JP7427606B2 - クッション材、クッション材の製造方法、及び、座席シート - Google Patents

クッション材、クッション材の製造方法、及び、座席シート Download PDF

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Description

本発明は、座席シートに用いられるクッション材、クッション材の製造方法、及び、座席シートに関する。
本願は、2018年12月3日に、日本に出願された特願2018-226823号に基づく優先権を主張するものであり、その内容の全文をここに援用する。
従来の座席シート(車両用シート等)は、一般的に、クッション性のある多孔質構造体(例えば、ウレタンフォーム)と、多孔質構造体を覆う表皮と、を備える。多孔質構造体は、一般的に、例えば金型成形又はスラブ成形等において、化学反応により発泡させる工程を経て、製造される(例えば、特許文献1)。このような座席シートの製造時では、まず、多孔質構造体と表皮とが別々に製造され、その後、表皮が多孔質構造体の上に被せられる。
日本国特開2016-44292号公報
しかしながら、上述のような座席シートにおいては、座席シートの生産性に関し、向上の余地があった。
本発明は、座席シートの生産性を向上できる、クッション材、クッション材の製造方法、及び、座席シートを、提供することを目的とする。
本発明のクッション材は、
座席シートに用いられ、可撓性のある樹脂又はゴムから構成された、クッション材であって、
多孔質構造体と、
前記座席シートの表面のうち、少なくとも着座者側の表面を構成し、前記多孔質構造体と一体に構成された、表皮と、
を備えている。
本発明のクッション材の製造方法は、
3Dプリンタを用いて、上記のクッション材を製造するものである。
本発明の座席シートは、
上記のクッション材を備えている。
本発明によれば、座席シートの生産性を向上できる、クッション材、クッション材の製造方法、及び、座席シートを、提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るクッション材を備えた座席シートを概略的に示す、斜視図である。 図1のシートクッション用クッション材を、図1のG-G線に沿う断面により示す、断面図である。 図1のシートバック用クッション材を、図1のH-H線に沿う断面により示す、断面図である。 図1のクッション材の一部の断面を示す、断面図である。 図1のクッション材の表皮の一部を示す、斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るクッション材の一部の断面を示す、断面図である。 図6のクッション材の表皮の一部を示す、斜視図である。 本発明の第2実施形態の一変形例に係るクッション材の表皮の一部を示す、斜視図である。 本発明の一実施形態に係る、クッション材の製造方法を説明するための図面である。 図1のクッション材の多孔質構造体の一部を、図11~図13のC矢印の方向から観たときの様子を示す、平面図である。 図10の多孔質構造体を、図10、図12、図13のA矢印の方向から観たときの様子を示す、側面図である。 図10の多孔質構造体を、図10、図11、図13のD矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図10の多孔質構造体を、図11、図12のB矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図10の多孔質構造体の単位部を、図10、図11、図13のD矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図14の多孔質構造体の単位部の一部を拡大して観たときの様子を示す、斜視図である。 図14の多孔質構造体の単位部を、図14のE矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図16と同じ図面であり、一部の符号や破線・鎖線のみが図16と異なる図面である。 図14の多孔質構造体の単位部を、図14のF矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図18と同じ図面であり、一部の符号や破線・鎖線のみが図18と異なる図面である。 図20(a)は、外力が加わっていない状態における図10の多孔質構造体の骨部を示す斜視図であり、図20(b)は、外力が加わっている状態における図20(a)の骨部を示す斜視図である。 図17に対応する図面であり、多孔質構造体の第1変形例を説明するための図面である。 図17に対応する図面であり、多孔質構造体の第2変形例を説明するための図面である。 図17に対応する図面であり、多孔質構造体の第3変形例を説明するための図面である。 本発明の任意の実施形態に係るクッション材を備えることができる座席シートの第1変形例を概略的に示す、斜視図である。 図24のクッション材を構成することができる、本発明の第3実施形態に係るクッション材を示す、斜視図である。 図25のクッション材のB部を拡大して示す、斜視図である。 図25のクッション材を、図25とは反対側から観た様子を示す、斜視図である。 図24のクッション材を構成することができる、本発明の第4実施形態に係るクッション材を示す斜視図であり、図27に対応する図面である。 本発明の任意の実施形態に係るクッション材を備えることができる座席シートの第2変形例を説明するための図面である。 本発明の任意の実施形態に係るクッション材を備えることができる座席シートの第3変形例を説明するための図面である。 図30の座席シートを説明するための図面である。 本発明の任意の実施形態に係るクッション材を備えることができる座席シートの第4変形例を説明するための図面である。
本発明のクッション材、及び、本発明のクッション材の製造方法を用いて製造されるクッション材は、任意の種類の座席シートに用いられてよいが、例えば、乗り物用シートに用いられると好適であり、車両用シートに用いられるとより好適である。
以下、本発明に係るクッション材、クッション材の製造方法、、座席シートの実施形態について、図面を参照しながら例示説明する。
各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
〔クッション材、座席シート〕
図1~図5は、本発明の第1実施形態に係るクッション材を説明するための図面である。図1は、第1実施形態に係るクッション材301を備えた、第1実施形態に係る座席シート300を概略的に示す斜視図である。図1の座席シート300は、任意の種類の座席シートとして構成されてよいが、例えば、乗り物用シートとして構成されると好適であり、車両用シートとして構成されるとより好適である。
座席シート300は、着座者が着座するためのシートクッション用クッション材301Cと、シートクッション用クッション材301Cを下から支持するフレーム(図示せず)と、着座者の背中を支持するためのシートバック用クッション材301Bと、シートバック用クッション材301Bの裏側に設置されるフレーム(図示せず)と、シートバック用クッション材301Bの上側に設置され、着座者の頭部を支持するためのヘッドレスト340と、を備える。シートクッション用クッション材301Cとシートバック用クッション材301Bとは、それぞれ、本実施形態のクッション材301から構成されている。
図1の例において、ヘッドレスト340は、シートバック用クッション材301Bとは別体に構成されているが、シートバック用クッション材301Bと一体に構成されてもよい。
図2は、図1のシートクッション用クッション材301Cを、図1のG-G線に沿う断面により示している。図3は、図1のシートバック用クッション材301Bを、図1のH-H線に沿う断面により示している。図4は、図1のシートクッション用クッション材301Cやシートバック用クッション材301Bを構成する、本実施形態のクッション材301の一部の断面を拡大して示している。
本明細書では、図1~図3に表記するとおり、座席シート300に着座した着座者から観たときの「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の各方向を、それぞれ単に「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などという。
本実施形態のクッション材301は、3Dプリンタによって造形されたものであり、クッション材301の全体が一体に構成されている。図4に示すように、クッション材301は、多数のセル孔を有する多孔質構造体1と、座席シート300の表面のうち、少なくとも着座者側の表面FSを構成し、多孔質構造体1と一体に構成された、表皮330と、を備えている。表皮330は、多孔質構造体1の外側に位置しており、多孔質構造体1の表面のうち、少なくとも着座者側の表面を覆っている。そして、表皮330は、その多孔質構造体1とは反対側(外側)の表面が、座席シート300の表面のうち、少なくとも着座者側の表面FSを構成している。すなわち、表皮330は、座席シート300の最も外側に位置しており、表皮330の上には何も被せられていない。図1の例において、表皮330は、座席シート300の表面のうち、着座者側の表面FSと、それに連続する他の表面(側面)SSとを、構成している。
より具体的に、図1及び図2に示すように、クッション材301からなるシートクッション用クッション材301Cは、多孔質構造体1から構成されたクッションパッド310と、クッションパッド310の表面のうち、少なくとも着座者側の表面を覆う、表皮330と、を備えている。クッションパッド310は、いわゆるシートパッドとしての機能を有するものである。クッションパッド310は、着座者の臀部及び大腿部を下から支持するように構成されたメインパッド部311と、メインパッド部311の左右両側に位置し、メインパッド部311よりも上側へ盛り上がり、着座者を左右両側から支持するように構成された、一対のサイドパッド部312と、を有している。図1及び図2の例において、シートクッション用クッション材301Cの表皮330は、クッションパッド310の表面のうち、着座者側の表面(具体的には、メインパッド部311及びサイドパッド部312の上面)と、着座者側の表面から連続する他の表面(側面。具体的には、メインパッド部311及び/又はサイドパッド部312の前側の側面や、一対のサイドパッド部312の左右方向外側の側面。)とを、覆っている。そして、表皮330における多孔質構造体1とは反対側の表面は、座席シート300のシートクッション用クッション材301Cの表面のうち、着座者側の表面(上面)FSと、着座者側の表面FSから連続する他の表面(側面。具体的には、前側の側面や、左右方向外側の側面。)SSとを、構成している。
また、図1及び図3に示すように、クッション材301からなるシートバック用クッション材301Bは、多孔質構造体1から構成されたバックパッド320と、バックパッド320の表面のうち、少なくとも着座者側の表面を覆う、表皮330と、を備えている。バックパッド320は、いわゆるシートパッドとしての機能を有するものである。バックパッド320は、着座者の背中を後側から支持するように構成されたメインパッド部321と、メインパッド部321の左右両側に位置し、メインパッド部321よりも前側へ盛り上がり、着座者を左右両側から支持するように構成された、一対のサイドパッド部322と、を有している。図1及び図3の例において、シートバック用クッション材301Bの表皮330は、バックパッド320の表面のうち、着座者側の表面(具体的には、メインパッド部321及びサイドパッド部322の前面)と、着座者側の表面から連続する他の表面(側面。具体的には、メインパッド部321及び/又はサイドパッド部322の上側の側面や、一対のサイドパッド部322の左右方向外側の側面。)とを、覆っている。そして、表皮330における多孔質構造体1とは反対側の表面は、座席シート300のシートバック用クッション材301Bの表面のうち、着座者側の表面(前面)FSと、着座者側の表面FSから連続する他の表面(側面。具体的には、上側の側面や、左右方向外側の側面。)SSとを、構成している。
なお、図1の例において、表皮330は、座席シート300の表面のうち、着座者側の表面FSの全体と、それに連続する他の表面(側面)SSの全体とを、構成している。ただし、表皮330は、座席シート300の着座者側の表面FSのうち、一部のみを構成していてもよい。この場合、座席シート300のシートクッション用クッション材301C又はシートバック用クッション材301Bの着座者側の表面FSの全体面積に対する表皮330の面積の割合は、例えば、10~50%であると好適である。また、表皮330は、座席シート300の側面SSのうち、一部のみを構成していてもよい。
また、例えば、座席シート300のクッション材301は、挿填体と、挿填体とは別体に構成され、挿填体を収容する凹部を有する、本体部と、からなり、挿填体が、座席シート300の着座者側の表面FS及び/又は側面SSの一部を構成していてもよく、その場合、挿填体の着座者側の表面FS及び/又は側面SSが、表皮330によって構成されてもよい。この場合、座席シート300のシートクッション用クッション材301C又はシートバック用クッション材301Bの着座者側の表面FSの全体面積に対する表皮330の面積の割合は、例えば、10~50%であると好適である。
クッション材301は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されている。
ここで、「可撓性のある樹脂」とは、外力が加わると変形することができる樹脂を指しており、例えば、エラストマー系の樹脂が好適であり、ポリウレタンがより好適であり、軟質ポリウレタンがさらに好適である。ゴムとしては、天然ゴム又は合成ゴムが挙げられる。クッション材301は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されているので、着座者からの外力に応じて、表皮330が変形自在であり、また、多孔質構造体1が、着座者からの外力の付加・解除に応じて、圧縮・復元変形が可能であるので、クッション性を有することができる。
なお、3Dプリンタによる製造のし易さの観点からは、クッション材301は、可撓性のある樹脂から構成されている場合のほうが、ゴムから構成されている場合よりも、好適である。
また、3Dプリンタによる製造のし易さの観点からは、クッション材301は、その全体が、同じ組成の材料から構成されていると、好適である。ただし、クッション材301は、部位によって異なる組成の材料から構成されてもよい。
なお、クッション材301を3Dプリンタを用いて製造する場合は、クッション材301を構成する材料として、光硬化性ポリウレタン(特に紫外線硬化性ポリウレタン)を原料とする樹脂を使用することができる。光硬化性ポリウレタン(特に紫外線硬化性ポリウレタン)としては、ウレタンアクリレートもしくはウレタンメタクリレートを原料とする樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えばUS4337130に記載されたものが挙げられる。
多孔質構造体1の構成については、後に図10~図23を参照しながら詳しく説明する。
図5は、図1のシートクッション用クッション材301Cやシートバック用クッション材301Bを構成する、クッション材301の表皮330の一部を示す、斜視図である。図5の例において、表皮330は、複数の貫通孔331を有している。
