JP7415868B2 - 圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置に関する。
ピストンで空気を圧縮加熱した燃焼室内に燃料を噴射して自己着火させて燃焼させる圧縮自己着火式の内燃機関(例えば一般的なディーゼルエンジン)では、火花点火式の内燃機関(例えば一般的なガソリンエンジンであり、空気と燃料が混合された燃焼室内で点火プラグのスパークにて着火させて燃焼させる内燃機関)と比較して燃焼時の騒音が大きく、燃焼騒音の低減が望まれている。
圧縮自己着火式の内燃機関では、1回の燃焼行程に対して、主となるメイン噴射と、メイン噴射の前段噴射となる単数または複数のパイロット噴射とが実行される。なお以降では、特に記載が無ければ、メイン噴射の前に噴射されるパイロット噴射とプレ噴射を区別せず、メイン噴射の前に噴射されるパイロット噴射とプレ噴射をまとめて「パイロット噴射」と呼ぶ。
燃焼騒音は、シリンダ内に噴射された燃料が燃焼(着火)したエネルギーによって、燃焼室やボアの空間で半径方向の圧力脈動が繰り返される燃焼室・ボア共鳴がエンジン表面から放射されて発生する。燃焼室・ボア共鳴の共鳴周波数は、燃焼室の直径、ボアの直径、燃焼ガス温度、酸素濃度等によって決定され、一般的な車両の内燃機関の場合、4~5[KHz]程度の比較的高い周波数である。
例えば特許文献1に記載の燃料噴射制御装置では、各気筒に燃焼音センサを設け、各燃焼音センサからの信号を、ゲート回路と高速AD変換器を介してAD変換した後、ECUにてFFT処理を行って各周波数成分の音圧レベルを算出する構成を有している。そしてパイロット噴射を実行した場合の音圧と、パイロット噴射を実行しなかった場合の音圧との差が極大となる共鳴周波数成分を抽出し、共鳴周波数を相殺するようにパイロット噴射の時期と噴射量を制御して、ユーザが体感する燃焼騒音を抑制している。
また例えば特許文献2に記載の内燃機関の制御装置では、燃焼時に筒内で径方向に共鳴する共鳴周波数を算出し、共鳴周波数に基づいて、ピストンが上死点近傍にある時点で燃焼を発生させるか、ピストンが上死点よりもある程度下方に移動した時点で燃焼を発生させるか、燃焼時期を切り替えることで、ユーザが体感する燃焼騒音を抑制している。
特開2001-234800号公報 特開2019-60264号公報
特許文献1に記載の燃料噴射制御装置では、パイロット噴射の噴射時期(噴射タイミング)を調整することにより、人に聞こえやすい特定周波数帯の音圧を相殺して低減している。しかし、この手法は、共鳴周波数の音圧そのものを低減しているのではなく、人に聞こえやすい特定周波数帯から共鳴周波数をスライドさせるものであり、特定周波数帯の周囲ではスライドされた共鳴周波数により音圧が増幅され、新たな問題が発生する可能性がある。また、共鳴周波数のスライドを重視してパイロット噴射の噴射時期と噴射量を比較的大きく変更するので、排気ガス中の有害成分の発生量や燃費への影響が大きくなる可能性が考えられる。
また特許文献2に記載の制御装置は、パイロット噴射の噴射時期及び噴射量の大きな変更は行っていないが、共鳴周波数に基づいて、EGR率の調整、吸気温度の調整、メイン噴射の噴射時期の調整等を行うことで、燃焼時期を切り替えている。そして特許文献2に記載の制御装置は、特許文献1に記載の燃料噴射制御装置と同様、共鳴周波数の音圧そのものを低減しているのではなく、人に聞こえやすい特定周波数帯から共鳴周波数をスライドさせるものであり、特定周波数帯の周囲ではスライドされた共鳴周波数により音圧が増幅され、新たな問題が発生する可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、圧縮自己着火式の内燃機関にて発生する燃焼騒音の共鳴周波数を特定周波数帯からスライドさせるのではなく、共鳴周波数の音圧そのものを低減させて燃焼騒音を抑制することができる、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、気筒ごとに設けられたインジェクタを用いて、1回の燃焼行程に対して、主となる燃料噴射であるメイン噴射と、前記メイン噴射の前段噴射となる単数または複数の燃料噴射であるパイロット噴射と、を実行する、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置である。前記内燃機関を含む内燃機関システムには、前記内燃機関の回転数、吸気流量、過給圧、吸気温度を含むそれぞれの状態を検出するそれぞれの検出手段が設けられており、前記制御装置は、それぞれの前記検出手段を用いて前記状態を検出し、前記状態と、前記状態に基づいて求めたEGR率と燃料噴射量を含む運転状態を取得する。前記制御装置には、前記インジェクタの開弁時間に対応する燃料噴射率を示す燃料噴射率特性が記憶されている。そして前記制御装置は、前記内燃機関の前記運転状態と、前記運転状態に基づいた筒内温度、酸素分圧、燃料分圧を含む筒内状態量に基づいて、前記メイン噴射の開始時点から前記メイン噴射に対応する燃焼であるメイン燃焼の開始時点までの時間であるメイン着火遅れ時間を推定する、メイン着火遅れ時間推定部と、前記燃料噴射率特性と、前記メイン着火遅れ時間とに基づいて、前記メイン着火遅れ時間の期間に噴射される前記メイン噴射の燃料量である推定予混合メイン燃料量を算出する、推定予混合メイン燃料量算出部と、前記内燃機関の回転数と、前記燃料噴射量または前記内燃機関の負荷とに応じて目標予混合メイン燃料量が設定されたマップを用いて、前記メイン噴射の目標予混合メイン燃料量を設定する、目標予混合メイン燃料量設定部と、前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量を超えている場合、前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量以下となるように前記推定予混合メイン燃料量の変更を可能とする予混合メイン燃料量可変機器を制御する、予混合メイン燃料量調整部と、を有する、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、前記予混合メイン燃料量可変機器は、前記燃料噴射率を変更可能な燃料噴射率可変機器であり、前記制御装置は、前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量を超えている場合に前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量以下となるように前記予混合メイン燃料量可変機器を制御する際、前記燃料噴射率を低減するように前記燃料噴射率可変機器を制御する、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、前記インジェクタに供給される燃料の圧力である燃料圧力は、前記燃料噴射率可変機器の1つである燃料圧力調整装置によって変更可能であり、前記制御装置は、前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記燃料噴射率を低減するように前記予混合メイン燃料量可変機器を制御する際、前記燃料圧力調整装置を用いて前記インジェクタに供給される燃料の圧力を低減する、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置である。
次に、本発明の第4の発明は、上記第2の発明または第3の発明に係る圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、前記インジェクタは、前記燃料噴射率可変機器の1つであり、前記燃料噴射率を可変とする燃料噴射率可変機構を有しており、前記制御装置は、前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記燃料噴射率を低減するように前記予混合メイン燃料量可変機器を制御する際、前記燃料噴射率可変機構を用いて前記インジェクタの前記燃料噴射率を低減する、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置である。
次に、本発明の第5の発明は、上記第2の発明~第4の発明のいずれか1つに係る圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、前記予混合メイン燃料量可変機器には、さらに、前記メイン着火遅れ時間を変更可能なメイン着火遅れ時間可変機器がある。そして前記制御装置は、前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量を超えている場合に前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量以下となるように前記予混合メイン燃料量可変機器を制御する際、さらに、前記メイン着火遅れ時間が短くなるように前記メイン着火遅れ時間可変機器を制御する、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置である。
次に、本発明の第6の発明は、上記第5の発明に係る圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関を有する内燃機関システムは、過給機によって過給された吸気を冷却するインタークーラへの冷却用流体を調整するインタークーラ温度調整装置と、前記過給機による過給圧を調整する過給圧調整装置と、前記内燃機関の排気ガスの一部を吸気に戻すEGR配管の開度を調整するEGR弁と、前記インジェクタと、の少なくとも1つを有しており、前記インタークーラ温度調整装置と、前記過給圧調整装置と、前記EGR弁のそれぞれは、前記メイン着火遅れ時間可変機器であり、前記インジェクタは、前記燃料噴射率可変機器と前記メイン着火遅れ時間可変機器とを兼用可能である。そして前記制御装置は、前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記メイン着火遅れ時間が短くなるように前記メイン着火遅れ時間可変機器を制御する際、前記インタークーラ温度調整装置による前記冷却用流体の流量の低減、前記過給圧調整装置による過給圧の増加、前記EGR弁によるEGRガス流量の低減、前記インジェクタを用いた前記パイロット噴射の噴射量の増加、の少なくとも1つを実行する、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置である。
発明者は、1回の燃焼行程に対して主となるメイン噴射と、メイン噴射の前段噴射となるパイロット噴射とを実行する圧縮自己着火式の内燃機関において、種々の燃焼解析手法を用い、メイン噴射の噴射開始時点から、メイン噴射に対応するメイン燃焼の開始時点までのメイン着火遅れ時間の期間に筒内に噴射されてまだ燃焼していない燃料量である予混合燃料量が燃焼騒音に大きく影響していることを見いだした。発明者は、内燃機関の運転状態に応じた予混合燃料量閾値が存在し、実際の予混合燃料量が、その時点の運転状態に対応する予混合燃料量閾値を超えると、メイン燃焼の発生時の燃焼熱(または燃焼圧力)の上昇率が過大となり、燃焼騒音が増大することを見いだした。これにより発明者は、運転状態に応じた目標予混合燃料量を設定し、当該目標予混合燃料量を超えないように(予混合燃料量閾値を超えないように)メイン噴射を制御することで、メイン燃焼の発生時の燃焼熱(または燃焼圧力)の上昇率を緩やかにして、燃焼騒音の共鳴周波数の音圧そのものを低減させて燃焼騒音を抑制することができることを見いだした。
また、(推定)予混合燃料量は、メイン噴射の開始時点からメイン噴射に対応するメイン燃焼の開始時点までのメイン着火遅れ時間と、インジェクタの開弁時間に応じた燃料噴射率である燃料噴射率特性とで決定される。(推定)予混合燃料量を目標予混合燃料量以下となるように低減するためには、燃料噴射率を低減するか、メイン着火遅れ時間を短くすればよい。またメイン着火遅れ時間は、メイン噴射の開始時点の筒内温度や筒内酸素濃度に応じて変化する。
