JP7406764B2 - 鋼管柱の接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼管柱の接合構造に関する。
一般的な鉄骨建築を構築している柱は、角型鋼管や丸形鋼管等の鋼管柱による通し柱が主流である。これら鋼管柱の材料としての単位長さは、運搬等を考慮した場合、通常、3階層程度の長さである。従って、4階建て以上の建物の建設や長い柱が輸送できない現場では、柱継手により鋼管柱を繋ぐ必要がある。
柱継手は、柱にかかる曲げ応力が小さくなるように、梁から1m程度の高さで繋ぐのが一般的であり、角型鋼管や丸形鋼管等の閉鎖型鋼管柱では、外周から接合施工する必要があるため、一般的には現地溶接で接合している。しかしながら、鋼管柱の溶接接合は、横向き溶接という高度な溶接技能が必要なため、溶接職人の確保や作業環境の確保が必要であり、多くの費用と工期が必要となっていた。
このような問題に対して、現在、大手ゼネコンでは溶接作業のロボット化を推し進めている(例えば、特許文献1)。これらの溶接作業のロボット化は、大規模な現場では効果を得ることができるものの、中小規模の現場では溶接のロボット化は困難な場合が多い。そのため、従来より提案されているボルトによる接合構造(例えば、特許文献2)を採用せざるを得ない。
特開2018-53626号公報 特開平10-317492号公報
しかしながら、上記従来のボルトによる接合構造は、適切な強度を満足させるための建築法規による制限が多く、高コストとなるため一般に普及していないのが現状である。また、これらのボルトによる接合構造では、鋼管柱の接合部側面にボルトの突起ができるため、梁等の接合施工上望ましくない場合があった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、現場での溶接作業を必要とせず、建築基準法の規定内で、汎用のボルトでの簡便かつ強力な接合が可能であり、柱面からの突起がなく、現行のボルトの接合と同等以下のコストで接合が可能な鋼管柱の接合構造を提供することを課題としている。
本発明の鋼管柱の接合構造は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の鋼管柱の接合構造は、長手方向上下に対向させた鋼管柱の端部同士を接合する鋼管柱の接合構造であって、
前記鋼管柱は、少なくとも一端部から長手方向に突出し、かつ、前記鋼管柱の外周から突出しないように溶接された一定の厚みを有する連結部材を備え、
前記連結部材は、上下の前記鋼管柱を長手方向直線状に対向させたときに、各々の連結部材の接合面が面接触する位置に配設されるとともに、前記接合面を面接触させた状態で各々を貫通するボルト挿通孔が設けられており、
上下の前記鋼管柱が、各々の前記連結部材の前記ボルト挿通孔を通してボルト接合されていることを特徴とする。
第2に、上記第1の発明の鋼管柱の接合構造において、前記連結部材は、長手方向に対して垂直方向の断面形状が直角に屈曲した1対の山形鋼部材からなり、
該一対の山形鋼部材は、各々の屈曲部を突き合わすように点対称の位置に配設されており、
上下に対向させた前記鋼管柱の一方の前記鋼管柱を長手軸方向に90°回転させて、前記連結部材の前記山形鋼部材を嵌合させ、
前記接合面を面接触させた状態でボルト接合されていることが好ましい。
第3に、上記第2の発明の鋼管柱の接合構造において、前記1対の山形鋼部材が、前記接合面の下部で補強部材により接合されており、上下各々の前記山形鋼部材の先端部と前記補強部材を当接させた状態で接合されていることが好ましい。
第4に、上記第2又は第3の発明の鋼管柱の接合構造において、前記1対の山形鋼部材を突き合わせた互いの屈曲部が、1mm以下の間隔を空けて配設されていることが好ましい。
第5に、上記第1の発明の鋼管柱の接合構造において、前記連結部材は、一片の角部に矩形切欠き部を有する複数のプレートからなり、該プレートの前記切欠き部の下部の縦辺を突き合わせて配設されており、
上下に対向させた前記鋼管柱の前記連結部材を嵌合させて、接合面を面接触させた状態でボルト接合されていることが好ましい。
第6に、上記第5の発明の鋼管柱の接合構造において、前記連結部材が、前記プレート4枚からなり、該プレートの前記切欠き部の下部の縦辺を突き合わせて上面視十字型に配設されていることが好ましい。
第7に、上記第5又は第6の発明の鋼管柱の接合構造において、上下に対向させた前記鋼管柱が、各々の前記プレートの切欠き部の下横辺同士を当接させた状態で接合されていることが好ましい。
