JP7433739B2 - ユニット - Google Patents
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Description
ヒートパイプと、
モータを収容するハウジングを有し、
前記ハウジングはクーラントが流れる流路を有し、
前記ヒートパイプは前記流路内に位置する部分を有し、
前記ヒートパイプは前記モータのステータのコイルエンドと対向する部分を有する。
「ユニット」は、「モータユニット」、「動力伝達装置」等とも呼ばれる。モータユニットは、少なくともモータを有するユニットである。動力伝達装置は、少なくとも動力伝達機構を有する装置であり、動力伝達機構は、例えば、歯車機構及び/又は差動歯車機構である。モータ及び動力伝達機構を有する装置であるユニットは、モータユニット及び動力伝達装置の双方の概念に属する。
図面上において複数の要素(部品、部分等)が所定方向に並んでいることが図示されている場合は、明細書の説明において、所定方向視においてオーバーラップしていることを説明した文章があるとみなして良い。
図面上において複数の要素(部品、部分等)が所定方向に並んでいないことが図示されている場合は、明細書の説明において、所定方向視においてオーバーラップしていないことを説明した文章があるとみなして良い。
例えば、第2要素と第1要素と第3要素とが、この順で軸方向に沿って並んでいる場合は、径方向視において、第1要素は第2要素と第3要素との間に位置しているといえる。図面上において、所定方向視において第1要素が第2要素と第3要素との間にあることが図示されている場合は、明細書の説明において所定方向視において第1要素が第2要素と第3要素との間にあることを説明した文章があるとみなして良い。
本発明のある態様では熱交換部として、例えばヒートパイプを用いると好適である。熱交換経路の自由度を向上することができる。
図1は、ユニット1を説明するスケルトン図である。
図2は、ユニット1の外観図である。
図3は、ユニット1の断面模式図である。図3は、インバータケースを取り除いた状態を示している。
図4は、デフケース50周りの拡大図である。
図5は、遊星減速ギア4周りの拡大図である。
図6は、ユニット1における冷却水Wの循環システム80を説明する図である。
図7は、冷却路CP1を説明する図である。図7は、図2と同じ方向から見たものを示している。図7では、第2ケース部材12を仮想線で示すと共に、インバータケースを省略している。また、図7では、カバー部材13とギアケース14を、第1ケース部材11から回転軸X方向に離間して示している。
図8は、冷却路CP1を説明する図である。図8は、図2のユニット1を下方から見たものを示している。図8では、第2ケース部材12を仮想線で示すと共に、突起111c、厚肉部118、119及びヒートパイプ7の領域にハッチングを付して示している。また、図8では、カバー部材13とギアケース14を、第1ケース部材11から回転軸X方向に離間して示している。
図9は、デフケース50の回転を説明する図である。図9は、図5のA-A断面の模式図である。
ユニット1のハウジングHSは、モータ2を収容するモータケース10の一部と、インバータIVを収容するインバータケース17が、一体に形成された形式の「3in1」ユニットである。
ユニット1では、モータ2の回転軸X回りの出力回転の伝達経路に沿って、遊星減速ギア4と、差動機構5と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、が設けられている。ドライブシャフト9(9A、9B)の軸線は、モータ2の回転軸Xと同軸であり、差動機構5はモータ2と同軸である。
ここで、遊星減速ギア4は、モータ2の下流に接続されている。差動機構5は、遊星減速ギア4を介してモータ2の下流に接続されている。ドライブシャフト9(9A、9B)は、差動機構5の下流に接続されている。
