JP7421093B2 - 車体の側面部材構造 - Google Patents

車体の側面部材構造 Download PDF

Info

Publication number
JP7421093B2
JP7421093B2 JP2020050900A JP2020050900A JP7421093B2 JP 7421093 B2 JP7421093 B2 JP 7421093B2 JP 2020050900 A JP2020050900 A JP 2020050900A JP 2020050900 A JP2020050900 A JP 2020050900A JP 7421093 B2 JP7421093 B2 JP 7421093B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorbing member
shock absorbing
vehicle
width direction
vehicle width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020050900A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021146973A (ja
Inventor
哲也 島
博司 吉田
大輔 安福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2020050900A priority Critical patent/JP7421093B2/ja
Publication of JP2021146973A publication Critical patent/JP2021146973A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7421093B2 publication Critical patent/JP7421093B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Description

本発明は、車体の側面部材構造に関する。
従来、車体の側面部材構造において、衝撃吸収可能なものがあった。
しかしながら、従来の側面部材構造は、電動化された車両の床下に搭載されるバッテリーパックを、車体の側面からの衝突による衝撃から防護するという要望に応じたものではなく、衝撃吸収能力を維持しつつ、バッテリーパックに影響するような局部的な変形を抑制するには改善の余地があった。
特開2018-192868号公報
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑み、衝撃吸収能力を保持しつつ局部的な変形を抑制できる車体の側面部材構造を提供することを課題とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の一態様に係る車体の側面部材構造は、前記車体の前後方向に延びる管体と、前記管体の内部に配置された衝撃吸収部材とを備え、前記衝撃吸収部材は、前記車体の車幅方向に沿う凸の字型の稜線部を互いに間隔を空けて複数有し、前記車体の前後方向に沿って上下を繰り返し、前記凸の字型の稜線部は、矩形の第1の凸部と、前記第1の凸部上に形成され、前記第1の凸部よりも小さい矩形の第2の凸部とを有する
本発明の車体の側面部材構造は、衝撃吸収能力を保持しつつ局部的な変形を抑制できる。
第1実施形態に係る車体の一部を示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る側面部材構造を示す、図1におけるA矢視断面図である。 第1実施形態に係る側面部材構造を示す断面斜視図である。 第1実施形態に係る側面部材構造を示す分解斜視図である。 第2実施形態に係る衝撃吸収部材を示す斜視図である。 第3実施形態に係る衝撃吸収部材を示す斜視図である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る側面部材構造100を含む車体1の一部を示す分解斜視図である。図2は、第1実施形態に係る側面部材構造100を示す、図1におけるA矢視断面図である。なお、図2は、バッテリーケース200と側面部材構造100とが一体となった構造を示している。なお、以下、車体(車両)の進行方向に沿う方向を前後方向といい、重力方向に沿う方向を上下方向といい、車体の中心から車幅方向に離れる方向を車外側といい、その反対方向を車内側という場合がある。
図1に示すように、車体1は、車体1の骨格を構成するフレーム10と、リチウムイオン電池等のバッテリーパック210を収容するバッテリーケース200と、を備えている。車体1は、電気自動車等、バッテリーを動力源として駆動するものである。
フレーム10は、側面開口部のドア下に位置する側面部材構造100(「サイドシル」ともいう。)を有している。
