JP7407087B2 - シートスライド装置 - Google Patents

シートスライド装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7407087B2
JP7407087B2 JP2020134640A JP2020134640A JP7407087B2 JP 7407087 B2 JP7407087 B2 JP 7407087B2 JP 2020134640 A JP2020134640 A JP 2020134640A JP 2020134640 A JP2020134640 A JP 2020134640A JP 7407087 B2 JP7407087 B2 JP 7407087B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bracket
nut member
pair
rail
plane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020134640A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022030546A (ja
Inventor
貴史 今村
Original Assignee
株式会社Tf-Metal
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社Tf-Metal filed Critical 株式会社Tf-Metal
Priority to JP2020134640A priority Critical patent/JP7407087B2/ja
Publication of JP2022030546A publication Critical patent/JP2022030546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7407087B2 publication Critical patent/JP7407087B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、シートを前後移動させるシートスライド装置に関する。
アッパレールに取り付けたスクリュ軸をロアレールに取り付けたナット部材に対して回転させることで、アッパレール側のシートをロアレールに対して前後に移動させる電動シートスライド装置が知られている。特許文献1に記載の電動シートスライド装置は、ナット部材をロアレールに対しブラケットを介して取り付ける際に、ナット部材とブラケットとの間に弾性部材を配置することで、ナット部材を揺動自在に支持している。これにより、スクリュ軸の軸線とナット部材のねじ孔の軸線とのずれを吸収することができる。このとき、特許文献1及び特許文献2の電動シートスライド装置は、ナット部材の下面とロアレールの底面とが離間している。
特開2010-47172号公報 特開2018-16237号公報
特許文献1及び特許文献2に記載された電動シートスライド装置は、ロアレールの底面(上面)に対して離間した状態のナット部材の下面が、ブラケットに支持されていない。このためナット部材は、回転しやすくブラケットによる支持が不充分となっている。
そこで、本発明は、スクリュ軸の軸線とナット部材のねじ孔の軸線とのずれを弾性部材によって吸収するとともに、ブラケットによるナット部材の支持を充分なものとすることを目的としている。
本発明のシートスライド装置は、車両前後方向に沿って延設されるロアレールと、前記ロアレールの長手方向に沿って相対移動するアッパレールと、前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか一方に回転自在に取り付けられ、前記相対移動する方向に沿って延びるスクリュ軸と、前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか他方に取り付けられ、前記スクリュ軸に螺合するナット部材と、前記ナット部材の上下両面および前後両面の4面を覆う四角筒形状を有するとともに、前記ナット部材を前後方向に貫通するねじ孔と重なる貫通孔を有する弾性部材と、前記弾性部材の外側で前記ナット部材の前記4面を覆うように支持するブラケットと、を有する。前記ブラケットは、前記ナット部材の上面に対向する第1平面と、前記第1平面の前後方向の両端から下方に延び、前記ナット部材の前面および後面にそれぞれ対向する一対の第1壁面と、前記一対の第1壁面の下端から互いに離れる方向に延びる一対の第1取付面と、を有する第1ブラケットと、前記ナット部材の下面に対向する第2平面と、前記第2平面の前後方向の両端から下方に延び、前記第1ブラケットの前記一対の第1壁面にそれぞれ対向する一対の第2壁面と、前記一対の第2壁面の下端から互いに離れる方向に延び、前記第1ブラケットの前記一対の第1取付面と前記ロアレールの底面との間に位置する一対の第2取付面と、を有する第2ブラケットと、を備える。