軸方向視において、モータ2は、遊星減速ギア4(減速歯車機構)にオーバーラップする部分を有する。軸方向視において、遊星減速ギア4(減速歯車機構)は、差動機構5(差動歯車機構)にオーバーラップする部分を有する。軸方向視において、遊星減速ギア4(減速歯車機構)は、モータ2にオーバーラップする部分を有する。軸方向視において、差動機構5(差動歯車機構)は、遊星減速ギア4(減速歯車機構)にオーバーラップする部分を有する。軸方向視において、差動機構5(差動歯車機構)は、モータ2にオーバーラップする部分を有する。
軸方向視において、モータ2は、差動機構5(差動歯車機構)とオーバーラップする部分を有する
支持壁部111は、モータ2の回転軸Xに沿わせた向きで設けられている。支持壁部111の内側には、モータ2が収容される。
第2ケース部材12の周壁部121は、第1ケース部材11の支持壁部111に外挿可能な内径で形成されている。
第1ケース部材11と第2ケース部材12は、第1ケース部材11の支持壁部111に、第2ケース部材12の周壁部121を外挿して互いに組み付けられている。
挿通孔118a、119aには、後記するヒートパイプ7、7がそれぞれ挿通される。
ヒートパイプ7、7は、厚肉部118、119の径方向の厚みH2より小さい直径R1を有している。
第2ケース部材12の周壁部121は、第1ケース部材11の支持壁部111の厚肉部118、119と、突起111cと、接続壁111d、111eとに当接する。
配管P1、P2は、それぞれ第2ケース部材12の周壁部121を貫通して設けられている。
モータ支持部125は、後記するコイルエンド253bの内側に挿入されている。モータ支持部125は、ロータコア21の端部21bに回転軸X方向の隙間をあけて対向している。モータ支持部125の内周には、ベアリングB1が支持されている。モータシャフト20の外周が、ベアリングB1を介してモータ支持部125で支持されている。
第1ケース部材11から見てカバー部材13は、差動機構5とは反対側(図中、右側)に位置している。カバー部材13の接合部132は、壁部133の外周縁を囲んでいる。
接合部132は、壁部133から第1ケース部材11側に回転軸X方向に延びている。
接合部132は、第1ケース部材11の接合部112に回転軸X方向から接合されている。カバー部材13と第1ケース部材11は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。この状態において第1ケース部材11は、支持壁部111の接合部112側(図中、右側)の開口が、カバー部材13で塞がれている。
蓋部130は、壁部133に、ボルト(図示せず)で連結されている。
挿通孔130aの内周には、リップシールRSが設けられている。リップシールRSは、図示しないリップ部をドライブシャフト9Aの外周に弾発的に接触させている。挿通孔130aの内周と、ドライブシャフト9Aの外周との隙間が、リップシールRSにより封止されている。
蓋部130における第1ケース部材11側(図中、左側)の面には、挿通孔130aを囲む周壁部131が設けられている。周壁部131の内周には、ドライブシャフト9AがベアリングB4を介して支持されている。
モータ支持部135の外周には、円筒状の接続壁136が接続されている。接続壁136は、蓋部130側(図中、右側)の周壁部131よりも大きい外径で形成されている。接続壁136は、回転軸Xに沿う向きで設けられており、モータ2から離れる方向に延びている。接続壁136は、モータ支持部135と接合部132とを接続している。
モータ支持部135の内周には、ベアリングB1が支持されている。モータシャフト20の外周が、ベアリングB1を介してモータ支持部135で支持されている。
ベアリングB1と隣り合う位置には、リップシールRSが設けられている。
ロータコア21から見てモータシャフト20の一端20a側(図中、右側)に位置するベアリングB1は、カバー部材13のモータ支持部135の内周に支持されている。他端20b側(図中、左側)に位置するベアリングB1は、第2ケース部材12のモータ支持部125の内周に支持されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成している。珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