このように、本実施形態のクッション材301は、多孔質構造体1と、座席シート300の表面のうち、少なくとも着座者側の表面FSを構成する、表皮330とを、一体に構成したものである。クッション材301のクッション性は、多孔質構造体1によってもたらされる。また、クッション材301は、表皮330を備えることにより、仮に表皮330を備えずに多孔質構造体1のみを備える場合に比べて、座席シート300の外観を良好にしたり、座席シート300の表面の触り心地を良好にしたり、着座者が着座した際の違和感を無くしたりすることができる。また、仮に多孔質構造体1が着座者と触れる位置で外部に露出していると、多孔質構造体1が着座者との干渉により破損するおそれがあるが、本実施形態のクッション材301では、表皮330が、座席シート300の表面のうち、少なくとも着座者側の表面FSを構成している(すなわち、多孔質構造体1の表面のうち、少なくとも着座者側の表面を覆っている)ので、多孔質構造体1が着座者と直接干渉するのを防ぐことができ、多孔質構造体1の耐久性を向上させることができる。なお、図示は省略するが、仮に表皮330が、座席シート300の着座者側の表面FSのうち、一部のみを構成している(すなわち、多孔質構造体1の着座者側の表面のうち、一部のみを覆っている)場合でも、程度の差はあるものの、同様の効果が得られる。
本実施形態のクッション材301は、多孔質構造体1と表皮330とを一体に構成したので、従来の座席シートの製造時に必要であった、多孔質構造体(ウレタンフォーム等)の上に表皮を被せる工程を不要にすることができる。これにより、座席シートの生産性を向上できる。また、本実施形態のクッション材301は、多孔質構造体1と表皮330とが1部品を構成するので、従来の座席シートに比べて部品点数を削減できる。よって、生産性の向上や、コストの低減が可能である。
また、多孔質構造体1と表皮330とが一体であるので、仮にこれらが別体である場合に比べて、使用時等で表皮330が多孔質構造体1の表面から離れたり位置ずれしたりするおそれがなく、座席シート300の品質を向上できる。
上述のように、本実施形態のクッション材301は、3Dプリンタによって造形されたものである。3Dプリンタを用いてクッション材301を製造することにより、多孔質構造体1と表皮330とを備えたクッション材301を、1つの工程で簡単に製造することができるので生産性を向上できるとともに、所期したとおりの構成が得られるようになる。また、今後の3Dプリンタの技術進歩により、将来的に、3Dプリンタによる製造を、より短時間かつ低コストで、実現できるようになることが期待できる。また、3Dプリンタを用いてクッション材301を製造することにより、様々な要求特性に対応したクッション材301の構成を、簡単かつ所期したとおりに実現できる。
上述のように、図1~図3の例において、表皮330は、座席シート300の表面のうち、着座者側の表面FSを構成するだけでなく、着座者側の表面FSから連続する他の表面(側面)SSをも構成している。これにより、仮に表皮330が座席シート300の表面のうち、着座者側の表面FSのみを構成し、多孔質構造体1が座席シート300の側面SSを構成する(言い換えれば、多孔質構造体1が座席シート300の側面に露出している)場合に比べて、さらに、座席シート300の外観を良好にしたり、座席シート300の表面の触り心地を良好にしたり、着座者が着座した際の違和感を無くしたり、多孔質構造体1の耐久性を向上させたりすることができる。
ただし、表皮330は、座席シート300の表面のうち、着座者側の表面FSのみを構成してもよい。
クッション材301の通気性を確保する観点から、図2及び図3に示すように、表皮330は、クッション材301の裏面(シートクッション用クッション材301Cの下面、シートバック用クッション材301Bの後面)の少なくとも一部(好ましくは全部)において、多孔質構造体1を覆っていないこと、言い換えれば、クッション材301の裏面の少なくとも一部(好ましくは全部)に、多孔質構造体1が露出していることが、好適である。
図4及び図5に示すように、本実施形態において、表皮330は、複数の貫通孔331を有している。これにより、クッション材301(シートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B)の通気性を向上できる。表皮330の貫通孔331の数、直径、面積率等を調整することにより、クッション材301の通気性や振動特性を調整できる。
通気性を向上させる観点や、3Dプリンタによる製造性の観点等から、貫通孔331の直径D331は、0.5mm以上であると好適であり、1mm以上であるとより好適であり、5mm以上であるとさらに好適である。座席シート300の良好な外観を確保する観点や、多孔質構造体1の耐久性を向上させる観点から、貫通孔331の直径D331は、30mm以下であると好適であり、10mm以下であるとより好適である。
また、多孔質構造体1の耐久性を向上させる観点から、貫通孔331の直径D331は、多孔質構造体1の後述のセル孔C(図10)の直径の平均値以下であると好適であり、多孔質構造体1のセル孔Cの直径の平均値未満であるとより好適である。同様の観点から、貫通孔331の直径D331は、多孔質構造体1の後述の第1セル孔C1(図10)の直径以下であると好適であり、多孔質構造体1の第1セル孔C1の直径未満であるとより好適である。
なお、図5の例では、表皮330を平面視したときの貫通孔331の形状が、円形であるが、表皮330を平面視したときの貫通孔331の形状は、四角形又は三角形等の任意の多角形状や、楕円形状等、任意の形状でよい。表皮330を平面視したときの貫通孔331の形状が非円形である場合、貫通孔331の「直径D331」は、表皮330を平面視したときの貫通孔331の外接円の直径を指すものとする。
表皮330を平面視したときの貫通孔331の面積率が小さくなると、通気性が低くなり、振動減衰性も低くなる。表皮330を平面視したときの貫通孔331の面積率が大きくなると、通気性が高くなり、振動減衰性も高くなる。表皮330を平面視したときの貫通孔331の面積率は、0%超が好適であり、5%以上がより好適であり、25%以上がさらに好適である。また、表皮330を平面視したときの貫通孔331の面積率は、80%以下が好適であり、55%以下がより好適である。なお、「表皮330を平面視したときの貫通孔331の面積率」は、表皮330を平面上に展開したときの表皮330の全体面積A1に対する、表皮330の平面視における、表皮330に設けられた全ての貫通孔331の総面積A2の割合(A2×100/A1 [%])を指す。「表皮330を平面上に展開したときの表皮330の全体面積A1」は、表皮330を平面上に展開したときに表皮330の外縁によって囲まれる部分の面積を指しており、貫通孔331が占める面積も含む。
また、図5の例では、表皮330の平面視において、複数の貫通孔331が規則性を有する配置パターンをもって配置されているが、複数の貫通孔331の配置は、規則性の無いランダムな配置でもよい。
なお、表皮330は、その全体にわたって、貫通孔331を有していると好適であるが、表皮330の一部分のみに、複数の貫通孔331を有していてもよい。例えば、表皮330は、座席シート300の着座者側の表面FSを構成する部分のみ、あるいは、メインパッド部311、321を覆う部分のみに、貫通孔331を有していてもよい。
図6及び図7は、第2実施形態に係るクッション材301を説明するための図面であり、それぞれ図4及び図5に対応する図面である。第2実施形態に係るクッション材301は、表皮330が、貫通孔331を有する代わりに、多孔質構造体1とは反対側の表面にシボパターンを有する点のみで、図4及び図5に示す第1実施形態とは異なる。
ここで、「シボパターン」とは、表皮330の表面に複数の突起332が設けられていることにより、表皮330の表面に形成される、凹凸模様を指す。
図6及び図7に示す表皮330のシボパターンは、様々な形状や大きさの突起332が配置されてなるものである。
ただし、表皮330のシボパターンは、図7に示す例とは異なるものでもよく、表皮330の表面に設けられる突起332の形状、大きさ、配置の仕方は、任意でよい。
例えば、図8に示す変形例のように、表皮330のシボパターンは、同じ形状及び大きさの複数の突起332が規則的に配置されてなるものでもよい。図8の例において、各突起332は、表皮330の平面視において四角形をなしているが、各突起332は、表皮330の平面視において、三角形等の多角形、円形、楕円形等、任意の形状をなしてよい。また、図示は省略するが、突起332は、一方向に長く延在する突条であってもよい。
表皮330の表面がシボパターンを有することにより、表皮330は、革生地のような外観や触り心地を有することができる。これにより、座席シート300の表皮330は、3Dプリンタで製造されたものであるにも関わらず、従来の一般的な座席シートの表皮と同じような外観や触り心地を有することができる。また、表皮330は、仮に表面が平滑である場合に比べて、光の反射率を低減でき、テカリや汚れを目立ちにくくすることができるので、座席シート300の外観に高級感を与えることができる。また、着座者が表皮330を触ったときの滑り心地を良好にできるので、触り心地や快適性を向上でき、また、触ったときや着座したときの異音も防止できる。
図6~図8の各例のように表皮330の表面がシボパターンを有する場合、外観や触り心地を向上させる観点から、突起332の高さH332は、2mm以下であると好適であり、1mm以下であるとより好適である。3Dプリンタによる製造し易さの観点から、突起332の高さH332は、0.1mm以上であると好適である。
また、図6~図8の各例のように表皮330の表面がシボパターンを有する場合、外観や触り心地を向上させる観点から、表皮330を平面視したときの突起332の直径D332は、10mm以下であると好適であり、5mm以下であるとより好適である。3Dプリンタによる製造し易さの観点から、表皮330を平面視したときの突起332の直径D332は、0.1mm以上であると好適である。
なお、表皮330を平面視したときの突起332の形状が非円形である場合、突起332の「直径D332」は、表皮330を平面視したときの突起332の外接円の直径を指すものとする。
なお、表皮330は、その全体にわたって、シボパターンを有していると好適であるが、表皮330の一部分のみに、シボパターンを有していてもよい。例えば、表皮330は、座席シート300の着座者側の表面FSを構成する部分のみに、シボパターンを有していてもよい。
表皮330は、第1実施形態で説明した貫通孔331と、第2実施形態で説明したシボパターン(ひいては、突起332)との、両方を有していてもよい。
表皮330の厚さT330を調整することにより、クッション材301の剛性を調整することができる。表皮330の厚さT330が大きくなると、クッション材301の剛性が高くなる。表皮330の厚さT330が小さくなると、クッション材301の剛性が低くなる。
上述した各例において、表皮330は、厚さT330の最大値(厚さT330が最大となる位置での厚さ)が、0.3~5mmであると、好適であり、1~3mmであるとより好適である。
これにより、3Dプリンタによる製造がし易くなり、また、座席シート300(特に車両用シート)に用いられるクッション材301として好ましい特性が得られる。また、表皮330の耐久性を十分に確保しつつ、座席シート300の生産性をさらに向上でき、また、クッション材301の軽量化が可能である。
なお、図1に示す例では、クッション材301は、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301Bのそれぞれの全体を構成している。
ただし、クッション材301は、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B、又は、ヘッドレスト340のいずれか一つのみを構成してもよい。
また、図30に示す変形例のように、クッション材301は、座席シート300のシートクッション用クッション材301Cの一部のみ、シートバック用クッション材301Bの一部のみ、かつ/又は、ヘッドレスト340の一部のみを、構成してもよい。これにより、クッション材301の大きさを小さくすることができ、ひいては、比較的小型の3Dプリンタによっても製造することが可能になる。その場合、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B、ヘッドレスト340のうち、クッション材301によって構成された部分以外の部分については、例えば金型成形又はスラブ成形等において化学反応により発泡させる工程を経て製造されることにより、上述したような従来の一般的な構成で構成するとよい。例えば、図30の例のように、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B、かつ/又は、ヘッドレスト340は、それぞれ、互いに別体に構成された複数のクッション部3011を備え、当該複数のクッション部3011のうち一部(1つ又は複数)のクッション部3011のみが、クッション材301から構成され、他のクッション部3011が、上述したような従来の一般的な構成で構成されてもよい。より具体的には、例えば、図30の例のように、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B、かつ/又は、ヘッドレスト340は、それぞれ、クッション材301からなる1つ又は複数(図30の例では、2つ)の挿填体301Iと、当該1つ又は複数の挿填体301Iとは別体に構成され、当該1つ又は複数の挿填体301Iを収容する凹部301Rを有し、上述したような従来の一般的な構成で構成される、本体部301Mと、を備えてもよい。この場合、挿填体301Iが、座席シート300の着座者側の表面FS及び/又は側面SSの一部を構成していてもよく、その場合、挿填体の着座者側の表面FS及び/又は側面SSが、表皮330によって構成されてもよい。この場合、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B、又はヘッドレスト340の着座者側の表面FSの全体面積に対する表皮330の面積の割合は、例えば、10~50%であると好適である。
あるいは、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B、かつ/又は、ヘッドレスト340は、互いに別体に構成された複数のクッション部3011からなり、当該複数のクッション部3011のそれぞれが、クッション材301から構成されてもよい。これによっても、クッション材301の大きさを小さくすることができ、ひいては、比較的小型の3Dプリンタによっても製造することが可能になる。
本明細書で説明する各例において、上述のように(また、図30の例のように)、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B、かつ/又は、ヘッドレスト340が、それぞれ、互いに別体に構成された複数のクッション部3011を備え、当該複数のクッション部3011のうち一部(1つ又は複数)又は全部のクッション部3011が、クッション材301から構成される場合、互いに隣接する一対のクッション部3011どうしは、図31の例のように、互いに接着剤3012によって接着されていてもよい。この場合、接着剤3012は、各クッション部3011の着座者側の表面FSに露出するように配置されていないのが好適であり、言い換えれば、各クッション部3011の着座者側の表面FSから、裏面BS側に、離れて配置されていると好適である。これにより、着座者がクッション部3011に対して荷重を掛けたときに、着座者が硬化した接着剤3012に当たるのを抑制でき、ひいては、着座者が硬化した接着剤3012に当たることにより感じ得る違和感を抑制できる。
この場合、上記互いに隣接する一対のクッション部3011のそれぞれの表面のうち、互いに対向する一対の対向面3011aどうしの距離(ひいては、接着剤3012の厚さ)L20(図31)は、2~10mmが好適である。
また、この場合、上記互いに隣接する一対のクッション部3011の着座者側の表面FSから接着剤3012までの距離L21(図31)は、2~20mmが好適である。着座者側の表面FSから接着剤3012までの距離L21(図31)は、着座者側の表面FSに対して垂直に測るものとする。
