JP7394768B2 - キナーゼ阻害剤としての環状イミノピリミジン誘導体 - Google Patents

キナーゼ阻害剤としての環状イミノピリミジン誘導体 Download PDF

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Description

相互参照パラグラフ
本願は、2017年9月20日に出願の米国仮特許出願第62/561,142号の優先権を主張し、その内容はそれら全体において参照により組み入れられる。
分野
環状イミノピリミジン誘導体、そのような化合物を含む薬学的組成物、およびそのような化合物または組成物を使用する方法、例えば、増殖異常、がんもしくは腫瘍を治療する方法、またはいくつかの態様では、非限定的にB-Raf V600Eキナーゼなどのキナーゼの調節不全に関連する疾患もしくは障害を治療する方法を、本明細書において提供する。
背景
本開示は、本明細書において記載される新規な環状イミノピリミジンおよびそれらの二環式化合物、およびそれらの同位体誘導体、ならびにそのような化合物を含有する薬学的組成物による、がん、より具体的には脳腫瘍などの、哺乳類、特にヒトにおける、異常な細胞成長の治療に関する。加えて、本開示はそのような化合物を調製する方法に関する。
キナーゼは、高エネルギーのリン酸供与分子から特異的基質へのリン酸基の移動を触媒する酵素である。このプロセスはリン酸化として公知であり、ここでは基質がリン酸基を獲得し、高エネルギーATP分子がリン酸基を供与する。このエステル交換がリン酸化された基質およびADPを生成する。
キナーゼは、それらが作用する基質によってプロテインキナーゼ、脂質キナーゼ、炭水化物キナーゼという広範なグループに分類される。キナーゼは、バクテリアからカビ、蠕虫、哺乳類に至るまで様々な種で見られ得る。500を超える異なるキナーゼがヒトでは同定されている。
MAPキナーゼ(MAPK)は様々な細胞外成長シグナルに応答するセリン/スレオニンキナーゼのファミリーである。例えば、成長ホルモン、上皮成長因子、血小板由来成長因子、およびインスリンはすべて、MAPK経路に関与し得る細胞***促進刺激と考えられる。受容体レベルでのこの経路の活性化はシグナル伝達カスケードを開始し、これによりRas GTPaseがGDPをGTPに交換する。次に、RasはRafキナーゼ(MAPKKKとしても公知である)を活性化し、これはMEK(MAPKK)を活性化する。MEKはMAPK(ERKとしても公知である)を活性化し、これは次に転写および翻訳を調節し得る。RAFおよびMAPKはいずれもセリン/スレオニンキナーゼであるが、MAPKKはチロシン/スレオニンキナーゼである。
MAPK経路の発がん性がこれを臨床的に重要なものにしている。これは制御されない成長およびその後の腫瘍形成に繋がり得る細胞プロセスに関連付けられている。この経路内の変異は細胞分化、増殖、生存、およびアポトーシスに対するその調節効果を変化させ、これらはすべて様々な形態のがんに関連付けられている。
そのようなキナーゼはメラノーマ、結腸直腸がん、甲状腺がん、グリオーマ、乳がんおよび肺がんなどの一般的なヒトがんにおいて異常に発現されることが多いことが公知である。キナーゼ活性を有するB-Rafは脳、肺、メラノーマ、結腸直腸がん、卵巣がんおよび甲状腺乳頭がんなどの多くのヒトがんにおいて変異されかつ/または過活動になることも示されている。
キナーゼの阻害は、哺乳類のがん細胞の成長を妨害するための、したがって、特定の形態のがんを治療するための有用な方法である。ピロロピリジンおよびチアゾール誘導体などの様々な化合物がキナーゼ阻害特性を有することが示されている。多くの特許公報は特定の二環式誘導体、特にキナゾリノン誘導体に言及している。
多様な化学構造を備えたいくつかの化合物がB-Raf V600E変異体阻害剤へと発展し、それらのうちの2つ(ベムラフェニブおよびダブラフェニブ)は臨床応用において非常に効果的である。例えば、ベムラフェニブおよびダブラフェニブはB-Raf V600Eの変異を標的とすることによって様々ながんを治療する市販の薬物である。B-Raf V600E変異体キナーゼを阻害する、エンコラフェニブなどの他の化合物も臨床開発中である。
Figure 0007394768000001
しかしながら、それらの構造的な特徴により、多くのキナーゼ阻害剤はP-糖タンパク質(P-gp)または乳がん耐性タンパク質(BCRP)などのアクティブトランスポーターの基質になり、細胞膜ならびに脳に浸透する傾向は非常に低い。したがって、それらは血液脳関門(BBB)によって保護されている脳における腫瘍またはがんの治療のために用いられるには適していない。
よって、特定のキナーゼの選択的阻害剤である本開示の化合物は哺乳類における異常な細胞成長、特にがんの治療に有用である。加えて、これらの化合物は細胞膜の浸透性が良好であり、したがって、ヒトにおける脳腫瘍を含む腫瘍またはがんの治療のために有用である。
概要
一局面では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供され、
Figure 0007394768000002
式中
X1、X2、およびX3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり;
Y1、Y2、およびY3はそれぞれ独立してNまたはCRbであり;
Z1はO、S、NRcまたはCRdReであり;
Z2は結合またはNRfであり;
mは0、1、2または3であり;
nは1、2または3であり;
R1、R2、R3、Ra、Rb、Rd、およびReはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rh、-NRgC(O)ORh、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;
R4は水素またはC1~C6アルキルであり;かつ
Rc、Rf、Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してH、C1~C6アルキル、またはC1~C6ハロアルキルである。
別の局面では、式(I-1)の化合物が提供され、
Figure 0007394768000003
式中
X1、X2、およびX3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり;
Y1、Y2、およびY3はそれぞれ独立してNまたはCRbであり;
Z1はO、S、NRcまたはCRdReであり;
Z2は結合またはNRfであり;
mは0、1、2または3であり;
nは1、2または3であり;
R1、R2、R3、Ra、Rb、Rd、およびReはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rh、-NRgC(O)ORh、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;かつ
Rc、Rf、Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。
別の局面では、式(I-2a)、(I-2b)、および(I-2c)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供され、
Figure 0007394768000004
式中Y1、Y2、Y3、Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRaは式(I)に関して規定した通りである。
別の局面では、式(I-2d)、(I-2e)、もしくは(I-2f)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供され、
Figure 0007394768000005
式中X1、X2、X3、Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRbは式(I)に関して規定した通りである。
別の局面では、式(I-3a)もしくは(I-3b)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供され、
Figure 0007394768000006
式中Z1、Z2、R1、R2、R3、m、およびRaは式(I)に関して規定した通りである。
別の局面では、式(I-4a)、(I-4b)、もしくは(I-4c)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供され、
Figure 0007394768000007
式中Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRaは式(I)に関して規定した通りである。
別の局面では、式(I-5a)もしくは(I-5b)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供され、
Figure 0007394768000008
式中Z1、R1、R2、R3、m、およびRaは式(I)に関して規定した通りである。
式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、もしくは(I-5b)などの本明細書において提供される式のいずれかのいくつかの態様またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体では、Z1はOである。本明細書において提供される式のいずれかまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体のいくつかの態様では、Z2は結合である。
本明細書において提供される式のいずれかまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体のいくつかの態様では、mは0である。いくつかの態様では、mは1である。別の態様では、mは2である。本明細書において提供される式のいずれかまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体のいくつかの態様では、nは1である。いくつかの態様では、nは2である。
本明細書において提供される式のいずれかまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体のいくつかの態様では、各R1は独立して水素、-OH、-C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、またはC1~C6ジアルキルアミノであり、ここでC1~C6アルキルはハロゲンで置換されてもよい。C1~C6ジアルキルアミノ(すなわち、-NRxRy、ここでRxおよびRyはそれぞれ独立して-C1~C6アルキルである)の例は-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N(CH3)CH2CH3、および-N(CH(CH3)2)2を非限定的に含む。いくつかの態様では、各R1は独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、オキソ、および-NR1aR1bで置換されたC1~C6アルキルあり、ここでR1aおよびR1bはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は水素である。本明細書において提供される式のいずれかまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体のいくつかの態様では、R2は水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、MeSO2、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、または-NRhRiであり、ここでC1~C6アルキルは1つまたは複数のハロゲンで置換されてもよく、RhおよびRiはそれぞれ独立してC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R2はCNである。いくつかの態様では、R2はClである。いくつかの態様では、R2はCF3である。
本明細書において提供される式のいずれかまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体のいくつかの態様では、R3はC1~C6アルキル、またはアリールもしくはヘテロアリールであり、ここでアリールまたはヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C6アルキルより選択される1つまたは複数の基で置換されてもよい。いくつかの態様では、R3は2-フルオロフェニルである。いくつかの態様では、R3はピロリジニルである。特定の態様では、R3は3-フルオロピロリジニルである。いくつかの態様では、R3はプロピルである。いくつかの態様では、R3はチオフェニルである。いくつかの態様では、R3は、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、オキソ、および-NR3aR3bより選択された1つまたは複数の基で置換されたC1~C6アルキルであり、ここでR3aおよびR3bはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。具体的な態様では、R3は3-フルオロプロピルまたは3-ヒドロキシプロピルである。いくつかの態様では、R3は-NRhRiであり、RhおよびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキル、またはC1~C6ハロアルキルである。特定の態様では、R3は-N(CH3)CH2CH3、-N(CH3)CH2CH2F、または-N(CH3)CH3である。
本明細書において提供される式のいずれかまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体のいくつかの態様では、RaはHである。いくつかの態様では、RaはFである。本明細書において提供される式のいずれかまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体のいくつかの態様では、RbはHである。いくつかの態様では、RbはFである。
いくつかの態様では、表1の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供される。表2の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体も提供される。
いくつかの局面では、本明細書において記載される式のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体と、薬学的に許容される希釈剤または担体とを含有する、薬学的組成物が提供される。
いくつかの局面では、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の少なくとも1つの化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体と、第2の予防剤または治療剤とを含有する、組み合わせが提供される。
いくつかの局面では、対象におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療しかつ/または予防する際の使用のための式(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物などの式(I)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供される。いくつかの態様では、増殖異常またはがんは、肝臓、腎臓、膀胱、***、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺、肝癌、肉腫、膠芽腫、頭頚部、メラノーマの悪性または良性の腫瘍、ならびに皮膚の良性過形成および前立腺の良性過形成などの他の過形成状態からなる群より選択される。
いくつかの局面では、対象におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療しかつ/または予防する方法であって、有効量の本明細書において示される式のいずれかのうちの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体、または本明細書において開示される式のいずれかの化合物を含有する薬学的組成物、あるいは本明細書において開示される式のいずれかを含有する組み合わせを対象に投与する工程を含む方法が提供される。いくつかの態様では、増殖異常またはがんは、肝臓、腎臓、膀胱、***、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺、肝癌、肉腫、膠芽腫、頭頚部、メラノーマの悪性または良性の腫瘍、ならびに皮膚の良性過形成および前立腺の良性過形成などの他の過形成状態からなる群より選択される。
いくつかの局面では、本開示は、薬の製造のための、本明細書において記載される式のいずれかの少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体の使用を提供する。
いくつかの局面では、本開示は、B-Raf V600Eキナーゼの阻害に感受性がある増殖異常、がん、または腫瘍を有する対象において抗増殖効果をもたらすための方法であって、有効量の本明細書において示される式のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体、あるいは本明細書において開示される式のいずれかの化合物を含有する薬学的組成物、あるいは本明細書において開示される式のいずれかを含有する組み合わせを対象に投与する工程を含む方法を提供する。
いくつかの局面では、神経変性疾患の治療における使用のための、式(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物などの式(I)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供される。いくつかの態様では、神経変性疾患は筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病からなる群より選択される。
いくつかの局面では、本開示は対象における神経変性疾患を治療するための方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、有効量の本明細書において示される式のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体、あるいは本明細書において開示される式のいずれかの化合物を含有する薬学的組成物、あるいは本明細書において開示される式のいずれかを含有する組み合わせを対象に投与する工程を含む。いくつかの態様では、神経変性疾患は筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病からなる群より選択される。
また別の局面では、細胞におけるB-Raf V600Eキナーゼの活性を阻害するための方法であって、細胞を、有効量の本明細書において示される式のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体、あるいは本明細書において開示される式のいずれかの化合物を含有する薬学的組成物、あるいは本明細書において開示される式のいずれかを含有する組み合わせとインビトロ、エクスビボ、またはインビボで接触させる工程を含む方法が提供される。
[本発明1001]
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体:
Figure 0007394768000009
式中
X 1 、X 2 、およびX 3 はそれぞれ独立してNまたはCR a であり;
Y 1 、Y 2 、およびY 3 はそれぞれ独立してNまたはCR b であり;
Z 1 はO、S、NR c またはCR d R e であり;
Z 2 は結合またはNR f であり;
mは0、1、2または3であり;
nは1、2または3であり;
R 1 、R 2 、R 3 、R a 、R b 、R d 、およびR e はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、-CN、-NO 2 、置換または非置換C 1 ~C 6 アルキル、置換または非置換C 2 ~C 6 アルケニル、置換または非置換C 2 ~C 6 アルキニル、-OR g 、-SR g 、-S(O) 2 R g 、-NR h R i 、-C(O)R g 、-OC(O)R g 、-C(O)OR g 、-C(O)NR h R i 、-OC(O)NR h R i 、-NR g C(O)R h 、-NR g C(O)OR h 、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;
R 4 は水素またはC 1 ~C 6 アルキルであり;かつ
R c 、R f 、R g 、R h 、およびR i はそれぞれ独立してH、C 1 ~C 6 アルキル、またはC 1 ~C 6 ハロアルキルである。
[本発明1002]
式(I-2a)、(I-2b)、もしくは(I-2c)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、本発明1001の化合物:
Figure 0007394768000010
Figure 0007394768000011
式中
Y 1 、Y 2 、Y 3 、Z 1 、Z 2 、R 1 、R 2 、R 3 、m、n、およびR a は式(I)に関して規定したとおりである。
[本発明1003]
式(I-2d)、(I-2e)、もしくは(I-2f)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、本発明1001の化合物:
Figure 0007394768000012
式中
X 1 、X 2 、X 3 、Z 1 、Z 2 、R 1 、R 2 、R 3 、m、n、およびR b は式(I)に関して規定したとおりである。
[本発明1004]
式(I-3a)もしくは(I-3b)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、本発明1001の化合物:
Figure 0007394768000013
式中
Z 1 、Z 2 、R 1 、R 2 、R 3 、m、およびR a は式(I)に関して規定したとおりである。
[本発明1005]
式(I-4a)、(I-4b)、もしくは(I-4c)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、本発明1001の化合物:
Figure 0007394768000014
式中
Z 1 、Z 2 、R 1 、R 2 、R 3 、m、n、およびR a は式(I)に関して規定したとおりである。
[本発明1006]
式(I-5a)もしくは(I-5b)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、本発明1001の化合物:
Figure 0007394768000015
式中
Z 1 、R 1 、R 2 、R 3 、m、およびR a は式(I)に関して規定したとおりである。
[本発明1007]
Z 1 がOである、本発明1001~1006のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1008]
Z 2 が結合である、本発明1001~1005および1007のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1009]
nが1である、本発明1001~1003、1005、および1007~1008のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1010]
nが2である、本発明1001~1003、1005、および1007~1008のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1011]
mが1である、本発明1001~1010のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1012]
mが2である、本発明1001~1010のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1013]
mが0である、本発明1001~1010のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1014]
各R 1 が独立して水素、-OH、-C 1 ~C 6 アルキル、C 1 ~C 6 アルコキシ、またはC 1 ~C 6 ジアルキルアミノであり、ここでC 1 ~C 6 アルキルはハロゲンで置換されてもよい、本発明1001~1012のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1015]
各R 1 が独立して、ハロゲン、-CN、-NO 2 、-OH、オキソ、および-NR 1a R 1b で置換されたC 1 ~C 6 アルキルであり、ここでR 1a およびR 1b はそれぞれ独立してHまたはC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1001~1012のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1016]
