JP7318220B2 - 柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法 - Google Patents

柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、角形鋼管で形成された鉄骨柱に形鋼で形成される鉄骨梁を接合する柱梁接合構造と、その施工方法に関する。
一般的に、H形鋼で形成された鉄骨梁と、角形鋼管で形成された鉄骨柱と、で構成されるラーメン構造の柱梁接合は、予め鉄骨柱の垂直面に鉄骨梁を接合するためのブラケット材を鉄骨工場にて溶接し、施工現場で鉄骨梁のフランジ及びウェブと、前記ブラケット材とをスプライスプレートで挟んで高力ボルト接合する方法が主流である。しかしながらこの接合方法では、鉄骨梁の上面から高力ボルトのボルト頭部が突出するため、梁上に設置するALCパネルや床スラブを受けるデッキプレートなどの水平面材が高力ボルトに干渉して作業効率が低下するという問題点がある。また、ブラケット材を鉄骨柱の垂直面から突出させるように鉄骨工場で溶接するので、運搬時にブラケット材の突出により運搬効率が悪いという問題点があった。そこで、高力ボルトの接合位置を工夫するとともに、ブラケット材を無くしてパネルゾーンに直接梁のエンドプレートを取付ける柱梁接合方法が発明されている。
例えば、特許文献1に記載の発明では、内周面に雌ねじを形成されたタップネジ孔を予め鉄骨柱に形成するとともに、鉄骨梁の長手方向の縁端に係止板を固定しておき、係止板を鉄骨柱の垂直面に当接するとともにワンサイドボルトを係止板に形成された貫通孔及びタップネジ孔に連通させて締付け方向に回動することにより、鉄骨柱と鉄骨梁とを接合する点が開示されている。この発明では、鉄骨柱にブラケット材を溶接することなく一方向からワンサイドボルトを締付けるだけで容易に鉄骨柱と鉄骨梁とを接合できるため、運搬効率や施工性を向上させることができる。
また、特許文献2及び特許文献3に記載の発明では、鉄骨柱の中空部に一般的な高力ボルトをセットして鉄骨柱に形成された貫通孔から高力ボルトのボルト軸を外側へ突出させる冶具について記載されている。この発明では、鉄骨柱や鉄骨梁に複雑な加工を加えることなく、中空部の外側へ突出させたボルト軸にナットを螺合させて締付けるだけで容易に鉄骨柱と鉄骨梁を接合することができるので、施工性を向上させることができる。
実開昭60-158010 特開2000-213070 特開平9-96015
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、予め鉄骨柱にタップネジ孔を開けるという特殊加工が必要であり、生産が複雑で製作コストが増大するという問題点が挙げられる。また、六角高力ボルトやトルシア形高力ボルトといった一般的に使用される高力ボルトではなくワンサイドボルトという特殊なボルトを使用するため、指定建築材料として建築基準法第37条第1項第二号の国土交通大臣認定を取得しなければ施工現場で使用することができないというデメリットがある。そして、特許文献2及び特許文献3に記載の発明は一般的な部材を用いて鉄骨柱と鉄骨梁とを接合することができるものの、高力ボルトを鉄骨柱の中空部に配置する冶具の構成や操作が複雑なため、冶具の操作に不慣れな作業員では高力ボルトと鉄骨柱に形成される貫通孔とを整合させるまでに時間を要し、作業効率が低下する虞がある。
