40とを含む。
店舗システム10は、棚卸しシステム1を導入した店舗毎に構成される。店舗の数は、特に限定されるものではない。図1では、店舗AAAに構成された店舗システム10と、店舗BBBに構成される店舗システム10とを示している。なお、店舗AAAを運営する企業体は、店舗BBBを運営する企業体と同じであっても良いし異なっていても良い。
店舗システム10の基本的な構成は共通である。即ち、店舗システム10は、店舗サーバ11、仮想POSサーバ12、通信サーバ13、会計機14及びアクセスポイント15を備え、これらを有線LAN(Local Area Network)16で接続している。なお、図1では、アクセスポイントをAPと略記している。
店舗サーバ11は、店舗業務全般を支援するコンピュータである。その支援のために店舗サーバ11は、商品データベースを含む種々のデータベースを管理する。商品データベースは、店舗で販売されている各商品のデータを記述した商品データレコードの集合体である。即ち、店舗AAAの店舗サーバ11によって管理される商品データベースには、店舗AAAで販売されている各商品に関する商品データレコードが保存されている。店舗BBBの店舗サーバ11によって管理される商品データベースには、店舗BBBで販売されている各商品に関する商品データレコードが保存されている。商品データレコードは、商品コード、価格、商品名、商品画像、棚位置、陳列個数及び在庫数、棚卸し日時、等の商品データで構成されている。商品コードは、商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意の識別コードである。各商品には、通常、商品コードを表したバーコードが付されている。棚位置は、店舗内における当該商品の陳列棚の位置を特定する情報である。本実施形態では、店舗の各商品陳列棚を個々に識別するために商品陳列棚毎に設定された一意の識別コードとする。棚位置は、店舗の床面を直交座標系のXY平面として、商品の陳列棚の位置を当該XY平面のXY座標で表したものとしても良い。
仮想POSサーバ12は、買物支援装置40と協働することで、周知のPOS端末が動作しているかのように見せかけるための支援を行うコンピュータである。仮想POSサーバ12は、以下の3つの機能を有する。第1の機能は、買物支援装置40を介して入力された商品コードで識別される商品の販売データを、その買物支援装置40の識別情報別に登録する機能である。各買物支援装置40には、各々を互いに識別するために固有の識別情報が設定されている。第2の機能は、買物支援装置40の識別情報別に登録された各商品の販売データを基に登録画面を作成し、当該識別情報で特定される買物支援装置40の表示デバイスに表示させる機能である。第3の機能は、買物支援装置40から会計が指示されると、その買物支援装置40の識別情報別に登録された各商品の販売データを基に会計データを生成し、店舗サーバ11へと送信する機能である。
通信サーバ13は、ネットワーク30を介して接続された管理サーバ20との間で行うデータ通信を支援するためのサーバである。
会計機14は、買上商品を決済するための端末である。会計機14は、店舗サーバ11から会計データを取得し、その会計データを基に決済を行う。決済の方式は、特に限定されない。店舗システム10では、現金決済、クレジットカード決済、電子マネー決済、ポイント決済、モバイル決済等、周知の決済方式を利用することができる。
会計機14は、買上商品の登録機能を有していても良い。例えば、会計機14に接続されたスキャナで買上商品のバーコードが読み取られると、会計機14は、店舗サーバ11にそのバーコードに含まれる商品コードで問合せを行う。この問合せにより、店舗サーバ11からは商品コードで識別される商品の商品名、価格等の商品データが応答されるので、会計機14は、その商品データを基に買上商品の販売データを登録する。そして会計機14は、この買上商品について決済を行う。あるいは会計機14は、店舗サーバ11から取得した会計データにこの買上商品の販売データを加えて決済を行う。
このような会計機14としては、店員が決済のための情報を入力するようにした有人会計機と、消費者が決済のための情報を入力するようにしたセルフ会計機とがある。店舗システム10は、有人会計機とセルフ会計機の双方を備えていても良いし、何れか一方だけを備えていても良い。有人会計機としては、従来周知のPOS端末を適用することができる。セルフ会計機としては、従来周知のセルフ方式又はセミセルフ方式の会計機を適用することができる。
アクセスポイント15は、店舗システム10の各サーバ(店舗サーバ11、仮想POSサーバ12、通信サーバ13等)が買物支援装置40と無線LANを介してデータ通信を行う際の中継拠点として店舗内に設置された通信設備である。無線LANは、例えばWi-Fi(登録商標)の規格に準拠したものである。なお、図1では、1つの店舗システム10にアクセスポイント15を1つだけ示しているが、アクセスポイント15の数は限定されない。店舗の規模等により複数のアクセスポイント15が有線LAN16に接続されていても良い。
管理サーバ20は、インターネット等の通信ネットワークを通じてサービスを提供するクラウドコンピューティングサーバである。管理サーバ20は、ネットワーク30を介して、店舗システム10の通信サーバ13と接続されている。ネットワーク30は、例えばVPN(Virtual Private Network)を用いたWAN(Wide Area Network)である。また管理サーバ20は、インターネット、モバイル通信網等のWANを介して買物支援装置40と接続することができる。かくして管理サーバ20は、接続状態にある買物支援装置40と店舗システム10との間のデータ通信を中継する機能をも有している。
買物支援装置40は、消費者が複数の店舗で棚卸しシステム1を利用する際に共通に使用する携帯型の通信端末である。買物支援装置40は、詳細については後述するが、少なくとも二次元コード体系のデータコード51及びデータコード52を読み取るためのハードウェアを有している。例えばデジタルカメラを搭載した市販のスマートフォン、タブレット端末等が買物支援装置40として利用できる。本実施形態では、消費者が個人的に所有する通信端末を買物支援装置40として利用する。
データコード51及びデータコード52は、店舗毎に用意されている。データコード51及びデータコード52は、来店した消費者が取り扱える場所に用意されている。具体的には、データコード51は、各店舗の入口に用意されている。データコード52は、各店舗の出口に用意されている。以下では、データコード51は、入店用データコード51と表す。データコード52は、退店用データコード52と表す。
入店用データコード51及び退店用データコード52は、何れも、店舗又はその店舗を運営する企業体特有の設定情報を所定の二次元コード体系でコード化したものである。設定情報の項目は、店舗に関わらず共通である。店舗によって各項目の設定情報が異なる。設定情報の項目については、後述する。
図2は、買物支援装置40の要部回路構成を示すブロック図である。買物支援装置40は、プロセッサ41、内蔵メモリ42、外部メモリ43、タッチパネル44、カメラ45、無線ユニット46、信号受信回路47、通信インタフェース48及びシステム伝送路49を備えている。また買物支援装置40は、駆動源として充電式のバッテリ410を搭載している。
システム伝送路49は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。買物支援装置40は、システム伝送路49に、プロセッサ41、内蔵メモリ42、外部メモリ43、タッチパネル44、カメラ45、無線ユニット46、信号受信回路47及び通信インタフェース48を接続する。買物支援装置40では、プロセッサ41、内蔵メモリ42及び外部メモリ43と、これらを接続するシステム伝送路49とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ41は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、買物支援装置40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
内蔵メモリ42は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。内蔵メモリ42は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。内蔵メモリ42は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。内蔵メモリ42は、プロセッサ41が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。また内蔵メモリ42は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ41によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
外部メモリ43は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばSDメモリカード、USBメモリ等が外部メモリ43となり得る。外部メモリ43は、プロセッサ41が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ41での処理によって作成されたデータ等を保存する。外部メモリ43は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