本発明によれば、スクリュ軸の軸線とナット部材のねじ孔の軸線とのずれを弾性部材によって吸収するとともに、ブラケットによるナット部材の支持を充分なものとすることができる。
実施形態に係わるシートスライド装置の分解斜視図である。 図1Aのナット部材、ブラケット及び弾性部材を示す分解斜視図である。 図1Aとは前後方向を逆にした状態のシートスライド装置の斜視図である。 図2のIII-III断面図である。 図2のシートスライド装置の駆動部周辺の斜視図である。 図1Aのシートスライド装置に使用されるナット部材の取付状態を示す断面図である。 図1Aのシートスライド装置に使用されるナット部材の取付状態の内部構造を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、図中の矢印FRで示す方向が車体前方、矢印RRで示す方向が車体後方、矢印LHで示す方向が車体左方、矢印RHで示す方向が車体右方である。図1Aと図2とでは車体前後方向が逆となっている。以下の説明での「前後方向」及び「左右方向」は、特に断りがない限り、それぞれ「車体の前後方向」及び「車体の左右方向」に対応している。
自動車に搭載される電動シートスライド装置は、図1A及び図2に示すように、車体床面に固定されて車両前後方向に沿って延設されるロアレール1と、ロアレール1の内部において長手方向に沿って相対移動するアッパレール3とを備えている。アッパレール3は、図示しないシートの下面に取り付けられる。したがって、シートは、アッパレール3とともに、車体床面に取り付けられたロアレール1に対して前後方向に移動する。ロアレール1とアッパレール3とでレール体を構成している。
ロアレール1は、図3に示すように、底壁1aの左右両端から外側斜め上方に延びる傾斜壁1b,1cが形成され、傾斜壁1b,1cの上端から上方に向けて延びる左右の側壁1d,1eが形成されている。左右の側壁1d,1eの上端からは内側に向けて延びる上壁1f,1gが形成され、上壁1f,1gの内側端部から下方に向けて、側壁1d,1eとほぼ平行に延びる内側壁1h,1iが形成されている。ロアレール1は、底壁1aが図示しない複数の取付具を介して車体の床面に固定される。
アッパレール3は、天壁3aの左右両側から下方に延びる左右の側壁3b,3cが形成され、左右の側壁3b,3cの下端から外側に向けて屈曲する折り返し部3d,3eが形成されている。折り返し部3d,3eは、側壁3b,3cの下端から外側上方に向けて延びる下ボール保持部3d1,3e1と、下ボール保持部3d1,3e1から外側斜め上方に向けて延びる傾斜部3d2,3e2と、傾斜部3d2,3e2から内側上方に向けて延びる上ボール保持部3d3,3e3と、を備えている。アッパレール3は、天壁3aがシート側の図示しない複数の取付具を介してシートの下面に固定される。
アッパレール3の下ボール保持部3d1,3e1及び上ボール保持部3d3,3e3と、ロアレール1との間に、下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11がそれぞれ転動自在に収容されている。下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11は、ボールリテーナ13,15に支持されている。下ボール保持部3d1,3e1及び上ボール保持部3d3,3e3は、下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11側が、凹状に湾曲している。アッパレール3がロアレール1に対して前後方向に移動する際に、下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11が回転することで、レール相互間の摩擦が抑制されて円滑な移動が可能となる。
図1A、図2に示すように、ロアレール1の前後両端部付近の左右及び、ロアレール1の中間部付近の左右には、それぞれ固定ストッパ1sが形成されている。固定ストッパ1sは、ボールリテーナ13,15に係合して、複数の下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11の下ボール保持部3d1,3e1及び上ボール保持部3d3,3e3からの外れ及び前後方向の位置ずれを抑えている。
アッパレール3の内部には、アッパレール3の移動方向に沿って延びるスクリュ軸17が配置されている。スクリュ軸17は、アッパレール3とほぼ同じ長さであり、アッパレール3に支持されている。一方、ロアレール1の長手方向中央よりやや後側の底壁1aには、ナット部材19が取り付けられている。ナット部材19は、スクリュ軸17の雄ねじ部17aが螺合するねじ孔としての雌ねじ部19aを備えている。すなわち、スクリュ軸17が回転することで、スクリュ軸17(アッパレール3)がナット部材19(ロアレール1)に対して前後方向に移動する。
