以下、個人所有の通信端末を店舗のサーバと正しく接続することができ、その通信端末をセルフ登録のユーザ端末として利用することができる商品販売処理システム及びこのシステムに用いられる商品販売処理装置とその制御プログラム、並びに商品販売処理方法の一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る商品販売処理システム1の概略構成図である。商品販売処理システム1は、商品販売処理装置2と、ユーザ端末3とを含む。商品販売処理装置2は、店舗サーバ21、仮想POSサーバ22、通信サーバ23、会計機24及びアクセスポイント25を有し、これらを有線LAN(Local Area Network)26で接続している。商品販売処理装置2は、本実施形態に係る商品販売処理方法に則ってユーザ端末3を店舗サーバ21、仮想POSサーバ22等に正しく接続し、そのユーザ端末3を用いたセルフ登録を可能とする装置である。なお、図示してはいないが、商品販売処理装置2は、一度に複数台のユーザ端末3を店舗サーバ21、仮想POSサーバ22等と接続して、各ユーザ端末3を用いたセルフ登録を可能とするものである。
店舗サーバ21は、店舗業務全般を支援するコンピュータである。仮想POSサーバ22は、ユーザ端末3と協働することで、周知のPOS端末が動作しているかのように見せかけるための支援を行うコンピュータである。通信サーバ23は、ネットワーク4を通じて外部システムとの間で行うデータ通信を支援するためのサーバである。
会計機24は、買上商品を決済するための端末である。決済方法は、特に限定されない。現金決済、クレジットカード決済、電子マネー決済等、周知の決済方法を利用することができる。
会計機24は、買上商品の登録機能を有していてもよい。例えば、会計機24に接続されたスキャナで買上商品のバーコードが読み取られると、会計機24は、店舗サーバ21にそのバーコードに含まれる商品コードで問合せを行う。この問合せにより、店舗サーバ21は、後述する商品マスタファイル61(図5を参照)から当該商品コードで識別される商品の商品名、価格等の商品データを呼出し、会計機24へ応答出力するので、会計機24は、その商品データを基に買上商品の販売データを登録する。そして会計機24は、この買上商品について決済を行う。
このような会計機24としては、店員が決済のための情報を入力するようにした有人会計機と、消費者が決済のための情報を入力するようにしたセルフ会計機とがある。商品販売処理装置2は、有人会計機とセルフ会計機の双方を備えていてもよいし、いずれか一方だけを備えていてもよい。有人会計機としては、従来周知のPOS端末を適用することができる。セルフ会計機としては、従来周知のセルフ式又はセミセルフ方式の会計機を適用することができる。
アクセスポイント25は、商品販売処理装置2の各サーバ(店舗サーバ21、仮想POSサーバ22、通信サーバ23等)がユーザ端末3と無線LANを介してデータ通信を行う際の中継拠点として店舗内に設置された通信設備である。無線LANは、例えばWi-Fi(登録商標)の規格に準拠したものである。なお、図1では、アクセスポイント25を1つだけ示しているが、アクセスポイント25の数は限定されない。店舗の規模等により複数のアクセスポイント25が有線LAN26に接続されていてもよい。
かかる構成の商品販売処理装置2は、消費者が個人で所有するスマートフォン等の通信端末をユーザ端末3として、買上商品のセルフ登録を可能にした複数の店舗にそれぞれ備えられる。あるいはショッピングカートに取り付けられた店舗所有のタブレット端末等の通信端末をユーザ端末として買上商品のセルフ登録を可能にした店舗に備えられていてもよい。この場合、その店舗では、個人所有の通信端末と店舗所有の通信端末とをユーザ端末として併用することができる。
ユーザ端末3は、携帯型の通信端末である。ユーザ端末3は、詳細については後述するが、少なくとも二次元コード体系のデータコード5を読み取るためのハードウェアを有している。例えばデジタルカメラを搭載した市販のスマートフォン、タブレット端末等がユーザ端末3として利用できる。本実施形態では、消費者が個人的に所有するスマートフォン等の通信端末をユーザ端末3として利用する。
データコード5は、店舗毎に用意された媒体の一種である。データコード5は、例えば店舗の入口に用意されている。データコード5は、店舗又はその店舗を運営する企業体特有の店舗設定情報50(図2を参照)を、所定の二次元コード体系でコード化したものである。店舗設定情報50の項目は、店舗に関わらず共通である。店舗毎に各項目の情報が異なる。
図2は、店舗設定情報50のデータ構造を示す模式図である。図2に示すように店舗設定情報50は、入店フラグ、企業コード、店舗コード、無線接続情報及び制御情報を含む。
入店フラグは、二次元コード体系のデータコードが入店用のデータコード5であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、入店用のデータコード5の入店フラグを“1”とする。
企業コードは、データコード5を用意した店舗を運営する企業体を識別するために企業体毎に設定された企業体識別データである。店舗コードは、データコード5を用意した店舗を識別するために店舗毎に設定された店舗識別データである。なお、店舗コードは、異なる企業体間において重複することを妨げるものではない。
無線接続情報は、企業コードと店舗コードとによって特定される店舗の商品販売処理装置2とユーザ端末3とが無線通信によって接続するために必要な情報である。例えばアクセスポイント25の識別名であるSSID(Service Set Identifier)、店舗内の無線LANに設定されたパスワード、店舗内の無線LANに設定されたセキュリティ方式(WPA2-PSK、WPA-PSK、WEP等)の暗号鍵を示すデータ等が無線接続情報に含まれる。
制御情報は、ユーザ端末3の動作をコントロールするために必要な情報である。例えば、無線LANによる通信がエラーとなるまでのタイムアウト時間、エラーとなったときのリトライ回数等、バッテリチェックのための閾値等である。閾値は、ユーザ端末3のバッテリの残量が当該閾値以下であった場合、買物の途中でバッテリ切れが生じるおそれがあるため、ユーザ端末3の使用を禁止するべく設定された任意の値である。
図3は、ユーザ端末3の要部回路構成を示すブロック図である。図3に示すようにユーザ端末3は、プロセッサ31、内蔵メモリ32、外部メモリ33、タッチパネル34、カメラ35、無線ユニット36、通信インターフェース(I/F)37及びシステム伝送路38を備えている。またユーザ端末3は、駆動源として充電式のバッテリ39を搭載している。
システム伝送路38は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。ユーザ端末3は、システム伝送路38に、プロセッサ31、内蔵メモリ32、外部メモリ33、タッチパネル34、カメラ35、無線ユニット36及び通信インターフェース37を接続する。ユーザ端末3では、プロセッサ31、内蔵メモリ32及び外部メモリ33と、これらを接続するシステム伝送路38とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、ユーザ端末3としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
内蔵メモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。内蔵メモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。内蔵メモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。内蔵メモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。また内蔵メモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
外部メモリ33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばSDメモリカード、USBメモリ等が外部メモリ33となり得る。外部メモリ33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。外部メモリ33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
タッチパネル34は、ユーザ端末3の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル34は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ31に出力する。
カメラ35は、ユーザ端末3に内蔵された撮像デバイスである。カメラ35は、ユーザ端末3にインストールされたアプリケーションプログラムにより、静止画又は動画の撮影装置として、あるいはバーコード、二次元コード等のデータコードのスキャニング装置として動作する。カメラ35は、コードリーダの一例である。
無線ユニット36は、アクセスポイント25との間で無線LANの通信プロトコルに従いデータ通信を行うための回路である。
通信インターフェース37は、インターネットまたはモバイル通信網を介して接続される外部機器との間でデータ通信を行うための回路である。