電磁鋼板の各々は、支持壁部111の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252と、を有している。
モータシャフト20の他端20bは、ギアケース14の内側で、後記するサイドギア54Aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
ギアケース14の内径側には、遊星減速ギア4と差動機構5を潤滑するためのオイルOLが封入されている。
リップシールRSは、ギアケース14内のオイルOLがモータケース10内に流入することを阻止するために設けられている。
大径歯車部431と小径歯車部432は、回転軸Xに平行な軸線X1方向に並んで配置された、一体のギア部品である。
ピニオンメートシャフト51は、回転軸X上に配置された中心部材510と、中心部材510の外径側に連結されたシャフト部材511を有する。図示は省略するが、複数のシャフト部材511が回転軸X周りの周方向に等間隔で設けられている。シャフト部材511は、デフケース50の径方向に延びる支持孔69に挿通され、支持されている。
サイドギア54Aは、回転軸X方向における一方側から、ピニオンメートギア52に噛合している。サイドギア54Bは、回転軸X方向における他方側から、ピニオンメートギア52に噛合している。
デフケース50の内部には、開口60を挿通したドライブシャフト9Aが、回転軸X方向から挿入されている。
開口部145aの内周には、リップシールRSが固定されている。リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト9Bに外挿されたサイドギア54Bの筒壁部540の外周に弾発的に接触している。
これにより、サイドギア54Bの筒壁部540の外周と開口部145aの内周との隙間が封止されている。
ドライブシャフト9(9A、9B)の先端部の外周に、デフケース50に支持されたサイドギア54A、54Bがそれぞれスプライン嵌合している。サイドギア54A、54Bとドライブシャフト9(9A、9B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
ピニオンメートシャフト51のピニオンメートギア52は、回転軸X方向の一方側に位置するサイドギア54Aおよび他方側に位置するサイドギア54Bに、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
詳細な説明は省略するが、デフケース50、ピニオン軸44等には、デフケース50に掻き上げられたオイルを導入するための油路、油孔等が設けられている。これによって、ベアリングB2、ニードルベアリングNB(図5参照)等の回転部材にオイルOLが導入されやすくなっている。
キャッチタンク15は、不図示の油路、配管等を介して、オイルクーラ83(図6参照)に接続している。オイルクーラ83は、不図示の配管、油路等を介して、接続壁136に形成された油孔136a(図3参照)に接続している。
循環システム80は、モータケース10の冷却路CP1とインバータケース17の冷却路CP2との間で、冷却水Wを循環させる。循環システム80は、さらに、冷却路CP1と冷却路CP2の間に、オイルクーラ83、ウォーターポンプWPおよびラジエータ82を備えており、これらは冷却水Wが通流する配管等で接続されている。
ラジエータ82は、冷却水Wの熱を放熱して冷却する装置である。
オイルクーラ83は、冷却水Wと、オイルOLとの熱交換を行う熱交換器である。
ここで、図3に示すように、モータケース10には、モータ2を冷却するためのヒートパイプ7が設けられている。ヒートパイプ7は、回転軸X方向におけるモータ2のコイルエンド253a、253b周りにそれぞれ設けられている。
また、コイルエンド253a、253b周りに設けられるヒートパイプ7は、コイルエンド253a、253bを回転軸X方向から見た際に、回転軸X方向を通る鉛直線VLよりも左側に配置されるヒートパイプ7Lと、鉛直線VLよりも右側に配置されるヒートパイプ7Rとがある(図14、図15参照)。
なお、以下の説明では、特に区別して説明する場合を除き、単にヒートパイプ7とも表記する。
