JP7440437B2 - セグメント継手 - Google Patents

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Description

本発明は、セグメント継手に関する。
昨今のコンクリート系セグメントのセグメント継手には、所謂ワンパス方式のセグメント継手が適用されている。ここで、コンクリート系セグメントには、RC(Reinforced Concrete)セグメントや鋼製セグメントとコンクリートが合成された合成セグメントが含まれる。
ワンパス方式のセグメント継手には、定型の鋳鉄部材とアンカー鉄筋を組み合わせた製品(コーンコネクター継手)が適用されているが、以下のような様々な課題を内包している。
まず、代替品がないことから、製品コストが高くなる傾向にある。
また、このコーンコネクター継手は、コンクリートに定着させるためのアンカー筋の仕様や寸法が一般に固定されており、このことに起因してセグメント継手の剛性(ばね定数)や耐力が固定されるため、設計自由度が低くなる傾向にある。
また、コンクリート定着用のアンカー筋が長いことから、設計や製作の面での制約を受け易い傾向にある。
また、継手本体の雄と雌の接合部分が半円形のために回転し易く、組立時や組立後にセグメントの目開きが生じ易い。そして、セグメント継手が回転した場合は、継手本体に曲げ荷重が作用するため、引張部材として設計している継手本体の耐力が低下し得る。
さらに、適用範囲がRCセグメントに限定されるため、合成セグメントには適用できない。
以上のことから、製作コストを削減でき、設計自由度が高くて設計及び製作の際の制約を受け難く、目開きが生じ難く、RCセグメントと合成セグメントの双方に適用できるセグメント継手の開発が望まれている。
ここで、特許文献1には、トンネル周方向で隣り合うセグメントを、鉄筋コンクリート製セグメント本体の継手面同士を突き合わせて連結具で互いに連結し、セグメント本体の内周面又は外周面がトンネル周方向に沿って湾曲する湾曲面に形成され、継手面が湾曲面の法線に対して傾斜している傾斜面に形成され、連結具が継手面側に係合部を臨ませる係合金物と、セグメント本体に埋設されるアンカー筋とを備え、セグメント同士をトンネル長手方向に相対移動させて、係合金物同士を係合させて互いに連結し、係合金物同士の係合方向が、継手面に対して直角の方向よりも湾曲面に沿う方向に傾斜するように、係合金物をセグメント本体に固定してある、トンネルセグメント連結構造が開示されている。
特開2009-19460号公報
特許文献1に記載のトンネルセグメント連結構造によれば、相互に連結される連結具がアンカー筋によってセグメントに定着されていることから、アンカー筋の長さが長いことで他の構成部材との干渉が懸念され、また、このアンカー筋には一般に異径棒鋼が適用されることからその耐力が規定され、耐力や剛性を多様に設定することができない。そのため、上記するように、設計や製作の面での制約を受け易く、セグメント継手の剛性(ばね定数)や耐力が固定されることにより設計自由度が低くなるといった課題を内包する。また、連結具の備える接合部分が半円形であることから回転し易く、組立時や組立後にセグメントの目開きが生じ易いといった課題を内包する。
本発明は、製作コストを削減でき、設計自由度が高くて設計及び製作の際の制約を受け難く、目開きが生じ難く、RCセグメントと合成セグメントの双方に適用できるセグメント継手を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるセグメント継手の一態様は、
トンネルの周方向に隣接する、コンクリート系セグメントである第一セグメントと第二セグメントがそれぞれ第一継手面と第二継手面を備え、該第一継手面に設けられている雄継手と、該第二継手面に設けられている雌継手とが接続されている、セグメント継手であって、
前記雄継手は、
前記第一継手面から突設する雄金物と、
前記雄金物の基部に取り付けられ、頭付きボルトにより形成される第一アンカーと、を備え、
前記雌継手は、
前記第二継手面よりも前記第二セグメントの内部に配設されている雌金物と、
前記雌継手の基部に取り付けられ、頭付きボルトにより形成される第二アンカーと、を備え、
前記雄金物は、側面視がT型のT型金物であり、