スクリュ軸17は、図2、図4に示すように、モータ21及びギヤボックス23を備えた駆動部25によって回転駆動される。なお、駆動部25は図1Aでは省略している。駆動部25は、図4に示すように、アッパレール3の長手方向の前側端部に形成された左右一対の取付板3fに取り付けられる。取付板3fに形成された駆動部取付孔3fh(図1A)と締結具27(かしめピンやボルトナット等)とによって、駆動部25が取付板3fに取り付けられる。
図1Aに示すように、スクリュ軸17の前側の端部には、セレーション17bが形成されている。セレーション17bをギヤボックス23内に回転可能に支持された図示しないウォームホイールに結合することで、スクリュ軸17と駆動部25とが連結される。モータ21を除く電動シートスライド装置は、シートの左右位置にそれぞれ設けられている。シートのいずれか一方の電動シートスライド装置に設けられた単一のモータ21の出力軸が、図示しない連結部材により他方の電動シートスライド装置のギヤボックス23の図示しない入力軸に連結される。これにより、左右の電動シートスライド装置のスクリュ軸17が同期して駆動される。
アッパレール3の前方側及び後方側には、補強プレート29,31が取り付けられている。補強プレート29,31は、スクリュ軸17に直交するほぼ板状に形成され、アッパレール3の左右の側壁3b,3c間を跨ぐようにしてアッパレール3の内部に取り付けられている。補強プレート29,31は、アッパレール3の側壁3b,3cに形成されたスリット3gに、上端部の左右のかしめ部29a,29bがかしめられて取り付けられる。
補強プレート29は、板状部29cの中央にプレート貫通孔29dが形成され、プレート貫通孔29dにスクリュ軸17が挿通される。プレート貫通孔29dの内径は、スクリュ軸17の外径より大きい。したがって、スクリュ軸17は、プレート貫通孔29dに挿通された状態で、補強プレート29に対して回転自在である。
アッパレール突起3pは、アッパレール3の前後方向中央よりやや後方側において、下方に向けて突出している。アッパレール突起3pは、図3に示すように、左右側壁3b,3cと折り返し部3d,3eとの間の部分を曲げずに残すことによって、左右側壁3b,3cから連続するようにして下方に向けて突出しており、左右両側にそれぞれ形成している。前後に設けられたロアレール側突起1pは、図1A及び図3に示すように、ロアレール1の底壁1aを上方に向けて切り起こして形成したもので、左右のアッパレール突起3pに対応して左右両側に形成している。
前方の補強プレート29の前方側には軸受けナット33が、後方の補強プレート31の後方側には軸受けナット35が、それぞれ配置されている。軸受けナット33,35は、予めねじ山の一部を潰したロックナットであり、スクリュ軸17の雄ねじ部17aの所定位置までねじ込むことでその位置に固定される。なお、通常のナットをスクリュ軸17の雄ねじ部17aの所定位置にねじ込んだ状態で、ナットの外周部から軸心へ向かって複数個所を押圧することで、ナットをスクリュ軸17にかしめにより固定するようにしてもよい。
車両の衝突等により車体前方へ向かう衝撃荷重がアッパレール3に作用した場合、車体前方の補強プレート29が車体前方へ移動するため、補強プレート29が車体前方の軸受けナット33に衝突する。したがって、アッパレール3から、アッパレール3に結合されたギヤボックス23へ直接に衝撃荷重が伝達するのを抑制できる。これにより、ギヤボックス23へ衝撃荷重が伝達されることによりギヤボックス23をスクリュ軸17から引き離す衝撃荷重が作用するのを抑制できる。このとき、スクリュ軸17には引張力が作用する。
車体後方へ向かう衝撃荷重がアッパレール3に作用した場合は、車体後方の補強プレート31が車体後方の軸受けナット35に衝突する。したがって、アッパレール3からアッパレール3に結合されたギヤボックス23へ直接に衝撃荷重が伝達されることを抑制できる。これにより、ギヤボックス23へ衝撃荷重が伝達されてギヤボックス23がスクリュ軸17を押圧するのが抑制される。このときも、スクリュ軸17には引張力が作用する。
スクリュ軸17は、アッパレール3内に配置された状態で、後方側の後端部17cがエンドキャップ37の軸受け部37aに回転自在に支持される。エンドキャップ37は、軸受け部37aの外周部に設けてある左右一対の係合爪37bによって、アッパレール3の側壁3b,3cに形成してある係合孔3hに係合して取り付けられる。スクリュ軸17のセレーション17bよりもさらに前方側の前端部17dには、雄ねじが形成されている。図4に示すように、該雄ねじにナット36がねじ込まれることで、スクリュ軸17がギヤボックス23内の図示しないウォームホイールに軸方向に対して固定される。