図11は、ヒートパイプ7Lを説明する図である。図11は、図10のA-A断面の模式図である。
図12は、ヒートパイプ7Rを説明する図である。図12は、ヒートパイプ7Rの断面模式図である。
図13は、ヒートパイプ7Rを説明する図である。図13は、図12のA-A断面の模式図である。
図14は、ヒートパイプ7の配置を説明する図である。図14は、図7におけるA-A矢視図である。
図15は、ヒートパイプ7の配置を説明する図である。図15は、図7におけるB-B矢視図である。
なお、図14、図15では、説明の便宜上、支持壁部111と周壁部121を断面で示すと共に、厚肉部118、119を省略してある。また、コイルエンド253a、253bが設けられた領域をそれぞれクロスハッチングで示している。
図16は、ヒートパイプ7の配置を説明する図である。図16は、図3におけるヒートパイプ7周りの拡大図である。
図17は、ヒートパイプ7による熱交換を説明する図である。
具体的には、ヒートパイプ7Lは、長手方向に平行な直線Lmに沿う向きに設けられた第1筒状部71と、直線Lmと交差する直線Lnに沿う向きに設けられた第2筒状部72と、これら第1筒状部71と第2筒状部72とを接続する接続部75と、から構成される。
ヒートパイプ7Lは、接続部75を境界として一端7a側が第1筒状部71となっており、他端7b側が第2筒状部72となっている。
直線Ln方向における第2筒状部72の長さL72は、前記したコイルエンド253a、253bの回転軸Xの径方向の厚みT(図16参照)よりも長くなっている(L72>T)。
図10に示すように、底壁部711は、直線Lmを挟んだ一方側(図中、上側)から他方側(図中、下側)に向かうにつれて、直線Lnに近づく向きに傾斜している。
筒壁部710は、底壁部711から直線Lm方向における他方側(図中、左側)に延びている。筒壁部710は、直線Lm方向における他方側で、接続部75に接続している。
第2筒状部72は、直線Lnを囲む筒壁部720と、当該筒壁部720の開口を塞ぐ底壁部721Lを有している。筒壁部720は、直線Ln方向で接続部75から離れる向き(図中、下側)に延びている。底壁部721Lは、直線Ln方向における接続部75と反対側に設けられている。
具体的には、ヒートパイプ7Rは、長手方向に平行な直線Lmに沿う向きに設けられた第1筒状部71と、直線Lmと交差する直線Lnに沿う向きに設けられた第2筒状部72と、これら第1筒状部71と第2筒状部72とを接続する接続部75と、から構成される。
ヒートパイプ7Rは、接続部75を境界として一端7a側が第1筒状部71となっており、他端7b側が第2筒状部72となっている。
直線Ln方向における第2筒状部72の長さL72は、前記したコイルエンド253a、253bの回転軸Xの径方向の厚みT(図16参照)よりも長くなっている(L72>T)。
底壁部711は、直線Lmを挟んだ一方側(図中、上側)から他方側(図中、下側)に向かうにつれて、直線Lnに近づく向きに傾斜している。
筒壁部710は、底壁部711から直線Lm方向における他方側(図中、左側)に延びている。筒壁部710は、直線Lm方向における他方側で、接続部75に接続している。
第2筒状部72は、直線Lnを囲む筒壁部720と、当該筒壁部720の開口を塞ぐ底壁部721Rを有している。筒壁部720は、直線Ln方向で接続部75から離れる向き(図中、下側)に延びている。底壁部721Rは、直線Ln方向における接続部75と反対側に設けられている。
内部空間Sには、冷媒Qが封入されている。冷媒Qは、50度~60度で沸騰する液体である。詳細は後記するが、ヒートパイプ7(7L、7R)では、内部空間Sに封入された冷媒Qが蒸発及び凝縮を繰り返すことで、ヒートパイプ7(7L、7R)周りの空間と熱交換を行う。
具体的には、ヒートパイプ7の筒壁部710を、第1ケース部材11の厚肉部118に設けた挿通孔118aに回転軸X方向の一端111a側(図中、右側)から挿入する。また、ヒートパイプ7の筒壁部710を、第1ケース部材11の厚肉部119に設けた挿通孔119aに回転軸X方向の他端111b側(図中、左側)から挿入する。