第1実施形態に係る車体1の側面部材構造100は、電柱等との側面衝突(ポール側突)からバッテリーパック210を防護して乗員を保護するため、バッテリーパック210が配置された位置より車外側(図2において右側)において、長手方向を前後方向に向けて配置されている。なお、側面部材構造100は、通常、車体1の車幅方向における左右に、一対設けられている。左右それぞれの側面部材構造100の構造は、車幅方向で左右対称であるので、以下では、代表して、左側の側面部材構造100について説明する。
図3は、第1実施形態に係る側面部材構造100を示す断面斜視図である。図4は、第1実施形態に係る側面部材構造100を示す分解斜視図である。
図3及び図4に示すように、第1実施形態に係る側面部材構造100は、車体1の前後方向に延びる管体110と、管体110の内部に配置された衝撃吸収部材120とを備えている。
(管体)
管体110は、中空の細長い構造である。管体110は、その長手方向を車体1の前後方向に沿わせて配置されている。管体110は、例えば、高強度鋼板で形成されており、所望の性能を有している。管体110は、2分割されており、車外側の車外側管体110A及び車内側の車内側管体110Bを有している。車外側管体110A及び車内側管体110Bは、それぞれ、上下それぞれに鍔部を備えたハット形状の断面となっている。車外側管体110Aと車内側管体110Bとは、互いの鍔部同士を突き合わせた状態で、溶接、ボルト等の適宜の接合手段によって接合されている。なお、管体110は、分割されていなくてよく、2分割に限らず、3分割以上であってもよい。
管体110は、座屈変形によって潰れる衝撃吸収部材120を収容するガイド部材130を有している。
ガイド部材130は、衝撃吸収部材120と同等の前後方向における長さを有している。ガイド部材130は、鋼板等の板体から曲げ加工等によって形成されている。ガイド部材130は、図2に示すように、車内側管体110Bの上に載せられるように配置された衝撃吸収部材120の車内側端部120Bを、上から覆うように配置されている。したがって、ガイド部材130と車内側管体110Bとの間に、衝撃吸収部材120の高さ(上下方向の外寸法)に若干の余裕を持たせた高さ(上下方向の内寸法)を有する収容空間が形成される。これにより、衝撃吸収部材120が座屈変形する際に、上下方向(上下方向に垂直な面に対して面外方向)へ過度に変形することを拘束でき、圧潰している衝撃吸収部材120をガイド部材130の下面に沿って案内できる。よって、衝撃吸収部材120を安定的に高次モードで座屈変形させることができる。また、ガイド部材130に収容されて圧潰された衝撃吸収部材120の塊は、前後方向に張り渡される梁となって車内側への曲げ変形に抵抗するので、衝撃荷重又は変形が加わると爆発する危険のあるバッテリーパック210を、更に効果的に防護できる。
ガイド部材130は、上部が管体110の上部の位置Pに固定され、下部が管体110における衝撃吸収部材120の車内側端部120Bに対向する位置Qで固定されている。これにより、車外側からの衝撃荷重によって生じる衝撃吸収部材120が車内側端部120Bに対向する管体110の部分を車内側に押す衝撃荷重を、車内側端部120Bに対向する管体110の部分で全て受けることなく、一部をガイド部材130に作用する引張荷重に転換させて、管体110の上部に伝達することができる。よって、衝撃吸収部材120が車内側管体110Bを突き抜けて車内側に至るような破壊モードとなること、又は車内側管体110Bが過度に変形することを抑制できる。
ガイド部材130は、管体110における車内側端部120Bに対向する部分から、管体110の上部に向けて延びる傾斜部131を有している。これにより、衝撃吸収部材120が車内側端部120Bに対向する管体110の部分を車内側に押した際に、ガイド部材130が追従して変形することによる引張荷重への転換の遅れを抑制できる。すなわち、衝撃吸収部材120が車内側端部120Bに対向する管体110の部分を車内側に押す衝撃荷重を、直ぐにガイド部材130の傾斜部131に作用する引張荷重に転換させることができる。
管体110は、衝撃吸収部材120における車外側端部120Aに、衝撃吸収部材120を支持する支持部材140を有している。このように、衝撃吸収部材120の車外側端部120Aは、管体110に支持されている。
支持部材140は、例えば、図2から図4に示すようなL字型断面を有する棒状のアングル材であり、長手方向が衝撃吸収部材120の長手方向に沿うように配置されている。