R 1 が水素である、本発明1015の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1017]
R 2 が水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、MeSO 2 、C 1 ~C 6 アルキル、C 1 ~C 6 アルコキシ、または-NR h R i であり、ここでC 1 ~C 6 アルキルは1つまたは複数のハロゲンで置換されてもよく、R h およびR i はそれぞれ独立してC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1001~1016のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1018]
R 2 が-CNである、本発明1017の化合物。
[本発明1019]
R 2 がClである、本発明1017の化合物。
[本発明1020]
R 2 が-CF 3 である、本発明1017の化合物。
[本発明1021]
R 3 がC 1 ~C 6 アルキル、またはアリールもしくはヘテロアリールであり、ここでアリールまたはヘテロアリールは、ハロゲンおよびC 1 ~C 6 アルキルより選択される1つまたは複数の基で置換されてもよい、本発明1001~1020のいずれかの化合物。
[本発明1022]
R 3 が2-フルオロフェニルである、本発明1021の化合物。
[本発明1023]
R 3 がピロリジニルである、本発明1021の化合物。
[本発明1024]
R 3 が3-フルオロピロリジニルである、本発明1021の化合物。
[本発明1025]
R 3 がプロピルである、本発明1021の化合物。
[本発明1026]
R 3 がチオフェニルである、本発明1021の化合物。
[本発明1027]
R 3 が、ハロゲン、-CN、-NO 2 、-OH、オキソ、および-NR 3a R 3b より選択される1つまたは複数の基で置換されたC 1 ~C 6 アルキルであり、ここでR 3a およびR 3b はそれぞれ独立してHまたはC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1001~1020のいずれかの化合物。
[本発明1028]
R 3 が3-フルオロプロピルまたは3-ヒドロキシプロピルである、本発明1027の化合物。
[本発明1029]
R 3 が-NR h R i であり、R h およびR i がそれぞれ独立してHまたはC 1 ~C 6 アルキル、またはC 1 ~C 6 ハロアルキルである、本発明1001~1020のいずれかの化合物。
[本発明1030]
R 3 が-N(CH 3 )CH 2 CH 3 、-N(CH 3 )CH 2 CH 2 F、または-N(CH 3 )CH 3 である、本発明1029の化合物。
[本発明1031]
R a がHである、本発明1001~1030のいずれかの化合物。
[本発明1032]
R a がFである、本発明1001~1030のいずれかの化合物。
[本発明1033]
R b がHである、本発明1001~1003および1007~1032のいずれかの化合物。
[本発明1034]
R b がFである、本発明1001~1003および1007~1032のいずれかの化合物。
[本発明1035]
表1:
Figure 0007394768000016
Figure 0007394768000017
Figure 0007394768000018
Figure 0007394768000019
Figure 0007394768000020
Figure 0007394768000021
Figure 0007394768000022
の化合物より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1036]
表2:
Figure 0007394768000023
Figure 0007394768000024
Figure 0007394768000025
の化合物より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
[本発明1037]
本発明1001~1036のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される希釈剤または担体とを含む、薬学的組成物。
[本発明1038]
本発明1001~1036のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩と第2の予防剤または治療剤とを含む、組み合わせ。
[本発明1039]
対象におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療しかつ/または予防する際の使用のための、本発明1001~1036のいずれかの化合物。
[本発明1040]
増殖異常またはがんが、肝臓、腎臓、膀胱、***、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺、肝癌、肉腫、膠芽腫、頭頚部、メラノーマの悪性または良性の腫瘍、ならびに皮膚の良性過形成および前立腺の良性過形成などの他の過形成状態からなる群より選択される、本発明1039の化合物。
[本発明1041]
対象におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療しかつ/または予防するための方法であって、以下の工程を含む方法:
有効量の本発明1001~1036のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩、本発明1037の薬学的組成物、あるいは本発明1038の組み合わせを対象に投与する工程。
[本発明1042]
増殖異常またはがんが、肝臓、腎臓、膀胱、***、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺、肝癌、肉腫、膠芽腫、頭頚部、メラノーマの悪性または良性の腫瘍、ならびに皮膚の良性過形成および前立腺の良性過形成などの他の過形成状態からなる群より選択される、本発明1041の方法。
[本発明1043]
薬の製造のための、本発明1001~1036のいずれかの化合物の使用。
[本発明1044]
B-Raf V600Eキナーゼの阻害に感受性がある増殖異常、がん、または腫瘍を有する対象において抗増殖効果をもたらすための方法であって、以下の工程を含む方法:
有効量の本発明1001~1036のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩、あるいは本発明1037の薬学的組成物、あるいは本発明1038の組み合わせを対象に投与する工程。
[本発明1045]
神経変性疾患の治療における使用のための、本発明1001~1036のいずれかの化合物。
[本発明1046]
神経変性疾患が筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病からなる群より選択される、本発明1045の化合物。
[本発明1047]
対象における神経変性疾患を治療する方法であって、以下の工程を含む方法:
有効量の本発明1001~1036のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩、本発明1037の薬学的組成物、あるいは本発明1038の組み合わせを対象に投与する工程。
[本発明1048]
神経変性疾患が筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病からなる群より選択される、本発明1037の方法。
[本発明1049]
細胞におけるB-Raf V600Eキナーゼの活性を阻害するための方法であって、以下の工程を含む方法:
細胞を、有効量の本発明1001~1036のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩、本発明1037の薬学的組成物、あるいは本発明1038の組み合わせとインビトロ、エクスビボ、またはインビボで接触させる工程。
詳細な説明
定義
別途定義した場合を除いて、本明細書において用いるすべての技術的および科学的用語は本発明が属する技術分野における当業者によって通常は解釈されるものと同じ意味を有する。本明細書において参照されるすべての特許、出願、公開済みの出願、および他の出版物はそれらの全体において参照により組み入れられる。このセクションに記された定義が参照により本明細書に組み入れられる特許、出願、または他の出版物に記された定義と矛盾しているかまたはそうでなければ一致していなければ、このセクションに記された定義が参照により本明細書に組み入れられる定義に優先する。
本明細書において用いるように、「1つの(a, an)」は「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。
本明細書において用いるように、本明細書における「約」のついた値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体へ向けられた態様を含んでいる(かつ記載している)。例えば、「約X」に言及する記載は「X」の記載を含んでいる。
別途明記しない限り、本明細書において用いられる「個体」または「対象」は、ヒト、ウシ、霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、およびヒツジ動物を非限定的に含む哺乳類を意図している。よって、本明細書において提供される組成物および方法は、農業用動物および家庭用ペットにおける用途を含む、ヒトの医療および獣医学的文脈の両方における用途がある。個体はがんなどの本明細書において記載される状態を有すると診断されたか、またはその疑いがあるヒトであってもよい。個体はがんなどの本明細書において記載される状態に伴う1つまたは複数の症状を呈するヒトであってもよい。個体はがんなどの本明細書において記載される状態に伴う変異したかまたは異常な遺伝子を有するヒトであってもよい。個体は、がんなどの本明細書において記載される状態を、遺伝的にか何かで発症する傾向があるかまたは発症するリスクがあるヒトであってもよい。
本明細書において用いるように、「治療」または「治療する」とは、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本明細書において提供される組成物および方法の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果は以下のうちの1つまたは複数を非限定的に含む:状態に起因する1つまたは複数の症状を軽減すること、状態の程度を小さくすること、状態を安定化させること(例えば、状態の悪化を防止するかまたは遅延すること)、状態の拡大(例えば、転移)を防止するかまたは遅延すること、状態の進行を遅延するかまたは遅らせること、病状を改善すること、疾患の寛解(部分的かまたは全面的かに関わらず)をもたらすこと、状態を治療するために要する1つまたは複数の他の薬剤の用量を低減すること、状態を治療するために用いられる別の薬剤の効果を高めること、状態を有する個体の生活の質を向上すること、および/または生存期間を延ばすこと。がんを治療する方法はがんの病理学的帰結の縮小を包含する。本明細書において記載される方法は治療のこれらの局面のうちの任意の1つまたは複数を企図している。
本明細書において用いる、「リスクのある」個体とは、がんなどの本明細書において記載される疾患または状態を発症するリスクのある個体である。「リスクのある」個体は検出可能な疾患を有してもいなくてもよく、本明細書において記載される治療方法に先立って検出可能な疾患を示したことがあってもなくてもよい。「リスクのある」とは、個体ががんなどの本明細書において記載される疾患または状態の発症と相関する測定可能なパラメータである1つまたは複数のいわゆるリスクファクタを有することを表している。1つまたは複数のこれらのリスクファクタを有する個体は、これらのリスクファクタのない個体よりも疾患または状態を発症する可能性が高い。
本明細書において用いるように、「併用療法」とは2つ以上の異なる化合物を含む療法を意味する。よって、1つの局面では、本明細書において詳述される化合物と他の化合物とを含む併用療法が提供される。いくつかのバリエーションでは、併用療法は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体もしくは賦形剤、非薬学的活性化合物、および/または不活性物質を任意で含む。様々な態様では、併用療法による治療は、本明細書において提供される単一の化合物の単独の投与と比較して、付加的なまたは相乗的でさえある(例えば、付加的よりも大きな)結果をもたらすことがある。いくつかの態様では、個々の療法のために一般的に用いられる量と比較して、より少ない量の各化合物が、併用療法の一部として用いられる。好ましくは、個々の化合物のいずれかを単独で用いることによるよりも、併用療法を用いて、同一のまたはより大きな治療的利益が達成される。いくつかの態様では、同一のまたはより大きな治療的利益が、個々の化合物または治療のために一般的に用いられる量よりも、併用療法においてはより少ない量(例えば、より低い用量またはより少ない頻度の投薬スケジュール)の化合物を用いて達成される。好ましくは、少量の化合物の使用は化合物に伴う1つまたは複数の副作用の数、重症度、頻度、および/または期間の減少をもたらす。
本明細書において用いるように、「有効量」という用語は、効力および毒性のそのパラメータと組み合わせて、所与の治療形態において有効となる、本明細書において提供される化合物のそのような量を意図している。当技術分野において理解されているように、有効量は1つまたは複数の用量であってもよい、すなわち、単回用量または複数回用量が所望の治療エンドポイントを達成するために必要とされることがある。有効量は1つまたは複数の治療剤を投与する文脈で考慮されてもよいし、1つまたは複数の別の剤と組み合わせて望ましいまたは有益な結果が達成される可能性があるかまたは達成されるのであれば、単一の剤が有効量で与えられることが考慮されてもよい。同時投与される化合物のうちのいずれかの好適な用量は、化合物の複合作用(例えば、相加的または相乗的効果)により任意で減じてもよい。様々な態様では、有効量の組成物または療法は(i)がん細胞の数を減少させる;(ii)腫瘍サイズを減少させる;(iii)末梢器官へのがん細胞の浸潤を阻害するか、ある程度遅らせるか、好ましくは停止させる;(iv)腫瘍転移を阻害する(例えば、ある程度遅らせる、好ましくは停止させる);(v)腫瘍成長を阻害する;(vi)腫瘍の発生および/または再発を防止するかまたは遅延させる;かつ/または(vii)がんに伴う1つまたは複数の症状をある程度緩和することがある。様々な態様では、該量は、がんなどの本明細書において記載される疾患または状態の1つまたは複数の症状を改善する、軽くする、減らす、および/または遅延させるのに十分なものである。
当技術分野において理解されているように、「有効量」は1つまたは複数の用量であってもよい、すなわち、単回用量または複数回用量が所望の治療エンドポイントを達成するために必要とされることがある。有効量は1つまたは複数の治療剤を投与する文脈で考慮されてもよいし、1つまたは複数の別の剤と組み合わせて望ましいまたは有益な結果が達成される可能性があるかまたは達成されるのであれば、化合物またはその薬学的に許容される塩が有効量で与えられることが考慮されてもよい。
「治療有効量」とは、所望の治療成績をもたらす(例えば、がんなどの本明細書において記載される疾患または状態の1つまたは複数の症状の重症度または期間を低減すること、症状の重症度を安定化させること、または症状を排除すること)のに十分な化合物またはその塩の量を指す。治療的使用のためには、有益なまたは所望の結果は、例えば、疾患または状態の発症時に現れるその合併症および中間的な病理学的表現型を含む、疾患に起因する1つまたは複数の症状(生化学的、組織学的および/または行動学的)を軽減すること、疾患または状態を患うものの生活の質を向上させること、疾患または状態を治療するために必要な他の薬物の用量を低減すること、別の薬物の効果を高めること、疾患または状態の進行を遅延すること、および/または患者の生存期間を延ばすことを含む。
予防的有効量を含む、化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量は、個体ががんの既往歴を有しかつ概して(必ずしもというわけではないが)手術(例えば外科的切除)、放射線療法、および化学療法を非限定的に含む療法に応答性があった臨床環境を指す補助環境において、個体に与えられてもよいと理解される。しかしながら、これらの個体は、それらのがんの既往歴によりがんを発症するリスクがあると見なされる。「補助環境」における治療または投与とは、その後の治療様式を指す。
本明細書において用いるように、「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」とは、生物学的にか何かで望ましくないものではない材料を意味し、例えば、該材料は、任意の顕著で望ましくない生物学的効果を引き起こしたりまたはそれが含有されている組成物の他の成分のどれとも有害な様式で相互作用したりすることなく、患者に投与される薬学的組成物に組み込まれることがある。薬学的に許容される担体または賦形剤は、毒物学的および製造試験の要件を満たし、かつ/または米国食品医薬品局が作成したInactive Ingredient Guideに含まれていることが好ましい。
「薬学的に許容される塩」とは、遊離(塩ではない)化合物の生物活性の少なくとも一部を保持しかつ薬物または医薬品として個体に投与し得る塩である。そのような塩は、例えば:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成されるかもしくは酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸などの有機酸と形成される酸付加塩;(2)親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンによって置き換えられると形成される塩;または有機塩基との配位体を含む。許容される有機塩基はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを含む。許容される無機塩基は水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどを含む。薬学的に許容される塩は、製造プロセスにおいてインサイチューで、またはその遊離酸もしくは塩基の形態で本明細書において提供される精製された化合物を好適な有機もしくは無機塩基または酸とそれぞれ別々に反応させ、このように形成された塩をその後の精製時に単離することによって調製し得る。
本明細書において用いられる「賦形剤」という用語は、本明細書において提供される化合物を有効成分として含有する錠剤などの薬物または医薬品の製造において用いられることがある不活性または非活性物質を意味する。賦形剤という用語によって、バインダー、崩壊剤、コーティング、圧縮/カプセル化助剤、クリームもしくはローション、滑剤、非経口投与用溶液、チュアブル錠用材料、甘味料もしくは香料、懸濁/ゲル化剤、または湿式造粒剤として用いられる任意の物質を非限定的に含む、様々な物質が包含されうる。バインダーは、例えば、カルボマー、ポビドン、キサンタンガムなどを含み;コーティングは、例えば、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ジェランガム、マルトデキストリン、腸溶コーティングなどを含み;圧縮/カプセル化助剤は、例えば、炭酸カルシウム、デキストロース、フルクトースdc(dc = "直接圧縮可能")、ハニーdc、ラクトース(無水物または一水和物;任意でアスパルテーム、セルロース、または微結晶性セルロースと組み合わせたもの)、デンプンdc、スクロースなどを含み;崩壊剤は、例えば、クロスカルメロースナトリウム、ジェランガム、デンプングリコール酸ナトリウムなどを含み;クリームまたはローションは、例えば、マルトデキストリン、カラギーナンなどを含み;滑剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウムなどを含み;チュアブル錠用材料は、例えば、デキストロース、フルクトースdc、ラクトース(一水和物、任意でアスパルテームまたはセルロースと組み合わせたもの)などを含み;懸濁/ゲル化剤は、例えば、カラギーナン、デンプングリコール酸ナトリウム、キサンタンガムなどを含み;甘味料は、例えば、アスパルテーム、デキストロース、フルクトースdc、ソルビトール、スクロースdcなどを含み;湿式造粒剤は、例えば、炭酸カルシウム、マルトデキストリン、微結晶セルロースなどを含む。
「アルキル」は飽和した直鎖または分岐鎖一価炭化水素構造およびそれらの組み合わせを指しかつ含む。具体的なアルキル基は1~20個の炭素原子を有するものである(「C1~C20アルキル」)。より具体的なアルキル基は1~8個の炭素原子(「C1~C8アルキル」)または1~6個の炭素原子(「C1~C6アルキル」)を有するものである。特定の炭素数を有するアルキル残基の名前が挙げられている場合、その炭素数を有するすべての幾何異性体を包含しかつ記載していることが意図されており;よって、例えば、「ブチル」はn-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、およびtert-ブチルを含むことを意味しており;「プロピル」はn-プロピルおよびイソ-プロピルを含む。この用語はメチル、t-ブチル、n-ヘプチル、オクチルなどの基によって例示される。
「シクロアルキル」は環状の一価炭化水素構造を指しかつ含む。シクロアルキルは、シクロヘキシルなどの1つの環、またはアダマンチルなどの複数の環からなり得る。1つを超える環を含むシクロアルキルは縮合、スピロもしくは架橋、またはそれらの組み合わせであってもよい。好ましいシクロアルキルは3~13個の環炭素原子を有する飽和環状炭化水素である。より好ましいシクロアルキルは3~8個の環炭素原子を有する飽和環状炭化水素(「C3~C8シクロアルキル」)である。シクロアルキル基の例はアダマンチル、デカヒドロナフタレニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。
「アルケニル」は少なくとも1つのオレフィン性不飽和部位を有する(すなわち、少なくとも1つの式C=C部分を有する)、好ましくは2~10個の炭素原子、より好ましくは2~8個の炭素原子を有する不飽和炭化水素基を指す。アルケニルの例は-CH2-CH=CH-CH3および-CH=CH-CH=CH2を非限定的に含む。
「シクロアルケニル」は少なくとも1つのオレフィン性不飽和部位を有する(すなわち、少なくとも1つの式C=C部分を有する)シクロアルキル内の不飽和炭化水素基を指す。シクロアルケニルはシクロヘキシルなどの1つの環、またはノルボルネニルなどの複数の環からなり得る。より好ましいシクロアルケニルは3~8個の環炭素原子を有する不飽和環状炭化水素(「C3~C8シクロアルケニル」)である。シクロアルケニル基の例はシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどを含む。
「アルキニル」は少なくとも1つのアセチレン性不飽和部位を有する(すなわち、少なくとも1つの式C≡C部分を有する)、好ましくは2~10個の炭素原子、より好ましくは2~8個の炭素原子などを有する不飽和炭化水素基を指す。
「アルコキシ」という用語は-O-アルキル基を指し、ここでOは分子の残り部分に対する結合点であり、アルキルは上に規定した通りである。
「ハロアルキル」は1つ、2つ、または3つのハロ置換基などの1つまたは複数のハロ置換基を備えたアルキル基を指す。ハロアルキル基の例は-CF3、-(CH2)F、-CHF2、CH2Br、-CH2CF3、-CH2CHF2、および-CH2CH2Fを含む。
「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」、または「ヘテロシクリル」は、単環または複数の縮合環を有し、1~10個の環炭素原子と1~4個の窒素、硫黄または酸素などの環ヘテロ原子とを有する飽和または不飽和の非芳香族基などを指す。1つを超える環を含むヘテロ環は縮合、スピロもしくは架橋、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。縮合環系では1つまたは複数の環はアリールまたはヘテロアリールであり得る。少なくとも1つの環が芳香性である1つを超える環を有するヘテロ環は非芳香環位置または芳香環位置のいずれかで親構造に結合してもよい。1つのバリエーションでは、少なくとも1つの環が芳香性である1つを超える環を有するヘテロ環は非芳香環位置で親構造に結合している。
「アリール」または「Ar」は単環(例えば、フェニル)または、縮合環が芳香性であってもなくてもよい複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する不飽和芳香族炭素環式基を指す。1つのバリエーションでは、アリール基は6~14個の環炭素原子を含有する。少なくとも1つの環が非芳香性である1つを超える環を有するアリール基は芳香環位置または非芳香環位置のいずれかで親構造に結合していてもよい。1つのバリエーションでは、少なくとも1つの環が非芳香性である1を超える環を有するアリール基は芳香環位置で親構造に結合している。
