本開示の第1態様によれば、リード線を有する部品を基板に装着する部品装着方法であって、部品装着装置の保持部によって部品を保持する保持ステップと、保持された部品を基板に押し付けて、基板の挿入孔にリード線を挿入する挿入ステップと、リード線の挿入後に、リード線を折り曲げる折り曲げステップと、リード線の折り曲げ後に、基板からの部品の高さを検出する第1高さ検出ステップと、第1高さ検出ステップで検出された高さが、予め定められた第1範囲内の値であるか否かを判定する第1判定ステップと、第1高さ検出ステップで検出された高さが第1範囲内の値でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する出力ステップと、を備える。
本開示の第2態様によれば、挿入ステップの後、かつ、折り曲げステップの前に、基板からの部品の高さを検出する第2高さ検出ステップと、第2高さ検出ステップにおいて検出された高さが、予め定められた第2範囲内の値であるか否かを判定する第2判定ステップと、第2高さ検出ステップにおいて検出された高さが第2範囲内の値である場合に、折り曲げステップを実施する。
本開示の第3態様によれば、第1範囲は第2範囲と異なる。
本開示の第4態様によれば、挿入ステップの後から折り曲げステップが完了するまで、基板からの部品の高さを継続的に検出する。
本開示の第5態様によれば、保持部の高さを検出することにより、基板からの部品の高さを検出する。
本開示の第6態様によれば、リード線を有する部品を基板に装着する部品装着装置であって、部品を保持し、部品を基板に押し付けて、基板の挿入孔にリード線を挿入する保持部と、基板に挿入されたリード線を折り曲げるアンビル部と、基板からの部品の高さを検出する高さ検出器と、リード線が折り曲げられた後に高さ検出器により検出された部品の第1高さが、予め定められた第1範囲内の値であるか否かを判定する判定部を有する制御部と、を備え、制御部は、第1高さが第1範囲内の値でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する出力部を備える。
本開示の第7態様によれば、判定部は、リード線の挿入後、かつリード線の折り曲げ前に高さ検出器により検出された部品の第2高さが、予め定められた第2範囲内の値であるか否かを判定し、制御部は、第2高さが第2範囲内の値である場合に、リード線を折り曲げるようにアンビル部を制御する。
本開示の第8態様によれば、第1範囲は第2範囲と異なる。
本開示の第9態様によれば、制御部は、リード線が挿入された後からリード線が折り曲げられるまで、部品の高さを継続的に検出するように高さ検出器を制御する。
本開示の第10態様によれば、高さ検出器は、保持部の高さを検出することで、部品の高さを検出する。
本開示の第11態様によれば、リード線を有する部品を基板に装着する部品装着方法であって、部品装着装置の保持部によって部品を保持する保持ステップと、部品装着装置の押し出し部によって、保持された部品を基板に押し付けて、基板の挿入孔にリード線を挿入する挿入ステップと、リード線の挿入後に、リード線を折り曲げる折り曲げステップと、リード線の折り曲げ後に、基板からの部品の高さを検出する第1高さ検出ステップと、第1高さ検出ステップで検出された高さが、予め定められた第1範囲内の値であるか否かを判定する第1判定ステップと、第1高さ検出ステップで検出された高さが第1範囲内の値でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する出力ステップと、を備える。
本開示の第12態様によれば、挿入ステップの後、かつ、折り曲げステップの前に、基板からの部品の高さを検出する第2高さ検出ステップと、第2高さ検出ステップにおいて検出された高さが、予め定められた第2範囲内の値であるか否かを判定する第2判定ステップと、第2高さ検出ステップにおいて検出された高さが第2範囲内の値である場合に、折り曲げステップを実施する。
本開示の第13態様によれば、第1範囲は第2範囲と異なる。
本開示の第14態様によれば、挿入ステップの後から折り曲げステップが完了するまで、基板からの部品の高さを継続的に検出する。
本開示の第15態様によれば、押し出し部の高さを検出することにより、基板からの部品の高さを検出する。
本開示の第16態様によれば、リード線を有する部品を基板に装着する部品装着装置であって、部品を保持し、部品を基板に押し付けて、基板の挿入孔にリード線を挿入する保持部と、基板に挿入されたリード線を折り曲げるアンビル部と、基板からの部品の高さを検出する高さ検出器と、リード線が折り曲げられた後に高さ検出器により検出された部品の第1高さが、予め定められた第1範囲内の値であるか否かを判定する判定部を有する制御部と、を備え、制御部は、第1高さが第1範囲内の値でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する出力部を備え、保持部は、部品を保持するチャックと、部品を基板に押し付ける押し出し部と、を有する。
本開示の第17態様によれば、判定部は、リード線の挿入後、かつリード線の折り曲げ前に高さ検出器により検出された部品の第2高さが、予め定められた第2範囲内の値であるか否かを判定し、制御部は、第2高さが第2範囲内の値である場合に、リード線を折り曲げるようにアンビル部を制御する。
本開示の第18態様によれば、第1範囲は第2範囲と異なる。
本開示の第19態様によれば、制御部は、リード線が挿入された後からリード線が折り曲げられるまで、部品の高さを継続的に検出するように高さ検出器を制御する。
本開示の第20態様によれば、高さ検出器は、押し出し部の高さを検出することにより、基板からの部品の高さを検出する。
本開示の第21態様によれば、リード線を有する部品を基板に装着する部品装着方法であって、部品装着装置の保持部によって部品を保持する保持ステップと、保持された部品を基板に押し付けて、基板の挿入孔にリード線を挿入する挿入ステップと、リード線を折り曲げる折り曲げステップと、リード線を折り曲げ後に、基板からの部品の第1高さを検出する第1高さ検出ステップと、挿入ステップの後、かつ、折り曲げステップの前に、基板からの部品の第2高さを検出する第2高さ検出ステップと、第1高さと第2高さとの差分を算出する算出ステップと、差分が予め定められた範囲内であるか否かを判定する判定ステップと、差分が予め定められた範囲内でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する出力ステップと、を備える。
本開示の第22態様によれば、挿入ステップは、部品装着装置の押し出し部が保持された部品を基板に向けて押し付けることにより、挿入孔にリード線を挿入する。