第1の発明によれば、制御装置は、予混合燃料量調整部を有し、予混合燃料量可変機器を制御することで、目標予混合燃料量以下となるように推定予混合燃料量を変更する。これにより、燃焼騒音の共鳴周波数を特定周波数帯からスライドさせるのではなく、共鳴周波数の音圧そのものを低減させて燃焼騒音を抑制することができる。
第2の発明によれば、燃料噴射率可変機器を制御して燃料噴射率を低減することで、推定予混合燃料量を目標予混合燃料量以下とする。これにより、燃焼騒音の共鳴周波数を特定周波数帯からスライドさせるのではなく、共鳴周波数の音圧そのものを低減させて燃焼騒音を抑制することができる。
第3の発明によれば、インジェクタに供給される燃料の圧力を低減することで、燃料噴射率を適切に低減させることができる。
第4の発明によれば、燃料噴射率可変機構を有するインジェクタを制御することで、燃料噴射率を適切に低減させることができる。
第5の発明によれば、さらに、メイン着火遅れ時間可変機器を制御してメイン着火遅れ時間を短くすることで、推定予混合燃料量を目標予混合燃料量以下とする。これにより、燃焼騒音の共鳴周波数を特定周波数帯からスライドさせるのではなく、共鳴周波数の音圧そのものを低減させて燃焼騒音を抑制することができる。
第6の発明によれば、さらに、筒内温度を上昇または筒内酸素濃度を上昇させて、適切にメイン着火遅れ時間を短くすることができる。
圧縮自己着火式の内燃機関システム全体の概略構成の例を説明する図である。 メイン噴射の際のインジェクタへの通電、燃料噴射率、熱発生率(筒内熱1階微分)、筒内熱2階微分の例を説明する図である。 第1及び第2の実施の形態における制御装置の[全体処理]の処理手順の例を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態において図3に示すフローチャートの[推定予混合燃料量を算出]の詳細を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態において図3に示すフローチャートの[推定予混合燃料量を調整]の詳細を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態において図3に示すフローチャートの[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期を設定]の詳細を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態における燃料ポンプ制御の概略を説明するフローチャートである。 本実施に形態による燃焼騒音の低減効果の例を説明する図である。 第2の実施の形態において図3に示すフローチャートの[推定予混合燃料量を算出]の詳細を説明する図である。 燃料噴射率特性の噴射率パターンの例を説明する図である。 第2の実施の形態において図3に示すフローチャートの[推定予混合燃料量の調整]の詳細を説明する図である。 第2の実施の形態における燃料ポンプ制御の概略を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態における制御装置の[全体処理]の処理手順の例を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態において図13に示すフローチャートの[推定予混合燃料量を調整]の詳細を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態において図13に示すフローチャートの[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期を設定]の詳細を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態における燃料ポンプ制御の概略を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態におけるクーラントポンプ制御の概略を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態における過給圧制御の概略を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態におけるEGR弁制御の概略を説明するフローチャートである。
[内燃機関システム1の概略構成の例(図1)]
以下に本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。まず図1を用いて、内燃機関システム1の概略構成の例について説明する。本実施の形態の説明では、圧縮自己着火式の内燃機関の例として、車両に搭載された内燃機関10(例えばディーゼルエンジン)を用いて説明する。以降、内燃機関10は、圧縮自己着火式の内燃機関を指す。また以降の説明において「推定予混合燃料量」は「推定予混合メイン燃料量」に相当し、「推定予混合燃料算出部」は「推定予混合メイン燃料量算出部」に相当し、「目標予混合燃料量」は「目標予混合メイン燃料量」に相当し、「目標予混合燃料量設定部」は「目標予混合メイン燃料量設定部」に相当し、「予混合燃料量可変機器」は「予混合メイン燃料量可変機器」に相当し、「予混合燃料量調整部」は「予混合メイン燃料量調整部」に相当している。
以下、システム全体について、吸気側から排気側に向かって順に説明する。吸気管11Aの流入側には、エアクリーナ(図示省略)、吸気流量検出手段21(例えば、吸気流量センサ)が設けられている。吸気流量検出手段21は、内燃機関10が吸入した空気の流量に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また吸気流量検出手段21には、吸気温度検出手段28A(例えば、吸気温度センサ)、大気圧検出手段23(例えば、大気圧センサ)が設けられている。吸気温度検出手段28Aは、吸気流量検出手段21を通過する吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。大気圧検出手段23は、周囲の大気圧に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
吸気管11Aの流出側はコンプレッサ35の流入側に接続され、コンプレッサ35の流出側は吸気管11Bの流入側に接続されている。ターボ過給機30(過給機に相当)のコンプレッサ35は、排気ガスのエネルギーによって回転駆動されるタービン36にて回転駆動され、吸気管11Aから流入された吸気を吸気管11Bに圧送することで過給する。
コンプレッサ35の上流側となる吸気管11Aには、コンプレッサ上流圧力検出手段24A(例えば圧力センサ)が設けられている。コンプレッサ上流圧力検出手段24Aは、吸気管11A内の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。コンプレッサ35の下流側となる吸気管11B(吸気管11Bにおけるコンプレッサ35とインタークーラ16との間の位置)には、コンプレッサ下流圧力検出手段24B(例えば圧力センサ)が設けられている。コンプレッサ下流圧力検出手段24Bは、吸気管11B内の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
吸気管11Bには、上流側にインタークーラ16が配置され、インタークーラ16よりも下流側にスロットル装置47が配置されている。インタークーラ16は、コンプレッサ下流圧力検出手段24Bよりも下流側に配置されている。インタークーラ16とスロットル装置47との間には、吸気温度検出手段28B(例えば、吸気温度センサ)が設けられている。吸気温度検出手段28Bは、インタークーラ16にて温度が低下された吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
インタークーラ16は、配管を介してインタークーラ用ラジエータ16Aに接続されており、配管にはクーラントポンプ16Bが設けられている。制御装置50は、クーラントポンプ16B(インタークーラ温度調整装置)からのクーラントの吐出量を制御してインタークーラ用ラジエータ16Aとインタークーラ16との間でクーラント(冷却用流体)を循環させ、吸気温度を調整可能である。
スロットル装置47は、制御装置50からの制御信号に基づいて吸気管11Bの開度を調整するスロットルバルブ47Vを駆動し、吸気流量を調整可能である。制御装置50は、スロットル開度検出手段47S(例えば、スロットル開度センサ)からの検出信号と目標スロットル開度に基づいて、スロットル装置47に制御信号を出力してスロットルバルブ47Vの開度を調整可能である。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出手段25からの検出信号に基づいて検出したアクセルペダルの踏込量と内燃機関10の運転状態等に基づいて目標スロットル開度を求める。
アクセルペダル踏込量検出手段25は、例えばアクセルペダル踏込角度センサであり、アクセルペダルに設けられている。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出手段25からの検出信号に基づいて、運転者によるアクセルペダルの踏込量を検出することが可能である。
吸気管11Bの流出側は吸気マニホルド11Cの流入側に接続されており、吸気マニホルド11Cの流出側は内燃機関10の流入側に接続されている。また吸気管11Bにおけるスロットル装置47よりも下流側には(吸気マニホルド11Cには)、吸気マニホルド圧力検出手段24C(例えば圧力センサ)が設けられており、EGR配管13の流出側が接続されている。吸気マニホルド圧力検出手段24Cは、吸気マニホルド11Cに流入する直前の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。またEGR配管13の流出側(吸気管11Bとの接続部)からは、EGR配管13の流入側(排気管12Bとの接続部)から流入してきたEGRガスが、吸気管11B内に吐出される。
内燃機関10は複数のシリンダ45A~45D(気筒)を有しており、インジェクタ43A~43Dが、それぞれのシリンダに設けられている。インジェクタ43A~43Dには、コモンレール41と燃料配管42A~42Dを介して燃料が供給されており、インジェクタ43A~43Dは、制御装置50からの制御信号によって駆動され、それぞれのシリンダ45A~45D内に燃料を噴射する。コモンレール41には、燃料圧力検出手段73が設けられており、燃料ポンプ72によって目標燃料圧力に調整された燃料が充填されている。制御装置50は、燃料圧力検出手段73を用いて検出した燃料圧力が目標燃料圧力に近づくように燃料ポンプ72を制御する。
内燃機関10には、クランク角度検出手段22A、カム角度検出手段22B、クーラント温度検出手段28C等が設けられている。クランク角度検出手段22Aは、例えば回転センサであり、内燃機関10のクランクシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。カム角度検出手段22Bは、例えば回転センサであり、内燃機関10のカムシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。制御装置50は、クランク角度検出手段22Aとカム角度検出手段22Bからの検出信号に基づいて、各シリンダの行程及び回転角度等を検出することができる。またクーラント温度検出手段28Cは、例えば温度センサであり、内燃機関10内に循環されている冷却用クーラントの温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