また、挿通孔119aは、回転軸X方向に延びると共に、冷却路CP1側の開口が他端111b側の開口よりも鉛直線VL方向上側に位置する向きに僅かに傾斜している。挿通孔118bの傾斜角は、第1筒状部71の傾斜角φ(図10、図12参照)と同じである。
図16に示すように、シールリングCは、厚肉部118の貫通孔118aに圧接して、筒壁部710と支持壁部111との間の隙間を封止する。また、シールリングCは、厚肉部119の貫通孔119aに圧接して、筒壁部710と支持壁部111との間の隙間を封止する。これにより、冷却路CP1内の冷却水Wがモータ室Sa内にリークすることを防止している。
また、コイルエンド253bの先端面253b1は、回転軸X方向でヒートパイプ7の筒壁部720と隙間CL1を空けて対向している。コイルエンド253aの先端面253a1は、回転軸X方向でヒートパイプ7の筒壁部720と隙間CL2を空けて対向している。ヒートパイプ7、7は、コイルエンド253a、253bとそれぞれ接触を避けて配置されている。
具体的には、回転軸X方向から見て、回転軸Xを通る鉛直線VLを挟んだ左側では、ヒートパイプ7Lが配置されている。鉛直線VLを挟んだ右側では、ヒートパイプ7Rが配置されている。
また、ヒートパイプ7Rの底壁部721Rは、周方向で隣り合うヒートパイプ7Rに近い側の端部を切欠いた形で傾斜している。これにより、回転軸Xを通る鉛直線VLを挟んだ右側にヒートパイプ7Rを配置することで、底壁部721Rが、周方向で隣り合うヒートパイプ7Rと干渉することを避けつつ、周方向で隣り合うヒートパイプ7R、7Rの間隔を狭めている。
ヒートパイプ7L、7Rは、直線Ln方向における接続部75側が冷却路CP1とオーバーラップし、底壁部721L、721R側がコイルエンド253bとオーバーラップしている。
すなわち、回転軸X周りの周方向に並ぶ複数のヒートパイプ7L、7Rは、総て第2筒状部72を通る水平線HLa(図14における拡大領域参照)を挟んで接続部75、75側が底壁部721L、721R側よりも鉛直線VL方向上側に位置している。
そこで、仮想円Imと鉛直線VLとの交点のうち、上側の交点周りの領域は、ヒートパイプ7Rを鉛直線VLに沿う向きに設けている。この場合においても、接続部75は、底壁部721Rよりも鉛直線VL方向上側に位置している。なお、本実施形態では、ヒートパイプ7Rを配置しているが、ヒートパイプ7Lを配置しても良い。
これにより、ヒートパイプ7L、7Rは、コイルエンド253bと、回転軸X周りの周方向で略等間隔にオーバーラップしている。
すなわち、回転軸X周りの周方向に並ぶ複数のヒートパイプ7は、総て一端7a側が他端7b側よりも鉛直線VL方向で上側に位置している(図16参照)。よって、ヒートパイプ7内の冷媒Qは、他端7b側に溜まる。
コイルエンド253bと同様、コイルエンド253a側においても、回転軸X方向から見て、回転軸Xを通る鉛直線VLを挟んだ左側では、ヒートパイプ7Lが配置されている。また、鉛直線VLを挟んだ右側では、ヒートパイプ7Rが配置されている。
ヒートパイプ7L、7Rは、直線Ln方向における接続部75側が冷却路CP1とオーバーラップし、底壁部721L、721R側がコイルエンド253aとオーバーラップしている。
回転軸X周りの周方向に並ぶ複数のヒートパイプ7L、7Rは、総て第2筒状部72を通る水平線HLa(図15における拡大領域参照)を挟んで接続部75、75側が底壁部721L、721R側よりも鉛直線VL方向上側に位置している。
図示は省略するが、シールリングCは、弾性変形した状態で、筒壁部710、710と挿通孔118a、119aとの間に設けられている。ヒートパイプ7、7は、弾性変形したシールリングC、Cからの反力をそれぞれ受けることで、図14、15に示す回転軸X方向から見た時の姿勢(仮想円Imの接線方向に沿う向き)が維持されている。
図1に示すように、ユニット1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、遊星減速ギア4と、差動機構5と、ドライブシャフト9A、9Bと、が設けられている。
ここで、段付きピニオンギア43の小径歯車部432は、ギアケース14の内周に固定されたリングギア42に噛合している。そのため、段付きピニオンギア43は、軸線X1回りに自転しながら、回転軸X周りに公転する。
