JP7449019B1 - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7449019B1
JP7449019B1 JP2023146233A JP2023146233A JP7449019B1 JP 7449019 B1 JP7449019 B1 JP 7449019B1 JP 2023146233 A JP2023146233 A JP 2023146233A JP 2023146233 A JP2023146233 A JP 2023146233A JP 7449019 B1 JP7449019 B1 JP 7449019B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
masking
signal
difference
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023146233A
Other languages
English (en)
Inventor
弘一 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SE Tech Co Ltd
Original Assignee
SE Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SE Tech Co Ltd filed Critical SE Tech Co Ltd
Priority to JP2023146233A priority Critical patent/JP7449019B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7449019B1 publication Critical patent/JP7449019B1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)

Abstract

【課題】撮像画像より動き物体を抽出する際には、撮像装置から出力される膨大な画像情報を処理する必要があり、システムが大型になり、消費電力が大きくなっていた。【解決手段】撮影時刻の異なる画素信号の差分信号を生成し、静止した被写体では、前記差分信号が生じないように調整し、差分信号を基に動き物体の輪郭端部を判定し、2値化されたマスキング信号を発生させ、現時点の撮影信号である画素信号出力と、マスキング信号とから論理積をとり、動きのある被写体の画像のみを、読み出しライン毎に出力する撮像装置を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、動き情報の取得方法に関するもので、特に、動き物体の輪郭情報を基に、背景の静止画情報を消し去り、動き物体のみを取得し表示させることを特徴とする、撮像装置に関する。
ここで撮像装置は、固体撮像装置やそれを用いた撮像カメラのことを称する。
固体撮像装置や、それを用いた撮像カメラの様な撮像装置において、画像中の動き物体(以下動体と呼ぶ)の情報を表示するために、方向、速度を表示する動きベクトル表示手法がある。この動きベクトルの取得方法としては、従来技術としてブロックマッチング手法が知られている。
このブロックマッチング手法を応用し、対象物の動体の追跡を行うことを目的にした特許文献1や、動体の輪郭曲線上で特徴点を抽出し、抽出された特徴点を用いて動きベクトル推定を行う手法が特許文献2に示されている。
また特許文献3には撮影装置で撮影された1フレームの画像から所定の特徴を表する特徴点を抽出し、時間的に後のフレームの画像の前記特徴点の近傍領域より特徴点を抽出し、両者の特徴点より動きベクトルを少ない演算量で抽出する方法が示されている。
また固体撮像装置の撮像画面上で被写体の動きを検出する方法としては、前後のフレーム間の同一画素単位での信号出力を比較して動きを検出する方法が一般的であるが、特許文献4に示すように、隣接画素を一対の組として積分時間を変え、ゲインを調整して差分信号出力により動きを検出する方法がある。また特許文献5に示すように、感度の異なる隣接画素を一対の組として積分時間を変え、差分信号出力により動きを検出する方法もある。前者のフレーム間の比較を行う方式をフレーム間差分方式、後者の画素対の比較を行う方式を画素間差分方式とそれぞれ称する。
後者の特許文献5には、動き検出を判定する差分信号を直接出力し、動き物体(以下動体と称す)の輪郭情報のみ出力することで、画像より動体輪郭抽出する工程を省き、Human-Machine-Interfaceへの応用があることが示されている。この動体の輪郭情報でも、動きの変化に応じて光電変換した電荷量の違いが画素で生じ、その差分を画素位置に対応して輪郭情報として出力する。
特許文献6には動き検出の結果を基に、後段システムの電源のON/OFF制御をすることで、システムの消費電力を減らす概念や、固体撮像装置から出力される画像信号を制御し、情報量を減らす概念が示されている。特許文献2,3の動き検知の方法では、フレームメモリを使うことなく、画素差分で動き検知が可能なケースが示されている。
特許文献7には、動きベクトルの取得に関し、後段回路で画像情報を演算処理する負荷を大幅に軽減する方法が示されいる。手法としては、差分回路、微分回路、論理積、論理和を組み合わせ、固体撮像装置から得られる動体の輪郭情報を基に、動きベクトル情報を取得し出力する。
特許第3037383号 特許第3674084号 特許第6624841号 特許第3521109号 特許第5646421号 特許第5604700号 特許第7025073号
特許文献1、特許文献2、特許文献3に示す従来の動きベクトル取得方法では、処理する画像情報量が大きいため、演算規模が大きくなり消費電力も増大していた。また特許文献5、6では動きの輪郭情報取得は簡便にできるものの、動きベクトルの取得手法、出力方法は示されていない。
特許文献7は、動きベクトルの取得に関し、後段回路で画像情報を演算処理する負荷を大幅に軽減しているが、動体を輪郭情報主体の動きベクトルで表示し、動体そのものの情報が欠落している。
本発明の目的は、背景の静止画情報を削除し、動体の画像情報のみの取得に関し、後段回路で画像情報を演算処理する負荷を大幅に軽減することである。手法としては、撮像装置から得られる動体の輪郭情報を基に、マスキング情報を取得し、動体情報を簡便な方法で取得し出力する。
上記課題を解決するため、固体撮像装置や撮像カメラから、動体の輪郭情報を取得し、背景の静止画の情報を削除して情報量を減らし、次にこの輪郭情報を基に動体の位置、動体の大きさから、動体のマスキング情報を取得し、マスキング情報と画像情報との論理積(以下ANDと称する)をライン毎に取ることで、画像情報から動体のみの情報を出力させた撮像装置を提供する。
このように本発明では、撮像画像の内、静止画像は扱わず、動体のみ扱う。更に動体の画像のみを表現し、背景の静止画を消すことで、情報量が大幅に低減する。これによりビジュアルに動き情報を把握しやすいという利点もある。
本提案の撮像装置(固体撮像装置、撮像カメラ)で、動体のみの画像情報しか出力されないので、情報量が大幅に削減され、通常のカメラ画像から出力される膨大な画像情報をリアルタイムで演算処理することなく、動体のみを出力する撮像装置(動体出力センサ、動体出力カメラ)を提供することができる。
本発明では、輪郭情報から、動体のマスキング情報を取得し、マスキング情報と画像情報とのANDをライン毎に取ることで、画像情報から動体のみの情報を出力する撮像装置を提供する。ここで言うマスキング情報とは、動体のみを抽出するためのマスキング波形の事で、論理積(AND)で動体を残すために、マスキング情報は2値化されており、マスキング波形は、情報動体のみの情報を出すタイミングでは1が、背景の静止画を出すタイミングでは0が、それぞれ対応した波形になる。
一般的に固体撮像装置としては、画素が2次元的に配置されたエリアセンサと、画素が1次元的に配置されたリニアセンサがあるが、ANDをライン毎に処理することにより、リニアセンサでもエリアセンサでも可能となる。また動体の輪郭情報を取得する方法として、メモリを使用する場合には、一般的にはリニアセンサとエリアセンサに対応し、それぞれラインメモリ、エリアメモリが使用される。エリアメモリよりもフレームメモリの名称の方が一般的なので、以降の説明ではフレームメモリと称する。またリニアセンサをラインセンサと呼称することもあるが、ここではリニアセンサと称する。
動体の輪郭情報を取得する方法としては、メモリを用いずに、露光時間の異なる画素対の画素差分で取得する方法もある。
本発明によれば、動き輪郭情報取得の過程で背景の静止画を削除し、演算する情報量を大幅削減する。更に輪郭情報から作成したマスキングパターンと元画像のANDを取り、動体のみを出力することで、撮像装置からの情報量を減らすことができる。さらに動体のみの抽出演算を走査線に沿ってライン毎に行い、ライン毎の画素出力と並行してリアルタイムで実施することで、演算負荷の大幅な削減を実現できる。
従来の撮像カメラでは後段処理回路で様々な加工を行うため、画像情報量は大きい。一方、本発明では動体のみの出力に限定して、情報量を絞っているので、演算負荷は軽くなり、撮像装置から出力される情報量を大幅に削減できる。
本発明の第1の実施形態の撮像装置として、撮像カメラを用いた構成を示すブロック図。 第1の実施形態-1としリニアセンサを用いた動き輪郭抽出部の概略構成を示すブロック図。 図2のリニアセンサカメラの各タイミングで捉えた、顧客の手の位置を示す図。 図3の各タイミングで、リニアセンサの画素信号出力と、顧客の手の再生画像を示す図。 図4の抜粋タイミングで、図2の画素信号出力とラインメモリを用いた差分の機構と、動き輪郭情報の説明図。 図4の各タイミングで、背景光のある、リニアセンサの実際の画素信号出力を示す図。 図6の抜粋タイミングで、図2の画素信号出力とラインメモリを用いた差分の機構と、動き輪郭情報の説明図。 図6の各タイミングで、図2の動き輪郭抽出部で取得した動き輪郭情報の説明図。 第1の実施形態-1のリニアセンサを用いたマスキング抽出部の概略構成を示すブロック図。 図7の抜粋タイミングで、図9のマスキング抽出部で取得したマスキング信号の説明図。 第1の実施形態-1のリニアセンサを用いたマスキング回路の概略構成を示すブロック図。 抜粋タイミングで、図11のマスキング回路で取得したマスキング画素信号の説明図。 各タイミングで、図9のマスキング抽出部で取得したマスキング信号の説明図。 各タイミングで、図11のマスキング回路で取得したマスキング画素信号の説明図。 各タイミングで、別の動き輪郭端部判定基準でのマスキング画素信号の説明図。 第1の実施形態-2としエリアセンサを用いた動き輪郭抽出部の概略構成を示すブロック図。 図16のエリアセンサカメラの各走査線で捉えた、顧客の手の位置を示す図。 図17のエリアセンサの走査線画素信号出力と、動体である顧客の手の画像を示す図。 エリアセンサの各走査線画素信号出力と、フレームメモリを用いた差分の機構と、動き輪郭情報の説明図。 各走査線での動き輪郭情報、マスキング信号、マスキング画素信号の説明図。 第1の実施形態-3とし、リニアセンサを用いた別の動き輪郭抽出方法のブロック図。 抜粋タイミングで、図21を用いた動き輪郭情報、マスキング信号、マスキング画素信号の説明図。 各タイミングで、図21を用いた動き輪郭情報、マスキング信号の説明図。 第1の実施形態-4とし、エリアセンサを用いた別の動き輪郭抽出方法のブロック図。 図24のエリアセンサカメラの各走査線で捉えた、顧客の手の位置を示す図。 顧客の手(動体)が無い場合の、図24のエリアセンサの走査線画素信号出力。 抜粋走査線で、図24を用いた動き輪郭情報、マスキング信号、マスキング画素信号の説明図。 各走査線で、図24を用いた動き輪郭情報、マスキング信号の説明図。 第1の実施形態-5とし、特殊なエリアセンサを用いた、別の動き輪郭抽出方法のブロック図。 図29のエリアセンサの画素配置と、画素出力特性を説明する図。 図29のエリアセンサの別の画素配置と、その画素出力特性を説明する図。 本発明の第2実施形態の撮像装置として、固体撮像装置を用いた構成を示すブロック図。 第2の実施形態-5とし、特殊なエリアセンサを用いた、固体撮像装置のブロック図。 図33の特殊なエリアセンサを用いた、別の固体撮像装置のブロック図
本発明の実施形態としては、幾つかの選択ケースが可能である。その組み合わせのケースとしては、1)撮像装置としては撮像カメラ、もしくは固体撮像装置のケース。2)固体撮像装置としては、エリアセンサ、もしくはリニアセンサのケース。3)動体輪郭抽出の方法としては、メモリ(フレームメモリ or ラインメモリ)を用いて差分で行うケース、もしくは露光時間の異なる画素対の差分を用いて行うケース。がある。
本発明の実施形態に係る撮像装置は、それぞれのケースの組み合わせで構成されるので、代表的な組み合わせに絞り、図面を参照しながら説明し、他の組み合わせは言葉で補う。
以下の説明では動体情報のみ出力する撮像装置として、第1の実施形態では撮像カメラのケースを用いて、本発明の撮像装置を構成する各ブロックでの機能の説明を行う。