そこで、本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであって、鉄骨梁や鉄骨柱に特殊な加工を施さず、一般的な部材を使用して容易に鉄骨梁と鉄骨柱とを接合する柱梁接合構造及び柱梁接合構造を用いた施工方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の柱梁接合構造は、角形鋼管で形成された鉄骨柱と、形鋼で形成された長尺な梁部の長手方向の縁端に平板状のエンドプレートを固定してなる鉄骨梁と、を接合する柱梁接合構造であって、鉄骨柱及びエンドプレートを貫通して接合する複数の第1ボルトと、当該複数の第1ボルトよりもボルト軸が長い第2ボルトと、複数の第1ボルトのボルト頭部及び第2ボルトの軸方向の一端部を一方の板面に回動不能に固定する平板状の固定プレートと、からなり、鉄骨柱の中空部に挿入される接合金具と、エンドプレートを避けた位置から第2ボルトのボルト軸のみを鉄骨柱の外側面の外側へ突出させるとともに、鉄骨柱から突出した当該ボルト軸の先端部に第1ナットを螺合して、接合金具を鉄骨柱に仮固定した状態とする仮固定機構と、鉄骨柱に仮固定された状態にある接合金具の第1ナットを締付け方向へ回動操作することにより、固定プレートを、他方の板面が鉄骨柱の内側面に当接するまで移動させて、複数の第1ボルトを、鉄骨柱及びエンドプレートに貫通させる移動機構と、鉄骨柱及びエンドプレートを貫通し、鉄骨柱の外側面の外側へ突出した複数の第1ボルトのボルト軸螺合することで、鉄骨柱及びエンドプレートを接合する第2ナットと、を備えることを特徴としている。
本発明の第2の柱梁接合構造は、前記鉄骨柱が、それぞれ角形鋼管で形成された長尺な柱部、及び前記鉄骨梁に接合されるパネルゾーン、の小口面同士を溶接接合してなる部材であり、前記パネルゾーンは、角形鋼管の一面を形成する板部に、前記複数の第1ボルトをそれぞれ挿入する複数の第1貫通孔及び前記第2ボルトを挿入する第2貫通孔を形成されることを特徴としている。
本発明の第3の柱梁接合構造は、前記複数の第1ボルトが、前記固定プレートに形成された複数の第1ボルト孔にそれぞれ挿入され、前記ボルト頭部を、前記固定プレートの前記一方の板面に固定される固定カバーに被覆されることによって前記固定プレートに固定されることを特徴としている。
本発明の第4の柱梁接合構造は、前記第2ボルトは、前記固定プレートに形成された第2ボルト孔に挿入され、前記固定プレートの前記一方の板面側で前記固定プレートに溶接固定されることを特徴としている。
本発明の第5の柱梁接合構造は、前記複数の第1ボルトが、先端部にピンテールを形成された複数の高力ボルトと、前記鉄骨柱及び前記鉄骨梁の仮組みに使用する仮ボルトと、を有することを特徴としている。
本発明の第1の柱梁接合構造の施工方法は、第2柱梁接合構造を用いて、前記鉄骨梁と前記鉄骨柱とを接合する柱梁接合構造の施工方法であって、前記接合金具を前記パネルゾーンの中空部に挿入し、前記複数の第1ボルトのボルト軸先端を前記複数の第1貫通孔内に収納した状態で、前記第2ボルトを前記第2貫通孔から突出させて先端部に前記第1ナットを螺合させ、前記柱部及び前記パネルゾーンの小口面同士を溶接接合し、前記複数の第1貫通孔及び前記エンドプレートに形成された前記複数の第1ボルトを挿入する複数の第3貫通孔の位置を整合させて前記第1ナットを締付け方向へ回動し、前記複数の第1ボルトで前記鉄骨柱及び前記エンドプレートを貫通するとともに、前記複数の第1ボルトをそれぞれ第2ナットで締付けることを特徴としている。
本発明の第1の柱梁接合構造によると、接合金具の第2ボルトは、第1ボルトよりもボルト軸が長いので、角形鋼管である鉄骨柱の中空部に接合金具を挿入し、第2ボルトのボルト軸先端部のみを中空部外側へ突出させた状態で、第2ボルトのボルト軸先端部に第1ナットを螺合させると、接合金具を鉄骨柱に仮固定することができ、またこの状態で第1ナットを締付方向へ回動させると、固定プレートに固定された第1ボルトを、鉄骨柱の角形鋼管の一面を形成する板部に近接する方向へ水平移動させることができる。したがって、予め鉄骨工場で第2ボルトのみを鉄骨柱から突出させた状態で接合金具を鉄骨柱に仮固定しておき、施工現場で第1ナットを中空部の外側から締付方向へ回動させて固定プレートを鉄骨柱の板部に近接させ、中空部から外側へ突出する第1ボルトで鉄骨柱及び鉄骨梁に固定されるエンドプレートを貫通させるとともに第1ボルトを専用のナットで締付ければ、特殊な部材や複雑な加工を用いることなく容易に鉄骨梁と鉄骨柱とを接合させることができ、施工性を向上させることができる。