「ヘテロアリール」または「HetAr」は1~10個の環炭素原子と、窒素、酸素および硫黄などのヘテロ原子を非限定的に含む少なくとも1つの環ヘテロ原子とを有する不飽和芳香族炭素環式基を指す。ヘテロアリール基は単環(例えば、ピリジル、フリル)または、縮合環が芳香性であってもなくてもよい複数の縮合環(例えば、インドリジニル、ベンゾチエニル)を有してもよい。少なくとも1つの環が非芳香性である1つを超える環を有するヘテロアリール基は芳香環位置または非芳香環位置のいずれかで親構造に結合してもよい。1つのバリエーションでは、少なくとも1つの環が非芳香性である1を超える環を有するヘテロアリール基は芳香環位置で親構造に結合している。
「ハロゲン」という用語は塩素、フッ素、臭素、またはヨウ素を表す。「ハロ」という用語はクロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨードを表す。
「置換された」という用語は、特定された基または部分が、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、シアノ、アジド、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、オキソ、カルボニルアルキレンアルコキシなどの置換基を非限定的に含む1つまたは複数の置換基を備えていることを意味する。「非置換」という用語は特定された基が置換基を備えていないことを意味する。「置換されてもよい」という用語は特定された基が置換されていないか、または1つもしくは複数の置換基によって置換されていることを意味する。「置換された」という用語が構造系を説明するために用いられる場合、置換は系上の原子価によって許容される位置で起きることを意味する。
「実質的に純粋な」化合物の組成物とは、組成物が、異なる立体化学形態の化合物であってもよい不純物を15%以下、または好ましくは10%以下、またはより好ましくは5%以下、またはさらにより好ましくは3%以下、最も好ましくは1%以下しか含有していないことを意味する。例を挙げると、実質的に純粋な(S)化合物の組成物は、組成物が(R)形態の化合物を15%以下、または10%以下、または5%以下、または3%以下、または1%以下しか含有していないことを意味する。
本明細書において与えられる任意の式は、構造式によって図示される構造を有する化合物ならびに特定のバリエーションまたは形態を表すように意図されている。特に、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、または(I-5b)の化合物などの本明細書において与えられる任意の式の化合物は非対称の中心を有し、したがって、異なるエナンチオマー形態で存在することがある。これらの立体異性体混合物は当業者には公知の方法によって、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶化によって、それらの物理化学的または光学的差異に基づいてそれらの個々のステレオマーに分割し得る。ジアステレオマーおよびエナンチオマーを含むすべてのそのような異性体は発明の一部と見なされる。一般式の化合物のすべての光学異性体および立体異性体、ならびに任意の比率のそれらの混合物は式の範囲内にあると見なされる。よって、本明細書において与えられる任意の式はラセミ体、1つまたは複数のエナンチオマー形態、1つまたは複数のジアステレオマー形態、1つまたは複数のアトロプ異性体形態、および任意の比率のそれらの混合物を表すように意図されている。さらに、特定の構造は幾何異性体(すなわち、シスおよびトランス異性体)として、互変異性体として、またはアトロプ異性体として存在することがある。加えて、本明細書において与えられる任意の式は、そのような化合物の水和物、溶媒和物、ならびにアモルファスおよび多型形態、ならびにそれらの混合物のいずれか1つをそのような形態が明示的に列挙されていなくても指すことも意図している。いくつかの態様では、溶媒は水であり、溶媒和物は水和物である。
本明細書において与えられる任意の式は化合物の非標識形態ならびに同位体標識形態を表すことも意図している。同位体標識された化合物は、1つまたは複数の原子が、選択された原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられていることを除いて、本明細書において与えられる式によって示される構造を有する。本明細書において記載される化合物に組み込まれ得る同位体の例は、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Cl、および125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体を含む。重水素(すなわち、2H)などのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の延長または必要な投与量の減少をもたらすことがある。本明細書において記載される同位体標識化合物およびそれらのプロドラッグは、概して、同位体標識されていない試薬を容易に入手可能な同位体標識された試薬で置き換えて、下に記載されるスキームにおいてまたは例および調製において開示される手順を行うことによって調製し得る。
本明細書において与えられる任意の式に言及する際には、特定された変数について可能な種のリストからの具体的な部分の選択肢は、他の箇所で現れる該変数について種のうちの同一の選択肢を規定することを意図していない。言い換えると、変数が1回を超えて出現する場合、特定されたリストからの種の選択肢は、別途記載されていない限り、式における他の箇所での同一の変数についての種の選択肢とは無関係である。
代入および用語に関する前述の解釈上の考慮事項によって、本明細書におけるあるセットへの明示的な言及は、化学的に意味を持ちかつ別途明記されていない場合には、そのようなセットのうちの態様への独立した言及、および、明示的に言及されたセットのうちのサブセットのあらゆる可能な態様に対する言及を暗示していると理解される。
例示的化合物
式I
化合物およびそれらの塩(薬学的に許容される塩など)は、概要および添付のクレームを含む本明細書において詳述されている。幾何異性体(シス/トランス)、E/Z異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびラセミ混合物を含む任意の比率のそれらの混合物を含むあらゆる立体異性体を含む、本明細書において記載されるすべての化合物、本明細書において記載される化合物の塩および溶媒和物、ならびにそのような化合物を調製する方法も提供される。本明細書において記載される任意の化合物が薬物と呼ばれることもある。
一局面では、式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体が提供される:
Figure 0007394768000026
式中
X1、X2、およびX3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり;
Y1、Y2、およびY3はそれぞれ独立してNまたはCRbであり;
Z1はO、S、NRcまたはCRdReであり;
Z2は結合またはNRfであり;
mは0、1、2または3であり;
nは1、2または3であり;
R1、R2、R3、Ra、Rb、Rd、およびReはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rh、-NRgC(O)ORh、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;
R4は水素またはC1~C6アルキルであり;かつ
Rc、Rf、Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してH、C1~C6アルキル、またはC1~C6ハロアルキルである。
いくつかの態様では、式(I)の化合物は式(I-1)の化合物である:
Figure 0007394768000027
式中
X1、X2、およびX3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり;
Y1、Y2、およびY3はそれぞれ独立してNまたはCRbであり;
Z1はO、S、NRcまたはCRdReであり;
Z2は結合またはNRfであり;
mは0、1、2または3であり;
nは1、2または3であり;
R1、R2、R3、Ra、Rb、Rd、およびReはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rh、-NRgC(O)ORh、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;かつ
Rc、Rf、Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。
いくつかの局面では、式(I-2a)、(I-2b)、および(I-2c)の化合物が提供される:
Figure 0007394768000028
式中Y1、Y2、Y3、Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRaは式(I)に関して規定した通りである。
いくつかの局面では、式(I-2d)、(I-2e)、および(I-2f)の化合物が提供される:
Figure 0007394768000029
式中X1、X2、X3、Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRbは式(I)に関して規定した通りである。
いくつかの局面では、式(I-3a)および(I-3b)の化合物が提供される:
Figure 0007394768000030
式中Z1、Z2、R1、R2、R3、m、およびRaは式(I)に関して規定した通りである。
いくつかの局面では、式(I-4a)、(I-4b)、および(I-4c)の化合物が提供される:
Figure 0007394768000031
式中Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRaは式(I)に関して規定した通りである。
他の局面では、式(I-5a)および(I-5b)の化合物が提供される:
Figure 0007394768000032
式中Z1、R1、R2、R3、m、n、およびRaは式(I)に関して規定した通りである。
式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、X1、X2、およびX3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり、ここでX1、X2、およびX3のうちの少なくとも1つはNである。いくつかの態様では、X1、X2、およびX3はそれぞれCRaである。いくつかの態様では、X1、X2、およびX3のうちの1つはNである。いくつかの態様では、X1はNであり、X2はCRaであり、X3はCRaである。いくつかの態様では、X1はCRaであり、X2はNであり、X3はCRaである。いくつかの態様では、X1はCRaであり、X2はCRaであり、X3はNである。いくつかの態様では、X1、X2、およびX3のうちの2つはNである。いくつかの態様では、X1およびX2はそれぞれNであり、X3はCRaである。いくつかの態様では、X1およびX3はそれぞれNであり、X2はCRaである。いくつかの態様では、X2およびX3はそれぞれNであり、X1はCRaである。いくつかの態様では、X1、X2、およびX3はそれぞれNである。上記態様のいずれにおいても、各Raは水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rh、-NRgC(O)ORh、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。いくつかの態様では、各Raは水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rhおよび-NRgC(O)ORhからなる群より選択され、ここで各Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、各Raは水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシル、および-NRhRiからなる群より選択され、ここでRhおよびRiはそれぞれC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、各Raは水素、ハロゲン、-CNおよび-NO2からなる群より選択される。いくつかの態様では、RaはHである。いくつかの態様では、Raはハロゲンである。いくつかの態様では、Raはフルオロである。いくつかの態様では、X1、X2、およびX3はそれぞれCHである。
式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、Y1、Y2、およびY3はそれぞれ独立してNまたはCRbであり、ここでY1、Y2、およびY3のうちの少なくとも1つはNである。いくつかの態様では、Y1、Y2、およびY3はそれぞれCRbである。いくつかの態様では、Y1、Y2、およびY3のうちの1つはNである。いくつかの態様では、Y1はNであり、Y2はCRbであり、Y3はCRbである。いくつかの態様では、Y1はCRbであり、Y2はNであり、Y3はCRbである。いくつかの態様では、Y1はCRbであり、Y2はCRbであり、Y3はNである。いくつかの態様では、Y1、Y2、およびY3のうちの2つはNである。いくつかの態様では、Y1およびY2はそれぞれNであり、Y3はCRbである。いくつかの態様では、Y1およびY3はそれぞれNであり、Y2はCRbである。いくつかの態様では、Y2およびY3はそれぞれNであり、Y1はCRbである。いくつかの態様では、Y1、Y2、およびY3はそれぞれNである。上記態様のいずれにおいても、各Rbは水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rh、-NRgC(O)ORh、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。いくつかの態様では、各Rbは水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rhおよび-NRgC(O)ORhからなる群より選択され、ここで各Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、各Rbは水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシル、および-NRhRiからなる群より選択され、ここでRhおよびRiはそれぞれC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、各Rbは水素、ハロゲン、-CNおよび-NO2からなる群より選択される。いくつかの態様では、RbはHである。いくつかの態様では、Rbはハロゲンである。いくつかの態様では、Rbはフルオロである。いくつかの態様では、Rbはクロロである。いくつかの態様では、Rbはハロゲンで置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、Rbは-CF3で置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、Rbは-CNである。いくつかの態様では、Rbは-NO2である。いくつかの態様では、Rbは-NH2である。いくつかの態様では、Y1、Y2、およびY3はそれぞれCHである。
式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、X1、X2、およびX3はそれぞれCRaであり、Y1、Y2、およびY3はそれぞれCRbである。式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、各RaおよびRbは独立して水素、ハロゲン、-CN、-NH2および-NO2からなる群より選択される。いくつかの態様では、各Raは水素、ハロゲン、-CNおよび-NO2からなる群より選択される。いくつかの態様では、各RaはHまたはハロゲンである。いくつかの態様では、各RaはHである。いくつかの態様では、X1、X2、およびX3のうちの1つはCRaであり、ここでRaはハロゲン、-CN、-NH2、および-NO2より選択され;X1、X2、およびX3のうちの他の2つはそれぞれ独立してNまたはCHである。いくつかの態様では、X1、X2、およびX3のうちの2つはCRaであり、ここで各Raは独立してハロゲン、-CN、-NH2および-NO2より選択され;X1、X2、およびX3のうちの残る1つはNまたはCHである。別の態様では、X1、X2、およびX3のうちの3つがCRaであり、各Raは独立してハロゲン、-CN、-NH2および-NO2より選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数のRaはハロゲンである。いくつかの態様では、RaはFである。いくつかの態様では、Y1、Y2、およびY3のうちの1つはCRbであり、ここでRbはハロゲン、-CN、-NH2および-NO2より選択され;Y1、Y2、およびY3のうちの他の2つはそれぞれ独立してNまたはCHである。いくつかの態様では、Y1、Y2、およびY3のうちの2つはCRbであり、ここで各Rbは独立してハロゲン、-CN、-NH2および-NO2より選択され;X1、X2、およびX3のうちの残る1つはNまたはCHである。別の態様では、Y1、Y2、およびY3のうちの3つがCRbであり、各Rbは独立してハロゲン、-CN、-NH2および-NO2より選択される。いくつかの態様では、各Rbは水素、ハロゲン、-CN、-NH2および-NO2からなる群より選択される。いくつかの態様では、各RbはHまたはハロゲンである。いくつかの態様では、各RbはHである。いくつかの態様では、1つまたは複数のRbはハロゲンである。いくつかの態様では、RbはFである。いくつかの態様では、RbはNH2である。いくつかの態様では、RaおよびRbはいずれもHである。
式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、Z1はOである。いくつかの態様では、Z1はSである。いくつかの態様では、Z1はNRcまたはCRdReである。いくつかの態様では、Z2は結合である。いくつかの態様では、Z2はNRfであり、ここでRfはHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、Z1はOであり、Z2はNRfである。いくつかの態様では、Z1はOであり、Z2はNHである。いくつかの態様では、Z1はOであり、Z2はN(CH3)である。
式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、各R1は独立して水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rhおよび-NRgC(O)ORhからなる群より選択され、ここで各Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、各R1は独立して水素、C1~C6アルキル、-ORg、および-NRhRiからなる群より選択され、ここでC1~C6アルキルは1つまたは複数のハロゲンで置換されてもよく、Rg、RhおよびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、mは0である。いくつかの態様では、mは1である。いくつかの態様では、mは2である。いくつかの態様では、mは3である。mが0である場合、-(R1)mを備えた環上には水素以外に置換基はないと理解される。いくつかの態様では、R1は水素である。いくつかの態様では、R1は非置換C1~C6アルキルである。別の態様では、R1は、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、オキソ、および-NR1aR1bで置換されたC1~C6アルキルであり、ここでR1aおよびR1bはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R1は-NR1aR1bで置換されたC1~C6アルキルであり、ここでR1aおよびR1bはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、mは1であり、各R1は独立してハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、および置換または非置換C2~C6アルキニルからなる群より選択される。いくつかの態様では、mは1であり、R1は-N(CH3)2で置換されたメチルである。いくつかの態様では、mは1または2であり;R1は非置換または-NR1aR1bで置換されたC1~C6アルキルであり、ここでR1aおよびR1bはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、mは2であり、各R1は独立してハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、および置換または非置換C2~C6アルキニルからなる群より選択される。いくつかの態様では、mは2であり、R1はそれぞれ独立してC1~C6アルキルである。特定の態様では、mは2であり、各R1はメチルである。
式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、R2は水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rhおよび-NRgC(O)ORhからなる群より選択され、ここで各Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R2は水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、MeSO2、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびC1~C6ジアルキルアミノ基からなる群より選択され、ここでC1~C6アルキルは1つまたは複数のハロゲンで置換されてもよい。C1~C6ジアルキルアミノ(すなわち、-NRxRy、ここでRxおよびRyはそれぞれ独立して-C1~C6アルキルである)の例は-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N(CH3)CH2CH3、および-N(CH(CH3)2)2を非限定的に含む。いくつかの態様では、R2は水素である。いくつかの態様では、R2は-CNである。いくつかの態様では、R2は-NO2である。いくつかの態様では、R2はハロゲンである。いくつかの態様では、R2はClである。いくつかの態様では、R2はFである。いくつかの態様では、R2は、1つまたは複数のハロゲンと置換されてもよいC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R2は-CF3である。
式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、R3は水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rhおよび-NRgC(O)ORhからなる群より選択され、ここで各Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R3はC1~C6アルキル、またはアリールもしくはヘテロアリールであり、ここでアリールまたはヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C6アルキルより選択される1つまたは複数の基で置換されてもよい。いくつかの態様では、R3はC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R3は、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、オキソ、および-NR3aR3bより選択される1つまたは複数の基で置換されたC1~C6アルキルであり、ここでR3aおよびR3bはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R3は、ハロゲンまたは-OHで置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、secブチルまたはtertブチルである。いくつかの態様では、R3はメチルである。いくつかの態様では、R3はエチルである。いくつかの態様では、R3はプロピルである。いくつかの態様では、R3はn-プロピルまたはイソプロピルである。いくつかの態様では、R3はハロまたは-OHで置換されたn-プロピルまたはイソプロピルである。いくつかの態様では、R3は3-フルオロプロピルまたは3-ヒドロキシプロピルである。いくつかの態様では、R3は-NRhRiであり、ここでRhおよびRiはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキル、またはC1~C6ハロアルキルである。いくつかの態様では、R3は-N(CH3)CH2CH3である。いくつかの態様では、R3は-N(CH3)CH2CH2Fである。別の態様では、R3は-N(CH3)CH3である。いくつかの態様では、R3は、それぞれハロゲンおよびC1~C6アルキルより選択される1つまたは複数の基で置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールである。いくつかの態様では、R3はフェニルである。いくつかの態様では、R3は、ハロゲンおよびC1~C6アルキルより選択される1つまたは複数の基で置換されたフェニルである。いくつかの態様では、R3は2-フルオロフェニルである。いくつか態様では、R3は、それぞれハロゲンおよびC1~C6アルキルより選択される1つまたは複数の基で置換されてもよいピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサチオラニル、スルホラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、チアニル、ジチアニル、トリチアニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルである。いくつかの態様では、R3は非置換ピロリジニルである。別の態様では、R3は、ハロゲンおよびC1~C6アルキルより選択される1つまたは複数の基で置換されたピロリジニルである。いくつかの態様では、R3は3-フルオロピロリジニルである。特定の態様では、R3は(R)-3-フルオロピロリジニルである。いくつかの態様では、R3はチオフェニルである。