第2の実施形態の固体撮像装置のケースでは、これらのブロックが固体撮像装置上に搭載されたケースに相当するので、各ブロックの機能の説明は同じである。
<第1の実施形態>
図1では、本発明の撮像装置として第1の実施形態として撮像カメラ1を例にとり、本発明の撮像装置のブロックを示す。撮像カメラ1のブロック構成及び各ブロックの信号を以下に説明する。
レンズ2でカメラ筐体3の固体撮像装置4に、被写体像を結像する光学系を構成させる。固体撮像装置4から出力される画素信号出力5は、2つに分割され一方は動き輪郭抽出部6に、他方はマスキング回路10へ入力される。動き輪郭抽出部6では、画素信号出力5より動き輪郭情報7を抽出する。抽出された動き輪郭情報7は、マスキング抽出部8に入力される。マスキング抽出部8では、動き輪郭情報7より、動体の最外周の個所に対応する動き輪郭端部判定を行い、動体としてのみ出力させるマスキング信号9を作成し出力する。マスキング信号9はマスキング回路10に入力され、同じく入力された画素信号出力5と共に、マスキング回路でマスキング画素信号出力11を作成し出力される。
このマスキング画素信号出力とは、動体の画像に対応した画素のみの出力であり、本発明の目的とする動体情報のみを出力する撮像装置になる。
通常、動体情報のみを出力する方法としては、固体撮像装置4としてエリアセンサを用い、フレームメモリに取り込んだ後に、フレーム単位で画像処理し、動体検知をして動きの領域を特定してから、動体情報のみを出力させていた。このため膨大な画像情報を、フレーム単位で処理するため演算システムが複雑になり、リアルタイム高速演算を行うため、消費電力が膨大となる欠点を有していた。
本発明の最大の特徴は、固体撮像装置4からの画素信号出力5を、読み出しライン毎に処理し、リアルタイムでマスキング画素信号出力11を作成することにある。
マスキング回路10には、マスキング信号9と画素信号出力5が入力され、マスキング画素信号出力11が作成されるが、マスキング回路10は後述するように、マスキング信号9と画素信号出力5のAND(論理積)を取得するAND回路であり、リアルタイムで動体の画像に対応した画素のみの出力であるマスキング画素信号出力11が撮像カメラ1から出てくる。図1では、このリアルタイムを強調するため、固体撮像装置4から出力されマスキング回路10に入力される画素信号出力5は太線にした。
図1で示した本発明の第1の実施形態の撮像カメラ1を構成する各ブロックに付き、以下に順次図面を用いて説明していく。
<第1の実施形態-1>
まず、図1の撮像カメラ1の動き輪郭抽出部6の構成を図2で説明する。レンズ2でカメラ筐体3の固体撮像装置4に、被写体像を結像する光学系を構成させる個所は図1と同じである。まず説明を簡単にするために、固体撮像装置4としてはリニアセンサ4’を用いて説明する。(これを第1の実施形態-1と称す)。このためレンズ2とカメラ筐体部3はリニアセンサカメラ1’と呼ぶ。図1では、レンズ2とカメラ筐体部3に動き輪郭抽出部6、マスキング抽出部8、マスキング回路10を含めて撮像カメラ1としたが、レンズ2とカメラ筐体部3にリニアセンサ4’を入れたものを、ここでは便宜上、リニアセンサカメラ1’と称している。これは図16のエリアセンサカメラ1”でも同様である。
リニアセンサ4’からの画素信号出力5は2分割され、一方はマスキング回路10に入力され、他方は動き輪郭抽出部6に入力される。動き輪郭抽出部6では、画素信号出力5は更に2分割され、ラインメモリ12へ取り込まれる。
ラインメモリ12から出てくる画素信号出力5は1ライン前のライン出力であり、差分回路13で現時点の画素信号出力5との差分が取られ、絶対値回路14を経て動き輪郭情報7が得られる。1ラインに相当する時間は、リニアセンサ4’のサイクルタイムで、以降の図面ではΔtと記す。即ち、差分回路13では隣接ライン間の差分が取られる。ここでサイクルタイムとは、固体撮像装置4の全ての画素の読み出しに掛かる1周期の時間で、固体撮像装置4がリニアセンサ4’では、1ラインの読み出しに掛かる時間のことである。
画素信号出力5は、リニアセンサ4’の全ての画素を読み出し、前後に空送りのあるリニアセンサの1ラインに相当した信号出力のことを表現し、ライン毎の同期が取れている。以降の説明で出てくる画素差分とは、このライン間で同期をとった差分であり、静止した被写体の同じ位置を結像する、異なる露光タイミングの画素間の差分を意味する。
一般的に、リニアセンサ4’のサイクルタイムの中には、画素で光電変換を行う露光時間が含まれており、画素で光電変換を開始する時刻と、光電変換を終了する時刻との時間差が露光時間を決める。この光電変換を開始する時刻と、終了する時刻のセットを撮影時刻と呼ぶ。これは後述のエリアセンサでも同様である。
<第1の実施形態-1での動体認識方法>
絶対値回路14から出力されたのを動き輪郭情報7と称する理由を説明する前に、リニアセンサカメラ1’を用いて、動体をどの様に認識するかの説明をする必要がある。
リニアセンサ4’を用いた動体認識の例として、商品陳列棚の前面部分をモニターするリニアセンサカメラ1’で、商品の出入りに伴う作業(ピックアップ、返却)を行う顧客の手の動きの認識を行うケースで説明する。
図3は、商品陳列棚15に陳列されている商品を取ろうと、顧客の手16が伸びて行く状態を、商品陳列棚15の上縁部に設置されたリニアセンサカメラ1’でモニターするケースを示す。このリニアセンサカメラ1’に用いられる固体撮像装置4はリニアセンサ4’であり、商品陳列棚15の前面部分を観察する。商品陳列棚15の前面には、商品の出入りに伴う作業を行う顧客の手16が示されている。リニアセンサ4’は画素が直線状に配置されているため、撮影できる範囲は、商品陳列棚1の前面の平面に限定される。図3の様に応用システムで説明する場合には、リニアセンサカメラ1’はリニアセンサ4’を用いた撮像カメラ1の意味で使っている。図17のエリアセンサカメラ4”でも同様である。
この平面を、t=Tのタイミングでリニアセンサカメラ1’から延びる破線で示す。t=Tのタイミングでは顧客の手16は、この平面には未だ到達していない。商品陳列棚15の商品(図示せず)を取ろうと、顧客の手16は近づいてくるが、ここでは説明の都度上、リニアセンサカメラ1’から延びる破線に、顧客の手16のどの部位がクロスするか(リニアセンサカメラ1’で撮影できる部位)を、タイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tで示す。
図3では、顧客の手16のどの部位をリニアセンサカメラ1’で撮影できるかを、タイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tで示した。それぞれのタイミングでのリニアセンサ4’からの画素出力信号5を図4(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示す。ここで画素信号出力5とは、リニアセンサ4’の画素列の出力であり、横軸は画素位置、縦軸は各画素位置での画素信号出力を示す。参考のために再生画像の個所に、顧客の手16のどの部位に対応した画像であるかを示した。
リニアセンサ4’の特徴としては、動きが無いと背景の時間的に一定した出力になり、ここでは便宜上ゼロとした(図4(a)参照)。動きが有ると(ここでは顧客の手16の動き)リニアセンサ4’の出力には変化が生じる。手の動きに対応し、t=Tのタイミングのリニアセンサカメラ4から延びる破線で示される平面で撮影を行い、この平面をよぎる顧客の手16の部位に対応し、画素出力波形には変化が生じる。(図4(b)、(c)、(d)、(e)参照)。
リニアセンサ4’の画素信号出力を、時系列的に並べると顧客の手16の再生画像が得られる。図4には、顧客の手16の部位に対応した画素出力波形から得られた再生画像を示す。ここで顧客の手16の動きの速度により、再生画像は伸び縮みするが、人の手の縦横比(長さと幅)はほぼ一定なので、再生画像の補正は容易に行える。また顧客の手16が商品陳列棚15の商品を掴んで出て来ても、即ち商品陳列棚15から離れる方向に移動しても、再生画像は容易に得られる。
以上がリニアセンサカメラ1’を用いて、動体をどの様に認識するかの説明である。
<第1の実施形態-1での動き輪郭抽出方法(背景光無しケース)>
図2はリニアセンサカメラ1’の画素信号出力5を信号処理して、顧客の手16に相当する箇所のみを抽出し、背景出力をゼロにする信号処理回路を示す。図2に示す信号処理回路は、被写体の像をレンズ2でカメラ筐体3内のリニアセンサ4’に結像し、得られた画素信号出力5をリニアセンサカメラ1’より出力する。出力された画素信号出力5より、動き輪郭抽出部6にて動き輪郭情報7を得る。
画素信号出力5は、ラインメモリ12へ取り込まれる。ラインメモリ12から出てくる画素信号出力5は1ライン前のライン出力であり、差分回路13で現時点の画素信号出力5との差分が取られ、絶対値回路14を経て動く輪郭情報7が得られる。1ラインに相当する時間は、リニアセンサ4’のサイクルタイム(1ライン読み出しに掛かる時間)Δtである。即ち、差分回路13では隣接ライン間の差分が取られる。
勿論、ラインメモリ12が1ライン遅延に相当するラインメモリでなくても良く、2ライン相当の遅延を生じさせ、1ライン飛ばしの差分を取っても良い。このライン遅延量は顧客の手16の出し入れの速度と、リニアセンサ4’のサイクルタイムの兼ね合いで決まる。システムの簡便さからラインメモリの遅延時間は通常サイクルタイムの整数倍にするのが一般的であるが、以降は1ラインの遅延(Δt)に相当する隣接ライン間の差分のケースで説明する。
尚、例えば2ラインの遅延(2Δt)に相当する1ライン飛ばしのライン間の差分のケースでは、図2のラインメモリ12では、2ライン分の遅延を行うため、2ライン分の容量が必要になる。しかし、一般的にはラインメモリで2ライン分の遅延が必要になるケースでは、動体の速度も遅い(ここでは顧客の手16の出入りがゆっくり)ので、画像をモニターするタイミングもゆっくりで良くなる。即ち、1ライン飛ばしの画像でも良くなり、1ライン飛ばしに対応するラインの画像信号出力5のデータを捨て去る機構(図示せず)を追加すれば、ラインメモリ12は2ライン前の画素信号出力を記憶しておけばよく、1ライン分の容量で済む。これは、3ライン以上の遅延でも、また図16のフレームメモリ22でも、同様である。
図2に示すライン差分の手法に付き、各信号波形を基に図5を用いて説明する。顧客の手16の位置のタイミングとしては、簡素化するため、まずは背景光が無いケースである、図4(a)、(b)、(d)で示した、t=T、t=T、t=Tのケースで説明する。
まず図4(a)に示したt=Tのタイミングでは、図5(a)に示した様に、リニアセンサカメラ1’の画素信号出力5の波形には顧客の手16の出力が無い。その時にラインメモリ12から出てくる、1ライン前(T0-Δt)の画素信号出力の波形も、図5(a’)に示した様に顧客の手16の出力が無い。差分回路13で両者の差分を取ってもゼロで、絶対値回路14を経ても動き輪郭情報7は、図5(a”)の様にゼロのままである。
次に図4(b)に示したt=Tのタイミングでは、図5(b)に示した様に、画素信号出力5の波形には顧客の手16の出力が現れる。その時にラインメモリ12から出てくる、1ライン前(T0-Δt)の画素信号出力の波形にも、図5(b’)に示した様に顧客の手16の出力が現れている。両者は顧客の手16の差し込み位置により微妙に波形が異なり、一般的に手の出力の輪郭部分に差が現れる。このため差分回路13で両者の差分を取ると、この輪郭部分に微分波形の様な出力が現れる。絶対値回路14を経ると動き輪郭情報7は、図5(b”)の様になる。これは画素信号出力5の微分波形の様な形状である。
ここで絶対値回路14を経て出てきた、本来ならば画素差分絶対値と称する信号を、動き輪郭情報7と呼んでいる理由は、1ライン前の画素信号出力と、現時点の画素信号出力と同期して差分をとっている演算手法にある。即ち微分波形の様な形状になり、静止状態にある被写体は、同じ画素信号出力波形であるので、差分をとるとゼロになる。一方、動きが有る被写体は画素信号出力波形が異なるので、差分をとると信号が残る。この残った信号は動体の輪郭部(周辺部)の個所が多いので、動き輪郭情報7と称する。動体の中央部(例えば顧客の手16の甲の部分)は移動しても、同じようなパターンの変化になり、差分をとっても信号が小さく、動体と判定し辛い。
同様なシーケンスで、顧客の手16が図4(d)のt=Tのタイミングに来ると、図5(d)に示した様に顧客の手16全体の出力が現れてくる。その時にラインメモリ12から出てくる、1ライン前(T3-Δt)の波形も、図15(d’)に示した様に顧客の手16全体の出力で、両者は微妙に異なっている。差分回路13で両者の差分を取ると、この場合には輪郭部(周辺部)以外に、指の間の部分(指の輪郭部)も微妙に出現する。絶対値回路14を経ると動き輪郭情報7は、図5(d”)の様になる。
図5(d”)に示す動き輪郭情報7は複雑な形状をしているが、これは動体が手であり、指の隙間がある複雑な動体であり、動き輪郭情報7も複雑となる。図4(b)の指先や、図4(e)の手首となると、動き輪郭情報7も簡単になる。
<第1の実施形態-1での動き輪郭抽出方法(背景光有りケース)>