本発明の第2の柱梁接合構造によると、鉄骨柱は、柱部及び鉄骨梁を接合するパネルゾーンの小口面同士を溶接接合したものであるので、接合金具をパネルゾーンの中空部に仮固定した状態で柱部及びパネルゾーンを溶接接合すれば、予め接合金具が内蔵された鉄骨柱を施工現場に搬入することができ、高所作業となる鉄骨柱及び鉄骨梁の接合作業時において、従来のように作業員が両部材同士を接合するボルトやプレート類を高所へ持ち運ぶ必要がなく、安全に作業を行うことができる。
本発明の第3の柱梁接合構造によると、第1ボルトは、固定プレートの一方の板面に固定される固定カバーに、ボルト頭部を被覆されることによって固定プレートに固定されるので、鉄骨柱の中空部に配置された固定プレートから第1ボルトが脱落することを効果的に防止することができる。また鉄骨柱と鉄骨梁とを接合する第1ボルトは、固定プレートに溶接固定されるのではなく、固定カバーによってボルト頭部を被覆されるだけであるため、ボルトの強度や品質を安定的に保持することができる。
本発明の第4の柱梁接合構造によると、第2ボルトは、固定プレートの一方の板面側で溶接固定されるので、第1ナットを回動操作して固定プレートを鉄骨柱の板部に近接させても、溶接部分が板部に干渉することはなく、固定プレートと鉄骨柱の板部とを精度よく当接させることができる。
本発明の第5の柱梁接合構造によると、第1ボルトは、ボルト軸の先端部にピンテールを形成された複数の高力ボルトと、鉄骨柱及び鉄骨梁の仮組みに使用する仮ボルトとを有しているので、一般的な鉄骨建方と同様、仮ボルトをナットで締付けて鉄骨柱と鉄骨梁とを仮組みし、建入れ直しを行った後に高力ボルトをピンテールが破断するまで専用工具でナットを締付けることにより鉄骨柱及び鉄骨梁を接合することができる。したがって、特殊な施工方法や部材を用いることがなく、大幅な施工省力化を図ることが可能となる。
本発明の第1の柱梁接合構造の施工方法によると、第1ナットを回動操作して接合金具の第1ボルトで鉄骨柱及びエンドプレートを貫通させるとともに、エンドプレートから突出した第1ボルトのボルト軸に第2ナットを締付けるだけで容易に鉄骨柱と鉄骨梁とを接合することができるので、施工性を向上させることができるとともに、施工費の増大を抑えて経済的に優れた接合方法を構築することができる。
柱梁接合構造を示す断面図。 図1のA-A線断面図。 図1のB-B線断面図。 鉄骨柱及び鉄骨梁を示す斜視図。 (a)接合金具を示す斜視図、(b)接合金具及び固定カバーを示す背面図。 (a)第2ボルトのみを中空部外側へ突出させた状態を示す断面図、(b)第1ボルト及び第2ボルトを中空部外側へ突出させた状態を示す断面図。 (a)接合金具をパネルゾーンに挿入する状況を示す断面図、(b)接合金具をパネルゾーンに仮固定した状態で柱部及びパネルゾーンを溶接接合した状態を示す断面図。 鉄骨梁を水平方向から第2ボルトの間に配置する状況を示す断面図。 第1ナットを回動操作して第1ボルトを中空部の外側へ突出させた状態を示す断面図。 (a)仮ボルトを仮止めした状況を示す断面図、(b)高力ボルトを本締めした状況を示す断面図。 四方向で鉄骨梁と接合する鉄骨柱を示す断面図。
以下、本発明に係る柱梁接合構造の実施形態について各図を参照しつつ説明する。本願の柱梁接合構造1は、図1から図3に示すように、角形鋼管で形成された鉄骨柱2と、形鋼で形成された梁部32にエンドプレート31を長手方向の縁端に固定されてなる鉄骨梁3と、を接合する構造で、鉄骨柱2及びエンドプレート31を接合する第1ボルト41と当該第1ボルト41よりもボルト軸が長い第2ボルト42とを有し、鉄骨柱2の中空部Sに挿入される接合金具4を備えている。
