JP7422608B2 - 金属-セラミックス接合基板およびその製造方法 - Google Patents

金属-セラミックス接合基板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属-セラミックス接合基板およびその製造方法に関し、特に、セラミックス基板の一方の面に電子部品搭載用の金属板(金属回路板)が形成され、他方の面に放熱用の金属ベース板が形成された金属-セラミックス接合基板およびその製造方法に関する。
近年、パワーモジュール用の金属-セラミックス絶縁基板として、より高い熱サイクル耐性を実現するために、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属回路板がセラミックス基板に直接接合した金属-セラミックス回路基板が使用されている。
しかし、このような金属-セラミックス回路基板にヒートサイクルが繰り返し加えられると、線膨張係数が小さいセラミックス基板と線膨張係数が大きいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属回路板が直接接合しているため、その線膨張係数の差によって生じた応力により、アルミニウムまたはアルミニウム合金が塑性変形し、アルミニウムまたはアルミニウム合金の結晶粒界に対応する部分に大きなしわのような変形(段差)が生じて、金属回路板に半田付けされた半導体素子が破損したり、半田にクラックが発生したり、半導体素子を金属回路板に接続するボンディングワイヤが剥離するおそれがある。
このような問題を解消するため、セラミックス基板にビッカース硬度HVが25以上の(アルミニウムを主とする)合金金属層が形成された半導体実装用絶縁基板(例えば、特許文献1参照)、セラミックス基板に形成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属回路板上に、コールドスプレー法により銅または銅合金などからなる金属皮膜が形成された金属-セラミックス回路基板(例えば、特許文献2参照)、セラミックス基板に直接接合したアルミニウムからなる金属回路板の表面に厚さ17μm以上のニッケルめっき皮膜が形成された金属-セラミックス回路基板(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
特開2007-36263号公報(段落番号0014) 特開2016-152324号公報(段落番号0009-0011) 特開2018-18992号公報(段落番号0009-0010)
しかし、特許文献1の半導体実装用絶縁基板のように、セラミックス基板に硬い(アルミニウムを主とする)合金金属層を形成すると、ヒートサイクル中にアルミニウムが塑性変形しないで、セラミックス基板にクラックが発生するおそれがある。また、硬いアルミニウムは通常純度が低く、熱伝導性や電気伝導性に劣るため、半導体実装用絶縁基板としての特性が悪くなる。
また、特許文献2の金属-セラミックス回路基板では、コールドスプレー法により形成された硬い金属皮膜が、多孔であり、表面が粗くなっているため、ブラスト処理などにより金属皮膜の表面を滑らかにする必要があり、製造コストが高くなる。
さらに、特許文献3の金属-セラミックス回路基板では、アルミニウムからなる金属回路板の表面に硬いニッケルめっき皮膜を非常に厚く形成する必要があるため、めっき時間が長くなり、製造コストが高くなる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属回路板がセラミックス基板に直接接合した金属-セラミックス接合基板にヒートサイクルが繰り返し加えられても、アルミニウムまたはアルミニウム合金の結晶粒界に対応する部分に大きな段差が生じるのを防止することができる、安価な金属-セラミックス接合基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板の金属ベース板に一方の面が直接接合したセラミックス基板の他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板の一方の面を直接接合させ、この第1の金属板の他方の面にグラファイトシートの一方の面を直接接合させ、このグラファイトシートの他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板を直接接合させることにより、ヒートサイクルが繰り返し加えられても、アルミニウムまたはアルミニウム合金の結晶粒界に対応する部分に大きな段差が生じるのを防止することができる、安価な金属-セラミックス接合基板を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による金属-セラミックス接合基板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板と、この金属ベース板に一方の面が直接接合したセラミックス基板と、このセラミックス基板の他方の面に一方の面が直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板と、この第1の金属板の他方の面に一方の面が直接接合したグラファイトシートと、このグラファイトシートの他方の面に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板とを備えていることを特徴とする。
この金属-セラミックス接合基板において、グラファイトシートが、第1の金属板のセラミックス基板との接合面に略平行に延びているのが好ましく、第1の金属板のセラミックス基板との接合面に略平行な平面の略全面に延びているのが好ましい。また、グラファイトシートの端面が外部に露出しているのが好ましい。また、第1の金属板とグラファイトシートと第2の金属板により回路パターンが形成されているのが好ましい。