かかる構成のユーザ端末3は、内蔵メモリ32又は外部メモリ33に記憶されるアプリケーションプログラムとして、商品販売処理システム1が導入された店舗での買物の際に使用される買物支援プログラムを記憶している。買物支援プログラムを内蔵メモリ32又は外部メモリ33にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、買物支援プログラムを内蔵メモリ32又は外部メモリ33にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
ユーザ端末3は、内蔵メモリ32における不揮発性のメモリ領域において、端末IDを記憶している。端末IDは、各ユーザ端末3を個々に識別するためにユーザ端末3毎に設定された端末識別データである。またユーザ端末3は、内蔵メモリ32における揮発性のメモリ領域の一部を店舗設定情報50の領域321としている。領域321には、カメラ35によって撮影されたデータコードの画像から解析して得られる店舗設定情報50が選択的に記憶される。
ユーザ端末3は、外部メモリ33におけるメモリ領域の一部を管理テーブル331としている。管理テーブル331は、消費者と関連付けられた識別情報を、その消費者の個人所有のユーザ端末3で買上商品のセルフ登録を可能とした店舗で利用可能か否かを管理するためのデータテーブルである。識別情報としては、例えばクレジットカードの識別情報、会員カードの識別情報、電子レシート利用者の識別情報等がある。
図4は、管理テーブル331の構成を示す模式図である。図4に示すように管理テーブル331は、種別の第1フィールドF1と、識別情報の第2フィールドF2と、設定フラグの第3フィールドF3とで構成される。第3フィールドF3は、コードAn(nは1、2,3、…)別に複数設けられている。図4では、コードA1~A6の6つの第3フィールドF3が設けられた管理テーブル331を例示している。
コードAnは、企業コードと店舗コードとを組み合わせたコードである。例えば企業コードが「001」で店舗コードが「0001」の場合、コードAnは「0010001」となる。あるいはコードAnは「0001001」であってもよい。以下では、コードAnを組合せコードAnと称する。
第1フィールドF1に記憶されるデータは、本実施形態では、“C”、“P”又は”R”とする。データ“C”は、クレジットカードを表す。データ“P”は、ポイントカードを表す。データ“R”は、電子レシート利用者を表す。
第2フィールドF2に記憶されるデータは、対応する第1フィールドF1に記憶されたデータによって定まる。具体的には、第1フィールドF1に記憶されたデータが“C”であった場合、それに対応した第2フィールドF2には、クレジットカードの識別情報が記憶される。クレジットカードの識別情報はカード番号であってもよいし、クレジットカードを連携する際に設定される連携IDであってもよい。
クレジットカードには、信販会社が発行する信販系カード、銀行が発行する銀行系カード、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の流通業が発行する流通系カード等がある。いずれのカードも、店舗によって使用できるか否かが定められている。クレジットカード決済を許容する店舗の通信サーバ23は、ネットワーク4を介してクレジットカード発行会社又は管理会社のサーバと接続されている。
第1フィールドF1に記憶されたデータが“P”であった場合、それに対応した第2フィールドF2には、会員カードの識別情報が記憶される。会員カードの識別情報は、例えばカード番号である。
会員カードは、店舗から提供されるサービスを受けるために会員となった消費者に対して発行されるカードである。サービスとしては、ポイントサービス、割引サービス等がある。会員カードは、発行元である店舗若しくはその店舗を運営する企業体に属する他の店舗で使用できる。あるいは会員カードは、サービスを運営する企業に加盟した店舗で使用できる。
第1フィールドF1に記憶されたデータが“R”であった場合、それに対応した第2フィールドF2には、電子レシート利用者の識別情報が記憶される。電子レシート利用者の識別情報は、電子レシートサービスのアプリケーションプログラムをダウンロードした消費者の通信端末を特定するための電子レシートIDである。以下では、電子レシートサービスのアプリケーションプログラムを電子レシートアプリと称する。
レシートを電子レシートとして受け取りたい消費者は、スマートフォン等の通信端末に電子レシートアプリをダウンロードする。そうすると、通信端末に対して新規の電子レシートIDが設定される。消費者は、電子レシートサービスを提供する店舗での買物の際には、店舗側に電子レシートIDを提示することによって、レシートを電子レシートとして受け取ることができる。電子レシートサービスを提供する店舗の通信サーバ23は、ネットワーク4を介して電子レシートサービス運営会社のサーバ、いわゆる電子レシートサーバと接続されている。通信サーバ23は、電子レシートIDで提示された取引のレシートデータに当該電子レシートIDを付加して電子レシートサーバへと送信する。消費者は、通信端末を操作してインターネット経由で電子レシートサーバにアクセスし、電子レシートIDを通知することによって、当該電子レシートIDが付加されたレシートデータを通信端末で閲覧することができる。
クレジットカードを所有している消費者は、そのクレジットカードの識別情報を管理テーブル331に設定するための操作を行う。この操作により、当該クレジットカードの識別情報は、種別“R”とともに管理テーブル331の第1フィールドF1及び第2フィールドF2に設定される。そして第3フィールドF3においては、当該クレジットカードを使用可能な店舗の店舗コードと企業コードとの組合せコードAnに対応した設定フラグが有効を示す“1”となり、他の組合せコードAnに対応した設定フラグが無効を示す“0”となる。
会員カードを所有している消費者は、その会員カードの識別情報を管理テーブル331に設定するための操作を行う。この操作により、当該会員カードの識別情報は、種別“P”とともに管理テーブル331の第1フィールドF1及び第2フィールドF2に設定される。そして第3フィールドF3においては、当該会員カードを使用可能な店舗の店舗コードと企業コードとの組合せコードAnに対応した設定フラグが“1”となり、他の組合せコードAnに対応した設定フラグが“0”となる。
電子レシートIDを取得している消費者は、その電子レシートIDを管理テーブル331に設定するための操作を行う。この操作により、当該電子レシートIDは、種別“R”とともに管理テーブル331の第1フィールドF1及び第2フィールドF2に設定される。そして第3フィールドF3においては、電子レシートサービスを提供する店舗の店舗コードと企業コードとの組合せコードAnに対応した設定フラグが“1”となり、他の組合せコードAnに対応した設定フラグが“0”となる。
なお、管理テーブル331に各種識別情報を設定するための操作については、特に限定されない。消費者が、ユーザ端末3を操作して設定してもよいし、ユーザ端末3を接続したパソコン等を操作して設定してもよい。また、設定フラグについては、例えば店舗サーバ21がアクセスポイント25を介して無線で接続されたユーザ端末3から管理テーブル331のデータを参照する。そして店舗サーバ21は、当該店舗サーバ21が設置されている店舗の店舗IDと企業IDとの組合せコードAnに属する設定フラグのうち、当該店舗で使用可能な識別情報に対応した設定フラグを“1”とし、使用不可能な識別情報に対応した設定フラグを“0”とする。こうすることにより、ユーザ端末3の外部メモリ33には、図4に示すような管理テーブル331が作成されることとなる。
図5は、店舗サーバ21の要部回路構成を示すブロック図である。店舗サーバ21は、プロセッサ211、メインメモリ212、補助記憶デバイス213、通信インターフェース214及びシステム伝送路215を備える。システム伝送路215は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。店舗サーバ21は、システム伝送路215に、プロセッサ211、メインメモリ212、補助記憶デバイス213、通信インターフェース214を接続する。店舗サーバ21では、プロセッサ211、メインメモリ212及び補助記憶デバイス213と、これらを接続するシステム伝送路215とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ211は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ211は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、店舗サーバ21としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ211は、例えばCPUである。
メインメモリ212は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ212は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ212は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ212は、プロセッサ211が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ212は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ211によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