図4に示す鉄骨柱2は、それぞれ角形鋼管で形成された長尺な柱部21、及び鉄骨梁3と接合されるパネルゾーン22とを有しており、柱部21の第1小口面21a、及びパネルゾーン22の第2小口面22a同士を溶込溶接接合(23)してなる垂直部材である。またパネルゾーン22は、角形鋼管の一面を形成し、鉄骨梁3に接合される板部22bに板厚方向へ貫通する第1貫通孔22c及び第2貫通孔22dを、図2に示す接合金具4の第1ボルト41及び第2ボルト42の本数に対応した個数分だけ形成しており、第1貫通孔22cに第1ボルト41を挿入するとともに、第2貫通孔22dに第2ボルト42を挿入することができる。パネルゾーン22は、柱部21よりも板厚の厚い部材で、鉄骨柱2と鉄骨梁3とをノンダイヤフラム形式で接合可能とする一般的なジョイント部材とすることができ、その高さは、接合される鉄骨梁3の大きさによって異なる。また、この柱部21とパネルゾーン22との接続に通しダイヤフラムなどを入れて溶接することも可能である。
図4に示すように、鉄骨梁3は、H形鋼で形成された長尺な梁部32の長手方向の縁端に板状のエンドプレート31を固定されてなる水平部材である。エンドプレート31は、板面を梁部32の長手方向に直交させた状態で梁部32に溶接にて固定されており、鉄骨柱2の第1貫通孔22cと整合する位置に、板厚方向へ貫通する第3貫通孔31aを形成され、図2に示すように、この第3貫通孔31aに第1貫通孔22cから突き出した第1ボルト41を挿入することができる。また、エンドプレート31は、鉄骨柱2の板部22bの幅よりも小さい幅で形成されるとともに、構造計算で大きさを算出された梁部32の梁せいに対して同じせい又は高く形成される。このような形状であれば、エンドプレート31の板面全体を板部22bに当接できるとともに、複数の第1ボルト41で鉄骨柱2とエンドプレート31とを強固に接合することができる。また、第1ボルト41を挿入する鉄骨柱2の第1貫通孔22c、及び鉄骨梁3の第3貫通孔31aの孔径は、第1ボルト41の軸径に対して所定の数値を加えた孔径とすることにより、第1ボルト41で鉄骨柱2及び鉄骨梁3を接合した際に両部材2、3の接合強度を必要な強度に保つことができる。なお、図4等では梁部32をH形鋼で形成しているが、特に限定されるものではなく、L形鋼やC形鋼など他形状の形鋼で形成されたものであってもよい。
図2及び図5に示すように、接合金具4は、鉄骨柱2と鉄骨梁3とを貫通する複数の第1ボルト41と、第1ボルト41群の上下に配置され、第1ボルト41よりもボルト軸が長い第2ボルト42と、第1ボルト41のボルト頭部41a及び第2ボルト42の軸方向の一端部を一方の板面43aに回動不能に固定する固定プレート43と、で構成されている。第1ボルト41は、鉄骨柱2と鉄骨梁3とを接合するために一般的に使用される高力ボルト410と、鉄骨建方時の仮組みに使用される中ボルト(普通ボルト)で形成された仮ボルト411と、を有しており、高力ボルト410は、当該高力ボルト410のみで鉄骨柱2及び鉄骨梁3の接合強度を負担できるよう、構造計算で算出した本数が使用される。また仮ボルト411は、鉄骨柱2及び鉄骨梁3の接合強度を負担しないボルトであり、その本数は鉄骨柱2及び鉄骨梁3の仮組みを可能とする本数であれば特に限定されないが、第1ボルト41のボルト全数に対して所定の本数をバランスよく配置することが望ましく、このような本数であれば鉄骨柱2及び鉄骨梁3の仮組みを支障なく施工することができる。なお図5(a)では高力ボルト410の先端部にピンテール410aが形成されたトルシア形高力ボルトとしているが、六角高力ボルトとしてもよい。
第2ボルト42は、図2及び図5に示すように、第1ボルト41よりもボルト軸が長いボルトで、鉄骨柱2のパネルゾーン22を貫通するボルト軸42aの他端部に後述する第1ナット5を螺合することにより接合金具4を鉄骨柱2の板部22bに仮固定することができる。第2ボルト42は、接合金具4を鉄骨柱2に仮固定できるボルトであれば特に材質や強度を限定されることはなく、中ボルト(普通ボルト)などを使用してもよい。なお、図示例では第2ボルト42を第1ボルト41群の上下に各々1本配置しているが、その本数は特に限定されるものではない。