また、この場合、上記互いに隣接する一対のクッション部3011のうち一方が、クッション材301から構成されており、上記互いに隣接する一対のクッション部3011のうち他方が、クッション材301から構成されているか又は上述したような従来の一般的な構成で構成されていると、好適である。
あるいは、本明細書で説明する各例において、上述のように(また、図30の例のように)、座席シート300のシートクッション用クッション材301C、シートバック用クッション材301B、かつ/又は、ヘッドレスト340が、それぞれ、互いに別体に構成された複数のクッション部3011を備え、当該複数のクッション部3011のうち一部(1つ又は複数)又は全部のクッション部3011が、クッション材301から構成される場合、互いに隣接する一対のクッション部3011どうしは、図32の例のように、互いに接着剤3012によって接着されていなくてもよい。これにより、着座者がクッション部3011に対して荷重を掛けたときに、着座者が硬化した接着剤3012に当たることにより感じ得る違和感を防止できる。
この場合、上記互いに隣接する一対のクッション部3011どうしは、互いから離間して配置されていると好適である。より具体的に、上記互いに隣接する一対のクッション部3011のそれぞれの表面のうち、互いに対向する一対の対向面3011aどうしの距離L23(図32)は、5~20mmが好適である。これにより、着座者がクッション部3011に対して荷重を掛けたときに、着座者が違和感を感じるのを抑制できる。
また、この場合、クッション部3011の厚さ方向の断面において、上記互いに隣接する一対のクッション部3011のそれぞれの表面は、着座者側の表面FSと対向面3011aとの間の角部3011bが、角張りのない湾曲形状をなしている(すなわち、アール付けされている)と、好適である。これにより、着座者がクッション部3011に対して荷重を掛けたときに、着座者が違和感を感じるのを抑制できる。
また、この場合、上記互いに隣接する一対のクッション部3011のうち一方が、クッション材301から構成されており、上記互いに隣接する一対のクッション部3011のうち他方が、クッション材301から構成されているか又は上述したような従来の一般的な構成で構成されていると、好適である。
〔クッション材の製造方法、3D造形用データ〕
つぎに、図9を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る、クッション材の製造方法を説明する。具体的に、以下に例示説明する方法は、上述したクッション材301を3Dプリンタによって製造する方法である。
まず、事前に、コンピュータを用いて、クッション材301の3次元形状を表す3次元形状データ(例えば、3次元CADデータ)を作成する。
つぎに、コンピュータを用いて、上記3次元形状データを、3D造形用データ500に変換する。3D造形用データ500は、3Dプリンタ400の造形部420が造形を行う際に3Dプリンタ400の制御部410に読み込まれるものであり、制御部410が、造形部420に、クッション材301を、造形させるように構成されている。3D造形用データ500は、例えば、クッション材301の各層の2次元形状を表すスライスデータを含む。
つぎに、3Dプリンタ400によってクッション材301の造形を行う。3Dプリンタ400は、例えば、光造形方式、粉末焼結積層方式、熱溶融積層方式(FDM方式)、インクジェット方式等、任意の造形方式を用いて造形を行ってよい。生産性の観点からは、光造形方式が好適である。図9では、光造形方式によって造形を行う様子を示している。
3Dプリンタ400は、例えば、CPU等によって構成された制御部410と、制御部410による制御に従って造形を行う造形部420と、造形される造形物(すなわち、クッション材301)を載せるための支持台430と、液体樹脂LR、支持台430及び造形物が収容される収容体440と、を備える。造形部420は、本例のように光造形方式を用いる場合、紫外線レーザ光LLを照射するように構成されたレーザ照射器421を有する。収容体440には、液体樹脂LRが充填されている。液体樹脂LRは、レーザ照射器421から照射される紫外線レーザ光LLが当たると、硬化し、可撓性のある樹脂となる。
このように構成された3Dプリンタ400は、まず、制御部410が、3D造形用データ500を読み込み、読み込んだ3D造形用データ500に含まれる3次元形状に基づいて、造形部420に紫外線レーザ光LLを照射するよう制御しながら、各層を順次造形していく。
3Dプリンタ400による造形が完了した後は、造形物を収容体440から取り出す。それにより、最終的に、造形物として、クッション材301が得られる。
3Dプリンタを用いてクッション材301を製造することにより、多孔質構造体1と表皮330とを備えたクッション材301を、1つの工程で簡単に製造することができるとともに、所期したとおりの構成が得られるようになる。
なお、クッション材301を樹脂で構成する場合、3Dプリンタ400による造形が完了した後に、造形物としてのクッション材301を、オーブンの中で加熱してもよい。その場合、クッション材301を構成する各層どうしの結合を強化し、それによりクッション材301の異方性を低減できるので、クッション材301のクッション性をさらに向上できる。
また、クッション材301をゴムで構成する場合、3Dプリンタ400による造形が完了した後に、造形物としてのクッション材301を加硫してもよい。
〔多孔質構造体〕
以下では、上述したクッション材301の多孔質構造体1について、図10~図23を参照しつつ、詳しく説明する。
図10~図19、図21~図23では、多孔質構造体1の向きを理解しやすくするために、多孔質構造体1に固定されたXYZ直交座標系の向きを表示している。
まず、図10~図20を参照しながら、多孔質構造体1の一例について説明する。
図10~図13では、本例に係る多孔質構造体1のうち、直方体に切断された一部分を、それぞれ別々の角度から観ている。図10は、多孔質構造体1の当該部分における、ある1つの面を平面視しており、すなわち、多孔質構造体1の当該部分を、図11~図13のC矢印の方向(-X方向)から観ている。図11は、多孔質構造体1の当該部分における、図10での右側の面を平面視しており、すなわち、多孔質構造体1の当該部分を、図10、図12、図13のA矢印の方向(-Y方向)から観ている。図12は、多孔質構造体1の当該部分における、図10と同じ面を斜め上から観ており、すなわち、多孔質構造体1の当該部分を、図10、図11、図13のD矢印の方向から観ている。図13は、多孔質構造体1の当該部分における、図10及び図12とは逆側の面を斜め上から観ており、すなわち、多孔質構造体1の当該部分を、図11、図12のB矢印の方向から観ている。
上述のように、多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されている。より具体的に、多孔質構造体1は、多孔質構造体1の骨格をなす骨格部2と、骨格部2によって区画された多数のセル孔Cと、を備えている。骨格部2は、多孔質構造体1の全体にわたって存在しており、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されている。本例において、多孔質構造体1のうち、骨格部2以外の部分は、空隙である。
多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されているので、外力の付加・解除に応じた圧縮・復元変形が可能であり、クッション性を有することができる。
本例の多孔質構造体1は、それぞれ立方体をなす複数の単位部Uどうしが、X、Y、Zの各方向に一体に連なった構成を有している。多孔質構造体1のうち、図10~図13に示す部分は、Z方向に3個、Y方向に3個、X方向に2個が配列された、計18個の単位部Uからなる。本例では、多孔質構造体1を構成する各単位部Uの構成、寸法、向きが、それぞれ同じである。便宜のため、図10~図13では、1つの単位部Uのみを、他の単位部Uよりも濃いグレー色で着色しているとともに、図10及び図11ではさらに、濃いグレー色で着色した単位部Uの外縁を、点線で示している。
本例のように、多孔質構造体1の各単位部Uの外縁(外輪郭)が立方体をなす場合、X-Y-Zそれぞれの方向に等しい機械特性を得ることが可能になる。
なお、単位部Uの外縁(外輪郭)は、立方体以外の直方体、あるいは、その他の形状をなしていてもよい。また、多孔質構造体1を構成する各単位部Uの構成及び/又は寸法は、完全に同一でなくてもよく、個々に少しずつ異なっていてもよい。多孔質構造体1の各単位部Uの外縁(外輪郭)が立方体以外の直方体をなす場合、多孔質構造体1の機能として、意図的な異方性を得ることが可能になる。例えば、多孔質構造体1を車両用の座席シートに適用する場合、各単位部Uの外縁(外輪郭)を立方体以外の直方体とすることで、例えばZ方向(人が座る方向)には柔らかくして乗り心地を向上させること可能になる。
図14~図19は、1つの単位部Uを単独で示している。図14は、単位部Uを、図12とほぼ同じ方向から観ており、すなわち、単位部Uを、図10、図11、図13のD矢印の方向から観ている。図15は、図14の一部を拡大して観ている。図16及び図17は、同じ図面であり、単位部Uにおける、図14と同じ側の部分を下側から観ており、すなわち、単位部Uを、図12、図14のE矢印の方向から観ている。図16及び図17は、図面の見易さのために、それぞれ異なる破線、鎖線を付けている点のみで異なる。図18及び図19は、同じ図面であり、単位部Uにおける、図14とは逆側の部分を上側から観ており、すなわち、単位部Uを、図13、図14のF矢印の方向から観ている。図18及び図19は、図面の見易さのために、それぞれ異なる破線、鎖線を付けている点のみで異なる。参考のため、図10~図13におけるA矢印、B矢印、C矢印を、図14、図16~図19にも示している。
図10~図19に示すように、多孔質構造体1の骨格部2は、複数の骨部2Bと、複数の結合部2Jと、から構成されており、骨格部2の全体が一体に構成されている。本例において、各骨部2Bは、それぞれ柱状に構成されており、また、本例では、それぞれ直線状に延在している。各結合部2Jは、それぞれ、互いに異なる方向に延在する複数(図の例では、2つ~6つ)の骨部2Bの延在方向の端部2Beどうしが互いに隣接する箇所で、これらの端部2Beどうしを結合している。
図15、図16、図18には、多孔質構造体1の一部分に、骨格部2の骨格線Oを示している。骨格部2の骨格線Oは、各骨部2Bの骨格線Oと、各結合部2Jの骨格線Oと、からなる。骨部2Bの骨格線Oは、骨部2Bの中心軸線であり、後述の骨一定部2B1の中心軸線と骨変化部2B2の中心軸線とからなる。結合部2Jの骨格線Oは、当該結合部2Jに結合された各骨部2Bの中心軸線をそれぞれ当該結合部2J内へ滑らかに延長させて互いに連結させてなる、延長線部分である。骨部2Bの中心軸線は、骨部2Bの延在方向の各点における、骨部2Bの延在方向に垂直な断面において骨部2Bのなす形状の重心点どうしを、結んでなる線である。
骨部2Bの延在方向は、骨部2Bの骨格線O(骨格線Oのうち、骨部2Bに対応する部分。以下同じ。)の延在方向である。
多孔質構造体1は、その全体にわたって骨格部2を備えているので、通気性を確保しつつ、外力の付加・解除に応じた圧縮・復元変形が可能であるので、クッション材としての特性が良好になる。また、多孔質構造体1の構造がシンプルになり、3Dプリンタによる造形がしやすくなる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち、一部又は全部の骨部2Bが、湾曲しながら延在してもよい。この場合、一部又は全部の骨部2Bが湾曲していることで、荷重の入力時において、骨部2Bひいては多孔質構造体1の急激な形状変化を防ぎ、局所的な座屈を抑制することができる。
また、各図面においては、骨格部2の各エッジ部分(互いに隣接する一対の面どうしが突き合う、辺部分)が角張っているが、骨格部2の各エッジ部分は、滑らかに湾曲していてもよい。
本例では、骨格部2を構成する各骨部2Bが、それぞれほぼ同じ形状及び長さを有している。ただし、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bの形状及び/又は長さは、それぞれ同じでなくてもよく、例えば、一部の骨部2Bの形状及び/又は長さが他の骨部2Bとは異なっていてもよい。この場合、骨格部2のうちの特定の部分の骨部2Bの形状及び/又は長さを他の部分とは異ならせることで、意図的に異なる機械特性を得ることができる。例えば、前述した図1及び図2の例のように、多孔質構造体1をクッションパッド310に適用する場合、メインパッド部311の座面側(表面側)の部分は乗り心地向上のため柔らかくし、サイドパッド部312を構成する部分はホールド感を得るため硬くする、といったことができる。
図20は、本例の骨部2Bを、単独で示している。図20(a)は骨部2Bに外力が加わっていない自然状態を示しており、図20(b)は骨部2Bに外力が加わった状態を示している。図20には、骨部2Bの中心軸線(骨格線O)を示している。
図20(a)に示すように、各骨部2Bは、それぞれ、断面積を一定に保ちつつ延在する、骨一定部2B1と、骨一定部2B1の延在方向の両側において、断面積を徐々に変化させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在する、一対の骨変化部2B2と、から構成されている。本例において、各骨変化部2B2は、断面積を徐々に増大させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在している。なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていても、同様の効果が得られる。また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部又は全部の骨部2Bは、それぞれ、骨一定部2B1の一方側の端部のみに骨変化部2B2を有し、骨一定部2B1の他方側の端部が直接結合部2Jに結合されていてもよく、その場合も、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
ここで、骨一定部2B1及び骨変化部2B2の断面積は、それぞれ、骨一定部2B1及び骨変化部2B2の骨格線Oに垂直な断面の断面積を指す。また、本明細書において、「徐々に変化(増大又は減少)」とは、途中で一定となることなく常に滑らかに変化(増大又は減少)することを指す。
本例では、多孔質構造体1を構成する各骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2とからなり、骨変化部2B2が、骨一定部2B1から結合部2Jに向かうにつれて断面積が徐々に増大するので、骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界の近傍部分で、骨一定部2B1に向かって細くなるようにくびれた形状をなしている。そのため、外力が加わる際に、骨部2Bが、そのくびれた部分や骨一定部2B1の中間部分で座屈変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームと同等の挙動及び特性が得られる。また、これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。よって、着座する際の、特に着座し始めのタイミングで、着座者に、より柔らかい感触を与えるようになる。このような柔らかい感触は、一般的に、広く好まれるものであり、また、高級車の座席シートの着座者(例えば運転手付きで後部座席に人を乗せる場合、後部座席に座る着座者)に好まれるものである。