本開示の第23態様によれば、リード線を有する部品を基板に装着する部品装着装置であって、部品を保持し、部品を基板に押し付けて、基板の挿入孔にリード線を挿入する保持部と、基板に挿入されたリード線を折り曲げるアンビル部と、基板からの部品の高さを検出する高さ検出器と、を備え、高さ検出器は、リード線の折り曲げ後の部品の第1高さと、リード線の挿入後かつリード線の折り曲げ前の部品の第2高さとを検出し、部品装着装置は、さらに、第1高さと第2高さとの差分を算出する算出部と、差分が予め定められた範囲内であるか否かを判定する判定部と、差分が予め定められた範囲内でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する、出力部と、を備える。
本開示の第24態様によれば、保持部は、部品を保持するチャックと、部品を基板に押し付ける押し出し部と、を有する。
以下に、本開示にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
以下に、本開示の第1実施形態における部品装着装置1の主要な構成を図1の概略斜視図に示す。
図1に示す部品装着装置1は、例えば、下方に延びた2本のリード線2Lを備えたリード付きの部品2を基板3に装着する装置である。部品2が装着された基板3は、「部品装着基板」となる。
図1に示す部品装着装置1は、基板位置決め部11と、挿入ヘッド移動装置12と、挿入ヘッド13と、クリンチユニット移動装置14と、クリンチユニット15とを備える。
基板位置決め部11は、基板3を所定位置に位置決めする装置である。本実施の形態の基板位置決め部11としては、例えば、一対のコンベア機構が採用され、基板3の両端を下方から支持して搬送し、所定位置に位置決めする。基板3には、部品2のリード線2Lを挿通するための複数の挿入孔3aが設けられている。
挿入ヘッド移動装置12は、挿入ヘッド13を移動させる装置である。本実施の形態の挿入ヘッド移動装置12としては、例えば、直交座標テーブルが採用され、挿入ヘッド13を水平方向(XY方向)および上下方向(Z方向)に移動させる。なお、X方向とY方向は、互いに直交する水平方向であり、Z方向は、X方向およびY方向と直交する方向である。
挿入ヘッド13は、部品2をピックアップして保持し、基板位置決め部11によって位置決めされた基板3の挿入孔3aに部品2のリード線2Lを上方から挿入する装置である。保持部としての挿入ヘッド13は基板位置決め部11よりも上方に位置し、挿入ヘッド移動装置12によりXY方向およびZ方向に移動される。
挿入ヘッド13は、部品2をピックアップする一対のピックアップ爪16を備える。ピックアップ爪16は部品2を把持してピックアップするものであり、保持部駆動装置17によって駆動される。ピックアップ爪16に代えて、部品2を吸着する吸着ノズルを用いてもよい。
クリンチユニット移動装置14は、クリンチユニット15を水平方向(XY方向)および上下方向(高さ方向:Z方向)に移動させる装置である。本実施の形態のクリンチユニット移動装置14としては、例えば、直交座標テーブルが採用され、クリンチユニット15を取り付けるためのアタッチメント部材14Tを水平方向および上下方向に移動させる。なお、クリンチユニット移動装置14およびアタッチメント部材14Tの構成は、大きく簡略化した形で図示している。
クリンチユニット(クリンチ機構)15は、基板3の挿入孔3aから基板3の下面側に突出したリード線2Lをクリンチする機構であり、アタッチメント部材14Tに取り付けられて基板3の下方に位置している。クリンチユニット15は、アタッチメント部材14Tに取り付けられたベース部材21と、ベース部材21に対して水平回転する回転ベース22と、回転ベース22に取り付けられたアンビルユニット23およびリード屑回収容器24とを備えている。クリンチユニット移動装置14によってアタッチメント部材14Tが移動されるとベース部材21が基板3の下方を水平方向に移動する。これによりクリンチユニット15は、基板3の下方を基板3に対して水平方向に移動自在である。
クリンチユニット15の拡大斜視図を図2および図3に示し、これらの図面を用いて、クリンチユニット15の詳細構成について説明する。
図2および図3において、ベース部材21は、アタッチメント部材14Tに取り付けられたブラケット部21aと、ブラケット部21aに連結されたブロック部21bおよび底板部21cとを備えている。底板部21cはブロック部21bの下方を水平に延びている。
図3に示すように、ブロック部21bは上下方向に延びた中空のθ回転シャフト31を上下軸回りに回転自在に保持している。ここで、クリンチユニット15におけるθ回転シャフト31の周辺構成について、図4(a)、(b)に示す。図3および図4(a)、(b)に示すように、θ回転シャフト31の下端はブロック部21bと底板部21cとの間に突出しており、その突出した部分にはθ回転シャフト駆動ギヤ32が水平姿勢で設けられている。θ回転シャフト31の上端はブロック部21bの上方に突出しており、その突出した部分には前述の回転ベース22が取り付けられている。
図3および図4(a)、(b)において、θ回転シャフト31の内部には上下方向に延びた中空の間隔変更シャフト33がθ回転シャフト31を上下方向に貫通して設けられている。間隔変更シャフト33の下端はθ回転シャフト駆動ギヤ32と底板部21cとの間に突出しており、その突出した部分には外歯の平歯車から成る間隔変更シャフト駆動ギヤ34が水平姿勢で設けられている。間隔変更シャフト33の上端は回転ベース22の上方に突出しており、その突出した部分には駆動側傘歯車35が水平姿勢で設けられている。駆動側傘歯車35の歯は下面側に設けられている。間隔変更シャフト33はθ回転シャフト31の内部で、θ回転シャフト31と同軸の上下軸回りに回転自在となっている。
ここで、クリンチユニット15における動作を説明する動作説明図を図5から図9に示す。図3および図5に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面にはθ駆動モータ36が駆動軸を水平方向に向けて設けられている。θ駆動モータ36の駆動軸にはθ駆動ギヤ37が設けられており、θ駆動ギヤ37はθ回転シャフト駆動ギヤ32と噛み合っている。このため、θ駆動モータ36がθ駆動ギヤ37を水平軸回りに回転させると(図5中に示す矢印R1)、θ回転シャフト駆動ギヤ32が回転し、これによりθ回転シャフト31が上下軸回りに回転する(図5中に示す矢印R2)。そして、このθ回転シャフト31の回転によって回転ベース22が水平回転し、アンビルユニット23の全体がθ回転シャフト31の回転軸回りに水平回転する(図5中に示す矢印R3)。
図3および図6(a)、(b)に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面には、間隔変更モータ38が駆動軸を下方に向けて設けられている。間隔変更モータ38の駆動軸には外歯の平歯車から成る間隔変更ギヤ39が水平姿勢で設けられている。間隔変更ギヤ39は前述の間隔変更シャフト駆動ギヤ34と噛み合っている。
