JP2020196995A - ブレース用接合金具およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震時の圧縮力の影響でブレース主体が座屈するのを効果的に防ぎ、コスト低減が可能なブレース用接合金具とその製造方法を提供する。【解決手段】接合金具1は、ブレース主体6の端部が貫通する円形孔を備えた底板部2と、底板部2の対辺位置で底板部2に対して直角で互いに平行となるように設けた一対の側板部3,3で構成され、平面視で略コ字状に形成されている。両端部に右ネジと左ネジを形成した丸鋼からなるブレース主体6に対して、底板部2側から挿入し、側板部3,3間に突出した端部に対して、側板部3,3の対向面にその2面が挟持された状態でナット7aが雄ネジ部6aに螺合することにより、金具本体(接合金具1)に係止される。圧縮力を受けたときにブレース主体6の端部がガセットプレート92に向けて変位する。金具本体は、1枚の鋼板を屈曲することにより、簡単に製造することができる。【選択図】図5

Description

本発明は、丸鋼をブレース主体としたピン接合形式の鋼製ブレースに適用することにより、寸法調整機能を含めた施工性と耐震性に優れた引張ブレースとなり、従来の接合金具に比べて経済的に製造することができるブレース用接合金具とその製造方法に関するものである。
鉄骨ラーメンフレーム架構は、主要構造部材である鉄骨柱と鉄骨梁で構成され、その接合部が剛接合された形式のものが、中小鉄骨建築物などに広く採用されている架構形式である。このような架構では、建物の耐震性を高めるため、鉄骨柱と鉄骨梁で囲まれた矩形状の架構面の対角位置にブレースを取り付けるのが一般的である。ブレースの取付構造としては、X型、Y型、Z型と呼ばれる形式が多く用いられている。このうちX型とY型は、柱と梁からなる1個所の架構面内に、引張力が作用するブレース(引張ブレース)と圧縮力が作用するブレース(圧縮ブレース)とを共存させた2本のブレースで構成される。Z型は、隣接する2個所の架構面に対して傾斜方向が異なるブレースを1本ずつ設置し、個々のブレースに引張力と圧縮力を負担させ、交番で荷重を負担するものである。
地震時において、ブレースに対して引張力と圧縮力がそれぞれ個別に交番応力として働くことから、ブレースを選定する際には、引張力に対する設計検討と圧縮力に対する設計検討を同時並行で行なう必要がある。引張力に対する設計検討は、ブレースの端部が結合される架構面側のガセットプレートとブレース主体を構成する各種軸材(棒鋼等)の引張強度の検討が主となる。圧縮力に対する設計検討は、引張力と同様な検討に加え、ガセットプレートと接合金具の座屈耐力の検討も必要となる。
圧縮ブレースでは、その座屈耐力が不足していると、構造躯体の設計耐力に達する前の段階でブレースに座屈現象が生じ、それまでブレースが負担していた圧縮力が一気になくなり、構造躯体そのものの安全性も損なわれる。このようなことから、座屈耐力の検討は、十分に慎重な設計が要求されている。ブレースの圧縮力と座屈耐力の設計検討は、ブレース端部の固定条件、ブレースの長さ、ブレース部材の断面形状(断面半径)など多数の検討条件がある。
ブレースの座屈耐力を高めるには、ブレース主体の外径と断面積を大きくすることが有効であるが、それに伴ってブレース端部に設けて構造躯体側のガセットプレートとの接合に供される接合金具やブレース主体(軸材)の鋼材重量が増え、さらにブレースが配設される構造面の開口部が狭くなるなど、非常に不経済な状態になる。
このような状況を踏まえ、主として引張力に対応し、圧縮力の影響が少ないピン接合形式のブレースが提案されている。特許文献1に記載のものは、ブレース主体(タイロッド10)に丸鋼を使用し、その両端部に形成した雄ネジに対して、一対の接合金具(連結具1)のそれぞれ一端側に設けた雌ネジ孔を螺合して一体化する。そして、接合金具の他端側に設けられている互いに平行な一対の舌片部間の隙間にガセットプレートを挿入し、接合金具の舌片部にあるピン挿通孔とガセットプレートのピン挿通孔の位置を合わせた状態でピンを挿通して取り付けた構造である。この種の丸鋼をブレース主体とするピン接合構造では、地震時に圧縮力が作用したとき、ピン位置で回転が生じることにより、ブレース主体の座屈によるブレースの耐力低下を回避している。