本例のように、骨部2Bが、その少なくとも一部分において骨一定部2B1を有している場合、骨部2Bのいずれか一方側(好ましくは両側)の端2B21の断面積A1(図20(a))に対する、骨一定部2B1の断面積A0(図20(a))の比A0/A1は、
0.15≦A0/A1≦2.0
を満たしていると、好適である。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感を、座席シート用のクッション材の特性として、柔らかすぎず、硬すぎず、ほどよい硬さにすることができる。よって、着座する際の、特に着座し始めのタイミングで、着座者に、ほどよい硬さの感触を与えるようになる。比A0/A1が小さいほど、多孔質構造体1の表面のタッチ感が、より柔らかくなる。比A0/A1が0.15未満である場合は、多孔質構造体1の表面のタッチ感が柔らかくなりすぎて、クッション材の特性として好ましくなくなるおそれがある。比A0/A1が2.0超である場合は、多孔質構造体1の表面のタッチ感が硬くなりすぎて、クッション材の特性として好ましくなくなるおそれがある。
なお、比A0/A1は、0.5以上であると、より好適である。
より具体的に、本例では、骨部2Bが骨一定部2B1とその両側に連続する一対の骨変化部2B2とを有しており、各骨変化部2B2が、それぞれ、断面積を徐々に増大させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在しており、比A0/A1が1.0未満である。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感を、座席シート用のクッション材の特性として、比較的柔らかくすることができる。このような柔らかい感触は、一般的に、広く好まれるものであり、また、高級車の座席シートの着座者(例えば運転手付きで後部座席に人を乗せる場合、後部座席に座る着座者)に好まれるものである。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
なお、本例に代えて、骨変化部2B2は、断面積を徐々に減少させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在していてもよい。この場合、骨一定部2B1は、骨変化部2B2よりも、断面積が大きく(太く)なる。これにより、外力が加わる際に、骨一定部2B1が変形しにくくなり、代わりに、比較的座屈しやすい箇所が骨変化部2B2(特に、結合部2J側の部分)となり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しにくくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより硬くなり、また、高硬度の機械特性が得られる。よって、着座する際の、特に着座し始めのタイミングで、着座者に、より硬い感触を与えるようになる。このような挙動は、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームでは得ることは容易でない。このような構成により、硬めの感触を好むユーザに対応できる。このような硬い感触は、例えば、素早い加減速や斜線変更を行うようなスポーツ車の座席シートにおける、着座者に好まれるものである。
そして、骨変化部2B2が、断面積を徐々に減少させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在している場合、比A0/A1は、1.0超となる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
あるいは、図21に一部点線で示す第1変形例のように、骨部2Bは、骨変化部2B2を有さずに、骨一定部2B1のみからなるものでもよい。この場合、骨部2Bの断面積は、その全長にわたって一定になる。そして、外力が加わる際における多孔質構造体1の表面のタッチ感は、中程度の硬さになる。このような構成により、中程度の硬さの感触を好むユーザに対応できる。また、高級車やスポーツ車など、あらゆる車種の座席シートに好適に適用できる。
この場合、比A0/A1は、1.0となる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
図10~図20の例に戻り、本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨一定部2B1が、骨変化部2B2及び結合部2Jよりも、断面積が小さい。より具体的には、骨一定部2B1の断面積は、骨変化部2B2及び結合部2Jのそれぞれのどの部分(ただし、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界部分を除く)の断面積よりも、小さい。すなわち、骨一定部2B1は、骨格部2の中で最も断面積が小さい(細い)部分である。これにより、上述したことと同様に、外力が加わる際に、骨一定部2B1が変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。
なお、結合部2Jの断面積は、結合部2Jの骨格線Oに垂直な断面の断面積を指す。
なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
同様に、本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨一定部2B1が、骨変化部2B2及び結合部2Jよりも、幅が小さい。より具体的には、骨一定部2B1の幅は、骨変化部2B2及び結合部2Jのそれぞれのどの部分(ただし、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界部分を除く)の幅よりも、小さい。すなわち、骨一定部2B1は、骨格部2の中で最も幅が小さい(細い)部分である。これによっても、外力が加わる際に骨一定部2B1が変形しやすくなり、それにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。
なお、骨一定部2B1、骨変化部2B2、結合部2Jの幅は、それぞれ、骨一定部2B1、骨変化部2B2、結合部2Jの骨格線Oに垂直な断面に沿って測ったときの、当該断面における最大幅を指す。結合部2Jの骨格線Oは、骨格線Oのうち、結合部2Jに対応する部分である。図20(a)には、参考のため、骨一定部2B1の幅W0と、骨変化部2B2の幅W1とを、示している。
なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
上述した各例において、多孔質構造体1の構造の簡単化、ひいては、3Dプリンタの製造のし易さの観点からは、骨一定部2B1の幅W0(図20)は、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適である。幅W0が0.05mm以上の場合、高性能な3Dプリンタの解像度で造形可能であり、0.10mm以上の場合、高性能な3Dプリンタだけでなく汎用の3Dプリンタの解像度でも造形可能である。
一方、多孔質構造体1の外縁(外輪郭)形状の精度を向上させる観点や、セル孔C間の隙間(間隔)を小さくする観点や、クッション材としての特性を良好にする観点からは、骨一定部2B1の幅W0(図20)は、0.05mm以上2.0mm以下であると好適である。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
図20に示すように、本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨変化部2B2が、その側面に、1又は複数(本例では、3つ)の傾斜面2B23を有しており、この傾斜面2B23は、骨変化部2B2の延在方向に対して傾斜(90°未満で傾斜)しているとともに、骨一定部2B1から結合部2Jに向かうにつれて、幅W2が徐々に増大している。
これによっても、外力が加わる際に、骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界近傍におけるくびれた部分で、座屈変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。
ここで、骨変化部2B2の延在方向は、骨変化部2B2の中心軸線(骨格線O)の延在方向である。また、骨変化部2B2の傾斜面2B23の幅W2は、骨変化部2B2の骨格線Oに垂直な断面に沿って測ったときの、傾斜面2B23の幅を指す。
なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
本明細書で説明する各例においては、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち全部又は一部(好適には、全部)の骨部2Bにおいて、骨部2B(骨部2Bが骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有する場合、骨一定部2B1及び/又は骨変化部2B2)の断面形状は、多角形(好適には正多角形)又は円形であると、好適である。本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bにおいて、骨一定部2B1と骨変化部2B2は、それぞれの断面形状が、正三角形である。
これにより、多孔質構造体1の構造がシンプルになり、3Dプリンタによる造形がしやすくなる。また、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームでの機械特性を再現しやすい。また、このように骨部2Bを柱状に構成することにより、仮に骨部2Bを薄い膜状の部分に置き換えた場合に比べて、多孔質構造体1の耐久性を向上できる。
なお、骨一定部2B1、骨変化部2B2の断面形状は、それぞれ、骨一定部2B1、骨変化部2B2の中心軸線(骨格線O)に垂直な断面における形状である。
なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち全部又は一部の骨部2Bにおいて、骨一定部2B1と骨変化部2B2は、それぞれの断面形状が、正三角形以外の多角形(正三角形以外の三角形、四角形等)でもよいし、あるいは、円形(真円形、楕円形等)でもよく、その場合でも、本例と同様の効果が得られる。また、骨一定部2B1と骨変化部2B2は、それぞれの断面形状が互いに異なるものでもよい。
本明細書で説明する各例において、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合(VB×100/VS [%])が、3~10%であると、好適である。この構成により、多孔質構造体1に外力が付加されたときに多孔質構造体1に生じる反力、ひいては、多孔質構造体1の硬さを、座席シート用のクッション材として、さらに特には車両用シートに用いられるクッション材として、良好なものにすることができる。
ここで、「多孔質構造体1の体積VS」とは、多孔質構造体1の外縁(外輪郭)によって囲まれた内部空間の全体(骨格部2の占める体積と、後述の膜3が設けられる場合は膜3の占める体積と、空隙の占める体積との合計)の体積を指している。
多孔質構造体1を構成する材料を同じとして考えたとき、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合が高いほど、多孔質構造体1は硬くなる。また、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合が低いほど、多孔質構造体1は柔らかくなる。
多孔質構造体1に外力が付加されたときに多孔質構造体1に生じる反力、ひいては、多孔質構造体1の硬さを、座席シート用のクッション材として、良好なものにする観点からは、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合が、4~8%であると、より好適である。
なお、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合を調整する方法としては、任意の方法を用いてよいが、例えば、多孔質構造体1の各単位部Uの寸法を変えずに、骨格部2を構成する一部又は全部の骨部2Bの太さ(断面積)、及び/又は、骨格部2を構成する一部又は全部の結合部Jの大きさ(断面積)を、調整する方法が挙げられる。
その一例として、図22に示す第2変形例では、点線で示すように、骨格部2を構成する各骨部2Bの太さ(断面積)、及び、骨格部2を構成する各結合部Jの大きさ(断面積)を、実線で示す多孔質構造体1(図17の例)よりも増大させることにより、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合を増大させている。
多孔質構造体1が車両用シートに利用される場合、多孔質構造体1の25%硬度は、60~500Nが好適であり、100~450Nがより好適である。ここで、多孔質構造体1の25%硬度(N)は、インストロン型圧縮試験機を用いて、23℃、相対湿度50%の環境にて、多孔質構造体を25%圧縮するのに要する荷重(N)を測定して得られる測定値であるものとする。
図10~図13に示すように、本例において、多孔質構造体1は、第1セル孔C1と、第1セル孔C1よりも直径の小さな第2セル孔C2との、2種類のセル孔Cを有している。 本例において、各セル孔C(第1セル孔C1及び第2セル孔C2)は、それぞれ、略多面体の形状をなしている。より具体的には、本例において、第1セル孔C1は、略ケルビン14面体(切頂8面体)の形状をなしている。ケルビン14面体(切頂8面体)は、6つの正4角形の構成面と8つの正6角形の構成面とから構成される、多面体である。本例において、第2セル孔C2は、略8面体の形状をなしている。ただし、図の例では、各骨部2Bが、骨一定部2B1だけでなく、その両側に骨変化部2B2を有していることから、第1セル孔C1、第2セル孔C2の形状は、それぞれ、数学的な(完全な)ケルビン14面体、8面体をなしているわけではない。多孔質構造体1を構成するセル孔Cは、概略的に言えば、多孔質構造体1の外縁(外輪郭)により囲まれた内部空間を空間充填するように(セル孔C間の隙間(間隔)を小さくするように)、規則性をもって配列されている。第2セル孔C2は、第1セル孔C1どうしの間のわずかな隙間(間隔)を埋めるように、配置されている。ただし、本例においては、特に図13及び図18から判るように、第2セル孔C2は、その一部分が、第1セル孔C1の内部に入っており、すなわち、第1セル孔C1と第2セル孔C2とが、一部分で重複している。
本例のように、多孔質構造体1の一部または全部(本例では、全部)のセル孔Cの形状を略多面体とすることにより、多孔質構造体1を構成するセル孔C間の隙間(間隔)をより小さくすることが可能になり、より多くのセル孔Cを多孔質構造体1の内部に形成することができる。また、これにより、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形の挙動が、座席シート用のクッション材として、より良好になる。
セル孔Cのなす多面体形状としては、本例に限らず、任意のものが可能である。例えば、第1セル孔C1の形状を略4面体、略8面体又は略12面体とした場合も、セル孔C間の隙間(間隔)を小さくする観点から好適である。また、多孔質構造体1の一部または全部のセル孔Cの形状が、略多面体以外の立体形状(例えば、球、楕円体、円柱等)でもよい。また、多孔質構造体1は、1種類のセル孔Cのみ(例えば、第1セル孔C1のみ)を有していてもよいし、あるいは、3種類以上のセル孔Cを有していてもよい。なお、本例のように、第1セル孔C1の形状を略ケルビン14面体(切頂8面体)とした場合は、他の形状に比べて、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームと同等のクッション材の特性を、最も再現し易い。