前記雌金物は、前記T型金物が係合する側面視がT型のT型溝を備えており、
前記T型溝に対して前記T型金物が係合した状態において、前記雄継手と前記雌継手が一直線状に配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、相互に接続される、第一セグメントの第一継手面に設けられている雄継手と、第二セグメントの第二継手面に設けられている雌継手がいずれも、長尺のアンカー筋に代わって、頭付きボルトにより形成されるアンカー(第一アンカーと第二アンカー)を介してセグメントを形成するコンクリートに定着されていることにより、雄継手と雌継手の第一、第二アンカーの長さや径、強度区分などを自在に変更することができ、セグメント継手の剛性(ばね定数)や耐力を多様に変更できることで、設計自由度を高くすることが可能になる。また、頭付きボルトにより形成される第一、第二アンカー故に、それらの長さをアンカー筋に比べて格段に短くしながら、コンクリートとの間で十分な定着強度(頭部ナットによる支圧力とボルト側面の摩擦力の合力)が得られるため、設計や製作の面での制約が受け難くなる。
また、雄金物が側面視T型のT型金物であり、雌金物が側面視T型のT型溝を備えていて、T型溝に対してT型金物が係合していることにより、セグメント継手における雄金物と雌金物の相対的な回転を抑制でき、このことによってセグメント継手の目開きを抑制可能になる。
また、本態様はRCセグメントと合成セグメントの双方に適用できるとともに、従来汎用されている定型の鋳鉄部材とアンカー鉄筋を組み合わせたコーンコネクター継手の代替品となり、大量生産に適した形状に雄継手と雌継手を加工可能であり、頭付きボルトにより形成されるアンカーを備えていることから製作コストの削減も可能になる。
ここで、T型溝に対してT型金物が係合した状態において、雄継手と雌継手が一直線状に配設されていることにより、一方のセグメントから他方のセグメントへの荷重の伝達性能が良好になり、接続強度の高いセグメント継手が形成される。
本態様では、第一セグメントの第一継手面に雄継手と雌継手が設けられ、第二セグメントの第二継手面においても、第一継手面の雄継手と雌継手に対応する位置に雌継手と雄継手が設けられている形態も含まれる。また、例えば、第一継手面に複数の雄継手が設けられ、第二継手面における各雄継手に対応する位置に雌継手が設けられている(従って複数の雌継手を備えている)形態や、第一継手面に複数の雌継手が設けられ、第二継手面における各雌継手に対応する位置に雄継手が設けられている形態も含まれる。より安定的かつ接続強度の高いセグメント継手としては、第一継手面と第二継手面の双方が雄継手と雌継手をともに備え、対応する雄継手と雌継手同士が係合される形態が挙げられる。
尚、本態様のセグメントの継手構造は、BセグメントとKセグメントのセグメント継手、BセグメントとAセグメントのセグメント継手、Aセグメント同士のセグメント継手等に対して適用することができる。
また、本発明によるセグメント継手の他の態様において、
前記第二継手面には、該第二継手面の長手方向に延設して前記雄金物が入り込んでスライドできる案内溝が設けられており、
前記案内溝の内部において、前記雌金物が前記雄金物と係合自在に配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、第二継手面において、第二継手面の長手方向に延設して雄金物が入り込んでスライドできる案内溝が設けられていることにより、ワンパス方式のセグメント継手を形成することができる。
また、本発明によるセグメント継手の他の態様において、
前記T型金物は、中央の軸部と、該軸部の先端において該軸部の上下に張り出す張り出し部と、を備え、
前記T型金物は、前記案内溝をスライドするスライド方向において、前記張り出し部の平面視における幅がテーパー状に変化しており、
前記T型溝は、前記T型金物の平面視形状と相補的な平面視形状を備えており、
前記T型金物が前記T型溝に係合した状態において、双方の係合面が楔状に面接触していることを特徴とする。
本態様によれば、T型金物が中央の軸部と軸部の先端においてその上下に張り出す張り出し部とを備え、案内溝におけるスライド方向において、張り出し部の平面視における幅がテーパー状に変化し、T型金物がT型溝に係合した状態において双方の係合面が楔状に面接触していることにより、雄継手と雌継手が一直線状に配設されていることと相俟って、接続強度の高いセグメント継手が形成される。