次に、ナット部材19のロアレール1に対する取付構造について説明する。
ナット部材19は、図5及び図6に示すように、ブラケット39によりロアレール1に取り付けられる。ブラケット39は、ナット部材19の上側を覆う第1ブラケット41と、ナット部材19の下側を覆う第2ブラケット43とを備える。第1ブラケット41及び第2ブラケット43と、ナット部材19との間には弾性部材45が介在されている。弾性部材45は、ゴムなどの弾性変形可能な材料で構成されており、内部が空洞となっている。
ナット部材19は、図1Bにも示すように、上面19b、下面19c、左側面19d、右側面19e、前面19f及び後面19gを備え、全体としてほぼ直方体形状である。前面19fと後面19gとの間を前後方向に貫通する雌ねじ部19aが形成されている。左側面19dの前面19f側及び後面19g側には、前方及び後方に向けてそれぞれ突出する規制突起19hが形成されている。
右側面19eの前面19f側及び後面19g側には、前方及び後方に向けてそれぞれ突出する規制突起19iが形成されている。各規制突起19h,19iは、ナット部材19の上下方向の全長にわたり形成されている。規制突起19h,19iは、ナット部材19が弾性部材45の内部に配置された状態で、弾性部材45を左右両側から挟むようにして配置される。
第1ブラケット41は、ナット部材19の上面に対向する第1平面41aと、第1平面41aの前後方向の両端から下方に延び、ナット部材19の前面および後面にそれぞれ対向する一対の第1壁面41bとを備える。第1ブラケット41は、一対の第1壁面41bの下端から互いに離れる方向(前後方向)に延びる一対の第1取付面41cを備える。
第1壁面41bには、スクリュ軸17が挿入される挿入孔41bhが形成されている。挿入孔41bhの内径は、スクリュ軸17の外径よりも大きい。第1取付面41cには、第1ブラケット41を第2ブラケット43とともにロアレール1の底壁1aに取り付けるための取付孔41chが形成されている。
第2ブラケット43は、ナット部材19の下面に対向する第2平面43aと、第2平面43aの軸方向両端から下方に延びる一対の第2壁面43bとを備える。一対の第2壁面43bは、第1ブラケット41の一対の第1壁面41bの下部側の一部にそれぞれわずかな隙間を有して対向している(接触していていもよい)。第2ブラケット43は、一対の第2壁面43bの下端から互いに離れる方向(前後方向)に延びる一対の第2取付面43cを備える。一対の第2取付面43cは、第1ブラケット41の一対の第1取付面41cとロアレール1の底壁1aとの間に位置する。
第2平面43aには位置決め孔43ahが形成されている。位置決め孔43ahには、弾性部材45の後述する一対の位置決め突起45f,45g(図5)が嵌入される。位置決め突起45f,45gは、左右方向に長い矩形状となっている。第2取付面43cには、第2ブラケット43を第1ブラケット41とともにロアレール1の底壁1aに取り付けるための取付孔43chが形成されている。図5に示すように、第2ブラケット43の第2取付面43cの上に、第1ブラケット41の第1取付面41cを重ねた状態で、固定具47としてかしめピンを取付孔41ch及び取付孔43chに下方から挿入し、第1取付面41c側からかしめにより固定する。
第1ブラケット41及び第2ブラケット43は金属板で形成されており、第2ブラケット43の板厚は、第1ブラケット41の板厚よりも薄い。図1Bに示すように、第2ブラケット43の第2平面43aと一対の第2壁面43bとの間の角部には、V字形状に凹ませた凹部43dを形成している。凹部43dを形成することで補強部として機能する。第1ブラケット41と第2ブラケット43とは、左右方向の幅寸法がほぼ同等である。
弾性部材45は、図1B及び図5に示すように、第1ブラケット41の第1平面41aとナット部材19の上面19bとの間に位置するダンパ上面45aを備えている。ダンパ上面45aの前側の端縁及び後側の端縁から、それぞれ下方に向けて延びるダンパ前面45b及びダンパ後面45cが形成されている。ダンパ前面45b及びダンパ後面45cには、前後方向に貫通する貫通孔としてのダンパ貫通孔45bh及び45chがそれぞれ形成されている。ダンパ貫通孔45bh及び45chにはスクリュ軸17が挿入される。ダンパ貫通孔45bh及び45chの内径は、スクリュ軸17の外径よりも大きく、第1ブラケット41の挿入孔41bhとほぼ同等である。
ダンパ前面45b及びダンパ後面45cの左右方向の端縁は、ダンパ上面45aの左右方向の端縁よりも左右方向の内側に位置している。換言すれば、ダンパ上面45aの左右両側の端縁は、ダンパ前面45b及びダンパ後面45cの左右両側の端縁よりも左右方向の外側にそれぞれ突出している。