本例において、1つの第1セル孔C1は、X、Y、Zの各方向にそれぞれ2個ずつ配列された、計8個の単位部Uから、構成されている。また、1個の単位部Uは、複数の第1セル孔C1のそれぞれの一部分を構成している。一方、第2セル孔C2は、1つの単位部Uにつき2個ずつ配置されている。
ただし、本例に限らず、多孔質構造体1の各セル孔Cは、それぞれ、任意の数の単位部Uから構成されてもよいし、また、各単位部Uは、それぞれ、任意の数のセル孔Cを構成してもよい。
図10~図13に示すように、本例において、骨格部2は、第1セル孔C1を内部に区画する第1セル区画部21を複数(第1セル孔C1の数だけ)有している。
図10、図11、図14、図16~図19に示すように、各第1セル区画部21は、それぞれ、複数(本例では、14つ)の第1環状部211を有している。各第1環状部211は、それぞれ、環状に構成されており、それぞれの環状の内周側縁部2111によって、平坦な第1仮想面V1を区画している。第1仮想面V1は、第1環状部211の内周側縁部2111によって区画された、仮想平面(すなわち、仮想閉平面)である。第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211は、それぞれの内周側縁部2111によって区画する第1仮想面V1どうしが交差しないように互いに連結されている。
第1セル孔C1は、第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211と、これら複数の第1環状部211がそれぞれ区画する複数の第1仮想面V1とによって、区画されている。概略的に言えば、第1環状部211は、第1セル孔C1のなす立体形状の辺を区画する部分であり、第1仮想面V1は、第1セル孔C1のなす立体形状の構成面を区画する部分である。
各第1環状部211は、それぞれ、複数の骨部2Bと、これらの複数の骨部2Bの端部2Beどうしを結合する複数の結合部2Jと、から構成されている。
互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分は、これら一対の第1環状部211に共有される、1つの骨部2Bと、その両側の一対の結合部2Jと、から構成されている。
各図の例において、第1環状部211は、当該第1環状部211に隣接する一対の第1セル区画部21(すなわち、当該第1環状部211を間に挟んだ一対の第1セル区画部21)によって共有されている。言い換えれば、第1環状部211は、当該第1環状部211に隣接する一対の第1セル区画部21のそれぞれの一部を構成している。
これにより、仮に、第1環状部211が、当該第1環状部211に隣接する一対の第1セル区画部21(すなわち、当該第1環状部211を間に挟んだ一対の第1セル区画部21)によって共有されておらず、すなわち、当該一対の第1セル区画部21が互いから独立して構成されており、それぞれの第1環状部211が互いに隣接又は互いから離間して形成されている場合や、それぞれの第1環状部211の間にリブ等が介在している場合に比べて、第1セル孔C1どうしの間の隙間(間隔)(ひいては、第1セル孔C1どうしの間の骨格部2の肉部分)を小さくすることができるので、多孔質構造体1のクッション材(特にはシートパッド、さらに特には車両用シートパッド)としての特性を向上できる。よって、3Dプリンタによって、クッション性のある多孔質構造体1を容易に製造することができる。
なお、骨格部2を構成する各第1環状部211がこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2を構成する各第1環状部211のうち一部の第1環状部211のみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
同様の観点から、本明細書で説明する各例において、互いに隣接する一対の第1セル区画部21の骨格線Oどうしは、当該一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211において、一致していると、好適である。
各図の例において、各第1仮想面V1は、それぞれ、第1仮想面V1の一方側の面(第1仮想面V1の表面)によって、ある1つの第1セル孔C1の一部を区画しているとともに、当該第1仮想面V1の他方側の面(第1仮想面V1の裏面)によって、別の第1セル孔C1の一部を区画している。言い換えれば、第1仮想面V1は、その表裏両側の面によって別々の第1セル孔C1の一部を区画している。さらに言い換えれば、第1仮想面V1は、当該第1仮想面V1に隣接する一対の第1セル孔C1(すなわち、当該第1仮想面V1を間に挟んだ一対の第1セル孔C1)によって共有されている。
これにより、仮に、第1仮想面V1が、当該第1仮想面V1に隣接する一対の第1セル孔C1(すなわち、当該第1仮想面V1を間に挟んだ一対の第1セル孔C1)によって共有されておらず、すなわち、当該一対の第1セル孔C1の第1仮想面V1が互いから離間した位置にある場合に比べて、第1セル孔C1どうしの間の隙間(間隔)を小さくすることができるので、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
なお、骨格部2を構成する各第1仮想面V1がこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2を構成する各第1仮想面V1のうち一部の第1仮想面V1のみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに隣接する一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211の骨格線Oは、当該一対の第1セル区画部21のうち前記共有される第1環状部211に隣接する部分の骨格線Oのそれぞれと、連続していると、好適である。
これにより、多孔質構造体のクッション材としての特性がより良好になる。
同様の観点から、本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに隣接する一対の第1セル区画部21の骨格線Oどうしは、当該一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211において、一致していると、好適である。
また、同様の観点から、本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに隣接する一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211を構成する骨部2Bの断面積(例えば、骨一定部2B1の断面積)が、当該一対の第1セル区画部21のうち前記共有される第1環状部211に隣接する部分を構成する骨部2Bの断面積(例えば、骨一定部2B1の断面積)のそれぞれと、同じであると、好適である。
なお、骨格部2において互いに隣接する一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211の全てがこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2において互いに隣接する一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211のうち一部の第1環状部211のみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分の骨格線Oは、当該一対の第1環状部211のうち前記連結部分に隣接する部分の骨格線Oのそれぞれと、連続していると、好適である。
これにより、多孔質構造体1のクッション材としての特性がより良好になる。
同様の観点から、本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに連結された一対の第1環状部211の骨格線Oどうしは、当該一対の第1環状部211どうしの連結部分において、一致していると、好適である。
また、同様の観点から、本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに隣互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分を構成する骨部2Bの断面積(例えば、骨一定部2B1の断面積)が、当該一対の第1環状部211のうち前記連結部分に隣接する部分を構成する骨部2Bの断面積(例えば、骨一定部2B1の断面積)のそれぞれと、同じであると、好適である。
なお、骨格部2において互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分の全てがこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2において互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分のうち一部の連結部分のみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
本例において、各第1仮想面V1は、膜によって覆われておらず、開放されており、すなわち、開口を構成している。このため、第1仮想面V1を通じて、セル孔Cどうしが連通され、セル孔C間の通気が、可能にされている。これにより、多孔質構造体1の通気性を向上できるとともに、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形がし易くなる。
図10、図11、図14、図16~図19に示すように、本例において、第1セル区画部21を構成する複数(本例では、14つ)の第1環状部211は、それぞれ、1つ又は複数(本例では、6つ)の第1小環状部211Sと、1つ又は複数(本例では、8つ)の第1大環状部211Lと、を含んでいる。各第1小環状部211Sは、それぞれ、その環状の内周側縁部2111によって、平坦な第1小仮想面V1Sを区画している。各第1大環状部211Lは、それぞれ、その環状の内周側縁部2111によって、平坦かつ第1小仮想面V1Sよりも面積の大きな第1大仮想面V1Lを区画している。第1小仮想面V1S、第1大仮想面V1Lは、それぞれ、仮想平面(すなわち、仮想閉平面)である。
図16及び図18には、単位部Uのうち、第1セル区画部21を構成する部分の骨格線Oを示している。図16及び図18から判るように、本例において、第1大環状部211Lは、その骨格線Oが正6角形をなしており、それに伴い、第1大仮想面V1Lも、略正6角形をなしている。また、本例において、第1小環状部211Sは、その骨格線Oが正4角形をなしており、それに伴い、第1小仮想面V1Sも、略正4角形をなしている。このように、本例において、第1小仮想面V1Sと第1大仮想面V1Lとは、面積だけでなく、形状も異なる。
各第1大環状部211Lは、それぞれ、複数(本例では、6つ)の骨部2Bと、これらの複数の骨部2Bの端部2Beどうしを結合する複数(本例では、6つ)の結合部2Jと、から構成されている。各第1小環状部211Sは、それぞれ、複数(本例では、4つ)の骨部2Bと、これらの複数の骨部2Bの端部2Beどうしを結合する複数(本例では、4つ)の結合部2Jと、から構成されている。
そして、各図の例において、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oは、それぞれ、ケルビン14面体(切頂8面体)をなしている。上述のように、ケルビン14面体(切頂8面体)は、6つの正4角形の構成面と8つの正6角形の構成面とから構成される、多面体である。これに伴い、各第1セル区画部21によって区画される第1セル孔C1も、略ケルビン14面体をなしている。各図の例では、各骨部2Bが、骨一定部2B1だけでなく、その両側に骨変化部2B2を有していることから、第1セル孔C1の形状は、数学的な(完全な)ケルビン14面体をなしているわけではない。骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oは、空間充填するように互いに連なっている。すなわち、複数の第1セル区画部21の骨格線Oどうしの間には、隙間がない。
このように、各図の例において、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oは、それぞれ多面体(各図の例では、ケルビン14面体)をなしており、それに伴い、第1セル孔C1が略多面体(各図の例では、略ケルビン14面体)をなしているため、多孔質構造体1を構成するセル孔C間の隙間(間隔)をより小さくすることが可能になり、より多くのセル孔Cを多孔質構造体1の内部に形成することができる。また、これにより、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形の挙動が、クッション材として、特には着座用のクッション材として、より良好になる。なお、セル孔C間の隙間(間隔)とは、セル孔Cを区画する骨格部2の肉部分(骨部2Bや結合部2J)に相当する。
また、各図の例において、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oは、空間充填するように互いに連なっているので、多孔質構造体1を構成する第1セル孔C1間の隙間(間隔)をより小さくすることが可能になる。よって、多孔質構造体のクッション材としての特性を向上できる。
第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第1セル孔C1のなす略多面体)としては、各図の例に限らず、任意のものが可能である。
例えば、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第1セル孔C1のなす略多面体)は、空間充填できる(隙間無く配置できる)ようなものであると好適である。これにより、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oを、空間充填するように互いに連ならせることができるので、多孔質構造体のクッション材としての特性を向上できる。この場合、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oがなす多面体(ひいては、第1セル孔C1のなす略多面体)は、各図の例のように1種類の多面体のみを含んでいてもよいし、あるいは、複数種類の多面体を含んでいてもよい。ここで、多面体に関し、「種類」とは、形状(構成面の数や形状)を指しており、具体的には、形状(構成面の数や形状)が異なる2つの多面体については2種類の多面体として扱うが、形状は同じであり寸法のみが異なる2つの多面体については同じ種類の多面体として扱うことを意味する。骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体が、空間充填できるとともに1種類の多面体のみを含む場合の当該多面体の例としては、ケルビン14面体の他に、正3角柱、正6角柱、立方体、直方体、菱形12面体等が挙げられる。なお、各図の例のように、第1セル区画部21の骨格線Oの形状をケルビン14面体(切頂8面体)とした場合は、他の形状に比べて、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームと同等のクッション材の特性を、最も再現し易い。また、第1セル区画部21の骨格線Oの形状をケルビン14面体(切頂8面体)とした場合は、X-Y-Zそれぞれの方向に等しい機械特性を得ることができる。骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体が、空間充填できるとともに複数種類の多面体を含む場合の当該多面体の例としては、正4面体と正8面体との組み合わせ、正4面体と切頂4面体との組み合わせ、正8面体と切頂6面体との組み合わせ等が挙げられる。なお、これらは、2種類の多面体の組み合わせの例であるが、3種類以上の多面体の組み合わせも可能である。