また、本発明によるセグメント継手の他の態様は、
前記コンクリート系セグメントが、鋼殻と、鋼殻の内部にあるコンクリート体とを有する合成セグメントであり、前記第一セグメントと前記第二セグメントはそれぞれ、第一継手板と第二継手板を備え、前記第一継手面と前記第二継手面はそれぞれ、該第一継手板と該第二継手板の備える継手面であり、
前記雄継手は、前記第一セグメントの前記鋼殻に固定されている第一鋼製ブラケットをさらに有し、該第一鋼製ブラケットと前記雄金物が前記第一アンカーを介して接続され、
前記雌継手は、前記第二セグメントの前記鋼殻に固定されている第二鋼製ブラケットをさらに有し、該第二鋼製ブラケットと前記雌金物が前記第二アンカーを介して接続されていることを特徴とする。
本態様によれば、第一セグメントと第二セグメントが合成セグメントであって、第一セグメントの鋼殻に固定されている第一鋼製ブラケットと雄金物が第一アンカーを介して接続されることにより雄継手が形成され、第二セグメントの鋼殻に固定されている第二鋼製ブラケットと雌金物が第二アンカーを介して接続されることにより雌継手が形成されていることによって、合成セグメントにおけるワンパス方式のセグメント継手が実現できる。
また、本発明によるセグメント継手の他の態様は、
前記T型金物において、テーパー状に変化する張り出し部の平面視における幅のうち、最大幅:Dmaxと最小幅:Dminの中間の中間幅:Dmidと、前記張り出し部のうち、前記軸部からの張り出し長:Lとの比率:Dmid/Lが、100%以上の範囲にあることを特徴とする。
本態様によれば、T型金物においてテーパー状に変化する張り出し部の平面視における幅の最大幅:Dmaxと最小幅:Dminの中間の中間幅:Dmidと、張り出し部の軸部からの張り出し長:Lとの比率:Dmid/Lが100%以上の範囲であることにより、T型金物の張り出し部が構造弱部となることなく、係合に必要な張り出し長を備えながらも、張り出し部を含むT型金物の全体の剛性を高めることができ、T型金物を全体として剛体と見なすことが可能になる。
また、本発明によるセグメント継手の他の態様は、
前記Dmid/Lが、150%以上の範囲にあることを特徴とする。
本態様によれば、Dmid/Lが150%以上の範囲にあることにより、張り出し部が係合に必要な張り出し長を備えながらも、張り出し部を含むT型金物の全体の剛性をより一層高めることができる。ここで、本発明者等による継手曲げ試験によれば、T型金物の軸部の上下の張り出し部は、一方が圧縮側となり、他方が引張側となるが、Dmid/Lが150%以上の範囲では、圧縮側と引張側の双方の張り出し部において荷重を可及的均等に負担できることが実証されている。そして、上下の張り出し部が可及的均等に荷重を負担することにより、雄継手の耐力低下を抑制することができる。
また、本発明によるセグメント継手の他の態様は、
前記T型金物において、テーパー状に変化する張り出し部の平面視における幅のうち、最大幅:Dmaxと最小幅:Dminの中間の中間幅:Dmidと、前記軸部の幅:Bとの比率:Dmid/Bが、80%以上120%以下の範囲にあることを特徴とする。
本態様によれば、T型金物における中間幅:Dmidと、軸部の幅:Bとの比率:Dmid/Bが80%以上120%以下の範囲にあることにより、一定以上の荷重が作用した際に、上下の張り出し部が可及的均等に荷重を負担することができ、雄継手の耐力低下を抑制することができる。
本発明のセグメント継手によれば、製作コストを削減でき、設計自由度が高くて設計及び製作の際の制約を受け難く、目開きが生じ難く、RCセグメントと合成セグメントの双方に適用できるセグメント継手を提供することができる。