第8に、上記第1から第7の発明の鋼管柱の接合構造において、前記鋼管柱の端部側面の長手方向に、前記連結部材の縁部が嵌合するスリットが設けられており、前記連結部材の縁部を前記スリットに嵌合させて溶接されていることが好ましい。
第9に、上記第1から第8の発明の鋼管柱の接合構造において、前記鋼管柱が角型鋼管柱であり、前記連結部材の接合面が、前記角型鋼管柱の長手方向に対する垂直方向断面の対角線の位置に配設され、前記連結部材の縁部が前記角型鋼管柱の角部に溶接されていることが好ましい。
第10に、上記第1から第8の発明の鋼管柱の接合構造において、前記鋼管柱が丸形鋼管柱であり、前記連結部材の接合面が、前記角型鋼管柱の長手方向に対する垂直方向断面において、円の中心を通る直径線状の位置に配設されて溶接されていることが好ましい。
第11に、上記第1から第10の発明の鋼管柱の接合構造において、接合する上下の前記鋼管柱における前記連結部材の形状及び配設が同一であることが好ましい。
本発明の鋼管柱の接合構造によれば、現場での溶接作業を必要とせず、建築基準法の規定内で、汎用のボルトでの簡便かつ強力な接合が可能であり、柱面からの突起がなく、現行のボルトの接合と同等以下のコストで接合が可能となる。
本発明の鋼管柱の接合構造の第1実施形態を示す概略側面図である。 図1の第1実施形態の接合構造におけるA-A断面図である。 第1実施形態の接合部材における山形鋼部材と補強部材の接合状態を示す概略図であり、(A)は側面図であり、(B)は上視面図である。 第1実施形態の接合部材を示す概略図であり、(A)は側面図であり、(B)は上視面図である。 本発明の鋼管柱の接合構造の第2実施形態を示す概略側面図である。 図5の第2実施形態の接合構造におけるB-B断面図である。 第2実施形態の接合構造におけるプレートを示す概略図である。 第2実施形態の接合部材におけるプレートの接合状態を示す概略図であり、(A)は側面図であり、(B)は上視面図である。 第2実施形態の接合部材を示す概略図であり、(A)は側面図であり、(B)は上視面図である。 第3実施形態の接合構造における概略断面図である。
本発明の鋼管柱の接合構造について図面に基づいて以下に詳述する。図1は、本発明の鋼管柱の接合構造の第1実施形態を示す概略側面図であり、図2は、図1におけるA-A断面図である。また、図5は、本発明の鋼管柱の接合構造の第2実施形態を示す概略側面図であり、図6は、図5におけるB-B断面図である。また、図10は、本発明の鋼管柱の接合構造の第3実施形態を示す概略断面図である。
本実施形態の鋼管柱の接合構造は、長手方向上下に対向させた鋼管柱1の端部同士を接合する鋼管柱の接合構造である。鋼管柱1は、少なくとも一端部から長手方向に突出し、かつ、鋼管柱1の外周から突出しないように溶接された一定の厚みを有する連結部材2を備えており、連結部材2は、上下の鋼管柱1を長手方向直線状に対向させたときに、各々の連結部材2の接合面302が面接触する位置に配設されるとともに、接合面302を面接触させた状態で各々を貫通するボルト挿通孔40が設けられている。そして、下の鋼管柱1が、各々の連結部材2のボルト挿通孔40を通してボルト41及びナット42によりボルト接合されている。
なお、本発明の連結部材2の接合構造としては、第1実施形態の接合構造と第2実施形態の接合構造が例示される。なお、以下の実施形態の説明においては、角型鋼管柱1を用いた接合構造を示している。
(第1実施形態の連結部材の接合構造)
第1実施形態の接合構造では、鋼管柱1の一端部から長手方向に突出した連結部材21は、図3(B)、図4(B)に示すように、長手方向に対して垂直方向の断面形状が直角に屈曲した1対の山形鋼部材30から構成されており、これら一対の山形鋼部材30は、各々の屈曲部301を突き合わすように点対称の位置に配設されている。山形鋼部材30の厚みは、鋼管柱1の規格等に応じて適宜決定可能であるが、JIS G 3192で規定するの規格に準じた寸法の選択が考慮される。また、連結部材21の接合面302にはボルト挿通孔40が設けられている。
第1実施形態の接合構造においては、上記連結部材21を構成する1対の山形鋼部材30が、接合面302の下部で補強部材31により相互に接合される。補強部材31は、図3に示すように、1対の山形鋼部材30の各々の接合面302の下部に密着するように、溶接部311で溶接されて固定されている。また、補強部材31は、連結部材21に用いた山形鋼部材30と断面形状が同一のものを用いるのが好ましく、上下の鋼管柱1の接合状態において、上下各々の連結部材21の先端部と補強部材31の端部が当接し、応力が伝達する位置及び形状に形成されている必要がある。山形鋼部材30は2枚のプレートがL型一体になっているが、隣接する山形鋼部材30とも応力伝達が必要であるため補強部材31を相互に渡すように溶接(孔開け溶接311)される。上記実施形態の補強部材31を設けることにより連結部材21を高強度にするとともに、接合状態において、上下各々の鋼管柱1を適正の強度で接合することができる。