実用新案登録第3165699号公報(図1参照)
引張ブレースを対象とする上記従来例の接合金具は、全体形状を鍛造などの方法で成型した後、ブレース主体(タイロッド10)の端部が螺合するネジ孔(雌ネジ孔6)と、ネジ孔から突出したブレース主体の端部を収容する空間(受入空間9)を別工程で加工する必要があるため、製造コストの低減が難しいという問題点があった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するために創出されたもので、地震時における圧縮力の影響でブレース主体が座屈するのを効果的に防ぐことができ、さらなるコスト削減が可能なブレース用接合金具(以下、単に接合金具と称することもある。)とその製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明の主たる構成は、両端部に右ネジと左ネジを形成した丸鋼からなるブレース主体のそれぞれの端部に金具本体の一端側を挿通し、それらネジの突出部に螺着したナットを介してブレース主体の端部に係止され、金具本体の他端側に設けたピン孔に挿通したピン部材でガセットプレートにピン接合されるブレース用接合金具において、
金具本体が、一端側にあってブレース主体の端部が貫通する円形孔を備えた略矩形状の底板部と、この底板部の対辺位置で該底板部に対して直角に設けられ、対向面間にナットの2面が挟持された状態で螺合するブレース主体の端部とガセットプレートを受け入れる互いに平行な一対の側板部からなり、それら側板部にピン孔が直交するように設けられ、圧縮力を受けたときにブレース主体の端部がガセットプレートに向けて変位可能に構成されていることに特徴がある。
なお、ブレース主体の端部を圧縮力で変位させる構造としては、金具本体とガセットプレートの相対位置はそのままでブレース主体の端部だけを変位させるものと、ブレース主体の端部が金具本体と一体になって変位するものが挙げられる。
上記構成によれば、金具本体の底板部を貫通したブレース主体の端部にはナットが螺合し、このナットが対向する一対の側板部の内面に挟持された状態で、接合金具(金具本体)とブレース主体とが連結され、ブレースとなる。引張力に対しては、底板部の内側に配置されたナットで抵抗し、ブレース主体による引張耐力を発揮する。
一方、ブレースに圧縮力が作用したときには、ブレースの施工時に導入した引張力が徐々に開放され、金具本体(接合金具)はピン部材を軸として回転しながら、ブレース主体 (丸鋼)の圧縮曲げ変形量を増加させる。ブレース主体の圧縮曲げ変形は、圧縮力の反力としてブレース主体自身の原型である直線化ヘのバネ力として働く。そして、このバネ力でブレース主体の端部がガセットプレートに向けて変位(前進)する。この変位により、ブレース主体の圧縮曲げ変形が効果的に抑制される結果、ブレース主体の座屈耐力が高まり、座屈に伴うブレース主体の破断を防ぐことができる。
本発明に係るブレース用接合金具の他の構成は、主たる構成において、一対の側板部におけるピン孔付近の対向面の間隔を、ガセットプレートの板厚に等しく設定したものである。なお、このような間隔に設定する具体的な方法としては、側板部のピン孔付近のそれぞれの対向面に適宜板厚のプレート材(鋼板)を設けるか、あるいは一対の側板部をその自由端側が狭くなるようにそれぞれ中間位置で段差状に屈曲してピン孔付近を互いに平行な狭幅部とすることなどが挙げられる。この場合には、ガセットプレートとこれを両面側から挟む接合金具の側板部との間に隙間が生じないので、圧縮力を受けたときのピン部材を回転軸とする接合金具の回転動作をより円滑にすることができる。