式(I)またはその任意のバリエーションのいくつかの態様では、R4は水素である。別の態様では、R4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、secブチル、またはtertブチルを非限定的に含むC1~C6アルキルである。特定の態様では、R4はメチルである。
いくつかの態様では、nは1である。いくつかの態様では、nは2である。いくつかの態様では、nは3である。
式(I)に関連して本明細書において詳述される態様のいずれも、該当する場合には、式(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、および(I-5b)に同様に適用される。また、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、または(I-5b)の任意の変数の説明は、該当する場合には、変数のあらゆる組み合わせが具体的かつ個別に列挙されているのと同じように、任意の他の変数の1つまたは複数の説明と組み合わされてもよいと理解される。例えば、R2のすべての説明は、あらゆる組み合わせが具体的かつ個別に列挙されているのと同じように、R1、R3、Z1、Z2、Y1、Y2、Y3、X1、X2、X3、m、およびnのすべての説明と組み合わされてもよい。同様に、R3のすべての説明は、あらゆる説明が具体的かつ個別に列挙されているのと同じように、R1、R2、Z1、Z2、Y1、Y2、Y3、X1、X2、X3、m、およびnのすべての説明と組み合わされてもよい。
1つのバリエーションでは、本明細書において提供される式の化合物は1つまたは複数の以下の構造的特徴を含む:(i)Z1はO、NHおよびN(CH3)からなる群より選択され;(ii)Z2は結合、N(CH3)、およびN(CH2CH3)からなる群より選択され;(iii)mは0であるか、mは1でありR1は-CH2N(CH3)2であるか、またはmは2であり各R1は-CH3であり;(iv)R2は水素、-CN、-NO2、-NH2、-F、-Cl、およびCF3からなる群より選択され;(v)R3はn-プロピル、イソプロピル、2-フルオロフェニル、チオフェニル、3-フルオロプロピル、3-ヒドロキシプロピル、ピロリジニル、3-フルオロピロリジニル、-N(CH3)CH2CH3、-N(CH3)CH2CH2F、および-N(CH3)CH3からなる群より選択され;(vi)nは1または2であり;かつ(vii)R4は水素または-CH3である。
いくつかの態様では、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、および(I-5b)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、表1に記載される化合物およびそれらの塩、ならびにそれらの使用が本明細書において提供される。
(表1)
Figure 0007394768000033
Figure 0007394768000034
Figure 0007394768000035
Figure 0007394768000036
Figure 0007394768000037
Figure 0007394768000038
およびそれらの薬学的に許容される塩。
いくつかの態様では、表2に記載される化合物およびそれらの塩、ならびにそれらの使用が本明細書において提供される。
(表2)
Figure 0007394768000039
Figure 0007394768000040
Figure 0007394768000041
およびそれらの薬学的に許容される塩。
式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、もしくは(I-5b)または表1もしくは2の化合物などの本明細書において与えられる任意の式または化合物は、構造式によって図示される構造を有する化合物ならびに特定のバリエーションまたは形態を表すように意図されている。特に、本明細書において与えられる任意の式の化合物は不斉中心を有し、したがって異なるエナンチオマーまたはジアステレオマー形態で存在することがある。一般式の化合物のすべての光学異性体および立体異性体、ならびにそれらの任意の比率の混合物が式の範囲内と見なされる。よって、本明細書において与えられる任意の式は、ラセミ体、1つまたは複数のエナンチオマー形態、1つまたは複数のジアステレオマー形態、1つまたは複数のアトロプ異性体形態、および任意の比率のそれらの混合物を表すように意図されている。表1または表2の化合物が具体的な立体化学配置で図示されている場合、化合物の任意の代替的な立体化学配置、ならびに任意の比率の化合物の立体異性体混合物も本明細書において提供される。例えば、表1または表2の化合物が「S」立体化学配置にある立体中心を有する場合、その立体中心が「R」立体化学配置にある化合物のエナンチオマーも本明細書において提供される。同様に、表1または表2の化合物が「R」立体配置にある立体中心を有する場合、「S」立体化学立体配置にある化合物のエナンチオマーも本明細書において提供される。「S」および「R」の両方の立体化学配置を有する化合物の混合物も提供される。加えて、表1または表2の化合物が2つ以上の立体中心を有するのであれば、化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマーも提供される。さらに、特定の構造は幾何異性体(すなわち、シスおよびトランス異性体)として、互変異性体として、またはアトロプ異性体として存在することがある。加えて、表1または表2の任意の化合物は、ラセミ体、1つまたは複数のエナンチオマー形態、1つまたは複数のジアステレオマー形態、1つまたは複数のアトロプ異性体形態、および任意の比率のそれらの混合物を表すように意図されている。さらに、特定の構造は幾何異性体(すなわち、シスおよびトランス異性体)として、互変異性体として、またはアトロプ異性体として存在することがある。加えて、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、または(I-5b)などの本明細書において与えられる任意の式は、そのような化合物の水和物、溶媒和物、およびアモルファス形態、ならびにそれらの混合物を、そのような形態が明示的に列挙されていなくても、指すように意図されている。いくつかの態様では、溶媒は水であり、溶媒和物は水和物である。
本明細書において図示される化合物は、塩が図示されていなくても塩として存在することがあり、当業者にはよく理解されているように、本明細書において提供される組成物および方法は、ここに図示される化合物のすべての塩および溶媒和物ならびに化合物の非塩および非溶媒和物形態を包含すると理解される。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の塩は薬学的に許容される塩である。
1つのバリエーションでは、本明細書における化合物は個体への投与のために調製された合成化合物である。別のバリエーションでは、実質的に純粋な形態の化合物を含有する組成物が提供される。別のバリエーションでは、本明細書において詳述される化合物と薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物が提供される。別のバリエーションでは、化合物を投与する方法が提供される。精製された形態、薬学的組成物、および化合物を投与する方法は、本明細書において詳述される任意の化合物またはその形態に適している。
本明細書において提供されるX1、X2、X3、Y1、Y2、Y3、Z1、Z2、R1、R2、R3、R4、m、およびnの任意のバリエーションまたは態様は、X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3、Z1、Z2、R1、R2、R3、R4、m、およびnのあらゆる他のバリエーションまたは態様と、それぞれの組み合わせが個別にかつ具体的に記載されているかのように組み合わされ得る。
組成物
本明細書において開示されかつ/または記載される化合物と1つまたは複数の追加の薬剤、医薬品、アジュバント、担体、賦形剤などとを含む薬学的組成物などの組成物も提供される。好適な薬剤および医薬品は本明細書において記載されるものを含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、本明細書において記載されるように、薬学的に許容される賦形剤またはアジュバントと少なくとも1つの化学物質とを含む。薬学的に許容される賦形剤の例はマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、および炭酸マグネシウムを非限定的に含む。いくつかの態様では、本開示は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤と混合された上記の化合物を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの態様では、本明細書において記載の1つまたは複数の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物などの組成物が提供される。
いくつかの態様では、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的に許容される組成物が提供される。いくつかの局面では、組成物は本明細書において記載される化合物の調製において用いられることがある合成中間体を含有してもよい。本明細書において記載される組成物は任意の他の好適な活性または不活性な剤を含有してもよい。
本明細書において記載される組成物のいずれも無菌であってもよいし、または無菌である成分を含有してもよい。殺菌は当技術分野で公知の方法によって達成し得る。本明細書において記載される組成物のいずれも実質的に純粋な1つまたは複数の化合物を含有してもよい。
本明細書において記載される薬学的組成物と、本明細書において記載される疾患または状態を患う患者を治療するために該組成物を用いるための説明書とを含む、パッケージされた薬学的組成物も提供される。
医薬製剤
本開示は、薬学的に許容される担体と共に製剤化された、本明細書において記載される1つまたは複数の化合物を含有する組成物、例えば、薬学的組成物も提供する。発明の薬学的組成物は、併用療法において、すなわち他の剤と組み合わせても投与し得る。例えば、併用療法は少なくとも1つの他の活性剤と組み合わされた本明細書において記載される化合物を含み得る。
薬学的に許容される担体は、生理学的に適合性のあるあらゆる担体、賦形剤、安定剤、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などを含んでもよい。好ましくは、担体は静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄または表皮投与(例えば、注射または注入による)に適している。投与経路に応じて、活性化合物、すなわち、本明細書において記載される化合物は、化合物を不活性化することがある酸および他の天然条件の作用から化合物を保護するための材料でコーティングされてもよい。
許容される担体、賦形剤、または安定剤は投与される標準的な用量および濃度でレシピエントに対して無毒であり、リン酸、クエン酸、および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、またはイムノグロブリンなどのタンパク質; ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、および、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);および/またはTWEEN(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
発明の薬学的組成物は1つまたは複数の薬学的に許容される塩を含んでもよい。薬学的に許容される塩は親化合物の望ましい生物学的活性を保持し、望ましくない毒物学的効果を何ら付与しない。そのような塩の例は酸付加塩および塩基付加塩を含む。酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの非毒性無機酸、ならびに脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸に由来するものを含む。塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、ならびにN,N'ジベンジルエチレンジアミン、N-メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどの非毒性有機アミンに由来するものを含む。
発明の薬学的組成物はまた薬学的に許容される抗酸化剤を含んでもよい。薬学的に許容される抗酸化剤の例は(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤;および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤を含む。発明の薬学的組成物において採用してもよい好適な水性および非水性担体の例は水、エタノール、多価アルコール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの好適な混合物、オリーブオイルなどの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材の使用によって、分散液の場合には要求される粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持し得る。
本明細書において記載される化合物の任意の好適な製剤を調製し得る。一般的には、Remington's Pharmaceutical Sciences, (2000) Hoover, J. E. editor, 20 th edition, Lippincott Williams and Wilkins Publishing Company, Easton, Pa., pages 780-857を参照されたい。製剤は適切な投与経路に適するように選択される。化合物が安定した非毒性の酸または塩基塩を形成するのに十分に塩基性または酸性である場合、塩としての化合物の投与が適切な場合がある。薬学的に許容される塩の例は、生理学的に許容されるアニオンを形成する酸と形成される有機酸付加塩、例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、およびα-グリセロリン酸塩である。塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、および炭酸塩を含む、好適な無機塩も形成されてもよい。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知の標準的な手順を用いて、例えば、生理学的に許容されるアニオンをもたらす好適な酸とアミンなどの十分に塩基性の化合物によって得られる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩も作製される。
企図される化合物が薬理学的組成物において投与される場合、化合物は薬学的に許容される賦形剤および/または担体と混合して製剤化され得ることが企図される。例えば、企図される化合物は、中性化合物としてもしくは薬学的に許容される塩として経口的に、または生理食塩水中で静脈内に投与し得る。リン酸塩、重炭酸塩またはクエン酸塩などの従来の緩衝剤をこの目的のために用い得る。もちろん、当業者であれば、具体的な投与経路向けの多数の製剤を提供するために、本明細書の教示の範囲内で製剤を改変することがある。特に、企図される化合物は、それらを水または他のべヒクルにさらに溶けやすくするために改変されてもよく、これは、例えば、十分に通常の技術の範囲内である軽微な改変(塩の形成、エステル化など)で容易に達成されることがある。患者における最大限の有益な効果のために本化合物の薬物動態を管理すべく、特定の化合物の投与経路および用量レジメンを改変することも十分に通常の技術の範囲内である。
本明細書において記載される式I~IIIを有する化合物は、概して、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、グリセロール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒に可溶である。1つの態様では、本発明は、式I~IIIを有する化合物を薬学的に許容される担体と混合することによって調製される製剤を提供する。1つの局面では、製剤は、a)記載の化合物を水溶性有機溶媒、非イオン性溶媒、水溶性脂質、シクロデキストリン、トコフェロールなどのビタミン、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、またはそれらの組み合わせに溶解して溶液を準備する工程;およびb)1~10%の炭水化物溶液を含有する生理食塩水または緩衝剤を加える工程を含む方法を用いて調製されてもよい。1つの例では、炭水化物はデキストロースを含む。本方法を用いて得られた薬学的組成物は安定しており、動物および臨床用途に有用である。
本方法における使用のための水溶性有機溶媒の実例はポリエチレングリコール(PEG)、アルコール、アセトニトリル、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む。アルコールの例はメタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、またはプロピレングリコールを非限定的に含む。
本方法における使用のための水溶性非イオン性界面活性剤の実例はCREMOPHOR(登録商標)EL、ポリエチレングリコール修飾CREMOPHOR(登録商標)(ポリオキシエチレングリセロールトリリシノレアート35)、水素化CREMOPHOR(登録商標)RH40、水素化CREMOPHOR(登録商標)RH60、PEG-サクシネート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、SOLUTOL(登録商標)HS(12-ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660)、モノオレイン酸ソルビタン、ポロキサマー、LABRAFIL(登録商標)(エトキシル化キョウニン油)、LABRASOL(登録商標)(カプリル-カプロイルマクロゴール-8-グリセリド)、GELUCIRE(登録商標)(グリセロールエステル)、SOFTIGEN(登録商標)(PEG6カプリル酸グリセリド)、グリセリン、グリコール-ポリソルベート、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む。
本方法における使用のための水溶性脂質の実例は植物油(vegetable oil)、トリグリセリド、植物油(plant oil)、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む。脂質油の例はひまし油、ポリオキシルヒマシ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、水素化植物油、水素化大豆油、ココナッツオイルのトリグリセリド、パームシードオイル、およびそれらの水素化形態、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む。
本方法における使用のための脂肪酸および脂肪酸エステルの実例はオレイン酸、モノグリセリド、ジグリセリド、PEGのモノもしくはジ脂肪酸エステル、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む。
本方法における使用のためのシクロデキストリンの実例はアルファ-シクロデキストリン、ベータ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、またはスルホブチルエーテル-ベータ-シクロデキストリンを非限定的に含む。
本方法における使用のためのリン脂質の実例は大豆ホスファチジルコリン、またはジステアロイルホスファチジルグリセロール、およびそれらの水素化形態、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む。
当業者であれば、具体的な投与経路向けの多数の製剤を提供するために、本明細書の教示の範囲内で製剤を改変することがある。特に、化合物は、それらを水または他のべヒクルにさらに溶けやすくするために改変されてもよい。患者における最大限の有益な効果のために本化合物の薬物動態を管理すべく、特定の化合物の投与経路および用量レジメンを改変することも十分に通常の技術の範囲内である。
合剤
態様の方法は有効量の本開示の少なくとも1つの例示的化合物を投与する工程を含み;任意で、化合物は1つまたは複数の追加の治療剤と組み合わせて投与されてもよい。いくつかの態様では、追加の治療剤は対象におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療するのに有用であることが公知である。いくつかの態様では、追加の治療剤は神経変性障害を治療するのに有用であることが公知である。
追加の活性成分は本開示の少なくとも1つの例示的化合物とは別の薬学的組成物において投与されてもよいし、または単一の薬学的組成物において本開示の少なくとも1つの例示的化合物と共に含まれてもよい。追加の活性成分は本開示の少なくとも1つの例示的化合物の投与と同時に、その前に、またはその後に投与されてもよい。
用量および剤形
疾患の予防または治療のために、本明細書において記載される化合物の適切な用量は治療される疾患の種類、疾患の重症度および経過、化合物が予防または治療目的で投与されるかどうか、送達様式、過去の療法、および対象の病歴に応じて異なるであろう。本明細書において記載される化合物は一度にまたは一連の治療にわたって対象に好適に投与される。疾患の種類および重症度に応じて、典型的な1日の用量は上記のファクタに応じて約0.0001mg/kg~100mg/kg以上の範囲となってもよい。数日以上の反復投与については、状態に応じて、疾患の症状の望ましい抑制が起こるまで治療が持続される。
例えば、用量は0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重もしくは10mg/kg体重または1~10mg/kgの範囲内とし得る。治療レジメンは1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、1ヶ月に1回、3ヶ月に1回または3~6ヶ月毎に1回の投与を含んでもよい。別の態様では、徐放性製剤が投与され、これは非徐放性製剤と比較して投与頻度を減少させるであろう。
担体材料と組み合わせて単一剤形を形成し得る活性成分の量は、概して、対象に毒性を及ぼすことなく治療効果をもたらす組成物の量になるであろう。概して、この量は、薬学的に許容される担体と組み合わせた約0.01パーセント~約99パーセントの活性成分、好ましくは約0.1パーセント~約70パーセント、最も好ましくは約1パーセント~約30パーセントの活性成分の範囲となるであろう。
投与
本明細書において記載される組成物は当技術分野で公知の様々な方法のうちの1つまたは複数を用いて1つまたは複数の投与経路を介して投与し得る。当業者には理解されるように、投与の経路および/または様式は所望される結果に応じて異なるであろう。本明細書において記載される化合物および組成物のための投与経路は経口、舌下、頬側、鼻腔内、局所、直腸、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄または、例えば注射もしくは注入による、他の非経口投与経路を含む。本明細書において用いられる「非経口投与」という表現は、経腸および局所投与以外の、通常は注射による投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内の注射および注入を非限定的に含む。
治療の方法
本明細書における化合物および薬学的組成物は任意の好適な目的のために用いられてもよい。例えば、本化合物は療法および/または試験において用い得る。