図4、5では簡素化するため背景光が無いケースで説明したが、実際には、室内の照明光で背景がゼロになることはなく、実際には、図6(a)の様なリニアセンサカメラ1’の背景光の画素信号出力の波形となる。但し背景は静止しており、顧客の手の動きを捉える短い期間では、一定パターンと考えられる。従って、図4(a)~(e)に対応した各タイミングの実際のリニアセンサカメラ1’の画素出力信号としては、図6(a)~(e)に示された出力波形の様になる。
ここで注意すべきは、顧客の手16に相当した位置にある画素信号出力の大きさは、静止した背景の出力波形に重畳されるのではなく、顧客の手16により手の位置にある背景の画素信号出力が遮られ、手に対応した背景の画素信号出力はゼロになり、顧客の手16の部位に相当した画素信号出力が現れることである。この間の事情を、図6(b)~(e)では点線を使って表現している。
次に背景光の有るケースで、図5(b)、(d)に対応した、図6(b)、(d)に示すt=T、t=Tのタイミングを、図7を用いて説明する。
t=Tのタイミングでは、図7(b)に示した様に、画素信号出力5の波形には顧客の手16の出力が現れる。その時にラインメモリ12から出てくる、1ライン前(T1-Δt)の画素信号出力の波形にも、図7(b’)に示した様に顧客の手16の出力が現れ、両者は微妙に波形が異なる。このため差分回路13で両者の差分を取ると、背景光の領域は同じなので消え、手の輪郭部分に微分波形の様な出力が現れ、絶対値回路14を経ると画素差分絶対値に相当した動き輪郭情報7は、図7(b”)の様になる。これは図5(b”)に示す背景光が無い場合と類似している。
同様なシーケンスで、t=Tのタイミングでは、図7(d)に示した様に手全体が現れて、ラインメモリ12から出てくる、1ライン前(T3-Δt)の波形も、図7(d’)に示した様に手全体の出力で、両者は微妙に異なっている。差分回路13で両者の差分を取ると、輪郭部分以外に、指の間の部分も微妙に出現し、画素差分絶対値に相当した動き輪郭情報7は、図7(d”)の様になる。これも図5(d”)の背景光が無い場合と類似している。
以上はタイミングt=T、t=Tに付いて説明したが、他のタイミングも含め、図2で示すタイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tに対応した、図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示す画素信号出力5の波形に対し、動き輪郭情報7がどの様になるかを、図8(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に並べて示した。
<第1の実施形態-1でのマスキング抽出方法>
図9では、本発明の第1の実施形態-1に係る撮像カメラ1のリニアセンサカメラ1’の出力から信号処理して、顧客の手16に相当する箇所のみ抽出し、背景出力をゼロにする信号処理回路の内、動き輪郭情報7から、マスキング信号9を抽出するための、マスキング抽出部8の説明を行う。動き輪郭抽出部6では背景光が無い場合と有る場合で分けて説明したが、動き輪郭抽出部6からの動き輪郭情報7では、図5(a”)、(b”)、(d”)、図7(a”)、(b”)、(d”)で示す様に、どちらも同様な波形であるため、区別せずにマスキング抽出部8の説明を行う。
動き輪郭抽出部6において動き輪郭情報7は、顧客の手16の動きの発生しているタイミングと、1ライン前のタイミングの差分を取ることで得られる。マスキング抽出部8では、この動き輪郭情報7を基に、顧客の手16の動きの発生しているタイミング(動きの発生時期と、発生場所に相当した画素の出力タイミングの両方の意味が有る)と、動きに対応した画素出力タイミングを抽出するためのマスキング信号9を発生する。
次にマスキング抽出部8の構成を説明する。動き輪郭情報7からは、動き輪郭端部判定部17にて、顧客の手16の外側の輪郭部7’を抽出する。図7(d”)で説明した様に、差分回路13からは、手の輪郭部分以外に、指の間の部分も出現し、動き輪郭情報7は複雑な波形になる。
動き輪郭端部判定部17では動き輪郭情報7の波形の経過を追いかけることで、顧客の手16の外側の輪郭部を抽出することが出来る。
その方法を説明するが、前提としては、リニアセンサカメラ1’で見張る商品陳列棚15の前面の平面に、顧客の手16が侵入し抜き出るまでの間は、一連の動きとして捉えられることである。一般的に顧客の手16は商品陳列棚15の商品(図示せず)を掴むために、手を挿入し商品を掴んで抜き取るのを一連の動きとして行うため、この前提は成立する(陳列棚の商品を掴んだまま、陳列棚の中で止まることは無いし、手以外のもの(頭とか足とか)を挿入することは無いので)。
顧客の手16の先端からリニアセンサカメラ1’に捉えられ、徐々に手の幅に拡大して行く。図4(c)に示す様に途中指の間の部分も登場するが、手の幅の内側に留まっており、手の外側の輪郭を辿って行ける。図4(d)に示す様に過渡的に親指と手の隙間が生じ、新たな動体と区別が出来ないが、図4(e)に示す様に連結され一体物との認識が出来る。
顧客の手16の大きさは、リニアセンサカメラ1’で観察している商品陳列棚15の大きさと比べても小さいものなので、手の付近に生じた新たな動体(指先)は手に帰属するという判断基準を設ければ、手の一番外側の輪郭判定(動き輪郭端部判定)が容易になる。
この様に動き輪郭端部判定部17にて得られた、顧客の手16の外側輪郭に相当する、動き輪郭端部情報18は、マスキング信号発生回路20で閾値19と比較され、2値化されてマスキング信号9が得られ、マスキング抽出部8より出力される。
図9に示すマスキング抽出部8での信号処理に付き、各信号波形を基に図10を用い説明する。顧客の手16の位置のタイミングとしては、図8(b)、(d)で示した、t=T、t=Tのケースであり、動き輪郭情報7と対応する。ここでは背景光有りで動き輪郭情報7を作成したケースに付き説明する。
顧客の手16がt=Tのタイミングに来ると、図10(b)に示す動き輪郭情報7になる。この際の動き輪郭端部情報18は図10(b’)の様になる。動き輪郭端部情報18は一つの動体の輪郭の端部であり、2つで対になっており、対になった2つで一つの動体の領域が決まる。
動き輪郭端部情報18はマスキング信号発生回路20で閾値19と比べられ、マスキング領域設定と2値化が行われる。このマスキング領域とは一つの動体の領域のことである。動き輪郭端部情報18が閾値19を超えてマスキングすべき領域と認識された場合には1、それ以外は0が割り振られ、2値化されたマスキング信号9が得られる。図10(b’)の動き輪郭端部情報18を基に得られたマスキング信号9は図10(b”’)の様になる。
このマスキング信号9が1になっている期間は、顧客の手16の動きの発生しているタイミングと、顧客の手16の位置に対応する画素出力タイミングに相当し、画素信号出力5からマスキングすべき期間である。即ち、マスキング信号9が発生している(1になっている)タイミングの画素信号出力5は、顧客の手16の動きのみを見ていることに相当する。
これと同様なシーケンスで、顧客の手16がt=Tのタイミングでは、図8(d)と同じく、図10(d)の動き輪郭情報7になり、動き輪郭端部情報18は、指の間の部分は端部ではないと判断されて削除され、図10(d’)の様になる。この際には親指とその他の指の隙間は指間とは未だ判断されず、親指は新規動体出現と判断されている。親指の付け根部分のタイミングで両者が同じ動体と判断される。図10(d’)の動き輪郭端部情報18を基に得られたマスキング信号9は図10(d”’)の様になる。
ここで、指の間の隙間の判断は、顧客の手16の先端の指先から決まる最初の端部情報を基に、この端部より指の太さに相当した近傍に発生した新たな動体は、他の指先と定義すると一つの手として認識される。これを更に拡大して、手の幅に相当した近傍に生じた新たな動体(指先)は、手に帰属するという判断基準を設ければ、図10(d”’)で新規動体出現と判断された親指でも、新規動体出現とは判断されず、手の一番外側の輪郭判定が容易になる。これが段落番号51で触れた判断基準である。
<第1の実施形態-1でのマスキング方法>
本発明の第1の実施形態-1に係る撮像カメラ1のリニアセンサカメラ1’の出力から信号処理して、顧客の手16に相当する箇所のみ抽出し、背景出力をゼロにする信号処理回路の内、最後のマスキング信号9を用いて、画素信号出力5より、背景をゼロにし顧客の手16に相当する箇所のみ出力するマスキング画素信号出力11を得る方法に付いて、図11でマスキング回路の説明を行う。背景光が無い場合と有る場合で、動き輪郭情報7はどちらも同じ波形であるため、区別せずに説明を行う。
2値化されたマスキング信号9が1になっている期間は、顧客の手16の動きの発生しているタイミングと、顧客の手16の位置に対応する画素出力タイミングに相当し、画素信号出力5からマスキングすべき期間である。
マスキング回路10では、顧客の手16の動きの発生しているタイミングと、それに対応した画素出力タイミングを抽出するためには、2値化されたマスキング信号9が1のタイミングのみで、リニアセンサカメラ1’からの画素信号出力5を出力させれば良い。マスキング信号が0のタイミングでは、画素信号出力5は出力させない。これを実現するマスキング回路10は両者のANDを取れば良く。単純なAND回路で構成される。マスキング回路10の入力は、マスキング抽出部8より出て来たマスキング信号9と、固体撮像装置4から出て来た画素信号出力5の2つであり、マスキング回路10の出力はマスキング画素信号出力11である。今回の例では、背景が消えて顧客の手16に相当する箇所のみ出力する。
この際に動き輪郭抽出部6と、マスキング抽出部8との演算処理時間による遅延が生じ、顧客の手16の動きのみを画素信号出力5から抽出するのに、不具合が生じる場合には、この演算処理時間に相当した時間だけ、画素信号出力5を遅延回路21で遅延させ、同期(タイミング調整)を取ることにより、マスキング回路10でマスキング画素信号出力11を得れば良い。この遅延回路21は、演算処理時間の遅延による不具合が生じないほど小さければ、挿入する必要は無い。
図11に示すマスキング回路10での信号処理に付き、各信号波形を基に図12を用い説明する。顧客の手16の位置のタイミングとしては、図8(b)、(d)で示した、t=T、t=Tのケースであり、画素信号出力5と、マスキング信号9と対応する。ここでは背景光有りで動き輪郭情報7を作成したケースに付き説明する。
顧客の手16がt=Tのタイミングでの、画素信号出力5とマスキング信号9は、それぞれ図12(b)と図12(b”’)で示され、マスキング画素信号出力11は図12(b””)に示される。即ち、マスキング信号9が発生している(1になっている)タイミングの画素信号出力5は、顧客の手16の動きのみを見ていることに相当する。として図12(b””)に示されるマスキング画素信号出力11は、図3(b)に示した、背景が無い場合のt=Tのタイミングでの顧客の手16の信号である。
これと同様なシーケンスで、顧客の手16が図4のt=Tのタイミングでは図8(d)と同じく、図12(d)の様な画素信号出力5になる。このタイミングt=Tで、図10(d”’)と同じくマスキング信号は図12(d”’)に示され、マスキング画素出力11としては図12(d””)に示され、図4(d)に示した背景が無い場合のt=Tのタイミングでの顧客の手16の信号である。
以上はタイミングt=T、t=Tに付いて説明したが、他のタイミングも含め、図3で示すタイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tに対応した、図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示す画素信号出力5の波形に対し、動き輪郭情報7がどの様になるかは、図8(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示しているが、これを基に、動き輪郭端部情報18とマスキング信号9がどの様になるかを、図13(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示した。
図3で示すタイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tに対応した図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示す画素信号出力5の波形と、図13(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示すマスキング信号9の波形を基に、マスキング回路10で得られたマスキング画素信号出力11は、それぞれのタイミングで図14(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図となる。左図には元の画素信号出力5の波形も入れた。
またタイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tは、顧客の手16の破線の部位に対応する。