タッチパネル44は、買物支援装置40の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル44は、表示された画像に対するタッチ位置を検知し、そのタッチ位置情報をプロセッサ41に出力する。
カメラ45は、買物支援装置40に内蔵された撮像デバイスである。カメラ45は、買物支援装置40にインストールされたアプリケーションプログラムにより、静止画又は動画の撮影装置として、あるいはバーコード、二次元コード等のデータコードのスキャニング装置として動作する。カメラ45は、コードリーダの一例である。
無線ユニット46は、アクセスポイント15との間で無線LANの通信プロトコルに従いデータ通信を行うための回路である。
信号受信回路47は、ビーコン発信器から発信されるビーコン信号を受信するための回路である。ビーコン発信器は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線技術を利用してビーコン(beacon)と称される信号を周期的に発信する機器である。店舗には、多数のビーコン発信器が分散して配置されている。そして各ビーコン発信器からは、それぞれ設置場所を特定するための情報を含むビーコン信号が連続して発信されている。買物支援装置40のプロセッサ41は、信号受信回路47で受信したビーコン信号に含まれる情報により、買物支援装置40の店舗内における現在地を認識することができる。ここに、買物支援装置40は、信号受信回路47で受信したビーコン信号により店舗内の現在地を認識するための認識手段を備えている。
通信インタフェース48は、インターネットまたはモバイル通信網を介して接続された管理サーバ20との間でデータ通信を行うための回路である。
かかる構成の買物支援装置40は、外部メモリ43に、買物支援アプリケーションプログラム431を記憶している。なお、図2では、プリケーションプログラムをAPLと略記している。買物支援アプリケーションプログラム431は、個人所有の通信端末を買物支援装置40として機能させるためのアプリケーションプログラムである。買物支援アプリケーションプログラム431を通信端末にインストールすることによって、当該通信端末は、買物支援装置40として機能する。
そして、買物支援アプリケーションプログラム431をインストールすることによって、外部メモリ43には、店舗設定テーブル432が形成される。なお、図2では、テーブルをTBLと略記している。ここで形成される店舗設定テーブル432は、設定項目だけ記述され、実際の設定値は記述されていない。各項目の設定値は入店用データコード51及び退店用データコード52に含まれている。即ち、買物支援装置40のカメラ45で入店用データコード51が読み取られると、その買物支援装置40における店舗設定テーブル432の各設定項目に、読み取られた設定値が記述される。
店舗設定テーブル432の設定項目及び設定値は、買物支援アプリケーションプログラム431の動作バージョンに加えて、消費者が買物支援装置40を用いて買物を行う店舗を識別するための情報を含む。即ち、入店用データコード51及び退店用データコード52には、消費者が買物支援装置40を用いて買物を行う店舗を識別するための情報が含まれている。この種の情報は、店舗固有の設定情報である。店舗を識別するための情報は、例えば、企業コード、店舗コード、企業名、店舗名、等を含み得る。
ここで、企業コードは、店舗を運営する企業体を識別するためコードである。店舗コードは店舗を識別するためのコードで或る。企業名は店舗を運営する企業体の名称である。店舗名は店舗の名称である。
さらに、店舗設定テーブル432の設定項目及び設定値は、入店フラグを含み得る。入店フラグは、設定値の入手元、即ち読み取ったデータコードが入店用データコード51であるのか、退店用データコード52であるのかを識別するためのフラグである。
また、店舗設定テーブル432の設定項目及び設定値は、買物支援装置40が通信を行うために必要なパラメータを含む。即ち、入店用データコード51及び退店用データコード52は、買物支援装置40が通信を行うために必要なパラメータが含まれている。この種のパラメータは、店舗固有の設定情報である。パラメータは、例えば、IPアドレス、クラウドドメイン名、電子レシートサーバアドレス、店内LANフラグ、店内LAN・SSID、店内LAN・パスワード、店内LAN・セキュリティ方式、クラウド必須フラグ、ステータス送信モード、ログ送信モード、FTP・ホスト名、FTP・ユーザ名、FTP・パスワード、FTP・ログフォルダパス、等を含み得る。
ここで、IPアドレスは、店舗が備える通信サーバ13のIPアドレスである。クラウドドメイン名は、管理サーバ20のドメイン名である。電子レシートサーバアドレスは、店舗が利用する電子レシートサーバのネットワークアドレスである。店内LANフラグは、店内LANの使用有無を示すフラグである。店内LAN・SSIDは、店舗に設けられたアクセスポイント15のSSID(Service Set Identifier)である。店内LAN・パスワードは、店舗の店内LANに設定されたパスワードである。店内LAN・セキュリティ方式は、店舗の店内LANに設定されたセキュリティ方式(WPA2-PSK、WPA-PSK、WEP等)の暗号鍵を示すデータである。クラウド必須フラグは、買物支援装置40が管理サーバ20との接続に失敗したときにエラーとするか、エラーとすることなく利用を継続するかを識別するためのフラグである。ステータス送信モードは、買物支援装置40のステータスを、管理サーバ20に送信するモード、店舗システム10に送信するモード及び、送信しないモードを含む。ログ送信モードは、買物支援装置40のログデータを蓄積したログファイルを、管理サーバ20にのみ送信するモード、店舗システム10にのみ送信するモード、管理サーバ20と店舗システム10の双方に送信するモード、及び送信しないモードを含む。FTP・ホスト名は、ログファイルを管理サーバ20へ送信する際に使用するプロトコルのホスト名またはIPアドレスである。FTP・ユーザ名は、ログファイルを管理サーバ20へ送信する際に使用するプロトコルのユーザ名である。FTP・パスワードは、ログファイルを管理サーバ20へ送信する際に使用するプロトコルのパスワードである。FTP・ログフォルダパスは、インターネットを経由して管理サーバ20へ送信するログファイルのパス名である。
さらに、店舗設定テーブル432の設定項目及び設定値は、買物支援装置40を店舗で使用する場合のその店舗での動作制限情報を含む。即ち、入店用データコード51及び退店用データコード52には、買物支援装置40を店舗で使用する場合のその店舗での動作制限情報が含まれている。動作制限情報は、店舗固有の設定情報である。動作制限情報は、UPCチェックデジット削除フラグ、カメラ自動遷移時間、モバイル通信タイムアウト時間、モバイル通信リトライ回数、クラウド通信タイムアウト時間、クラウド通信リトライ回数、店員確認警告解除バーコード値、動作モード、会計機転送モード、モバイル決済フラグ、20禁商品強制フラグ、ポイントカード入力モード、権限者モードフラグ、バッテリチェック閾値、等を含み得る。
ここで、UPCチェックデジット削除フラグは、商品コードの一種であるUPC(Universal Product Cord)コードのチェックデジットを削除するか否かを識別するためのデータである。カメラ自動遷移時間は、買物支援装置40が有するカメラ45の自動遷移時間である。モバイル通信タイムアウト時間は、買物支援装置40が無線LANを介して店舗システム10と通信を行う際のタイムアウト時間である。モバイル通信リトライ回数は、買物支援装置40が無線LANを介して店舗システム10と通信を行った際にタイムアウトした場合のリトライ回数である。クラウド通信タイムアウト時間は、買物支援装置40が管理サーバ20を介して店舗システム10と通信を行う際のタイムアウト時間である。クラウド通信リトライ回数は、買物支援装置40が管理サーバ20を介して店舗システム10と通信を行った際にタイムアウトした場合のリトライ回数である。店員確認警告解除バーコード値は、消費者が、アルコール飲料、タバコ等の20禁商品を購入した場合、消費者の年齢を確認した店員が買物支援装置40に読み取らせるその店舗専用の店員確認警告解除バーコードの値である。
また、動作モードは、棚卸しシステム1を通常に運用する通常モードと、デモとして運用するデモモードとを含む。会計機転送モードは、会計バーコードを使用するモードと使用しないモードとを含む。店舗システム10においては、消費者が買物支援装置40を使用して商品コードを読み取った買上商品の販売データが仮想POSサーバ12に登録される。そして、消費者が買物支援装置40から買上商品の会計を指示すると、仮想POSサーバ12に登録されていた買上商品の販売データを基に生成される会計データが、店舗サーバ11を介して会計機14へと転送される。このとき、会計データを会計機14へと転送するモードとして、会計データに紐づけられた会計バーコードを使用するモードと使用しないモードとがある。