補助記憶デバイス213は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス213となり得る。補助記憶デバイス213は、プロセッサ211が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ211での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス213は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
メインメモリ212又は補助記憶デバイス213に記憶されるアプリケーションプログラムには、店舗サーバ21で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ212又は補助記憶デバイス213にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ212又は補助記憶デバイス213にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
通信インターフェース214は、有線LAN26を接続する。通信インターフェース214は、有線LAN26を通じて、仮想POSサーバ22、通信サーバ23、会計機24及びアクセスポイント25との間でデータの送受信を行う。
店舗サーバ21のプロセッサ211は、通信インターフェース214を通じてアクセスポイント25に無線で接続されたユーザ端末3とデータの送受信を行うことができる。ここに通信インターフェース214は、消費者が所有するユーザ端末3と無線通信を利用して接続する通信手段として機能する。
かかる構成の店舗サーバ21は、メインメモリ212における不揮発性のメモリ領域において、当該店舗サーバ21を管理する店舗の店舗コードと当該店舗を運営する企業体の企業コードとを記憶している。
また、店舗サーバ21は、補助記憶デバイス213において、商品マスタファイル61を記憶している。商品マスタファイル61は、店舗で販売されている商品のデータを記述した商品レコードの集合体である。商品レコードには、商品コード、価格、商品名等の商品データが記述されている。商品コードは、商品を個々に識別するために商品毎に設定された商品識別データである。各商品には、通常、商品コードを表したバーコードが付されている。
図6は、仮想POSサーバ22の要部回路構成を示すブロック図である。仮想POSサーバ22は、プロセッサ221、メインメモリ222、補助記憶デバイス223、通信インターフェース224及びシステム伝送路225を備える。システム伝送路225は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。仮想POSサーバ22は、システム伝送路225に、プロセッサ221、メインメモリ222、補助記憶デバイス223、通信インターフェース224を接続する。仮想POSサーバ22では、プロセッサ221、メインメモリ222及び補助記憶デバイス223と、これらを接続するシステム伝送路225とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ221は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ221は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、仮想POSサーバ22としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ221は、例えばCPUである。
メインメモリ222は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ222は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ222は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ222は、プロセッサ221が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ222は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ221によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
補助記憶デバイス223は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス223となり得る。補助記憶デバイス223は、プロセッサ221が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ221での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス223は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
メインメモリ222又は補助記憶デバイス223に記憶されるアプリケーションプログラムには、仮想POSサーバ22で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ222又は補助記憶デバイス223にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ222又は補助記憶デバイス223にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
通信インターフェース224は、有線LAN26を接続する。通信インターフェース224は、有線LAN26を通じて、店舗サーバ21、通信サーバ23、会計機24及びアクセスポイント25との間でデータの送受信を行う。
仮想POSサーバ22のプロセッサ221は、通信インターフェース224を通じてアクセスポイント25に無線で接続されたユーザ端末3とデータの送受信を行うことができる。ここに通信インターフェース224は、消費者が所有するユーザ端末3と無線通信を利用して接続する通信手段として機能する。
かかる構成の仮想POSサーバ22は、メインメモリ222における揮発性のメモリ領域の一部を、登録テーブル70の作成領域としている。登録テーブル70は、通信手段を介して接続されているユーザ端末3毎に作成される。登録テーブル70は、そのユーザ端末3によってセルフ登録された商品の販売データ等を蓄積するためのデータテーブルである。
また、仮想POSサーバ22は、補助記憶デバイス223において、商品ファイル62を記憶している。商品ファイル62には、商品マスタファイル61に記憶されている商品レコードの少なくとも商品名と単価とがコピーされている。そして、商品マスタファイル61に記憶されている商品レコードの例えば単価が変更される毎に、商品ファイル62に記憶された商品レコードもリアルタイムで更新されるようになっている。なお、商品マスタファイル61に記憶されている商品レコードの更新方法については周知であるので、ここでの説明は省略する。
ここに、商品ファイル62は、商品識別データと関連付けて、当該商品識別データで識別される商品の名称,価格を含む商品データを記憶した記憶部を構成する。また、商品マスタファイル61は、商品ファイル62に記憶されている商品データを少なくとも記憶してなるマスタ記憶部を構成する。
図7乃至図9は、ユーザ端末3のプロセッサ31が、買物支援プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図10及び図13は、店舗サーバ21のプロセッサ211が、メインメモリ212または補助記憶デバイス213で記憶した制御プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図11及び図12は、仮想POSサーバ22のプロセッサ221が、メインメモリ222または補助記憶デバイス223で記憶した制御プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。また、図14乃至図22は、ユーザ端末3のタッチパネル34に表示される各種画面の一例を示す模式図である。以下、これらの図を用いて商品販売処理装置2とユーザ端末3を含む商品販売処理システム1の主要な動作について説明する。この動作説明により、商品販売処理装置2の商品販売処理方法が明らかになろう。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その動作手順及び動作の内容は特に限定されるものではない。
消費者は、商品販売処理システム1が導入された店舗に出向くと、買物を開始する前に、ユーザ端末3にインストールされている買物支援プログラムを起動する。そうすると、プロセッサ31は、図7乃至図9に流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ず、プロセッサ31は、ACT101としてチェックイン画面SC1(図14を参照)が表示されるようにタッチパネル34を制御する。