実施形態に係るセグメント継手の形成方法の一例を説明する斜視図である。 実施形態に係るセグメント継手の形成方法の一例を説明する横断面図である。 実施形態に係るセグメント継手の一例を説明する縦断面図である。 図3のIV-IV矢視図であって、実施形態に係るセグメント継手の一例を説明する横断面図である。 継手曲げ試験を説明する概要図である。 (a)は、継手曲げ試験における雄金物に取り付けられているひずみゲージの取り付け位置を説明する側面図であり、(b)は、(a)のb方向矢視図であってひずみゲージの取り付け位置を説明する平面図である。 T型金物において、テーパー状に変化する張り出し部の平面視における中間幅:Dmidと、張り出し部における軸部からの張り出し長:Lとの比率:Dmid/Lが100%程度のT型金物を適用した際の、継手曲げ試験結果を示す図である。 T型金物において、テーパー状に変化する張り出し部の平面視における中間幅:Dmidと、張り出し部における軸部からの張り出し長:Lとの比率:Dmid/Lが150%程度のT型金物を適用した際の、継手曲げ試験結果を示す図である。
以下、実施形態に係るセグメント継手について、その形成方法とともに添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係るセグメント継手]
はじめに、図1乃至図4を参照して、実施形態に係るセグメント継手の一例とその形成方法について説明する。ここで、図1と図2はそれぞれ、実施形態に係るセグメント継手の形成方法の一例を説明する斜視図と横断面図である。また、図3は、実施形態に係るセグメント継手の一例を説明する縦断面図であり、図4は、図3のIV-IV矢視図であって、実施形態に係るセグメント継手の一例を説明する横断面図である。
図示する第一セグメント10Aと第二セグメント10Bはそれぞれ、トンネルの周方向に隣接する例えばKセグメントとBセグメントであり、左右のBセグメント10BにKセグメント10Aがトンネルの長手方向へX1方向に嵌め込まれることにより、実施形態に係るセグメント継手60(図3,4参照)が形成される。尚、第一セグメントは他のBセグメントやAセグメントであってもよく、第二セグメントも他のKセグメントやAセグメントであってよい。
第一セグメント10Aと第二セグメント10Bはいずれも合成セグメントであり、一対の主桁21及び一対の第一継手板22A及び第二継手板22Bと、これらに溶接接合されているスキンプレート23からなる鋼殻の内部に、コンクリート体50(図3、4参照)が中詰めされることにより形成されている。尚、第一セグメントと第二セグメントはその他、RCセグメントであってもよい。
第一セグメント10Aの一方の第一継手板22Aは、図1の手前側の端部近傍に雄継手30を備え、図1の奥側の端部近傍に雌継手40を備えている。一方、この第一継手板22Aと当接する第二セグメント10Bの第二継手板22Bは、第一セグメント10Aの雄継手30と係合する位置に同様の雌継手40(図示せず)を備え、第一セグメント10Aの雌継手40と係合する位置に同様の雄継手30(図示せず)を備えている。また、第一セグメント10Aの他方の第二継手板22Bには、第一継手板22Aとは逆に、例えば図1の手前側の端部近傍に雌継手40(図示せず)を備え、図1の奥側の端部近傍に雄継手30(図示せず)を備えている。
図1に示す第一セグメント10Aの第一継手板22Aでは、雄継手30を構成するT型金物である雄金物33が示されており、雌継手40に連続して第二セグメント10Bの第二継手板22Bから突設する雄金物33(図示せず)が入り込んでスライドできる案内溝24が示されている。一方、図1に示す第二セグメント10Bの第二継手板22Bでは、第一セグメント10Aの第一継手板22Aから突設する雄金物33が入り込んでスライドできる案内溝24が示されている。
図2に示すように、雄継手30は、第一セグメント10Aの鋼殻である主桁21に溶接接合もしくはボルト接合により固定されている第一鋼製ブラケット31と、雄金物33と、第一鋼製ブラケット31と雄金物33とを接続する複数(図示例は二つ)の第一アンカー32とを有する。
第一アンカー32は、頭付きボルトにより形成される。また、第一鋼製ブラケット31は、図2及び図3に示すように、平面視台形状の二枚の鋼製横材31aと、これら二枚の鋼製横材31aを繋ぐ鋼製縦材31bとにより形成され、鋼製縦材31bには第一アンカー32が螺合されるボルト孔31cが開設されており、鋼製縦材31bの背面に頭付きボルト32の頭部が係合した姿勢で第二セグメント側に突設している。
二本の頭付きボルト32に対して、T型金物33がボルト接合されている。T型金物33は、図2及び図3に示すように、頭付きボルト32が螺合する螺合部35と、螺合部35の端面から第二セグメント側に突設する軸部36とを備える基部34と、軸部36の先端において軸部36の上下に張り出す張り出し部37とを有する。