内燃機関10の排気側には排気マニホルド12Aの流入側が接続され、排気マニホルド12Aの流出側には排気管12Bの流入側が接続されている。排気管12Bの流出側はタービン36の流入側に接続され、タービン36の流出側は排気管12Cの流入側に接続されている。
排気管12Bには、EGR配管13の流入側が接続されている。EGR配管13は、排気管12Bと吸気管11Bとを連通し、排気管12Bの排気ガスの一部を吸気管11Bに還流させる(排気ガスの一部を吸気に戻す)ことが可能である。またEGR配管13には、EGRクーラ15、EGR弁14が設けられている。制御装置50は、EGR弁14の開度を調整することで、EGR配管13内を流れるEGRガスの流量を調整可能である。
排気管12Bには、排気温度検出手段29が設けられている。排気温度検出手段29は、例えば排気温度センサであり、排気温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Bの流出側はタービン36の流入側に接続され、タービン36の流出側は排気管12Cの流入側に接続されている。タービン36には、タービン36へ導く排気ガスの流速を制御可能な(タービンへと排気ガスを導く流路の開度を調整可能な)可変ノズル33が設けられており、可変ノズル33(過給圧調整装置)は、ノズル駆動手段31によって開度が調整される。制御装置50は、ノズル開度検出手段32(例えば、ノズル開度センサ)からの検出信号と目標ノズル開度に基づいて、ノズル駆動手段31に制御信号を出力して可変ノズル33の開度を調整可能である。
タービン36の上流側となる排気管12Bには、タービン上流圧力検出手段26A(例えば圧力センサ)が設けられている。タービン上流圧力検出手段26Aは、排気管12B内の排気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。タービン36の下流側となる排気管12Cには、タービン下流圧力検出手段26B(例えば圧力センサ)が設けられている。タービン下流圧力検出手段26Bは、排気管12C内の排気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Cの流出側には排気浄化装置61が接続されている。例えば内燃機関10がディーゼルエンジンの場合、排気浄化装置61には、酸化触媒、微粒子捕集フィルタ、選択式還元触媒等が含まれている。
車速検出手段27は、例えば車両速度検出センサであり、車両の車輪等に設けられている。車速検出手段27は、車両の車輪の回転速度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
制御装置50は、CPU51、RAM52、記憶装置53、タイマ54等を有している。制御装置50(CPU51)には、上述した種々の検出手段からの検出信号が入力され制御装置50(CPU51)は、上述した種々のアクチュエータへの制御信号を出力する。なお、制御装置50の入出力は、上記の検出手段やアクチュエータに限定されるものではない。また、各部の温度や圧力等はセンサを搭載せずに推定計算により算出しても良い。制御装置50は、上記の検出手段を含めた各種の検出手段からの検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を検出し、上記のアクチュエータを含む各種のアクチュエータを制御する。記憶装置53は、例えばFlash-ROM等の記憶装置であり、内燃機関の制御や自己診断等を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されている。また制御装置50(CPU51)は、メイン着火遅れ時間推定部51A、推定予混合燃料量算出部51B、目標予混合燃料量設定部51C、予混合燃料量調整部51D等を有しているが、これらの詳細については後述する。
制御装置50は、内燃機関10の運転状態に基づいて、1回の燃焼行程に対して、主となる燃料噴射であるメイン噴射と、メイン噴射の前段噴射となる単数または複数の燃料噴射であるパイロット噴射とを、空気を圧縮加熱した筒内に噴射する。なお本実施の形態の説明では、1回の燃焼行程においてメイン噴射よりも前の噴射を、すべてまとめて「パイロット噴射」と呼ぶ。またパイロット噴射の数及び噴射量、メイン噴射の噴射量等は、1回の燃焼行程での総燃料噴射量と内燃機関の運転状態等に基づいて適宜算出される。
なお、インジェクタ43A~43Dは、予混合燃料量可変機器に相当しており、燃料噴射率を変更可能な燃料噴射率可変機器及びメイン着火遅れ時間を変更可能なメイン着火遅れ時間可変機器にも相当している(燃料噴射率可変機器とメイン着火遅れ時間可変機器とを兼用可能)。また燃料ポンプ72は、予混合燃料量可変機器に相当しており、燃料噴射率可変機器にも相当している。またクーラントポンプ16B(インタークーラ温度調整装置)は、予混合燃料量可変機器に相当しており、メイン着火遅れ時間可変機器にも相当している。また可変ノズル33(過給圧調整装置)は、予混合燃料量調整装置に相当しており、メイン着火遅れ時間可変機器にも相当している。またEGR弁14は、予混合燃料量可変機器に相当しており、メイン着火暮れ時間可変機器にも相当している。
[燃焼騒音の発生原因の概要(図2)]
次に図2に示す概略図を用いて、燃焼騒音の発生原因について説明する。図2はメイン噴射に対する各状態を示しており、横軸が時間を示している。そして図2は、上から順に、インジェクタの通電状態、燃料圧力、燃料噴射率、熱発生率(筒内熱1階微分)、筒内熱2階微分、を示している。各図において点線は燃料圧力が高い状態(燃料圧力Pa)の場合を示し、実践は燃料圧力が低い状態(燃料圧力Pb)の場合を示している。
「インジェクタ通電」は、燃料圧力Paの場合と燃料圧力Pbの場合で同一の燃料量を噴射する場合、燃料圧力Paの場合の開弁時間Taは、燃料圧力Pbの場合の開弁時間Tbよりも短くなることを示している。燃料圧力Paの場合では時間T1から時間T3まで通電(開弁)し、燃料圧力Pbの場合は時間T1から時間T4まで通電(開弁)したことを示している。
「燃料噴射率」は、開弁時間に対応する燃料噴射率を示しており、この場合のインジェクタの燃料噴射率は、燃料圧力Paの場合では燃料噴射率Haであり、燃料圧力Pbの場合では燃料噴射率Hbであることを示している。燃料噴射率Haにて囲まれた面積は燃料噴射率Haにて噴射された燃料量であり、燃料噴射率Hbにて囲まれた面積は燃料噴射率Hbにて噴射された燃料量を示しており、この場合は同一の燃料量としているので、同じ面積である。
「熱発生率」は、時間に応じて変化する筒内熱を、時間で微分した値を示している(時間に応じて変化する筒内熱の傾きを示している)。燃料圧力Paの場合では熱発生率Jaとなり、燃料圧力Pbの場合では熱発生率Jbとなることを示している。なお、インジェクタの通電開始の時間T1からしばらくの間(時間T2までの間)は着火せず、時間T2にて着火して燃焼が開始されたことを示している。本実施の形態の説明では、燃料の噴射を開始した時間T1から着火した時間T2までの間の時間を「メイン着火遅れ時間(τ)」と呼ぶ。
「筒内熱2階微分」は、熱発生率(筒内熱1階微分)を、さらにもう一度「時間」で微分した値を示しており、熱発生率(筒内熱発生率1階微分)の傾きの変化を示している。燃料圧力Paの場合では筒内熱2階微分Daとなり、燃料圧力Pbの場合では筒内熱2階微分Dbとなることを示している。
図2に示すように、燃料圧力が高い場合(燃料圧力Paの場合)は、メイン着火遅れ時間の期間(時間T1から時間T2の期間)に噴射された燃料量は、時間T1から時間T2の期間で燃料噴射率Haに囲まれた面積Saである。また燃料圧力が低い場合(燃料圧力Pbの場合)は、メイン着火遅れ時間の期間(時間T1から時間T2の期間)に噴射された燃料量は、時間T1から時間T2の期間で燃料噴射率Hbに囲まれた面積Sbである。この場合、面積Saのほうが面積Sbよりも大きい。これにより、時間T2で着火した場合、熱発生率Jaではより多くの燃料が急激に燃焼するので、熱発生率Jaの時間T2からの立ち上がりの上昇率である筒内熱2階微分Daは、熱発生率Jbの時間T2からの立ち上がりの上昇率である筒内熱2階微分Dbよりも大きくなる。燃料圧力Paの場合では、筒内熱2階微分Daの時間T2(メイン噴射の着火開始時)での急激な立ち上がりにより、燃焼騒音が大きくなる。
以下では、メイン着火遅れ時間の期間(時間T1から時間T2の期間)に噴射されてまだ着火していない燃料量を「予混合燃料量」と呼ぶ。図2の例では、燃料圧力Paの場合の「予混合燃料量(燃料噴射率Haにて囲まれた面積Sa)」が、燃料圧力Pbの場合の「予混合燃料量(燃料噴射率Hbにて囲まれた面積Sb)」よりも大きいので、時間T2にて着火した場合の燃料量が多く、燃焼騒音が大きくなる。
発明者は、種々の燃焼解析手法を用い、上述したように、「予混合燃料量」が燃焼騒音に大きな影響を及ぼしていることを見いだした。そして発明者は、内燃機関の運転状態に応じた予混合燃料量閾値が存在し、実際の予混合燃料量が、その時点の運転状態に対応する予混合燃料量閾値を超えると、メイン燃焼の発生時の筒内熱(または筒内圧力)の上昇率が過大となり、燃焼騒音が増大することを見いだした。これにより発明者は、運転状態に応じた目標予混合燃料量を設定し、当該目標予混合燃料量を超えないように(予混合燃料量閾値を超えないように)メイン噴射を制御することで、メイン燃焼の発生時の筒内熱(または筒内圧力)の上昇率を緩やかにして、燃焼騒音の共鳴周波数の音圧そのものを低減させて燃焼騒音を抑制することができることを見いだした。
次に、上記の考えに基づいた制御装置50の処理手順の第1~第3の実施の形態について説明する。「予混合燃料量」を調整する方法としては、燃料噴射率を増減して調整する方法、メイン着火遅れ時間を増減して調整する方法、燃料噴射率とメイン着火遅れ時間の双方を調整する方法、の3通りが考えられる。以下に説明する第1及び第2の実施の形態では燃料噴射率を調整する方法の例を示し、第3の実施の形態では燃料噴射率とメイン着火遅れ時間の双方を調整する方法の例を示す。
[第1の実施の形態における制御装置50の処理手順(図3~図8)]
次に図3~図8に示すフローチャート等を用いて、第1の実施の形態における、制御装置50の処理手順の例について説明する。第1の実施の形態では、燃料ポンプ72による燃料圧力を調整することで、燃料噴射率を調整する。制御装置50(CPU51)は、例えば所定クランク角度毎(燃料噴射量を計算するべきタイミング)にて、図3に示す[全体処理]を起動し、ステップS110に処理を進める。なお制御装置50は、別の処理にて、次回の燃焼行程に対する噴射量を算出して記憶している。
ステップS110にて制御装置50は、メイン噴射の開始時における目標とする筒内温度である目標筒内温度を設定(算出)し、ステップS120に処理を進める。制御装置50は、内燃機関の運転状態に応じて予め設定された目標筒内温度を算出して記憶する。例えば制御装置50は、内燃機関の回転数と燃料噴射量(内燃機関の負荷)に応じて目標筒内温度が設定されたマップを記憶しており、当該マップを用いて目標筒内温度を算出して記憶する。目標筒内温度は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等を用いて確認された適切な値が設定されている。
ステップS120にて制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて筒内の状態量である筒内状態量を算出して記憶し、ステップS130に処理を進める。例えば制御装置50は、筒内状態量である筒内温度、筒内酸素濃度に基づいた酸素分圧、噴射量に基づいた燃料分圧等を、内燃機関の回転数、吸気流量、過給圧、吸気温度、EGR率等の運転状態に基づいて算出して記憶する。