角型鋼管柱1に対する上記連結部材21の固定は、図1及び図4に示すように、予め鋼管柱1の角部端部側面の長手方向に、連結部材21の縁部が嵌合する幅のスリット11を設けておき、そのスリット11に連結部材21の縁部を嵌合させて溶接することにより固定される。なお、スリット11の溶接部を斜線領域で示している。また、スリット11の位置、即ち、連結部材21の配設位置は、図1、図2に示すように、連結部材21の接合面302が角型鋼管柱1の長手方向に対する垂直方向断面における対角線の位置に配設されるように設定される。
また、補強部材31は、少なくともその一部が鋼管柱1のスリットに合わせる形で設けられていることが好ましい。連結部材の先端部に対して、連結部材と同形状断面の補強部材31を当接させることで、角型鋼管の角のスリットが対角線対象の位置になる。これにより、補強部材31と連結部材21が共に鋼管柱1の角部端部に溶接されることになり、連結部材21の強度をさらに大きくすることができる。
本第1実施形態の接合構造の接合方法としては、まず、同形状の上記連結部材21を備えた鋼管柱1同士を上下に対向させ、鋼管柱1の一方を長手軸方向に90°回転させて、連結部材21の山形鋼部材30の接合面302を面接触させた状態で嵌合させる。そして、上下各々の連結部材2の先端部と補強部材31を当接させるまでずらし、各々を貫通するボルト挿通孔40を通してボルト接合する。なお、連結部材21同士の接合に用いるボルト41として高力ボルトを用いることにより、連結部材21の接合面302同士を摩擦接合することで、上下鋼管柱1をさらに強固に接合することができる。
一方、上記上下各々の連結部材21を嵌合させる場合、連結部材21を構成する一対の山形鋼部材30の屈曲部301同士が接していると、山形鋼部材30の嵌り具合がきつくなり、接合施工性を悪くする場合がある。そのため、山形鋼部材30を突き合わせた互いの屈曲部301を接触させず、1mm以下、好ましくは0.4~1mm程度の間隔を空けて配設するのが好ましい。これにより、上下に対向させた鋼管柱1を接合する際に、連結部材2を抵抗なくスムーズに嵌合させることが可能となり、接合施工性を向上させることができる。なお、接合構造の規模が大きい場合等には1mmより広く空けてもよいが、その場合には肌すき(隙間)が1mm以内になるように別途スペーサー等を配設する必要がある。これは、建築工事の標準仕様書等で肌すきの寸法を所定の間隔以内にする旨が定められているためである。
(第2実施形態の連結部材の接合構造)
第2実施形態の連結部材の接合構造は、図5~図9に示すように、連結部材22が、一片の角部に矩形切欠き部321を有する4枚のプレート32からなり、プレート32の矩形切欠き部321の下部の縦辺322を突き合わせて上面視十字型に配設されて溶接されている。プレート32の厚みは、鋼管柱1の規格等に応じて適宜決定可能であるが、強度の観点から、通常、6~40mm程度が考慮される。なお、超高層用の角型鋼管の場合、特に極厚になる場合がある。また、連結部材22の接合面302にはボルト挿通孔40が設けられている。
角型鋼管柱1に対する上記連結部材22の固定は、第1実施形態の連結部材21の接合構造と同様に、図5及び図9に示すように、予め鋼管柱1の角部端部側面の長手方向に、連結部材22の縁部が嵌合する幅のスリット11を設けておき、そのスリット11に連結部材22の縁部を嵌合させて溶接することにより固定される。なお、スリット11の溶接部を斜線領域で示している。また、スリット11の位置、即ち、連結部材22の配設位置は、プレート32の接合面302が角型鋼管柱1の長手方向に対する垂直方向断面における対角線の位置に配設されるように設定される。即ち、連結部材22を構成する4枚のプレート32の矩形切欠き部321の下部の縦辺322は、上面視で図8(B)、図9(B)に示すような状態で溶接される。なお、この際プレート32の突き合わせ部の断面を溶接用開先(楔状の切欠き)324として空間を設け、その溶接用開先324を溶接することにより、溶接余盛りが接合面302と干渉することがなく溶接表面積を大きくとることができ、より強固な溶接が可能となる。図8(B)、図9(B)において、溶接用開先及び溶接部324を斜線領域で示している。