図2に明りょうに示すように、張り出し部37の平面視における第二セグメント側の端辺は、第一セグメント10Aの第一継手面22a及び第二セグメント10Bの第二継手面22bと平行であり、反対側の端辺は、第一セグメント10Aの挿入方向であるX1方向に向かって張り出し部37の幅が直線的に狭くなるようにテーパー状の線形を有する。
図2に示すように、張り出し部37の平面視における幅は、主桁側が最大幅:Dmaxとなり、その反対側が最小幅:Dminとなり、張り出し部37の長手方向の中央位置の幅が中間幅:Dmid((Dmax+Dmin)/2)となっている。
一方、雌継手40は、図2に示すように、第二セグメント10Bの鋼殻である主桁21に溶接接合もしくはボルト接合により固定されている第二鋼製ブラケット41と、雌金物43と、第二鋼製ブラケット41と雌金物43とを接続する複数(図示例は二つ)の第二アンカー42とを有する。
第二アンカー42も、第一アンカー32と同様に頭付きボルトにより形成される。また、第二鋼製ブラケット41も第一鋼製ブラケット31と同様に、図2及び図3に示すように、平面視台形状の二枚の鋼製横材41aと、これら二枚の鋼製横材41aを繋ぐ鋼製縦材41bとにより形成され、鋼製縦材41bには第二アンカー42が螺合されるボルト孔41cが開設されており、鋼製縦材41bの背面に頭付きボルト42の頭部が係合した姿勢で第一セグメント側に突設している。
二本の頭付きボルト42に対して、雌金物43がボルト接合されている。雌金物43は、図2及び図3に示すように、頭付きボルト42が螺合する基部44と、基部44の端部に開設されていてT型金物33の軸部36の一部と上下の張り出し部37が係合するT型溝45とを有する。
図2に明りょうに示すように、T型溝45は、平面視において幅が変化するT型金物33の上下の張り出し部37及び軸部36の一部と相補的な形状を有している。従って、図2に示すように、第二セグメント10Bの第二継手面22bに設けられている案内溝24に沿って、X2方向に第一セグメント10Aを嵌め込んだ際に、図4に示すように、T型金物33はT型溝45に係合し、双方の係合面が楔状に面接触することにより、セグメント継手60が形成される。
また、図3に示すように、T型金物33がT型溝45に係合した状態において、雄継手30と雌継手40は直線Lに沿って一直線状に配設されている。
このように、雄金物33が側面視T型のT型金物であり、雌金物43が側面視T型のT型溝45を備えていて、T型溝45に対してT型金物33が係合し、さらに、双方の係合面が楔状に面接触していることにより、セグメント継手60における雄金物33と雌金物43の相対的な回転を抑制でき、このことによってセグメント継手60の目開きが抑制される。
また、雄継手30と雌継手40が一直線状に配設されていることにより、一方のセグメント(例えば第一セグメント10A)から他方のセグメント(例えば第二セグメント10B)への荷重の伝達性能が良好になり、この一直線状の配設構成と、T型金物33とT型溝45が係合していることとが相俟って、接続強度の高いセグメント継手60が形成される。
また、第一セグメント10Aの第一継手面22aに設けられている雄継手30(及び雌継手40)と、第二セグメント10Bの第二継手面22bに設けられている雌継手40(及び雄継手30)がいずれも、長尺のアンカー筋に代わって、頭付きボルトにより形成される第一アンカー32と第二アンカー42を介して合成セグメントを形成するコンクリート体50に定着されていることにより、それらの長さを長尺のアンカー筋に比べて格段に短くしながら、コンクリート体50との間で十分な定着強度が得られるため、設計や製作の面での制約を受け難くなる。尚、図示例と異なり、セグメントがRCセグメントの場合は、適用される第一アンカー32及び第二アンカー42の長さや径、強度区分などを自在に変更することができ、セグメント継手の剛性(ばね定数)や耐力を多様に変更できることから、さらに設計自由度を高くできるといった効果も奏される。