固定プレート43は、図2及び図5に示すように、平板状のプレートであり、第1ボルト41を挿入するための複数の第1ボルト孔43b、及び第2ボルト42を挿入するための2つの第2ボルト孔43cが形成されている。また、第2ボルト孔43cは、図2に示すように、鉄骨柱2の板部22bに鉄骨梁3を当接した際にエンドプレート31で孔が埋設しないよう、エンドプレート31を避けた位置に形成されている。
図2及び図5に示すように、第1ボルト41は、固定プレート43の一方の板面43a側から第1ボルト孔43bに挿入されるとともに、一方の板面43aにスポット溶接(43d)される固定カバー44にボルト頭部41aを被覆されることによって固定プレート43に回動不能に固定され、また、第2ボルト42は、第2ボルト孔43cに挿入されるとともに、一端部を一方の板面43a側から溶接接合(43e)されて固定プレート43に回動不能に固定される。なお、固定カバー44は、一方の板面43aに隅肉溶接して固定されてもよい。このように、第1ボルト41及び第2ボルト42を一方の板面43a側から固定プレート43に固定することにより、パネルゾーン22の中空部Sに配置される両ボルト41、42の下方への落下を防止することができる。また第1ボルト41は、第2ボルト42とは異なり、熱を加えて固定プレート43に溶接固定されることはないので、第1ボルト41の高力ボルト410の強度や品質を保持することができ、高力ボルト410に鉄骨柱2及び鉄骨梁3の接合強度を問題なく負担させることができる。なお、固定プレート43及び固定カバー44は鉄骨柱2及び鉄骨梁3の接合強度を負担するものではないため、第1ボルト41や第2ボルト42を保持可能であればその強度や板厚が限定されることはなく、その板厚や固定カバー44の板厚は、各ボルト41、42を固定できる程度の厚みのもので薄い金板とすることができる。
このように形成される接合金具4は、図6(a)に示すように、固定プレート43をパネルゾーン22の板部22bから離反させた状態で第2ボルト42をパネルゾーン22の中空部Sから外側へ向けて第2貫通孔22dから突出させ、ボルト軸部42aの先端部に第1ナット5を螺合させるとともに締付け方向へ回動させると、図6(b)に示すように、接合金具4全体を板部22bの方向へ水平移動させることができる。したがって、第1ナット5を中空部Sの外側から回動操作すると、固定プレート43に固定された第1ボルト41のボルト軸41bを所望する位置まで中空部Sの外側へ突出させることができる。
続いて、柱梁接合構造1の施工方法について説明する。まず、図7(a)に示すように、パネルゾーン22の中空部Sに、第1ボルト41及び第2ボルト42の先端をパネルゾーン22の板部22bへ向けた状態で接合金具4を挿入する。次に、図7(b)に示すように、第2ボルト42を第2貫通孔22dに挿入してボルト軸42aを突出させるとともに、第1ボルト41を第1貫通孔22cに挿入し、第2ボルト42のボルト軸42aの先端部に第1ナット5を螺合させて接合金具4をパネルゾーン22に仮固定する。このとき、固定プレート43は板部22bと離間しており、第1ボルト41のボルト軸41bの先端が板部22bの外側面22eよりも外側へ突出しないように接合金具4の位置が調整される。このような調整を行うことにより、鉄骨柱2の運搬時に鉄骨柱2と鉄骨梁3との接合強度を負担する高力ボルト410の破損を防止することができる。また、接合金具4は、長尺な柱部21ではなく柱部21よりも高さの低いパネルゾーン22に仮固定されるので、パネルゾーン22の上下の開口から容易に接合金具4を中空部Sへ挿入させることができ、接合金具4の仮固定作業の効率をより向上させることができる。
続いて、図7(b)に示すように、柱部21の第1小口面21aとパネルゾーン22の第2小口面22aとを重ね合せて溶込溶接接合(23)し、鉄骨柱2を形成する。なお、中空部Sに接合金具4を配置した状態で鉄骨柱2を形成するここまでの工程は、鉄骨工場で行われる。またこのとき、第1ボルト41及び第2ボルト42は、固定プレート43及び固定カバー44に安定的に保持されているので、運搬時に中空部Sの下方へ落下することはない。