図14は、チェックイン画面SC1の一例である。図14に示すようにチェックイン画面SC1には、入店用の二次元コードをスキャンすることを指令するメッセージととともに、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT1の画像が表示されている。チェックイン画面SC1を確認した消費者は、「はい」ボタンBT1にタッチする。
プロセッサ31は、タッチパネル34からの信号により、チェックイン画面SC1の「はい」ボタンBT1がタッチされたことを検知すると、ACT102としてカメラ35を起動する。そしてプロセッサ31は、ACT103としてカメラ画面SC2(図15を参照)が表示されるようにタッチパネル34を制御する。
図15は、カメラ画面SC2の一例である。図15に示すようにカメラ画面SC2には、二次元コードの読取り領域を示す画像AR1が表示されている。カメラ画面SC2を確認した消費者は、店舗の入口に用意されたデータコード5が画像AR1内に収まるように、ユーザ端末3に内蔵されたカメラ35のレンズをデータコード5に翳す。
カメラ画面SC2を表示させたプロセッサ31は、ACT104としてカメラ35によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。図16に示すように、二次元コード体系のデータコードが画像AR1内に収まると、プロセッサ31は、データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ31は、ACT104においてYESと判定し、ACT105へと進む。
プロセッサ31は、ACT105としてカメラ35で撮像されたデータコードの画像から、そのデータコードによってコード化されているデータを解析する。そしてプロセッサ31は、ACT106として読み取ったデータコードが入店フラグを“1”とするデータコード5であるか否かを判別する。
カメラ35で読み取ったデータコードがデータコード5以外である場合、プロセッサ31は、ACT106においてNOと判定し、ACT104へと戻る。プロセッサ31は再度、カメラ35によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
カメラ35で読み取ったデータコードが、入店フラグを“1”とするデータコード5であった場合、プロセッサ31は、ACT106においてYESと判定し、ACT107へと進む。プロセッサ41は、ACT107としてデータコード5を解析して得た入店フラグ、企業コード、店舗コード、無線接続情報及び制御情報を含む店舗設定情報50を、内蔵メモリ32の領域321にて記憶する。
プロセッサ31は、ACT108として無線接続画面SC4(図17を参照)が表示されるようにタッチパネル34を制御する。
図17は、無線接続画面SC4の一例である。図17に示すように無線接続画面SC4には、ユーザ端末3が店内の無線に接続していること、接続が完了すると買物が可能となることを示すメッセージが表示されている。そこで買物客は、ユーザ端末3が店内の無線に接続されるのを待つ。
プロセッサ41は、ACT109として領域321に記憶された店舗設定情報50の無線接続情報に基づいて無線ユニット36を制御し、ユーザ端末3が店内の無線と接続されるのを待ち受ける。ここで、店舗設定情報50の制御情報に含まれるタイムアウト時間に相当する時間が経過しても店内の無線と接続されない場合、プロセッサ31は、同制御情報に含まれるリトライ回数だけリトライを繰り返す。そして、リトライを繰り返しても店内の無線と接続できない場合、プロセッサ31は、ACT109においてNOと判定し、通信エラーとする。プロセッサ31は、例えば一定の時間を空けてから、接続のための処理を再度実行する。
図10に示すように、店舗サーバ21のプロセッサ211は、ACT201としてユーザ端末3が接続されるのを待ち受けている。アクセスポイント25を介してユーザ端末3が店舗サーバ21と無線通信可能に接続されると、プロセッサ211は、ACT201においてYESと判定し、ACT202へと進む。プロセッサ211は、ACT202としてユーザ端末3に対して企業コード及び店舗コードを要求するコマンドを送信するように通信インターフェース214を制御する。この制御により、通信インターフェース214からユーザ端末3に宛ててコード要求コマンドが送信される。コード要求コマンドは、アクセスポイント25から無線送信され、ユーザ端末3の無線ユニット36で受信される。
図7のACT109において、ユーザ端末3のプロセッサ31は、店内の無線と接続されるとYESと判定し、ACT110へと進む。プロセッサ31は、ACT110として店舗サーバ21からのコード要求コマンドに応答して、店舗設定情報50に含まれる企業コードと店舗コードとを無線送信するように無線ユニット36を制御する。この制御により、無線ユニット36から企業コードと店舗コードのデータが無線送信され、このデータは、アクセスポイント25を介して店舗サーバ21で受信される。
図10のACT202において、コード要求コマンドの送信を制御した店舗サーバ21のプロセッサ211は、ACT203として企業コードと店舗コードのデータを待ち受ける。通信インターフェース214を介して企業コードと店舗コードのデータを受信すると、プロセッサ211は、ACT203においてYESと判定し、ACT204へと進む。プロセッサ211は、ACT204として受信した店舗コードと商品コードと、メインメモリ212で記憶している店舗コード及び企業コードとを照合する。そしてプロセッサ211は、ACT205として店舗コード及び企業コードが一致するか否かを判定する。
照合の結果、店舗コード又は企業コードの少なくとも一方が一致しない場合、プロセッサ211は、ACT205においてNOと判定し、ACT206へと進む。プロセッサ211は、ACT206としてユーザ端末3に宛てて否定応答コマンドを送信するように通信インターフェース214を制御する。この制御により、通信インターフェース214からユーザ端末3に宛てて否定応答コマンドが送信される。否定応答コマンドは、アクセスポイント25から無線送信され、ユーザ端末3の無線ユニット36で受信される。否定応答コマンドの送信を制御したプロセッサ211は、図10の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
一方、照合の結果、店舗コード及び企業コードの双方が一致する場合には、プロセッサ211は、ACT205においてYESと判定し、ACT207へと進む。プロセッサ211は、ACT207としてユーザ端末3に宛てて許諾応答コマンドを送信するように通信インターフェース214を制御する。この制御により、通信インターフェース214からユーザ端末3に宛てて許諾応答コマンドが送信される。許諾応答コマンドは、アクセスポイント25から無線送信され、ユーザ端末3の無線ユニット36で受信される。
許諾応答コマンドの送信を制御したプロセッサ211は、ACT208としてユーザ端末3が有する管理テーブル331の更新処理を行う。具体的にはプロセッサ211は、管理テーブル331に、当該店舗サーバ21が有する企業コードと店舗コードとの組合せコードAnが設定された第3フィールドF3が存在するか否かを確認する。存在しない場合、組合せコードAnが設定された第3フィールドF3を管理テーブル331に追加する。そして、その第3フィールドF3に設定フラグをセットする。すなわち、第1フィールドの種別が“C”の設定フラグについては、第2フィールドの識別情報で特定されるクレジットカードを当該店舗で利用可能な場合には“1”とし、利用不可能な場合には“0”とする。第1フィールドの種別が“P”の設定フラグについては、第2フィールドの識別情報で特定される会員カードを当該店舗で利用可能な場合には“1”とし、利用不可能な場合には“0”とする。第3フィールドの種別が“R”の設定フラグについては、当該店舗が電子レシートサービスを実施している場合には“1”とし、実施していない場合には“0”とする。
一方、当該店舗サーバ21が有する企業コードと店舗コードとの組合せコードAnが設定された第3フィールドF3が既に存在する場合には、プロセッサ211は、その第3フィールドF3の設定フラグを上記と同様に精査する。
こうして、管理テーブル331の更新を終えると、プロセッサ211は、ACT209としてユーザ端末3に対して端末IDを要求するコマンドを送信するように通信インターフェース214を制御する。この制御により、通信インターフェース214からユーザ端末3に宛ててID要求コマンドが送信される。ID要求コマンドは、アクセスポイント25から無線送信され、ユーザ端末3の無線ユニット36で受信される。
図7のACT110において、企業コードと店舗コードとの送信を制御したユーザ端末3のプロセッサ31は、ACT111として許諾応答コマンドを受信するのを待ち受ける。この待ち受け状態において、否定応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT111においてNOと判定し、この処理をエラーとして終了する。