ステップS130にて制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて目標メイン着火時期を設定(算出)して記憶する。目標メイン着火時期は、メイン燃焼が開始されるクランク角度の目標角度であり、圧縮上死点前5[°]から圧縮上死点後5[°]程度の範囲で設定される角度である。例えば制御装置50は、内燃機関の回転数と燃料噴射量(内燃機関の負荷)に応じて目標メイン着火時期が設定されたマップを記憶しており、当該マップを用いて目標メイン着火時期を算出して記憶する。また制御装置50は、内燃機関の運転状態、筒内状態量(筒内温度、酸素分圧、燃料分圧等)に基づいて、メイン着火遅れ時間を推定(算出)し、推定したメイン着火遅れ時間を記憶し、ステップS140へ処理を進める。例えば制御装置50は、以下の(式1)にてメイン着火遅れ時間τを算出する。
τ=1/{A[Fuel]B[O2Cexp(-D/T)} (式1)
A、B、C、D:定数
[Fuel]:燃料分圧
[O2]:酸素分圧
T:噴射時筒内温度
ステップS130の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、内燃機関の運転状態に基づいて、メイン噴射の開始時点から、メイン噴射に対応する燃焼であるメイン燃焼の開始時点まで、の時間であるメイン着火遅れ時間を推定する、メイン着火遅れ時間推定部51A(図1参照)に相当している。
ステップS140にて制御装置50は、目標メイン着火時期、メイン着火遅れ時間、内燃機関の回転数に基づいて、メイン噴射を開始する時期であるメイン噴射開始時期を算出し、ステップS150へ処理を進める。
ステップS150にて制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて目標予混合燃料量を設定(算出)して記憶し、ステップS160へ処理を進める。例えば制御装置50は、内燃機関の回転数と燃料噴射量(内燃機関の負荷)に応じて目標予混合燃料量が設定されたマップを記憶しており、当該マップを用いて目標予混合燃料量を算出して記憶する。目標予混合燃料量は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等にて確認された、燃焼騒音が低減される適切な値が設定されている。
ステップS150の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、内燃機関の運転状態に基づいて、予め設定された目標予混合燃料量を設定する、目標予混合燃料量設定部51C(図1参照)に相当している。
ステップS160にて制御装置50は、[推定予混合燃料量を算出]する処理を実行してステップS170へ処理を進める。なお[推定予混合燃料量を算出]する処理(図4)の詳細については後述する。
ステップS170にて制御装置50は、[推定予混合燃料量を調整]する処理を実行してステップS180へ処理を進める。なお[推定予混合燃料量を調整]する処理(図5)の詳細については後述する。
ステップS180にて制御装置50は、[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期、を設定]する処理を実行して、図3に示す処理を終了する。なお[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期、を設定]する処理(図6)の詳細については後述する。
[第1の実施の形態における推定予混合燃料量を算出する処理(図4)]
次に図4を用いて、第1の実施の形態において図3に示すフローチャートのステップS160の[推定予混合燃料量を算出]する処理の詳細を説明する。図3に示すフローチャートのステップS160の処理を実行する際、制御装置50は図4に示すステップSA120へ処理を進める。
ステップSA120にて制御装置50は、予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。なお「予混合調整フラグ」は、図5に示すステップSB130にてONに設定され、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量を超えている場合にONに設定されるフラグである。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)はステップSA130へ処理を進め、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)はステップSA160へ処理を進める。
ステップSA130へ処理を進めた場合、制御装置50は、「燃圧低減量」が所定圧力以上であるか否かを判定する。なお「燃圧低減量」は、図5に示すステップSB140等に示すように、燃料ポンプから吐出する燃料の圧力を、目標燃料圧力から低減する量である。制御装置50は、燃圧低減量が所定圧力(例えば数10[KPa]程度の比較的小さな圧力であり、かつ、ΔP2以上の圧力)以上である場合(Yes)はステップSA140へ処理を進め、燃圧低減量が所定圧力未満である場合(No)はステップSA150へ処理を進める。
ステップSA140へ処理を進めた場合、制御装置50は、現在の燃圧低減量からΔP2だけ減算した値を新たな燃圧低減量として更新して記憶し、ステップSA160へ処理を進める。
ステップSA150へ処理を進めた場合、制御装置50は、予混合調整要求フラグをOFFに設定し、燃圧低減量をゼロに初期化してステップSA160へ処理を進める。
ステップSA160へ処理を進めた場合、制御装置50は、現在の燃料圧力を取得し、燃料圧力に応じた燃料噴射率特性を取得してステップSA170へ処理を進める。なお、燃料噴射率特性は、図2に示すグラフ状の特性を燃料圧力毎に用意して記憶装置に記憶しておいてもよいし、開弁時間に応じた燃料噴射率を算出するようにしてもよい。
ステップSA170にて制御装置50は、次回のメイン噴射に対するメイン着火遅れ時間と、燃料噴射率特性とに基づいて、メイン着火遅れ時間の期間内に噴射されて燃焼していない燃料量である推定予混合燃料量を算出(推定)して記憶し、図4に示す処理を終了し、図3に示すステップS170へ処理を戻す。
ステップSA170の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、燃料噴射率特性と、メイン着火遅れ時間とに基づいて、メイン着火遅れ時間の期間に噴射される燃料量である推定予混合燃料量を算出する、推定予混合燃料量算出部51B(図1参照)に相当している。
[第1の実施の形態における推定予混合燃料量を調整する処理(図5)]
次に図5を用いて、第1の実施の形態において図3に示すフローチャートのステップS170の[推定予混合燃料量を調整]する処理の詳細を説明する。図3に示すフローチャートのステップS170の処理を実行する際、制御装置50は図5に示すステップSB120へ処理を進める。
ステップSB120にて制御装置50は、次回のメイン噴射に対する推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下であるか否かを判定する。制御装置50は、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下である場合(Yes)はステップSB170へ処理を進め、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下でない場合(No)はステップSB125へ処理を進める。
ステップSB170へ処理を進めた場合、制御装置50は、予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)はステップSB175へ処理を進め、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)は、図5に示す処理を終了して図3に示すステップS180へ処理を戻す。
ステップSB175へ処理を進めた場合、制御装置50は、燃料圧力(燃料圧力検出手段73を用いて検出)が「目標燃料圧力-燃圧低減量」に近づくように燃料ポンプ72を制御して、図5に示す処理を終了して図3に示すステップS180へ処理を戻す。
ステップSB125へ処理を進めた場合、制御装置50は、予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)はステップSB140へ処理を進め、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)はステップSB130へ処理を進める。
ステップSB130へ処理を進めた場合、制御装置50は、燃圧低減量にΔP1(所定の燃料圧力であり、比較的小さな圧力)を設定し、予混合調整要求フラグをONに設定してステップSB140へ処理を進める。
ステップSB140へ処理を進めた場合、制御装置50は、燃料圧力(燃料圧力検出手段73を用いて検出)が「目標燃料圧力-燃圧低減量」に近づくように燃料ポンプ72(燃料圧力調整装置であり、燃料噴射率可変機器に相当)を制御してステップSB145へ処理を進める。
ステップSB145にて制御装置50は、「目標燃料圧力-燃圧低減量」に応じた新たな燃料噴射率特性を取得してステップSB150へ処理を進める。
ステップSB150にて制御装置50は、メイン着火遅れ時間と、新たな燃料噴射率特性とに基づいて、推定予混合燃料量を更新して記憶し、ステップSB155へ処理を進める。なお、ステップSB140にて燃料圧力を目標燃料圧力よりも低減させたことで燃料噴射率が低減されているので、ステップSB150にて更新した推定予混合燃料量は、ステップSB120にて用いた推定予混合燃料量よりも減量されている。
ステップSB150の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、燃料噴射率特性と、メイン着火遅れ時間とに基づいて、メイン着火遅れ時間の期間に噴射される燃料量である推定予混合燃料量を算出する、推定予混合燃料量算出部51B(図1参照)に相当している。
ステップSB155にて制御装置50は、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下であるか否かを判定する。制御装置50は、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下である場合(Yes)は図5に示す処理を終了して図3に示すステップS180へ処理を戻し、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料以下でない場合(No)はステップSB160へ処理を進める。
ステップSB160へ処理を進めた場合、制御装置50は、現在の燃圧低減量にΔP1を加算して燃圧低減量を更新して記憶し、ステップSB140へ処理を戻す。
ステップSB140の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量を超えている場合、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下となるように推定予混合燃料量の変更を可能とする予混合燃料量可変機器(この場合、燃料ポンプ72)を制御する、予混合燃料量調整部51D(図1参照)に相当している。
[第1の実施の形態におけるパイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期、を設定する処理(図6)]
次に図6を用いて、第1の実施の形態において図3に示すフローチャートの[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期、を設定]する処理の詳細を説明する。図3に示すフローチャートのステップS180の処理を実行する際、制御装置50は図6に示すステップSC120へ処理を進める。