ダンパ前面45b及びダンパ後面45cの下端から互いに対向する側に向けて延びる、下面部分としてのダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eがそれぞれ形成されている。ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eの先端部相互は、僅かな隙間を有して離間している。ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eの前後方向の先端部において、左右方向の中央には下方に向けて突出する位置決め突起45f,45gが形成されている。位置決め突起45f,45gは、互いに対向する面がほぼ接触した状態であり、接触状態で第2ブラケット43の位置決め孔43ahに嵌入されて位置決めされる。ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eの左右両側の端縁は、ダンパ上面45aの左右方向の端縁とほぼ同じ位置にある。
図5に示すように、ナット部材19をブラケット39に組付けた状態で弾性部材45は、周囲の四面(ダンパ上面45a、ダンパ前面45b、ダンパ後面45c、ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45e)が、第1ブラケット41、第2ブラケット43及びナット部材19に対して以下のような位置関係となる。すなわち、前後のダンパ前面45b及びダンパ後面45cは、対向する第1ブラケット41の一対の第1壁面41bの内面との間、対向するナット部材19の前面19f及び後面19gとの間、でそれぞれ圧接した状態で密着している。ダンパ上面45aは、対向する第1ブラケット41の第1平面41aとの間、対向するナット部材19の上面19bとの間、でそれぞれほぼ密着(ほとんど隙間のない状態で当接)している。ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eは、対向する第2ブラケット43の第2平面43aとの間、対向するナット部材19の下面19cとの間、でそれぞれほぼ密着している。
ナット部材19の左側面19dと右側面19eのとの間の幅は、第1ブラケット41及び第2ブラケット43の左右方向の各端縁間の幅よりもわずかに小さくなるように形成している。したがって、ナット部材19の規制突起19h,19iは、第1ブラケット41の一対の第1壁面41bにそれぞれ対向している。このとき、規制突起19h,19iの先端は一対の第1壁面41bに対してそれぞれ離間していて、規制突起19h,19iと一対の第1壁面41bとの間に隙間が形成されている。このため、アッパレール3に前後方向の負荷が作用して、弾性部材45が圧縮された場合に、規制突起19h,19iの先端が一対の第1壁面41bに接触する。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態のシートスライド装置は、車両前後方向に沿って延設されるロアレール1と、ロアレール1の長手方向に沿って相対移動するアッパレール3と、ロアレール1とアッパレール3とのいずれか一方に回転自在に取り付けられ、相対移動する方向に沿って延びるスクリュ軸17と、ロアレール1とアッパレール3とのいずれか他方に取り付けられ、スクリュ軸17に螺合するナット部材19と、ナット部材19の上下両面および前後両面の4面を覆う四角筒形状を有するとともに、ナット部材19を前後方向に貫通する雌ねじ部19aと重なるダンパ貫通孔45bh及び45chを有する弾性部材45と、弾性部材45の外側でナット部材19の前記4面を覆うように支持するブラケット39と、を有する。
ブラケット39は、第1ブラケット41と第2ブラケット43とから構成される。第1ブラケット41は、ナット部材19の上面19bに対向する第1平面41aと、第1平面41aの前後方向の両端から下方に延び、ナット部材19の前面および後面にそれぞれ対向する一対の第1壁面41bと、一対の第1壁面41bの下端から互いに離れる方向に延びる一対の第1取付面41cと、を有する。第2ブラケット43は、ナット部材19の下面に対向する第2平面43aと、第2平面43aの前後方向の両端から下方に延び、第1ブラケット41の一対の第1壁面41bにそれぞれ対向する一対の第2壁面43bと、一対の第2壁面43bの下端から互いに離れる方向に延び、第1ブラケット41の一対の第1取付面41cとロアレール1の底面との間に位置する一対の第2取付面43cと、を有する。
このように構成されたシートスライド装置は、第1ブラケット41と第2ブラケット43とからなる二つのブラケットによって、ナット部材19を上下方向及び前後方向からそれぞれ挟持するようにして支持している。このため、ナット部材19の下面とロアレール1の底面(底壁1aの上面)とが離間していても、ナット部材19の下面が支持されているために、ブラケット39によるナット部材19の支持が充分なものとなる。これにより、スクリュ軸17の回転時にナット部材19の軸線周りの回転を抑制でき、異音や振動の発生を低減できる。