さらに、第一セグメント10Aと第二セグメント10Bが合成セグメントであって、第一セグメント10Aの鋼殻である主桁21に固定されている第一鋼製ブラケット31と雄金物33が第一アンカー32を介して接続されることにより雄継手30が形成され、第二セグメント10Bの鋼殻である主桁21に固定されている第二鋼製ブラケット41と雌金物43が第二アンカー42を介して接続されることにより雌継手40が形成されていることによって、合成セグメントにおけるワンパス方式のセグメント継手60が実現できる。
[継手曲げ試験とその結果]
次に、図5乃至図8を参照して、本発明者等による継手曲げ試験とその結果について説明する。ここで、図5は、継手曲げ試験を説明する概要図である。
図5に示すように、本継手曲げ試験では、二つの円弧状の実物大のセグメントを実施形態に係るセグメント継手を介して接続し、各セグメントの脚部をローラー支承上に載置して試験体を製作した。この試験体に対して、中央のセグメント継手の左右の二点に所定の載荷荷重Pの半分(P/2)ずつを載荷し、セグメント継手において目開きを生じさせながらセグメント継手を形成する雄継手と雌継手の各種強度を測定した。
また、本継手曲げ試験では、二種類のT型金物を備える雄継手とこれに係合するT型溝を備える雌継手を使用し、それぞれの雄継手及び雌継手を備えるセグメント継手を有する二種類の試験体に対して継手曲げ試験を実施した。
図6(a)は、継手曲げ試験における雄金物に取り付けられているひずみゲージの取り付け位置を説明する側面図であり、図6(b)は、図6(a)のb方向矢視図であってひずみゲージの取り付け位置を説明する平面図である。図6(a)に示すように、T型金物のうち、軸部から張り出す張り出し部の張り出し長をLで示し、軸部の幅をBで示している。
以下、表1に、各試験体(第1試験体、第2試験体)を形成するT型金物の張り出し部の最大幅:Dmax、最小幅:Dmin、中間幅:Dmidと、張り出し長:L,各幅と張り出し長の比率:D/Lを示す。また、各試験体の試験結果である、荷重-ひずみ関係グラフを、図7と図8に示す。ここで、図7は、Dmid/Lが100%程度のT型金物を適用した、第1試験体の継手曲げ試験結果を示す図であり、図8は、Dmid/Lが150%程度のT型金物を適用した、第2試験体の継手曲げ試験結果を示す図である。また、図7と図8の縦軸と横軸はいずれも、測定された荷重とひずみを基準値に基づいて正規化しており、継手長期許容荷重と継手降伏荷重も基準値に基づいて同様に正規化している。
Figure 0007440437000001
図7及び図8より、第1試験体と第2試験体はいずれも、張り出し部の下方と上方で同様の傾向で荷重を負担していることが分かる。従って、Dmid/Lが100%以上の範囲にある第1試験体、Dmid/Lが150%以上の範囲にある第2試験体のいずれにおいても、張り出し部の上下で可及的均等に荷重を負担していることが実証されている。この結果は、T型金物の張り出し部が構造弱部となることなく、係合に必要な張り出し部を備えながらも、T型金物を全体としての剛体と見なすことができることを示しており、上下の張り出し部が可及的均等に荷重を負担することにより、雄継手の耐力低下を抑制することが可能になる。
また、図7と比較して図8では、張り出し部の上下の挙動がより一層同様の傾向を示していることから、より一層均等に荷重を負担していることが分かる。
本実験結果より、T型金物において、テーパー状に変化する張り出し部の平面視における幅のうち、最大幅:Dmaxと最小幅:Dminの中間の中間幅:Dmidと、張り出し部の軸部からの張り出し長:Lとの比率:Dmid/Lが100%以上の範囲にあることが好ましく、Dmid/Lが150%以上の範囲にあることが望ましいことが実証されている。
また、本実験において、T型金物の軸部の幅:Bは19mmであったことから、第1試験体と第2試験体において、テーパー状に変化する張り出し部の平面視における幅の中間幅:Dmidと、軸部の幅:Bとの比率:Dmid/Bは、80%以上となることが分かる。
一方、係合に必要な張り出し部の張り出し長を勘案すると、Dmid/Bは120%以下の範囲であることが望ましいことから、Dmid/Bが80%以上120%以下の範囲にあることにより、一定以上の荷重が作用した際に、上下の張り出し部が可及的均等に荷重を負担することができ、雄継手の耐力低下を抑制することが可能になることも実証されている。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10A:第一セグメント(Kセグメント)