また、モバイル決済フラグは、モバイル決済を採用するか否かを識別するためのデータである。買上商品の代金決済方式の1つとしてモバイル決済がある。モバイル決済とは、買物支援装置40を利用し、バーコード又は二次元コードを用いて商品の代金を電子的に支払う方式である。20禁商品強制フラグは、アルコール飲料、タバコなどのように年齢制限のある商品、いわゆる20禁商品の買物支援装置40での登録を許可するか否かを識別するためのデータである。ポイントカード入力モードは、ポイントカードのカード番号を手入力するモードと、カードに印刷されたデータコードをカメラ45で読み込むことで入力するモードとを含む。権限者モードフラグは、制御モードを、店舗での買物支援のためのモードとするか、権限者の操作に制限される業務のためのモードとするかを識別するためのフラグである。例えばポイントカードのカード番号を入力する業務は消費者に実行させない。この業務は、店舗の権限者に実行させる。このため、買物支援装置40は、制御モードとして、店舗での買物支援のためのモードと、権限者の操作に制限される業務のためのモードとを有する。バッテリチェック閾値は、買物支援装置40が買物の途中でバッテリ切れとならないように、店舗又は企業体毎に設定されたバッテリ容量の閾値である。
なお、買物支援アプリケーションプログラム431等の制御プログラムを外部メモリ43にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、制御プログラムを外部メモリ43にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のように、プログラムを記憶でき且つ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。なお、制御プログラムのインストール先は、外部メモリ43に限定されない。制御プログラムを内蔵メモリ42にインストールしても良い。
図3は、本実施形態に係るデータ処理装置としての管理サーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。管理サーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、通信インタフェース25及びシステム伝送路26を備える。システム伝送路26は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。管理サーバ20は、システム伝送路26に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信インタフェース25を接続する。管理サーバ20では、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路26とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、管理サーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データは、不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されるアプリケーションプログラムには、管理サーバ20で実行される情報処理に関して記述した、棚卸しプログラム等の制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法も、買物支援アプリケーションプログラム431の場合と同様に、特に限定されるものではない。
時計24は、日付及び時刻を計時する。管理サーバ20は、時計24によって計時される日付及び時刻を、現時点の日付及び時刻として取得する。
通信インタフェース25は、ネットワーク30を介して接続される各店舗システム10の通信サーバ13との間で、所定の通信プロトコルに従いデータの送受信を行うための回路である。
かかる構成の管理サーバ20は、補助記憶デバイス23において会員データベース231及び店舗データファイル232を記憶している。なお、図3では、データベースをDBと略記している。店舗データファイル232は、店舗毎に用意されている。なお、会員データベース231及び/又は店舗データファイル232の記憶先は補助記憶デバイス23に限定されない。メインメモリ22の揮発性メモリ領域において会員データベース231及び/又は店舗データファイル232を記憶しても良い。
図4は、会員データベース231に含まれるデータレコード60のデータ構造を示す模式図である。会員データベース231は、本棚卸しシステム1の会員を管理するためのデータベースであり、登録された会員に関連付けられたデータレコードの集合である。このため、会員データベース231は、登録された会員の数に応じた個数のデータレコード60を含む。データレコード60は、フィールドF61,F62,F63,F64を含む。
フィールドF61には、関連付けられた消費者を他の消費者と識別するための会員コードがセットされる。会員コードは例えば、棚卸しシステム1の会員の個々を識別するために消費者毎に設定された一意の識別コードである。例えば、ポイントカードのカード番号とすることができる。あるいは会員コードとしては例えば、買物支援アプリケーションプログラム431を買物支援装置40にインストールする際に当該買物支援アプリケーションプログラム431に対して設定される識別コードを用いることができる。
フィールドF62には、会員コードで特定される消費者についての属性情報である会員情報がセットされる。会員情報は、氏名、性別、年齢、住所、電話番号、電子メールアドレス等を含み得る。この会員情報は、依頼者が申告した決済手段情報を含んでも良い。決済手段情報は、クレジットカード番号又はコード決済ID(identifier)などである。また複数の決済方法を選択可能とする場合には、決済手段情報に決済方法を識別するための決済方法コードを含む場合もある。
フィールドF63には、紐付けられた消費者に対して付与された特典を示すクーポン情報がセットされる。クーポン情報は、ポイントサービスのID及び保有ポイント数などを含み得る。
フィールドF64には、紐付けられた消費者の購入履歴情報がセットされる。即ち、フィールドF64には、消費者が何時、何処の店舗でどの様な商品を幾つ購入したかの履歴が蓄積される。
図5は、店舗データファイル232のデータ構造を示す模式図である。店舗データファイル232は、企業コードを記述するための領域71と、店舗コードを記述するための領域72と、店舗の店員それぞれを特定する店員コードのリストを記述するための領域74と、店内マップデータを記述するための領域74と、複数の商品データを記述するための領域75と、を備えている。そして、領域71及び領域72には、店舗を運営する企業体の企業コード及び当該店舗の店舗コードが記述されている。即ち、店舗AAA用の店舗データファイル232には、店舗AAAを運営する企業体の企業コードと店舗コードとが領域71及び領域72に記述されている。店舗BBB用の店舗データファイル232には、店舗BBBを運営する企業体の企業コードと店舗コードとが領域71及び領域72に記述されている。
領域74には、店舗に配置された商品陳列棚、レジ、サービスカウンタ等のレイアウトを画像化した店内マップ画像のデータが記述されている。即ち、店舗AAA用の店舗データファイル232には、店舗AAAの店内マップ画像が記述されている。店舗BBB用の店舗データファイル232には、店舗BBBの店内マップ画像が記述されている。
領域75には、店舗で販売されている商品の商品コード、価格、商品名、商品画像、棚位置、陳列個数及び在庫数、棚卸し日時、等が記述されている。これらの情報は、店舗サーバ11が管理する商品データベースと同期することができる。即ち、店舗AAA用の店舗データファイル232には、店舗AAAで販売されている全商品の商品コード、価格等が記述されている。店舗BBB用の店舗データファイル232には、店舗BBBで販売されている全商品の商品コード、価格等が記述されている。
図6乃至図10は、買物支援装置40のプロセッサ41が、買物支援アプリケーションプログラム431に基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図11は、管理サーバ20のプロセッサ21が、買物支援装置40から棚卸し開始コマンドを受信したことに応じて実行する棚卸し開始コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図である。図12乃至図24は、買物支援装置40のタッチパネル44に表示される各種画面の一例を示す模式図である。以下、これらの図を用いて棚卸しシステム1の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その動作手順及び内容は特に限定されるものではない。 消費者は、棚卸しシステム1が導入された店舗に出向き、入店時に、買物支援装置40の買物支援アプリケーションプログラム431を起動する。そうすると、プロセッサ41は、図6乃至図10の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
買物支援アプリケーションプログラム431が起動すると、プロセッサ41は、ACT401として、タッチパネル44にチェックイン画面を表示する。
図12は、チェックイン画面SCaの一例である。図示するようにチェックイン画面SCaには、入店用の二次元コードをスキャンすることを指示するメッセージと共に、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBTaの画像が表示されている。チェックイン画面SCaを確認した消費者は、「はい」ボタンBTaにタッチする。
プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により、チェックイン画面SCaの「はい」ボタンBTaがタッチされたことを検知すると、ACT402として、カメラ45を起動すると共に、タッチパネル44にカメラ画面を表示する。