本発明に係るブレース用接合金具の別の構成としては、主たる構成において、側板部のピン孔をブレース主体の挿通方向に長い略小判形状に形成することである。このブレース用接合金具を使用する際には、底板部の外面側にもナットを設ける必要がある。この構成によれば、ブレースに圧縮力が作用したときに接合金具が、直交方向に貫通するピン部材で支持されながらブレース主体の端部と一体になって略小判形状のピン孔に沿って前進するので、ブレース主体の圧縮曲げ変形が効果的に抑制され、座屈耐力が高まり、座屈に伴うブレース主体の破断を防ぐことが可能となる。
また、本発明に係る上記ブレース用接合金具の製造方法は、1枚の鋼板を略コ字状に屈曲し、側板部と底板部が一体になった金具本体を成形する構成である。この製造方法では、金具本体を屈曲と孔空け(ブレース主体の挿通孔)の工程により成形することができ、ブレース主体の雄ネジが螺合する雌ネジ部に関しては既製のナットで代用できることから、従来の接合金具に比べて大幅に製造コストを削減することができる。
本発明に係るブレース用接合金具では、上記構成を採用することにより、次のような効果が得られる。
(1)ブレースに圧縮力が作用したとき、ブレース主体の端部がガセットプレートに向けて前進する構造であるから、ブレース主体の圧縮曲げ変形が効果的に抑制されて座屈耐力が高まり、座屈に伴うブレース主体の破断を防ぐことが可能となるので、構造躯体の耐震性の向上に大きく寄与する。
(2)丸鋼からなるブレース主体の端部に左右のネジが形成され、それらのネジに螺合するナットで接合金具に係止されているので、予めブレース主体の端部を側板部内に適宜突出させるなどしてブレース全体の長さ調整を簡単に行うことができる。そして、両端の接合金具をガセットプレートに取り付けた状態でブレース主体を適宜方向に回転することにより、ブレースに張力を導入することが可能である。
(3)接合金具の製造は、1枚の鋼板を略コ字状に屈曲して一対の側板部と底板部を形成し、底板部にブレース主体の挿通孔を形成するだけでよいから、前記従来例のようなネジ加工や切削加工が不要であり、製造コストの大幅な低減が可能である。
(a)〜(d)は、それぞれ本発明のブレース用接合金具の第1実施形態に係る正面図、平面図、右側面図および左側面図である。 (a)および(b)は、図1の接合金具をブレース主体に装着したブレースの正面図と側面図である。 図2のブレースの施工において、ガセットプレートとの結合手順を示した説明図である。 (a)および(b)は、施工完了後における図2のブレースとガセットプレートのピン接合状態を拡大して示す平面図とA−A断面図である。 (a)および(b)は、図4の取付状態のブレースに圧縮力が負荷されたときの挙動を示す平面図とB−B断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明のブレース用接合金具の第2実施形態に係る正面図、平面図および右側面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明のブレース用接合金具の第3実施形態に係る正面図、平面図およびC−C断面図である。 (a)および(b)は、図7の接合金具をブレース主体に装着したブレースの端部を示す平面図とD−D断面図である。 (a)〜(d)は、それぞれ本発明のブレース用接合金具の第4実施形態に係る正面図、平面図、右側面図および左側面図である。 (a)および(b)は、図9のブレース用接合金具を装着したブレースの取付状態において、圧縮力が負荷されていないときと、圧縮力が負荷されたときの状態を示す断面図である。 本発明の接合金具を使用するブレースと従来のピン接合ブレースを比較した耐力挙動モデルを示す説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係るブレース用接合金具の実施形態について説明する。図1に示す第1実施形態のブレース用接合金具1は、金具本体が底板部2と一対の側板部3,3で構成されている。底板部2は、ブレース主体の端部が貫通する円形孔2aを備え、略矩形状に形成されている。側板部3,3は、底板部2側から他端側に向けて幅が漸増し、他端側に位置するピン孔3aの周囲が略半円状に形成された形態(図1(a)参照)をなし、底板部2の対辺位置で底板部2に対して直角、すなわち互いに平行となるように設けられ、平面視で略コ字状に形成されている(図1(b)参照)。このような形態からなる金具本体(接合金具1)は、1枚の鋼板を屈曲することにより、簡単に製造することができる。また、従来の接合金具のように金具本体にネジ孔を加工する工程やブレース主体の端部を受け入れる空間を切削する工程などが不要になるので、製造コストの大幅な低減が可能である。