支持部材140は、アングル材を構成する一方の面材が衝撃吸収部材120に接続され、他方の面材が車外側管体110Aに接続されている。このように、管体110は、衝撃吸収部材120を支持する支持部材140を有しているので、管体110の車外側から衝撃荷重が入力される際、衝撃吸収部材120の車外側管体110Aに対する相対的な振れを抑制できる。その結果、衝撃荷重を、衝撃吸収部材120の真横(車外側端部120Aの車外側端面)にできるだけ垂直に入力させることができ、管体110から衝撃吸収部材120の車外側端部120Aへと、局部に偏ることなく、車幅方向に垂直な断面に分散して伝達させることができる。よって、衝撃吸収部材120に対して、安定して後述のような提灯座屈モードを発生させることができ、高いエネルギーを吸収できる。また、支持部材140を介して車外側管体110Aと衝撃吸収部材120とをあらかじめ組み立てた状態で、車外側管体110Aと車内側管体110Bとを組み立てて側面部材構造100を完成させられるので、車外側管体110Aに対する衝撃吸収部材120の位置決めをしやすくできるとともに、側面部材構造100の組み立て作業を簡単にできる。
管体110は、衝撃吸収部材120における車内側端部120Bに対向する位置に、補強部150を有している。補強部150は、管体110における他部に比べて、少なくとも車幅方向のせん断耐力が高められている。補強部150は、例えば、別途の板材が重ねられているか又は他部に比べて厚い板厚を有していてよい。補強部150は、図2に示すように、ガイド部材130の一部によって兼ねられてよい。このように、管体110は、衝撃吸収部材120における車内側端部120Bに対向する位置に、補強部150を有しているので、衝撃吸収部材120が車内側管体110Bを突き抜けて車内側に至るような破壊モードとなること、又は車内側管体110Bが過度に変形することを抑制できる。
(衝撃吸収部材)
衝撃吸収部材120は、その長手方向を車体1の前後方向に沿わせて、管体110の内部に配置されている。衝撃吸収部材120は、例えば、高強度鋼板で形成されている。衝撃吸収部材120は、高強度鋼板で形成されていると、低い質量で高いエネルギーを吸収でき、質量効率が大きく、軽量化が要求される車両用部材に適する。
衝撃吸収部材120は、図2から図4に示すように、車体1の車幅方向に沿う稜線部RLを互いに間隔を空けて複数有している。また、衝撃吸収部材120は、車体1の前後方向に沿って上下する波形状を有している。図4に示すように、稜線部RLの方向は、車幅方向に対して略平行になっている。衝撃吸収部材120は、車幅方向に見たとき、波形状になっており、上下方向に見たとき、前後方向に長く所定の幅を有する矩形状になっている。このように、衝撃吸収部材120は、車体1の車幅方向に沿う稜線部RLを、互いに間隔を空けて複数有しているので、前後方向に亘ってムラなく、上下方向への(前後方向回りの)曲げ剛性(断面二次モーメント)を高くできる。よって、弾性域において、衝撃吸収部材120が上下方向に曲がりにくくでき、車幅方向の座屈耐力を高めることができる。また、側面部材構造100の前後方向におけるいずれかの局部にポール側突による衝撃荷重が入力されても、その局部における衝撃吸収部材120が圧潰する変形に伴って、その局部の前後も連動して変形して圧潰するので、衝撃エネルギーを、衝撃吸収部材120の前後方向に分散して吸収できる。よって、前後方向のいずれの局部にポール側突のような衝撃が加わっても、局部的に大きな衝撃エネルギーを、衝撃吸収部材120の全体の変形を抑制しつつ、衝撃吸収部材120の全体で効率よく吸収できる。また、稜線部RLの方向が、衝撃荷重の方向に沿って、車幅方向に対して略平行になっているので、衝撃荷重が作用した際に、衝撃吸収部材120を、エネルギー吸収量の高い後述のような提灯座屈モードで座屈させることができる。なお、稜線部とは、車幅方向に見たときの波形状において、急峻な部分、すなわち、前後方向に対する傾きの変化率が局所的に大きい部分を、車幅方向に沿って線状に繋げた部分を意味する。
衝撃吸収部材120は、所定の板厚t1(例えば、1.0mm、1.2mm、1.6mm、2.0mm、2.3mm)、所定の幅B(例えば、150mm)、所定の全長L(例えば、2,000mm)の平板材に対して、波形状のプレス型でプレス加工したり、上下に交互に曲げ加工を繰り返して成形したりすることにより、簡単に形成できる。
衝撃吸収部材120の波形状は、図4に示すように、第1周期T1の第1波形状S1と、第1周期とは異なる第2周期T2の第2波形状S2とを重ね合わせた形状となっている。
第1波形状S1は、車幅方向に見たとき、前後方向に、第1周期T1で所定の高さH1(振幅の2倍、例えば、30mm)の比較的大きな波形状となっている。
第2波形状は、車幅方向に見たとき、第1波形状に沿って、第2周期T2で所定の高さH2の比較的小さな波形状となっている。
例えば、第1周期T1は60mmであり、第2周期T2は15√2mmである。このように、衝撃吸収部材120の波形状は、第1周期T1の第1波形状と、第1周期とは異なる第2周期T2の第2波形状とを重ね合わせた形状となっているので、単独の周期を有する波形状の衝撃吸収部材120と比べて、曲げ剛性を大きくでき、座屈耐力を大きくできるので、エネルギー吸収量を高くできる。