また、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第1セル孔C1のなす略多面体)は、例えば、任意の正多面体(全ての面が合同な正多角形で、全ての頂点において接する面の数が等しい凸多面体)、半正多面体(全ての面が正多角形で、全ての頂点形状が合同(頂点に集まる正多角形の種類と順序が同じ)な凸多面体のうち、正多面体以外)、角柱、角錐等が可能である。
また、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21のうちの一部又は全部の第1セル区画部21の骨格線Oは、多面体以外の立体形状(例えば、球、楕円体、円柱等)をなしていてもよい。ひいては、骨格部2を構成する複数の第1セル孔C1のうちの一部又は全部の第1セル孔C1は、略多面体以外の略立体形状(例えば、略球、略楕円体、略円柱等)をなしていてもよい。
第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211が、大きさの異なる第1小環状部211Sと第1大環状部211Lとを含むことにより、多孔質構造体1を構成する第1セル孔C1間の隙間(間隔)をより小さくすることが可能になる。また、本例のように、第1小環状部211Sと第1大環状部211Lとの形状が異なる場合、多孔質構造体1を構成する第1セル孔C1間の隙間(間隔)をさらに小さくすることが可能になる。
ただし、第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211は、それぞれ、大きさ及び/又は形状が互いに同じでもよい。第1セル区画部21を構成する各第1環状部211の大きさ及び形状が同じである場合、X-Y-Zそれぞれの方向に等しい機械特性を得ることができる。
本例のように、第1セル区画部21を構成する各第1仮想面V1のうち、一部又は全部(本例では全部)の第1仮想面V1が、略多角形状をなすことにより、多孔質構造体1を構成するセル孔Cどうしの間隔をより小さくすることが可能になる。また、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形の挙動が、座席シート用のクッション材として、より良好になる。また、第1仮想面V1の形状がシンプルになるので、製造性や特性の調整のし易さを向上できる。なお、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうち、少なくとも1つの第1仮想面V1が、この構成を満たしている場合は、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
なお、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうち、少なくとも1つの第1仮想面V1が、本例のような略正6角形、略正4角形以外の任意の略多角形状、あるいは、略多角形状以外の平面形状(例えば、円(真円、楕円等))をなしてもよい。第1仮想面V1の形状が円(真円、楕円等)である場合は、第1仮想面V1の形状がシンプルになるので、製造性や特性の調整のし易さを向上できるとともに、より均質な機械特性が得られる。例えば、第1仮想面V1の形状が、荷重が掛かる方向に対して略垂直な方向に長い楕円(横長の楕円)である場合は、荷重が掛かる方向に略平行な方向に長い楕円(縦長の楕円)である場合に比べて、当該第1仮想面V1を区画する第1環状部211が、ひいては、多孔質構造体1が、荷重の入力に対して変形し易くなる(柔らかくなる)。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、1つの第1セル区画部21の第1大環状部211Lの少なくとも1つ(各図の例では3つ)の骨部2Bは、それぞれ、当該第1セル区画部21に隣接する他の1つの第1セル区画部21の第1小環状部211Sによって共有されていると、好適である。これにより、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
図10~図13に示すように、本例において、骨格部2は、第2セル孔C2を内部に区画する第2セル区画部22を複数(第2セル孔C2の数だけ)有している。
図10、図11、図14~図19(特に図15)に示すように、各第2セル区画部22は、それぞれ、複数(本例では、2つ)の第2環状部222を有している。各第2環状部222は、それぞれ、環状に構成されており、それぞれの環状の内周側縁部2221によって、平坦な第2仮想面V2を区画している。第2仮想面V2は、第2環状部222の内周側縁部2221によって区画された、仮想平面(すなわち、仮想閉平面)である。第2セル区画部22を構成する各第2環状部222は、それぞれの内周側縁部2221によって区画する第2仮想面V2どうしが交差(本例では、直交)するように互いに連結されている。
第2セル孔C2は、第2セル区画部22を構成する各第2環状部のそれぞれの内周側縁部2221と、これらの内周側縁部2221どうしを連結する仮想面とによって、区画されている。
図15には、単位部Uのうち、第2セル区画部22を構成する部分の骨格線Oを示している。図15から判るように、本例において、第2セル区画部22を構成する各第2環状部222は、それぞれ、その骨格線Oが正4角形をなしており、それに伴い、第2仮想面V2も、略正4角形をなしている。
そして、各図の例において、骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22の骨格線Oは、それぞれ、正8面体をなしている。正8面体は、8つの正3角形の構成面から構成される、多面体である。ただし、これらの例において、第2セル区画部22の骨格線Oは、当該骨格線Oのなす多面体(正8面体)の各辺のうち一部の辺のみを構成している。これに伴い、各第2セル区画部22によって区画される第2セル孔C2も、略正8面体をなしている。各図の例では、各骨部2Bが、骨一定部2B1だけでなく、その両側に骨変化部2B2を有していることから、第2セル孔C2の形状は、数学的な(完全な)正8体をなしているわけではない。
各図の例においては、第2セル孔C2は、その一部分が、当該第2セル孔C2に隣接する(すなわち、当該第2セル孔C2を間に挟んだ)一対の第1セル孔C1の内部に入っており、すなわち、これら一対の第1セル孔C1と第2セル孔C2とが、一部分で重複している。これにより、仮に第1セル孔C1と第2セル孔C2とが、互いに重複していない場合に比べて、多孔質構造体1を構成するセル孔Cの総数を増やすことができ、ひいては、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。ただし、第1セル孔C1と第2セル孔C2とは、互いに重複しないように配置されていてもよい。
本例において、各第2環状部222は、それぞれ、複数(本例では、4つ)の骨部2Bと、これらの複数の骨部2Bの端部2Beどうしを結合する複数(本例では、4つ)の結合部2Jと、から構成されている。
本例において、第2セル区画部22を構成する各第2環状部222どうしの連結部分は、各第2環状部222に共有される、2つの結合部Jで構成されている。
また、本例において、第2セル区画部22を構成する各第2仮想面V2の形状及び面積は、互いに同じである。
各図の例のように、多孔質構造体1が第2セル区画部22を有する場合、第2セル孔C2の直径は第1セル孔C1の直径よりも小さいと、好適である。これにより、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームと同等のクッション材の特性を、再現し易くなる。
ただし、第2セル孔C2の直径は第1セル孔C1の直径以上であってもよい。
各図の例のように、多孔質構造体1が第2セル区画部22を有する場合、第2セル区画部22の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第2セル孔C2のなす略多面体)としては、各図の例に限らず、任意のものが可能である。
例えば、骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22の骨格線Oのなす多面体は、それぞれ、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体とは異なる種類のものであると、好適である。例えば、各図の例のように、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oがそれぞれケルビン14面体をなす場合、骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22の骨格線Oは、それぞれ、ケルビン14面体以外の多面体(各図の例では、正8面体)をなしていると、好適である。
骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第2セル孔C2のなす略多面体)は、例えば、任意の正多面体(全ての面が合同な正多角形で、全ての頂点において接する面の数が等しい凸多面体)、半正多面体(全ての面が正多角形で、全ての頂点形状が合同(頂点に集まる正多角形の種類と順序が同じ)な凸多面体のうち、正多面体以外)、角柱、角錐等が可能である。
また、骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22のうちの一部又は全部の第2セル区画部22の骨格線Oは、多面体以外の立体形状(例えば、球、楕円体、円柱等)をなしていてもよい。ひいては、骨格部2を構成する複数の第2セル孔C2のうちの一部又は全部の第2セル孔C2は、略多面体以外の略立体形状(例えば、略球、略楕円体、略円柱等)をなしていてもよい。
なお、第2セル区画部22を構成する各第2仮想面V2の形状は、本例に限らず、略正4角形以外の任意の略多角形状、あるいは、略多角形状以外の平面形状(例えば、円(真円、楕円等))をなしてよい。第2仮想面V2の形状が略多角形状あるいは円(真円、楕円等)である場合は、第2仮想面V2の形状がシンプルになるので、製造性や特性の調整のし易さを向上できる。例えば、第2仮想面V2の形状が、荷重が掛かる方向に対して略垂直な方向に長い楕円(横長の楕円)である場合は、荷重が掛かる方向に略平行な方向に長い楕円(縦長の楕円)である場合に比べて、当該第2仮想面V2を区画する第2環状部222が、ひいては、多孔質構造体1が、荷重の入力に対して変形し易くなる(柔らかくなる)。
図15、図18に示すように、本例において、第2セル区画部22を構成する2つの第2環状部222のうちの1つは、第1環状部211(より具体的には、第1小環状部211S)をも構成している。ただし、これらの例において、第1セル区画部21を構成する複数の第1小環状部211Sのうち一部の第1小環状部211Sのみが、第2環状部222をも構成している。
本例において、各第2仮想面V2は、膜によって覆われておらず、開放されており、すなわち、開口を構成している。このため、第2仮想面V2を通じて、セル孔Cどうし(特に、第1セル孔C1及び第2セル孔C2どうし)が連通され、セル孔C間の通気が、可能にされている。これにより、多孔質構造体1の通気性を向上できるとともに、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形がし易くなる。
ただし、多孔質構造体1は、第2セル区画部22を有さずに、第1セル区画部21のみを有していてもよい。
本例において、多孔質構造体1は、直径が5mm以上のセル孔Cを少なくとも1つ有すると、好適である。これにより、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造が実現し易くなる。多孔質構造体1の各セル孔Cの直径が5mm未満であると、多孔質構造体1の構造が複雑になりすぎる結果、多孔質構造体1の3次元形状を表す3次元形状データ(CADデータ等)、あるいは、その3次元形状データに基づき生成される3D造形用データを、コンピュータ上で生成するのが難しくなるおそれがある。
なお、従来のクッション性を有する多孔質構造体は、上述のように、化学反応によって発泡させる工程を経て製造されていたため、直径が5mm以上のセル孔Cを形成することは容易ではなかった。しかし、多孔質構造体が直径5mm以上のセル孔Cを有する場合でも、クッション材としての特性として従来と同等のものが得られる。そして、多孔質構造体が直径5mm以上のセル孔Cを有するようにすることにより、3Dプリンタによる製造がし易くなるのである。
また、多孔質構造体1が直径5mm以上のセル孔Cを有することにより、多孔質構造体1の通気性や変形し易さを向上しやすくなる。
セル孔Cの直径が大きくなるほど、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造が実現し易くなり、また、通気性や変形し易さを向上しやすくなる。このような観点から、多孔質構造体1は、少なくとも1つのセル孔Cの直径が、より好適には8mm以上、さらに好適には10mm以上であるとよい。
一方、多孔質構造体1のセル孔Cが大きすぎると、多孔質構造体1の外縁(外輪郭)形状をきれいに(滑らかに)形成するのが難しくなり、形状精度が低下し外観が悪化するおそれがある。また、クッション材としての特性も、十分に良好でなくなるおそれがある。よって、外観やクッション材としての特性を向上させる観点から、多孔質構造体1の各セル孔Cの直径は、好適には30mm未満、より好適には25mm以下、さらに好適には20mm以下であるとよい。
なお、多孔質構造体1は、上記の直径の数値範囲を満たすセル孔Cを多く有するほど、上記の各効果が得られやすくなる。この観点からは、多孔質構造体1を構成する複数のセル孔Cのうち、少なくとも各第1セル孔C1の直径が、上記の少なくともいずれか1つの数値範囲を満たすと、好適である。また、多孔質構造体1を構成する各セル孔C(各第1セル孔C1及び各第2セル孔C2)の直径が、上記の少なくともいずれか1つの数値範囲を満たすと、より好適である。同様に、多孔質構造体1を構成するセル孔C(各第1セル孔C1及び各第2セル孔C2)の直径の平均値が、上記の少なくともいずれか1つの数値範囲を満たすと、より好適である。
なお、セル孔Cの直径は、本例のようにセル孔Cが厳密な球形状とは異なる形状をなす場合、セル孔Cの外接球の直径を指す。
多孔質構造体1のセル孔Cが小さすぎると、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造がしにくくなる。3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造を容易にする観点から、多孔質構造体1を構成する各セル孔Cのうち、最小の直径を有するセル孔C(本例では、第2セル孔C2)の直径が、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適である。最小の直径を有するセル孔C(本例では、第2セル孔C2)の直径が、0.05mm以上の場合、高性能な3Dプリンタの解像度で造形可能であり、0.10mm以上の場合、高性能な3Dプリンタだけでなく汎用の3Dプリンタの解像度でも造形可能である。