これに対し、許諾応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT111においてYESと判定し、ACT112へと進む。プロセッサ31は、店舗サーバ21からのID要求コマンドに応答して、内蔵メモリ32で記憶している端末IDを無線送信するように無線ユニット36を制御する。この制御により、無線ユニット36から端末IDが無線送信され、この端末IDは、アクセスポイント25を介して店舗サーバ21で受信される。またプロセッサ31は、ACT113としてチェックイン完了画面SC5(図18を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
図18は、チェックイン完了画面SC5の一例である。図18に示すようにチェックイン完了画面SC5には、買物の準備が整ったことを示すメッセージととともに、「はい」ボタンBT2の画像が表示されている。チェックイン完了画面SC5を確認した消費者は、「はい」ボタンBT2にタッチする。
図10のACT209において、ID要求コマンドの送信を制御した店舗サーバ21のプロセッサ211は、ACT210としてユーザ端末3から端末IDを受信するのを待ち受けている。通信インターフェース214を介して端末IDを受信すると、プロセッサ211は、その端末IDを仮想POSサーバ22へと通知するように通信インターフェース214を制御する。この制御により、通信インターフェース214から仮想POSサーバ22に宛てて、端末IDが送信される。端末IDは、仮想POSサーバ22の通信インターフェース224で受信される。端末IDを仮想POSサーバ22へと通知するように制御した店舗サーバ21のプロセッサ211は、図10の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
図11に示すように、仮想POSサーバ22のプロセッサ221は、ACT301として端末IDの通知を待ち受ける。通信インターフェース224を介して店舗サーバ21から通知された端末IDを受信すると、プロセッサ221は、ACT301においてYESと判定し、ACT302へと進む。プロセッサ221は、ACT302として店舗サーバ21から通知された端末IDを取得する。そしてプロセッサ221は、メインメモリ222にその端末IDを関連付けた登録テーブル70を作成する。
またプロセッサ221は、ACT304としてその端末IDが設定されたユーザ端末3と、アクセスポイント25を介して無線で接続する。そしてユーザ端末3と無線で接続されたならば、プロセッサ221は、ACT305としてそのユーザ端末3からの受信を待ち受ける。
図7のACT113において、チェックイン完了画面SC5の表示を制御したユーザ端末3のプロセッサ31は、図8のACT121として買物開始が指示されるのを待ち受ける。タッチパネル34からの信号によりチェックイン完了画面SC5の「はい」ボタンBT2がタッチされたことを検知すると、プロセッサ31は、買物開始が指示されたと判定する。プロセッサ31は、ACT121においてYESと判定し、ACT122へと進む。プロセッサ31は、ACT122として領域321に記述された店舗設定情報50の企業コードと店舗コードとで管理テーブル331を検索する。そしてプロセッサ31は、ACT123として当該企業コードと店舗コードとの組合せコードAnが割り当てられた第3フィールドF3に、“1”にセットされた設定フラグが存在するか否かを判定する。
“1”にセットされた設定フラグが当該第3フィールドF3に1つでも存在する場合、プロセッサ31は、ACT123においてYESと判定し、ACT124へと進む。プロセッサ31は、ACT124として“1”にセットされた設定フラグに対応して第1フィールドF1及び第2フィールドF2にそれぞれ記述されている種別と識別情報とを無線送信するように無線ユニット36を制御する。この制御により、無線ユニット36から種別と識別情報のデータが無線送信され、このデータは、アクセスポイント25を介して仮想POSサーバ22で受信される。
ACT124において、種別と識別情報の無線送信を制御したプロセッサ31は、ACT125へと進む。一方、“1”にセットされた設定フラグが当該第3フィールドF3に1つも存在しない場合には、プロセッサ31は、ACT123においてNOと判定し、ACT124の処理をスキップしてACT125へと進む。プロセッサ31は、ACT125として登録画面SC6(図19を参照)が表示されるようにタッチパネル34を制御する。
図19は、登録画面SC6の一例である。図19に示すように登録画面SC6には、買上商品の商品名及び価格と買上金額とを表示するための領域が形成される。また、会計を指示するための会計ボタンBT3の画像が表示される。消費者は、買上商品を手に取り、買物かご又はショッピングカート等の収容体に収容する際に、その買上商品に付されているバーコードにカメラ35のレンズを翳す。そうすると、カメラ35によってそのバーコードがスキャニングされる。バーコードは、買上商品の商品コードを含む。
図11のACT305において、仮想POSサーバ22のプロセッサ221は、ユーザ端末3から無線送信されたデータを通信インターフェース224で受信するとYESと判定し、ACT306へと進む。プロセッサ221は、ACT306としてその受信データが種別と識別情報のデータであるか否かを確認する。受信データが種別と識別情報のデータである場合、プロセッサ221は、ACT306においてYESと判定し、ACT307へと進む。プロセッサ221は、ACT307としてその種別と識別情報のデータを、当該ユーザ端末3の端末IDが関連付けられた登録テーブル70に保存する。その後、プロセッサ221は、ACT305へと戻り、ユーザ端末3から次のデータを受信するのを待ち受ける。
図8のACT125において登録画面SC6の表示を制御したユーザ端末3のプロセッサ31は、ACT126として商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードが入力されていない場合、プロセッサ31は、ACT126においてNOと判定し、ACT129へと進む。プロセッサ31は、ACT129として会計ボタンBT3がタッチされたか否かを確認する。会計ボタンBT3がタッチされていない場合、プロセッサ31は、ACT129においてNOと判定し、ACT126へと戻る。ここにプロセッサ31は、ACT126及びACT129において、商品コードが入力されるか会計ボタンBT3が入力されるのを待ち受ける。
ACT126及びACT129の待ち受け状態において、カメラ35によってバーコードがスキャニングされ、そのバーコードのデータから商品コードが入力されると、プロセッサ31は、ACT126においてYESと判定し、ACT127へと進む。プロセッサ31は、ACT127としてその商品コードを無線送信するように無線ユニット36を制御する。この制御により、無線ユニット36から商品コードが無線送信され、この商品コードは、アクセスポイント25を介して仮想POSサーバ22で受信される。
図11のACT305の受信待ち状態において、ユーザ端末3からのデータを受信し、その受信データが種別と識別情報のデータでないことを確認した仮想POSサーバ22のプロセッサ221は、ACT306においてNOと判定してACT308へと進む。プロセッサ221は、ACT308としてその受信データが商品コードであるか否かを確認する。受信データが商品コードである場合、プロセッサ221は、ACT308においてYESと判定し、ACT309へと進む。プロセッサ221は、ACT309としてその商品コードで商品ファイル62を検索して当該商品コードに関連付けて記憶されている商品名、価格等の商品データを取得する。商品データを取得したならば、プロセッサ221は、ACT310としてその商品データを基に当該商品コードで識別される商品の販売データを生成して、当該ユーザ端末3の端末IDと関連付けられた登録テーブル70にその販売データを登録する。またプロセッサ221は、ACT311としてその販売データを含む登録テーブル70の登録内容を示すデータをユーザ端末3に送信するように通信インターフェース224を制御する。この制御により通信インターフェース224から登録内容を示すデータが送信され、登録内容を示すデータはアクセスポイント25から無線送信されて、ユーザ端末3で受信される。登録内容を示すデータの送信を制御したプロセッサ221は、ACT305へと戻り、次のデータを受信するのを待ち受ける。
図8のACT127において商品コードの送信を制御したユーザ端末3のプロセッサ31は、ACT128として仮想POSサーバ22から受信した登録内容を示すデータを基に登録画面SC6を更新する。
図20は、更新後の登録画面SC6の一例である。図20は、1点目の買上商品として単価が189円の商品NNの商品コードを入力した後の登録画面SC6を示している。登録画面SC6には、商品NNの名称と単価が表示されている。また、買上金額189円も表示されている。
登録画面SC6を更新したプロセッサ31は、ACT129へと進む。すなわちプロセッサ31は、ACT126及びACT129の待ち受け状態となる。
消費者は、買物を終了すると、登録画面SC6の会計ボタンBT3にタッチする。
プロセッサ31は、タッチパネル34からの信号により会計ボタンBT3がタッチされたことを検知すると、ACT129においてYESと判定し、図9のACT131へと進む。プロセッサ31は、ACT131として支払選択画面SC7(図21を参照)を表示するようにタッチパネル34を制御する。