これにより、段付きピニオンギア43を支持するデフケース50が、モータ2側から入力された回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
そのため、遊星減速ギア4のサンギア41に入力された回転は、段付きピニオンギア43により、大きく減速されたのちに、デフケース50(差動機構5)に出力される。
図3および図4に示すように、掻き上げられたオイルOLにより、サンギア41と大径歯車部431との噛合部と、小径歯車部432とリングギア42との噛合部と、ピニオンメートギア52とサイドギア54A、54Bとの噛合部とが潤滑される。
ギアケース14の上部には、キャッチタンク15が設けられている。キャッチタンク15は、デフケース50の回転方向における下流側に位置しており、デフケース50で掻き上げられたオイルOLの一部は、キャッチタンク15内に流入する。
壁部133側では、ヒートパイプ7は、一端7a側が冷却路CP1内に露出すると共に、他端7b側が回転軸X方向でコイルエンド253aの先端面253a1と間隔CL2を空けて対向する。
巻線253から発生する熱は、回転軸Xの径方向外側に拡散し、支持壁部111を加熱する。コイルエンド253bから発生する熱は、当該コイルエンド253bから放射状に拡散する。これにより、モータ室Sa内におけるコイルエンド253b周りの空気が加熱される。また、コイルエンド253aから発生する熱は、当該コイルエンド253aから放射状に拡散する。これにより、モータ室Sa内におけるコイルエンド253a周りの空気が加熱される。
加熱された空気によって、第2ケース部材12の壁部120及びカバー部材13の壁部133が加熱される。これにより、最終的にはユニット1全体が加熱される。
また、本実施形態では、回転軸X方向におけるコイルエンド253aと壁部133との間にヒートパイプ7が設けられている。ヒートパイプ7は、他端7b側が回転軸X方向でコイルエンド253aと対向し、一端7a側が冷却路CP1内に露出している。
以下の説明では、コイルエンド253b側に配置されたヒートパイプ7を例に挙げて説明する。
図17に示すように、コイルエンド253bが発熱した際には、ヒートパイプ7とコイルエンド253bとでは、コイルエンド253bの方がヒートパイプ7よりも高温になる。よって、ヒートパイプ7の他端7b側には、コイルエンド253bから熱が伝達される。
一方、ヒートパイプ7と冷却水Wとでは、コイルエンド253bから熱が伝達された際には、ヒートパイプ7の方が冷却水Wよりも高温になる。よって、ヒートパイプ7の一端7a側の熱は、冷却路CP1内の冷却水Wに伝達される。
液体の冷媒Qは、空気を介してコイルエンド253bから熱を受けて、50度以上(例えば100度)に加熱される。これにより、液体の冷媒Qは蒸発する(図中、白抜き矢印)。このときの冷媒Qの気化熱により、コイルエンド253b周りの空気が冷却される。
図9に示すように、ギア室Sb内のオイルOLは、デフケース50の回転で掻き上げられる。この場合において、ギア室Sb内のオイルOLの一部は、壁部120のギア室Sb側の面120cと接しながら時計回り方向CWに移動する。ギア室Sb内のオイルOLは、遊星減速ギア4や差動機構5(図3参照)の噛合部を潤滑しているため、高温になっている。従って、オイルOLは、ヒートパイプ7よりも高温になる。
なお、説明は省略するが、コイルエンド253a側に配置されたヒートパイプ7も同様である。コイルエンド253a側にヒートパイプ7を配置することで、コイルエンド253aの熱によって、カバー部材13の壁部133が加熱されることを低減している。
これにより、底壁部711が長手方向に沿う直線Lmに直交する場合よりも、冷却路CP1内で冷却水Wと接触する表面積が多くなっている(図16参照)。よって、ヒートパイプ7と冷却路CP1との間の熱交換効率が向上している。
(1)ユニット1は、
ヒートパイプ7と、
モータ2を収容するハウジングHSを有する。
ハウジングHSは冷却水W(クーラント)が流れる冷却路CP1(流路)を有する。
ヒートパイプ7の一端7a側は、冷却路CP1内に位置する部分である。