衝撃吸収部材120の第2波形状S2は、車幅方向に見たとき、車幅方向に所定のピッチD(例えば、15mm)で、上下方向に所定の高さE(例えば、15mm)で交互に略直角の屈曲を繰り返す形状である。
具体的には、衝撃吸収部材120は、図4に示すように、所定のピッチDで前後方向に延びる(車幅方向に見たとき、前後方向にピッチDの長さで延びる)第1水平部121と、その第1水平部121の後端に続いて、上方向に向けて略直角に屈曲して所定の高さEで上方向に延びる第1縦部122と、その第1縦部122の上端に続いて、後方向に向けて略直角に屈曲して所定のピッチDで後方向に延びる第2水平部123と、その第2水平部123の後端に続いて、上方向に向けて略直角に屈曲して、所定の高さEで上方向に延びる第2縦部124と、その第2縦部124の上端に続いて、後方向に向けて略直角に屈曲して、所定のピッチDで後方向に延びる第3水平部125と、を有している。また、衝撃吸収部材120は、その第3水平部125の後端に続いて、下方向に向けて略直角に屈曲して、所定の高さEで下方向に延びる第3縦部126と、その第3縦部126の下端に続いて、後方向に向けて略直角に屈曲して、所定のピッチDで後方向に延びる第4水平部127と、その第4水平部127の後端に続いて、下方向に向けて略直角に屈曲して、所定の高さEで下方向に延びる第4縦部128と、を有している。
そして、これらの第1水平部121、第1縦部122、第2水平部123、第2縦部124、第3水平部125、第3縦部126、第4水平部127及び第4縦部128は、前後方向に周期的に繰り返されて、波形状を形成している。屈曲している部分は、所定の曲率半径R(例えば、5mm)により弧を描くように形成されている。
なお、波形状は、上記のものに限らず、例えば、車幅方向に見て、上に凸の円弧と下に凸の円弧とを交互に繰り返すような形状であってよく、サインカーブのような形状であってもよい。波形状のピッチD、高さE、高さH1、第1周期T1及び第2周期T2は、それぞれ、前後方向において一定でなくてもよい。D/H1の値、D/E及びD/tの値は、それぞれ、適切な座屈モードで圧潰して高い吸収エネルギーを得る観点から適切な値に設定される。
衝撃吸収部材120における車内側端部120B又は車外側端部120Aは、衝撃吸収部材120の中央から車幅方向に向けて開放されている。なお、衝撃吸収部材120における車内側端部120B及び車外側端部120Aのいずれか一方が、衝撃吸収部材120の中央から車幅方向に向けて開放されていてよく、衝撃吸収部材120における車内側端部120B及び車外側端部120Aの両方が、衝撃吸収部材120の中央から車幅方向に向けて開放されていてもよい。第1実施形態においては、衝撃吸収部材120の車外側端部120Aは、衝撃吸収部材120の中央から車幅方向(の車外側)に向けて開放されている。すなわち、衝撃吸収部材120の車外側端部120Aは、衝撃吸収部材120を構成する板材における車外側の端面が波形状のまま剥き出しになっており、車外側から見て、波形状が塞がれたり閉じられたりしておらず、視認できる状態となっている。構造的には、衝撃吸収部材120の車外側端部120Aは、回転自由な状態となっている。これにより、車外側からの衝撃荷重が車外側管体110Aを介して車外側端部120Aに入力された際、車外側端部120Aを車幅方向に垂直な断面で一様に変形しやすくできる。したがって、衝撃吸収部材120の全体が車幅方向の局部で上下方向に折れ曲がるような座屈変形(全体座屈モード)を発生させることなく、蛇腹状、提灯(paper lantern)状又は腸詰構造(boudinage)状の座屈変形(提灯座屈モード)を発生させることができる。よって、衝撃吸収部材120の座屈耐力を、車幅方向に垂直な断面の全域で効率的に利用でき、全体座屈モードのようにピーク荷重に至ると直ぐに荷重が低下した状態になって変形が進んでしまうことなく、高荷重を維持したまま座屈変形させることができる。このため、大きなエネルギー吸収量を保持しながらも、変形量を抑制できる。なお、提灯座屈モードは、車幅方向に沿って前後方向及び上下方向に偏ることなく連続して小刻みに波打ち、車幅方向に対して垂直方向に膨縮が繰り返されるような座屈変形である。
なお、衝撃吸収部材120の車内側端部120Bは、衝撃吸収部材120の中央から車幅方向(の車内側)に向けて開放されていてよい。これにより、衝撃吸収部材120の車内側端部120Bからの衝撃荷重を、管体110に車幅方向に垂直な断面で一様に伝達することができる。よって、提灯座屈モードを発生させやすくでき、高い吸収エネルギーを得られる。
衝撃吸収部材120の車外側端部120Aの車外側端面は、車外側管体110Aからの衝撃荷重を真横から全面的に受けられるように、車外側管体110Aの車内側の面に沿うように同一平面上に揃えられている。