図21は、支払選択画面SC7の一例である。図21に示すように支払選択画面SC7には、買上合計点数及び買上合計金額とともに支払方法を選択するためのボタンBT4,BT5の画像が表示される。ボタンBT4は、支払方法として会計機決済を選択するためのボタンである。ボタンBT5は、支払方法としてモバイル決済を選択するためのボタンである。
会計機決済とは、会計機24を利用して買上商品の代金を現金、クレジットカード、電子マネー等の方法で支払う方式である。モバイル決済とは、ユーザ端末3を利用し、バーコード又は二次元コードを用いて買上商品の代金を電子的に支払う方式である。モバイル決済は、コード決済又はスマートフォン決済等とも称される。
支払選択画面SC7を確認した消費者は、会計機決済を利用するかモバイル決済を利用するかを決める。そして消費者は、会計機決済を利用する場合にはボタンBT4をタッチする。消費者は、モバイル決済を利用する場合にはボタンBT5をタッチする。
ACT131において、支払選択画面SC7の表示を制御したプロセッサ31は、ACT132として会計機決済が選択されたか否かを確認する。会計機決済が選択されていない場合、プロセッサ31は、ACT132においてNOと判定し、ACT133へと進む。プロセッサ31は、ACT133としてモバイル決済が選択されたか否かを確認する。モバイル決済が選択されていない場合、プロセッサ31は、ACT133においてNOと判定し、ACT132へと戻る。ここにプロセッサ31は、ACT132及びACT133において会計機決済が選択されるかモバイル決済が選択されるのを待ち受ける。
プロセッサ31は、タッチパネル34からの信号により支払選択画面SC7のボタンBT4がタッチされたことを検知すると、会計機決済が選択されたと判定する。プロセッサ31は、ACT132においてYESと判定し、ACT134へと進む。プロセッサ31は、ACT134として会計機決済を通知するように無線ユニット36を制御する。この制御により、無線ユニット36から会計機決済を通知するためのデータが無線送信され、このデータは、アクセスポイント25を介して仮想POSサーバ22で受信される。
図11のACT305の受信待ち状態において、ユーザ端末3からのデータを受信し、その受信データが種別と識別情報のデータではなく、商品コードでもないことを確認した仮想POSサーバ22のプロセッサ221は、ACT308においてNOと判定し、図12のACT321へと進む。プロセッサ221は、ACT321としてその受信データが会計機決済を通知するデータであるか否かを確認する。受信データが会計機決済を通知するデータである場合、プロセッサ221は、ACT321においてYESと判定し、ACT322へと進む。プロセッサ221は、ACT322として会計コードを生成する。会計コードは、当該ユーザ端末3の端末IDが関連付けられた登録テーブル70を識別するために生成された一意のコードである。
プロセッサ221は、ACT323として会計コードをユーザ端末3の端末IDが関連付けられた登録テーブル70に保存する。また、プロセッサ221は、ACT324としてその会計コードをユーザ端末3へと送信するように通信インターフェース224を制御する。この制御により通信インターフェース224から会計コードが送信され、会計コードはアクセスポイント25から無線送信されて、ユーザ端末3で受信される。会計コードの送信を制御したプロセッサ221は、ACT325としてその会計コードを保存した登録テーブル70のデータを店舗サーバ21へと転送する。以上で、プロセッサ221は、図11及び図12の流れ図で示す手順の情報処理を終了する。
図9のACT134において会計機決済の通知を制御したユーザ端末3のプロセッサ31は、ACT135として仮想POSサーバ22から受信した会計コードを基に会計バーコード画面SC8(図22を参照)を表示するようにタッチパネル44を制御する。
図22は、会計バーコード画面SC8の一例である。図22に示すように会計バーコード画面SC8には、会計コードをバーコードによって表した会計バーコードBC1とともにこの会計バーコードBC1を会計機24でスキャンすることを促すメッセージが表示される。また会計バーコード画面SC8には、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT6の画像と、買物に戻ることを指示するための「戻る」ボタンBT7とが表示されている。
会計バーコード画面SC8を確認した消費者は、「はい」ボタンBT6にタッチする。そして会計機24が設置されている場所まで行き、空いている会計機24のスキャナで会計バーコードBC1を読み取らせる。会計バーコードBC1を読み取った会計機24は、その会計バーコードBC1によって表されている会計コードで店舗サーバ21に問合せを行う。
図9の説明に戻る。
ユーザ端末3のプロセッサ31は、タッチパネル34からの信号により支払選択画面SC7のボタンBT5がタッチされたことを検知すると、モバイル決済が選択されたと判定する。プロセッサ31は、ACT133においてYESと判定し、ACT136へと進む。プロセッサ31は、ACT136としてモバイル決済を通知するように無線ユニット36を制御する。この制御により、無線ユニット36からモバイル決済を通知するためのデータが無線送信され、このデータは、アクセスポイント25を介して仮想POSサーバ22で受信される。
図11のACT305の受信待ち状態において、ユーザ端末3からのデータを受信し、その受信データが種別と識別情報のデータでFなく、商品コードでもなく、また、会計機決済を通知するデータでもないことを確認した仮想POSサーバ22のプロセッサ221は、図12のACT321においてNOと判定し、ACT326へと進む。プロセッサ221は、ACT326としてその受信データがモバイル決済を通知するデータであるか否かを確認する。なお、受信データがモバイル決済を通知するデータでもない場合には、プロセッサ221は、ACT326においてNOと判定し、その受信データに応じた処理を行った後、ACT305の受信待ち状態に戻る。
受信データがモバイル決済を通知するデータであった場合には、プロセッサ221は、ACT326においてYESと判定し、ACT327へと進む。プロセッサ221は、ACT327としてモバイル決済を承認するか否かを確認する。例えば、店舗にはモバイル決済を承認する店舗と承認しない店舗とがある。あるいは通常はモバイル決済を承認する店舗であっても、何らかの事情により一時的にモバイル決済を承認しない場合もあり得る。プロセッサ221は、その店舗でのモバイル決済が承認されていない場合、ACT327においてNOと判定し、ACT328へと進む。プロセッサ221は、ACT328としてユーザ端末3に対して否定応答を送信するように通信インターフェース224を制御する。この制御により通信インターフェース224から否定応答のデータが送信され、このデータはアクセスポイント25から無線送信されて、ユーザ端末3で受信される。否定応答の送信を制御したプロセッサ221は、ACT305の受信待ち状態に戻る。
一方、その店舗でのモバイル決済が承認されている場合には、プロセッサ221は、ACT327においてYESと判定し、ACT329へと進む。プロセッサ221は、ACT329としてユーザ端末3に対して許諾応答を送信するように通信インターフェース224を制御する。この制御により通信インターフェース224から許諾応答のデータが送信され、このデータはアクセスポイント25から無線送信されて、ユーザ端末3で受信される。以上で、プロセッサ221は、図11及び図12の流れ図で示す手順の情報処理を終了する。
図9のACT136において、モバイル決済を通知したユーザ端末3のプロセッサ31は、ACT137として許諾応答を受信したか否かを確認する。許諾応答ではなく否定応答を受信した場合には、プロセッサ31は、ACT137においてNOと判定し、ACT132へと戻る。このとき、支払選択画面SC7には、モバイル決済を利用できないことを示すメッセージがポップアップで表示される。プロセッサ31は、会計機決済が選択されるのを待ち受ける。
プロセッサ31は、ACT137において許諾応答を受信した場合にはYESと判定し、ACT138へと進む。プロセッサ31は、ACT138としてモバイル決済処理を実行する。このモバイル決済処理については周知の処理であるので、ここでの説明は省略する。
プロセッサ31は、ACT138においてモバイル決済処理を実行するか、ACT135において会計バーコード画面SC8の表示を制御すると、ACT139として決済が終了するのを待ち受ける。そして決済が終了すると、プロセッサ31は、ACT139においてYESと判定し、ACT140へと進む。プロセッサ31は、ACT140として領域321に記憶されている店舗設定情報50をクリアする。以上で、プロセッサ31は、買物支援プログラムに従った情報処理を終了する。
図13は、仮想POSサーバ22から登録テーブル70のデータ転送を受けた店舗サーバ21のプロセッサ211が実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。すなわちプロセッサ211は、ACT221として登録テーブル70のデータ転送を待ち受けている。通信インターフェース214を介して登録テーブル70のデータを受信すると、プロセッサ211は、ACT221においてYESと判定し、ACT222へと進む。プロセッサ211は、ACT222においてその登録テーブル70のデータをメインメモリ212の揮発性メモリ領域にて記憶する。あるいはプロセッサ211は、その登録テーブル70のデータを補助記憶デバイス213にて記憶する。