本明細書における化合物および薬学的組成物は個体におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療しかつ/または予防するために用いられてもよい。いくつかの態様では、個体におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療するかまたは予防する方法であって、その必要のある個体に、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む方法が提供される。いくつかの態様では、対象におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療するかまたは予防する方法であって、その必要のある対象に、治療有効量の少なくとも1つの本明細書において記載される化学物質を投与する工程を含む方法が提供される。
いくつかの態様では、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩は、B-Raf、特にB-Raf V600E変異体などの発がん性タンパク質チロシンキナーゼのMAPKファミリーの阻害剤であり、よってすべて、哺乳類における、特にヒトにおける抗増殖剤(例えば、抗がん剤)としての治療的使用に適合される。特に、本発明の化合物は、肝臓、腎臓、膀胱、***、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺、肝癌、肉腫、膠芽腫、頭頚部、メラノーマの悪性および良性腫瘍、ならびに皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)および前立腺の良性過形成(例えば、BPH)などの他の過形成状態などの様々なヒト過剰増殖性障害の予防および治療に有用である。加えて、本発明の化合物はこれらの障害に起因する脳転移に対して活性を備えている可能性があると予想される。
いくつかの態様では、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩は、様々なタンパク質チロシンキナーゼに関連する異常な発現リガンド/受容体相互作用または活性化もしくはシグナル伝達事象が関与する追加の障害の治療にも有用なことがある。そのような障害は、チロシンキナーゼの異常な機能、発現、活性化またはシグナル伝達が関与する、神経性、グリア性、星状細胞性、視床下部性、ならびに他の腺性、大食細胞性、上皮性、間質性、および割腔性のものを含むことがある。
対象におけるがんなどの増殖異常または腫瘍の治療のための薬の製造における式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用も提供される。
いくつかの態様では、増殖異常またはがんは、肝臓、腎臓、膀胱、***、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺、肝癌、肉腫、膠芽腫、頭頚部、メラノーマの悪性または良性の腫瘍、ならびに皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)および前立腺の良性過形成(例えば、BPH)などの他の過形成状態からなる群より選択される。いくつかの態様では、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩は、これらの障害に起因する脳転移に対して活性を備えている可能性がある。
B-Raf V600Eキナーゼの活性を阻害するための方法であって、その必要のある個体に、治療有効量の少なくとも1つの本明細書において記載される化学物質を投与する工程を含む方法も提供される。いくつかの態様では、細胞におけるB-Raf V600Eキナーゼを阻害する方法であって、細胞を式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩などの少なくとも1つの本明細書において記載される化学物質と接触させる工程を含む方法が提供される。加えて、個体のB-Raf V600Eキナーゼの活性を阻害するための薬の製造における式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩などの少なくとも1つの本明細書において記載される化学物質の使用が提供される。
対象におけるがんなどの増殖異常または腫瘍を治療しかつ/または予防するための方法であって、その必要のある個体に、治療有効量の式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩などの少なくとも1つの本明細書において記載される化学物質を投与する工程を含む方法も提供される。加えて、対象における増殖異常、がん、または腫瘍を治療しかつ/または予防するための薬の製造における式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩などの少なくとも1つの本明細書において記載される化学物質の使用が提供される。
1つの態様では、治療されるかまたは予防される疾患または状態はがんなどの異常な細胞増殖である。「がん」という用語は、前がん状態、非悪性、低悪性度、高悪性度、および悪性のがんを指す。任意の組織型のがんが本明細書において開示される化合物による治療または予防のために企図される。がんの例示的なタイプは癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、白血病、およびリンパ性悪性腫瘍を含む。より具体的には、特定の態様ではがんは扁平細胞がん(例えば、上皮扁平細胞がん)、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺癌および肺の扁平上皮癌を含む肺がん、腹膜のがん、肝細胞がん、消化管がんを含む胃(gastric)または胃(stomach)がん、膵臓がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、ヘパトーマ、乳がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓がんまたは腎がん、前立腺がん、外陰部がん、甲状腺がん、肝癌、肛門癌、陰茎癌、ならびに頭頸部がんである。
治療有効量の本明細書において記載される化合物または組成物を個体に投与することによって、がんの治療を必要とする個体におけるがんを治療する方法が本明細書において提供される。がんの治療を必要とする個体におけるがんの治療のための薬の製造における本明細書において記載される化合物または組成物の使用も本明細書において提供される。がんの治療を必要とする個体におけるがんの治療のための本明細書において記載される化合物または組成物の使用も本明細書において提供される。がんの治療を必要とする個体におけるがんの治療における使用のための本明細書において記載される化合物または組成物も本明細書において提供される。
別の態様では、治療されるかまたは予防される疾患または状態は神経変性疾患である。神経変性疾患の例示的なタイプは、神経変性プロセスの結果として起こる、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病を非限定的に含む。
いくつかの態様では、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病などの神経変性疾患を治療するかまたは予防する方法であって、その必要のある個体に、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)の化合物、または表1もしくは2の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む方法が提供される。いくつかの態様では、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病などの神経変性疾患を治療するかまたは予防する方法であって、治療有効量の少なくとも1つの本明細書において記載される化学物質を対象に投与する工程を含む。
治療有効量の本明細書において記載される化合物または組成物を個体に投与することによって、神経変性疾患の治療を必要とする個体における神経変性疾患を治療する方法が本明細書において提供される。神経変性疾患の治療を必要とする個体における神経変性疾患の治療のための薬の製造における本明細書において記載される化合物または組成物の使用も本明細書において提供される。神経変性疾患の治療を必要とする個体における神経変性疾患の治療のための本明細書において記載される化合物または組成物の使用も本明細書において提供される。神経変性疾患の治療を必要とする個体における神経変性疾患の治療における使用のための本明細書において記載される化合物または組成物も本明細書において提供される。
1つの局面では、本明細書において記載される化合物または組成物と使用説明書とを含むキットが本明細書において提供される。いくつかの態様では、キットはがんの治療を必要とする個体におけるがんの治療における使用説明書を含んでもよい。別の態様では、キットは神経変性疾患の治療を必要とする個体における神経変性疾患の治療における使用説明書を含んでもよい。キットは、バイアル、シリンジ、またはIVバッグなど、化合物または組成物の投与において用いられることがある任意の材料または器具をさらに含んでもよい。キットは無菌包装も含んでもよい。
基本的合成方法
式(I)の化合物を下のそれらの基本的な調製のための例示的合成スキームおよび続く具体例を参照して説明する。当業者であれば、本明細書における様々な化合物を得るためには、最終的に所望される置換基が適宜保護されるかまたは保護されないで反応スキームを通じて持ち越されて所望の生成物が得られるように出発物質が適切に選択されることがあると認識しているであろう。あるいは、最終的に所望される置換基の代わりに、反応スキームを通じて持ち越され、所望の置換基で適宜置換されることがある好適な基を採用することが必要であるかまたは望ましいことがある。加えて、当業者であれば、特定の官能基(アミノ、カルボキシ、または側鎖基)を反応条件から保護するために保護基を用いてもよいこと、およびそのような基は適切な場合には標準的な条件下で除去されることを認識するであろう。特に記載しない限り、変数は式(I)を参照して上に規定したとおりである。
化合物の特定のエナンチオマーを得ることが望ましい場合、これは、エナンチオマーを分離するかまたは分割するための任意の好適な従来の手順を用いて対応するエナンチオマー混合物から達成してもよい。よって、例えば、ジアステレオマー誘導体は、エナンチオマーの混合物、例えば、ラセミ体、および適切なキラル化合物の反応によって生成してもよい。次いでジアステレオマーを任意の簡便な手段によって、例えば、結晶化によって分離し、所望のエナンチオマーを回収してもよい。別の分割プロセスでは、キラル高速液体クロマトグラフィーを用いてラセミ体を分離してもよい。あるいは、所望されるのであれば、記載されたプロセスの1つにおいて適切なキラル中間体を用いることによって特定のエナンチオマーを得てもよい。
化合物の特定の異性体を得るかまたはそうでなければ反応の生成物を精製することが望まれる場合、中間体または最終生成物にもクロマトグラフィー、再結晶化および他の従来の分離手順を用いてもよい。
本明細書において記載される化合物を調製する基本的方法は下の例示された方法に図示されている。本明細書において提供されるスキームにおける可変の基は式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、(I-5b)またはそれらの任意のバリエーションに関して規定されている。本明細書において記載される他の化合物が同様の方法によって調製されてもよい。
B1などの本発明の化合物を調製するために参照されることがある基本的合成方法はClaudi F. et al, J. Org. Chem. 1974, 39, p. 3508に提供されている。特定の出発物質が当業者に馴染みのある方法に従って調製されてもよく、特定の合成的修飾が当業者に馴染みのある方法に従って行われてもよい。2-アルキル-1-イミノキナゾリンを調製するための標準的な手順はBartra Sanmarti, M. et al., WO2011/076813に提供されている。
いくつかの態様では、式(I)の化合物は、スキームAに示されるように、フェノールまたはアニリンA1とキナゾリンイミンB1との反応を介して合成される。
スキームA
Figure 0007394768000042
式中、X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3、Z1、Z2、R1、R2、R3、R4、m、およびnは式(I)または本明細書において詳述したその任意のバリエーションに関して規定したとおりであり、LGは脱離基である。具体例は下の実施例セクションに提供されている。
いくつかの態様では、式(I)の化合物は、スキームBに示されるように、フェニルまたはヘテロアリール化合物A2とキナゾリンイミンB2との反応を介して合成される。
スキームB
Figure 0007394768000043

式中、X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3、Z1、Z2、R1、R2、R3、R4、m、およびnは式(I)または本明細書において詳述したその任意のバリエーションに関して規定したとおりであり、LGは脱離基である。具体例は下の実施例セクションに提供されている。
合成が上では具体的に記載されていない出発物質は市販されているか、または当業者には周知の方法を用いて調製し得る。
いくつかの態様では、式A1の化合物はスキームCに概説される合成に従って調製される。
スキームC
Figure 0007394768000044
式中、Y1、Y2、Y3 、Z1、Z2、R2、R3、およびR4は式(I)または本明細書において詳述したその任意のバリエーションに関して規定したとおりであり、LGは脱離基である。
いくつかの態様では、式B1の化合物はスキームDに概説される合成に従って調製される。
スキームD
Figure 0007394768000045
式中、X1、X2、X3、Z1、R1、m、およびnは式(I)または本明細書において詳述したその任意のバリエーションに関して規定したとおりであり、PGは保護基である。
いくつかの態様では、式(I)の化合物はスキームEに概説される合成に従って調製される。
スキームE
Figure 0007394768000046
式中、X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3、Z1、Z2、R1、R2、R3、R4、m、およびnは式(I)または本明細書において詳述したその任意のバリエーションに関して規定したとおりであり、LGは脱離基である。具体例は下の実施例セクションに提供されている。
以下の実施例は、本明細書において提供される組成物、使用、および方法を、限定するためではなく、説明するために提示されている。当業者であれば、式(I)、(I-1)、(I-2a)、(I-2b)、(I-2c)、(I-2d)、(I-2e)、(I-2f)、(I-3a)、(I-3b)、(I-4a)、(I-4b)、(I-4c)、(I-5a)、もしくは(I-5b)の他の化合物またはそれらの塩にアクセスするために、好適な出発物質および試薬の選択によって以下の合成反応およびスキームを変更してもよいことを認識するであろう。化合物は上に記載の基本的方法を用いて調製される。
以下の化学的略称を実施例全体にわたって用いている:ACN(アセトニトリル)、DCM(ジクロロメタン)、DIEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMAP(4-ジメチルアミノピリジン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、Et3N(トリエチルアミン)、EtOAc(酢酸エチル)、1H NMR(陽子核磁気共鳴)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、i-PrOH(イソプロピルアルコール)、LCMS(液体クロマトグラフィー・質量分析)、MeI(ヨウ化メチル)、MeOH(メタノール)、NMP(N-メチル-2-ピロリドン)、PE(石油エーテル)、SEMCl(2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド)、THF(テトラヒドロフラン)、およびTFA(トリフルオロ酢酸)。
実施例1:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物1)の調製
スキーム1
Figure 0007394768000047
工程1:6-メトキシキナゾリン-4(3H)-オンの合成
80mLの2-メトキシエタノール中の2-アミノ-5-メトキシ安息香酸(10.0g、59.9mmol)と酢酸ホルムアミジン(12.3g、119mmol)との混合物を125℃で18時間加熱した。室温まで冷却した後、析出物をろ過によって収集し、2-メトキシエタノールで2回洗浄し、真空中で乾燥させて、6-メトキシキナゾリン-4(3H)-オン(9.1g、収率87%)を得た。
工程2:4-クロロ-6-メトキシキナゾリンの合成
POCl3(30mL)中の6-メトキシキナゾリン-4(3H)-オン(3.0g、17.0mmol)の溶液を120℃で一晩撹拌した。次いで混合物を室温まで冷却し、蒸発させた。残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 10:1~5:1、v/v)によって精製して、4-クロロ-6-メトキシキナゾリン(3.0g、収率91%)を得た。
工程3:2-((6-メトキシキナゾリン-4-イル)アミノ)エタン-1-オールの合成
i-PrOH(30mL)中の4-クロロ-6-メトキシキナゾリン(2.5g、12.9mmol)の溶液に2-アミノエタノール(5.0mL)およびEt3N(5.0mL)を加えた。混合物を80℃で20分間撹拌し、次いで冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 50:1~20:1、v/v)によって精製して、2-((6-メトキシキナゾリン-4-イル)アミノ)エタン-1-オール(2.0g、収率71%)を得た。
工程4:9-メトキシ-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリンの合成
CHCl3(30mL)中の2-((6-メトキシキナゾリン-4-イル)アミノ)エタン-1-オール(2.0g、9.13mmol)の混合物にSOCl2(10.0mL)を加え、これをN2で脱気し、70℃で一晩撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、真空中で濃縮した。残渣を水性NaHCO3(50.0mL)に溶解し、DCM(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、9-メトキシ-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(1.5g、収率82%)を黄褐色の固形物として得た。
工程5:2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オールの合成
DMF(10.0mL)中の9-メトキシ-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(200mg、1.0mmol)の溶液にNaSEt(200mg、2.0mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、130℃で一晩撹拌し、次いで室温まで冷却した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 50:1~20:1、v/v)によって精製して、2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(150mg、収率80%)を得た。
工程6:2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリルの合成
NaH(鉱油中60%、30mg、0.73mmol)を0℃のDMF(10.0mL)中の2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(105mg、0.56mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で15分間撹拌した。次いで、2,6-ジフルオロベンゾニトリル(78mg、0.56mmol)を加え、混合物を80℃で1時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリル(120mg、収率70%)を得た。
工程7:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、17.0mg、0.43mmol)を0℃のDMF(15.0mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(48.0mg、0.39mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で30分間撹拌した。次いで、2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリル(100mg、0.33mmol)を加え、混合物をN2下100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(20mg、収率15%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000048
実施例2:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-N-メチルプロパン-1-スルホンアミド(化合物2)の調製
スキーム2
Figure 0007394768000049
N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-N-メチルプロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、16.0mg、0.39mmol)を0℃のDMF(10.0mL)中のN-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(80mg、0.20mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、ヨードメタン(43mg、0.30mmol)を加え、混合物をN2下室温で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-N-メチルプロパン-1-スルホンアミド(30mg、収率35%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000050
実施例3:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物3)の調製
スキーム3
Figure 0007394768000051
工程1:2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリルの合成
NaH(鉱油中60%、111mg、2.78mmol)を0℃のDMF(20mL)中の2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(400mg、2.14mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、2,3,6-トリフルオロベンゾニトリル(37.0mg、2.35mmol)を加え、混合物を80℃で1時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリル(200mg、収率29%)を得た。
工程2:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、32mg、0.81mmol)を0℃のDMF(20mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(84mg、0.68mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリル(200mg、0.62mmol)を加え、混合物をN2下100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(30mg、収率10%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000052
実施例4:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-4,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物4)の調製
スキーム4
Figure 0007394768000053
工程1:2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-3,5,6-トリフルオロベンゾニトリルの合成
NaH(鉱油中60%、128mg、3.2mmol)を0℃のTHF(10mL)中の2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(300mg、1.6mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、0℃で30分間撹拌した。次いで、2,3,5,6-テトラフルオロベンゾニトリル(308mg、1.8mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を0℃のMeOH(5mL)によってクエンチした。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 60:1~10:1、v/v)によって精製して、2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-3,5,6-トリフルオロベンゾニトリル(200mg、収率36%)を黄色の固形物として得た。