衝撃吸収部材120の車外側端部120Aは、管体110に支持されている。これにより、管体110の車外側から衝撃荷重が入力される際、その衝撃荷重を、管体110から衝撃吸収部材120の車外側端部120Aへと局部に偏ることなく、車幅方向に垂直な断面に分散して一様に伝達させることができる。よって、衝撃吸収部材120に対して、安定して提灯座屈モードを発生させることができ、高い吸収エネルギーを得られる。
衝撃吸収部材120の車内側端部120Bは、管体110に支持されている。これにより、管体110の車外側から衝撃荷重が入力される際、衝撃吸収部材120が管体110(車内側管体110B)の車内側から受ける反力を、管体110から車内側端部120Bへと局部に偏ることなく、車幅方向に垂直な断面に分散して一様に伝達させることができる。よって、衝撃吸収部材120に対して、安定して提灯座屈モードを発生させることができ、高い吸収エネルギーを得られる。
衝撃吸収部材120の車内側端部120Bは、ガイド部材130と車内側管体110Bとの間に形成される収容空間に収容された状態で、管体110に支持されている。なお、車内側端部120Bの更に車内側に接続片(不図示)を設けて、その接続片を車内側管体110Bに対して適宜の支持手段で接続することで、衝撃吸収部材120の車内側端部120Bを支持してもよい。
衝撃吸収部材120は、管体110を介して、車体1が備えるバッテリーケース200に連結されてよい。図2に示すように、衝撃吸収部材120と、車内側管体110Bと、バッテリーケース200とは、溶接、ボルト等の適宜の連結手段160により一体的に連結されていてよい。なお、連結手段160は、過大な衝撃荷重からバッテリーケース200又はバッテリーパック210を防護するため、所定の衝撃荷重が作用した際に破壊するように設定されてもよい。これにより、衝撃吸収部材120又は管体110に入力された衝撃荷重(衝撃エネルギー)の一部を、バッテリーケース200にも負担させることができ、バッテリーケース200の構造全体で分散させられる。よって、側面部材構造100に大きな衝撃エネルギーが作用しても、側面部材構造100の変形を抑制でき、バッテリーケース200に収容されたバッテリーパック210を防護できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る側面部材構造100について説明する。第2実施形態に係る側面部材構造100は、第1実施形態に係る側面部材構造100と比べて、主に、衝撃吸収部材120の波形状が異なっている。以下、第1実施形態と第2実施形態とで共通する部分については、説明が省略される場合がある。
図5は、第2実施形態に係る衝撃吸収部材120を示す斜視図である。なお、図5において、管体110及び支持部材140の図示は省略されている。
第2実施形態に係る衝撃吸収部材120は、図5に示すように、車体1の車幅方向に沿う稜線部RLを互いに間隔を空けて複数有している。また、衝撃吸収部材120は、車体1の前後方向に沿って上下する波形状を有している。図5に示すように、稜線部RLの方向は、車幅方向に対して略平行になっている。衝撃吸収部材120は、車幅方向に見たとき、波形状になっており、上下方向に見たとき、前後方向に長く所定の幅を有する矩形状になっている。
図5に示すように、第2実施形態に係る衝撃吸収部材120の波形状は、車体の前後方向における一方(例えば、前方向)に行くに連れて上昇する第1傾斜部21と、その一方に行くに連れて下降する第2傾斜部22とが、交互に繰り返す形状である。衝撃吸収部材120の波形状は、車幅方向に見たとき、前後方向に、第3周期T3で所定の高さH3(振幅の2倍、例えば、30mm)の波形状となっている。
第1傾斜部21は、平らな上面及び平らな下面を有している。第2傾斜部22は、第1傾斜部21と同様に、平らな上面及び平らな下面を有している。第1傾斜部21及び第2傾斜部22において、上面と平面との距離、すなわち、板厚t2は、衝撃吸収部材120の長手方向にわたって実質的に一様である。
第1傾斜部21から第2傾斜部22に至る遷移部分は、例えば、所望の曲率半径R2で、略60度の角度で折れ曲がった状態になっている。同様に、第2傾斜部22から、それより一方(例えば、前方向)に隣接する第1傾斜部21に至る遷移部分は、例えば、所望の曲率半径R2で、略60度の角度で折れ曲がった状態になっている。