また、本発明による金属-セラミックス接合基板の製造方法は、グラファイトシートとセラミックス基板とを鋳型内に離間して略平行に配置させるように、グラファイトシートの端部とセラミックス基板の端部を鋳型に支持させ、鋳型内のグラファイトシートの両面とセラミックス基板の両面に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板を形成してセラミックス基板の一方の面に直接接合させ、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板を形成してグラファイトシートの一方の面とセラミックス板の他方の面に直接接合させるとともに、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板を形成してグラファイトシートの他方の面に直接接合させることを特徴とする。
この金属-セラミックス基板の製造方法において、金属-セラミックス基板の第2の金属板の表面にマスクを形成した後、このマスクの表面からその厚さ方向にマスクと第2の金属板とグラファイトシートと第1の金属板の回路パターン形状に対応する部分以外をミリング加工により除去して、第1の金属板のセラミックス基板側の一部を残す以外は、回路パターン形状に形成し、その後、セラミックス基板の表面の回路パターン形状に対応する部分以外の第1の金属板をエッチング除去した後、マスクを除去することにより、第1の金属板とグラファイトシートと第2の金属板とからなる回路パターンを形成するのが好ましい。
本発明によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属回路板がセラミックス基板に直接接合した金属-セラミックス接合基板にヒートサイクルが繰り返し加えられても、アルミニウムまたはアルミニウム合金の結晶粒界に対応する部分に大きな段差が生じるのを防止することができる、安価な金属-セラミックス接合基板を製造することができる。
本発明による金属-セラミックス接合基板の実施の形態の断面図である。 図1の金属-セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型の断面図である。 図1の金属-セラミックス接合基板の変形例を製造するために使用する鋳型の断面図である。 図2の鋳型により作製した接合体から図1の金属-セラミックス接合基板を製造する工程を示す断面図である。 図2の鋳型により作製した接合体から図1の金属-セラミックス接合基板を製造する工程を示す断面図である。 図2の鋳型により作製した接合体から図1の金属-セラミックス接合基板を製造する工程を示す断面図である。 図2の鋳型により作製した接合体から図1の金属-セラミックス接合基板を製造する工程を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明による金属-セラミックス接合基板およびその製造方法の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本発明による金属-セラミックス接合基板の実施の形態は、平面形状が略矩形のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板10と、この金属ベース板10に一方の面が直接接合(十分な接合強度で化学的に接合)した平面形状が略矩形のセラミックス基板12と、このセラミックス基板12の他方の面に一方の面が直接接合(十分な接合強度で化学的に接合)した平面形状が略矩形のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用の第1の金属板14と、この第1の金属板14の他方の面に一方の面が直接接合(十分な接合強度で化学的に接合)した平面形状が(第1の金属板14と略同一の大きさの)略矩形のグラファイトシート16と、このグラファイトシート16の他方の面に直接接合(十分な接合強度で化学的に接合)した平面形状が(グラファイトシート16と略同一の大きさの)略矩形のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用の第2の金属板18とを備えている。また、グラファイトシート16は、第1の金属板14のセラミックス基板12との接合面と略平行に且つその接合面と略平行な(仮想)平面の略全面に延びており、グラファイトシート16の端部は(好ましくは全周にわたって)外部に露出している。
グラファイトシート16として、厚さ10~1000μm(好ましくは30~120μm)、水平方向の熱伝導率250~2000W/m・K(好ましくは900~2000W/m・K)、厚さ方向の熱伝導率10~30W/m・K(好ましくは18~30W/m・K)、線膨張係数2~10ppm/K(好ましくは4~7ppm/K)のグラファイトからなるシート(板材)を使用することができる。このようなグラファイトシート16を回路パターン用の第1の金属板14と第2の金属板18の間に配置することにより、回路パターン用の第2の金属板18の表面の歪み(変形)を抑制することができ、ヒートサイクル後に回路パターン用の第2の金属板18の表面にしわが生じるのを抑制することができ、また、ヒートサイクルによりセラミックス基板12や(第2の金属板18上に搭載された)半導体素子などにクラックが生じるのを防止して製造コストを低下させることができるとともに、熱伝導や電気伝導に優れた金属-セラミックス接合基板を製造することができる。また、第2の金属板18が最表面に配置されることにより、その表面をめっきしたり、アルミワイヤや銅ワイヤなどによる超音波ボンディングを行ったり、銅端子の超音波接合を行うことができる。
図1に示す実施の形態の金属-セラミックス接合基板は、図2に示す鋳型20内にセラミックス基板12とグラファイトシート16とを離間して配置させるように、セラミックス基板12の周縁部とグラファイトシート16の周縁部を鋳型20に支持させ、鋳型20内を窒素雰囲気にした状態で加熱し、鋳型20内のセラミックス基板12の両面に接触するとともにグラファイトシート16の両面に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯をその表面の酸化膜を取り除きながら注湯し、その後、鋳型20を冷却して溶湯を凝固させることによって製造することができる。