ステップSC120にて制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて、パイロット噴射の段数(回数)を設定する。例えば記憶装置には、内燃機関の回転数と燃料噴射量(内燃機関の負荷)に応じてパイロット噴射の段数(例えば1~3)が設定されたマップが記憶されており、制御装置50は、当該マップを用いてパイロット噴射の段数を算出する。また制御装置50は、メイン噴射開始時期と目標筒内温度に基づいて、メイン噴射を開始するクランク角度にて目標筒内温度とすることができる総パイロット噴射量を算出する。そして制御装置50は、総パイロット噴射量を段数に応じて分割し、各段のパイロット噴射量を算出して記憶する。また制御装置50は、各段のパイロット噴射の噴射開始時期を設定(算出)して記憶し、ステップSC130へ処理を進める。
ステップSC130にて制御装置50は、次回の燃焼行程の噴射量と総パイロット噴射量に基づいてメイン噴射量を設定(算出)して記憶する(この場合、制御装置50は、次回の燃焼行程の噴射量から総パイロット噴射量を減算してメイン噴射量を算出して記憶する)。また制御装置50は、図3に示すステップS140にて算出したメイン噴射開始時期を記憶し、図3に示すステップS180の終了時点に戻り、図3に示す処理を終了する。
制御装置50は、別のタイミングで実行されるパイロット噴射制御処理(既存の処理であり、詳細は省略)にて、パイロット噴射の段数、各段のパイロット噴射開始時期及びパイロット噴射量に基づいてパイロット噴射を実行する。また制御装置50は、別のタイミングで実行されるメイン噴射制御処理(既存の処理であり、詳細は省略)にて、メイン噴射開始時期及びメイン噴射量に基づいてメイン噴射を実行する。
[第1の実施の形態における燃料ポンプ制御の処理(図7)]
次に図7を用いて、第1の実施の形態の[燃料ポンプ制御]を説明する。図7に示す[燃料ポンプ制御]は、既存の[燃料ポンプ制御]の処理に対してステップSP130が追加されている。
制御装置50は、ステップSP120の既存の処理にて目標燃料圧力を設定した後、ステップSP130にて予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)は図7に示す処理を終了し、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)はステップSP140に処理を進め、燃料圧力が目標燃料圧力に近づくように燃料ポンプ72を制御して図7に示す処理を終了する。
[本実施の形態による効果(図8)]
次に図8を用いて、本実施の形態の効果について説明する。図8は、横軸が周波数、縦軸が燃焼騒音の音圧レベルを示している。そして点線にて示す燃焼騒音特性G1は、燃焼騒音を抑制する処置を施さなかった場合の例を示している。なお、特定周波数帯W1は、人に聞こえやすい周波数帯であり、燃焼騒音の音圧レベルを低減させるべき周波数帯である。この場合、人に聞こえやすい特定周波数帯W1内に燃焼騒音の共鳴周波数(音圧の高い部分)が入っているので、ユーザには気になる燃焼騒音が聞こえている。
二点鎖線にて示す燃焼騒音特性G2は、上述した特許文献1または特許文献2に記載の処置を施して特定周波数帯W1の燃焼騒音を低減させた場合の例を示している。特許文献1または特許文献2では、人に聞こえやすい特定周波数帯W1内から燃焼騒音の共鳴周波数をスライドさせている。この場合、特定周波数帯W1内には共鳴周波数が無くなるが、特定周波数帯W1の周囲に共鳴周波数(音圧の高い部分)が新たに現れる。このため、ユーザには気になる燃焼騒音は聞こえにくくなるが、スライドした共鳴周波数の音圧レベルは高いので、新たな問題が発生する可能性がある。
実線にて示す燃焼騒音特性G3は、本実施の形態にて説明した処置を施して燃焼騒音を低減させた場合の例を示している。本実施の形態では、特許文献1や特許文献2のように共鳴周波数をスライドさせるのではなく、燃焼騒音の音圧レベルそのものを低減させる。従って、ユーザには気になる燃焼騒音が聞こえにくくなるとともに、共鳴周波数のスライドによる新たな問題も発生しない。
[第2の実施の形態における制御装置50の処理手順(図9~図12)]
次に図9~図12に示すフローチャート等を用いて、第2の実施の形態における、制御装置50の処理手順の例について説明する。第2の実施の形態では、燃料噴射率可変機構を有するインジェクタを用いることで、燃料噴射率を調整する。なお図3に示す[全体処理]は、第1及び第2の実施で共通である。
制御装置50(CPU51)は、例えば所定クランク角度毎(燃料噴射量を計算するべきタイミング)にて、図3に示す処理([全体処理])を起動し、ステップS110に処理を進める。なお制御装置50は、別の処理にて、次回の燃焼行程に対する噴射量を算出して記憶している。
図3に示す[全体処理]は、第1及び第2の実施の形態で同じであるので説明を省略する。また、図3のステップS180の[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期、を設定]の処理も、第1及び第2の実施の形態で同じであるので説明を省略する。図3のステップS160の[推定予混合燃料量を算出]する処理、図3のステップS170の[推定予混合燃料量を調整]する処理は、第2の実施の形態では異なるので、以下、この[推定予混合燃料量を算出]する処理(図9)、[推定予混合燃料量を調整]する処理(図11)、の詳細について説明する。
[第2の実施の形態における推定予混合燃料量を算出する処理(図9、図10)]
次に図9、図10を用いて、第2の実施の形態において図3に示すフローチャートのステップS160の[推定予混合燃料量を算出]する処理の詳細を説明する。図3に示すフローチャートのステップS160の処理を実行する際、制御装置50は図9に示すステップSA220へ処理を進める。
ステップSA220にて制御装置50は、予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。なお「予混合調整フラグ」は、図11に示すステップSB230にてONに設定され、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量を超えている場合にONに設定されるフラグである。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)はステップSA230へ処理を進め、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)はステップSA260へ処理を進める。
ステップSA230へ処理を進めた場合、制御装置50は、「噴射率パターン」が標準パターンR0(図10参照)であるか否かを判定する。例えば噴射率パターンは、燃料噴射率可変機構を有するインジェクタに対して、予め設定された燃料噴射率特性のパターンであり、図10に示すように、標準パターンR0、標準パターンR0よりも1段噴射率が低いパターンR1、さらにもう1段噴射率が低いパターンR2・・さらにもう1段噴射率が低いパターンRn、が予め設定されて記憶装置に記憶されている。制御装置50は、記憶されている噴射率パターンが標準パターンR0である場合(Yes)はステップSA250へ処理を進め、標準パターンR0でない場合(No)はステップSA240へ処理を進める。
ステップSA240へ処理を進めた場合、制御装置50は、現在の噴射率パターンから1段増量側のパターンに変更した噴射率パターンを記憶してステップSA245へ処理を進める。制御装置50は、例えば現在記憶している噴射率パターンがパターンR2の場合、1段増量側のパターンR1を噴射率パターンに記憶する。なお噴射率パターンは、制御装置50の起動時に標準パターンR0に初期化される。
ステップSA245にて制御装置50は、「噴射率パターン」が標準パターンR0(図10参照)であるか否かを判定する。制御装置50は、噴射率パターンが標準パターンR0である場合(Yes)はステップSA250へ処理を進め、噴射率パターンが標準パターンR0でない場合(No)はステップSA260へ処理を進める。
ステップSA250へ処理を進めた場合、制御装置50は、予混合調整要求フラグをOFFに設定してステップSA260へ処理を進める。
ステップSA260へ処理を進めた場合、制御装置50は、現在の燃料圧力を取得し、噴射率パターンに記憶されているパターンに応じた燃料噴射率特性を取得してステップSA270へ処理を進める。また制御装置50は、必要であれば、燃料圧力に基づいて燃料噴射率特性を補正する。
ステップSA270にて制御装置50は、メイン着火遅れ時間と、燃料噴射率特性とに基づいて、メイン着火遅れ時間の期間内に噴射されて燃焼していない燃料量である推定予混合燃料量を算出して記憶し、図9に示す処理を終了し、図3に示すステップS170へ処理を戻す。
ステップSA270の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、燃料噴射率特性と、メイン着火遅れ時間とに基づいて、メイン着火遅れ時間の期間に噴射される燃料量である推定予混合燃料量を算出する、推定予混合燃料量算出部51B(図1参照)に相当している。
[第2の実施の形態における推定予混合燃料量を調整する処理(図11)]
次に図11を用いて、第2の実施の形態において図3に示すフローチャートのステップS170の[推定予混合燃料量を調整]する処理の詳細を説明する。図3に示すフローチャートのステップS170の処理を実行する際、制御装置50は図11に示すステップSB220へ処理を進める。
ステップSB220にて制御装置50は、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下であるか否かを判定する。制御装置50は、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下である場合(Yes)は図11に示す処理を終了して図3に示すステップS180へ処理を戻し、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下でない場合(No)はステップSB225へ処理を進める。
ステップSB225へ処理を進めた場合、制御装置50は、予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)はステップSB245へ処理を進め、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)はステップSB230へ処理を進める。
ステップSB230へ処理を進めた場合、制御装置50は、噴射率パターンに、標準パターンよりも1段減量側のパターン(この場合、パターンR1)を記憶し、予混合調整要求フラグをONに設定してステップSB245へ処理を進める。
ステップSB245へ処理を進めた場合、制御装置50は、インジェクタ43A~43D(燃料噴射率可変機器に相当)の噴射率パターンに記憶されているパターンに応じた新たな燃料噴射率特性を取得してステップSB250へ処理を進める。
ステップSB250にて制御装置50は、メイン着火遅れ時間と、新たな燃料噴射率特性とに基づいて、推定予混合燃料量を更新して記憶し、ステップSB255へ処理を進める。なお、ステップSB245にて低減した燃料噴射率特性を取得することで、ステップSB250にて更新した推定予混合燃料量は、ステップSB220にて用いた推定予混合燃料量よりも減量されている。
ステップSB250の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、燃料噴射率特性と、メイン着火遅れ時間とに基づいて、メイン着火遅れ時間の期間に噴射される燃料量である推定予混合燃料量を算出する、推定予混合燃料量算出部51B(図1参照)に相当している。