このように、衝撃吸収部材120の波形状は、一方(例えば、前方向)に行くに連れて上昇する第1傾斜部21と、その一方(例えば、前方向)に行くに連れて下降する第2傾斜部22とが、交互に繰り返す形状であるので、前後方向に亘ってムラなく、上下方向への(前後方向回りの)曲げ剛性(断面二次モーメント)を高くできる。よって、弾性域において、衝撃吸収部材120が上下方向に曲がりにくくでき、車幅方向の座屈耐力を高めることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る側面部材構造100について説明する。第3実施形態に係る側面部材構造100は、第1実施形態に係る側面部材構造100及び第2実施形態に係る側面部材構造100と比べて、主に、衝撃吸収部材120の波形状が異なっている。以下、第1実施形態及び第2実施形態と第3実施形態とで共通する部分については、説明が省略される場合がある。
図6は、第3実施形態に係る衝撃吸収部材120を示す斜視図である。なお、図6において、管体110及び支持部材140の図示は省略されている。
第3実施形態に係る衝撃吸収部材120は、図6に示すように、車体1の車幅方向に沿う稜線部RLを互いに間隔を空けて複数有している。また、衝撃吸収部材120は、車体1の前後方向に沿って上下する波形状を有している。図6に示すように、稜線部RLの方向は、車幅方向に対して略平行になっている。衝撃吸収部材120は、車幅方向に見たとき、波形状になっており、上下方向に見たとき、前後方向に長く所定の幅を有する矩形状になっている。
図6に示すように、第3実施形態に係る衝撃吸収部材120の波形状は、上に凸となる第1湾曲部31と、下に凸となる第2湾曲部32とが、交互に繰り返す形状である。
衝撃吸収部材120の波形状は、車幅方向に見たとき、前後方向に、第4周期T4(例えば、40mm)で所定の高さH4(振幅の2倍、例えば、30mm)の波形状となっている。
第1湾曲部31及び第2湾曲部32は、車幅方向に見て、円弧状になっていることが好ましい。
また、第2湾曲部32の曲率半径R32は、第1湾曲部31の曲率半径R31より大きくなっている。例えば、第2湾曲部32の曲率半径R32は15mmであり、第1湾曲部31の曲率半径R31は5mmである。なお、ここでは、車幅方向に見たときの波形状において、第2湾曲部32に対して比較的急峻な部分となる第1湾曲部31自体が、稜線部RLに対応している。
ここで、曲率半径R31が小さくなると、車幅方向に圧潰する際のエネルギー吸収効率(単位質量当たりのエネルギー吸収量)は高くなる傾向がある反面、座屈せずに折れやすくなる等、座屈が不安定になる傾向がある。しかしながら、小さい曲率半径R31を有する第1湾曲部31は、大きい曲率半径R32を有する第2湾曲部32に隣接しているので、第2湾曲部32が小さい曲率半径R31を有する第1湾曲部31の座屈を安定させることができる。よって、第1湾曲部31及び第2湾曲部32を含む衝撃吸収部材120の全体としてのエネルギー吸収効率を高くできる。
第1湾曲部31は、平坦な上面及び平坦な下面を有している。第2湾曲部32は、第1湾曲部31と同様に、平坦な上面及び平坦な下面を有している。第1湾曲部31及び第2湾曲部32において、上面と下面との距離、すなわち、板厚t3は、衝撃吸収部材120の長手方向にわたって実質的に一様である。
第1湾曲部31から第2湾曲部32に至る遷移部分は、両者の接線を連続的に繋げて滑らかになっている。同様に、第2湾曲部32から、それより一方(例えば、前方向)又は他方(例えば、後方向)に隣接する第1湾曲部31に至る遷移部分は、両者の接線を連続的に繋げて滑らかになっている。
このように、衝撃吸収部材120の波形状は、上に凸となる第1湾曲部31と、下に凸となる第2湾曲部32とが、交互に繰り返す形状であるので、前後方向に亘ってムラなく、上下方向への(前後方向回りの)曲げ剛性(断面二次モーメント)を高くできる。よって、弾性域において、衝撃吸収部材120が上下方向に曲がりにくくでき、車幅方向の座屈耐力を高めることができる。
(作用)
次に、車体1が地表に設置された電柱等のポール状の障害物に衝突して、側面部材構造100に車外側から衝撃荷重(衝撃エネルギー)が入力された際の作用について説明する。
車体1が地表に設置された電柱等のポール状の障害物に衝突すると、まず、ポール状の障害物が管体110の車外側に接し、管体110が押されて局部的に変形する。
すると、管体110の変形に追従して、衝撃吸収部材120の車外側端部120Aが局部的に潰れるように変形する。この際、ある荷重まで抵抗しながら変形すると、衝撃吸収部材120に車幅方向での座屈が生じる。ここで、座屈のモードは高次モードであり、その座屈は断面に一様に生じるので、衝撃吸収部材120は、高い荷重を受けている状態のまま、更に変形する。この際、ガイド部材130により、衝撃吸収部材120が車幅方向の局部で折れ曲がるような過大な変形は拘束される。
変形が進むと、高次モードの座屈が車幅方向に連続して起こり、衝撃吸収部材120は、局部的に車幅方向に連続して小刻みに波打つような提灯状に圧潰する。そして、その局部の前後方向に隣接する部分も、局部の変形に巻き込まれて圧潰する。
そして、衝撃エネルギーは、側面部材構造100の前後方向に分散して吸収される。
また、衝撃エネルギーの一部は、連結手段160を経て、バッテリーケース200で吸収される。