メインメモリ212又は補助記憶デバイス213にて記憶した登録テーブル70のデータには、図11のACT307の処理によって保存された種別と識別情報とが含まれている。プロセッサ211は、ACT223として登録テーブル70のデータに種別が“P”の識別情報が含まれているか否かを確認する。種別が“P”の識別情報が含まれていない場合、プロセッサ211は、ACT223においてNOと判定し、ACT224の処理をスキップしてACT225へと進む。
プロセッサ211は、種別が“P”の識別情報が含まれている場合には、ACT223においてYESと判定し、ACT224へと進む。プロセッサ211は、ACT224としてその識別情報に基づくサービス処理を実行する。例えば識別情報がポイントサービスの会員カードに関する識別情報である場合、登録テーブル70に登録されている各商品の販売データを基にポイントを算出し、消費者に付与するサービスを実行する。例えば識別情報が割引サービスの会員カードに関する識別情報である場合、登録テーブル70に登録されている商品の買上金額に対して割引を行うサービスを実行する。プロセッサ211は、サービス処理を終えると、ACT225へと進む。
プロセッサ211は、ACT225として会計機24から会計コードの問合せがあるのを待ち受ける。前述したように、会計機24において会計バーコードBC1が読み取られると、その会計バーコードによって表されている会計コードで店舗サーバ21に対して問合せが行われる。プロセッサ211は、会計コードの問合せを受けると、ACT225においてYESと判定し、ACT226へと進む。プロセッサ211は、ACT226としてその会計コードが記憶された登録テーブル70に登録されている商品の販売データを基に会計データを生成する。そしてプロセッサ211は、この会計データを問合せ元の会計機24へと出力するように通信インターフェース224を制御する。この制御により、会計データは会計機24へと与えられる。会計データを受信した会計機24では、決済方法が選択される。決済方法としては、現金決済、クレジットカード決済、電子マネー決済等がある。
会計データの出力を制御した店舗サーバ21のプロセッサ211は、ACT227としてクレジットカード決済が選択されたか否かを確認する。クレジットカード決済以外の決済方法が選択された場合には、プロセッサ211は、ACT227においてNOと判定し、ACT231へと進む。ACT231の処理については後述する。
一方、クレジットカード決済が選択された場合には、プロセッサ211は、ACT227においてYESと判定し、ACT228へと進む。プロセッサ221は、ACT228としてクレジットカード決済が可能であるか否かを確認する。具体的にはプロセッサ211は、登録テーブル70に種別“C”の識別情報が記憶されているか否かを確認する。種別“C”の識別情報が記憶されていない場合、会計を行う消費者が有するクレジットカードは、本店舗において使用不可能である。プロセッサ211は、ACT228においてNOと判定し、ACT229へと進む。プロセッサ221は、ACT229として会計機24に対して否定応答を出力するように通信インターフェース224を制御する。この制御により、通信インターフェース224から会計機24に対して否定応答のデータが送信される。否定応答のデータを受信した会計機24においては、クレジットカード決済が不可であることが消費者に対して通知される。
これに対し、登録テーブル70に種別“C”の識別情報が記憶されている場合には、会計を行う消費者が有するクレジットカードは、本店舗において使用可能である。プロセッサ211は、ACT228においてYESと判定し、ACT230へと進む。プロセッサ221は、ACT230として会計機24に対して許諾応答を出力するように通信インターフェース224を制御する。この制御により、通信インターフェース224から会計機24に対して許諾応答のデータが送信される。許諾応答のデータを受信した会計機24においては、クレジットカード決済が実行される。
ACT229又はACT230において、否定応答又は許諾応答の出力を制御したプロセッサ211は、ACT231へと進む。
プロセッサ211は、ACT231として会計機24において決済が終了するのを待ち受ける。決済が終了すると、プロセッサ211は、ACT231においてYESと判定し、ACT232へと進む。プロセッサ211は、ACT232としてレシートを電子レシートとして発行するか否かを確認する。すなわちプロセッサ211は、登録テーブル70に種別“R”の識別情報が存在するか否かを確認する。
種別“R”の識別情報が存在しない場合には、レシートを電子レシートとして発行しない消費者との決済が終了したことを示している。この場合、プロセッサ211は、ACT232においてNOと判定して、図13の流れ図で示す手順の情報処理を終了する。
これに対し、種別“R”の識別情報が存在する場合には、レシートを電子レシートとして発行する消費者との決済が終了したので、プロセッサ211は、ACT232においてYESと判定し、ACT233へと進む。プロセッサ231は、ACT233として電子レシート処理を実行する。具体的にはプロセッサ211は、例えばレシート印字データを構造化形式に変換してなる電子レシートデータを、種別“R”の識別情報である電子レシートIDとともに電子レシートサーバへと送信する処理を実行する。なお、レシート印字データを構造化形式へと変換する処理は、店舗サーバ21が行ってもよいし、会計機24が行ってもよい。あるいは店舗サーバ21又は会計機24とは別の機器が行ってもよい。プロセッサ211は、電子レシート処理を終えると、図13の流れ図で示す手順の情報処理を終了する。
ここに、ユーザ端末3が備えたコンピュータの主体であるプロセッサ31は、買物支援プログラムに従ってACT101乃至ACT107の処理を実行することにより、第1入力手段を構成する。すなわちプロセッサ31は、店舗に用意された媒体であるデータコード5から当該店舗の店舗コード及び企業コードの店舗識別データ、さらには無線接続情報及び制御情報等を入力する。
同プロセッサ31は、買物支援プログラムに従ってACT126及びACT127の処理を実行することにより、第2入力手段を構成する。すなわちプロセッサ31は、店舗で販売される商品のバーコードをカメラ35でスキャニングすることによって、商品識別データを入力する。
店舗サーバ21が備えたコンピュータの主体であるプロセッサ211は、制御プログラムに従ってACT201乃至ACT203の処理を実行することにより、第1取得手段を構成する。すなわちプロセッサ211は、通信インターフェース14を介して接続されたユーザ端末3から、当該ユーザ端末3に入力された店舗識別データを取得する。
同プロセッサ211は、制御プログラムに従ってACT204及びACT205、さらにはACT207及びACT209の処理を実行することにより、許容手段を構成する。すなわちプロセッサ211は、第1取得手段によりユーザ端末3から取得した店舗識別データが有効なデータである場合、当該ユーザ端末3を利用可能な状態にする。
仮想POSサーバ22が備えたコンピュータの主体であるプロセッサ221は、制御プログラムに従ってACT301乃至ACT303の処理を実行することにより、作成手段を構成する。すなわちプロセッサ221は、許容手段により利用可能な状態になったユーザ端末3毎に登録テーブル70を作成する。
同プロセッサ221は、制御プログラムに従ってACT305及びACT308の処理を実行することにより、第2取得手段を構成する。すなわちプロセッサ221は、許容手段により利用可能な状態になったユーザ端末3から、当該ユーザ端末3に入力された商品識別データを取得する。
同プロセッサ221は、制御プログラムに従ってACT309及びACT310の処理を実行することにより、処理手段を構成する。すなわちプロセッサ221は、第2取得手段によりユーザ端末3から取得した商品識別データで識別される商品の商品データを商品ファイル62から取得し、その商品データを基に商品を販売処理する。具体的にはプロセッサ221は、第2取得手段により商品識別データを取得したユーザ端末3に対する登録テーブル70に対して商品の販売データを登録する処理を行う。
同プロセッサ221は、制御プログラムに従ってACT311の処理を実行することにより、送信手段を構成する。すなわちプロセッサ221は、処理手段により販売処理した商品の少なくとも名称と価格とをユーザ端末3に送信する。
そして、ユーザ端末3が備えたコンピュータの主体であるプロセッサ31は、買物支援プログラムに従ってACT128の処理を実行することにより、表示手段を構成する。すなわちプロセッサ31は、商品販売処理装置2から受信した商品の名称及び価格を登録画面SC6に表示する。
このように本実施形態においては、商品販売処理装置2の店舗サーバ21が第1取得手段及び許容手段を備え、仮想POSサーバ22が第2取得手段及び処理手段を備えた。そして、第1入力手段及び第2入力手段を備えたユーザ端末3と商品販売処理装置2とで商品販売処理システム1を構成した。
かかる構成の商品販売処理システム1によれば、入店した消費者が個人的に所有するスマートフォン等の通信端末を、店舗の店舗サーバ21及び仮想POSサーバ22と正しく接続することができ、その通信端末をセルフ登録のユーザ端末3として利用することができる。したがって消費者は、商品販売処理システム1が構築されている複数の店舗において、個人所有の通信端末をユーザ端末3として利用して、セルフで買上商品の登録を行うことができる。