図2に示すように、鋳型20は、カーボンなどからなり、それぞれ平面形状が略矩形の下側鋳型部材22と中間鋳型部材24と上側鋳型部材26とから構成されている。
図2に示すように、下側鋳型部材22の上面には、グラファイトシート16の第2の金属板18側の部分(本実施の形態では略半分)と略同一の形状および大きさでグラファイトシート16の第2の金属板18側の部分を収容するための凹部(グラファイトシート収容部)22aが形成され、この凹部22aの底面には、第2の金属板18を形成するための凹部(第2の金属板形成部)22bが形成されている。
中間鋳型部材24の上面には、金属ベース板10のセラミックス基板12側の部分(金属ベース板10の一部)を形成するための凹部(金属ベース板形成部)24aが形成され、凹部24aの底面には、セラミックス基板12と略同一の形状および大きさでセラミックス基板12を収容するための凹部(セラミックス基板収容部)24bが形成され、この凹部24bの底面には、第1の金属板14と略同一の形状および大きさで第1の金属板14を形成するための貫通孔(第1の金属板形成部)24cが形成されている。また、中間鋳型部材24の底面(裏面)には、グラファイトシート16の第1の金属板14側の部分(本実施の形態では略半分)と略同一の形状および大きさでグラファイトシート16の第1の金属板14側の部分を収容するための凹部(グラファイトシート収容部)24dが形成されている。このグラファイトシート収容部24dは、その底面の周縁部以外の部分が開口し、この開口した部分で第1の金属板形成部24cと連通している。このグラファイトシート収容部24dと下側鋳型部材22のグラファイトシート収容部22aによって画定された空間内に、グラファイトシート16が収容され、グラファイトシート16の周縁部が、下側鋳型部材22のグラファイトシート収容部22aと中間鋳型部材24のグラファイトシート収容部24dによって挟持されて固定されるようになっている。
上側鋳型部材26の下面(裏面)には、金属ベース板10のセラミックス基板12と反対側の部分(金属ベース板10の金属ベース板形成部24aで形成される部分の他の部分)を形成するための凹部(金属ベース板形成部)26aが形成され、この金属ベース板形成部26aと中間鋳型部材24の金属ベース板形成部24aによって画定された空間内に金属ベース板10が形成されるようになっている。
また、上側鋳型部材26には、(図示しない)注湯ノズルから金属ベース板形成部24aおよび26a内に溶湯を注湯するための(図示しない)注湯口が形成されているとともに、中間鋳型部材24および下側鋳型部材22には、金属ベース板形成部24aおよび26aと第1の金属板形成部24cおよび第2の金属板形成部22bとの間に延びる(図示しない)溶湯流路が形成されて、セラミックス基板収容部24b内にセラミックス基板12を収容するとともにグラファイトシート収容部22aおよび24d内にグラファイトシート16を収容したときにも金属ベース板形成部24aおよび26aと第2の金属板形成部22bおよび第1の金属板形成部24cとの間が連通するようになっている。
このような鋳型20を使用して図1に示す実施の形態の金属-セラミックス接合基板を製造するためには、まず、下側鋳型部材22のグラファイトシート収容部22a内にグラファイトシート16を配置した後、下側鋳型部材22上に中間鋳型部材24を載置し、セラミックス基板収容部24b内にセラミックス基板12を配置し、その後、中間鋳型部材24上に上側鋳型部材26を載置する。この状態で鋳型20内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで冷却することにより、金属ベース板10に一方の面が直接接合したセラミックス基板12の他方の面に回路パターン用の第1の金属板14の一方の面が直接接合し、この第1の金属板14の他方の面にグラファイトシート16の一方の面が直接接合し、このグラファイトシート16の他方の面に回路パターン用の第2の金属板18が直接接合した(図4Aに示す)金属-セラミックス接合基板を製造する。その後、溶湯流路(湯道)に対応する部分のアルミニウムまたはアルミニウム合金を除去し、第2の金属板18の表面をバフ研磨し、その表面の略全面に、図4Bに示すように、エッチングレジスト28を形成した後、エッチングレジスト28の表面からその厚さ方向にエッチングレジスト28と第2の金属板18とグラファイトシート16と第1の金属板14(の回路パターン形状に対応する部分以外)をミリング加工により除去して、(ミリング加工の際に切削工具がセラミックス基板12に接触してセラミックス基板12が割れるのを防止するために)第1の金属板14のセラミックス基板12側の一部(厚さ0.2mm程度の薄い部分)を残す以外は、図4Cに示すように、回路パターン形状に形成する。その後、塩化鉄の水溶液などのエッチング液により、図4Dに示すように、セラミックス基板12の表面の回路パターン形状に対応する部分以外の第1の金属板14をエッチング除去した後、エッチングレジスト28を除去して、図1に示すように、(第1の金属板14とグラファイトシート16と第2の金属板18とからなる)回路パターンが形成された金属-セラミックス接合基板を製造することができる。
このようにして製造した金属-セラミックス接合基板の第2の金属板18上の半導体素子などの半田付けが必要な部分などにNiめっきなどによりめっきを施してもよい。
鋳型20内に溶湯を流し込む際には、鋳型20を(図示しない)接合炉内に移動し、この接合炉内を窒素雰囲気にして酸素濃度を100ppm以下、好ましくは10ppm以下まで低下させ、ヒーターの温度制御によって鋳型20を注湯温度まで加熱した後、注湯温度まで加熱して予め計量された溶湯を、窒素ガスによって所定の圧力で加圧して、注湯口から鋳型20内に流し込むのが好ましい。このように注湯することにより、金属とセラミックスとの間で大きな接合欠陥が発生するのを防止することができる。また、鋳型20内に溶湯を流し込んだ後、(図示しない)ノズルから注湯口に窒素ガスを吹き込むことによって、鋳型20内の溶湯を所定の圧力で加圧したまま冷却して凝固させるのが好ましい。なお、注湯および冷却の際に窒素ガスにより加圧される所定の圧力は、1~100kPaであるのが好ましく、3~80kPaであるのがさらに好ましく、5~15kPaであるのが最も好ましい。この圧力が低過ぎると鋳型20内に溶湯が入り難くなり、高過ぎるとグラファイトシート16の位置がずれたり、鋳型20が破壊するおそれがある。特に、カーボン製の鋳型20を使用する場合、1MPa以上の高圧になると、鋳型20が破壊されたり、鋳型20から溶湯が漏れるおそれがある。