段落番号56の、手の幅に相当した近傍に生じた新たな動体(指先)は、手に帰属するという判断基準を設けたケースに付いて図15で説明する。図4で示すタイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tに対応した、図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示す画素信号出力5の波形に対し、動き輪郭情報7がどの様になるかは、図8(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示しているが、これを図15(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左図に再度示す。動き輪郭情報7の波形より動き輪郭端部判定部17で、新規判断基準にて端部と判断された動き輪郭端部情報18の波形としては、各タイミングで図15(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左側に示される動き輪郭情報の波形で幾つかある微分波形の内、両端にある微分波形である。
動き輪郭端部判定部17で、新規判断基準にて得られた動き輪郭端部情報18の波形に基づいて、マスキング抽出部8で、閾値19を超えた時点から1と判断されるマスキング信号9としては、図15(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の中央に示したマスキング信号波形である。マスキング信号波形は顧客の手16の大きさに対応する。
図4で示すタイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tに対応した図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示す画素信号出力5の波形と、図15(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示すマスキング信号9の波形を基に、マスキング回路10で得られたマスキング画素信号出力11は、それぞれのタイミングで図15(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図となる。この波形と、図14(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図で示すマスキング画素信号出力11の波形とを比較すると、タイミングt=Tに対応する、図15(d)の右図と、図14(d)の右図に違いが生じている。即ち、新規判定基準で得られたマスキング信号9の波形では、指の間は顧客の手16の一部として認識され、画像として採択されるためマスキング信号は1となる。このため、図15(d)のマスキング画素信号出力11には、指の間の領域に背景画像が登場する。これが図13(d)の指の間もマスキング信号ゼロ、として得られた図14(d)に示したマスキング画素信号出力11とは異なる。
<第1の実施形態-2>
次に、図1の撮像カメラ1の固体撮像装置4にエリアセンサ4”を用いたケースを説明する。(これを第1の実施形態-2と称す)。図1の動き輪郭抽出部6の構成を図16に示す。レンズ2でカメラ筐体3の固体撮像装置4に、被写体像を結像する光学系を構成させる個所は図1と同じである。固体撮像装置4としてエリアセンサ4”を用いているので、レンズ2とカメラ筐体部3はエリアセンサカメラ1”と呼ぶ。
エリアセンサ4”からの画素信号出力5は2分割され、一方はマスキング回路10に入力されるが、他方は動き輪郭抽出部6に入力される。動き輪郭抽出部6では、画素信号出力5は更に2分割され、フレームメモリ22へ取り込まれる。
フレームメモリ22から出てくる画素信号出力5は、1フレーム前の走査線出力であり、差分回路13で現時点フレームの該当する走査線出力に対応した画素信号出力5との差分が取られ、絶対値回路14を経て動き輪郭情報7が得られる。1フレームに相当する時間は、エリアセンサ4”のサイクルタイムで、以降の図面ではΔTと記す。即ち、差分回路13では隣接フレーム間の、被写体の同じ個所に相当する画素部の差分が取られる。ここでサイクルタイムとは、固体撮像装置4の全ての画素の読み出しに掛かる1周期の時間で、固体撮像装置4がエリアセンサ4”では、1フレームの読み出しに掛かる時間のことである。
ここで動き輪郭抽出部6は、図2で示す第1の実施形態-1のラインメモリ12の代わりに、フレームメモリ22が使われているが、どちらも構成要素は画像メモリで同じである。
理解を助けるために、エリアセンサ4”からの画素信号出力5を説明すると、エリアセンサ4”で2次元的に配列された画素で撮影された1枚の画像をフレームと呼ぶ。画素信号出力5は、エリアセンサ4”の全ての画素を読み出し、前後に空送りがある1フレームの信号出力で構成される。1フレームの画面構成は、TV画面の様に走査線と呼ばれる1ラインの信号を順次上から下に表示しエリア状の画面を構成する。この1フレームを表示する際に、フレーム間は同期が取れており、静止画面の場合には毎回、同じ位置に表示されるので、静止した状態で画面が表示される。
フレームメモリ22から出てくる画素信号出力5は1フレーム前の走査線出力であり、現時点フレームの該当する走査線出力に対応した画素信号出力5と差分が取られることは、フレーム間の同期が取れているので、同じ走査線の位置に相当したラインの同じ画素位置(被写体の同じ位置)で1フレームの時間差での画素出力間の差分となる。
一般的に、エリアセンサ4”のサイクルタイムの中には、画素で光電変換を行う露光時間が含まれており、リニアセンサ4’と同様に、画素で光電変換を開始する時刻と、光電変換を終了する時刻との時間差が露光時間を決める。光電変換を開始する時刻と、終了する時刻のセットを撮影時刻と呼ぶ。
リニアセンサ4’のサイクルタイム(1ライン読み出しに掛かる時間)をΔt(ライン周期)と、エリアセンサ4”のサイクルタイム(1フレームの読み出しに掛かる時間)をΔT(フレーム周期)と表記する。

勿論、フレームメモリ22に蓄積されている画像が、1フレーム周期遅延に相当するフレーム画像でなくても良く、2フレーム周期相当の遅延を生じさせ、1フレーム飛ばしの差分を取っても良い。システムの簡便さからフレームメモリ22に蓄積されている画像の遅延時間は通常サイクルタイムの整数倍にするのが一般的であるが、以降は1フレームの遅延(ΔT)に相当する隣接フレーム間の差分のケースで説明する。
このフレーム遅延量は顧客の手16の出し入れの速度と、エリアセンサ4”のサイクルタイムの兼ね合いで決まる。これは固体撮像装置4にリニアセンサ4’を用いた際のラインメモリ12と事情は同じである。従って段落番号36で述べた事情は、フレームメモリ22でも同様である。
1つの走査線に着目すると、エリアセンサ4”からの画素信号出力5でも、リニアセンサ4’ からの画素信号出力5でも、比較している画素出力間の差分は、それぞれ時間変化が1フレーム間の差に相当するか、1ライン間(Δt)の差に相当するかの違いはあるものの、被写体の同じ場所での時間変化を見ていることに変わりはない。即ち、本発明の最大の特徴である、固体撮像装置4からの画素信号出力5を、読み出しライン毎に処理し、リアルタイムでマスキング画素信号出力11を作成することはエリアセンサでもリニアセンサでも変わらない。
<第1の実施形態-2での動体認識方法>
エリアセンサ4”を用いて、動体をどの様に認識するかの説明を行う。エリアセンサ4”を用いた動体認識の例として、図3と同じく、商品陳列棚の前面部分をモニターするエリアセンサカメラ1”で、商品の出入りに伴う作業(ピックアップ、返却)を行う顧客の手の動きの認識を行うケースで説明する。
図17は、商品陳列棚15に陳列されている商品を取ろうと、顧客の手16が伸びて行く状態を、商品陳列棚15の上前部に設置されたエリアセンサカメラ1”でモニターするケースを示す。このエリアセンサカメラ1”に用いられる固体撮像装置4はエリアセンサ4”であり、商品陳列棚15の前面部分を観察する。商品陳列棚15の前面には、商品の出入りに伴う作業を行う顧客の手16が示されている。エリアセンサ4”は画素がエリア状に配置されているため、撮影できる範囲は、商品陳列棚1の前面の顧客の手の全面を1フレームで撮影できる。従って図3ではt=T~Tで示していたが、図17ではエリアセンサ4”の走査線S~S上に対応し、各走査線上の画素信号出力は図18(a)~(e)のようになり(背景光を便宜上ゼロとした)、動体画像である顧客の手16のどの部位に対応した走査線かを、図18の右図の動体画像に示している。図18(a)~(e)の走査線画素信号出力波形の横軸は各走査線(S~S)上の画素位置に相当し、縦軸は各走査線上の画素信号出力に相当する。
エリアセンサ4”の特徴としては、動きが無いと背景画像の一定した出力になり、動きが有ると(ここでは顧客の手16の動き)エリアセンサ4”の出力には変化が生じる。手の動きに対応し、走査線画素信号出力には変化が生じる。(図18(b)、(c)、(d)、(e)参照)。この際に、図16の動き輪郭抽出部6で得られる動き輪郭情報7について次に説明する。
<第1の実施形態-2での動き輪郭抽出方法(背景光有りケース)>
実際には、室内の照明光で背景がゼロになることはないので、背景光有りのケースで説明を行う。エリアセンサ4”の各走査線の画素信号出力を、図19(a)~(e)の左図に示す。背景画像は静止しており、顧客の手16の動きを捉える短い期間では、各フレームで一定パターンと考えられる。図16の動き輪郭抽出部6で得られる動き輪郭情報7は、図19(a)~(e)の左図に示すエリアセンサカメラ1”の各走査線の画素信号出力を、1フレーム前のものと差分回路13で差分を取り、絶対値回路14で絶対値を取るので図8(a)~(e)と類似の波形となり、動き輪郭情報7としては、図19(a)~(e)の右図のような出力波形になる。どちらも微分波形となり、時間差がライン周期Δtかフレーム周期(ΔT)の間の画素信号出力差である。図19(a)~(e)の右図に示した動き輪郭情報は、ここでは便宜上、図8(a)~(e)の右図に示した第1の実施形態-1の動き輪郭情報と同じにした。
顧客の手16に相当した位置にある画素信号出力の大きさが、背景の出力波形に重畳されるのではなく、顧客の手16により手の位置にある背景の画素信号出力が遮られ、手に対応した背景の画素信号出力はゼロになり、顧客の手16の部位に相当した画素信号出力が現れることはリニアセンサ4’の場合と同様である。この間の事情を、図19(b)~(e)では同様に点線を使って表現している。
<第1の実施形態-2でのマスキング抽出方法>
エリアセンサカメラ1”の各走査線画素信号出力からの動き輪郭情報7は、リニアセンサカメラ1’の動き輪郭情報7と類似であるため、マスキング抽出部8は図9と同様である。動き輪郭情報7から、マスキング信号9を抽出するための、マスキング抽出部8の説明はリニアセンサカメラ1’のケースと同様である。
段落番号56で、手の幅に相当した近傍に生じた新たな動体(指先)は、手に帰属するという判断基準を設けたケースに付いて図20で説明する。図19(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左図に示す各走査線上の画素信号出力5の波形に対し、動き輪郭情報7がどの様になるかは、図19(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図に示しているが、これを図20(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左図に再度示す。動き輪郭情報7の波形より動き輪郭端部判定部17で、新規判断基準にて端部と判断された動き輪郭端部情報18の波形としては、各タイミングで図20(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左側に示される動き輪郭情報の波形で幾つかある微分波形の内、両端にある微分波形である。
動き輪郭端部判定部17で、新規判断基準にて得られた動き輪郭端部情報18の波形に基づいて、マスキング抽出部8で、閾値19を超えた時点から1と判断されるマスキング信号9としては、図20(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の中央に示したマスキング信号波形である。マスキング信号波形は顧客の手16の大きさに対応する。
<第1の実施形態-2でのマスキング方法>
エリアセンサカメラ1”の出力から信号処理して、顧客の手16に相当する箇所のみ抽出し、背景出力をゼロにする信号処理回路の内、最後のマスキング信号9を用いて、画素信号出力5より、背景をゼロにし顧客の手16に相当する箇所のみ出力するマスキング画素信号出力11を得る方法に付いては、図11のマスキング回路10がそのまま使える。背景光が有る場合で説明する。
図17のエリアセンサカメラ1”のエリアセンサ4”の走査線S~S上に対応し、各走査線上の画素信号出力は図19(a)~(e)の左図(走査線画素信号出力)のようになる。図19(a)~(e)の走査線画素信号出力波形の横軸は各走査線(S~S)上の画素位置に相当し、縦軸は各走査線上の画素信号出力に相当する。これから図16に示される動き輪郭抽出部6を経て動き輪郭情報7を抽出し、更にマスキング抽出部8で得られたマスキング信号9は、上述したように、図20(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の中央に示されている。2値化されたマスキング信号9が1になっている期間は、顧客の手16の動きの発生しているタイミングと、顧客の手16の位置に対応する画素出力タイミングに相当し、画素信号出力5からマスキングすべき期間である。