次に、建設現場に搬入された鉄骨柱2を所定の位置に据付け、図8に示すように、鉄骨梁3を水平方向から上下の第2ボルト42の間に位置するように配置する。そして、図9に示すように、パネルゾーン22の第1貫通孔22cとエンドプレート31の第3貫通孔31aとの位置をシノなどで整合させて第1ナット5を締付け方向へ回動させ、固定プレート43が板部22bの内側面22fに当接するまで接合金具4を板部22b方向へ水平移動させて第1ボルト41を第1貫通孔22c及び第3貫通孔31aから突出させる。このとき、先述したように、第1ボルト41を固定プレート43の一方の板面43a側から固定カバー44で被覆固定するとともに、第2ボルト42を同じく一方の板面43a側で溶接固定しているので、固定プレート43と板部22bとの間に隙間を形成することなく両部材43、22b同士を確実に当接させることができ、また、複数の第1ボルト41の第3貫通孔31aからの突出長さを均一にすることができる。
続いて、図10(a)に示すように、エンドプレート31から突出した第1ボルト41のうち、仮ボルト411のみに仮ボルト用ナット6を締付けて鉄骨柱2及び鉄骨梁3を仮組みする。仮組みされた鉄骨柱2及び鉄骨梁3にワイヤーロープを張ってレバーブロック(登録商標)などで建入れ直しを行った後、図10(b)に示すように、高力ボルト410に第2ナット7を螺合し、ピンテール410aが破断するまで図外の専用のレンチで本締めを行う。このように、高力ボルト410をピンテール410aのついたトルシア形高力ボルトとすることにより、鉄骨柱2及び鉄骨梁3の接合強度が必要な強度に達しているか否かを目視確認できるので、施工性を向上させることができるとともに、施工品質を保持することができる。また第2ボルト42は先述したように構造上必要なボルトではないため、第1ボルト41の締付け後、施工上支障があるのであれば必要に応じてガスなどで短く切断してもよい。なお、図3等では、鉄骨梁3を1方向からのみ鉄骨柱2に接合しているが、鉄骨梁3を2、3方向から鉄骨柱2に接合させたり、図11に示すように4方向から接合させてもよい。
このように形成される柱梁接合構造1は、特殊な部材や複雑な加工を使用することなく、第1ナット5を中空部Sの外側から回動操作するだけで第1ボルト41のボルト軸41bを鉄骨柱2の外側へ容易に突出させることができ、一般的な部材や工法を用いて鉄骨柱2及び鉄骨梁3を接合することができる。また、柱梁接合構造1は、鉄骨柱2や鉄骨柱3の大きさに関係なく使用することができるので、施工性を向上させるとともに施工費や部材コストの増大を抑制して経済性に優れた接合構造とすることができる。そして、従来のように鉄骨柱2にブラケット材などの接合部材を溶接する必要がないので、鉄骨工場での鉄骨柱2の加工を最小限に抑えることができ、鉄骨柱2の製作手間を省くことができる。さらに、高所作業となる鉄骨柱2と鉄骨梁3との接合作業時に高力ボルトやスプライスプレートなどの部材を高所へ持ち運ぶ必要がなく、作業員は容易且つ安全に作業を行うことができる。
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明に係る柱梁接合構造は、鉄骨造の鉄骨柱及び鉄骨梁を接合する際に好適に使用することができる。
1 柱梁接合構造
2 鉄骨柱
21 柱部
21a 第1小口面(柱部の小口面)
22 パネルゾーン
22a 第2小口面(パネルゾーンの小口面)
22b 板部
22c 第1貫通孔
22d 第2貫通孔
3 鉄骨梁
31 エンドプレート
31a 第3貫通孔
32 梁部
4 接合金具
41 第1ボルト
41a (第1ボルトの)ボルト頭部
41b (第1ボルトの)ボルト軸
410 高力ボルト
410a ピンテール
411 仮ボルト
42 第2ボルト
42a (第2ボルトの)ボルト軸