上記接合金具1において、側板部3,3間の間隔L1は、ブレース主体に螺合するナットの二面幅に合わせて設定されている。さらに、側板部3,3の対向面には、ピン孔3aを囲むように穴あき円板状のプレート材4,4が、ガセットプレートに対する間隔調整部材として接合されている。すなわち、このプレート材4,4の間隔L2は、ガセットプレートの板厚に合わせて設定され、プレート材4,4の対向面間にガセットプレートが配置された状態で隙間が生じないようになっている。
図2は、第1実施形態のブレース用接合金具1を使用するブレース5の正面図と側面図である。ここで用いるブレース主体6は、両端部に右ネジ6aと左ネジ6bを形成した丸鋼からなり、金具本体の底板部2に形成された円形孔2a(挿通孔)に一端側から挿入され、側板部3,3間に突出した端部に対して、側板部3,3の内面(対向面)にその2面が挟持された状態で右ネジ用と左ネジ用のナット7a,7bがそれぞれの雄ネジ部6a,6bに螺合することにより、金具本体(接合金具1)に係止されている。なお、ブレース主体6は1本の丸鋼ではなく、複数本の丸鋼をカプラーで連結したものであってもよい。
図3は、第1実施形態の接合金具1を装着した図2のブレースの施工において、ガセットプレートとの結合手順を示した説明図である。まず、鉄骨柱90と鉄骨梁91で構成される鉄骨架構の矩形状架構面9の対角位置に溶接されている上部ガセットプレート92に対して、ブレース5の一端側に装着された接合金具1の側板部3,3を平行にしてその対向面間に上部ガセットプレート92を嵌め入れ、側板部3,3のピン孔3aとガセットプレート92のピン孔とを一致させた状態でピンボルト93(ピン部材)を挿通し、反対側からのナットの螺合によりブレース5の上部を仮固定する。ピンボルト93でブレース5を吊り下げた状態において、ブレース主体6(丸鋼)を適宜方向に回転してブレース5の長さを調整する。このとき、ブレース主体6と他方の接合金具1の自重により、ナット7a(不図示)は金具本体2の底板部3の内面に密着するとともに、その対辺に位置する2面が側板部3,3の内面で挟持されているため、ナット7aの供回りを起こさずに、ブレース5の寸法調整を行うことができる。そして、ブレース5の他端側(下部側)に装着された接合金具1のピン孔3aと下部ガセットプレート94のピン孔95の位置が一致した位置でピンボルト93を挿入し、反対側からナットを締め付けると、ブレース5の所定位置への取付けがひとまず完了する。
次に、上記の取付状態でブレース主体6を所定の方向に回転させると、両端の接合金具1,1間の距離が狭まり、ブレース主体6に所望の引張軸力が導入されるので、ブレース主体6の撓み等が解消され、施工完了となる。図4は、施工完了後におけるブレース5とガセットプレート92とのピン接合状態を拡大して示す平面図とA−A断面図である。このようにして取り付けられる本発明の接合金具1を用いたブレース取付構造では、引張軸力の導入によりナット7が金具本体の底板部2の内面に密着し、ブレース主体6のネジ部6aの端面と、これに対向するガセットプレート92の端面との間に十分な間隙が確保されているため、寸法調整で余長となったブレース主体6のネジ部6a(6b)を側板部3,3内に格納することができる。
図5は、図4の取付状態のブレース5に圧縮力が負荷されたときの挙動を示す平面図とB−B断面図である。ブレース5に圧縮力が作用すると、ブレース5の施工時に導入した引張力は徐々に開放され、両端側の接合金具1(金具本体)はピンボルト93を軸として回転しながら、ブレース主体6 (丸鋼)の圧縮曲げ変形量を増加させる。ブレース主体6の圧縮曲げ変形は、圧縮力の反力としてブレース主体6自身の元の形状である直線化ヘのバネ力として働く。この場合、ブレース主体6の端部は、金具本体(接合金具1)の側板部3,3とはナット7aを介して接触状態であるものの、接合固着されていないので、ナット7aが螺合した状態でその軸線に沿って前方に変位することができる。この変位により、ブレース主体6の圧縮曲げ変形量が減少し、座屈耐力が高まり、座屈に伴うブレース主体6の破断を防ぐことが可能となる。