マスキング回路10では、顧客の手16の動きの発生しているタイミングと、それに対応した画素出力タイミングを抽出するためには、2値化されたマスキング信号9が1のタイミングのみで、エリアセンサカメラ1”からの画素信号出力5を出力させ、マスキング信号が0のタイミングでは、画素信号出力5は出力させないAND回路を通せば良い。これを行ったマスキング回路10の出力はマスキング画素信号出力11であり、図20(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図に示される。これはリニアセンサカメラ1’と同様で、背景が消えて顧客の手16に相当する箇所のみ出力する。
<第1の実施形態-3>
図1の撮像カメラ1の動き輪郭抽出部6とマスキング抽出部8の別の構成を図21で説明する。固体撮像装置4としてはリニアセンサ4’を用いた別の構成を第1の実施形態-3と称す。リニアセンサカメラ1’の構成は図2の第1の実施形態-1と同じで、リニアセンサ4’からの画素信号出力5は2分割され、一方はマスキング回路10に入力されるが、他方は動き輪郭抽出部6’に入力される。動き輪郭抽出部6’では、画素信号出力5は更に2分割され、スイッチ回路23を経由してライン記憶部24へ取り込まれる。ライン記憶部24から出てくる画素信号出力5はライン記憶部24に取り込まれたタイミングのライン出力(ライン記憶部出力と称す)であり、差分回路13で現時点の画素信号出力5との差分が取られ、絶対値回路14を経て動き輪郭情報7’が得られる。ライン記憶部24はラインメモリ12と同じく、1ラインの画素信号出力5を記憶するが、スイッチ回路23を経由して取り込まれるため、スイッチがONするタイミングの1ラインの画素信号出力5を記憶する。ライン記憶部24からは記憶した1ラインの画素信号出力5を繰り返し出力する所も、図2の第1の実施形態-1のラインメモリ12と違う。
ここでライン記憶部24の出力であるライン記憶部出力(画素信号出力5)とは、図6(a)のt=Tのタイミングのリニアセンサカメラ4’の背景光の画素信号出力の波形である。スイッチ回路23では、顧客の手16の出力が出て来ない背景光の画素信号出力5を記憶する場合に、スイッチをONにし、ライン記憶部24に取り込み、顧客の手16の出力がされている画素信号出力5は、スイッチをOFFにし、ライン記憶部24には取り込まない。この様にして差分回路13で、背景光の除去が出来る。
動き輪郭抽出部6’はスイッチ回路23が新規構成要素として追加されており、背景光のライン記憶部出力(画素信号出力5)をライン記憶部24に記憶して、繰り返し使うので動き輪郭抽出部6’として区別した。差分回路13では、比較するライン間の画素信号出力の大小関係で、正負の出力になる。このため差分回路13の出力を絶対値回路14に入れて動き輪郭情報7’を得る。また動き輪郭抽出部6’の出力も、動き輪郭情報7’として区別した。
動き輪郭抽出部6’で得られた、動き輪郭情報7’は、マスキング抽出部8’に入力される。マスキング抽出部8’では、動き輪郭情報7をマスキング信号発生回路20で閾値19と比較され、2値化されてマスキング信号9が得られる。マスキング抽出部8’では、図9のマスキング抽出部8にあった動き輪郭端部判定部17と、動き輪郭端部情報18はない。このためマスキング抽出部8’と記した。
マスキング信号発生回路20の出力であるマスキング信号9は、顧客の手16の動きの発生しているタイミングと、それに対応した画素出力タイミングを抽出するための信号であるが、更に、このマスキング信号9と、リニアセンサカメラ4’からの出力である画素信号出力5とから、マスキング回路10にて、顧客の手16の動きにのみに対応する、マスキング画素信号出力11を得る。
この際に動き輪郭抽出部6’と、マスキング抽出部8’との演算処理時間により、顧客の手16の動きのみを画素信号出力5から抽出するのに、不具合が生じる場合には、この演算時間に相当した時間だけ、画素信号出力5を図11のマスキング回路10に存在した遅延回路21で遅延させ、マスキング回路10でマスキング画素信号出力11を得れば良い。
ここで言うマスキングとは、一般的に使われるデータを隠す意味ではなく、データ以外を隠し、データを強調し露出させる、という意味で本明細書では使っている。即ち、マスキング回路10で、2値化のマスキング信号9が、1では画素信号出力5を出し、0では画素信号出力5を出さない。
この間の事情は、段落番号16に記載した様に、マスキング回路10で論理積(AND)を使うための意味合いもある。本願は無駄な背景を隠して余計なデータ処理を無くし、本質的なデータ(例えば顧客の手16)を抽出し、信号処理の簡素化が目的である。
またスイッチ回路23のスイッチの説明を追加すると、マスキング信号9が0の時には、顧客の手16の動きが無く、背景光に対応するので、スイッチ回路はONとしてライン記憶させ、マスキング信号9が1の時には、顧客の手16の動きが有り、取り込むべき顧客の手16の動きに相当するので、スイッチ回路はOFFとしてライン記憶させない。背景光はめったに変わるものではないので、マスキング信号9を毎回使用して、スイッチ回路23のON/OFF制御を行う必要は無く、定期的なサンプリングでスイッチ回路23をONにして、動きが無い背景光の取り込みを行えば良い。
マスキング信号9は波形として、1ラインの中に1と0があり、マスキング回路10で画素信号出力5から動体(顧客の手16)を抽出している。しかし、スイッチ回路23を制御するマスキング信号9が0や1と言うのは、1ラインのマスキング信号の中に、マスキング信号が常に0の場合には0と言い、マスキング信号が1になるタイミングが少しでも含まれる場合には1と言う。この操作を行うために、マスキング信号9からスイッチ回路23の間には選択部25がある。選択部25には、上述した定期的なサンプリングを行うタイマーの様な機能も有し、変化の少ない背景光の定期的なライン記憶を行う。
図21に示す動き輪郭抽出部6’、マスキング抽出部8’、マスキング回路10の動作に付き、各信号波形を基に図22を用いて説明する。顧客の手16の位置のタイミングとしては、図6(a)、(b)、(d)で示した、t=T、t=T、t=Tのケースである。
まず背景画像に相当するt=Tのタイミングでは、図6(a)に示した様に、リニアセンサカメラ4’の背景光の画素信号出力5の波形と同じ波形が、顧客の手16の出力が無く、スイッチ回路がONになった状態で、ライン記憶部24に事前に取り込まれている。このライン記憶部出力は、図22(b)、(d)に示したt=Tのタイミングの出力である。この波形はライン記憶部24で記憶されているので、他のタイミングでも背景画像として出てくる。図22(b)、(d)ではライン記憶部出力と表現している。
次に顧客の手16が図3のt=Tのタイミングに来ると、図6(b)に示す波形になり、図22(b’)にその画素信号出力を示す。このタイミングt=Tで、差分回路13では、この画素信号出力と、t=Tのタイミングの図22(b)で示した背景画像に相当したライン記憶部出力との減算が行われ、絶対値回路14を経ると、図22(b”)で示されるt=Tのタイミングでの動き輪郭情報7’が得られる。これは動き情報そのものであるが、パターン端部が動き輪郭情報になるので、第1の実施形態-1との関連上、動き輪郭情報7’と称す。
t=T以降、t=T以前のタイミングで、顧客の手16が認識されない場合は、画素信号出力は図22(b)と同じ波形で、差分回路13及び絶対値回路14を経た動き輪郭情報7’は、動体がないので輪郭もなく、ゼロのままである。
このタイミングt=Tで、動き輪郭情報7’は、マスキング抽出部8’で、閾値19と比べられ2値化が行われ、動き輪郭情報7’が閾値19を超えた場合には1、超えない場合には0が割り振られ、マスキング信号9が得られる。図22(b”’)にt=Tのタイミングでのマスキング信号9を示す。
このマスキング信号9が1になっている期間は、顧客の手16の動きの発生しているタイミングと、顧客の手16の位置に対応する画素出力タイミングに相当し、画素信号出力5からマスキングして出力すべき期間である。即ち、マスキング信号9が発生している(1になっている)タイミングの画素信号出力5は、顧客の手16の動きのみを見ていることに相当し、マスキング画素信号出力11として図22(b””)に示す。これは図4(b)に示した、背景が無い場合のt=Tのタイミングでの顧客の手16の信号である。
これと同様なシーケンスで、顧客の手16が図3のt=Tのタイミングでは図6(d)と同じく、図22(d’)の様な画素信号出力になる。このタイミングt=Tで、差分回路13では、この画素信号出力と、t=Tのタイミングの図22(d)の背景画像に相当したライン記憶部出力(図22(b)と同じ)との減算が行われ、絶対値回路21を経ると、図22(d”)で示されるt=Tのタイミングでの動き輪郭情報7’が得られる。同様にマスキング信号は図22(d”’)に示され、マスキング画素信号出力11としては図12(d””)に示され、図4(d)に示した、背景が無い場合のt=Tのタイミングでの顧客の手16の信号である。
以上はタイミングt=T、t=T、t=Tに付いて説明したが、他のタイミングも含め、図3で示すタイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tに対応した、図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示す画素信号出力の波形に対し、動き輪郭情報7’とマスキング信号がどの様になるかを、図23(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左図、中央部、右図に示した。
図23(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図に示すマスキング信号9は、図13(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示したマスキング信号と同じであり、図21のマスキング回路10を経て得られるマスキング画素信号出力11は、それぞれのタイミングで図11のマスキング回路10で得られたマスキング画素信号出力11に相当する図14(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図と同じになる。これは図4(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示した背景光が無い場合の画素信号出力と同じになり、背景光が消去でき、動き物体である顧客の手16のみの画像となる。図14(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左図には元の画素信号出力5の波形も入れた。タイミングt=T、t=T、t=T、t=T、t=Tは、顧客の手16の破線の部位に対応する。
<第1の実施形態-4>
図1の撮像カメラ1の動き輪郭抽出部6とマスキング抽出部8の別の構成を図24で説明する。固体撮像装置4としてはエリアセンサ4”を用いた別の構成を第1の実施形態-4と称す。エリアセンサカメラ1”の構成は図16の第1の実施形態-2と同じで、エリアセンサ4”からの画素信号出力5は2分割され、一方はマスキング回路10に入力されるが、他方は動き輪郭抽出部6’に入力される。動き輪郭抽出部6’では、画素信号出力5は更に2分割され、スイッチ回路23’を経由してフレーム記憶部26へ取り込まれる。フレーム記憶部26から出てくる画素信号出力5はフレーム記憶部26に取り込まれたタイミングのフレーム出力(フレーム記憶部出力と称す)であり、差分回路13で現時点のフレーム出力である画素信号出力5との差分が取られ、絶対値回路14を経て動き輪郭情報7’が得られる。フレーム記憶部26はフレームメモリ22と同じく、1フレームの画素信号出力5を記憶するが、スイッチ回路23’を経由して取り込まれるため、スイッチがONするタイミングの1フレームの画素信号出力5を記憶する。フレーム記憶部26からは記憶した1フレームの画素信号出力5を繰り返し出力する所も、図16の第1の実施形態-2のフレームメモリ22と違う。この事情は第1の実施形態-3と同じである。
動き輪郭抽出部6’はスイッチ回路23’が新規構成要素として追加され、背景光のフレーム記憶部出力(画素信号出力5)をフレーム記憶部26に記憶して、繰り返し使うので動き輪郭抽出部6’として区別した。また動き輪郭抽出部6’の出力も、動き輪郭情報7’として区別した。
ここでフレーム記憶部26の出力であるフレーム記憶部出力(画素信号出力5)とは、図25の顧客の手16が無い状態(図25では破線で示した)の背景光の静止画像である。図25のエリアセンサカメラ1”の各走査線S~Sでのエリアセンサ4”の背景光の走査線画素信号出力の波形を、図26(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示した。