このとき、ナット部材19とブラケット39との間には、弾性部材45が介在されている。このため、ナット部材19はスクリュ軸17に対し上下方向、左右方向及び前後方向に揺動自在であり、スクリュ軸17の回転時に異音及び振動の発生を抑制できる。すなわち、スクリュ軸17の軸線とナット部材19の雌ねじ部19aの軸線とのずれを弾性部材45によって吸収できる。弾性部材45は、全体として板状のものをナット部材19の周囲四面を覆う形状にしてあるため、小型化及び軽量化が可能であり、コスト低下に寄与することができる。
第1ブラケット41の第1壁面41bと第2ブラケット43の第2壁面43bとが互いに接触することで、ブラケット39としての強度を高く保たれ、負荷に対してナット部材19の位置の変異(ブラケット39の変形量)を小さく抑えることができる。第1ブラケット41及び第2ブラケット43は、長尺の板材をほぼオーム(Ω)形状に折り曲げただけの簡素な形状であるため、加工性に優れ、製造コストを低く抑えることができる。外側の第1ブラケット41は、弾性部材45と係合するための係合孔を設ける必要がないため、強度を高く維持できる。
本実施形態の弾性部材45は、ナット部材19の下面19cと第2ブラケット43の第2平面43aとの間に位置するダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eが前後に2分割されている。2分割されたダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eの互いの対向する部分に、下方へ突出する一対の位置決め突起45f,45gがそれぞれ形成され、一対の位置決め突起45f,45gは、第2ブラケット43の第2平面43aに設けられた上下に貫通する位置決め孔43ahに挿入されている。
ナット部材19の前後両面は、左右の側端から第1ブラケット41の一対の第1壁面41bに向かってそれぞれ突出する規制突起19h,19iを有する。規制突起19h,19iは、弾性部材45を左右両側から挟むように突出するとともに、第1ブラケット41の第1壁面41bに対し、弾性部材45よりも離れた位置にある。
この場合、弾性部材45は、位置決め突起45f,45gを内側に位置する第2ブラケット43の位置決め孔43ahに嵌入して位置決めしている。このため、外側に位置する第1ブラケット41は、弾性部材45を位置決めするための位置決め孔を設ける必要がなく、強度を高く維持できる。弾性部材45は、ナット部材19の周囲四面を巻き付くようにして覆うため、規制突起19h,19iを備えていても、ナット部材19に容易に取り付けることができる。
規制突起19h,19iは、第1ブラケット41の第1壁面41bに対向している。この場合、アッパレール3に前後方向に作用した負荷が、スクリュ軸17及びナット部材19を介して弾性部材45が受ける。このとき、弾性部材45が前後方向に所定量以上弾性変形すると、規制突起19h,19iが第1壁面41bに直接接触する。これにより、弾性部材45が圧縮される過ぎることによる耐久性の悪化を抑制できる。弾性部材45の耐久性悪化を抑制することで、異音発生を抑制できる。規制突起19h,19iによって、ナット部材19と弾性部材45との左右方向の位置ずれを抑制できる。
ナット部材19とブラケット39との組み付けは、ナット部材19に弾性部材45を巻き付けた状態で、位置決め突起45f,45gを第2ブラケット43の位置決め孔43ahに嵌入しながら、弾性部材45を第2平面43aの上に載置する。続いて、弾性部材45の上から第1ブラケット41を被せる。この場合、ナット部材19とブラケット39との組み付けが容易であり、組み付け性が向上する。
本実施形態の第2ブラケット43は、第2平面43aと第2壁面43bとの間の角部に補強用の凹部43dが設けられている。このため、第2ブラケット43の強度を高く確保することができ、負荷に対してナット部材19の位置の変異(ブラケット39の変形量)をより小さくすることができる。
本実施形態は、第2ブラケット43の板厚が、第1ブラケット41の板厚よりも薄い。この場合、ブラケット39の上記した強度向上を図りつつ、第1取付面41cと第2取付面43cとの全体の取付面の厚さがより薄くなる。これにより、固定具47のロアレール1の底面(底壁1a)から上方への突出高さをより低くすることができる。外側の第1ブラケット41の板厚が内側の第2ブラケット43の板厚より厚いため、ブラケット39全体としての強度が高くなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