ステップSB255にて制御装置50は、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下であるか否かを判定する。制御装置50は、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下である場合(Yes)は図11に示す処理を終了して図3に示すステップS180へ処理を戻し、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料以下でない場合(No)はステップSB260へ処理を進める。
ステップSB260へ処理を進めた場合、制御装置50は、現在の噴射率パターンに記憶されているパターンよりも1段減量側のパターンを噴射率パターンに記憶し、ステップSB245へ処理を戻す。制御装置50は、例えば現在記憶している噴射率パターンがパターンR1の場合、1段減量側のパターンR2を噴射率パターンに記憶する。
ステップSB230、SB260にて噴射率パターンを変更する処理を実行している制御装置50(CPU51)は、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量を超えている場合、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下となるように推定予混合燃料量の変更を可能とする予混合燃料量可変機器(この場合、インジェクタ43A~43D)を制御する、予混合燃料量調整部51D(図1参照)に相当している。
[第2の実施の形態における燃料ポンプ制御の処理(図12)]
次に図12を用いて、第2の実施の形態の[燃料ポンプ制御]を説明する。図12に示す[燃料ポンプ制御]は、図7に示す第1の実施の形態の[燃料ポンプ制御]の処理に対してステップSP130が省略されている。
制御装置50は、ステップSP120の既存の処理にて目標燃料圧力を設定した後、ステップSP140に処理を進め、燃料圧力が目標燃料圧力に近づくように燃料ポンプを制御して図12に示す処理を終了する。
なお第2の実施の形態による効果は、図8を用いて説明した第1の実施の形態の効果と同様であり、共鳴周波数をスライドさせるのではなく、燃焼騒音の音圧レベルそのものを低減させる。従って、ユーザには気になる燃焼騒音が聞こえにくくなるとともに、共鳴周波数のスライドによる新たな問題も発生しない。
[第3の実施の形態における制御装置50の処理手順(図13~図19)]
次に図13~図19に示すフローチャート等を用いて、第3の実施の形態における、制御装置50の処理手順の例について説明する。第3の実施の形態では、燃料ポンプで燃料噴射率を調整し、かつ、クーラントポンプ16BやEGR弁14や可変ノズル33やインジェクタ(パイロット噴射)にてメイン着火遅れ時間を調整する。
図13に示す[全体処理]は、図3に示す第1及び第2の実施の形態の[全体処理]とは異なる。また、[推定予混合燃料量を算出]、[推定予混合燃料量を調整]、[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期、を設定]の処理も、第1及び第2の実施の形態とは異なる。制御装置50(CPU51)は、例えば所定クランク角度毎(燃料噴射量を計算するべきタイミング)にて、図13に示す[全体処理]を起動し、ステップS310に処理を進める。なお制御装置50は、別の処理にて、次回の燃焼行程に対する噴射量を算出して記憶している。
ステップS310にて制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONであるか否かを判定する。なお「筒内状態補正要求フラグ」は、図14に示すステップSB333にてONに設定され、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量を超えている場合にONに設定されるフラグである。制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONである場合(Yes)はステップS311へ処理を進め、筒内状態補正要求フラグがONでない場合(No)はステップS313へ処理を進める。
ステップS311へ処理を進めた場合、制御装置50は、筒内補正維持タイマが所定時間(例えば数秒)以上であるか否かを判定する。なお「筒内補正維持タイマ」は、図14に示すステップSB333にて初期化(ゼロ)されて起動され、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量を超えている場合に起動される。制御装置50は、筒内補正維持タイマが所定時間以上である場合(Yes)はステップS312へ処理を進め、筒内補正維持タイマが所定時間未満である場合(No)はステップS313へ処理を進める。
ステップS312へ処理を進めた場合、制御装置50は、筒内状態補正要求フラグをOFFに設定してステップS313へ処理を進める。
ステップS313へ処理を進めた場合、制御装置50は、メイン噴射の開始時における目標とする筒内温度のベースである目標筒内温度ベースを設定(算出)し、ステップS314に処理を進める。制御装置50は、内燃機関の運転状態に応じて予め設定された目標筒内温度ベースを算出して記憶する。例えば制御装置50は、内燃機関の回転数と燃料噴射量(内燃機関の負荷)に応じて目標筒内温度ベースが設定されたマップを記憶しており、当該マップを用いて目標筒内温度ベースを算出して記憶する。目標筒内温度ベースは、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等を用いて確認された適切な値が設定されている。
ステップS314にて制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONに設定されているか否かを判定する。制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONである場合(Yes)はステップS315へ処理を進め、筒内状態補正要求フラグがONでない場合(No)はステップS316へ処理を進める。
ステップS315へ処理を進めた場合、制御装置50は、目標筒内温度ベースにΔThを加算した温度を目標筒内温度として記憶し、ステップS320へ処理を進める。なおΔThは、内燃機関の排気の有害成分の増加や燃費の悪化に影響を及ぼさない程度の比較的小さな温度であり、実験やシミュレーション等にて確認された適切な値が設定されている。制御装置50は、目標筒内温度を上昇させることで、メイン着火遅れ時間を短くすることができる。
ステップS316へ処理を進めた場合、制御装置50は、目標筒内温度ベースを目標筒内温度として記憶し、ステップS320へ処理を進める。
ステップS320の処理は図3に示すステップS120の処理と同じであり、制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて筒内の状態量である筒内状態量を算出して記憶し、ステップS330に処理を進める。例えば制御装置50は、筒内状態量である筒内温度、筒内酸素濃度に基づいた酸素分圧、噴射量に基づいた燃料分圧等を、内燃機関の回転数、吸気流量、過給圧、吸気温度、EGR率等の運転状態に基づいて算出して記憶する。
ステップS330の処理は図3に示すステップS130の処理と同じであり、制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて目標メイン着火時期を設定(算出)して記憶する。目標メイン着火時期は、メイン燃焼が開始されるクランク角度の目標角度であり、圧縮上死点前5[°]から圧縮上死点後5[°]程度の範囲で設定される角度である。例えば制御装置50は、内燃機関の回転数と燃料噴射量(内燃機関の負荷)に応じて目標メイン着火時期が設定されたマップを記憶しており、当該マップを用いて目標メイン着火時期を算出して記憶する。また制御装置50は、内燃機関の運転状態、筒内状態量(筒内温度、酸素分圧、燃料分圧等)に基づいて、メイン着火遅れ時間を推定(算出)し、推定したメイン着火遅れ時間を記憶し、ステップS340へ処理を進める。例えば制御装置50は、上述した(式1)にてメイン着火遅れ時間τを算出する。
ステップS330の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、内燃機関の運転状態に基づいて、メイン噴射の開始時点から、メイン噴射に対応する燃焼であるメイン燃焼の開始時点まで、の時間であるメイン着火遅れ時間を推定する、メイン着火遅れ時間推定部51A(図1参照)に相当している。
ステップS340の処理は図3に示すステップS140の処理と同じであり、制御装置50は、目標メイン着火時期、メイン着火遅れ時間、内燃機関の回転数に基づいて、メイン噴射開始時期を算出し、ステップS350へ処理を進める。
ステップS350の処理は図3に示すステップS150の処理と同じであり、制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて目標予混合燃料量を設定(算出)して記憶し、ステップS360へ処理を進める。例えば制御装置50は、内燃機関の回転数と燃料噴射量(内燃機関の負荷)に応じて目標予混合燃料量が設定されたマップを記憶しており、当該マップを用いて目標予混合燃料量を算出して記憶する。目標予混合燃料量は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等にて確認された燃焼騒音が低減される適切な値が設定されている。
ステップS350の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、内燃機関の運転状態に基づいて、予め設定された目標予混合燃料量を設定する、目標予混合燃料量設定部51C(図1参照)に相当している。
ステップS360にて制御装置50は、[推定予混合燃料量を算出]する処理を実行してステップS370へ処理を進める。なお[推定予混合燃料量を算出]する処理は、図4に示す[推定予混合燃料量を算出]する処理と同じであるので説明を省略する。
ステップS370にて制御装置50は、[推定予混合燃料量を調整]する処理を実行してステップS380へ処理を進める。なお[推定予混合燃料量を調整]する処理(図14)の詳細については後述する。
ステップS380にて制御装置50は、[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期を設定]する処理を実行して、図13に示す処理を終了する。なお[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期を設定]する処理(図15)の詳細については後述する。
[第3の実施の形態における推定予混合燃料量を調整する処理(図14)]
次に図14を用いて、第3の実施の形態において図13に示すフローチャートのステップS370の[推定予混合燃料量を調整]する処理の詳細を説明する。図13に示すフローチャートのステップS370の処理を実行する際、制御装置50は図14に示すステップSB320へ処理を進める。
ステップSB320にて制御装置50は、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下であるか否かを判定する。制御装置50は、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下である場合(Yes)はステップSB370へ処理を進め、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下でない場合(No)はステップSB325へ処理を進める。
ステップSB370へ処理を進めた場合、制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONである場合(Yes)はステップSB372へ処理を進め、筒内状態補正要求フラグがONでない場合(No)はステップSB380へ処理を進める。