ヒートパイプ7の他端7b側は、モータ2のステータ25のコイルエンド253aまたは、コイルエンド253bと対向する部分である。
これにより、冷却路CP1のみでモータ2を冷却する場合より、熱交換効率が向上する。
コイルエンド253aとヒートパイプ7は、モータ2の回転軸X方向で隙間CL2を空けて離間して配置されている。
そこで、上記のように構成して、コイルエンド253aとヒートパイプ7の間、及びコイルエンド253bとヒートパイプ7との間に隙間(クリアランス)を設けることで、空気を介した熱交換が行われる。これにより、コイルエンド253a、253bとヒートパイプ7とが接触することを避けることができる。従って、ヒートパイプ7の導電表面がコイルエンド253a、253bに電気的な影響を与えない。
また、ヒートパイプ7の表面をモータ室Sa内に露出させることができる。ヒートパイプ表面への絶縁コーティングが不要になる点でコストダウンとなる。
重力方向視において、ヒートパイプ7の他端7b側は、モータ2と動力伝達機構3との間に位置する壁部120に当接している部分である。
ヒートパイプ7の他端7b側は、壁部120のモータ2側の面120bに当接している。
動力伝達機構3は、壁部120を挟んでモータ2と反対側のギア室Sbに収容されている。
具体的には、動力伝達機構3は、壁部120を挟んでモータ室Saと反対側のギア室Sbに収容されている。ギア室Sb内のオイルOLは、遊星減速ギア4や差動機構5のギアの噛合部を冷却するため、温度が高くなる。温度が高くなったオイルOLの一部は、デフケース50の回転によって、壁部120に接触しつつ回転軸X周りの周方向に移動する。
そこで、上記のように構成することで、壁部120を介してオイルOLの熱をヒートパイプ7に伝達できる。これにより、モータ2の冷却だけでなく、ギア室Sb内のオイルOLも冷却できる。
ヒートパイプ7の一端7a側は、回転軸X方向におけるモータ2を挟んだ冷却路CP1の一方側と他方側で、当該冷却路CP1内にそれぞれ露出している。
具体的には、例えばヒートパイプ7の一端7a側をラジエータ82で直接冷却することも考えられるが、ヒートパイプ7の全長が長くなる。
そこで、上記のように構成して、モータ2の冷却路CP1を利用してヒートパイプ7の一端7a側を冷却することで、ヒートパイプ7の全長を短くすることができる。
ヒートパイプ7の全長を短くすることで、内部空間Sを移動する冷媒Qの移動距離が短くなるため、冷媒Qの蒸発と凝縮のサイクルが短くなる。従って、熱交換効率が向上することになる。
ヒートパイプ7の一端7a側は、冷却路CP1内に位置する部分である。
ヒートパイプ7は、コイルエンド253a、253bに沿ってモータ2の軸心である回転軸X周りの周方向に複数設けられている。
複数のヒートパイプ7のうち、回転軸Xを通り且つ重力方向に直交する水平線HL(水平面)よりも下方に位置するものにおいて、
ヒートパイプ7の一端7a側は、ヒートパイプ7の他端7b側を通り且つ重力方向に直交する水平線HLaよりも上方に位置する。
また、ヒートパイプ7の一端7a側で液化した冷媒Qは、重力に従って下方に移動して、ヒートパイプ7の内部空間Sを他端7b側に自然と移動する。これにより、ヒートパイプ7内の冷媒Qの気化が促進される。
例えば、回転軸X方向において冷却路CP1を壁部120、133側に及ぶ範囲に設ける。そして、直線状のヒートパイプ7を回転軸Xの径方向の沿う向きに設けて、一端7a側を冷却路CP1内に露出させ、他端7b側をコイルエンド253a、253bに回転軸X方向で対向させる。これにより、ヒートパイプの全長を短くすることができる。
例えば、冷却路CP1の入口CP1aをモータ2の回転軸X(水平線HL)よりも鉛直線VL方向上方に設け、出口CP1bをモータ2の回転軸X(水平線HL)よりも鉛直線VL方向下方に設けても良い。これにより、重力を利用して冷却水Wの流れをスムーズにすることができる。
歯車機構は、例えば、減速歯車機構、増速歯車機構、差動歯車機構(差動機構)等を有する。
減速歯車機構及び増速歯車機構は、例えば、遊星歯車機構、平行歯車機構等を有する。
環状機構は、例えば、無端環状部品等を有する。