なお、圧潰した衝撃吸収部材120は、ガイド部材130の下部の収容空間に収容され、管体110とともに曲げ変形に抵抗し、バッテリーパック210を防護する。
このように、側面部材構造100は、管体110と衝撃吸収部材120とで協働することにより、更にバッテリーケース200と協働することにより、側面部材構造100の車内側への変形を抑制しつつ、局部的なポール側突による衝撃エネルギーを吸収できるので、バッテリーパック210を効果的に防護できる。
(その他の実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、衝撃吸収部材120における車外側端部120Aが、衝撃吸収部材120の中央から車幅方向の車外側に向けて開放されている形態を示したが、これに限らず、衝撃吸収部材120における車内側端部120Bが、衝撃吸収部材120の中央から車幅方向の車内側に向けて開放されていてもよい。
上述の第1実施形態から第3実施形態では、衝撃吸収部材120を単体で用いた場合で説明したが、これに限らず、単体の管体110に対して、衝撃吸収部材120を複数用いてよい。この際、複数の衝撃吸収部材120は、互いに平行になるように上下に配置してよい。
実施形態の一態様に係る車体の側面部材構造は、電気自動車等、電池を動力として駆動する車体の骨格を構成するフレームのうち、側面開口部のドア下に位置する部材であるサイドシルに好適に適用できる。実施形態の一態様に係る車体の側面部材構造が防護する対象は、側面部材構造より車内側に配置されるものであれば、バッテリーパック以外であってもよい。
1 車体
10 フレーム
21 第1傾斜部
22 第2傾斜部
31 第1湾曲部
32 第2湾曲部
100 側面部材構造
110 管体
110A 車外側管体
110B 車内側管体
120 衝撃吸収部材
120A 車外側端部
120B 車内側端部
121 第1水平部
122 第1縦部
123 第2水平部
124 第2縦部
125 第3水平部
126 第3縦部
127 第4水平部
128 第4縦部
130 ガイド部材
131 傾斜部
140 支持部材
150 補強部
160 連結手段
200 バッテリーケース
210 バッテリーパック
B 幅
D ピッチ
L 全長
P 位置
Q 位置
R 曲率半径
R2 曲率半径
R31 曲率半径
R32 曲率半径
RL 稜線部
S1 第1波形状
S2 第2波形状
t1 板厚
t2 板厚
t3 板厚
T1 第1周期
T2 第2周期
T3 第3周期
T4 第4周期

Claims (1)

  1. 車体の側面部材構造であって、
    前記車体の前後方向に延びる管体と、前記管体の内部に配置された衝撃吸収部材とを備え、
    前記衝撃吸収部材は、前記車体の車幅方向に沿う凸の字型の稜線部を互いに間隔を空けて複数有し、
    前記車体の前後方向に沿って上下を繰り返し、
    前記凸の字型の稜線部は、矩形の第1の凸部と、前記第1の凸部上に形成され、前記第1の凸部よりも小さい矩形の第2の凸部とを有する
    ことを特徴とする車体の側面部材構造。
JP2020050900A 2020-03-23 2020-03-23 車体の側面部材構造 Active JP7421093B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020050900A JP7421093B2 (ja) 2020-03-23 2020-03-23 車体の側面部材構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020050900A JP7421093B2 (ja) 2020-03-23 2020-03-23 車体の側面部材構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021146973A JP2021146973A (ja) 2021-09-27
JP7421093B2 true JP7421093B2 (ja) 2024-01-24

Family

ID=77850636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020050900A Active JP7421093B2 (ja) 2020-03-23 2020-03-23 車体の側面部材構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7421093B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023090112A1 (ja) 2021-11-18 2023-05-25 Jfeスチール株式会社 自動車の車体下部構造及びサイドシル構造