例えば、上記実施形態では、スクリュ軸17をアッパレール3に取り付け、ナット部材19をロアレール1に取り付けているが、スクリュ軸17をロアレール1に取り付け、ナット部材19をアッパレール3に取り付けてもよい。
1 ロアレール
3 アッパレール
17 スクリュ軸
19 ナット部材
19a ナット部材の雌ねじ部(ねじ孔)
19b ナット部材の上面
19c ナット部材の下面
19f ナット部材の前面
19g ナット部材の後面
19h,19i ナット部材の規制突起
39 ブラケット
41 第1ブラケット
41a 第1ブラケットの第1平面
41b 第1ブラケットの一対の第1壁面
41c 第1ブラケットの一対の第1取付面
43 第2ブラケット
43a 第2ブラケットの第2平面
43ah 第2ブラケットの位置決め孔
43b 第2ブラケットの一対の第2壁面
43c 第2ブラケットの一対の第2取付面
43d 第2ブラケットの凹部(補強部)
45 弾性部材
45bh,45ch 弾性部材のダンパ貫通孔(貫通孔)
45d 弾性部材のダンパ前側下面(下面部分)
45e 弾性部材のダンパ後側下面(下面部分)
45f,45g 弾性部材の位置決め突起

Claims (4)

  1. 車体前後方向に沿って延設されるロアレールと、
    前記ロアレールの長手方向に沿って相対移動するアッパレールと、
    前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか一方に回転自在に取り付けられ、前記相対移動する方向に沿って延びるスクリュ軸と、
    前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか他方に取り付けられ、前記スクリュ軸に螺合するナット部材と、
    前記ナット部材の上下両面および前後両面の4面を覆う四角筒形状を有するとともに、前記ナット部材を前後方向に貫通するねじ孔と重なる貫通孔を有する弾性部材と、
    前記弾性部材の外側で前記ナット部材の前記4面を覆うように支持するブラケットと、を有し、
    前記ブラケットは、
    前記ナット部材の上面に対向する第1平面と、前記第1平面の前後方向の両端から下方に延び、前記ナット部材の前面および後面にそれぞれ対向する一対の第1壁面と、前記一対の第1壁面の下端から互いに離れる方向に延びる一対の第1取付面と、を有する第1ブラケットと、
    前記ナット部材の下面に対向する第2平面と、前記第2平面の前後方向の両端から下方に延び、前記第1ブラケットの前記一対の第1壁面にそれぞれ対向する一対の第2壁面と、前記一対の第2壁面の下端から互いに離れる方向に延び、前記第1ブラケットの前記一対の第1取付面と前記ロアレールの底面との間に位置する一対の第2取付面と、を有する第2ブラケットと、を備えることを特徴とするシートスライド装置。
  2. 前記弾性部材は、前記ナット部材の下面と前記第2ブラケットの第2平面との間に位置する下面部分が前後に2分割されており、前記2分割された下面部分の互いに対向する部分に、下方へ突出する一対の位置決め突起がそれぞれ形成され、前記一対の位置決め突起は、前記第2ブラケットの第2平面に設けられた上下に貫通する位置決め孔に挿入され、
    前記ナット部材の前後両面には、左右の側端から前記第1ブラケットの一対の第1壁面に向かってそれぞれ突出する規制突起を有し、前記規制突起は、前記弾性部材を左右両側から挟むように突出するとともに、前記第1ブラケットの第1壁面に対し、前記弾性部材よりも離れた位置にあることを特徴とする請求項1に記載のシートスライド装置。
  3. 前記第2ブラケットは、前記第2平面と前記第2壁面との間の角部に補強部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシートスライド装置。
  4. 前記第2ブラケットの板厚は、前記第1ブラケットの板厚よりも薄いことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシートスライド装置。
JP2020134640A 2020-08-07 2020-08-07 シートスライド装置 Active JP7407087B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020134640A JP7407087B2 (ja) 2020-08-07 2020-08-07 シートスライド装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020134640A JP7407087B2 (ja) 2020-08-07 2020-08-07 シートスライド装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022030546A JP2022030546A (ja) 2022-02-18