図4(a)、(b)に示すように、間隔変更シャフト33の内部には上下方向に延びた中空のロッド部材41が間隔変更シャフト33および底板部21cを上下方向に貫通して設けられている。ロッド部材41の下端はベース部材21の底板部21cの下方に突出しており、その突出した部分の下端には水平軸回りに回転自在なローラ部材42が設けられている(図7(a)、(b))。ロッド部材41の上端は駆動側傘歯車35の上方に突出しており、その突出した部分には操作板43が水平姿勢で設けられている。ロッド部材41は間隔変更シャフト33の内部で上下方向に移動自在となっている。
図2、図3および図7(a)、(b)に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面には、クリンチシリンダ44がピストンロッド44aを下方に向けて設けられている。底板部21cの下方には底板部21cに一端45aが回転自在に連結されたレバー部材45が設けられている。レバー部材45の他端(操作端45bと称する)にはピストンロッド44aの下端に回転自在に連結されている。レバー部材45の中間部には、ロッド部材41の下端に設けられた前述のローラ部材42が上方から当接している。
クリンチシリンダ44によりレバー部材45の操作端45bが押し下げられた状態では、ロッド部材41は操作板43を下方位置(「非操作位置」と称する)に位置させる(図7(a))。一方、クリンチシリンダ44によりレバー部材45の操作端45bが引き上げられた状態では、ロッド部材41はレバー部材45によって押し上げられて(図7(b)中に示す矢印F1)、操作板43を上方位置(「操作位置」と称する)に位置させる(図7(b))。
図7(a)、(b)、図8(a)、(b)および図9(a)、(b)に示すように、アンビルユニット23はアンビルベース51を備えている。アンビルベース51は、回転ベース22から上方に延びた支柱22aによって水平姿勢に支持されており、操作板43の上方に位置している。アンビルベース51は、固定側ベース51Aと可動側ベース51Bとを備える。固定側ベース51Aは、支柱22aにより回転ベース22に直接取り付けられており、可動側ベース51Bは、固定側ベース51Aから水平方向に延びた移動ガイド53を介して回転ベース22に間接的に取り付けられている。可動側ベース51Bは移動ガイド53に沿って水平方向に移動自在であり、可動側ベース51Bが移動ガイド53に沿って移動すると、可動側ベース51Bと固定側ベース51Aとの間隔が変化する。
図8(a)、(b)および図9(a)、(b)に示すように、固定側ベース51Aと可動側ベース51Bとはそれぞれ上方に突出したマウント部51aを有している。各マウント部51aにはアンビル部52が設けられている。図9(a)、(b)において、各アンビル部52は、部品2のリード線2Lを挟んでクリンチ動作を行う一対の爪部として、第1爪保持部54と第2爪保持部55とを備えている。第1爪保持部54はマウント部51aに固定して設けられている。第2爪保持部55はマウント部51aに対して揺動軸55Jの回りに揺動自在に設けられている。第1爪保持部54は固定爪である第1爪54aを有しており、第2爪保持部55は可動爪としての第2爪55aを有している。
図7(a)、(b)および図8(a)、(b)に示すように、アンビルベース51の固定側ベース51Aと可動側ベース51Bのそれぞれにはアンビル操作ロッド56が設けられている。固定側ベース51Aに設けられたアンビル操作ロッド56は固定側ベース51Aを上下方向に貫通して上下方向に移動自在となっている。可動側ベース51Bに設けられたアンビル操作ロッド56は可動側ベース51Bを上下方向に貫通して上下方向に移動自在となっている。各アンビル操作ロッド56は下端側に下端側ローラ57を有しており、上端側に上端側ローラ58を有している。各アンビル操作ロッド56の下端側ローラ57は操作板43の上方に位置している。
各アンビル操作ロッド56は、操作板43が前述の「非操作位置」に位置しているときには下端側ローラ57が操作板43に当接しておらず、自重によって「下方位置」に位置する(図8(a))。一方、操作板43が前述の「操作位置」に位置しているときには、アンビル操作ロッド56は、下端側ローラ57を介して操作板43によって押し上げられ(図8(b)中に示す矢印F2)、アンビル操作ロッド56は「上方位置」に位置する(図8(b))。
図7(a)、(b)および図8(a)、(b)において、各アンビル部52の第2爪保持部55は、揺動軸55Jとは反対側の端部の下面において、アンビル操作ロッド56の上端側ローラ58と当接している。各第2爪保持部55は図示しないばね等の付勢部材によって上端側ローラ58に押し付けられており、第2爪保持部55と上端側ローラ58は常に接触した状態を維持する。
第2爪保持部55は、アンビル操作ロッド56が「下方位置」に位置した状態では、アンビル操作ロッド56からの押し上げを受けず、第2爪55aを第1爪54aから離間させた「待機位置」に位置する(図8(a)および図9(a)に示す位置)。一方、第2爪保持部55は、アンビル操作ロッド56が「上方位置」に位置した状態ではアンビル操作ロッド56からの押し上げを受けて(図9(b)中に示す矢印F3)、第2爪55aを第1爪54aの上方に位置させた「カット位置」(図8(b)および図9(b)に示す位置)に移動(揺動)する(図9(b)中に示す矢印F4)。
このように、本実施の形態におけるクリンチユニット15においては、クリンチシリンダ44がレバー部材45の操作端45bを押し下げている状態では、操作板43が「非操作位置」に位置して第2爪55aが「待機位置」に位置する。一方、クリンチシリンダ44がレバー部材45の操作端45bを引き上げた状態では、操作板43が「操作位置」に位置して第2爪55aが「カット位置」に位置するようになっている。すなわち、クリンチシリンダ44を操作することによって、2つのアンビル部52それぞれの第2爪55aを「待機位置」から「カット位置」に移動させることができる。
レバー部材45には、図示しないクリンチ検出部75(図13参照)が設けられている。クリンチ検出部75は、クリンチユニット15において部品2のリード線2Lに対するクリンチ動作が行われたことを検出する。
図4(a)、(b)および図6(a)、(b)に示すように、アンビルベース51には、2つのアンビル部52を近接および離間させて2つのアンビル部52の間隔を変更する送りねじ機構60が設けられている。送りねじ機構60は回転ベース22から垂直上方に延びた垂直部22bによって水平姿勢に支持されたボールねじ61と、ボールねじ61の先端に設けられた従動側傘歯車62と、ボールねじ61の回転により、ボールねじ61の軸方向に沿った方向に移動する移動ブロック63とを備えている。従動側傘歯車62は駆動側傘歯車35と噛み合っており、移動ブロック63は連結部材64によって可動側ベース51Bと連結されている。
間隔変更モータ38が間隔変更ギヤ39を回転させると、間隔変更シャフト33が上下軸回りに回転し(図6(b)中に示す矢印R4)、駆動側傘歯車35が従動側傘歯車62を水平軸回りに回転させる。これによりボールねじ61が回転し(図6(b)中に示す矢印R5)、移動ブロック63がボールねじ61の軸方向に沿って移動する(図6(b)中に示す矢印F5)。