図6は、ブレース用接合金具の第2実施形態である。図示のブレース用接合金具10は、第1実施形態で使用する間隔調整のためのプレート材4を省略した構成である。この場合、金具本体の一対の側板部11,11のそれぞれ中間部分に段差部11aが形成され、図(b)に示すように底板部12側に対して自由端側(ピン孔11b側)の間隔が狭い狭幅部11c,11cとなっている。なお、互いに平行な狭幅部11c,11cの間隔は、ピン接合する相手方のガセットプレートの板厚に合わせて設定される。また、段差部11aより底板部12側の部分の間隔は、ブレース主体に螺合するナットの二面幅に合わせて設定される。底板部12には、ブレース主体の端部が貫通する円形孔12aが形成されている。この接合金具10は、第1実施形態と同様に1枚の鋼板を屈曲成形したものであるが、間隔調整用のプレート材4が不要であることから、第1実施形態のものに比べてさらなるコスト削減効果が得られる。
図7(a)〜(c)はブレース用接合金具の第3実施形態であり、第1実施形態および第2実施形態の製造方法である屈曲成形ではなく、溶接加工で製造されるものである。すなわち、図示のブレース用接合金具20は、別部材として用意した鋼板からなる一対の側板21,21と底板22を溶接により一体化して金具本体とするものである。図(b)に示すように、側板21にはピン孔21aと底板側の端面に開先21bが形成され、矩形状の裏当て材23を用いて突合わせ溶接したもので、開先21bに余盛り部21cが形成される。底板22と裏当て材23には、ブレース主体の端部が貫通する円形孔22aと23aが同心状に形成されている。また、一対の側板21,21の対向面には、ガセットプレートに対する間隔調整部材としてのプレート材24,24が接合されている。
図8は、第3実施形態のブレース用接合金具20をブレース主体6の左ネジ6bに装着したブレースの端部を示す平面図とD−D断面図である。この図はガセットプレートと接合される前の初期状況を示している。図に示すように、ブレース主体6の端部の移動空間Ltは、ブレース体全長の寸法調整に関わるボルト余長の格納部分Laとブレースに圧縮力が働いた時のブレース主体6の端部の移動格納部分Lbを見込む空間となる。側板21,21間の間隔Lcは、ナット7bの二面幅に設定されている。裏当て材23は、ブレース主体6に螺合するナット7bの座金を兼ねており、溶接性の向上とともにナット7の座りを安定させる効果がある。
図9(a)〜(d)は、本発明によるブレース用接合金具の第4実施形態である。このブレース用接合金具30は、金具本体が円形孔31aを有する底板部31と一対の側板部32,32により平面視で略コ字状に形成されている点で第1実施形態と基本構成が同じであり、ピン孔32aをブレース主体の挿通方向に長い略小判形状に形成した点に特徴がある。これに伴い、間隔調整のためのプレート材33も同じような形状になっている。
図10は、図9のブレース用接合金具を装着したブレースの取付状態において、圧縮力が負荷されてないときと、圧縮力が負荷されたときを示す断面図である。この場合、底板部31の反対側にもナット7aが設けられ、底板部31を挟む形でブレース主体6の端部が接合金具30に対して締め付け固定され、両者の相対位置が変化しない点が、第1実施形態および第3実施形態の接合金具の使用形態とは異なる。すなわち、ブレース主体6の端部(ネジ部6a)と接合金具30の相対位置は不変で、接合金具30のピン孔32aが略小判形状に形成されていることから、ブレースが引張力を受けている状態では、(a)に示すようにピンボルト93がピン孔32aの反底板部側に位置した状態になっている。一方、圧縮力を受けたときには、(b)に示すように接合金具30が、直交方向に貫通するピンボルト93で支持されながらブレース主体6と一体になって略小判形状のピン孔32aに沿って前進する。これにより、ブレース主体6の圧縮曲げ変形量が減少し、座屈耐力が高まり、座屈に伴うブレース主体6の破断を防ぐことが可能となる。