図13は、カメラ画面SCbの一例である。図示するようにカメラ画面SCbには、二次元コードの読取り領域ARaを示す画像が表示されている。カメラ画面SCbを確認した消費者は、店舗の入口に用意された入店用データコード51が読取り領域ARa内に収まるように、買物支援装置40に内蔵されたカメラ45のレンズを入店用データコード51に翳す。
カメラ画面SCbを表示させたプロセッサ41は、ACT403として、カメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。図14に示すように、二次元コード体系のデータコードが読取り領域ARa内に収まると、プロセッサ41は、データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ41は、ACT403においてYESと判定し、ACT404へと進む。
プロセッサ41は、ACT404として、カメラ45で撮像されたデータコードの画像から、そのデータコードによってコード化されているデータを解析し、その読み取ったデータコードが入店用データコード51であるか否かを確認する。消費者が入店用データコード51を読み取った場合には、プロセッサ41は、ACT404においてYESと判定する。しかし消費者が退店用データコード52を読み取った場合には、プロセッサ41は、ACT404においてNOと判定する。
プロセッサ41は、ACT404においてNOと判定すると、ACT403へと戻る。即ちプロセッサ41は、カメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
プロセッサ41は、ACT404においてYESと判定すると、ACT405へと進む。プロセッサ41は、ACT405として、入店用データコード51を解析して得たデータである各種設定情報を、店舗設定テーブル432に記憶する。
このように、プロセッサ41は、カメラ45と協働して、一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗固有の設定情報を取得し、その取得した店舗固有の設定情報を店舗設定テーブル432で記憶する。
その後、プロセッサ41は、ACT406として、店舗設定テーブル432に記憶された店内LANへの接続のための設定情報に従って無線ユニット46を制御し、店内LANと接続する。
なお、この店内LANへの接続動作に先立って、買物支援装置40に搭載されているバッテリ410の残容量をチェックすることが望ましい。これにより、買物途中での買物支援装置40の充電切れを防止することができる。バッテリ410の残容量が少ない場合、消費者は、買物支援装置40を充電するか、外付けのバッテリを接続して、再度、買物支援アプリケーションプログラム431を起動すれば良い。
プロセッサ41は、買物支援装置40が店内LANと接続されたことを確認すると、ACT407として、タッチパネル44にチェックイン完了画面を表示する。
図15は、チェックイン完了画面SCcの一例である。図示するようにチェックイン完了画面SCcには、買物の準備が整ったことを示すメッセージと共に、「買物開始」ボタンBTb及び「棚卸し」ボタンBTcの画像が表示されている。
チェックイン完了画面SCcを確認した消費者は、「買物開始」ボタンBTb又は「棚卸し」ボタンBTcにタッチする。即ち、棚卸しに協力したい消費者は、「棚卸し」ボタンBTcにタッチする。棚卸しに協力せずに買物を開始する消費者は、「買物開始」ボタンBTbにタッチする。
なお、買物支援装置40が店内LANと接続されると、店舗システム10の店舗サーバ11は、その買物支援装置40から買物支援アプリケーションプログラム431の識別コードを取得する。また店舗サーバ11は、その買物支援装置40が有する店舗設定テーブル432に設定されている各種データを取得する。例えば、店舗サーバ11は、店舗設定テーブル432の設定項目「企業コード」のデータと、設定項目「店舗コード」のデータとを取得する。そして店舗サーバ11は、予め設定されている企業コード及び店舗コードと、買物支援装置40から取得した「企業コード」及び「店舗コード」のデータとが一致するか否かを確認する。一致する場合、店舗サーバ11は、仮想POSサーバ12に対し、その買物支援アプリケーションプログラム431の識別コードを通知する。仮想POSサーバ12は、店舗サーバ11から通知された買物支援アプリケーションプログラム431の識別コードを設定した商品登録テーブルを作成する。また店舗サーバ11は、買物支援装置40に対してチェックイン完了コマンドを無線送信する。このチェックイン完了コマンドを受けて買物支援装置40のプロセッサ41は、タッチパネル44にチェックイン完了画面SCcを表示する。
チェックイン完了画面SCcを表示させたプロセッサ41は、ACT408として、「買物開始」ボタンBTbがタッチされたか否かを確認する。「買物開始」ボタンBTbがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT408おいてNOと判定し、ACT409へと進む。プロセッサ41は、ACT409として、「棚卸し」ボタンBTcがタッチされたか否かを確認する。「棚卸し」ボタンBTcがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT409においてNOと判定し、ACT408へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT408及びACT409において「買物開始」ボタンBTbがタッチされるか「棚卸し」ボタンBTcがタッチされるのを待ち受ける。
ACT408及びACT409の待ち受け状態において、「棚卸し」ボタンBTcがタッチされた場合、プロセッサ41は、ACT409においてYESと判定し、図7のACT414へと進む。ACT414以降の処理については後述する。
ACT408及びACT409の待ち受け状態において、「買物開始」ボタンBTbがタッチされた場合には、プロセッサ41は、ACT408においてYESと判定し、ACT410へと進む。プロセッサ41は、ACT410として、タッチパネル44登録リスト画面を表示する。
図16は、登録リスト画面SCdの一例である。図示するように登録リスト画面SCdには、購入商品の商品名及び価格と買上金額とを表示するための領域が形成される。また、「棚卸し」ボタンBTd、「商品スキャン」ボタンBTe及び「会計」ボタンBTfの画像が表示される。
登録リスト画面SCdを表示させたプロセッサ41は、ACT411として、「商品スキャン」ボタンBTeがタッチされたか否かを確認する。「商品スキャン」ボタンBTeがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT411おいてNOと判定し、ACT412へと進む。プロセッサ41は、ACT412として、「棚卸し」ボタンBTdがタッチされたか否かを確認する。「棚卸し」ボタンBTdがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT412においてNOと判定し、ACT413へと進む。プロセッサ41は、ACT413として、「会計」ボタンBTfがタッチされたか否かを確認する。「会計」ボタンBTfがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT413においてNOと判定し、ACT411へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT411乃至ACT413において「商品スキャン」ボタンBTeがタッチされるか、「棚卸し」ボタンBTdがタッチされるか、「会計」ボタンBTfがタッチされるのを待ち受ける。
買物を開始した消費者は、購入商品を買物かご又はショッピングカート等の収容体に収容する際に、その購入商品に付されているバーコードをスキャンするために、「商品スキャン」ボタンBTeにタッチする。また消費者は、買物終えると、「会計」ボタンBTfにタッチする。ところで、消費者は、買物の最中に、店舗内の告知文を目にしたり、店舗内での告知放送を聞いたりして、棚卸しに協力することで支払に利用できるポイントが付与されることを知り、棚卸しに協力する気になる場合がある。そのような場合、消費者は、「棚卸し」ボタンBTdにタッチする。
ACT411乃至ACT413の待ち受け状態において、「商品スキャン」ボタンBTeがタッチされた場合、プロセッサ41は、ACT411においてYESと判定し、図9のACT434へと進む。ACT434以降の処理については後述する。
ACT411乃至ACT413の待ち受け状態において、「会計」ボタンBTfがタッチされた場合、プロセッサ41は、ACT413においてYESと判定し、図10のACT441へと進む。ACT441以降の処理については後述する。
ACT411乃至ACT413の待ち受け状態において、「棚卸し」ボタンBTdがタッチされた場合、プロセッサ41は、ACT412においてYESと判定し、図7のACT414へと進む。
ACT414として、プロセッサ41は、棚卸し開始コマンドを管理サーバ20へと送信する。例えばプロセッサ41は、店舗設定テーブル432に設定されているパラメータを利用して、無線ユニット46により、店舗システム10の店内LAN及び通信サーバ13経由で、棚卸し開始コマンドを管理サーバ20へと送信する。あるいはプロセッサ41は、店舗設定テーブル432に設定されているパラメータを利用して、通信インタフェース48により、インターネット経由で棚卸し開始コマンドを管理サーバ20へと送信する。棚卸し開始コマンドは、当該買物支援アプリケーションプログラム431を利用している消費者を特定する会員コードを、棚卸しする担当者の担当者コードとして含むと共に、店舗設定テーブル432に設定されている企業コード及び店舗コードを含む。