上述したように、送りねじ機構60が駆動されて移動ブロック63がボールねじ61の軸方向に移動すると、連結部材64を介して可動側ベース51Bが移動ガイド53に沿って移動する(図6(b)中に示す矢印F6)。これにより可動側ベース51Bに取り付けられたアンビル部52が固定側ベース51Aに取り付けられたアンビル部52に対して移動し、2つのアンビル部52の間の間隔が広げられ(図6(a)から図6(b)の状態)、あるいは狭められる(図6(b)から図6(a)の状態)。
次に、このような構成を有する部品装着装置1において、リード4を有する部品2に対してクリンチ動作を行うことにより、部品2を基板3に装着する手順について説明する。
クリンチユニット移動装置14がクリンチユニット15を部品2の下方に移動させる。クリンチユニット15が部品2の下方に移動したら、間隔変更モータ38が作動して2つのアンビル部52の間隔を変更するとともに、θ駆動モータ36が作動してアンビルユニット23を上下軸回りに回転させる。ここで、間隔変更モータ38は、2つのアンビル部52の間隔が部品2の2本のリード4の間隔に合致するように送りねじ機構60を駆動し、θ駆動モータ36は、2つのアンビル部52の向きが2本のリード4の向きに対応するように回転ベース22を回転させる。
その後、2つのアンビル部52のそれぞれの第2爪55aを「待機位置」に位置させた状態で、第2爪55aと第1爪54aとの間にリード線2Lが上方から挿通されるように、クリンチユニット移動装置14によりクリンチユニット15を上昇させる。これにより、部品2のリード線2Lに対して、2つのアンビル部52が位置決めされた状態となる。その後、クリンチシリンダ44を作動させて、2つのアンビル部52それぞれの第2爪55aを「カット位置」に移動させる。これにより第1爪54aと第2爪55aは間にリード4の中間部を挟み込み(図8(b)中に示す矢印F7)、リード4の下端の一部をカットしたうえで、残ったリード4をクリンチする(図8(a)及び図9(a))。このとき、間隔変更モータ38は、2つのアンビル部52の間隔が拡がる方向へ送りねじ機構60を駆動する。これにより、部品2は基板3に固定され、部品2が基板3に装着される。
(挿入ヘッド)
次に図1、図10を参照して、挿入ヘッド13の構成について説明する。なお、部品装着装置1は、挿入ヘッド13の他にも複数の単位ヘッドを備える装着ヘッドを備えてもよい。
挿入ヘッド13は、ヘッド本体部84と、チャックユニット85と、ヘッド昇降機構86と、高さ検出器89とを備える。チャックユニット85は、ヘッド本体部84の下方において鉛直方向(Z方向)を軸心として水平方向に回転自在に装着されている。
挿入ヘッド13の詳細な構成を図10に示す。ヘッド昇降機構86は、昇降モータ91と、送りネジ92と、送りネジ92に螺合し、ヘッド本体部84に固定されるナット部93と、を備える。ヘッド昇降機構86は、昇降モータ91の駆動によって送りネジ92を回転させ、ナット部93を移動させることによってヘッド本体部84をZ方向に移動、すなわち昇降させる。
ヘッド本体部84には、保持部駆動装置17と、プッシャ装置96と、が設けられている。保持部駆動装置17は、チャックユニット85を駆動させるチャック駆動用モータ94と、チャックユニット85を水平方向に回転させるチャック回転用モータ95と、を備える。プッシャ装置96は、プッシャ87とプッシャ用のアクチュエータ88とを備える。プッシャ87は、アクチュエータ88によってZ方向に移動、すなわち昇降する。プッシャ87は、チャックユニット85により把持した部品2に対して下降することで、部品2を基板3に向けて押し下げる。
アクチュエータ88は、例えば、空圧シリンダである。アクチュエータ88に供給されるエアーの切り替えにより、プッシャ87の押し出しおよび引き込みを行う。
チャックユニット85は、昇降ロッド97を備えている。昇降ロッド97の上端部は、ウォームホイール94a及びウォームギヤ94bを含む減速機構を介してチャック駆動用モータ94に連結されている。チャック駆動用モータ94がウォームギヤ94bを回転させると、ウォームギヤ94bに噛み合うウォームホイール94aが揺動する。これにより、ウォームホイール94aに結合する昇降ロッド97がZ方向に移動、すなわち昇降する。
図15Bを参照する。図15B(a)は、部品2を基板3に挿入時の挿入ヘッド13の動作説明図である。図15B(b)は、図15(a)の部分拡大図である。
高さ検出器89は、基板3の上面を基準とした部品2の上面の高さを検出する。部品2の上面の高さは、部品2が基板3から浮いている場合の許容範囲を含んでもよい。より具体的には、プッシャ87の基板3からの高さを検出する。プッシャ87は、スリット90を有しており、高さ検出器89はこのスリット90を検出することで、プッシャ87の高さを検出する。スリット90の上下方向の幅Wは、例えば、1mmである。なお、図15Bにおいて、プッシャ87には1つのスリット90しか示されていないが、プッシャ87は複数のスリット90を有してもよい。高さ検出器89は、例えば、反射型または透過型の光電センサである。
アクチュエータ88、プッシャ87、高さ検出器89、及びピックアップ爪16は、挿入ヘッド13を上下駆動させる挿入ヘッド移動装置12により、一体的に上下方向の位置が制御部80により制御される。プッシャ87は、さらにヘッド本体部84に対して上下方向にアクチュエータ88により移動可能である。
図15B(b)に示すように、部品2が基板3に押し込まれている場合、挿入ヘッド13に固定されている高さ検出器89から出射される光の光軸89aは、スリット90を通る。部品2に浮きがなく正常に基板3に押し込まれている状態での光軸89aとスリット90の下端との間の距離が部品2の浮き許容範囲FRとなる。このようにして、高さ検出器89は、部品2の上面の高さが、部品2の高さT1と許容範囲FRとの合計高さ内にあることを検出することができる。
スリット90の幅W、部品2の高さT1、及び、部品2の浮き許容範囲FRの関係は、0<FR<Wに設計されている。すなわち、部品2の浮き許容範囲FRは、スリット90の幅Wよりも小さい。この場合、計測された部品2の高さTmの有効範囲は、
T1+FR-W<Tm<T1+FR・・・(1)式
である。
(1)式の上限値は、部品2の高さT1と浮き許容範囲FRの和であり、部品2の許容される浮き量を含めた部品2の高さの上限である。部品2の浮き量がFRまでであれば、高さ検出器89は、部品2の高さが正常な範囲であることを検出する。
(1)式の下限値は、上限値からスリット幅Wを減じた値であり、元の部品2の高さTよりも小さい値になる。すなわち、部品2の浮き量がゼロの場合も、高さ検出器89は、部品2の高さが正常な範囲であることを検出する。
本実施形態では、プッシャ87のスリット90の下端とプッシャ87の下端との距離を長さLpとすると、計測されるプッシャ87の高さTsの有効範囲は、
Lp+T1+FR-W<Ts<Lp+T1+FR・・・(2)式
である。ここで、Ts=Tm+Lpである。
(2)式の上限値から下限値までの範囲が、プッシャ87の高さの許容範囲となる。