図3は、本発明による金属-セラミックス接合基板の実施の形態の変形例を製造するために使用する鋳型120を示している。この鋳型120では、上側鋳型部材126の下面(裏面)に形成された凹部(金属ベース板形成部)126aの底面に、放熱フィンを形成するための凹部(放熱フィン形成部)126bが形成されており、金属ベース板の底面に放熱フィンを一体に形成することができるようになっている。その他の構成は、図2の鋳型20と略同一であるので、図3において、参照符号に100を加えてその説明を省略する。
なお、セラミックス基板は、アルミナなどの酸化物系セラミックス基板でもよいし、窒化アルミニウム、窒化珪素などの非酸化物系セラミックス基板でもよい。
以下、本発明による金属-セラミックス接合基板およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
図2に示す鋳型20と同様の形状のカーボン製の鋳型内に、50mm×50mm×0.6mmの大きさの窒化アルミニウム(AlN)からなるセラミックス基板(TDパワーマテリアル株式会社製のSH-30)と、48mm×48mm×0.05mmの大きさの(水平方向の熱伝導率が1000W/m・K、厚さ方向の熱伝導率が20W/m・K、線膨張係数が5ppm/Kの)グラファイトシート(パナソニック株式会社製のPGS)を配置した後、鋳型を窒素雰囲気の炉内に入れ、溶湯口から純度99.9質量%(3N)のアルミニウム(熱伝導率が220~230W/m・K、0.2%耐力が18~22MPaのアルミニウム)の溶湯を鋳型内に注湯した後、溶湯を冷却して固化(凝固)させることにより、セラミックス基板の一方の面に70mm×70mm×5mmの大きさのアルミニウムベース板が直接接合し、セラミックス基板の他方の面に46mm×46mm×0.35mmの大きさの回路パターン用の第1のアルミニウム板の一方の面が直接接合し、この第1のアルミニウム板の他方の面にグラファイトシートの一方の面が直接接合し、このグラファイトシートの他方の面に46mm×46mm×0.2mmの大きさの回路パターン用の第2のアルミニウム板が直接接合した(第1のアルミニウム板とグラファイトシートと第2のアルミニウム板の合計の厚さが0.6mmの)金属-セラミックス接合基板を得た。その後、溶湯流路(湯道)に対応する部分のアルミニウムを除去し、第2のアルミニウム板の表面をバフ研磨し、その表面にエッチングレジストを形成した後、φ2mmのエンドミルでエッチングレジストの表面からその厚さ方向にエッチングレジストと第2のアルミニウム板とグラファイトシートと第1のアルミニウム板(の回路パターン形状に対応する部分以外)をミリングにより除去して、第1のアルミニウム板のセラミックス基板側から厚さ0.2mmまでの部分を残した以外は、回路パターン形状に形成した。その後、塩化鉄の水溶液により、セラミックス基板の表面の回路パターン形状に対応する部分以外の第1のアルミニウム板をエッチング除去した後、エッチングレジストを除去して、45mm×45mm×0.6mmの(第1のアルミニウム板とグラファイトシートと第2のアルミニウム板とからなる)回路パターンが形成された金属-セラミックス接合基板を得た。
このようにして金属-セラミックス接合基板を10個作製し、それぞれの金属-セラミックス接合基板の第2のアルミニウム板の表面の(初期の)表面粗さRaをレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK-8500)により測定したところ、平均1.2μmであり、アルミニウムの結晶粒界に生じた(初期の)段差をそのレーザー顕微鏡により測定したところ、最大10μm以下であった。また、金属-セラミックス接合基板を-40℃で30分間保持した後に25℃で10分間保持し、その後、150℃で30分間保持した後に25℃で10分間保持するヒートサイクルを1000回繰り返した後に、上記と同様の方法により、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaを測定したところ、平均1.5μmであり、アルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、最大30μm以下であった。
[実施例2]
セラミックス基板の厚さを0.3mmとした以外は、実施例1と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.5μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大30μm以下であった。
[実施例3]
セラミックス基板として厚さ0.3mmの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.5μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大30μm以下であった。
[実施例4]
グラファイトシートの厚さを0.1mm、第1のアルミニウム板の厚さを0.9mm、第2のアルミニウム板の厚さを0.2mmとした以外は、実施例1と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大20μm以下であった。
[実施例5]
グラファイトシートの厚さを0.1mm、第1のアルミニウム板の厚さを0.9mm、第2のアルミニウム板の厚さを0.2mmとした以外は、実施例2と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大20μm以下であった。