顧客の手16が出現していない背景光の画素信号出力5を記憶する場合には、スイッチ回路23’でスイッチをONにし、図26(a)~(e)に示した背景光パターンをフレーム記憶部26に取り込む。顧客の手16が出現した場合には、スイッチ回路23’のスイッチをOFFにし、画素信号出力5は、フレーム記憶部26には取り込まない。この様にして差分回路13で、背景光の除去が出来る。
背景光のフレーム記憶部出力(画素信号出力5)はフレーム記憶部26に記憶して、ライン記憶部24と同様に繰り返し使う。差分回路13では、比較するフレーム間の画素信号出力の大小関係で、正負の出力になる。このため差分回路13の出力を絶対値回路14に入れて動き輪郭情報7’を得る。図21と同様に、図24でも動き輪郭抽出部6’、動き輪郭情報7’として、第1の実施形態-2と区別した。
動き輪郭抽出部6’で得られた、動き輪郭情報7’は、マスキング抽出部8’に入力される。マスキング抽出部8’では、動き輪郭情報7’をマスキング信号発生回路20で閾値19と比較され、走査線毎に2値化されてマスキング信号9が得られる。マスキング抽出部8’では、図21と同様に、動き輪郭端部判定部17と、動き輪郭端部情報18はない。
マスキング信号発生回路20の出力であるマスキング信号9は、顧客の手16のパターンに対応した画素信号出力5を出力するタイミングを抽出するための信号であるが、これを実現するために、このマスキング信号9と、エリアセンサカメラ4”からの出力である画素信号出力5とから、マスキング回路10にて、背景を除去した、動き物体である顧客の手16のみに対応する、マスキング画素信号出力11を得る。
この際に動き輪郭抽出部6’と、マスキング抽出部8’との演算処理時間により、顧客の手16の動きのみを画素信号出力5から抽出するのに、不具合が生じる場合には、この演算時間に相当した時間だけ、画素信号出力5を図11のマスキング回路10に存在した遅延回路21(図示せず)で遅延させ、マスキング回路10でマスキング画素信号出力11を得れば良い。マスキング回路10では、2値化のマスキング信号9が、1では画素信号出力5を出し、0では画素信号出力5を出さない。
またスイッチ回路23のスイッチの説明を追加すると、走査線毎のマスキング信号9が全て0の時には、顧客の手16の動きが無く、背景光に対応するので、スイッチ回路はONとしてフレーム記憶させ、1本でも走査線にマスキング信号9が1の個所が有る場合(即ち、顧客の手16の動きが有る場合)には、静止した背景光でないので、スイッチ回路はOFFとしてフレーム記憶させない。背景光はめったに変わるものではないので、マスキング信号9を毎回使用して、スイッチ回路23のON/OFF制御を行う必要は無く、定期的なサンプリングでスイッチ回路23をONにして、動きが無い背景光の取り込みを行えば良いことは、図21の第1の実施形態-3と同様である。
マスキング信号9は波形として、1フレームの中に1と0の領域が有り、マスキング回路10で画素信号出力5から動体(顧客の手16)を抽出している。しかし、スイッチ回路23’を制御するマスキング信号9が0や1と言うのは、1フレームのマスキング信号の中に、マスキング信号が常に0の場合には0と言い、マスキング信号が1になるタイミングが少しでも含まれる場合には1と言う。この操作を行うために、マスキング信号9からスイッチ回路23’の間には選択部25’がある。選択部25’には、上述した定期的なサンプリングを行うタイマーの様な機能も有し、変化の少ない背景光の定期的なフレーム記憶を行う。ライン記憶、フレーム記憶を区別するため、スイッチ回路23’、選択部25’と記した。
図24に示す動き輪郭抽出部6’、マスキング抽出部8’、マスキング回路10の動作に付き、例として、陳列棚15に陳列されている商品を取ろうと、顧客の手16が伸びて行く状態を、商品陳列棚15の上前部に設置されたエリアセンサカメラ1”でモニターするケースで説明する。顧客の手16が無い背景光のパターンとしては、エリアセンサ4”の各走査線の画素信号出力は図26(a)~(e)に示され、フレーム記憶部26に記録されている。
一方、図17の様に、商品陳列棚15に陳列されている商品を取ろうと、顧客の手16が伸びて行く状態では、エリアセンサ4”の走査線S~S上に対応し、各走査線上の画素信号出力は図19(a)~(e)の左図のようになる。図18(a)~(e)の走査線画素信号出力波形の横軸は各走査線(S~S)上の画素位置に相当し、縦軸は各走査線上の画素信号出力に相当する。
図27は、エリアセンサ4”の走査線の内、走査線S、Sを例に取り出し、フレーム記憶部出力(背景光)と、走査線画素信号出力、及び動き輪郭抽出部6’、マスキング抽出部8’、マスキング回路10の出力にそれぞれ相当する、動き輪郭情報7’、マスキング信号9、マスキング画素信号出力11のそれぞれの波形を説明するものである。図27の左図は走査線S、右図は走査線Sに対応する。
まず図27(b)、(b’)、(b”)、(b”’)、(b””)はそれぞれ、走査線Sのフレーム記憶部出力(背景光)、走査線画素信号出力、動き輪郭情報7’、マスキング信号9、マスキング画素信号出力11に相当し、図27(d)、(d’)、(d”)、(d”’)、(d””)はそれぞれ、走査線Sのものに対応する。
図27(b)、(b’)、(b”)、(b”’)、(b””)で走査線Sの波形を説明すると、図27(b)は、走査線Sの位置に対応した顧客の手16が無い背景光のフレーム記憶部出力の波形を示す。図27(b’)は走査線Sの位置に対応した顧客の手16がある走査線画素信号出力の波形を示す。図24の動き輪郭抽出部6’の差分回路13で両者の差分を取り、絶対値回路14で絶対値を取ると、図27(b”)で示される動き輪郭情報7’が取得され、図24のマスキング抽出部8’のマスキング信号発生回路20で閾値19と比較され、2値化されたマスキング信号9が図27(b”’)の様に取得される。これとエリアセンサ4”からの走査線Sに対応する画素信号出力5とのANDがマスキング回路10で取られると、走査線のSに対応したマスキング画素信号出力11が取得され、図27(b””)に示される。
同様に走査線Sについても、フレーム記憶部出力(背景光)、走査線画素信号出力、動き輪郭情報7’、マスキング信号9、マスキング画素信号出力11が得られ、図27(d)、(d’)、(d”)、(d”’)、(d””)にそれぞれ示される。
図27(b””)、(d””)に示されるマスキング画素信号出力11は、図18に示される背景光無しの走査線画素信号出力の内、走査線S、Sに対応した図18(b)、(d)と同じ波形になる。即ち、背景光の有る被写体でも動き物体が(ここでは顧客の手16)があると、図24の第1の実施形態-4に示す回路を通すと、走査線ごとに動体のみを抽出し、出力することができる。
以上は走査線S、Sに付いて説明したが、図17のエリアセンサカメラ1”のエリアセンサ4”の走査線S~S上に対応し、背景光が有る場合、各走査線上の画素信号出力は図19(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左図(走査線画素信号出力)のようになるが、これを図28(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の左図で再度示す。これから図24に示される動き輪郭抽出部6を経て抽出した動き輪郭情報7’は、図28(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の中央部に示され、更に図24のマスキング抽出部8’を経て抽出したマスキング信号9は、図28(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図に示される。
このマスキング信号9は、第1の実施形態-3で得られたマスキング信号である図23(a)、(b)、(c)、(d)、(e)と同じであり、更に図13(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示したマスキング信号と同じである。
即ち、図24のマスキング回路10を経て得られるマスキング画素信号出力11は、それぞれのタイミングで図11のマスキング回路10で得られたマスキング画素信号出力11に相当する図14(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の右図と同じになる。これは図4(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示した背景光が無い場合の画素信号出力と同じになる。このタイミングはエリアセンサ4”では走査線S~Sに対応し、図18の背景光が無い走査線画素信号出力に相当する。
<第1の実施形態-5>
図1の撮像カメラ1の動き輪郭抽出部6とマスキング抽出部8の別の構成を図29で説明する。固体撮像装置4として、後述する特殊な画素配列構造のエリアセンサ4”’を用いた、別の構成を第1の実施形態-5と称す。エリアセンサカメラ1”の構成は図16の第1の実施形態-2と同じで、エリアセンサ4”’からの画素信号出力5は2分割され、一方はマスキング回路10に入力されるが、他方は動き輪郭抽出部6”に入力される。動き輪郭抽出部6”では、画素信号出力5は更に2分割され、ビットメモリ27へ取り込まれる。ビットメモリ27から出てくる画素信号出力5は1ビット前の画素信号出力5であり、差分回路13で現時点の画素信号出力5との差分が取られる。これは隣接画素間の差分を取得することに相当する。更に差分した信号は、絶対値回路14を経て動き輪郭情報7”が得られる。
動き輪郭抽出部6”はビットメモリ27を使用するので、動き輪郭抽出部6”として区別した。また動き輪郭抽出部6”の出力も、動き輪郭情報7”として区別した。
図29は画素微分を取得する方法として、ビットメモリ27を使用するケースを示している。差分回路13では現在の画素信号と、同色の隣接する画素信号との差分を取ることにより、同色の隣接画素間の差分演算を行い、画素微分を取ることができる。差分なので明暗により正負の値を取る(符号を有する)ので、絶対値回路14を経て、絶対値情報にし、動き輪郭情報7”を取得する。
同色の隣接画素間の画素微分演算を行う方法としては、同一走査線上の左右方向に隣接する同色の画素間での差分で行う方法と、隣接する走査線を同時読み出しし、上下方向に隣接する同色の画素間での差分で行う方法がある。
前者の場合には、同一走査線上の同色画素間の差分を取るので、図29に示したビットメモリ27を使用するが、後者の場合には隣接する走査線が同時に出て来るのでビットメモリ27は不要になる。
図29に示す動き端部抽出部6”には、図16の動き輪郭抽出部6にあったフレームメモリ22は存在しない。従って動き輪郭情報7”はエリアセンサ4”’で撮像した最も新しい(フレームベースでなく)走査線ベースの画像情報に対しての出力である。
第1の実施形態-5として図29で示した、フレームメモリを使用せずビットメモリ27を用いて、動き輪郭を抽出方法に付き説明する。同色の隣接する画素信号との差分で動き輪郭情報を取得するためには、通常の画素構造では実現しない。従ってこのケースで使用されるエリアセンサ4”’の画素構造は特殊で、図30、図31に示すような露光時間の異なる2種類の画素28から構成される。このため、図16、図24のエリアセンサ4”とは区別し、図29ではエリアセンサ4”’と表記した。
図29のエリアセンサ4”’の画素28の構成を図30(a)で、画素出力特性を図30(b)で示す。
図30(a)に示されるエリアセンサ4”’の画素構成としては、露光時間が異なる2種類の画素28に対応して、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLが横方向に隣接して配置されており、1走査線上で交互に出力される。両者の画素28の画素出力特性としては図30(b)に示すように、時間の経過とともに画素出力が増える傾き(感度に相当する)が同じケースを示しており、露光時間に見合った画素出力が得られる。STSとSTLは同時のタイミングで読み出され、エリアセンサ4”’の画素信号出力5として出力される。図30(b)では短時間露光画素STSと長時間露光画素STLの露光時間を、それぞれT、Tとした。(T>T
図29の動き端部抽出部6”に入力した画素信号出力5の内、短時間露光画素STSは、ビットメモリ27に入り、走査線上の1画素に相当する時間だけ遅延して、差分回路13に入力される。このタイミングは隣接した長時間露光画素STLの差分回路13への入力と同じであり、1走査線上の隣接した画素間の差分が取得できる。この際、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLの画素出力は、図30(b)の様に露光時間の差だけ大きさが異なるので、出力が揃うようにゲイン調整を行う。具体的にはビットメモリ27で走査線上の1画素に相当する時間(1ビット)だけ遅延する以外に、露光時間T、Tに比例した出力の違いを補正すべく、STSの出力をT/T倍にする。このゲイン調整機能もビットメモリ27に内蔵させる(図示していない)。このゲイン調整して差分を取ることにより、静止画では出力が揃い差分回路13の出力がゼロになるのに対し、動きが有る被写体では、動体の端で出力が残り、絶対値回路14を経ると、動き輪郭情報7”として出力が残る。