図15Cに示すように、部品2が基板3から落下して基板3上に部品2がない場合、プッシャ87がアクチュエータ88により下端まで移動されるので、光軸89aはプッシャ87に重なる。これにより、高さ検出器89は、部品2の上面の高さが、有効範囲内にないことを検出する。
また、図15Eに示すように、部品2が基板3から許容範囲FRを超えて浮き上がっている場合、プッシャ87がアクチュエータ88の力に対抗して上方に移動されるので、光軸89aは、プッシャ87のスリット90よりも下方の部分と重なる。例えば、部品2の浮き量がFLの場合、プッシャ87のスリット90の下端からFL-FRの距離だけ下方に高さ検出器89の光軸89aが位置する。この場合も、高さ検出器89は、部品2の上面の高さが、有効範囲内にないことを検出する。
次に図11および図12を参照して、チャックユニット85の構成およびピックアップ爪16の移動について説明する。チャックユニット85は、部品2を把持する一対のピックアップ爪16を有している。ピックアップ爪16は、それぞれ別の部材を介してヘッド昇降機構86の昇降ロッド97に連結されている。昇降ロッド97の昇降によって、ピックアップ爪16は、互いに接近又は離間する。すなわち、チャックユニット85はピックアップ爪16同士の間隔を調整する間隔調整部として機能し、ピックアップ爪16の間隔が調整可能である。
図11は、昇降ロッド97が最上位に位置する状態を示している。昇降ロッド97が最上位に位置するとき、ピックアップ爪16間が最も離間する。図12に示すように、昇降ロッド97が下降すると、それに合わせて一対のローラ101が下降する。ローラ101の下降に応じて、レバー102aはレバー支持軸103aを中心として回動し、レバー102bはレバー支持軸103bを中心として回動する。レバー102aの回動によって、ローラ104aを介してスライド部105aがX1方向にスライドする。同様に、レバー102bの回動によって、ローラ104bを介してスライド部95bがX2方向にスライドする。スライド部105a、105bの移動によって、ピックアップ爪16は互いに接近するように移動する。
さらに、昇降ロッド97が最下位まで下降すると、ローラ101がさらに下降する。それに合わせてレバー102a、102bは回動し、レバー102a、102bの回動によって、スライド部105、105bがそれぞれX1,X2方向にスライドする。スライド部105a、105bの移動によって、ピックアップ爪16は互いに当接する。
ピックアップ爪16は部品2をチャック(把持)するものであり、磨耗に強い金属で形成されている。
一対のピックアップ爪16は、互いに離反する方向に予め移動した状態で、搬送シュート上の部品2に対して下降することで、部品本体部2aを両側から囲いこむ。次いで、一対のピックアップ爪16は互いに接近する方向に移動することで、部品本体部2aを挟み込む。これにより、一対のピックアップ爪16は部品2を把持した状態となる。このとき、部品2はピックアップ爪16の把持面によって挟まれた状態となる。このように、一対のピックアップ爪16は、部品2を挟み込んで把持する一対の把持部材である。
次に、図13を参照して、部品装着装置1の制御系の構成について説明する。制御部80は、判定部80aと、出力部80bと、記憶部80cとを備える。また、制御部80は、基板位置決め部11、挿入ヘッド移動装置12、保持部駆動装置17、クリンチユニット移動機構、θ駆動モータ36、間隔変更モータ38、クリンチシリンダ44、クリンチ検出部75、タッチパネル81、アクチュエータ88、および高さ検出器89とそれぞれ通信可能に接続されている。制御部80は、例えば、プロセッサ、または、FPGAで構成される。制御部80は、各移動機構、各駆動機構、各モータの駆動の制御を行う。
判定部80aは、高さ検出器89からの検出値を入力し、部品2の高さが予め定められた第1範囲および第2範囲内にあるか否かを判定する。本実施形態では、部品2の高さを直接検出する代わりに、挿入器であるプッシャ87のスリット90の高さを検出することで、プッシャ87の高さが第1範囲および第2範囲内にあるか否かを判定する。第1範囲および第2範囲は、部品2の高さを直接検出する場合は、部品2の高さと部品2の浮き上がりの許容量の高さの和であり、(1)式で定められる有効範囲内の値である。また、第1範囲および第2範囲は、プッシャ87の高さを検出する場合は、部品2の高さと部品2の浮き上がりの許容量とプッシャ87の下端からスリット90の下端までの高さの和であり、(2)式で定められる有効範囲内の値である。
出力部80bは、判定部80aによる部品2の浮き上がり認識に基づいて、部品装着が不良であることを示す不良信号を、例えば、タッチパネル81へ出力する。タッチパネル81は、部品2の浮き上がりを示す警告情報を表示するので、作業者が部品2の浮き上がりを認識することができる。判定部80aおよび出力部80bは、ハードウェアとソフトウェアとの協働により機能が発揮される。
記憶部80cは、基板3に部品2を装着するために必要な各種の装着データおよび部品データを記憶する。また、制御部80の種々の機能を実行するためのプログラムを記憶する。記憶部80cは、例えば、メモリ、ハードディスク、SSD等で構成される。
次に、図14および図15を参照して、部品2の把持および基板3への装着動作を説明する。図14は、部品を基板に挿入して装着する流れを示すフローチャートである。図15は、部品2が基板に挿入されてリード線2Lが折り曲げられるまでの動作説明図である。以下に説明する動作は、部品装着装置1の制御部80が各部材を制御することによってなされる。
ステップS1において、部品装着装置1の保持部としての挿入ヘッド13が部品2を保持する。図15A(a)に示すように、部品2を把持した状態の挿入ヘッド13の一対のピックアップ爪16は、予め作業位置に位置決めされた基板3の上方に移動する。具体的には、ピックアップ爪16を有する挿入ヘッド13がZ方向に上昇した後、XY方向を移動して基板3の上方に位置する。この位置で、挿入ヘッド13が基板3に向けて下降する。
ステップS2において、図15A(b)及び図15(B)に示すように、一対のピックアップ爪16は基板3に対して下降することで、基板3に形成された挿入孔3aにリード線2Lを挿入しつつ、部品本体部2aの下面を基板3に接触させる。また、下降する挿入ヘッド13からプッシャ87が下降することで、プッシャ87が保持された部品2を基板3へ押し付けて、基板3の挿入孔にリード線2Lを挿入する。
部品2を基板3に予め定められた圧力で押しつけるために、プッシャ87には、プッシャ装置96と接続されている空圧レギュレータから予め定められた圧力が作用されている。部品2の挿入時に部品2の下面が基板3に接触する高さよりも少し下までプッシャ87を下降させて、空圧により部品2を基板3に押しつけている。
ステップS3において、基板3の下方からアンビル部52を上昇させる。次に、一対のピックアップ爪16は互いに離反する方向に移動することで、部品2の把持を解除する。