[実施例6]
グラファイトシートの厚さを0.1mm、第1のアルミニウム板の厚さを0.9mm、第2のアルミニウム板の厚さを0.2mmとした以外は、実施例3と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大20μm以下であった。
[比較例1]
グラファイトシートを使用せず、アルミニウム板の厚さを0.6mmとした以外は、実施例1と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、アルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.9μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大約50μmであった。
[比較例2]
グラファイトシートを使用せず、アルミニウム板の厚さを0.6mmとした以外は、実施例3と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、アルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均2.1μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大約50μmであった。
[比較例3]
グラファイトシートを使用せず、アルミニウム板の厚さを1.2mmとした以外は、実施例1と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、アルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均2.3μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大約80μmであった。
[比較例4]
グラファイトシートを使用せず、アルミニウム板の厚さを1.2mmとした以外は、実施例3と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、アルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均2.5μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大約80μmであった。
[実施例7]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.4質量%のケイ素と0.05質量%のホウ素を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が180~200W/m・K、0.2%耐力が20~23MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例4と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大20μm以下であった。
[実施例8]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.4質量%のケイ素と0.05質量%のホウ素を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が180~200W/m・K、0.2%耐力が20~23MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例6と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.4μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.5μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大20μm以下であった。
[実施例9]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.05質量%のマグネシウムと0.04質量%のケイ素を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が190~210W/m・K、0.2%耐力が20~23MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例4と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大20μm以下であった。
[実施例10]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.05質量%のマグネシウムと0.04質量%のケイ素を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が190~210W/m・K、0.2%耐力が20~23MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例6と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大20μm以下であった。