WO2023183653A1 (en) * 2022-03-25 2023-09-28 Shape Corp. Rocker insert with wave-shaped structure
WO2024062750A1 (ja) * 2022-09-21 2024-03-28 株式会社ジーテクト 衝撃吸収部材、自動車の衝撃吸収部材の製造方法およびサイドシルの製造方法
JP7253102B1 (ja) 2022-09-21 2023-04-05 株式会社ジーテクト 衝撃吸収部材、自動車の衝撃吸収部材の製造方法およびサイドシルの製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100548A (ja) 2006-10-17 2008-05-01 Toyota Motor Corp 車体側部構造
JP2014091462A (ja) 2012-11-06 2014-05-19 Honda Motor Co Ltd 自動車の車体構造
US20150042125A1 (en) 2013-08-09 2015-02-12 Volkswagen Ag Vehicle body
JP2015063208A (ja) 2013-09-25 2015-04-09 本田技研工業株式会社 自動車の車体構造
JP2018192868A (ja) 2017-05-16 2018-12-06 マツダ株式会社 車両用フレーム部材
WO2019151084A1 (ja) 2018-01-31 2019-08-08 日本製鉄株式会社 ロッカー部材および車両

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100548A (ja) 2006-10-17 2008-05-01 Toyota Motor Corp 車体側部構造
JP2014091462A (ja) 2012-11-06 2014-05-19 Honda Motor Co Ltd 自動車の車体構造
US20150042125A1 (en) 2013-08-09 2015-02-12 Volkswagen Ag Vehicle body
JP2015063208A (ja) 2013-09-25 2015-04-09 本田技研工業株式会社 自動車の車体構造
JP2018192868A (ja) 2017-05-16 2018-12-06 マツダ株式会社 車両用フレーム部材
WO2019151084A1 (ja) 2018-01-31 2019-08-08 日本製鉄株式会社 ロッカー部材および車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021146973A (ja) 2021-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7421093B2 (ja) 車体の側面部材構造
CN109383257B (zh) 车辆侧部构造
WO2021019959A1 (ja) 車体構造
CN110893759B (zh) 车辆侧部结构
JP6559897B2 (ja) 車体前部構造
JP6566174B1 (ja) 車両用骨格部材および車両
JP6703322B1 (ja) 自動車骨格部材および電気自動車
KR20170052657A (ko) 충격 흡수 부재
JP5790785B2 (ja) 車両前部構造
JP7095821B2 (ja) 車体の側面部材構造
JP2019038312A (ja) 車体構造
JP7282303B1 (ja) 自動車の車体下部構造
WO2022124335A1 (ja) 自動車のバッテリーケース及びその製造方法
CN214057703U (zh) 汽车纵梁前段
JP5637057B2 (ja) 車体構造
CN116438106A (zh) 用于车辆的侧梁
WO2020085383A1 (ja) 自動車骨格部材および電気自動車
JP7282302B1 (ja) 自動車のサイドシル構造
JP7376797B2 (ja) 自動車骨格部材および電気自動車
JP6687179B1 (ja) 自動車骨格部材および電気自動車
KR102423092B1 (ko) 차량용 사이드 실
KR102468042B1 (ko) 차량용 사이드 실
JP7201146B2 (ja) 車両前部構造
JP5931367B2 (ja) 車両用エネルギー吸収ビーム及びその取付方法
WO2023090112A1 (ja) 自動車の車体下部構造及びサイドシル構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231225

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7421093

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151