図23に示す第3変形例のように、多孔質構造体1は、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうちの少なくとも1つが、膜3で覆われていてもよい。膜3は、骨格部2と同じ材料からなり、骨格部2と一体に構成される。膜3によって、第1仮想面V1を間に挟んだ2つの第1セル孔C1どうしが非連通状態になり、ひいては、多孔質構造体1の全体としての通気性が低下する。多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうち、膜3で覆われたものの数を調整することにより、多孔質構造体1の全体としての通気性を調整でき、要求に応じて様々な通気性レベルを実現可能である。例えば、多孔質構造体1が車両用シートに利用される場合、多孔質構造体1の通気性を調整することにより、車内のエアコンの効きを高めたり、耐ムレ性を高めたり、乗り心地を高めることができる。多孔質構造体1が車両用シートに利用される場合、車内のエアコンの効き及び耐ムレ性を高めるとともに、乗り心地を高める観点からは、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1の全てが膜3で覆われているのは好ましくなく、言い換えれば、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうち少なくとも1つが膜3で覆われておらず開放されていることが好ましい。
多孔質構造体1が車両用シートに利用される場合、車内のエアコンの効き及び耐ムレ性を高めたり、乗り心地を高める観点からは、多孔質構造体1の通気性は、100~700cc/cm/secが好適であり、150~650cc/cm/secがより好適であり、200~600cc/cm/secがさらに好適である。ここで、多孔質構造体1の通気性(cc/cm/sec)は、JIS K 6400-7に準拠して測定されるものとする。また、多孔質構造体1が車両用シートに利用される場合、多孔質構造体1の共振倍率は、3倍以上8倍未満が好適であり、3倍以上5倍以下がより好適である。
なお、従来の多孔質構造体は、上述のように、化学反応によって発泡させる工程を経て製造されていたため、各セルどうしを連通する連通孔における膜を、所期したとおりの位置及び個数で形成することは難しかった。本例のように、多孔質構造体1を3Dプリンタで製造する場合は、3Dプリンタに読み込まれる3D造形用データに、予め膜3の情報も含めることで、確実に、所期したとおりの位置及び個数で膜3を形成することが可能である。
同様の観点から、多孔質構造体1を構成する各第1小仮想面V1Sのうちの少なくとも1つが、膜3で覆われていてもよい。かつ/又は、多孔質構造体1を構成する各第1大仮想面V1Lのうちの少なくとも1つが、膜3で覆われていてもよい。
〔座席シートの一変形例〕
つぎに、図24を参照しつつ、本発明の任意の実施形態に係るクッション材301を備えることができる、座席シート300の一変形例を説明する。図24の座席シート300は、任意の種類の座席シートとして構成されてよいが、例えば、乗り物用シートとして構成されると好適であり、車両用シートとして構成されるとより好適である。
図24の例において、座席シート300は、フレーム303と、フレーム303に取り付けられたシートパッド304と、を備えている。フレーム303は、例えば、金属又は樹脂から構成されると好適である。シートパッド304は、着座者が着座するためのクッションパッド310と、着座者の背中を支持するためのバックパッド320と、着座者の頭部を支持するためのヘッドレスト340と、を備えている。本例において、クッションパッド310は、前述のシートクッション用クッション材301Cでもある。また、本例において、バックパッド320は、前述のシートバック用クッション材301Bでもある。
クッションパッド310は、着座者の臀部及び大腿部を下から支持するように構成されたメインパッド部311と、メインパッド部311の左右両側に位置し、着座者の臀部及び大腿部を左右両側から支持するように構成された、一対のサイドパッド部312と、を有している。メインパッド部311は、着座者の臀部を下から支持するように構成された尻下部311hと、着座者の大腿部を下から支持するように構成された腿下部311tと、を有している。図24の例において、メインパッド部311とサイドパッド部312とは、互いに別体に構成されており、それぞれ別々のクッション材301から構成されている。ただし、メインパッド部311の任意の一部又は全部とサイドパッド部312の任意の一部又は全部とは、互いに一体でもよい。また、図24の例において、尻下部311hと腿下部311tとは、互いに別体に構成されており、それぞれ別々の(別体の)クッション材301から構成されている。ただし、尻下部311hの一部又は全部と腿下部311tの一部又は全部とは、互いに一体でもよい。また、図24の例において、腿下部311tは、左右方向に2分割されており、言い換えれば、左右一対の腿下部311tが設けられており、これら一対の腿下部311tは、それぞれ別々のクッション材301から構成されている。ただし、腿下部311tは、その全体が一体に構成されていてもよい。
バックパッド320は、着座者の背中を後から支持するように構成されたメインパッド部321と、メインパッド部321の左右両側に位置し、着座者の背中を左右両側から支持するように構成された、一対のサイドパッド部322と、を有している。図24の例において、メインパッド部321とサイドパッド部322とは、互いに別体に構成されており、それぞれ別々のクッション材301から構成されている。ただし、メインパッド部321の任意の一部又は全部とサイドパッド部322の任意の一部又は全部とは、互いに一体に構成されていてもよい。また、図24の例において、メインパッド部321は、上下方向に2分割されており、言い換えれば、上下一対のメインパッド部321が設けられており、これら一対のメインパッド部321は、それぞれ別々のクッション材301から構成されている。ただし、メインパッド部321は、その全体が一体に構成されていてもよい。また、バックパッド320は、図24の例において、クッションパッド310とは別体に構成されているが、バックパッド320の任意の一部又は全部は、クッションパッド310の任意の一部又は全部と、一体に構成されていてもよい。
ヘッドレスト340は、着座者の頭部を後から支持するように構成されたメインパッド部341と、メインパッド部341の左右両側に位置し、着座者の頭部を左右両側から支持するように構成された、一対のサイドパッド部342と、を有している。図24の例において、メインパッド部341とサイドパッド部342とは、互いに別体に構成されており、具体的には、それぞれ別々のクッション材301から構成されている。ただし、メインパッド部341の任意の一部又は全部とサイドパッド部342の任意の一部又は全部とは、互いに一体でもよい。また、ヘッドレスト340は、サイドパッド部342を有していなくてもよい。また、図24の例において、ヘッドレスト340のメインパッド部341は、バックパッド320のメインパッド部321の一部(具体的には、上下一対のメインパッド部321のうち、上側のメインパッド部321)と一体に構成されている。ただし、ヘッドレスト340の任意の一部又は全部は、バックパッド320の任意の一部又は全部と一体に構成されていてもよいし、あるいは、バックパッド320とは別体に構成されていてもよい。また、シートパッド304は、ヘッドレスト340を備えていなくてもよい。
以上のように、図24のシートパッド304は、互いから別体に構成された複数の部品から構成されており、それぞれの部品が、別々のクッション材301から構成されている。ただし、シートパッド304は、その全体が一体に構成されることで1つの部品から構成されていてもよく、ひいては、その全体が1つのクッション材301から構成されていてもよい。
なお、以下では、説明の便宜のため、シートパッド304を構成する部品を、単に「シートパッド304」と呼ぶ場合がある。
図24の例において、クッション材301は、使用者(着座者)からの荷重を受けるように構成された、着座者側の表面FSと、着座者側の表面FSから連続する側面SSと、側面SSから連続するとともに着座者側の表面FSとは反対側を向く裏面BSと、を有している。図24の例のように、クッション材301がシートパッド(特に車両用シートパッド)304に用いられる場合、クッション材301の着座者側の表面FS、側面SS、及び裏面BSは、それぞれ、シートパッド304の着座者側の表面FS、側面SS、及び裏面BSを構成する。
図24の例において、シートパッド304(ひいてはクッション材301)の裏面BSは、フレーム303に固定されている。
シートパッド304(ひいてはクッション材301)の裏面BSは、面ファスナ等を介して、フレーム303に取り外し可能に固定されてもよい。
あるいは、シートパッド304(ひいてはクッション材301)の裏面BSは、接着剤等を介して、フレーム303に取り外しできないように固定されてもよい。
あるいは、図24の例のように、クッション材301(ひいてはシートパッド304)の裏面BS側がフレーム303に固定される場合、図29に示す例にように、フレーム303が嵌合部303aを有しており、クッション材301が、フレーム303の嵌合部303aと嵌合するように構成された嵌合部301aを有していてもよい。この場合、座席シート300において、フレーム303の嵌合部303aと、クッション材301の嵌合部301aとが、互いに嵌合していることにより、クッション材301がフレーム303に固定されていると、好適である。これにより、クッション材301の固定位置精度の向上が可能であり、また、クッション材301の嵌合部301aをフレーム303の嵌合部303aに対して押し込むだけでクッション材301の固定が可能であるので、固定作業の軽労化が可能になる。
この場合、例えば、図29の例のように、フレーム303の嵌合部303aが凹部3030からなり、クッション材301の嵌合部301aが凸部3010からなってもよいし、あるいは、フレーム303の嵌合部303aが凸部3010からなり、クッション材301の嵌合部301aが凹部3030からなってもよい。凹部3030は、図29の例のように有底の凹部(すなわち窪み)であってもよいし、あるいは、無底の凹部(すなわち貫通穴)であってもよい。
フレーム303の嵌合部303aと、クッション材301の嵌合部301aとは、互いにくさび嵌合するように構成されていると、好適である。ここで、フレーム303の嵌合部303aとクッション材301の嵌合部301aとが「互いにくさび嵌合する」とは、フレーム303の嵌合部303aとクッション材301の嵌合部301aとが嵌め合った後に、一方が他方から抜け出しにくくなることを指す。このような観点から、図29の例のように、凸部3010は、細部3010cと、細部3010cよりも凸部3010の先端側に位置し、細部3010cの断面積T1よりも大きな断面積T2を有する、太部3010dと、を有していると、好適である。また、凹部3030は、細部3030cと、細部3030cよりも凹部3030の奥側に位置し、細部3030cの断面積Q1よりも大きな断面積Q2を有する、太部3030dと、を有していると、好適である。そして、凸部3010の太部3010dは、凹部3030の太部3010dの内部に入り込むことができるように構成されており、また、凸部3010の太部3010dの断面積T2は、凹部3030の細部3030cの断面積Q1よりも大きく、かつ、凹部3030の太部3030dの断面積Q2よりも小さいと、好適である。これにより、凸部3010は、凹部3030内へ挿入される間、凹部3030の細部3030c内を圧縮状態で通過し、その後、凹部3030の太部3030d内に入り込んでから復元し、当該太部3030dと係合することにより、凹部3030から抜け出しにくくなる。よって、くさび嵌合が可能になる。なお、凸部3010の細部3010cの断面積T1は、凹部3030の細部3030cの断面積Q1よりも小さいと好適である。
ここで、「細部(3010c、3030c)の断面積(T1、Q1)」は、細部(3010c、3030c)のうち断面積が最小となる部分での断面積を指す。また、「太部(3010d、3030d)の断面積(T2、Q2)」は、太部(3010d、3030d)のうち断面積が最大となる部分での断面積を指す。また、凸部(3010)に関し、「細部(3010c)の断面積(T1)」、「太部(3010d)の断面積(T2)」は、それぞれ、凸部(3010)の中心軸線に平行な方向(軸線方向)ADに対して垂直な平面における断面積を指す。また、凹部(3030)に関し、「細部(3030c)の断面積(Q1)」、「太部(3030d)の断面積(Q2)」は、それぞれ、凹部(3030)の中心軸線に平行な方向(軸線方向)ADに対して垂直な平面における断面積を指す。 クッション材301の固定位置精度の向上の観点から、クッション材301の嵌合部301aの個数は、2個以上であると好適であり、4個以上であるとより好適である。また、クッション材301の固定作業の軽労化の観点から、クッション材301の嵌合部301aの個数は、20個以下であると好適であり、10個以下であるとより好適である。
図24の例において、座席シート300は、シートパッド304(ひいてはクッション材301)を覆う表皮を備えていない。そのため、シートパッド304(ひいてはクッション材301)の着座者側の表面FS及び側面SSが、外部に露出しており、言い換えれば、座席シート300の表面(具体的には、着座者側の表面FS及び側面SS)を構成している。クッション材301は、表皮330(図25)を備えていることから、クッション材301の上に別体の表皮を被せる必要は無いようにされている。
表皮330は、座席シート300の表面のうち、少なくとも着座者側の表面FS(好ましくは、着座者側の表面FS及び側面SS)を構成するように、構成される。
なお、図24の例において、シートパッド304を構成する複数の部品は、それぞれの全体が、クッション材301から構成されている。
ただし、シートパッド304を構成する1つ又は複数の部品は、それぞれ、それぞれの部品の任意の一部のみが、クッション材301から構成されていてもよい。その場合、シートパッド304を構成する当該部品のうち残りの部分は、金型成形等において化学反応により発泡させる工程を経て製造されるとよい。
また、シートパッド304を構成する複数の部品のうち一部の部品のみが、それぞれの一部又は全部において多孔質構造体1から構成されていてもよい。その場合、シートパッド304を構成する複数の部品のうち残り部品は、金型成形等において化学反応により発泡させる工程を経て製造されるとよい。
図24の例の座席シート300に用いられるクッション材301は、本明細書で説明する任意の実施形態のクッション材301であってよい。
〔クッション材の第3実施形態〕
つぎに、図25~図27を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係るクッション材301について説明する。
図25~図27は、本発明の第3実施形態に係るクッション材301を示している。なお、図25~図27に示すクッション材301は、図24の例の座席シート300のシートパッド304におけるヘッドレスト340のサイドパッド部342に用いられるように構成されている。ただし、第3実施形態に係るクッション材301は、図24の例の他のクッション材301や、図1の例のクッション材301、並びに、その他の任意のクッション材としても、好適に用いることができる。
図25は、本実施形態に係るクッション材301を、着座者側の表面FS側から観た様子を示す、斜視図である。図26は、図25のクッション材301のB部を拡大して示している。図27は、図25のクッション材301を、図25とは反対側(裏面BS側)から観た様子を示す、斜視図である。
本実施形態のクッション材301も、多孔質構造体1と、多孔質構造体1と一体に構成された、表皮330と、を備えている。クッション材301は、その全体が一体に構成されている。
多孔質構造体1の構成は、上述した任意の例の構成を採用することができる。
図25~図27の例において、表皮330は、多孔質構造体1の仮想外輪郭面の全部を覆っており、すなわち、クッション材301の全ての表面(着座者側の表面FS、側面SS、裏面BS)を構成している。ただし、表皮330は、多孔質構造体1の仮想外輪郭面の任意の一部のみを覆っていてもよい。表皮330は、座席シート300の表面のうち、少なくとも着座者側の表面FSを構成するようにされていると、よい。