JP7407087B2 true JP7407087B2 (ja) 2023-12-28

Family

ID=80324138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020134640A Active JP7407087B2 (ja) 2020-08-07 2020-08-07 シートスライド装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7407087B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006224831A (ja) 2005-02-18 2006-08-31 Imasen Electric Ind Co Ltd パワーシートスライド装置
US20080197654A1 (en) 2006-12-04 2008-08-21 Johnson Controls Technology Company Forward mounted power drive assembly
JP2014125163A (ja) 2012-12-27 2014-07-07 Toyota Boshoku Corp スライド装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006224831A (ja) 2005-02-18 2006-08-31 Imasen Electric Ind Co Ltd パワーシートスライド装置
US20080197654A1 (en) 2006-12-04 2008-08-21 Johnson Controls Technology Company Forward mounted power drive assembly
JP2014125163A (ja) 2012-12-27 2014-07-07 Toyota Boshoku Corp スライド装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022030546A (ja) 2022-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109094663B (zh) 车辆下部结构
US10259358B2 (en) Back frame attachment structure and vehicle seat
US20100133408A1 (en) Seat slide structure
JP5293026B2 (ja) 車両用パワーシート装置
US8770063B2 (en) Gearbox housing assembly
US9499073B2 (en) Slide rail of vehicle seat
JP5291397B2 (ja) 車両用シートのパワースライド装置
JP4857558B2 (ja) 車両用パワーシートスライド装置
JP5788216B2 (ja) 車両用シートのクッションシートフレーム構造および該構造を有する車両用シート
WO2014010641A2 (ja) チルトステアリング装置
WO2013051441A1 (ja) ステアリングコラム装置
WO2018198413A1 (ja) トルクロッド
US10054217B2 (en) Shift device
JP2020097350A (ja) 車両側部構造
US11603016B2 (en) Gearbox mechanism and seat sliding device provided with the gearbox mechanism
KR101477864B1 (ko) 자동차의 전기식 동력 보조 조향장치
JP2023093720A (ja) シートの前後位置調節装置
JP7407087B2 (ja) シートスライド装置
US20140245860A1 (en) Vehicle drive apparatus
JP2008068870A (ja) ステアリングホイールの電動式位置調節装置
JP5388271B2 (ja) 車両用シートのバックシートフレーム構造および該構造を有する車両用シート
CN112440836B (zh) 电动座椅滑动装置
JP6711134B2 (ja) ヘッドレスト
JP5235084B2 (ja) 車両用パワーユニット
JP5327189B2 (ja) ステアリングコラム用支持装置及びその組立方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7407087

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150