43 固定プレート
43a 一方の板面
43b 第1ボルト孔
43c 第2ボルト孔
44 固定カバー
5 第1ナット
7 第2ナット
S 中空部

Claims (6)

  1. 角形鋼管で形成された鉄骨柱と、形鋼で形成された長尺な梁部の長手方向の縁端に平板 状のエンドプレートを固定してなる鉄骨梁と、を接合する柱梁接合構造であって、
    前記鉄骨柱及び前記エンドプレートを貫通して接合する複数の第1ボルトと、当該複数の第1ボルトよりもボルト軸が長い第2ボルトと、前記複数の第1ボルトのボルト頭部及び前記第2ボルトの軸方向の一端部を一方の板面に回動不能に固定する平板状の固定プレートと、からなり、前記鉄骨柱の中空部に挿入される接合金具と、
    前記エンドプレートを避けた位置から前記第2ボルトの前記ボルト軸のみを前記鉄骨柱の外側面の外側へ突出させるとともに、前記鉄骨柱から突出した当該ボルト軸の先端部に第1ナットを螺合して、前記接合金具を前記鉄骨柱に仮固定した状態とする仮固定機構と、
    前記鉄骨柱に仮固定された状態にある前記接合金具の前記第1ナットを締付け方向へ回動操作することにより、前記固定プレートを、他方の板面が前記鉄骨柱の内側面に当接するまで移動させて、前記複数の第1ボルトを、前記鉄骨柱及び前記エンドプレートに貫通させる移動機構と、
    前記鉄骨柱及び前記エンドプレートを貫通し、前記鉄骨柱の前記外側面の外側へ突出した前記複数の第1ボルトのボルト軸螺合することで、前記鉄骨柱及び前記エンドプレートを接合する第2ナットと、を備えることを特徴とする柱梁接合構造。
  2. 前記鉄骨柱は、それぞれ角形鋼管で形成された長尺な柱部、及び前記鉄骨梁に接合されるパネルゾーン、の小口面同士を溶接接合してなる部材であり、
    前記パネルゾーンは、角形鋼管の一面を形成する板部に、前記複数の第1ボルトをそれぞれ挿入する複数の第1貫通孔及び前記第2ボルトを挿入する第2貫通孔を形成されることを特徴とする請求項1に記載の柱梁接合構造。
  3. 前記複数の第1ボルトは、前記固定プレートに形成された複数の第1ボルト孔にそれぞれ挿入され、
    前記ボルト頭部を、前記固定プレートの前記一方の板面に固定される固定カバーに被覆されることによって前記固定プレートに固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の柱梁接合構造。
  4. 前記第2ボルトは、前記固定プレートに形成された第2ボルト孔に挿入され、
    前記固定プレートの前記一方の板面側で前記固定プレートに溶接固定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の柱梁接合構造。
  5. 前記複数の第1ボルトは、先端部にピンテールを形成された複数の高力ボルトと、前記鉄骨柱及び前記鉄骨梁の仮組みに使用する仮ボルトと、を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の柱梁接合構造。
  6. 請求項2記載の柱梁接合構造を用いて、前記鉄骨梁と前記鉄骨柱とを接合する柱梁接合構造の施工方法であって、
    前記接合金具を前記パネルゾーンの中空部に挿入し、前記複数の第1ボルトのボルト軸先端を前記複数の第1貫通孔内にそれぞれ収納した状態で、前記第2ボルトを前記第2貫通孔から突出させて先端部に前記第1ナットを螺合させ、
    前記柱部及び前記パネルゾーンの小口面同士を溶接接合し、
    前記複数の第1貫通孔及び前記エンドプレートに形成された前記複数の第1ボルトを挿入する複数の第3貫通孔の位置を整合させて前記第1ナットを締付け方向へ回動し、前記複数の第1ボルトで前記鉄骨柱及び前記エンドプレートを貫通するとともに、
    前記複数の第1ボルトをそれぞれ第2ナットで締付けることを特徴とする柱梁接合構造の施工方法。
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