無端環状部品等は、例えば、チェーンスプロケット、ベルトとプーリ等を有する。
差動機構5は、入力要素であるデファレンシャルケースと、出力要素である2つの出力軸と、差動要素である差動歯車セットと、を有する。
傘歯車式のデファレンシャルギアにおいて、差動歯車セットは傘歯車を有する。
遊星歯車式のデファレンシャルギアにおいて、差動歯車セットは遊星歯車を有する。
例えば、平行歯車機構のうちのファイナルギア(デフリングギア)は、デファレンシャルケースと一体に回転する。例えば、遊星歯車機構のキャリアとデファレンシャルケースとが接続している場合、ピニオンギアがデファレンシャルケースと一体に回転(公転)する。
シングルピニオン型の遊星歯車機構は、例えば、サンギアを入力要素とし、リングギアを固定要素とし、キャリアを出力要素とすることができる。
ダブルピニオン型の遊星歯車機構は、例えば、サンギアを入力要素とし、リングギアを出力要素とし、キャリアを固定要素とすることができる。
シングルピニオン型又はダブルピニオン型の遊星歯車機構のピニオンギアは、例えば、ステップドピニオンギア、ノンステップドピニオンギア等を用いることができる。
ステップドピニオンギアは、ラージピニオンおよびとスモールピニオンとを有する。例えば、ラージピニオンをサンギアに噛合させると好適である。例えば、スモールピニオンをリングギアに嵌合させると好適である。
ノンステップドピニオンギアは、ステップドピニオンギアではない形式である。
2 :モータ
3 :動力伝達機構
7 :ヒートパイプ
7a :一端(流路内に位置する部分)
7b :他端(コイルエンドと対向する部分)
25 :ステータ
253a :コイルエンド
253b :コイルエンド
CP1 :冷却路(流路)
HL :水平線(水平面)
HLa :水平線(水平面)
HS :ハウジング
VL :鉛直線方向(重力方向)
W :冷却水(クーラント)
X :回転軸(モータの軸心)
Claims (9)
- ヒートパイプと、
モータを収容するハウジングを有し、
前記ハウジングは液体が流れる流路を有し、
前記ハウジングは、前記流路の一部を構成し且つ前記モータのステータを外周から支持する支持壁部を有し、
前記ヒートパイプは、前記支持壁部の外周において、前記流路内の液体に接触する部分を有し、
前記ヒートパイプは前記モータの前記ステータのコイルエンドと対向する部分を有する、ユニット。 - 請求項1において、
前記コイルエンドと前記ヒートパイプとは離間して配置されている、ユニット。 - 請求項1又は請求項2において、
前記モータと接続する動力伝達機構が前記ハウジングに収容され、
重力方向視において、前記ヒートパイプは前記モータと前記動力伝達機構との間に位置する部分を有する、ユニット。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
径方向視において前記流路は前記モータとオーバーラップする部分を有する、ユニット。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記ヒートパイプにおける前記コイルエンドと対向する対向部分は、前記モータの軸心を通り且つ重力方向に直交する水平面よりも下方に位置し、
前記ヒートパイプにおける前記流路内に位置する部分は、前記対向部分を通り且つ重力方向に直交する水平面よりも上方に位置する、ユニット。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記液体は、冷却水である、ユニット。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記流路はらせん状に形成されている、ユニット。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記液体は、冷却水であり、
前記流路はらせん状に形成されている、ユニット。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記流路は、前記モータのステータの外周に形成されている、ユニット。
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