工程2:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-4,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、48mg、1.2mmol)を0℃のNMP(10mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(86mg、0.7mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、0℃で30分間撹拌した。次いで、2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-3,5,6-トリフルオロベンゾニトリル(200mg、0.6mmol)を加え、混合物をN2下80℃で一晩撹拌した。次いで、室温まで冷却した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 60:1~10:1、v/v)上で精製して、粗生成物を得、これをPerp-TLC(DCM/MeOH = 10:1、v/v)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-4,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(16mg、収率6%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000054
実施例5:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-6-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物5)の調製
スキーム5
Figure 0007394768000055
工程1:N-(2-シアノ-3,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、320mg、8.0mmol)を0℃のDMF(10mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(590mg、4.8mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、0℃で30分間撹拌した。次いで、2,3,6-トリフルオロベンゾニトリル(628mg、4.0mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を0℃のH2O(5mL)によってクエンチした。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc 10:1~4:1、v/v)上で精製して、N-(2-シアノ-3,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(920mg、収率88%)を白色の固形物として得た。
工程2:N-(2-シアノ-3,6-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、212mg、5.3mmol)を0℃のTHF(40mL)中のN-(2-シアノ-3,6-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(920mg、3.5mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、0℃で30分間撹拌した。次いで、(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(709mg、4.3mmol)を加え、混合物をN2下室温で一晩撹拌した。反応混合物を0℃のMeOH(5mL)によってクエンチした。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc 10:1~4:1、v/v)上で精製して、N-(2-シアノ-3,6-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(800mg、収率58%)を黄色の油状物として得た。
工程3:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-6-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
50mLの丸底フラスコにN-(2-シアノ-3,6-ジフルオロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(580mg、1.5mmol)、2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(277mg、1.5mmol)、Cs2CO3(724mg、2.2mmol)および20mLのNMPを入れた。得られた溶液を100℃で18時間加熱した。室温まで冷却した後、得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 40:1~10:1、v/v)上で精製して、N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-6-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(80mg、収率13%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000056
実施例6:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物6)の調製
スキーム6
Figure 0007394768000057
工程1:N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
ピリジン(30mL)中の3-ブロモ-2-クロロアニリン(3.0g、12.7mmol)の溶液にプロパン-1-スルホニルクロリド(5.4g、38.1mmol)を加え、反応をN2下室温で一晩撹拌し、反応が完了した後に溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc = 10/1)で精製して、N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(700mg、収率18%)を黄色の油状物として得た。
工程2:N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
THF(30mL)中のN-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(700mg、2.2mmol)の溶液に0℃のNaH(鉱物油中60%、176mg、4.4mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで0℃のSEMCl(730mg、4.4mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、これを0℃の水(5mL)によってクエンチした。溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc = 10/1)で精製して、N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(700mg、収率72%)を黄色の油状物として得た。
工程3:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMSO(20mL)中のN-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-N-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)プロパン-1-スルホンアミド(700mg、1.58mmol)と2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(319mg、1.70mmol)とK2CO3(650mg、4.74mmol)とCuI(120mg、0.63mmol)とL-Pro(60mg、0.63mmol)との混合物をN2下150℃で16時間撹拌し、反応が完了した後に混合物をろ過し、濃縮した。残渣をprep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(5mg、収率1%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000058
実施例7:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロ-4-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物7)の調製
スキーム7
Figure 0007394768000059
工程1:9-(2,3-ジフルオロ-6-ニトロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン
DMF(15mL)中の2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(300mg、1.6mmol)と1,2,3-トリフルオロ-4-ニトロベンゼン(852mg、4.8mmol)とCs2CO3(783.6mg、2.4mmol)との混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NH3H2O 100:1:1~10:1:0.1、v/v/v)によって精製して、9-(2,3-ジフルオロ-6-ニトロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(410mg、収率74%)を黄色の固形物として得た。
工程2:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロ-4-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMF(10mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(161mg、1.31mmol)の溶液に0℃のNaH(鉱物油中60%、119mg、2.98mmol)を加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いでDMF(2mL)中の9-(2,3-ジフルオロ-6-ニトロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(410mg、1.19mmol)の溶液を撹拌混合物に滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物に水(10mL)を加え、溶媒を蒸発させ、残渣をprep-HPLCによって精製して、N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロ-4-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(221mg、収率38%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000060
実施例8:N-(4-アミノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物8)の調製
スキーム8
Figure 0007394768000061
N-(4-アミノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
EtOH/H2O(10mL/1mL)中のN-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロ-4-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(160mg、0.35mmol)とFe(100mg、1.78mmol)とNH4Cl(144mg、2.68mmol)との混合物を95℃で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NH3H2O 100:1:1~10:1:0.1、v/v/v)によって精製して、N-(4-アミノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(100mg、収率68%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000062
実施例9:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物9)の調製
スキーム9
Figure 0007394768000063
N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
THF(10mL)中のN-(4-アミノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(70mg、0.16mmol)と亜硝酸イソペンチル(196mg、1.67mmol)との混合物を75℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を蒸発させ、残渣をprep-HPLCによって精製して、N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(TFA塩、20.1mg、収率23%)を茶色の固形物として得た。
Figure 0007394768000064
実施例10:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド (化合物10)の調製
スキーム10
Figure 0007394768000065
工程1:9-(2,3,6-トリフルオロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリンの合成
DMF(10mL)中の1,2,3,4-テトラフルオロベンゼン(300mg、2.0mmol)と2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(374mg、2.0mmol)との溶液にK2CO3(552mg、4.0mmol)を加えた。混合物を120℃で18時間撹拌した。室温まで冷却した後、得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 60:1~10:1、v/v)によって精製して、9-(2,3,6-トリフルオロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(477mg、収率75%)を茶色の固形物として得た。
工程2:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
50mLの丸底フラスコに9-(2,3,6-トリフルオロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(427mg、1.35mmol)、プロパン-1-スルホンアミド(332mg、2.70mmol)、Cs2CO3(880mg、2.70mmol)および10mLのDMFを入れた。得られた溶液を120℃で18時間加熱した。室温まで冷却した後、得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 40:1~10:1、v/v)によって精製して、N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(28.1mg、収率5%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000066
実施例11:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物11)の調製
スキーム11
Figure 0007394768000067
工程1:9-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリンの合成
DMF(5mL)中の1,3-ジフルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(182mg、1.0mmol)の溶液に室温のNaH(鉱物油中60%、48mg、1.2mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌し、次いで2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(187mg、1.0mmol)を加え、反応を室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、水を加えて反応をクエンチし、溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH = 30/1+5‰ NH3.H2O)上で精製して、9-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(130mg、収率37%)を白色の固形物として得た。
工程2:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMF(5mL)中の9-(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(130mg、0.37mmol)とプロパン-1-スルホンアミド(136mg、1.11mmol)とCs2CO3(241mg、0.74mmol)との混合物をN2下120℃で16時間撹拌し、反応が完了した後に溶媒を除去した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(TFA塩、26mg、収率12%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000068
実施例12:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物12)の調製
スキーム12
Figure 0007394768000069
工程1:9-(3-フルオロ-2-ニトロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリンの合成
DMF(20mL)中の2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-オール(500mg、2.67mmol)の溶液を0℃まで冷却し、次いでNaH(鉱油中60%、138mg、3.47mmol)を混合物に加えた。添加後、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。1,3-ジフルオロ-2-ニトロベンゼン(510mg、3.2mmol)を加え、次いで室温で3時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、9-(3-フルオロ-2-ニトロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(600mg、収率69%)を黄色の固形物として得た。
工程2:N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、80mg、1.99mmol)を0℃のDMF(20.0mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(226mg、1.84mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、9-(3-フルオロ-2-ニトロフェノキシ)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(500mg、1.53mmol)を加え、混合物をN2下80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド (240mg、収率37%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000070
実施例13:N-(2-アミノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物13)の調製
スキーム13
Figure 0007394768000071
N-(2-アミノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
EtOH/H2O(20mL/3mL)中のN-(3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(200mg、0.47mmol)とFe(130mg、2.33mmol)とNH4Cl(15mg、0.28mmol)との混合物をN2下60℃で2時間撹拌し、反応が完了した後に溶媒を除去した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH = 25/1+5‰ NH3.H2O)によって精製して、N-(2-アミノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(60mg、収率32%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000072
実施例14:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド(化合物14)の調製
スキーム14
Figure 0007394768000073
N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、25mg、0.64mmol)を0℃のNMP(10.0mL)中の2-フルオロベンゼンスルホンアミド(103mg、0.58mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリル(150mg、0.49mmol)を加え、混合物をN2下80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド(90mg、収率40%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000074
実施例15:N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)チオフェン-2-スルホンアミド(化合物15)の調製
スキーム15
Figure 0007394768000075
N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)チオフェン-2-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、33.0mg、0.85mmol)を0℃のNMP(10.0mL)中のチオフェン-2-スルホンアミド(130mg、0.78mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、2-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリル(200mg、0.65mmol)を加え、混合物をN2下80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)チオフェン-2-スルホンアミド(100mg、収率34%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000076
実施例16:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物16)の調製
スキーム16
Figure 0007394768000077
工程1:2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリルの合成
NaH(鉱油中60%、150mg、3.72mmol)を0℃のDMF(20.0mL)中の3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(500mg、2.48mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、2,6-ジフルオロベンゾニトリル(344.0mg、2.48mmol)を加え、混合物を80℃で1時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリル(200mg、収率25%)を得た。