ステップSB372へ処理を進めた場合、制御装置50は、制御装置50は、クーラント流量が「目標クーラント流量-ΔWh」に近づくようにクーラントポンプ16Bを制御してステップSB373へ処理を進める。なお、クーラント流量の低減量であるΔWhは、内燃機関の排気の有害成分の増加や燃費の悪化に影響を及ぼさない程度の比較的小さな量であり、実験やシミュレーション等にて確認された適切な値が設定されている。制御装置50は、目標クーラント流量を低減させて吸気温度を上昇させることで筒内温度を上昇させ、メイン着火遅れ時間を短くすることができる。
ステップSB373にて制御装置50は、過給圧が「目標過給圧+ΔPh」に近づくようにターボ過給機30の可変ノズル33の開度(閉度)を制御してステップSB374へ処理を進める。なお、目標過給圧の増加量であるΔPhは、内燃機関の排気の有害成分の増加や燃費の悪化に影響を及ぼさない程度の比較的小さな量であり、実験やシミュレーション等にて確認された適切な値が設定されている。制御装置50は、目標過給圧を増加させることで筒内の酸素濃度や筒内温度を上昇させ、メイン着火遅れ時間を短くすることができる。
ステップSB374にて制御装置50は、EGR率が「目標EGR率-ΔEh」に近づくようにEGR弁14の開度を制御してステップSB375へ処理を進める。なお、目標EGR率の低減量であるΔEhは、内燃機関の排気の有害成分の増加や燃費の悪化に影響を及ぼさない程度の比較的小さな量であり、実験やシミュレーション等にて確認された適切な値が設定されている。制御装置50は、目標EGR率を低減させることで筒内の酸素濃度を上昇させ、メイン着火遅れ時間を短くすることができる。
ステップSB375にて制御装置50は、目標筒内温度ベースにΔThを加算した温度を目標筒内温度として記憶し、ステップSB380へ処理を進める。なお、ここで上昇させた目標筒内温度は、図15に示すステップSC320にてパイロット噴射の噴射量等に反映され、メイン着火遅れ時間を短くする。
ステップSB380にて制御装置50は、予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)はステップSB382へ処理を進め、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)は、図14に示す処理を終了して図13に示すステップS380へ処理を戻す。
ステップSB325へ処理を進めた場合、制御装置50は、予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)はステップSB332へ処理を進め、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)はステップSB330へ処理を進める。
ステップSB330へ処理を進めた場合、制御装置50は、燃圧低減量にΔP1(所定の燃料圧力であり、比較的小さい圧力)を設定し、予混合調整要求フラグをONに設定してステップSB332へ処理を進める。
ステップSB332へ処理を進めた場合、制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONである場合(Yes)はステップSB334へ処理を進め、筒内状態補正要求フラグがONでない場合(No)はステップSB333へ処理を進める。
ステップSB333へ処理を進めた場合、制御装置50は、筒内補正維持タイマを初期化(ゼロ)して起動し、筒内状態補正要求フラグをONに設定し、ステップSB334へ処理を進める。
ステップSB334へ処理を進めた場合、制御装置50は、クーラント流量が「目標クーラント流量-ΔWh」に近づくようにクーラントポンプ16B(インタークーラ温度調整装置であり、メイン着火遅れ時間可変機器に相当)を制御してステップSB335へ処理を進める。この場合、制御装置50は、クーラントポンプ16B(インタークーラ温度調整装置)によるクーラント(冷却用流体)の流量を低減する。なお、クーラント流量の低減量であるΔWhは、内燃機関の排気の有害成分の増加や燃費の悪化に影響を及ぼさない程度の比較的小さな量であり、実験やシミュレーション等にて確認された適切な値が設定されている。制御装置50は、目標クーラント流量を低減させて吸気温度を上昇させることで筒内温度を上昇させ、メイン着火遅れ時間を短くすることができる。
ステップSB335にて制御装置50は、過給圧が「目標過給圧+ΔPh」に近づくようにターボ過給機30の可変ノズル33(過給圧調整装置であり、メイン着火遅れ時間可変機器に相当)の開度(閉度)を制御してステップSB336へ処理を進める。この場合、制御装置50は、可変ノズル33(過給圧調整装置)による過給圧を増加させる。なお、目標過給圧の増加量であるΔPhは、内燃機関の排気の有害成分の増加や燃費の悪化に影響を及ぼさない程度の比較的小さな量であり、実験やシミュレーション等にて確認された適切な値が設定されている。制御装置50は、目標過給圧を増加させることで酸素濃度や筒内温度を上昇させ、メイン着火遅れ時間を短くすることができる。
ステップSB336にて制御装置50は、EGR率が「目標EGR率-ΔEh」に近づくようにEGR弁14(メイン着火遅れ時間可変機器に相当)の開度を制御してステップSB337へ処理を進める。この場合、制御装置50は、EGR弁14によるEGRガス流量を低減させる。なお、目標EGR率の低減量であるΔEhは、内燃機関の排気の有害成分の増加や燃費の悪化に影響を及ぼさない程度の比較的小さな量であり、実験やシミュレーション等にて確認された適切な値が設定されている。制御装置50は、目標EGR率を低減させることで酸素濃度を上昇させ、メイン着火遅れ時間を短くすることができる。
ステップSB337にて制御装置50は、目標筒内温度ベースにΔThを加算した温度を目標筒内温度として記憶し、ステップSB340へ処理を進める。なおΔThは、内燃機関の排気の有害成分の増加や燃費の悪化に影響を及ぼさない程度の比較的小さな温度であり、実験やシミュレーション等にて確認された適切な値が設定されている。制御装置50は、目標筒内温度を上昇させ、インジェクタ43A~43D(メイン着火遅れ時間可変機器に相当)からのパイロット噴射を増加させて筒内温度の上昇分を増加させ、メイン着火遅れ時間を短くすることができる。
ステップSB340へ処理を進めた場合、制御装置50は、燃料圧力(燃料圧力検出手段73を用いて検出)が「目標燃料圧力-燃圧低減量」に近づくように燃料ポンプ72を制御してステップSB345へ処理を進める。
ステップSB345にて制御装置50は、「目標燃料圧力-燃圧低減量」に応じた新たな燃料噴射率特性を取得してステップSB350へ処理を進める。
ステップSB350にて制御装置50は、メイン着火遅れ時間と、新たな燃料噴射率特性とに基づいて、推定予混合燃料量を更新して記憶し、ステップSB355へ処理を進める。なお、ステップSB340にて燃料圧力を目標燃料圧力よりも低減させたことで燃料噴射率が低減されているので、ステップSB350にて更新した推定予混合燃料量は、ステップSB320にて用いた推定予混合燃料量よりも減量されている。
ステップSB350の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、燃料噴射率特性と、メイン着火遅れ時間とに基づいて、メイン着火遅れ時間の期間に噴射される燃料量である推定予混合燃料量を算出する、推定予混合燃料量算出部51B(図1参照)に相当している。
ステップSB355にて制御装置50は、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下であるか否かを判定する。制御装置50は、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下である場合(Yes)は図14に示す処理を終了して図13に示すステップS180へ処理を戻し、更新した推定予混合燃料量が目標予混合燃料以下でない場合(No)はステップSB360へ処理を進める。
ステップSB360へ処理を進めた場合、制御装置50は、現在の燃圧低減量にΔP1を加算して燃圧低減量を更新して記憶し、ステップSB340へ処理を戻す。
ステップSB334、SB335、SB336、SB337、SB340の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量を超えている場合、推定予混合燃料量が目標予混合燃料量以下となるように推定予混合燃料量の変更を可能とする予混合燃料量可変機器(この場合、クーラントポンプ16B、可変ノズル33、EGR弁14、インジェクタ43A~43D、燃料ポンプ72)を制御する、予混合燃料量調整部51D(図1参照)に相当している。
[第3の実施の形態におけるパイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期、を設定する処理(図15)]
次に図15を用いて、第3の実施の形態において図13に示すフローチャートの[パイロット噴射の段数、噴射量、噴射時期、メイン噴射の噴射量、噴射時期、を設定]する処理の詳細を説明する。図13に示すフローチャートのステップS380の処理を実行する際、制御装置50は図15に示すステップSC320へ処理を進める。
なお、ステップSC320、SC330の各処理は、第1の実施の形態の図6のステップSC120、SC130の各処理と同じであるので、説明を省略する。なお、ステップSC320にて求めるパイロット噴射の噴射量は、目標筒内温度が目標筒内温度ベース+ΔThに上昇されている場合、その分だけ増量されている。
[第3の実施の形態における燃料ポンプ制御の処理(図16)]
次に図16を用いて、第3の実施の形態の[燃料ポンプ制御]を説明する。図16に示す[燃料ポンプ制御]は、既存の[燃料ポンプ制御]の処理に対してステップSP330が追加されている。
制御装置50は、ステップSP320の既存の処理にて目標燃料圧力を設定した後、ステップSP330にて予混合調整要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、予混合調整要求フラグがONである場合(Yes)は図16に示す処理を終了し、予混合調整要求フラグがONでない場合(No)はステップSP340に処理を進め、燃料圧力が目標燃料圧力に近づくように燃料ポンプ72を制御して図16に示す処理を終了する。
[第3の実施の形態におけるクーラントポンプ制御の処理(図17)]
次に図17を用いて、第3の実施の形態の[クーラントポンプ制御]を説明する。図17に示す[クーラントポンプ制御]は、既存の[クーラントポンプ制御]の処理に対してステップSF330が追加されている。
制御装置50は、ステップSF320の既存の処理にて目標クーラント流量を設定した後、ステップSF330にて筒内状態補正要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONである場合(Yes)は図17に示す処理を終了し、筒内状態補正要求フラグがONでない場合(No)はステップSF340に処理を進め、クーラント流量が目標クーラント流量に近づくようにクーラントポンプ16Bを制御して図17に示す処理を終了する。
[第3の実施の形態における過給圧制御の処理(図18)]
次に図18を用いて、第3の実施の形態の[過給圧制御]を説明する。図18に示す[過給圧制御]は、既存の[過給圧制御]の処理に対してステップST330が追加されている。
制御装置50は、ステップST320の既存の処理にて目標過給圧を設定した後、ステップST330にて筒内状態補正要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONである場合(Yes)は図18に示す処理を終了し、筒内状態補正要求フラグがONでない場合(No)はステップST340に処理を進め、過給圧が目標過給圧に近づくように可変ノズル33の開度(閉度)を制御して図18に示す処理を終了する。
[第3の実施の形態におけるEGR弁制御の処理(図19)]