[実施例11]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.08質量%のマグネシウムと0.06質量%のケイ素を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が180~200W/m・K、0.2%耐力が25~30MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例4と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例12]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.08質量%のマグネシウムと0.06質量%のケイ素を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が180~200W/m・K、0.2%耐力が25~30MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例6と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例13]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.1質量%のジルコニウムを含有するアルミニウム合金(熱伝導率が180~200W/m・K、0.2%耐力が25~30MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例4と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.5μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例14]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.1質量%のジルコニウムを含有するアルミニウム合金(熱伝導率が180~200W/m・K、0.2%耐力が25~30MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例6と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.5μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例15]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.2質量%のジルコニウムを含有するアルミニウム合金(熱伝導率が170~190W/m・K、0.2%耐力が27~32MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例4と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例16]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.2質量%のジルコニウムを含有するアルミニウム合金(熱伝導率が170~190W/m・K、0.2%耐力が27~32MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例6と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例17]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.1質量%の亜鉛を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が180~200W/m・K、0.2%耐力が25~30MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例4と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.5μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例18]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.1質量%の亜鉛を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が180~200W/m・K、0.2%耐力が25~30MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例6と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.5μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例19]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.2質量%の亜鉛を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が170~190W/m・K、0.2%耐力が27~32MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例4と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[実施例20]
アルミニウムの溶湯に代えて、0.2質量%の亜鉛を含有するアルミニウム合金(熱伝導率が170~190W/m・K、0.2%耐力が27~32MPaのアルミニウム合金)の溶湯を使用した以外は、実施例6と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、第2のアルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.4μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大10μm以下であった。
[比較例5]
グラファイトシートを使用しなかった以外は、実施例7と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、アルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.7μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大約50μmであった。
[比較例6]