工程2:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、50mg、0.84mmol)を0℃のDMF(20.0mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(70mg、0.56mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリル(180mg、0.56mmol)を加え、混合物をN2下100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(50mg、収率21%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000078
実施例17:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物17)の調製
スキーム17
Figure 0007394768000079
工程1:2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリルの合成
NMP(10mL)中の3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(200mg、1.0mmol)の溶液に0℃のNaH(鉱物油中60%、60mg、1.5mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで2,3,6-トリフルオロベンゾニトリル(188mg、1.2mmol)を加え、混合物を0℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリル(100mg、収率30%)を黄色の油状物として得た。
工程2:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、48mg、1.2mmol)を0℃のNMP(20.0mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(100mg、0.80mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3,6-ジフルオロベンゾニトリル(188mg、0.56mmol)を加え、混合物をN2下80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(40mg、収率16%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000080
実施例18:N-(3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物18)の合成
スキーム18
Figure 0007394768000081
工程1:N-(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
ピリジン(20mL)中の3-ブロモ-2-フルオロアニリン(0.5g、2.63mmol)の溶液に室温のプロパン-1-スルホニルクロリド(3.75g、26.3mmol) を加え、反応をN2下60℃で3時間撹拌し、反応が完了した後に溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc = 10/1)上で精製して、N-(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(364mg、収率47%)を黄色の固形物として得た(生成物にはMSをしなかった)。
工程2:N-(3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMSO(5mL)中のN-(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(95mg、0.32mmol)と、3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(129mg、0.64mmol)と、K2CO3(132mg、0.96mmol)と、CuI(61mg、0.32mmol)とL-Pro(30mg、0.32mmol)との混合物をN2下150℃で16時間撹拌し、反応が完了した後に混合物をろ過し、濃縮した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(TFA塩、17mg、収率10%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000082
実施例19:N-(3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物19)の調製
スキーム19
Figure 0007394768000083
工程1:N-(2,3-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
THF(10mL)中の2,3-ジフルオロ-6-ニトロアニリン(870mg、5.0mmol)の溶液に室温のNaH(鉱物油中60%、900mg、22.5mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌し、次いでプロパン-1-スルホニルクロリド(3.56g、25mmol)を加え、反応を室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、水を加えて反応をクエンチし、混合物をEtOAcで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥させて濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc = 4/1)によって精製して、N-(2,3-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.9g、収率98%)を黄色の固形物として得た。
工程2:N-(3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMF(20mL)中のN-(2,3-ジフルオロ-6-ニトロフェニル)-N-(プロピルスルホニル)プロパン-1-スルホンアミド(1.22g、3.16mmol)と3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(635mg、3.16mmol)とK2CO3(872mg、6.32mmol)との混合物をN2下120℃で16時間撹拌し、反応が完了した後に溶媒を除去した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH = 30/1)によって精製して、N-(3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(390mg、収率27%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000084
実施例20:N-(6-アミノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物20)の調製
スキーム20
Figure 0007394768000085
N-(6-アミノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
EtOH/H2O(30mL/3mL)中のN-(3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロ-6-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(330mg、0.72mmol)とFe(200mg、3.58mmol)とNH4Cl(287mg、5.37mmol)との混合物をN2下90℃で1時間撹拌し、反応が完了した後に溶媒を除去した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH = 25/1+5‰ NH3.H2O)によって精製して、N-(6-アミノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(280mg、収率90%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000086
実施例21:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物21)の調製
スキーム21
Figure 0007394768000087
工程1:10-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンおよび10-(2-クロロ-3-フルオロ-4-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンの合成
DMF(300mL)中の3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(30g、146mmol)と2-クロロ-1,3-ジフルオロ-4-ニトロベンゼン(56g、292mmol)との溶液にCs2CO3(95g、292mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、10-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンと10-(2-クロロ-3-フルオロ-4-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンとの混合物(43g、収率80%)を黄色の固形物として得た。
工程2:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、8.0g、200mmol)を0℃のDMF(200mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(19g、152mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、10-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンと10-(2-クロロ-3-フルオロ-4-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンとの混合物(38g、101mmol)を加え、混合物をN2下室温で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~50:1、v/v)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(18g、収率37%)を黄色の固形物として得た。
工程3:N-(4-アミノ-2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
EtOH/H2O(200mL/40mL)中のN-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-ニトロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(18g、37.7mmol)とFe(21g、377mmol)とNH4Cl(1.2g、22.6mmol)との混合物をN2下80℃で2時間撹拌し、反応が完了した後に溶媒を除去した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH = 25/1+5‰ NH3.H2O)によって精製して、N-(4-アミノ-2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(11g、収率65%)を白色の固形物として得た。
工程4:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
THF(200mL)中のN-(4-アミノ-2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(11.0g、24.6mmol)の溶液に硝酸アミル(32.8g、246mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、還流状態で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~50:1、v/v)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(4.0g、収率38%)をオフホワイト色の固形物として得た。
Figure 0007394768000088
実施例22:N-(2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3-ニトロピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物22)の調製
スキーム22
Figure 0007394768000089
工程1:N-(2-クロロ-3-ニトロピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMF(10.0mL)中の2,4-ジクロロ-3-ニトロピリジン(1.0g、5.21mmol)とプロパン-1-スルホンアミド(320mg、2.61mmol)との溶液にCs2CO3(1.28g、3.92mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、60℃で3時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、N-(2-クロロ-3-ニトロピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(0.6g、収率82%)を黄色の固形物として得た。
工程2:N-(2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3-ニトロピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMF(10mL)中のN-(2-クロロ-3-ニトロピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(138mg、0.50mmol)と3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(100mg、0.50mmol)との溶液にCs2CO3(326mg、1.02mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、140℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~10:1、v/v)によって精製して、N-(2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3-ニトロピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(50mg、収率22%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000090
実施例23:N-(4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3-ニトロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物23)の調製
スキーム23
Figure 0007394768000091
工程1:10-((2-クロロ-3-ニトロピリジン-4-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンの合成
DMF(10mL)中の2,4-ジクロロ-3-ニトロピリジン(710mg、3.72mmol)と3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(500mg、2.48mmol)との溶液にCs2CO3(1.6g、4.96mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、60℃で2時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、10-((2-クロロ-3-ニトロピリジン-4-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン(600mg、収率68%)を黄色の固形物として得た。
工程2:N-(4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3-ニトロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、42mg、1.06mmol)を0℃のDMF(10.0mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(100mg、0.81mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、10-((2-クロロ-3-ニトロピリジン-4-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン(180mg、0.50mmol)を加え、混合物をN2下100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~10:1、v/v)によって精製して、N-(4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-3-ニトロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド (35mg、収率16%)をオフホワイト色の固形物として得た。
Figure 0007394768000092
実施例24:N-(3-シアノ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物24)の調製
スキーム24
Figure 0007394768000093
工程1:2-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ニコチノニトリルの合成
DMF(10.0mL)中の3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(500mg、2.49mmol)と2,4-ジクロロニコチノニトリル(646mg、3.73mmol)との溶液にCs2CO3(1.6g、4.96mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、60℃で2時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、2-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ニコチノニトリル(400mg、収率48%)をオフホワイト色の固形物として得た。
工程2:N-(3-シアノ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、23mg、0.58mmol)を0℃のDMF(6.0mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(55mg、0.45mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で60分間撹拌した。次いで、2-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ニコチノニトリル(100mg、0.30mmol)を加え、混合物をN2下100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、N-(3-シアノ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(40mg、収率31%)をオフホワイト色の固形物として得た。
Figure 0007394768000094
実施例25:N-(3-シアノ-2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物25)の合成
スキーム25
Figure 0007394768000095
工程1:N-(2-クロロ-3-シアノピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMF(20mL)中の2,4-ジクロロニコチノニトリル(630mg、3.66mmol)とプロパン-1-スルホンアミド(300mg、2.44mmol)との溶液にCs2CO3(1.20g、3.66mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、60℃で3時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、N-(2-クロロ-3-シアノピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(200mg、収率31%)を黄色の固形物として得た。
工程2:N-(3-シアノ-2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DMF(10.0mL)中のN-(2-クロロ-3-シアノピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(155mg、0.60mmol)と3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(100mg、0.50mmol)との溶液にCs2CO3(326mg、1.02mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、130℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~10:1、v/v)によって精製して、N-(3-シアノ-2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(50mg、収率24%)をオフホワイト色の固形物として得た。
Figure 0007394768000096
実施例26:N-(3-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物26)の調製
スキーム26
Figure 0007394768000097
工程1:10-((2,3-ジクロロピリジン-4-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンの合成
DMF(30mL)中の2,3-ジクロロ-4-ヨードピリジン(1.2g、4.4mmol)と3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(0.8g、4.0mmol)との溶液にCs2CO3(14.7g、5.0mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、60℃で3時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、10-((2,3-ジクロロピリジン-4-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン(0.6g、収率44%)を白色の固形物として得た。
工程2:3-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-アミンの合成
ジオキサン(30mL)中の10-((2,3-ジクロロピリジン-4-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン(1.0g、2.89mmol)とカルバミン酸tert-ブチル(3.4g、28.9mmol)との溶液にPd2(dba)3(0.53g、0.58mmol)、Xantphos(0.67g、1.16mmol)、Cs2CO3(2.0g、4.3mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、3-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-アミン(0.5g、収率53%)をオフホワイト色の固形物として得た。
工程3:N-(3-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、8mg、0.20mmol)を0℃のDMF(20mL)中の3-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-アミン(50mg、0.15mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で30分間撹拌した。次いで、プロパン-1-スルホニルクロリド(26mg、0.20mmol)を加え、混合物をN2下130℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(3-クロロ-4-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド(20mg、収率31%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000098