ここで、棚卸し開始コマンドを受信した管理サーバ20の動作について、図11の流れ図を用いて説明する。管理サーバ20のプロセッサ21は、棚卸し開始コマンドを受信すると、図11の流れ図に示す手順の処理を開始する。
先ずプロセッサ21は、ACT201として、棚卸し開始コマンドから、企業コードと店舗コードとを検出することで、当該データ送信元の店舗を特定する。そしてプロセッサ21は、ACT202として、その企業コードと店舗コードとが領域71と領域72とに記述された店舗データファイル232を取得する。以下、取得した店舗データファイル232を対象店舗データファイル232と表す。
そしてプロセッサ21は、ACT203として、棚卸し開始コマンドから担当者コードを検出し、その担当者コードが店員コードであるか否か判定する。即ち、プロセッサ21は、検出した担当者コードが対象店舗データファイル232の領域73に記述された店員コードリストに載っているか否か判断する。検出した担当者コードが店員コードリストに載っていれば、プロセッサ21は、ACT203においてYESと判定し、ACT204へと進む。
ACT204として、プロセッサ21は、店員が操作する専用のハンディーターミナルによる既知の店員用棚卸し処理を実行する。そして、この棚卸し開始コマンドの受信に応じた処理を終了する。
これに対して、検出した担当者コードが店員コードリストに載っていなければ、プロセッサ21は、ACT203においてNOと判定し、ACT205へと進む。
ACT205として、プロセッサ21は、棚問合せを受信したか否かを確認する。棚問合せを受信していない場合、プロセッサ41は、ACT205おいてNOと判定し、ACT206へと進む。プロセッサ41は、ACT206として、棚位置データを受信したか否かを確認する。棚位置データを受信していない場合、プロセッサ41は、ACT206においてNOと判定し、ACT207へと進む。プロセッサ41は、ACT207として、棚卸し終了コマンドを受信したか否かを確認する。棚卸し終了コマンドを受信していない場合、プロセッサ41は、ACT207においてNOと判定し、ACT205へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT205乃至ACT207において次の指示を受信するのを待ち受ける。
図7の説明に戻る。
棚卸し開始コマンドを送信した買物支援装置40のプロセッサ41は、ACT415として、何れの棚の棚卸しをするのか管理サーバ20に問い合わせる棚問合せを送信する。そしてプロセッサ41は、ACT416として、管理サーバ20からの応答データとしての棚指示画面を受信するのを待ち受ける。
管理サーバ20のプロセッサ21は、図11に示したACT205乃至ACT207の次の指示を受信待ち受け状態において、棚問合せを受信すると、ACT205においてYESと判定し、ACT208へと進む。
プロセッサ21は、ACT208として、棚卸しが必要な商品が陳列されている商品陳列棚の位置である更新要棚位置を取得する。即ち、プロセッサ21は先ず、対象店舗データファイル232の領域75に記述された各商品のデータにおける棚卸し日時に基づいて、棚卸しが必要な商品を特定する。例えば、プロセッサ21は、棚卸し日時が時計24で計時している現在日時から、24時間等の所定時間以上古い商品を特定する。そしてプロセッサ21は、当該商品についての棚位置のデータを更新要棚位置として取得する。
次にプロセッサ21は、ACT209として、棚卸ししようとしている消費者の商品購入履歴情報である会員購入履歴情報を取得する。即ち、プロセッサ21は、棚卸し開始コマンドに担当者コードとして含まれている会員コードにより会員データベース231を検索して、当該消費者に紐づけられたデータレコード60のフィールドF64に記憶されている購入履歴情報を読み出す。
そしてプロセッサ21は、ACT210として、取得した会員購入履歴情報に基づいて、取得した更新要棚位置を絞り込むことで、対象の消費者に棚卸しを依頼する更新対象棚位置を決定する。例えば、プロセッサ21は、取得した更新要棚位置の中に、対象消費者が過去に購入した商品に対応する棚位置が存在すれば、その棚位置を更新対象棚位置として決定する。また、取得した更新要棚位置の中に、対象消費者が過去に購入した商品に対応する棚位置が存在しない場合には、過去に購入した商品に対応する棚位置の近傍の棚位置を、更新対象棚位置として決定する。こうすることで、棚卸しを行う消費者としては、過去に購入した商品に対応する棚位置又はその近傍が棚卸し位置として指定されるようになり、その棚位置を容易に探すことができる。また、店舗としては、消費者が過去に購入した商品が陳列された商品陳列棚又はその近傍に消費者を移動させることで、棚卸し作業終了後に、その位置に居るということを要因にした、過去に購入した商品の再購入の動機付けを消費者に与えることができ、販売促進に繋げることができる。
プロセッサ21は、ACT211として、対象店舗データファイル232の領域74に記述された店内マップデータと、決定した更新対象棚位置とに基づいて、棚指示画面を作成する。そしてプロセッサ21は、ACT212として、その作成した棚指示画面を、棚卸し開始コマンド送信元の買物支援装置40に送信する。その後プロセッサ21は、ACT205乃至ACT207の次の指示を受信待ち受け状態に戻る。
買物支援装置40のプロセッサ41は、図7に示したACT416の棚指示画面の受信待ち状態において、棚指示画面を受信すると、ACT416においてYESと判定し、ACT417へと進む。プロセッサ41は、ACT417として、受信した棚指示画面をタッチパネル44に表示する。
図18は、棚指示画面SCeの一例である。図示するように棚指示画面SCeには、店内マップデータに対応した店内マップ画像ARbが表示されている。そしてこの店内マップ画像ARbにおいて、棚卸しを行うべき棚位置に該当する画像部分が、スキャン棚位置マークMAbとして、点滅表示、赤色等の特定色表示、ハッチングや網掛け等の特殊背景表示、等の強調表示がされる。また棚指示画面SCeには、「棚卸し開始」ボタンBTg及び「戻る」ボタンBThの画像が表示されている。
なお、プロセッサ41は、信号受信回路47で受信したビーコン信号に含まれる情報により現在地を認識し、店内マップ画像ARbの、その現在地に相当する地点に、現在地マークMAaを重畳表示させる。これにより、現在の位置と対象とする商品陳列棚の位置との位置関係を、諸費者に容易に把握させることが可能となる。プロセッサ41は、消費者の移動に伴って、現在地マークMAaの表示位置を更新させても良い。こうすることで、消費者を確実に対象とする商品陳列棚に案内することができる。
棚指示画面SCeを確認した消費者は、「棚卸し開始」ボタンBTg又は「戻る」ボタンBThにタッチする。即ち、スキャン棚位置マークMAbに対応する実際の商品陳列棚の位置に移動した後、棚卸しを開始するために、消費者は、「棚卸し開始」ボタンBTgにタッチする。また、スキャン棚位置マークMAbで示される商品陳列棚が消費者の現在位置から遠い場合には、消費者は、そこに移動する途中で買物をしたい場合がある。そのように棚卸しを後回しにして買物を先に進めようとする消費者は、「戻る」ボタンBThにタッチする。
棚指示画面SCeを表示させたプロセッサ41は、ACT418として、「棚卸し開始」ボタンBTgがタッチされたか否かを確認する。「棚卸し開始」ボタンBTgがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT418おいてNOと判定し、ACT419へと進む。プロセッサ41は、ACT419として、「戻る」ボタンBThがタッチされたか否かを確認する。「戻る」ボタンBThがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT419においてNOと判定し、ACT418へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT418及びACT419において「棚卸し開始」ボタンBTgがタッチされるか「戻る」ボタンBThがタッチされるのを待ち受ける。
ACT418及びACT419の待ち受け状態において、「棚卸し開始」ボタンBTgがタッチされた場合、プロセッサ41は、ACT418においてYESと判定し、ACT420へと進む。ACT420として、プロセッサ41は、カメラ45を起動すると共に、タッチパネル44に棚位置スキャン画面を表示する。
図18は、棚位置スキャン画面SCfの一例である。図示するように棚位置スキャン画面SCfには、二次元コードの読取り領域ARcを示す画像と「戻る」ボタンBTiの画像とが表示されている。
棚位置スキャン画面SCfを確認した消費者は、商品陳列棚に設置された棚位置コードが読取り領域ARc内に収まるように、買物支援装置40に内蔵されたカメラ45のレンズを棚位置コードに翳す。また、棚卸しを終了しようとする消費者は、「戻る」ボタンBTiにタッチする。