グラファイトシートを使用しなかった以外は、実施例8と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、アルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.4μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.8μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大約50μmであった。
[比較例7]
グラファイトシートを使用しなかった以外は、実施例11と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、アルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.2μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.7μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大約50μmであった。
[比較例8]
グラファイトシートを使用しなかった以外は、実施例12と同様の方法により、金属-セラミックス接合基板を作製し、アルミニウム板の表面の表面粗さRaとアルミニウムの結晶粒界に生じた段差を測定したところ、初期の表面粗さRaは平均1.3μm、初期の結晶粒界の段差は最大10μm以下であり、ヒートサイクル後の表面粗さRaは平均1.7μm、ヒートサイクル後の結晶粒界の段差は最大約50μmであった。
なお、ヒートサイクス後の結晶粒界の段差は、固体によるばらつきが比較的大きいが、実施例では最大30μm以下に抑制することができるのに対して、比較例では最大約50μm~約80μmと大きく、金属-セラミックス接合基板を量産品として作製するには不適当であることがわかる。また、実施例では、第1のアルミニウム板と第2のアルミニウム板の厚さの合計が0.5mm以上(さらに0.8mm以上)である厚いアルミニウム板がセラミックス基板に接合した金属-セラミックス接合基板にヒートサイクルが繰り返し加えられても、アルミニウムまたはアルミニウム合金の結晶粒界に対応する部分に大きな段差が生じるのを防止することができるので、熱伝導性や電気伝導性に優れた金属-セラミックス接合基板を提供することができる。
10 金属ベース板
12 セラミックス基板
14 第1の金属板
16 グラファイトシート
18 第2の金属板
20、120 鋳型
22、122 下側鋳型部材
22a、122a グラファイトシート収容部
22b、122b 第2の金属板形成部
24、124 中間鋳型部材
24a、124a 金属ベース板形成部
24b、124b セラミックス基板収容部
24c、124c 第1の金属板形成部
24d、124d グラファイトシート収容部
26、126 上側鋳型部材
26a、126a 金属ベース板形成部
126b 放熱フィン形成部

Claims (7)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板と、この金属ベース板に一方の面が直接接合したセラミックス基板と、このセラミックス基板の他方の面に一方の面が直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板と、この第1の金属板の他方の面に一方の面が直接接合したグラファイトシートと、このグラファイトシートの他方の面に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板とを備えていることを特徴とする、金属-セラミックス接合基板。
  2. 前記グラファイトシートが、前記第1の金属板の前記セラミックス基板との接合面に略平行に延びていることを特徴とする、請求項1に記載の金属-セラミックス接合基板。
  3. 前記グラファイトシートが、前記第1の金属板の前記セラミックス基板との接合面に略平行な平面の略全面に延びていることを特徴とする、請求項2に記載の金属-セラミックス接合基板。
  4. 前記グラファイトシートの端面が外部に露出していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板。
  5. 前記第1の金属板と前記グラファイトシートと前記第2の金属板により回路パターンが形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板。
  6. グラファイトシートとセラミックス基板とを鋳型内に離間して略平行に配置させるように、グラファイトシートの端部とセラミックス基板の端部を鋳型に支持させ、鋳型内のグラファイトシートの両面とセラミックス基板の両面に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板を形成してセラミックス基板の一方の面に直接接合させ、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板を形成してグラファイトシートの一方の面とセラミックス板の他方の面に直接接合させるとともに、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板を形成してグラファイトシートの他方の面に直接接合させることを特徴とする、金属-セラミックス基板の製造方法。
  7. 前記金属-セラミックス基板の第2の金属板の表面にマスクを形成した後、このマスクの表面からその厚さ方向にマスクと第2の金属板とグラファイトシートと第1の金属板の回路パターン形状に対応する部分以外をミリング加工により除去して、第1の金属板のセラミックス基板側の一部を残す以外は、回路パターン形状に形成し、その後、セラミックス基板の表面の回路パターン形状に対応する部分以外の第1の金属板をエッチング除去した後、マスクを除去することにより、第1の金属板とグラファイトシートと第2の金属板とからなる回路パターンが形成された金属-セラミックス接合基板を製造することを特徴とする、請求項6に記載の金属-セラミックス基板の製造方法。
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