ステップS4において、基板3からの部品2の高さを検出する。本実施形態では、高さ検出器89が、リード線2Lを挿入孔3aに挿入する挿入器としてのプッシャ87の高さを検出する(図15A(c))ことで、基板3からの部品2の高さを検出する。
ステップS5において、制御部80の判定部80aは、ステップS4で検出した挿入器であるプッシャ87の高さが予め定められた第2範囲内の値か否かを判定する。
制御部80の判定部80aは、プッシャ87の高さが第2範囲内でないと判定すると(ステップS5のNo)、部品2の基板3への挿入が失敗であったと認識し、判定結果が制御部80の出力部80bに送られる。
次に、ステップS6において、出力部80bは、この判定結果を基に、部品装着が不良であることを示す不良信号をタッチパネル81へ出力する。また、制御部80は、判定部80aの判定結果を基に、各移動機構、各駆動機構、各モータの駆動を停止させて、生産動作を停止させる。
ステップS5において制御部80の判定部80aは、プッシャ87の高さが第2範囲内であると判定すると(ステップS5のYes)、部品2の基板3への挿入が成功したと認識する。制御部80は、この判定結果を基に、クリンチユニット15を駆動し、ステップS7において、リード線2Lを折り曲げる(図15A(d))。これにより、基板3に部品2が装着される。
ステップS7において、アンビル部52がリード線2Lを折り曲げる際に、リード線2Lには上向きの力が作用するので、部品2は押し上げられる力を受ける。プッシャ87は、空圧により部品2を基板3へ押し付けているので、部品2が基板3から浮き上がるのをある程度抑制している。しかしながら、プッシャ87に作用する空圧は、押し付られる部品2が破損および変形しないように、部品2の強度に応じて調整されている。これに対して、アンビル部52は、固いリード線2Lを折り曲げることができるように、強い力で動作する必要があり、部品2を下から押し上げる作用の方が強くなる場合がある。この場合、部品2が基板3から浮いた状態でリードが折り曲げられる(図15E)。
そこで、ステップS8において、基板3からの部品2の高さを検出する。本実施形態では、高さ検出器89が挿入器であるプッシャ87の高さを検出することで、基板3からの部品2の高さを検出する。
制御部80の判定部80aは、ステップS8で検出したプッシャ87の高さが予め定められた第1範囲内であるか否かを判定する。判定部80aは、ステップS8で検出したプッシャ87の高さが予め定められた第1範囲内でないと判定すると(ステップS9のNo)、部品2が基板3から浮き上がっていると認識し(図15A(e)、図15E)、判定結果が制御部80の出力部80bに送られる。ステップS6において、出力部80bは、この判定結果を基に、部品装着が不良であることを示す不良信号をタッチパネル81へ出力する。また、制御部80は、判定部80aの判定結果を基に、各移動機構、各駆動機構、各モータの駆動を停止させて、生産動作を停止させる。
制御部80の判定部80aは、プッシャ87の高さが第1範囲内であると判定すると(ステップS9のYes)、部品2は基板3から浮き上がっていないと認識し(図15D)、ステップS10において、基板3への部品装着が成功したと認識する。制御部80は、この判定結果を基に、図15(g)に示すように挿入ヘッド13を基板3から上昇させ、また、アンビル部52を基板3から下降させる。
なお、本実施形態では、部品2が基板3への挿入が成功したかを検出するために、ステップS5を実施していたが、このステップを省略してもよい。基板挿入時の不良と、リード線2Lの折り曲げ時の不良とを、ステップS9でまとめて検出してもよい。
また、異なる高さの部品2を基板3へ装着する場合、部品2の高さに応じて制御部80が、保持部駆動装置17に挿入ヘッド13の上下方向の駆動量を制御する。図15Fを参照する。図15F(a)は、小さい高さの部品2を基板3に挿入時の挿入ヘッド13の動作説明図であり、図15F(b)大きい高さの部品2を基板3に挿入時の挿入ヘッド13の動作説明図である。
基板3へ装着する部品2の高さがT1からT2へ変化すると、高さ検出器89及びスリット90の下端の基板3からの高さがT2-T1だけ基板から上昇するように、挿入ヘッド13の基板3からの高さをT2-T1だけ高い位置へ制御部80が調整する。制御部80は、記憶部80cに記憶されている部品データを基に、挿入ヘッド13の上下方向の駆動量を決定することができる。このように、異なる高さの部品の装着であっても、1つの挿入ヘッド13でそれぞれの部品の高さを検出することができる。
本実施形態によれば、リード線2Lを有する部品2を基板3に装着する部品装着装置1であって、部品2を保持し、部品2を基板3に押し付けて、基板3の挿入孔3aにリード線2Lを挿入する挿入ヘッド13と、基板3に挿入されたリード線2Lを折り曲げるアンビル部52と、を備える。部品装着装置1は、基板3からの部品2の高さを検出する高さ検出器89と、リード線2Lが折り曲げられた後の基板3からの部品2の第1高さが、予め定められた第1範囲内の値であるか否かを判定する判定部80aを有する制御部80と、第1高さが第1範囲内の値でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する出力部80bと、を備える。挿入ヘッド13は、部品2を保持するピックアップ爪16と、部品2を基板3に押し付けるプッシャ87と、を有する。
これらの構成により、リード線2Lの折り曲げによる基板3からの部品2の浮き上がりを検出することができ、作業者が装着不良の部品を除去することができるので、装着不良の基板の生産を低減させた部品装着装置を提供することができる。
また、判定部80aは、リード線2Lの挿入後、かつリード線2Lの折り曲げ前に検出された基板3からの部品2の第2高さが、予め定められた第2範囲内の値であるか否かを判定し、制御部80は、第2高さが第2範囲内の値である場合に、リード線2Lを折り曲げるようにアンビル部52を制御してもよい。
これにより、部品2が基板3に正常に挿入されたか否かを認識することができ、部品2が正常に挿入されなかった場合、リード線2Lを折り曲げる前に、作業者は正常に挿入されなかった部品2を除去することができる。
また、第1高さを基に部品2のリード線2Lが正常に折り曲げられたか否かを判定する代わりに、本実施形態の変形例として、第1高さと第2高さとの差分を基に、リード線2Lが正常に折り曲げられたか否かを判定してもよい。この場合、部品装着方法は、第1高さと第2高さとの差分を算出する算出ステップと、差分が予め定められた値以下であるか否かを判定する判定ステップと、差分が予め定められた値以下でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する出力ステップと、を備える。また、制御部80は、第1高さと第2高さとの差分を算出する算出部をさらに備える。
図16を参照して説明する。図16は、変形例における部品2を基板3に挿入して装着する流れを示すフローチャートである。ステップS1からステップS4は共通であるので、説明を省略する。ステップS4においてプッシャ87の高さを検出した後に、ステップS7においてリード線2Lの折り曲げを行う。次に、ステップS8において、プッシャ87の第1高さを検出する。次に、ステップS11では、制御部80の算出部が第1高さと第2高さとの差分を算出する。