棚位置スキャン画面SCfを表示させたプロセッサ41は、ACT421として、カメラ45によって棚位置コードが読み取られたか否かを確認する。棚位置コードが読み取られていない場合、プロセッサ41は、ACT421おいてNOと判定し、ACT422へと進む。プロセッサ41は、ACT422として、「戻る」ボタンBTiがタッチされたか否かを確認する。「戻る」ボタンBTiがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT422においてNOと判定し、ACT421へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT421及びACT422において棚位置コードが読み取られるか「戻る」ボタンBTiがタッチされるのを待ち受ける。
ACT421及びACT422の待ち受け状態において、カメラ45のレンズが二次元コード体系のデータコードに翳されると、プロセッサ41は、カメラ45で撮像されたデータコードの画像から、そのデータコードによってコード化されているデータを解析する。そしてプロセッサ41は、その読み取ったデータコードが棚位置コードであるか否かを確認する。棚位置コードであれば、プロセッサ41は、ACT421においてYESと判定し、図8のACT423へと進む。
ACT423として、プロセッサ41は、読み取った棚位置コードを解析して得たデータである、棚位置を示す棚位置データを管理サーバ20に送信する。その後、プロセッサ41は、ACT424として、管理サーバ20からの応答データとしての数量入力画面を受信するのを待ち受ける。
管理サーバ20のプロセッサ21は、図11に示したACT205乃至ACT207の次の指示を受信待ち受け状態において、棚位置データを受信すると、ACT206においてYESと判定し、ACT213へと進む。
プロセッサ21は、ACT213として、棚位置データで示される商品陳列棚に陳列されている商品の数量を消費者に入力しもらうための数量入力画面を作成する。プロセッサ41は、棚卸ししている消費者確認用に、この数量入力画面に、対象店舗データファイル232の領域75に記述された該当商品の商品名や商品画像を含めることができる。
そしてプロセッサ41は、ACT214として、作成した数量入力画面を棚位置データ送信元の買物支援装置40に送信する。その後、プロセッサ41は、ACT215として、買物支援装置40からの数量入力結果を受信するのを待ち受ける。
買物支援装置40のプロセッサ41は、図8に示したACT424の数量入力画面の受信待ち状態において、管理サーバ20からの数量入力画面を受信すると、ACT422においてYESと判定し、ACT425へと進む。ACT425として、プロセッサ41は、受信した数量入力画面をタッチパネル44に表示する。
図19は、数量入力画面SCgの一例である。図示するように数量入力画面SCgには、読み取った棚位置コードに基づく、棚卸しする商品陳列棚の商品の商品名を示すメッセージと、その商品の商品画像ARdとが表示される。さらに、数量入力画面SCgには、当該商品の数量を入力するための入力領域AReの画像、「入力終了」ボタンBTjの画像、及び「戻る」ボタンBTkの画像が表示されている。プロセッサ41は、入力領域AReの画像がタッチされると、数値入力のためのソフトウェアキーボード、又は、数値選択のためのプルダウンメニューを表示させることができる。
数量入力画面SCgの商品名や商品画像を確認した消費者は、商品陳列棚に陳列された該当商品の個数を数え、入力領域AReの画像をタッチして、数えた個数を示す数値を入力領域AReに入力する。そして、数値入力終了後、消費者は、「入力終了」ボタンBTjにタッチする。また、表示された商品が棚位置データを読み取った商品陳列棚と対応していない場合には、棚位置データの再スキャンのために、消費者は、「戻る」ボタンBTkにタッチする。
数量入力画面SCgを表示させたプロセッサ41は、ACT426として、「入力終了」ボタンBTjがタッチされたか否かを確認する。「入力終了」ボタンBTjがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT426においてNOと判定し、ACT427へと進む。プロセッサ41は、ACT427として、「戻る」ボタンBTkがタッチされたか否かを確認する。「戻る」ボタンBTkがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT427においてNOと判定し、ACT426へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT426及びACT427において「入力終了」ボタンBTjがタッチされるか「戻る」ボタンBTkがタッチされるのを待ち受ける。
ACT426及びACT427の待ち受け状態において、「戻る」ボタンBTkがタッチされると、プロセッサ41は、ACT427においてYESと判定し、図7のACT420へと戻る。即ち、タッチパネル44に棚位置スキャン画面SCfを表示する。
また、ACT426及びACT427の待ち受け状態において、「入力終了」ボタンBTjがタッチされると、プロセッサ41は、ACT426においてYESと判定し、ACT428へと進む。
ACT428として、プロセッサ41は、入力された数値を商品の数量を示す数量入力結果として管理サーバ20に送信する。その後、プロセッサ41は、ACT429として、管理サーバ20からの応答データとしての結果画面を受信するのを待ち受ける。
管理サーバ20のプロセッサ21は、図11に示したACT215の数量入力結果の受信待ち状態において、買物支援装置40からの数量入力結果を受信すると、ACT215においてYESと判定し、ACT216へと進む。
プロセッサ21は、ACT216として、対象店舗データファイル232の領域75における陳列数を、受信した数量入力結果で示される実際に陳列されている商品数量に更新する。また、プロセッサ21は、陳列数のその更新前後の数量差に基づいて、対象店舗データファイル232の領域75における在庫数も更新する。さらに、プロセッサ21は、対象店舗データファイル232の領域75における棚卸し日時を、時計24が計時している現在日時に更新する。そしてプロセッサ41は、こうして更新された対象店舗データファイル232により、補助記憶デバイス23の対応する店舗データファイル232の代わりに保存する。このようにして、プロセッサ21は、補助記憶デバイス23に、商品陳列位置に陳列されている商品の数量に係るデータを含む商品陳列位置情報を登録することができる。
さらにプロセッサ21は、ACT217として、更新された対象店舗データファイル232における領域75のデータを、該当店舗の店舗システム10が備える店舗サーバ11に送信する。この更新された領域75のデータを受信した店舗サーバ11は、図示しない商品データベースの内容を、この受信したデータで更新する。
こうして、店舗システムの店舗サーバ11が備える商品データベースと、管理サーバ20の補助記憶デバイス23に記憶される該当店舗の店舗データファイル232における領域75のデータとが同期される。
また、プロセッサ21は、ACT218として、消費者の棚卸し作業に対する報酬ポイントを付与する。即ち、プロセッサ41は、会員データベース231の当該消費者に紐づけられたデータレコード60のフィールドF63に記憶されているポイント情報に、1ポイント等の規定の報酬ポイントを加算する。
その後、プロセッサ21は、ACT219として、棚卸しによって消費者が獲得したポイントを示す結果画面を作成する。そしてプロセッサ21は、ACT220として、その作成した結果画面を、数量入力結果送信元の買物支援装置40に送信する。その後プロセッサ21は、ACT205乃至ACT207の次の指示を受信待ち受け状態に戻る。
買物支援装置40のプロセッサ41は、図8に示したACT429の結果画面の受信待ち状態において、管理サーバ20からの結果画面を受信すると、ACT429においてYESと判定し、ACT430へと進む。ACT430として、プロセッサ41は、受信した結果画面をタッチパネル44に表示する。
図20は、結果画面SChの一例である。図示するように結果画面SChには、棚卸しによって消費者が獲得したポイントを示す画像と、消費者の棚卸し作業によって取得した情報である、商品名、個数及び棚位置を示す画像と、が表示される。さらに、結果画面SChには、「戻る」ボタンBTlの画像が表示されている。結果画面SChを確認した消費者は、「戻る」ボタンBTlにタッチする。
結果画面SChを表示させたプロセッサ41は、ACT431として、「戻る」ボタンBTlがタッチされるのを待ち受ける。
ACT431の待ち受け状態において、「戻る」ボタンBTlがタッチされると、プロセッサ41は、ACT431においてYESと判定し、図7のACT420へと戻る。即ち、タッチパネル44に棚位置スキャン画面SCfを表示する。
一方、プロセッサ41は、図7のACT418及びACT419の待ち受け状態において、棚指示画面SCeの「戻る」ボタンBThがタッチされると、ACT419においてYESと判定し、ACT432へと進む。またプロセッサ41は、ACT421及びACT422の待ち受け状態において、棚位置スキャン画面SCfの「戻る」ボタンBTiがタッチされると、ACT422においてYESと判定し、ACT432へと進む。
ACT432として、プロセッサ41は、消費者が買物中であるか否か判定する。プロセッサ41は、管理サーバ20へと棚卸し開始コマンドを送信済みであるか否かにより、これを判定することができる。
棚卸し開始コマンドを未だ管理サーバ20へ送信していなければ、プロセッサ41は、消費者は買物中ではないとして、ACT432においてNOと判定する。この場合、プロセッサ41は、図6のACT407へと進む。即ち、プロセッサ41は、タッチパネル44にチェックイン完了画面SCcを表示する。