本第2実施形態の接合構造の接合方法としては、まず、同形状の上記連結部材22を備えた上下に対向させた鋼管柱1の接合部材の矩形切欠き部321で形成された空間部同士を嵌め合わせて、各々のプレート32の矩形切欠き部321の下横辺323同士を当接させる。そして、プレート32の接合面302を面接触させる。この状態では、矩形切欠き部321により形成される空間部が嵌め合いの遊びとなるため、第1実施形態と異なり、設計上プレート32同士の隙間を空ける必要がなく、抵抗なく各々を嵌め合わせることができ、さらに容易に位置調整ができ、4つの接合面302を密着させることができる。そして、その状態で各々のプレート32を貫通するボルト挿通孔40を通してボルト接合する。なお、本第2実施形態においても、設計上肌すきが1mm以上となる場合には別途スペーサーを設ける必要がある。連結部材22同士の接合に用いるボルト41としては、第1実施形態の接合構造と同様に、高力ボルトを用いることにより上下の鋼管柱1をさらに強固に接合することができる。上記のように、第2実施形態の接合構造では、鋼管柱1の各々のプレート32の矩形切欠き部321の下横辺323同士を当接させた状態で接合されるので、上下の鋼管柱1の軸力を当該面の支圧応力で伝達することができる。
(第3実施形態の連結部材の接合構造)
第3実施形態の連結部材の接合構造は、図10に示すように、鋼管柱が丸形鋼管柱1であり、連結部材23が上記第2実施形態で用いた一片の角部に矩形切欠き部321を有する複数のプレート32からなり、プレート32の矩形切欠き部321の下部の縦辺322を突き合わせて配設されて溶接されている。図10に示す第3実施形態はプレート3が6枚の構成であり、断面の円の中心で各々のプレート3の下部の縦辺322が溶接されている。なお、本発明において用いる丸形鋼管柱1は、建築用の規格における一般構造用炭素鋼鋼管のSTKであり、一般に「丸パイプ」「丸鋼管」、単に「鋼管」とも呼ばれるものである。
丸形鋼管柱1に対する上記連結部材23の固定は、予め丸形鋼管柱1の端部側面の長手方向に、連結部材23の縁部が嵌合する幅のスリット11を設けておき、そのスリット11に連結部材23の縁部を嵌合させて溶接することにより固定される。なお、スリット11の位置、即ち、連結部材23の配設位置は、丸形鋼管柱1の長手方向に対する垂直方向断面において、プレート32の接合面302が円の中心を通り、かつ、均等な角度で分割した線分(中心点対象)に対し、の接合面302が同方向(左方向又は右方向)になるように配設されている。
本第3実施形態の接合構造の接合方法としては、まず、同形状の上記連結部材23を備えた上下に対向させた丸形鋼管柱1の連結部材23の矩形切欠き部321で形成された空間部同士を嵌め合わせて、各々のプレート32の矩形切欠き部321の下横辺323同士を当接させる。そして、プレート32の6つの接合面302を面接触させる。そして、その状態で各々のプレート32を貫通するボルト挿通孔40を通してボルト接合する。連結部材23同士の接合に用いるボルト41としては、第1実施形態、第2実施形態の接合構造と同様に、高力ボルトを用いることにより上下の丸形鋼管柱1をさらに強固に接合することができる。
なお、上記第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態のいずれの接合構造においても、連結部材2の鋼管柱1端部からの突出寸法は、接合する鋼管柱1の連結部材2との接合面積やボルト挿通孔40の数等に応じて適宜設定ことができ、特に限定されるものではないが、建築に用いられる規格の鋼管柱の場合は、通常、10~50cm程度の突出寸法が考慮される。
また、上記第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態のいずれの接合構造においても、接続する上下の鋼管柱1に固定される連結部材2の形状及び配設が同一であることが好ましい。連結部材2の形状及び配設を同一とすることにより生産性を向上できるとともに、正確な位置かつ適切な強度で接合が可能となる。なお、上下の鋼管柱1の連結部材2の形状及び配設を同一とした場合に、連結部材2同士を適切に面接触させるためには、連結部材2が点対象であることと、点対象線に対して同方向に連結部材2の接合面302が配設されている必要がある。一方、上下の連結部材が同一でない場合は、面接触する線分を決めて設計することにより可能となる。
以上、本発明の鋼管柱の接合構造について実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。例えば、上記第3実施形態の接合構造では、丸形鋼管柱1の接合構造において、6枚のプレート32を接合する構成を示したが、3枚の構成や6枚より多い構成とすることもできる。また、丸形鋼管柱1に対して実施形態1で用いた山形鋼部材30を用いて連結部材23を構成することもできる。さらに、丸形鋼管柱1の接合構造において、接合部材23に山形鋼部材を2組用いたり、4枚のプレートを用いた構成とした場合には、丸形鋼管柱と角型鋼管柱とを接合させることもできる。