図11は、ピン接合ブレースの耐力挙動モデルについて、従来モデル(ロ)、本発明の第1実施形態に係る接合金具1を用いたブレース(ハ)、第4実施形態に係る接合金具30を用いたブレース(ニ)のモデルを比較したものである。(イ)は圧縮力が作用していないときの長さ、LXは圧縮力Pが作用したときの変形量で3体とも同じ量であると仮定する。従来モデル(ロ)では、ブレース体が圧縮力を受けると、ブレースの施工時に導入した引張力は徐々に開放され、両端部の接合金具はピンボルトを軸として回転しながら、ブレース主体 (丸鋼部)の圧縮曲げ変形量(δ1)が増加に向かう。
これに対して、第1実施形態に係るモデル(ハ)では、ブレース主体の端部が前方に変位することにより、その圧縮曲げ変形量δ2は、従来モデル(ロ)の圧縮曲げ変形量δ1よりも小さくなる。また、第4実施形態に係るモデル(ニ)では、ブレース主体の端部が接合金具30と一体となって前方に変位するので、その圧縮曲げ変形量δ3も同様にモデル(ロ)より小さくなる。このため、従来モデル(ロ)に比べて座屈耐力が高まり、座屈に伴うブレース主体の破断を防ぐことが可能となる。
本発明のブレース用接合金具は、地震時における圧縮力の影響でブレース主体の座屈によるフレーム架構の急激な変形と耐力低下を防ぎ、外観形状も簡素で経済的に製造できることから、鉄骨建造物等の補強用ブレースとしての利用のさらなる展開が期待される。
1,10,20,30:ブレース用接合金具(金具本体)、2,12,22,31:底板部、2a,12a,22a,23a,31a:円形孔(挿通孔)、3,11,21,32:側板部、3a,11b,21a,32a:ピン孔、4,24,33:プレート材、5:ブレース、6:ブレース主体(丸鋼)、6a,6b:ネジ、7a,7b:ナット、11a:段差部、11c:狭幅部、23:裏当て材、92,94:ガセットプレート、93:ピン部材(ピンボルト)

Claims (6)

  1. 両端部に右ネジと左ネジを形成した丸鋼からなるブレース主体のそれぞれの端部に金具本体の一端側を挿通し、それらネジの突出部に螺着したナットを介してブレース主体の端部に係止され、金具本体の他端側に設けたピン孔に挿通したピン部材でガセットプレートにピン接合されるブレース用接合金具であって、
    前記金具本体は、一端側にあって前記ブレース主体の端部が貫通する円形孔を備えた略矩形状の底板部と、この底板部の対辺位置で該底板部に対して直角に設けられ、対向面間に前記ナットの2面が挟持された状態で螺合する前記ブレース主体の端部と前記ガセットプレートを受け入れる互いに平行な一対の側板部からなり、それら側板部に前記ピン孔が直交するように設けられ、圧縮力を受けたときに前記ブレース主体の端部が前記ガセットプレートに向けて変位可能に構成されていることを特徴とするブレース用接合金具。
  2. 前記一対の側板部におけるピン孔付近の対向面の間隔が、前記ガセットプレートの板厚に等しい請求項1記載のブレース用接合金具。
  3. 前記間隔が、一対の側板部のピン孔付近の対向面にそれぞれ接合したプレート材の間隔である請求項2記載のブレース用接合金具。
  4. 前記間隔が、一対の側板部をそれぞれ段差状に屈曲して形成される互いに平行な狭幅部の間隔である請求項2記載のブレース用接合金具。
  5. 前記一対の側板部のピン孔が前記ブレース主体の挿通方向に長い略小判形状に形成されている請求項1ないし4のいずれか一項に記載のブレース用接合金具。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のブレース用接合金具の製造方法であって、1枚の鋼板を略コ字状に屈曲し、前記側板部と前記底板部が一体になった前記金具本体を成形することを特徴とするブレース用接合金具の製造方法。
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