これに対して、棚卸し開始コマンドを管理サーバ20へ送信してしまっている場合には、プロセッサ41は、消費者は買物中であるとして、ACT432においてYESと判定し、ACT433へと進む。
プロセッサ41は、ACT433として、棚卸し終了コマンドを管理サーバ20へと送信する。その後、プロセッサ41は、図6のACT410へと進む。即ち、プロセッサ41は、タッチパネル44に登録リスト画面SCdを表示する。
管理サーバ20のプロセッサ21は、図11に示したACT205乃至ACT207の次の指示を受信待ち受け状態において、買物支援装置40から棚卸し終了コマンドを受信すると、ACT207においてYESと判定する。プロセッサ21は、このYES判定により、図11に示す処理を終了する。
また、買物支援装置40のプロセッサ21は、買物中のACT411乃至ACT413の待ち受け状態において、登録リスト画面SCdの「商品スキャン」ボタンBTeがタッチされた場合、ACT411においてYESと判定し、図9のACT434へと進む。プロセッサ41は、ACT434として、カメラ45を起動すると共に、タッチパネル44に登録画面を表示する。
図21は、登録画面SCiの一例である。図示するように登録画面SCiには、二次元コードの読取り領域ARfを示す画像と「戻る」ボタンBTmの画像とが表示されている。
買物を開始した消費者は、購入商品を買物かご又はショッピングカート等の収容体に収容する際に、その購入商品に付されているバーコードが読取り領域ARf内に収まるように、バーコードにカメラ45のレンズを翳す。そうすると、カメラ45によってそのバーコードがスキャニングされる。バーコードは、購入商品の商品コードを含む。また、購入商品の登録を中止しようとする消費者は、「戻る」ボタンBTmにタッチする。
登録画面SCiを表示させたプロセッサ41は、ACT435としてカメラ45によってデータコードが読み取られたか否かを確認する。データコードが読み取られていない場合、プロセッサ41は、ACT435においてNOと判定し、ACT436へと進む。プロセッサ41は、ACT436として「戻る」ボタンBTmがタッチされたか否かを確認する。「戻る」ボタンBTmがタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT436においてNOと判定し、ACT435へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT335及びACT436においてデータコードが読み取られるか、「戻る」ボタンBTmがタッチされるのを待ち受ける。
ACT335及びACT436の待ち受け状態において、「戻る」ボタンBTmがタッチされると、プロセッサ41は、ACT436においてYESと判定し、図6の410に戻る。これにより、タッチパネル44の表示は、登録リスト画面SCdに戻る。
これに対して、ACT335及びACT436の待ち受け状態において、カメラ45によってデータコードが読み取られた場合、プロセッサ41は、ACT435においてYESと判定し、ACT437へと進む。プロセッサ41は、ACT437としてそのデータコードを解析する。そしてプロセッサ41は、ACT437としてデータコードが商品コードであるか否かを確認する。データコードが商品コードである場合、プロセッサ41は、ACT437においてYESと判定し、ACT438へと進む。プロセッサ41は、ACT438として、その商品コードで示される商品を、購入商品として登録する。そしてプロセッサ41は、図6のACT410へ進み、登録リスト画面SCdをタッチパネル44に表示する。
具体的には、プロセッサ41は、無線通信を利用して店舗システム10に商品コードを送信する。例えば、プロセッサ41は、店舗設定テーブル432に設定されているパラメータを利用して、店内のLANを経由して商品コードのデータが店舗システム10へと送信されるように無線ユニット46を制御する。この場合、商品コードのデータは、アクセスポイント15で受信され、仮想POSサーバ12に取り込まれる。あるいは、プロセッサ41は、店舗設定テーブル432に設定されているパラメータを利用して、管理サーバ20を経由して商品コードのデータが店舗システム10へと送信されるように通信インタフェース48を制御する。この場合、商品コードのデータは、通信サーバ13で受信され、仮想POSサーバ12に取り込まれる。
商品コードのデータを取り込んだ仮想POSサーバ12は、その商品コードで特定される商品の商品名、価格等の商品データを店舗サーバ11の商品データベースから取得する。あるいは仮想POSサーバ12は、店舗サーバ11の商品データベースを仮想POSサーバ12にコピーしたローカルの商品データベースから商品データを取得する。仮想POSサーバ12は、取得した商品データを基に購入商品の販売データを生成し、当該買物支援装置40における買物支援アプリケーションプログラム431の識別コードが設定された商品登録テーブルに登録する。また、仮想POSサーバ12は、商品登録テーブルに登録されたデータを基に登録リスト画面SCdのデータを作成し、当該買物支援装置40へと送信する。この場合も、登録リスト画面SCdのデータは、アクセスポイント15を経由して、又は、管理サーバ20を介して、買物支援装置40へと送信される。かくして買物支援装置40のプロセッサ41は、タッチパネル44に表示する登録リスト画面SCdを更新する。
図22は、こうして更新された登録リスト画面SCdを示す。
ところで、ACT435及びACT436の待ち受け状態において、消費者が商品コードでなく退店用データコード52をカメラ45で読み取る可能性がある。そこでプロセッサ41は、カメラ45で読み取ったデータコードが商品コードでないとき、ACT437においてNOと判定し、ACT439へと進む。プロセッサ41は、ACT439として退店用データコード52が読み取られたか否かを確認する。そして退店用データコード52が読み取られたと確認した場合、プロセッサ41は、ACT439においてYESと判定し、ACT440へと進む。プロセッサ41は、ACT440として未会計の警告を行う。例えばプロセッサ41は、タッチパネル44に未会計警告画面を表示して、会計が済んでいないことを警告する。またプロセッサ41は、ACT440として店舗サーバ11宛に警告信号を発信するように無線ユニット46を制御する。この制御により無線ユニット46から警告信号が無線送信される。警告信号は、無線LAN経由で送信されてアクセスポイント15で受信され、店舗サーバ11へと送られる。警告信号を受信した店舗サーバ11は、例えば店員がオペレータであるクライアント端末に対して警告信号を出力し、クライアント端末から未会計エラーの警告を発するようにする。
警告信号の送信を制御したプロセッサ41は、図6の410に戻って、タッチパネル44に登録リスト画面SCdを表示する。
また、図6のACT411乃至ACT413の待ち受け状態において「会計」ボタンBTfがタッチされると、プロセッサ41は、ACT413においてYESと判定し、図10のACT441へと進む。プロセッサ41は、ACT441としてタッチパネル44に会計画面を表示する。
図23は、会計画面SCjの一例である。図示するように会計画面SCjには、購入商品の合計点数、及び合計金額が表示される。合計点数及び合計金額は、仮想POSサーバ12において当該買物支援装置40における買物支援アプリケーションプログラム431の識別コードが設定された商品登録テーブルのデータから算出された値である。また、会計画面SCjには、支払方法として、モバイル決済を選択するための「モバイル決済」ボタンBTnと、会計機決済を選択するための「会計機決済」ボタンBToとがある。なお、店舗設定テーブル432に記憶されている入店用データコード51に基づく設定情報に、当該店舗がモバイル決済を採用しない店舗であることが記載されていた場合には、ボタンBTgは表示されない。あるいはボタンBTgは、非活性化される。さらに、会計画面SCjには、買物支援装置40に対してポイントカードのカード番号が登録されている場合に限り、そのカード番号と現在までの累積ポイントとが表示される。累積ポイントは、仮想POSサーバ12において、管理サーバ20に問合わせることで取得される、会員データベース231の該当するデータレコード60のフィールドF63にセットされているポイント情報とすることかできる。
会計画面SCjを確認した消費者は、モバイル決済で購入商品の代金を支払う場合には、「モバイル決済」ボタンBTnにタッチする。会計機14で決済を行う消費者は、「会計機決済」ボタンBToにタッチする。
会計画面SCjの表示を制御したプロセッサ41は、ACT442としてモバイル決済が選択されるか会計機決済が選択されるのを待ち受ける。即ちプロセッサ41は、「モバイル決済」ボタンBTnがタッチされるか、「会計機決済」ボタンBToがタッチされるのを待ち受ける。「会計機決済」ボタンBToがタッチされた場合、即ち会計機決済が選択された場合には、プロセッサ41は、ACT442においてYESと判定し、ACT443へと進む。プロセッサ41は、ACT443として会計機決済処理を実行する。これに対し、「モバイル決済」ボタンBTnがタッチされた場合、即ちモバイル決済が選択された場合には、プロセッサ41は、ACT442においてNOと判定し、ACT444へと進む。プロセッサ41は、ACT444としてモバイル決済処理を実行する。
会計機決済処理及びモバイル決済処理は何れも周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。なお、買物支援装置40に対してポイントカードのカード番号が登録されていた場合には、例えば買上金額に対して算出されるポイントが累積ポイントに加算される。