ステップS12において、判定部80aは、差分値が予め定められた値以下か否かを判定する。判定部80aは、差分値が予め定められた値以下であると判定すると(ステップS12のYes)、ステップS9において部品装着が成功と認識し、部品装着の動作を終了する。また、ステップS12において、判定部80aは、差分値が予め定められた値より大きいと判定すると(ステップS12のNo)、この判定結果を基に、ステップS6において、出力部80bは、部品装着が不良であることを示す信号をタッチパネル81へ出力する。また、制御部80は、判定部80aの判定結果を基に、各移動機構、各駆動機構、各モータの駆動を停止させて、生産動作を停止させる。
このように、第1高さと第2高さとの差分値を算出し、差分値を予め定められた値と比較することで、部品2が基板3から浮き上がっているか否かを判定することができる。
(第2実施形態)
以下に、本開示の第2実施形態における部品装着装置1Aを説明する。第1実施形態の挿入ヘッド13は、ピックアップ爪16を用いて部品2を保持し、プッシャ87を用いて部品2を基板3に押し付けていた。これに対して、本実施形態の挿入ヘッド13Aは、吸着ノズル111で部品2を吸着することで部品2を保持し、吸着ノズル111が下降することで部品2を基板3に押し付ける。本実施形態の部品装着装置1Aにおいて、この点および以下に説明する点以外の構成は、第1実施形態の部品装着装置1と共通であるので、説明を省略する。
図14および図17を参照する。図17は、本実施形態における、部品2が基板3に挿入されてリード線2Lが折り曲げられるまでの動作説明図である。
ステップS1において、部品装着装置1の保持部としての挿入ヘッド13Aが部品2を保持する。図17(a)に示すように、部品2を吸着した状態の挿入ヘッド13Aは、予め作業位置に位置決めされた基板3の上方に移動する。具体的には、吸着ノズル111を有する挿入ヘッド13AがZ方向に上昇した後、XY方向を移動して基板3の上方に位置する。この位置で、挿入ヘッド13Aが基板3に向けて下降する。次に、図17(b)に示すように、吸着ノズル111が基板3に対して下降することで、基板3に形成された挿入孔3aにリード線2Lを挿入しつつ、部品本体部2aの下面を基板3に接触させる。吸着ノズル111は、プッシャ87と同様にアクチュエータにより上下方向に駆動される。
ステップS2において、下降する挿入ヘッド13Aから吸着ノズル111がさらに下降することで、吸着ノズル111が保持された部品2を基板3へ押し付けて、基板3の挿入孔3aにリード線2Lを挿入する。
部品2を基板3に予め定められた圧力で押しつけるために、吸着ノズル111には、例えば、空圧レギュレータで予め定められた圧力を作用させている。部品2の挿入時に部品2の下面が基板3に接触する高さよりも少し下まで吸着ノズル111を下降させて、空圧により部品2を基板3に押しつけている。
ステップS3において、基板3の下方からアンビル部52を上昇させる。
ステップS4において、第1実施形態のプッシャ87の代わりに挿入器として吸着ノズル111の高さを検出する(図17(c))。本実施形態では、吸着ノズル111にはスリット90が形成されており、高さ検出器89が吸着ノズル111の高さを検出することで基板3からの部品2の高さを検出する。スリット90は、基板3から予め定められた第2高さおよび第1高さの位置に形成されているので、スリット90を検出することで、部品2が所定の高さにあるか否かを判定することができる。
ステップS5において、制御部80の判定部80aは、挿入器としての吸着ノズル111の高さが第2範囲内の値か否かを判定する。
制御部80の判定部80aは、吸着ノズル111の高さが第2範囲内でないと判定すると(ステップS5のNo)、部品2の基板3への挿入が失敗であったと認識し、判定結果が制御部80の出力部80bに送られる。ステップS6において、出力部80bは、この判定結果を基に、部品装着が不良であることを示す不良信号をタッチパネル81へ出力する。また、制御部80は、判定部80aの判定結果を基に、各移動機構、各駆動機構、各モータの駆動を停止させて、生産動作を停止させる。
制御部80の判定部80aは、挿入器としての吸着ノズル111の高さが第2範囲内であると判定すると(ステップS5のYes)、部品2の基板3への挿入が成功したと認識する。制御部80は、この判定結果を基に、クリンチを駆動し、ステップS7において、リード線2Lを折り曲げる(図17(d))。これにより、基板3に部品2が装着される。
ステップS7において、アンビル部52がリード線2Lを折り曲げる際に、リード線2Lには上向きの力が作用するので、部品2は押し上げられる力を受ける。吸着ノズル111は、空圧により部品2を基板3へ押し付けているので、部品2が基板3から浮き上がるのをある程度抑制している。しかしながら、吸着ノズル111に作用する空圧は、押し付られる部品2が破損および変形しないように、部品2の強度に応じて調整されている。これに対して、アンビル部52は、部品2を下から押し上げる作用の方が強くなる場合があり、この場合、部品2が基板3から浮いた状態でリード線2Lが折り曲げられる。
そこで、ステップS8において、挿入器としての吸着ノズル111の高さを検出する。本実施形態では、高さ検出器89が吸着ノズル111の高さを検出することで基板3からの部品2の高さを検出する。
制御部80の判定部80aは、挿入器としての吸着ノズル111の高さが第1範囲内でないと判定すると(ステップS8のNo)、部品2が基板3から浮き上がっていると認識し(図15(e))、判定結果が制御部80の出力部80bに送られる。ステップS6において、出力部80bは、この判定結果を基に、部品装着が不良であることを示す不良信号をタッチパネル81へ出力する。また、制御部80は、判定部80aの判定結果を基に、各移動機構、各駆動機構、各モータの駆動を停止させて、生産動作を停止させる。
制御部80の判定部80aは、吸着ノズル111の高さが第1範囲内であると判定すると(ステップS8のYes)、部品2は基板3から浮き上がっていないと認識し、基板3への部品装着が成功したと認識する。制御部80は、この判定結果を基に、図17(g)に示すように挿入ヘッド13を基板3から上昇させ、また、アンビル部52を基板3から下降させる。
なお、本実施形態では、部品2が基板3への挿入が成功したかを検出するために、ステップS5を実施していたが、このステップを省略してもよい。基板挿入時の不良と、リード線2Lの折り曲げ時の不良とを、ステップS9でまとめて検出してもよい。