このように静止領域は同じ信号レベルの差分なのでゼロになり。動きがある場合で、動体の出力値に変化がある領域では、差分を取得した際にゼロとはならない。また、動体パターンの内部で明暗が均一である場合には、動体パターン内部は静止画と同様になりゼロとなり、動体の輪郭パターンが残る。このように動き輪郭情報7”は動体の輪郭情報を含んでいる。
段落番号26で、「画素差分とは被写体の同じ位置を結像する、異なる露光タイミングの画素間の差分を意味する。」と定義している。このため、隣接した画素どうしの差分は、厳密には本願の画素間の差分とは異なるが、一般的に画素数は、リニアセンサでは数千、エリアセンサでは百万~千万画素が普通なので、隣接画素は被写体の同じ位置を撮影していると考えて良い。
また図33の第2の実施形態-5の付加機能として出てくる、垂直、水平方向の同色画素の平均化し、隣接し合う短時間露光画素STSと長時間露光画素STLの画素出力の差分を取ることで、静止物体の端部で生じるノイズの緩和が出来て、より精度の高い動き物体の輪郭抽出が出来る。この場合は更に、隣接画素は被写体の同じ位置(領域)を撮影していると考えて良くなる。
図30(a)に示されるエリアセンサ4”’では、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLが横方向に隣接して配置されたケースであったが、上下方向に隣接している場合には、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLの2ラインを、1本の走査線として同時に読み出す。この場合にはビットメモリ27での1画素に相当する時間(1ビット)の遅延は不要で、露光時間T、Tに比例した出力の違いを補正すべく、STSの出力のT/T倍のみで良い。差分回路13には、ゲイン調整された短時間露光画素STSと長時間露光画素STLを入力し、差分を取る。
図29のエリアセンサ4”’の画素28の別の構成を図31(a)で、画素出力特性を図31(b)で示す。図31(a)に示されるエリアセンサ4”’の画素28’,28”の構成としては、短時間露光画素28’(図中STSと示す)と長時間露光画素28”(図中STLと示す)が配置されているが、両者の画素のサイズが異なり感度が異なる。短時間露光画素STSの感度をSSとし、長時間露光画素STLの感度をSLとすると、両者の感度比;SS/SLを、両者の露光時間比;TS/TLの逆数にしたケースでは、その画素出力特性は図31(b)に示すようになり、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLの画素出力が揃う。
短時間露光画素STS、長時間露光画素STLは、図31(a)の画素配置で上下方向に隣接する。この2ラインを、1本の走査線として同時に読み出す。図31(b)に示した様に、露光時間T:Tに対応して、両者の感度比がT:Tとなっているので、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLの画素出力が揃う。差分回路13には、この揃った画素出力の短時間露光画素STSと長時間露光画素STLが入力され差分を取る。静止画では出力が揃い差分回路13の出力がゼロになるのに対し、動きが有る被写体では、動体の端で出力が残り、絶対値回路14を経ると、動き輪郭情報7”として出力が残る。
図31(b)に示す画素出力特性では、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLの画素出力が揃っているので、ビットメモリ27でのゲイン調整は不要になる。しかし感度比でSS/SLで決まる露光時間比(TS/TL)しか選択できないので、露光時間の自由度を増すために、ゲイン調整は有った方が良い。
このようにビットメモリ27は、露光時間の異なる対となった隣接画素間で、静止画では出力が揃え、差分を取った際にゼロとなるように、必要ならビット遅延させたり、ゲイン調整したりする、機能を有した回路を総称した意味で使っている。
図30に示す露光時間の異なる画素対で、ゲイン調整を行って出力を揃えたり、図31に示す露光時間の異なる画素対で、露光時間に見合った画素感度に調整して出力を揃えたりして、動き輪郭情報7”が生じないようにすることで、背景の静止画を消滅することが出来る。
図29の第1の実施形態-5ではエリアセンサ4”’を用い、図30、図31に示すようなエリアセンサの画素構造で説明したが、この画素構造はリニアセンサであっても成り立つ。
本発明の最大の特徴は、固体撮像装置4からの画素信号出力5を、読み出しライン毎に処理し、リアルタイムでマスキング画素信号出力11を作成することにある。このため、エリアセンサでもリニアセンサでも変わらない。
上述した様に、第1の実施形態-1(リニアセンサ)、第1の実施形態-2(エリアセンサ)、第1の実施形態-3(リニアセンサ)、第1の実施形態-4(エリアセンサ)、第1の実施形態-5(エリアセンサ)でも最終マスキング画素信号出力11は同じである。
<第2の実施形態>
以上は、撮像装置として撮像カメラ1で説明を行ってきたが、次に撮像装置の第2の実施形態とし、撮像装置として図32に示す固体撮像装置4の説明を行う。図32では、本発明の固体撮像装置4のブロック構成及び各ブロックの信号を説明する。
レンズ2で固体撮像装置4の画素部28に被写体像を結像する。画素部から出力される画素信号出力5は、2つに分割され一方は動き輪郭抽出部6に、他方はマスキング回路10へ入力される。動き輪郭抽出部6では、画素信号出力5より動き輪郭情報7を抽出する。抽出された動き輪郭情報7は、マスキング抽出部8に入力される。マスキング抽出部8では、動き輪郭情報7より、動体としてのみ出力させるマスキング信号9を作成し出力する。マスキング信号9はマスキング回路10に入力され、同じく入力された画素信号出力5と共に、マスキング回路でマスキング画素信号出力11を作成し出力される。このマスキング画素信号出力とは、動体の画像に対応した画素のみの出力であり、本発明の目的とする動体情報のみを出力する撮像装置になる。
画素信号出力5以降は、図1に示した第1の実施形態である撮像カメラ1のブロック構成と、信号と同じであり、ブロック構成が画素部のある固体撮像装置4上に(オンチップで)形成されている。
即ち、第1の実施形態-1(リニアセンサ)、第1の実施形態-2(エリアセンサ)、第1の実施形態-3(リニアセンサ)、第1の実施形態-4(エリアセンサ)、第1の実施形態-5(エリアセンサ)の画素信号出力5以降にある、図1に示した第1の実施形態である撮像カメラ1の回路ブロックを、固体撮像装置4上に形成したのが、第2の実施形態であり、それぞれ、第2の実施形態-1(リニアセンサ)、第2の実施形態-2(エリアセンサ)、第2の実施形態-3(リニアセンサ)、第2の実施形態-4(エリアセンサ)、第2の実施形態-5(エリアセンサ)となる。
その機能・動作は上述した通りであるが、ここでは画素構造が特殊な第2の実施形態-5(エリアセンサ)を例にとり、固体撮像装置4”’の回路構成を図33で説明する。
<第2の実施形態-5>
図1の撮像カメラ1では図29のエリアセンサ4”’から出力される画素信号出力5を、動き輪郭抽出部6”でゲイン調整機能を有するビットメモリ27、差分回路13、絶対値回路14を経て、動き輪郭情報を7”を得ていた。エリアセンサ4”’の画素配置は、図30(a)や図31(a)に示される様に、幾つかの種類が有るので、図33では分離回路29とゲイン調整回路29’を経て、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLから、差分回路13で差分を取り、絶対値回路14を経て、動き輪郭情報7”を取得する方式にする。処理方法は第1の実施形態-5と同じであり、ビットメモリ27に分離回路29とゲイン調整回路29’の機能を包含していたので、同じ番号で表記した。図33で、動き輪郭情報7”からマスキング抽出部8”、マスキング回路10を経て、マスキング画素信号出力11を取得する方法は図29の第1の実施形態-5と同じである。マスキング回路10はAND回路30(今までは番号を付与していなかった)である。
図33に示す固体撮像装置4”’の回路構成では、より具体的な回路ブロックが追加されている。
図30(a)や図31(a)に示される画素配列で、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLを用いた処理は、同色の隣接する画素信号との差分で行われていた。カラー画像を取得するためには、更にカラー処理部31を経て、カラー映像情報32を得る。画素部28は図30(a)や図31(a)で示される露光時間の異なる2種類の画素から構成される。
図33の固体撮像装置4”’の画素部28につき説明すると、カラー撮像用として各画素にベイヤー配置の色フィルタが形成されている。これが図中では緑(Gr、Gb)、赤(R)、青(B)で示される。
タイミング発生回路33で発生したマスタークロックを基に、画素での露光制御、垂直走査、水平走査を行う。露光制御方法としては、図30、図31で説明した長時間露光画素STLと短時間露光画素STSの、それぞれの露光時間TL、TSを露光時間生成回路34にて生成し、垂直走査回路35を介して画素部28を制御する。
垂直並列制御回路36では、垂直方向に配置した画素駆動ラインを複数本同時にONにすることで、垂直に配置した同色の画素信号を垂直合成(平均化)することもできる。画素部28の上部には、画素部28から出力される複数の垂直信号線の画素信号を同時に読み出す回路は、水平方向の読出しを走査する水平走査回路37、垂直信号線を受け水平方向で信号を合成する水平合成回路38、で構成されている。水平合成回路38で同色の画素信号を水平合成(平均化)することも出来る。この同色の画素合成は露光時間が同じ画素どうしで行い、静止物体の端部で生じるノイズの緩和が出来て、より精度の高い動き物体の輪郭抽出が出来る。
図30、図31で示したように、短時間露光画素STSと長時間露光画素STLは走査線毎に交互に繰り返しているが、同じ露光時間の同色の画素信号の合成化(平均化)は、複数走査線で行われるので、ほぼ同じ領域の長時間露光情報と短時間露光画素情報が取得できて、差分回路13で差分して得られる動き輪郭情報7”は、ほぼ同じ領域での比較になり動き情報の精度が上がる利点がある。
これは画素単位で短時間露光画素STSと長時間露光画素STLの差分を取ると、静止物体の場合でも輪郭部では差分がゼロにならない不具合(エッジノイズ)が発生するが、平均化することにより輪郭部のエッジノイズが大幅に抑制でき利点を生じる。これが前述した、より精度の高い動き物体の輪郭抽出が出来る理由である。
同じ露光時間の同色の画素信号の合成化(平均化)は、垂直、水平方向の合成する画素数にも依存するが、情報量を大幅に減少できる、という利点も生じる。例えば、垂直、水平方向の10画素ずつ平均化すると、情報量は2桁(1/100)に削減できる。
従来の動き分析では固体撮像装置から出力される膨大な画像情報を、画素単位でリアルタイムに処理するには、後段処理回路に大きな画像処理負荷が必要となり、バッテリー駆動は困難であった。
本方式では、画素数見合いの情報量が大幅に減り(上記例では2桁)、さらに2値化した動き輪郭情報9を処理することで、画素単位の情報量も大幅に減る(例えば8ビット⇒1ビット)ことも大きな利点である。これは本発明の撮像装置の特徴である、動き物体のみを出力することと共に、情報量削減による負荷軽減に寄与する。
図33の固体撮像装置4”’では、画素部28の下部には、画素部28から出力される複数の垂直信号線の画素信号が入力されたカラム型ノイズキャンセル回路(CDS)39、カラム型アナログデジタルコンバータ回路(AD変換)40、ラインメモリ41、水平画素走査回路42が付加されている。ベイヤー配列(2×2画素)の複数ラインの画素(このためラインメモリ41が必要になる)を基に、カラー処理をカラー処理部31で行い、カラー映像情報32を生成する。ラインメモリ41は図2のラインメモリ12と呼称が同じであるが、エリアセンサでカラー処理を行うためのラインメモリであり、呼称は同じだが番号を分けた。符号の説明ではラインメモリ(カラー処理用)と記した。
更には図33の構成から、カラー処理に関連した部分を省略し、マスキング画素信号出力11のみを出力させる機能でも良い。カラー処理に関連した部分を省略するという意味は、CDS回路39,ADC回路40、ラインメモリ41、水平画素走査回路42、カラー処理部31を省略することである。
図33では垂直並列制御回路36や水平合成回路38を活用して、それぞれ、垂直に配置した同色の画素信号を垂直合成(平均化)したり、水平方向に同色の画素信号を水平合成(平均化)したりすることで、情報量を減らし、エッジノイズを減らして動きベクトル情報を取得する方法に付き説明した。この水平合成回路38、水平走査回路37は、通常の固体撮像装置のカラー処理に関連した部分に追加する形になる。本発明は通常のカラー処理の出力でも同様に適用でき、次の図34で説明する。
図34では水平走査回路37、水平合成回路38を省略している。カラー撮像用として各画素にベイヤー配置の色フィルタ(図中の緑(Gr、Gb)、赤(R)、青(B))が形成されているが、これらをカラー処理するためのラインメモリ41からの出力から、動き輪郭抽出部6”にて、同色のSTSとSTLから動き輪郭情報7”を抽出する。以降は図33と同じである。