ここで、多孔質構造体1の「仮想外輪郭面」とは、骨格部2の外輪郭をなす仮想外表面であり、多孔質構造体1の骨格部2のうち最も外側に位置する部分(肉部分)どうしを滑らかに繋げてなる仮想面である。
表皮330は、クッション材301における最も外側に位置する部分である。したがって、クッション材301のうち、表皮330が設けられた領域において、表皮330は、クッション材301の外表面を構成する。
表皮330は、その全体が、多孔質構造体1の仮想外輪郭面に沿って延在している。
図26に拡大して示すように、表皮330は、複数の柱部6Cと、複数の柱結合部6Jと、複数の表皮仮想面V6と、を有している。各柱部6Cは、それぞれ、柱状に構成されており、多孔質構造体1の仮想外輪郭面に沿って延在している。各柱結合部6Jは、それぞれ、互いに異なる方向に延在する複数の柱部6Cの延在方向の端部6Ceどうしが互いに隣接する箇所で、これらの柱部6Cの端部6Ceどうしを結合している。表皮330の柱部6C及び柱結合部6Jは、多孔質構造体1の仮想外輪郭面よりも外側(多孔質構造体1とは反対側)に位置しているとともに多孔質構造体1の仮想外輪郭面に接触しており、多孔質構造体1の内部には位置していない。各表皮仮想面V6は、それぞれ、上記複数の柱部6Cどうしの間で区画されている。より具体的に、各表皮仮想面V6の外縁は、環状をなすように互いに柱結合部6Jを介して結合された3本以上(図26の例では3本)の柱部6Cの内周側縁部によって、区画されている。各表皮仮想面V6には、それぞれ、表皮330をその厚み方向に貫通する貫通孔331が設けられていてもよいし、あるいは、表皮仮想面V6を覆う表皮膜65が設けられていてもよい。表皮膜65は、当該表皮膜65の周囲を囲む柱部6C及び柱結合部6Jと一体であり、柱部6Cよりも薄く構成されるものである。クッション材301の通気性向上の観点から、図26の例のように、表皮330が有する複数の表皮仮想面V6のうち少なくとも一部(好適には全部)の表皮仮想面V6には、それぞれ、貫通孔331が設けられていると好適である。表皮330が貫通孔331を有することにより、表皮330の貫通孔331を介した、多孔質構造体1の内外への通気が、可能になる。ただし、表皮330が多孔質構造体1の仮想外輪郭面のうちの一部のみを覆っている場合、多孔質構造体1の内外への通気は、多孔質構造体1の仮想外輪郭面のうち表皮330が設けられていない部分を介して確保することが可能であるので、表皮330は、貫通孔331を有していなくてもよく、すなわち、表皮330の各表皮仮想面V6が表皮膜65によって覆われていてもよい。
本明細書で説明する各例のクッション材301は、多孔質構造体1よりも凹凸が少ない表皮330を備えていることから、図24及び図25の例のようにクッション材301のうち表皮330が設けられた面(図24の例では裏面BS)が別部材(図24の例ではフレーム303)に固定される場合に、仮にクッション材301の多孔質構造体1が直接別部材に固定される場合に比べて、クッション材301の当該別部材への接触面積を増大することが可能であり、ひいては、クッション材301を、面ファスナや接着材等を介して、より確実に、当該別部材に固定することが可能になる。このような観点からは、クッション材301は、図24及び図25の例のように、表皮330が、クッション材301の外表面のうち、別部材への固定面の一部又は全部を構成していると好適である。同様の観点からは、クッション材301は、クッション材に用いられるものであるとともに、着座者側の表面FS、側面SS、及び裏面BSを有している場合、図24及び図25の例のように、表皮330が、クッション材301の外表面のうち、別部材への固定面となり得る、裏面BSの一部若しくは全部、かつ/又は、側面SSの一部若しくは全部を構成していると、好適である。
図25~図27に示す第3実施形態においては、表皮330の各柱結合部6Jは、それぞれ、互いに異なる方向に延在する2本以上の任意の本数の柱部6Cの端部6Ceどうしを結合してよい。図26の例において、表皮330の各柱結合部6Jは、それぞれ、互いに異なる方向に延在する5~8本の柱部6Cの端部6Ceどうしを結合している。耐久性の観点から、表皮330の各柱結合部6Jが結合する、互いに異なる方向に延在する柱部6Cの本数は、3本以上が好適である。また、クッション性の観点から、表皮330の各柱結合部6Jが結合する、互いに異なる方向に延在する柱部6Cの本数は、10本以下が好適であり、6本以下がさらに好適である。
図25~図27の例においては、表皮330の平面視(表皮330の外表面に対し垂直に対向する方向から観た表面視)において、表皮330の各柱部6Cは、それぞれ、略直線状に延在している。ただし、第3実施形態においては、表皮330の平面視において、各柱部6Cは、それぞれ、湾曲状に(湾曲形状に沿って)延在していてもよい。
図25~図27の例においては、表皮330の平面視(表皮330の外表面に対し垂直に対向する方向から観た表面視)において、各表皮仮想面V6は、互いに異なる方向に延在する3本の柱部6Cによって区画されており、それにより、三角形をなしている。ただし、第3実施形態においては、表皮330の平面視において、各表皮仮想面V6は、互いに異なる方向に延在する4本以上の柱部6Cによって区画され、それにより、4つ以上の頂点を有する多角形(4角形、5角形等)をなしていてもよい。なお、各表皮仮想面V6は、図25~図27の例のように互いに同じ種類の多角形をなしていてもよいし、あるいは、互いに異なる種類の多角形をなしていてもよい。
図25~図27の例において、表皮330を構成する各柱部6Cは、それぞれの断面形状が、円形(真円形)である。これにより、表皮330の構造がシンプルになり、3Dプリンタによるクッション材301の造形がしやすくなるとともに、クッション材301の外側に向かって尖った部分が無くなるので、クッション材301の触り心地を向上できる。なお、各柱部6Cの断面形状は、それぞれの延在方向に垂直な断面における形状である。
ただし、第3実施形態において、表皮330を構成する各柱部6Cのうち全部又は一部の柱部6Cは、それぞれの断面形状が、多角形(正三角形、正三角形以外の三角形、四角形等)でもよいし、あるいは、真円形以外の円形(楕円形等)でもよい。また、各骨部2Bは、それぞれの断面形状が、その延在方向に沿って均一でもよいし、あるいは、その延在方向に沿って非均一でもよい。また、各柱部6Cどうしで、断面形状が互いに異なっていてもよい。
〔クッション材の第4実施形態〕
つぎに、図28を参照しつつ、本発明の第4実施形態に係るクッション材301について説明する。
図28は、本発明の第4実施形態に係るクッション材301を、裏面BS側から観た様子を示す、斜視図であり、図27に対応する図面である。なお、図28に示すクッション材301は、図24の例の座席シート300のシートパッド304におけるヘッドレスト340のサイドパッド部342に用いられるように構成されている。ただし、本例のクッション材301は、図24の例の他のクッション材301や、図1の例のクッション材301、並びに、その他の任意のクッション材としても、好適に用いることができる。
図28の例のクッション材301は、図4及び図5に示す第1実施形態と同様に、表皮330が、貫通孔331を、1つ又は複数(図28の例では複数)有している。ただし、図28の例において、表皮330は、クッション材301の外表面の全体を構成しており、1つ又は複数の貫通孔331が、表皮330のうち、クッション材301の裏面BSを構成する部分に配置されている。なお、表皮330のうち、クッション材301(ひいては座席シート300)の着座者側の表面FS及び/又は側面SSを構成する部分の構成としては、上述した任意の例に係る表皮330の構成を採用することができる。
図4及び図5の例や、図28の例のように、表皮330が貫通孔331を有する場合、上述のように通気性や振動特性の調整が可能となるとともに、仮にクッション材301を光造形方式(図9)により造形する場合、造形後に、クッション材301の内部に溜った液体樹脂LRを貫通孔331を介して外部に流出させることができる。
また、図28の例のように、貫通孔331を、表皮330のうち、クッション材301の裏面BSを構成する部分に配置することにより、貫通孔331を比較的大きく形成しても、クッション材301の外観を損ねることが無い。
また、予め、フレーム303に、クッション材301の貫通孔331(上述の凹部3030を構成。)と係合するように構成された突起(図示せず。上述の凸部3010を構成。)を設けておき、クッション材301をフレーム303上に取り付ける際にクッション材301の貫通孔331(凹部3030)をフレーム303の当該突起(凸部3010)に係合させるようにすれば、クッション材301をフレーム303に対して所望の位置に簡単に位置決めすることができるようになる。
本明細書で説明する各例において、クッション材301の表皮330は、半透明又は透明であると好適であり、半透明であるとより好適である。これにより、クッション材301の多孔質構造体1を、表皮330を介して、クッション材301の外部から視認することができる。これにより、例えば、クッション材301を視認した者は、クッション材301が3Dプリンタで造形されたものであることを簡単に把握できる等、クッション材301の外観を向上できる。
この場合、クッション材301の外観を向上させる観点から、クッション材301の多孔質構造体1は、不透明であると好適であるが、半透明又は透明であってもよい。一方、クッション材301の製造容易性の観点から、クッション材301は、その全体が同じ材料で構成されていると好適であり、ひいては、その全体(表皮330及び多孔質構造体1)が、半透明又は透明であると好適であり、半透明であるとより好適である。
また、この場合、表皮330の厚さは、0.5~2.0mmであると、好適である。これにより、上述のとおり表皮330を介して多孔質構造体1を外部から視認可能にし、ひいては、クッション材301が3Dプリンタで造形されたものであることを簡単に把握できるようにしつつも、クッション材301が、荷重や引っ掻き等の実用負荷に対してより効果的に耐えることができ、ひいては、耐久性を向上できる。
ただし、クッション材301の表皮330は、不透明であってもよい。
なお、上述した任意の複数の異なる例の表皮330の構成どうしを組み合わせてもよい。また、上述した任意の複数の異なる例の多孔質構造体1の構成どうしを組み合わせてもよい。以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に何ら限定されるものではない。
本発明のクッション材、及び、本発明のクッション材の製造方法又は3D造形用データを用いて製造されるクッション材は、任意の種類の座席シートに用いられてよいが、例えば、乗り物用シートに用いられると好適であり、車両用シートに用いられるとより好適である。
300:座席シート、
301:クッション材、 301C:シートクッション用クッション材、 301B:シートバック用クッション材、 301M:本体部、 301I:挿填体、 301R:凹部、 3011:クッション部、 3011a:対向面、 3011b:角部、 3012:接着剤、 301a:嵌合部、 3010:凸部、 3010c:細部、 3010d:太部、
303:フレーム、 303a:嵌合部、 3030:凹部、 3030c:細部、 3030d:太部、
304:シートパッド(車両用シートパッド)、 310:クッションパッド、 311:メインパッド部、 311t:腿下部、 311h:尻下部、 312:サイドパッド部、 320:バックパッド、 321:メインパッド部、 322:サイドパッド部、
330:表皮、 331:貫通孔、 332:突起、 6C:柱部、 6Ce:柱部の端部、 6J:柱結合部、 65:表皮膜、
340:ヘッドレスト、 341:メインパッド部、 342:サイドパッド部、 V6:表皮仮想面、
400:3Dプリンタ、 410:制御部、 420:造形部、 421:レーザ照射器、 430:支持台、 440:収容体、 LL:紫外線レーザ光、 LR:液体樹脂、 500:3D造形用データ、
FS:着座者側の表面、 SS:側面(着座者側の表面から連続する他の表面)、 BS:裏面、
1:多孔質構造体、
2:骨格部、 2B:骨部、 2Be:骨部の端部、 2B1:骨一定部、 2B2:骨変化部、 2B21:骨変化部の結合部側の端、 2B22:骨変化部の骨一定部側の端、 2B23:骨変化部の傾斜面、 2J:結合部、 3:膜、 21:第1セル区画部、 22:第2セル区画部、 211:第1環状部、 211L:第1大環状部、 211S:第1小環状部、 2111:第1環状部の内周側縁部、 222:第2環状部、 2221:第2環状部の内周側縁部、
C:セル孔、 C1:第1セル孔、 C2:第2セル孔、 O:骨格線、 U:多孔質構造体の単位部、 V1:第1仮想面、 V1L:第1大仮想面、 V1S:第1小仮想面、 V2:第2仮想面

Claims (9)

  1. 座席シートに用いられ、可撓性のある樹脂又はゴムから構成された、クッション材であって、
    多孔質構造体と、
    前記座席シートの表面のうち、少なくとも着座者側の表面を構成し、前記多孔質構造体と一体に構成された、表皮と、
    を備え、
    前記多孔質構造体は、その全体にわたって骨格部を備えており、
    前記骨格部は、
    複数の骨部と、
    それぞれ前記複数の骨部の端部どうしを結合する、複数の結合部と、
    から構成されており、
    各前記骨部は、それぞれ、
    断面積を一定に保ちつつ延在する、骨一定部と、
    前記骨一定部の延在方向の両側において、断面積を徐々に変化させつつ、前記骨一定部から前記結合部まで延在する、一対の骨変化部と、
    から構成されており、
    前記骨部のいずれか一方側の端の断面積A1に対する、前記骨一定部の断面積A0の比A0/A1は、
    0.15≦A0/A1<1.0、又は、1.0<A0/A1≦2.0
    を満たしている、クッション材。
  2. 前記表皮は、前記座席シートの表面のうち、着座者側の表面から連続する他の表面も構成している、請求項1に記載のクッション材。
  3. 前記表皮は、
    直径0.5~5mmの貫通孔を有するか、又は、
    表面に、シボパターンを有する、
    請求項1又は2に記載のクッション材。
  4. 前記表皮は、厚さが0.3~5mmである、請求項1~3のいずれか一項に記載のクッション材。
  5. 記骨格部は、第1セル孔を内部に区画する第1セル区画部を有しており、
    前記第1セル区画部は、それぞれ環状に構成された複数の第1環状部を有しており、
    前記複数の第1環状部は、それぞれの内周側縁部によって区画する第1仮想面どうしが交差しないように互いに連結されており、
    前記第1セル孔は、前記複数の第1環状部と、前記複数の第1環状部がそれぞれ区画する複数の前記第1仮想面とによって、区画されており、
    前記第1環状部は、複数の前記骨部と複数の前記結合部とから構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のクッション材。
  6. 前記第1環状部は、当該第1環状部に隣接する一対の前記第1セル区画部によって共有されている、請求項5に記載のクッション材。
  7. 前記クッション材は、3Dプリンタを用いて造形されたものである、請求項1~6のいずれか一項に記載のクッション材。
  8. 3Dプリンタを用いて、請求項1~6のいずれか一項に記載のクッション材を製造する、クッション材の製造方法。
  9. 請求項1~7のいずれか一項に記載のクッション材を備えた、座席シート。
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