本実施形態によれば、リード線2Lを有する部品2を基板3に装着する部品装着装置1Aであって、部品2を保持し、部品2を基板3に押し付けて、基板3の挿入孔3aにリード線2Lを挿入する挿入ヘッド13Aと、基板3に挿入されたリード線2Lを折り曲げるアンビル部52と、を備える。部品装着装置1Aは、基板3からの吸着ノズル111の高さを検出する高さ検出器89と、リード線2Lが折り曲げられた後の基板3からの吸着ノズル111の第1高さが、予め定められた第1範囲内の値であるか否かを判定する判定部80aを有する制御部80と、第1高さが第1範囲内の値でない場合、部品装着不良であることを示す信号を出力する出力部80bと、を備える。
これらの構成により、リード線2Lの折り曲げによる基板3からの部品2の浮き上がりを検出することができ、作業者が装着不良の部品を除去することができるので、装着不良の基板の生産を低減させた部品装着装置を提供することができる。
また、判定部80aは、リード線2Lの挿入後、かつリード線2Lの折り曲げ前に検出された基板3からの部品2の第2高さが、予め定められた第2範囲内の値であるか否かを判定し、制御部80は、第2高さが第2範囲内の値である場合に、リード線2Lを折り曲げるようにアンビル部52を制御する。
これにより、部品2が基板3に正常に挿入されたか否かを認識することができ、部品2が正常に挿入されなかった場合、リード線2Lを折り曲げる前に、作業者は正常に挿入されなかった部品2を除去することができる。
また、本実施形態においても第1実施形態の変形例と同様の構成を変形例として実現可能である。
(第3実施形態)
以下に、本開示の第3実施形態における部品装着装置1Bを説明する。第1実施形態の挿入ヘッド13は、ピックアップ爪16を用いて部品2を基板3へ搬送していたが、本実施形態の挿入ヘッド13Bは、スイングノズル121で部品2を吸着しながら部品2を基板3に搬送する。本実施形態の部品装着装置1Bにおいて、以下に説明する点以外の構成は、第1実施形態の部品装着装置1と共通であるので、説明を省略する。
図18を参照する。図18は、本実施形態における、部品2が基板3に挿入されてリード線2Lが折り曲げられるまでの動作説明図である。
ステップS1(図14)において、部品装着装置1の保持部としての挿入ヘッド13Bが部品2を保持する。図18(a)に示すように、部品2を把持した状態の挿入ヘッド13Bのスイングノズル121は、予め作業位置に位置決めされた基板3の上方に移動する。具体的には、スイングノズル121を有する挿入ヘッド13がZ方向に上昇した後、XY方向を移動して基板3の上方に位置する。この位置で、挿入ヘッド13が基板3に向けて下降する。次いで図18(b)に示すように、スイングノズル121は基板3に対して下降することで、基板3に形成された挿入孔3aにリード線2Lを挿入しつつ、部品本体部2aの下面を基板3に接触させる。
ステップS2において、下降する挿入ヘッド13からプッシャ87が下降することで、プッシャ87が保持された部品2を基板3へ押し付けて(図18(b))、基板3の挿入孔にリード線2Lを挿入する。
部品2を基板3に予め定められた圧力で押しつけるために、プッシャ87には、空圧レギュレータで予め定められた圧力を作用させている。部品2の挿入時に部品2の下面が基板3に接触する高さよりも少し下までプッシャ87を下降させて、空圧により部品2を基板3に押しつけている。
ステップS3において、基板3の下方からアンビル部52を上昇させる。
ステップS4において、基板3からの部品2の高さを検出する。本実施形態では、高さ検出器89が挿入器としてのプッシャ87の高さを検出する(図18(c))ことで、基板3からの部品2の高さを検出する。
ステップS5において、制御部80の判定部80aは、ステップS4で検出したプッシャ87の高さが第2範囲内の値か否かを判定する。
制御部80の判定部80aは、プッシャ87の高さが第2範囲内でないと判定すると(ステップS5のNo)、部品2の基板3への挿入が失敗であったと認識し、判定結果が制御部80の出力部80bに送られる。ステップS6において、出力部80bは、この判定結果を基に、部品装着が不良であることを示す不良信号をタッチパネル81へ出力する。また、制御部80は、判定部80aの判定結果を基に、各移動機構、各駆動機構、各モータの駆動を停止させて、生産動作を停止させる。
制御部80の判定部80aは、プッシャ87の高さが第2範囲内であると判定すると(ステップS5のYes)、部品2の基板3への挿入が成功したと認識する。制御部80は、この判定結果を基に、クリンチを駆動し、ステップS7において、リード線2Lを折り曲げる(図18(d))。これにより、基板3に部品2が装着される。
ステップS7、S8については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。制御部80は、部品2は基板3から浮き上がっていないと認識すると、図18(g)に示すように挿入ヘッド13を基板3から上昇させ、また、アンビル部52を基板3から下降させる。
本実施形態によれば、リード線2Lの折り曲げによる基板3からの部品2の浮き上がりを検出することができ、作業者が装着不良の部品を除去することができるので、装着不良の基板の生産を低減させた部品装着装置を提供することができる。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
(1)上記各実施形態において、高さ検出器89は、プッシャ87または吸着ノズル111の高さを検出していたがこれに限らない。高さ検出器89として光電センサを用いる代わりに、レーザ検出器を用いてもよい。レーザ検出器により挿入ヘッド13から部品2の表面までの距離を直接検出することで、基板3からの部品2の高さを検出してもよい。また、挿入ヘッド移動装置12のモータのエンコーダによるモータ変位を用いてもよい。
(2)上記各実施形態において、ステップS4およびステップS8で部品2の高さを検出していたがこれに限らない。リード折り曲げ動作の間、継続的に部品2の高さを検出し続けてもよい。
(3)上記各実施形態において、第1範囲と第2範囲とは、同じ範囲でもよいし、異なる範囲でもよい。第1範囲と第2範囲とが異なる範囲の場合、それぞれ、部品2の浮き上がりの許容量が異なり、例えば、第1範囲を第2範囲よりも大きくしてもよい。リード線2Lの折り曲げを行うと、アンビル部52と基板3の間に挟まれたリード線2Lにより、基板3が少し上方へ持ち上げられる。また、リード線2Lを折り曲げるためのアンビル部52の第2爪55aが斜め上方に動く構造の場合、第2爪55aによっても基板3が少し上方へ持ち上げられる。したがって、リード線2Lの折り曲げ前の第2高さに対して、リード線2Lの折り曲げ後の第1高さを、リード線2Lの太さと第2爪55aの上昇分だけ上にずらすことで、より正確に部品2の浮きを判定することができる。
(4)リード線2Lを折り曲げた後だけに部品の高さ判定を実施する第1モードと、リード線2Lの折り曲げ前後にそれぞれ実施する第2モードとを作業者が選択できる構成でもよい。作業者は、タッチパネル81により、第1モードと第2モードとのどちらのモードを実施するかを制御部80に指示することができる。
なお、前記様々な実施形態および変形例のうちの任意の実施形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。