<請求項と実施形態と対応する図面の関連性>
請求項1‥本発明の第1と第2の実施形態で、それぞれ図1、図32に対応する。
請求項2‥本発明の第1実施形態で、図2、3に対応する。
請求項3‥本発明の第1の実施形態-3、-4で、それぞれ図21~24、図24~28に対応する。
請求項4‥本発明の第1の実施形態-3、-4で、それぞれ図21、図24に対応する。
請求項5‥本発明の第1の実施形態-1、-2で、それぞれ図2~15、図16~20に対応する。
請求項6‥本発明の第1の実施形態-5と、第2の実施形態-5で、それぞれ図29~31、図33~34に対応する。
請求項7‥本発明の第2の実施形態-5で、図33に対応する。
請求項8‥本発明の第1の実施形態-1、-3で、それぞれ図2、図21に対応する。図はないが、本発明の第2の実施形態-1、-3にも対応する。
請求項9‥本発明の第1の実施形態-2、-4で、それぞれ図16、図24に対応する。図はないが、本発明の第2の実施形態-2、-4にも対応する。
請求項10‥本発明の第1の実施形態で、図1~31に対応する。
請求項11‥本発明の第2の実施形態で、図32~34に対応する。
1 撮像カメラ
1’ リニアセンサカメラ
1” エリアセンサカメラ
2 レンズ
3 カメラ筐体
4 固体撮像装置
4’ リニアセンサ
4”、4”’ エリアセンサ
5 画素信号出力
6、6’、6” 動き輪郭抽出部
7、7’、7” 動き輪郭情報
8、8’、8” マスキング抽出部
9 マスキング信号
10 マスキング回路
11 マスキング画素信号出力
12 ラインメモリ
13 差分回路
14 絶対値回路
15 商品陳列棚
16 顧客の手
17、17” 動き輪郭端部判定部
18、18” 動き輪郭端部情報
19 閾値
20 マスキング信号発生回路
21 遅延回路
22 フレームメモリ
23、23’ スイッチ回路
24、24’ ライン記憶部
25、25’ 選択部
26 フレーム記憶部
27 ビットメモリ
28、28’、28” 画素
29 分離回路
29’ ゲイン調整回路
30 AND回路
31 カラー処理部
32、カラー映像情報
33 タイミング発生回路
34 露光時間生成回路
35 垂直走査回路
36 垂直並列制御回路
37 水平走査回路
38 水平合成回路
39 CDS回路
40 ADC回路
41 ラインメモリ(カラー処理用)
42 水平画素走査回路

Claims (11)

  1. 光学的結像手段で結像した被写体の光信号を電気信号に変換する光電変換素子単位である画素を複数有する画素部で撮影し、光電変換が開始する時刻と終了する時刻で定義される撮影時刻が異なる2つの撮影信号の、少なくとも一方が現時点の撮影信号である画素信号出力であり、かつ2つの撮影信号間の差分信号を、静止した被写体では同じ場所に対応した画素どうしの差分で生成する手段と、
    静止した被写体からの撮影信号からは、前記差分信号が生じないように、差分信号を構成する2つの撮影信号の画素信号出力を調整する手段と、
    差分信号の絶対値をとり、動きのある被写体の輪郭情報に関連した、動き輪郭情報を、読み出しライン毎に取得する手段と、
    前記動き輪郭情報から、閾値と比較されて得られ、かつ動きのある被写体の領域を1とし、それ以外の領域を0とした、2値化されたマスキング信号を、読み出しライン毎に得る手段と、
    前記2値化されたマスキング信号と、画素部からの現時点の撮影信号である画素信号出力とから論理積をとり、マスキング信号が1である個所の画素信号出力のみを、動きのある被写体の画像として、読み出しライン毎に出力する手段と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記画素部で撮影した撮像時刻が異なり、一方が現時点の撮影信号である、2つの撮影信号間の差分信号を生成する手段として、メモリを使用し、異なる撮影時刻の時間間隔としては、画素部の全ての画素の読み出しに掛かるサイクルタイムの整数倍として、画像差分を行うことで、実現したことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記画素部で撮影した撮像時刻が異なり、一方が現時点の撮影信号である、2つの撮影信号間の差分信号を生成する手段として、画素差分を行う撮影信号としては、動きが無い静止状態の撮影信号を繰り返し用いて、画像差分を行うことで、実現したことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. メモリに取り込むべき、動きが無い静止状態の撮影信号の判定に、2値化されたマスキング信号を活用し、マスキング信号が全て0である撮影信号を、動きが無い静止状態の撮影信号と判定し、この撮影信号を、定期的にメモリに一時保存する、ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 異なる撮影時刻の時間間隔としては、画素部の全ての画素の読み出しに掛かるサイクルタイムとして、画像差分を行い、動体の外側輪郭の情報に対応する動き輪郭端部情報を経て、閾値と比較して2値化されたマスキング信号を得る、ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  6. 前記画素部で撮影した撮像時刻の異なる2つの撮影信号間の差分信号を生成する手段として、
    画素部に配置された画素を少なくとも2分割し、露光時間の長さを異ならせて制御する露光時間制御手段と、
    静止した被写体の撮影信号からは、差分信号が生じないように調整した、前記露光時間の異なる前記撮影信号間の差分信号を生成する手段と、
    2つの撮影信号の双方が、現時点の撮影信号である画素信号出力であり、かつ2つの撮影信号間の差分信号を、被写体の同じ場所に対応したと考えられる、隣接した画素どうしの差分で生成する手段と、
    で実現したことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 動きのある被写体の画像のみを出力する撮像装置において、前記画素部で撮影した撮影時刻の異なる2つの撮影信号間の差分信号を生成する手段として、同条件の複数の近接画素の撮影信号の平均化を行い、平均化した撮影信号間の差分信号を生成する手段である、ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記画素部はリニア状に画素が配列されたリニアセンサであり、使用するメモリはラインメモリであり、サイクルタイムはライン周期である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記画素部はエリア状に画素が配列されたエリアセンサであり、使用するメモリはフレームメモリであり、サイクルタイムはフレーム周期である、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  10. 撮像装置は撮像カメラであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  11. 撮像装置は固体撮像装置であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。

JP2023146233A 2023-09-08 2023-09-08 撮像装置 Active JP7449019B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023146233A JP7449019B1 (ja) 2023-09-08 2023-09-08 撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023146233A JP7449019B1 (ja) 2023-09-08 2023-09-08 撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP7449019B1 true JP7449019B1 (ja) 2024-03-13

Family

ID=90183590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023146233A Active JP7449019B1 (ja) 2023-09-08 2023-09-08 撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7449019B1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002008029A (ja) 2000-06-20 2002-01-11 Tokimec Inc 画像検査装置
JP2019162280A (ja) 2018-03-20 2019-09-26 ソニー株式会社 内視鏡システム、制御方法、情報処理装置、およびプログラム
JP2020098441A (ja) 2018-12-18 2020-06-25 ヒロテック株式会社 着順判定方法、着順判定装置およびプログラム
JP2023005320A (ja) 2021-06-28 2023-01-18 株式会社SEtech 動き情報撮像装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002008029A (ja) 2000-06-20 2002-01-11 Tokimec Inc 画像検査装置
JP2019162280A (ja) 2018-03-20 2019-09-26 ソニー株式会社 内視鏡システム、制御方法、情報処理装置、およびプログラム
JP2020098441A (ja) 2018-12-18 2020-06-25 ヒロテック株式会社 着順判定方法、着順判定装置およびプログラム
JP2023005320A (ja) 2021-06-28 2023-01-18 株式会社SEtech 動き情報撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4661922B2 (ja) 画像処理装置、撮像装置、固体撮像素子、画像処理方法およびプログラム
US8994877B2 (en) Method and system for synchronizing a flash to an imager
TWI459324B (zh) 修改色彩及全色通道彩色濾光片陣列影像
RU2570354C2 (ru) Захват и отображение изображений в реальном времени
EP2323376B1 (en) Image sensor with shaking compensation
WO2011090107A1 (ja) 画像処理装置、撮像装置、プログラム及び画像処理方法
KR20150072358A (ko) 플래시에 의해 조명된 이미지들의 세트를 포착하는 방법 및 장치
JP2010045770A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
EP1649687A1 (en) Smear reduction in ccd images
WO2001026358A1 (en) Demosaicing for digital imaging device using perceptually uniform color space
JPH05161145A (ja) 面順次撮像装置
JP5829122B2 (ja) 撮像装置および評価値生成装置
US7499081B2 (en) Digital video imaging devices and methods of processing image data of different moments in time
JP7449019B1 (ja) 撮像装置
JP3143245B2 (ja) 撮像装置およびその測光方法およびその合焦制御方法ならびに撮像方法
JP2004040432A (ja) 撮像装置
KR101467873B1 (ko) 손떨림 검출에 따른 디지털 영상 촬영 장치 및 방법
JP4687619B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JPH06105224A (ja) ダイナミックレンジ拡大装置
JP4001268B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP4945235B2 (ja) 画像ブレ検出方法及び撮像装置並びに画像ブレ検出プログラム
JPH1175106A (ja) 静止画カメラ
JP2003092764A (ja) 画像信号処理装置
JP3893489B2 (ja) 信号処理装置および信号処理方法
JP3699089B2 (ja) 面順次撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230909

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7449019

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150