また、本実施形態においては、仮想POSサーバ22がさらに作成手段を備え、ユーザ端末3毎に登録テーブル70を作成するようにしている。したがって、複数名の消費者が同時期に通信端末をユーザ端末3として利用してセルフ登録を行っても、仮想POSサーバ22は、正しく処理することができる。
また、仮想POSサーバ22は、店舗サーバ21が有する商品マスタファイル61とは別に商品ファイル62を備えている。そしてこの商品ファイル62には、商品マスタファイル61に記憶されている商品レコードの少なくとも商品名と単価とがコピーされている。したがって、仮想POSサーバ22のプロセッサ221は、ユーザ端末3から取得した商品識別データで識別される商品の商品データを商品ファイル62から取得できるので、商品マスタファイルを参照する場合と比較して、処理時間が早い。また、有線LAN26の通信量も減らすことができる。その上、商品マスタファイル61に記憶されている商品レコードが更新される毎に、商品ファイル62の商品レコードもリアルタイムで更新されるので、例えば、タイムセール等により商品マスタファイル61の商品に単価変更が生じた場合にも、仮想POSサーバ22においてはその商品を変更後の単価で確実に登録処理することができる。
さらに、仮想POSサーバ22は送信手段を備え、ユーザ端末3は表示手段を備えている。したがって、仮想POSサーバ22で登録された商品の販売データを、ユーザ端末3を使用する消費者はリアルタイムで確認することができる。
以上、一実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、商品販売処理装置2の店舗サーバ21が第1取得手段及び許容手段を備え、仮想POSサーバ22が第2取得手段及び処理手段を備えた。他の実施形態としては、店舗サーバ21と仮想POSサーバ22とを1つのサーバで実現し、このサーバが各手段を備えるようにしてもよい。
また、例えば図10に示した店舗サーバ21の処理ルーチンを仮想POSサーバ22が行ってもよい。この場合、プロセッサ221は、図10のACT210においてYESと判定すると、図11のACT302の処理を実行することとなる。
前記実施形態では、店舗毎に用意される媒体を二次元コード体系のデータコード5とした。媒体はデータコード5に限定されるものではない。媒体に含める情報量によっては、一次元のバーコードを媒体としてもよい。また、ユーザ端末3が非接触ICカードの技術を搭載している場合には、各店舗に近距離無線通信用のアンテナを媒体として配して、非接触無線通信によりユーザ端末3が店舗設定情報50を取得してもよい。
また、前記実施形態では、入店フラグを含むデータコード5を例示した。他の実施形態としては、データコード5は、入店フラグを含んでいなくてもよい。この場合、ユーザ端末3のプロセッサ31は、図7のACT106の処理ステップを省略し、ACT105においてデータコード5を解析したならば、ACT107の処理に進むこととなる。
なお、店舗設定情報50のデータ構造は、図2に示すものに限定されない。例えば一企業の店舗だけで実施する場合を想定した場合には、店舗設定情報50から企業コードを省略することができる。
前記実施形態では、ユーザ端末3の外部メモリ33に管理テーブル331を設けた。管理テーブル331は、必ずしもユーザ端末3が有していなくてもよい。ユーザ端末3と商品販売処理装置2とがアクセス可能なクラウド上に管理テーブル331を設けてもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]商品識別データと関連付けて、当該商品識別データで識別される商品の名称,価格を含む商品データを記憶する記憶部と、消費者が所有するユーザ端末と無線通信を利用して接続する通信手段と、前記通信手段により接続された前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力された店舗識別データを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により前記ユーザ端末から取得した前記店舗識別データが有効なデータである場合、当該ユーザ端末を利用可能な状態にする許容手段と、前記許容手段により利用可能な状態になった前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力された商品識別データを取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により前記ユーザ端末から取得した前記商品識別データで識別される商品の商品データを前記記憶部から取得し、その商品データを基に前記商品を販売処理する処理手段と、を具備する商品販売処理装置。
[2]前記許容手段により利用可能な状態になった前記ユーザ端末毎に登録テーブルを作成する作成手段、をさらに具備し、前記処理手段は、前記第2取得手段により商品識別データを取得したユーザ端末に対する前記登録テーブルに対して前記商品の販売データを登録することで前記商品を販売処理する付記[1]記載の商品販売処理装置。
[3]前記記憶部は、当該記憶部に記憶されている商品データを少なくとも記憶してなるマスタ記憶部とは別に設けられており、前記マスタ記憶部の商品データが更新されると、前記記憶部の商品データも更新される、付記[1]又は[2]記載の商品販売処理装置。
[4]消費者が所有するユーザ端末と、前記ユーザ端末と無線通信を利用して接続する通信手段、及び、商品識別データと関連付けて、当該商品識別データで識別される商品の名称,価格を含む商品データを記憶する記憶部を備えた商品販売処理装置と、を含み、前記ユーザ端末は、店舗に用意された媒体から当該店舗の店舗識別データを入力する第1入力手段と、前記店舗で販売される商品の商品識別データを入力する第2入力手段と、を具備し、前記商品販売処理装置は、前記通信手段により接続された前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力された店舗識別データを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により前記ユーザ端末から取得した前記店舗識別データが有効なデータである場合、当該ユーザ端末を利用可能な状態にする許容手段と、前記許容手段により利用可能な状態になった前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力された商品識別データを取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により前記ユーザ端末から取得した前記商品識別データで識別される商品の商品データを前記記憶部から取得し、その商品データを基に前記商品を販売処理する処理手段と、を具備する商品販売処理システム。
[5]前記商品販売処理装置は、前記処理手段により販売処理した商品の少なくとも名称と価格とを前記ユーザ端末に送信する送信手段、をさらに具備し、前記ユーザ端末は、前記商品販売処理装置から受信した前記商品の名称及び価格を表示する表示手段、をさらに具備する、付記[4]記載の商品販売処理システム。
[6]前記媒体は、前記商品販売処理装置との無線通信を可能にするための接続情報をさらに含む、付記[4]又は[5]記載の商品販売処理システム。
[7]前記媒体は、二次元コード体系のデータコードである、付記[4]乃至[6]のうちいずれか一項記載の商品販売処理システム。
[8]商品識別データと関連付けて、当該商品識別データで識別される商品の名称,価格を含む商品データを記憶する記憶部、及び、消費者が所有するユーザ端末と無線通信を利用して接続する通信手段を備えた商品販売処理装置のコンピュータに、前記通信手段により接続された前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力された店舗識別データを取得する機能、前記ユーザ端末から取得した前記店舗識別データが有効なデータである場合、当該ユーザ端末を利用可能な状態にする機能、前記利用可能な状態になった前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力された商品識別データを取得する機能、前記ユーザ端末から取得した前記商品識別データで識別される商品の商品データを前記記憶部から取得し、その商品データを基に前記商品を販売処理する機能、を実現させるための制御プログラム。
[9]商品識別データと関連付けて、当該商品識別データで識別される商品の名称,価格を含む商品データを記憶する記憶部、及び、消費者が所有するユーザ端末と無線通信を利用して接続する通信手段を備えた商品販売処理装置が、前記通信手段により接続された前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力された店舗識別データを取得し、前記ユーザ端末から取得した前記店舗識別データが有効なデータである場合、当該ユーザ端末を利用可能な状態にし、前記利用可能な状態になった前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力された商品識別データを取得し、前記ユーザ端末から取得した前記商品識別データで識別される商品の商品データを前記記憶部から取得し、その商品データを基に前記商品を販売処理する、商品販売処理方法。