会計機決済処理又はモバイル決済処理を終了すると、プロセッサ41は、ACT445へと進む。プロセッサ41は、ACT445としてタッチパネル44にチェックアウト画面を表示する。
図24は、チェックアウト画面SCkの一例である。図示するようにチェックアウト画面SCkには、退店用の二次元コードをスキャンすることを指令するメッセージと共に、「はい」ボタンBTpの画像が表示されている。チェックアウト画面SCkを確認した消費者は、「はい」ボタンBTpにタッチする。
プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により、チェックアウト画面SCkの「はい」ボタンBTpがタッチされたことを検知すると、ACT446としてタッチパネル44にカメラ画面を表示する。このカメラ画面は、入店時のカメラ画面SCbの表題が「チェックイン」から「チェックアウト」に代わるだけで、同様のものである。カメラ画面を確認した消費者は、店舗の出口に用意された退店用データコード52が読取り領域ARa内に収まるように、買物支援装置40に内蔵されたカメラ45のレンズを退店用データコード52に翳す。
カメラ画面SCbを表示させたプロセッサ41は、ACT447として、カメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。二次元コード体系のデータコードが読取り領域ARa内に収まると、プロセッサ41は、データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ41は、ACT447においてYESと判定し、ACT448へと進む。
プロセッサ41は、ACT448として、カメラ45で撮像されたデータコードの画像から、そのデータコードによってコード化されているデータを解析する。そしてプロセッサ41は、ACT448として読み取ったデータコードが退店用データコード52であるか否かを判別する。
カメラ45で読み取ったデータコードが退店用データコード52以外である場合、プロセッサ41は、ACT448においてNOと判定し、ACT447へと戻る。プロセッサ41は再度、カメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
カメラ45で読み取ったデータコードが、退店用データコード52であった場合、プロセッサ41は、ACT448においてYESと判定し、ACT449へと進む。プロセッサ41は、ACT449として、店舗設定テーブル432に記述されている設定情報をクリアする。
以上で、プロセッサ41は、この情報処理を終了する。
以上のように本実施形態の棚卸しシステムは、店舗内の顧客である消費者が操作する顧客端末としての買物支援装置40と、店舗の商品を管理するデータ処理装置としての管理サーバ20と、を備える棚卸しシステム1であって、買物支援装置40のプロセッサ41は、宣言手段、受付手段及び送信手段として機能し、管理サーバ20のプロセッサ21は、指定手段及び登録手段として機能する。即ち、買物支援装置40のプロセッサ41は、消費者のタッチパネル44の操作に応じて、管理サーバ20に対して、店舗内の商品の棚卸しを行うことを宣言し、管理サーバ20から、棚卸しを行うべき商品陳列位置の指定を受け付け、消費者のタッチパネル44の操作による商品陳列位置に陳列されている商品の少なくとも数量に係るデータの入力を受けて、その入力された前記データを無線ユニット46又は通信インタフェース48により管理サーバ20へ送信する。また、管理サーバ20のプロセッサ21は、買物支援装置40からの宣言に応答して、買物支援装置40に対し、棚卸しを行うべき商品陳列位置を指定し、買物支援装置40から送信されてくる、商品陳列位置に陳列されている商品の少なくとも数量に係るデータを受信し、そのデータを含む商品陳列位置情報を登録する。
このように、棚卸し作業を店員等の従業員ではなく店舗に来店した消費者に行ってもらうことが可能となるので、店舗の従業員の棚卸し作業量を軽減することができる。
また、本実施形態の棚卸しシステムでは、管理サーバ20のプロセッサ21は、消費者の購入履歴、年齢、性別等の予め決められた条件に基づいて、棚卸しを行うべき複数の商品陳列位置の中から、消費者が棚卸しするべき商品陳列位置を決定する。
よって、消費者に相応しくない商品の棚卸しを防止することができる。
また、本実施形態の棚卸しシステムでは、管理サーバ20は、少なくとも、消費者が過去に購入した商品の履歴情報を記憶する記憶手段である会員データベース231をさらに備え、管理サーバ20のプロセッサ21は、その履歴情報に基づいて、指定する商品陳列位置を決定する。
よって、消費者が過去に購入した商品の棚卸しを行わせることで、消費者としては棚卸しする位置を容易に判別できる。また、店舗としては、過去に購入した商品の位置に消費者を導くことができることで、再購入を促す手助けとなる。
また、本実施形態の棚卸しシステムでは、管理サーバ20のプロセッサ21は、商品陳列位置に陳列されている商品の少なくとも数量に係る前記データの送信元である買物支援装置40に対し、特典を付与する付与手段として機能する。
このように、消費者による棚卸しに特典を付与することで、消費者に棚卸しを実施しようとする動機を与えることができる。
また、本実施形態のデータ処理装置としての管理サーバ20のプロセッサ21は、受信手段、決定手段、送信手段及び登録手段として機能する。即ち、管理サーバ20のプロセッサ21は、通信インタフェース25により、店舗の店員等の従業員が操作する従業員端末としての専用のハンディーターミナル、又は、店舗内の顧客である消費者が操作する顧客端末である買物支援装置40から、店舗内の商品の棚卸しを行うことの宣言を受信する。この宣言を受信すると、プロセッサ21は、その受信した宣言が、買物支援装置40からの宣言であるか否か判定し、買物支援装置40からの宣言であるとき、例えば会員データベース231に登録されている消費者の購入履歴、年齢、性別等の予め決められた条件に基づいて、消費者が棚卸しを行うべき商品の商品陳列位置を決定し、その決定した棚卸しを行うべき商品陳列位置を、通信インタフェース25により買物支援装置40へ送信する。そして、プロセッサ21は、買物支援装置40から送信されてくる、商品陳列位置に陳列されている商品の少なくとも数量に係るデータを通信インタフェース25により受信し、そのデータを含む商品陳列位置情報を店舗データファイル232に登録する。
このように、棚卸し作業を店員等の従業員ではなく店舗に来店した消費者に行ってもらうことが可能となるので、店舗の従業員の棚卸し作業量を軽減することができる。
以上、棚卸しシステムの実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
前記実施形態では、管理サーバ20がデータ処理装置として機能している。管理サーバ20と接続されない店舗システム10では、店舗サーバ11がデータ処理装置として機能しても良い。この場合、店舗サーバ11は、会員データベース231と、店舗データファイル232を備える。但し、店舗データファイル232は、企業コード及び店舗コードを含まなくて良い。
また、前記実施形態では、消費者に棚卸しを依頼する更新対象棚位置を、更新要棚位置の中から会員購入履歴情報に基づいて絞り込むことで決定している。更新対象棚位置は、消費者の年齢や性別、消費者の現在位置、等の商品購入履歴以外の条件に基づいて絞り込んでも良い。
さらに、前記実施形態では、「棚卸し」ボタンBTc,BTdのタッチにより申請した消費者であれば、何時でも、また、誰でも、棚卸しできるようにしている。この消費者による棚卸しには、回数や期間等による制限、年齢制限といった、何らかの制限を設けても良い。
また、前記実施形態では、棚位置と商品は予め関連付けられており、消費者は、棚位置コードをスキャンすれば商品コードはスキャンする必要が無く、商品個数だけを入力すれば良いものとしている。このような棚位置と商品の関連付けが無い場合には、消費者に、棚位置コードに加えて商品コードもスキャンしてもらうようにしても良い。この場合には、付与する特典を加算することも考えられる。
また、前記実施形態では、更新対象棚位置を商品陳列棚の棚位置により指定している。更新対象棚位置は、商品が陳列されている棚の段数等を含めても良い。例えば、商品陳列棚の上から2段目の棚に陳列されている商品については、「上から2段目」という情報をスキャン棚位置マークMAbと共に表示することによって、より的確に商品の陳列場所を消費者に通知することができる。
また、前記実施形態では、指定の棚位置の商品陳列棚に複数の商品が陳列されている場合であっても、一個の商品の登録毎に特典を付与する。指定の棚位置の商品陳列棚に複数の商品が陳列されている場合、その棚位置の全ての商品の登録完了を条件に、特典を付与するようにしても良い。あるいは、一個の商品の登録毎に特典を付与し、全ての商品の登録を行った場合にはボーナス特典を付与するようにしても良い。
また、前記実施形態では、店内マップ画像を二次元画像としている。店内マップ画像は、三次元画像としても良い。
また、前記実施形態では、買物支援装置40の現在地を認識する認識手段としてビーコンを利用している。認識手段は、ビーコンを利用した技術に限定されない。例えば、GPS(Global Positioning System)を利用して、買物支援装置40の現在地を認識しても良い。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。