また、上記実施形態ではボルト41とナット42により摩擦接合しているが、リベットなどの締結具により剪断接合にすることもできる。また、ボルト41は通常高力ボルトが用いられるが、超高力ボルトを用いることができ、これによりボルト41の本数を減らすことができる。さらに、摩擦接合の強度を大きくする観点から、連結部材2の接合面302には赤錆処理又はブラスト処理を施しておくこともできる。
さらに、上記第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の接合構造では、鋼管柱1の端部にスリット11を設けて、該スリット11に連結部材2を嵌合させて溶接、固定しているが、鋼管柱1の端部にダイヤフラムを設けて一体化し、このダイヤフラムと連結部材を一体化してもよい。
上記の構成を有する本発明の鋼管柱の接合構造によれば、従来の鋼管柱の接合と比べて同等以上の接合強度を有するとともに、現場での溶接作業を必要とせず、建築基準法の規定内で、汎用の高力ボルトでの接合が可能であり、柱面からの突起がなく、部品点数を少なくでき、現行ボルト方式と同等以下のコストで強力な接合が可能となる。
1 鋼管柱(角型鋼管柱、丸形鋼管柱)
11 スリット
2 連結部材
21 第1実施形態の連結部材
22 第2実施形態の連結部材
23 第3実施形態の連結部材
30 山形鋼部材
301 屈曲部
302 接合面
31 補強部材
311 孔開け溶接部
32 プレート
321 矩形切欠き部
322 切欠き部の下部の縦辺
323 切欠き部の下横辺
324 溶接用開先及び溶接部
40 ボルト挿通孔
41 ボルト
42 ナット

Claims (6)

  1. 長手方向上下に対向させた鋼管柱の端部同士を接合する鋼管柱の接合構造であって、
    前記鋼管柱は、少なくとも一端部から長手方向に突出し、かつ、前記鋼管柱の外周から突出しないように溶接された一定の厚みを有する連結部材を備え、
    前記連結部材は、一片の角部に矩形切欠き部を有する複数のプレートからなり、該プレートの前記矩形切欠き部の下部の縦辺を突き合わせて配設され、上下の前記鋼管柱を長手方向直線状に対向させたときに、各々の連結部材の接合面が面接触する位置に配設されるとともに、前記接合面を面接触させた状態で、各々の連結部材を前記長手方向に直交する方向に貫通するボルト挿通孔が設けられており、
    上下に対向させた前記連結部材の前記プレートの前記矩形切欠き部で形成された空間部同士を嵌合させ、各々の前記プレートの前記矩形切欠き部の下横辺同士を当接させた状態で、上下の前記鋼管柱が、前記接合面を面接触させた各々の前記連結部材の前記ボルト挿通孔を通してボルト接合されていることを特徴とする鋼管柱の接合構造。
  2. 前記連結部材が、4枚の前記プレートからなり、該プレートの前記矩形切欠き部の下部の縦辺を突き合わせて上面視十字型に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管柱の接合構造。
  3. 前記鋼管柱の端部側面の長手方向に、前記連結部材の縁部が嵌合するスリットが設けられており、前記連結部材の縁部が前記スリットに嵌合されて溶接されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管柱の接合構造。
  4. 前記鋼管柱が角型鋼管柱であり、前記連結部材の接合面が、前記角型鋼管柱の長手方向に対する垂直方向断面の対角線の位置に配設され、前記連結部材の縁部が前記角型鋼管柱の角部に溶接されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鋼管柱の接合構造。
  5. 前記鋼管柱が丸形鋼管柱であり、前記連結部材の接合面が、前記丸形鋼管柱の長手方向に対する垂直方向断面において、円の中心を通る直径線状の位置に配設されて溶接されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼管柱の接合構造。
  6. 接合する上下の前記鋼管柱における前記連結部材の形状及び配設が同一であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の鋼管柱の接合構造。
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