次に図19を用いて、第3の実施の形態の[EGR弁制御]を説明する。図19に示す[EGR弁制御]は、既存の[EGR弁制御]の処理に対してステップSG330が追加されている。
制御装置50は、ステップSG320の既存の処理にて目標EGR率を設定した後、ステップSG330にて筒内状態補正要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、筒内状態補正要求フラグがONである場合(Yes)は図19に示す処理を終了し、筒内状態補正要求フラグがONでない場合(No)はステップSG340に処理を進め、EGR率が目標EGR率に近づくようにEGR弁14の開度を制御して図19に示す処理を終了する。
第3の実施の形態では、メイン着火遅れ時間可変機器(クーラントポンプ16B、EGR弁14、可変ノズル33、インジェクタ43A~43D(パイロット噴射量))にて排気ガスや燃費に影響しない少量を変更しているので、メイン着火遅れ時間の短縮量は比較的少ない。またクーラントポンプ16B、EGR弁14、可変ノズル33による筒内温度や酸素濃度の上昇は比較的緩やかに変化する。そのため、これだけでは推定予混合燃料量を目標予混合燃料量以下にできない可能性がある。従って、速効性のある燃料噴射率可変機器(燃料ポンプ72またはインジェクタ43A~43D(燃料噴射率可変機構))による調整と組み合わせることが好ましい。上述した第3の実施の形態では、燃料噴射率可変機器として燃料ポンプ72を用いた例を説明したが、燃料噴射率可変機器として燃料噴射率可変機構を備えたインジェクタ43A~43Dを用いてもよい。
なお第3の実施の形態による効果は、図8を用いて説明した第1の実施の形態の効果と同様であり、共鳴周波数をスライドさせるのではなく、燃焼騒音の音圧レベルそのものを低減させる。従って、ユーザには気になる燃焼騒音が聞こえにくくなるとともに、共鳴周波数のスライドによる新たな問題も発生しない。
本発明の圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置は、本実施の形態で説明した構成、構造、処理手順(フローチャート)等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、本発明の圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置は、ディーゼルエンジンに限定されず、圧縮自己着火式のガソリンエンジンにも適用することが可能である。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(より小さい)(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
第3の実施の形態の説明では、メイン着火遅れ時間を短くするために、クーラント流量が「目標クーラント流量-ΔWh」に近づくようにクーラントポンプ16Bを制御、過給圧が「目標過給圧+ΔPh」に近づくように可変ノズル33を制御、EGR率が「目標EGR率-ΔEh」に近づくようにEGR弁14を制御、筒内温度が「目標筒内温度ベース+ΔTh」に近づくようにインジェクタ43A~43Dのパイロット噴射を制御、の4つをすべて実行する例を説明したが、これら4つの中から少なくとも1つを実行するようにしてもよい。
1 内燃機関システム
10 内燃機関
11A、11B 吸気管
11C 吸気マニホルド
12A 排気マニホルド
12B、12C 排気管
13 EGR配管
14 EGR弁(メイン着火遅れ時間可変機器)
15 EGRクーラ
16 インタークーラ
16A インタークーラ用ラジエータ
16B クーラントポンプ(メイン着火遅れ時間可変機器)
21 吸気流量検出手段
22A クランク角度検出手段
22B カム角度検出手段
23 大気圧検出手段
24A コンプレッサ上流圧力検出手段
24B コンプレッサ下流圧力検出手段
24C 吸気マニホルド圧力検出手段
25 アクセルペダル踏込量検出手段
26A タービン上流圧力検出手段
26B タービン下流圧力検出手段
27 車速検出手段
28A、28B 吸気温度検出手段
28C クーラント温度検出手段
29 排気温度検出手段
30 ターボ過給機
31 ノズル駆動手段
32 ノズル開度検出手段
33 可変ノズル(メイン着火遅れ時間可変機器)
35 コンプレッサ
36 タービン
41 コモンレール
43A~43D インジェクタ(燃料噴射率可変機器とメイン着火遅れ時間可変機器を兼用)
45A~45D シリンダ
47 スロットル装置
47S スロットル開度検出手段
47V スロットルバルブ
50 制御装置
51 CPU
51A メイン着火遅れ時間推定部
51B 推定予混合燃料量算出部
51C 目標予混合燃料量設定部
51D 予混合燃料量調整部
53 記憶装置
61 排気浄化装置
72 燃料ポンプ(燃料噴射率可変機器)
73 燃料圧力検出手段
τ メイン着火遅れ時間

Claims (6)

  1. 気筒ごとに設けられたインジェクタを用いて、1回の燃焼行程に対して、主となる燃料噴射であるメイン噴射と、前記メイン噴射の前段噴射となる単数または複数の燃料噴射であるパイロット噴射と、を実行する、圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関を含む内燃機関システムには、前記内燃機関の回転数、吸気流量、過給圧、吸気温度を含むそれぞれの状態を検出するそれぞれの検出手段が設けられており、
    前記制御装置は、それぞれの前記検出手段を用いて前記状態を検出し、前記状態と、前記状態に基づいて求めたEGR率と燃料噴射量を含む運転状態を取得し、
    前記制御装置には、
    前記インジェクタの開弁時間に対応する燃料噴射率を示す燃料噴射率特性が記憶されており、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関の前記運転状態と、前記運転状態に基づいた筒内温度、酸素分圧、燃料分圧を含む筒内状態量に基づいて、前記メイン噴射の開始時点から前記メイン噴射に対応する燃焼であるメイン燃焼の開始時点までの時間であるメイン着火遅れ時間を推定する、メイン着火遅れ時間推定部と、
    前記燃料噴射率特性と、前記メイン着火遅れ時間とに基づいて、前記メイン着火遅れ時間の期間に噴射される前記メイン噴射の燃料量である推定予混合メイン燃料量を算出する、推定予混合メイン燃料量算出部と、
    前記内燃機関の回転数と、前記燃料噴射量または前記内燃機関の負荷とに応じて目標予混合メイン燃料量が設定されたマップを用いて、前記メイン噴射の目標予混合メイン燃料量を設定する、目標予混合メイン燃料量設定部と、
    前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量を超えている場合、前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量以下となるように前記推定予混合メイン燃料量の変更を可能とする予混合メイン燃料量可変機器を制御する、予混合メイン燃料量調整部と、
    を有する、
    圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、
    前記予混合メイン燃料量可変機器は、前記燃料噴射率を変更可能な燃料噴射率可変機器であり、
    前記制御装置は、
    前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量を超えている場合に前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量以下となるように前記予混合メイン燃料量可変機器を制御する際、前記燃料噴射率を低減するように前記燃料噴射率可変機器を制御する、
    圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置。
  3. 請求項2に記載の圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、
    前記インジェクタに供給される燃料の圧力である燃料圧力は、前記燃料噴射率可変機器の1つである燃料圧力調整装置によって変更可能であり、
    前記制御装置は、
    前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記燃料噴射率を低減するように前記予混合メイン燃料量可変機器を制御する際、前記燃料圧力調整装置を用いて前記インジェクタに供給される燃料の圧力を低減する、
    圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置。
  4. 請求項2または3に記載の圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、
    前記インジェクタは、前記燃料噴射率可変機器の1つであり、前記燃料噴射率を可変とする燃料噴射率可変機構を有しており、
    前記制御装置は、
    前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記燃料噴射率を低減するように前記予混合メイン燃料量可変機器を制御する際、前記燃料噴射率可変機構を用いて前記インジェクタの前記燃料噴射率を低減する、
    圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置。
  5. 請求項2~4のいずれか一項に記載の圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、
    前記予混合メイン燃料量可変機器には、さらに、前記メイン着火遅れ時間を変更可能なメイン着火遅れ時間可変機器があり、
    前記制御装置は、
    前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量を超えている場合に前記推定予混合メイン燃料量が前記目標予混合メイン燃料量以下となるように前記予混合メイン燃料量可変機器を制御する際、さらに、前記メイン着火遅れ時間が短くなるように前記メイン着火遅れ時間可変機器を制御する、
    圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置。
  6. 請求項5に記載の圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関を有する内燃機関システムは、
    過給機によって過給された吸気を冷却するインタークーラへの冷却用流体を調整するインタークーラ温度調整装置と、
    前記過給機による過給圧を調整する過給圧調整装置と、
    前記内燃機関の排気ガスの一部を吸気に戻すEGR配管の開度を調整するEGR弁と、
    前記インジェクタと、
    の少なくとも1つを有しており、
    前記インタークーラ温度調整装置と、前記過給圧調整装置と、前記EGR弁のそれぞれは、前記メイン着火遅れ時間可変機器であり、
    前記インジェクタは、前記燃料噴射率可変機器と前記メイン着火遅れ時間可変機器とを兼用可能であり、
    前記制御装置は、
    前記予混合メイン燃料量調整部にて、前記メイン着火遅れ時間が短くなるように前記メイン着火遅れ時間可変機器を制御する際、
    前記インタークーラ温度調整装置による前記冷却用流体の流量の低減、
    前記過給圧調整装置による過給圧の増加、
    前記EGR弁によるEGRガス流量の低減、
    前記インジェクタを用いた前記パイロット噴射の噴射量の増加、
    の少なくとも1つを実行する、
    圧縮自己着火式の内燃機関の制御装置。
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