10B:第二セグメント(Bセグメント)
21:主桁(鋼殻)
22A:第一継手板(鋼殻)
22B:第二継手板(鋼殻)
22a:第一継手面
22b:第二継手面
23:スキンプレート(鋼殻)
24:案内溝
30:雄継手
31:第一鋼製ブラケット
32:第一アンカー(頭付きボルト)
33:雄金物(T型金物)
34:基部
35:螺合部
36:軸部
37:張り出し部
40:雌継手
41:第二鋼製ブラケット
42:第二アンカー(頭付きボルト)
43:雌金物
44:基部
45:T型溝
50:コンクリート体
60:セグメント継手
L:直線

Claims (4)

  1. トンネルの周方向に隣接する、コンクリート系セグメントである第一セグメントと第二セグメントがそれぞれ第一継手面と第二継手面を備え、該第一継手面に設けられている雄継手と、該第二継手面に設けられている雌継手とが接続されている、セグメント継手であって、
    前記雄継手は、
    前記第一継手面から突設する雄金物と、
    前記雄金物の基部に取り付けられ、頭付きボルトにより形成される第一アンカーと、を備え、
    前記雌継手は、
    前記第二継手面よりも前記第二セグメントの内部に配設されている雌金物と、
    前記雌継手の基部に取り付けられ、頭付きボルトにより形成される第二アンカーと、を備え、
    前記雄金物は、側面視がT型のT型金物であり、
    前記雌金物は、前記T型金物が係合する側面視がT型のT型溝を備えており、
    前記T型溝に対して前記T型金物が係合した状態において、前記雄継手と前記雌継手が一直線状に配設されており、
    前記第二継手面には、該第二継手面の長手方向に延設して前記雄金物が入り込んでスライドできる案内溝が設けられており、
    前記案内溝の内部において、前記雌金物が前記雄金物と係合自在に配設されており、
    前記T型金物は、中央の軸部と、該軸部の先端において該軸部の上下に張り出す張り出し部と、を備え、
    前記T型金物は、前記案内溝をスライドするスライド方向において、前記張り出し部の平面視における幅がテーパー状に変化しており、
    前記T型溝は、前記T型金物の平面視形状と相補的な平面視形状を備えており、
    前記T型金物が前記T型溝に係合した状態において、双方の係合面が楔状に面接触しており、
    前記T型金物において、テーパー状に変化する張り出し部の平面視における幅のうち、最大幅:Dmaxと最小幅:Dminの中間の中間幅:Dmidと、前記張り出し部のうち、前記軸部からの張り出し長:Lとの比率:Dmid/Lが、100%以上の範囲にあることを特徴とする、セグメント継手。
  2. 前記Dmid/Lが、150%以上の範囲にあることを特徴とする、請求項に記載のセグメント継手。
  3. 前記T型金物において、テーパー状に変化する張り出し部の平面視における幅のうち、最大幅:Dmaxと最小幅:Dminの中間の中間幅:Dmidと、前記軸部の幅:Bとの比率:Dmid/Bが、80%以上120%以下の範囲にあることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセグメント継手。
  4. 前記コンクリート系セグメントが、鋼殻と、鋼殻の内部にあるコンクリート体とを有する合成セグメントであり、前記第一セグメントと前記第二セグメントはそれぞれ、第一継手板と第二継手板を備え、前記第一継手面と前記第二継手面はそれぞれ、該第一継手板と該第二継手板の備える継手面であり、
    前記雄継手は、前記第一セグメントの前記鋼殻に固定されている第一鋼製ブラケットをさらに有し、該第一鋼製ブラケットと前記雄金物が前記第一アンカーを介して接続され、
    前記雌継手は、前記第二セグメントの前記鋼殻に固定されている第二鋼製ブラケットをさらに有し、該第二鋼製ブラケットと前記雌金物が前記第二アンカーを介して接続されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセグメント継手。
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