実施例27:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物27)の調製
スキーム27
Figure 0007394768000099
工程1:10-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジンの合成
MeOH(5.0ml)中の10-クロロ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン(1.0g、4.54mmol)の溶液にCH3ONa(水性)(25mL)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、10-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン(0.8g、収率82%)を白色の固形物として得た。
工程2:3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-オールの合成
DMF(15.0mL)中の10-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン(0.8g、3.7mmol)の溶液にNaSEt(940mg、11.2mmol)を加えた。反応混合物をN2で脱気し、130℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 50:1~20:1、v/v)によって精製して、3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-オール(400mg、収率54%)を黄色の固形物として得た。
工程3:2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリルの合成
NaH(鉱油中60%、40mg、1.0mmol)を0℃のDMF(15mL)中の3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-オール(100mg、0.50mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で15分間撹拌した。次いで、2,6-ジフルオロベンゾニトリル(137mg、1.0mmol)を加え、混合物を60℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリル(60mg、収率38%)を得た。
工程4:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NaH(鉱油中60%、65mg、1.60mmol)を0℃のDMF(10.0mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(100mg、0.56mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で30分間撹拌した。次いで、2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)オキシ)-6-フルオロベンゾニトリル(60mg、0.18mmol)を加え、混合物をN2下120℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(15mg、収率20%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000100
実施例28:N-(2-シアノ-3-((2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物28)の調製
スキーム28
Figure 0007394768000101
工程1:酢酸4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イルの合成
DCM(50.0mL)中の6-ヒドロキシキナゾリン-4(3H)-オン(5.0g、30.8mmol)の溶液にDMAP(0.75g、6.20mmol)とAc2O(6.30g、6.20mmol)とEt3N(6.20g、61.6mmol)とを加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣にH2O(50mL)を加え、室温で20分間撹拌した。固形物を真空中でろ過して乾燥させて酢酸4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル(5.3g、収率85%)を黄褐色の固形物として得た。
工程2:4-クロロキナゾリン-6-オールの合成
SOCl2(50mL)中の酢酸4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル(5.0g、24.4mmol)の溶液にDMF(1mL)を加えた。反応混合物を還流状態で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣にトルエン(30mL)を加え、室温で20分間撹拌した。固形物を真空中でろ過して乾燥させて4-クロロキナゾリン-6-オール(3.0g、収率68%)を黄褐色の固形物として得た。
工程3:4-((4-ヒドロキシブチル)アミノ)キナゾリン-6-オールの合成
イソプロパノール(20mL)中の4-クロロキナゾリン-6-オール(1.0g、5.56mmol)と4-アミノブタン-1-オール(1.0g、11.1mmol)との溶液に氷水のEt3N(1.7g、16.8mmol)を加えた。反応混合物を還流状態で1時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、4-((4-ヒドロキシブチル)アミノ)キナゾリン-6-オール(0.8g、収率62%)を得た。
工程4:2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-オールの合成
SOCl2(10mL)中の4-((4-ヒドロキシブチル)アミノ)キナゾリン-6-オール(800mg、3.43mmol)の溶液を還流状態で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣にEt3N(6mL)およびCHCl3(30mL)を加えた。反応混合物を還流状態で3日間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-オール(300mg、収率41%)を白色の固形物として得た。
工程5:2-フルオロ-6-((2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-イル)オキシ)ベンゾニトリルの合成
60%NaH(鉱油中40%、45mg、1.12mmol)を0℃のDMF(20mL)中の2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-オール(200mg、0.93mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で30分間撹拌した。次いで、2,6-ジフルオロベンゾニトリル(130mg、0.93mmol)を加え、混合物をN2下室温で2時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、2-フルオロ-6-((2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-イル)オキシ)ベンゾニトリル(100mg、収率32%)を白色の固形物として得た。
工程6:N-(2-シアノ-3-((2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
60%NaH(鉱油中40%、16mg、0.40mmol)を0℃のDMF(10mL)中のプロパン-1-スルホンアミド(44mg、0.36mmol)の溶液にゆっくりと加えた。反応混合物をN2で脱気し、室温で30分間撹拌した。次いで、2-フルオロ-6-((2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-イル)オキシ)ベンゾニトリル(60mg、0.18mmol)を加え、混合物をN2下100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュカラム(ACN/H2O)によって精製して、N-(2-シアノ-3-((2,3,4,5-テトラヒドロ-[1,3]ジアゼピノ[1,2-c]キナゾリン-11-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(18mg、収率23%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000102
実施例29:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)エタンスルホンアミド(化合物37)の調製
スキーム29
Figure 0007394768000103
工程1:2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)アニリンの合成
DMSO(20mL)中の10-ヨード-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン(2.0g、6.43mmol)と3-アミノ-2-クロロフェノール(1.85g、12.86mmol)とK3PO4(4.1g、19.3mmol)とCuI(366mg、1.93mmol)とピコリン酸(79mg、0.64mmol)との溶液をN2下90℃で16時間撹拌した。反応が完了した後、EtOAcを加え、混合物をろ過し、ケーキをEtOAcで洗浄し、ろ液を水(50mL)に加え、EtOAc(100mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させて濃縮して2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)アニリン(800mg、収率38%)を緑色の固形物として得た。
工程2:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミドの合成
DCM(50mL)中の2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)アニリン(1.0g、3.1mmol)とEt3N(3.7g、36.6mmol)との溶液に0℃のエタンスルホニルクロリド(3.9g、30.4mmol)を加え、次いで反応を室温で16時間撹拌すると、LCMSは76%のN-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミドおよび8%の2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)アニリンを示し、溶媒を除去し、残渣を精製せずに次の工程に用いた。
工程3:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)エタンスルホンアミドの合成
MeOH(20mL)中のN-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-N-(エチルスルホニル)エタンスルホンアミド(1.56g、3.07mmol)の溶液にNaOH(245mg、6.13mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌すると、LCMSは反応が完了していないことを示し、NaOH(1.0g、25mmol)を加えると、2時間後にはLCMSは反応が完了したことを示した。濃HClをpH=6~7になるまで加え、混合物をDCM(200mL×3)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させて濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH = 150/1+0.5%NH3.H2O)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)エタンスルホンアミド(660mg、収率52%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000104
実施例30:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(化合物38)の調製
スキーム30
Figure 0007394768000105
工程1:3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの合成
THF(3mL)中の3-フルオロプロパン-1-スルホニルクロリド(700mg、4.36mmol)の溶液を0℃でNH3.H2O(20mL)にゆっくりと加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮して3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(560mg、収率91%)を白色の固形物として得た。
工程2:10-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリンの合成
DMF(40mL)中の2-クロロ-1,3-ジフルオロ-4-ニトロベンゼン(3.84g、20mmol)と3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-オール(2.0g、10mmol)とCs2CO3(6.48g、20mmol)との混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~30:1、v/v)によって精製して、10-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン(2.49g、収率66%)を黄色の固形物として得た。
工程3:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-ニトロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの合成
DMF(10mL)中の3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(300mg、2.12mmol)の溶液に0℃のNaH(94mg、2.34mmol、鉱油中60%)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで10-(2-クロロ-3-フルオロ-6-ニトロフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン(717mg、1.91mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、MeOH(2mL)でクエンチした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 50:1~10:1、v/v)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-ニトロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(570mg、収率54%)を茶色の固形物として得た。
工程4:N-(4-アミノ-2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの合成
EtOH(15mL)およびH2O(5mL)中のN-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)-4-ニトロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(570mg、1.15mmol)とFe(330mg、5.75mmol)とNH4Cl(432mg、8.06mmol)との混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 50:1~10:1、v/v)によって精製して、N-(4-アミノ-2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(480mg、収率89%)を茶色の固形物として得た。
工程5:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドの合成
THF(15mL)中のN-(4-アミノ-2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(480mg、1.03mmol)と硝酸アミル(1.21g、10.3mmol)との混合物をN2下70℃で一晩撹拌した。揮発物のほとんどを除去した後、残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド(17mg、収率3.6%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000106
実施例31:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-ヒドロキシプロパン-1-スルホンアミド(化合物39)の調製
スキーム31
Figure 0007394768000107
工程1:3-(N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)スルファモイル)プロパン酸メチルの合成
DCM(10mL)中の2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)アニリン(100mg、0.31mmol)と3-(クロロスルホニル)プロパン酸メチル(86mg、0.46mmol)とDIEA(80mg、0.61mmol)との混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 50:1~30:1、v/v)によって精製して、3-(N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)スルファモイル)プロパン酸メチル(100mg、収率68%)を茶色の油状物として得た。
工程2:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-ヒドロキシプロパン-1-スルホンアミドの合成
THF(10mL)中の3-(N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)スルファモイル)プロパン酸メチル(100mg、0.21mmol)の混合物に0℃のLiAlH4(40mg、1.1mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。MeOHおよびEtOAcを加え、反応混合物を室温で30分間撹拌し、混合物をろ過し、ろ液を蒸発させ、残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-ヒドロキシプロパン-1-スルホンアミド(TFA塩、17mg、収率14%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000108
実施例32:(R)-N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(化合物40)の調製
スキーム32
Figure 0007394768000109
DCM(5mL)中の2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)アニリン(120mg、0.37mmol)とDMAP(2.2mg)とピリジン(2mL)との溶液に0℃の(R)-3-フルオロピロリジン-1-スルホニルクロリド(630mg、3.3mmol)を加えた。反応を0℃で2時間撹拌した。混合物をMeOH(2mL)でクエンチし濃縮した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、(R)-N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(8.0mg、収率4.5%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000110
実施例33:N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルアミノ-1-スルホンアミド(化合物41)の調製
スキーム33
Figure 0007394768000111
N-メチルエタンアミン(500mg、8.47mmol)を0℃のDCM(10mL)中のSO2Cl2(1.14g、8.47mmol)の混合物にゆっくりと加え、混合物をN2下0℃で30分間撹拌した。混合物をピリジン(5mL)中の2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)アニリン(100mg、0.31mmol)とDMAP(2mg、0.01mmol)との溶液に加え、混合物を室温で30分間撹拌した。反応が完了した後、混合物を蒸発させ、残渣をprep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリミド[1,2-c]キナゾリン-10-イル)オキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルアミノ-1-スルホンアミド (TFA塩、2.7mg、収率1.5%)を茶色の固形物として得た。
Figure 0007394768000112
実施例34:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)(メチル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物42)の調製
スキーム34
Figure 0007394768000113
工程1:4-クロロ-6-フルオロピリド[3,4-d]ピリミジンの合成
SOCl2(20mL)中の6-フルオロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(1.0g、6.1mmol)の溶液にN2下でDMF(3滴)を加えた。得られた混合物を90℃で48時間撹拌した。混合物を蒸発させて、4-クロロ-6-フルオロピリド[3,4-d]ピリミジン(1.1g、収率100%)を得た。
工程2:3-((6-フルオロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパン-1-オール
3-アミノプロパン-1-オール(20mL)中の4-クロロ-6-フルオロピリド[3,4-d]ピリミジン(1.1g、6.01mmol)の溶液にEt3N(1.8g、18.03mmol)を加えた。得られた混合物を室温で20分間撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc 5:1~DCM/MeOH 20:1、v/v)によって精製して、3-((6-フルオロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパン-1-オール(1.33g、収率100%)を得た。
工程3:10-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジンの合成
CHCl3(15mL)中の3-((6-フルオロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパン-1-オール(1.33g、6.1mmol)の溶液にSOCl2(3mL)をN2下で加えた。得られた混合物を80℃で一晩撹拌した。混合物を真空下で蒸発乾固させた。残渣にCHCl3(15mL)、Et3N(2.46g、24.4mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc 5:1~DCM/MeOH 20:1、v/v)によって精製して、10-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン(2.0g、粗製)を得た。
工程4:2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)アミノ)-6-フルオロベンゾニトリルの合成
DMF(10mL)中の10-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン(400mg、2.0mmol)の溶液にNaH(360mg、9.0mmol、鉱油中60%)をN2下で加えた。混合物をN2下室温で15分間撹拌した。次いで2-アミノ-6-フルオロベンゾニトリル(272mg、2.0mmol)を反応混合物に加えた。得られた混合物をN2下60℃で48時間撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc 2:1~DCM/MeOH 20:1、v/v)によって精製して、2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)アミノ)-6-フルオロベンゾニトリル(140mg、収率22%)を得た。
工程5:2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)(メチル)アミノ)-6-フルオロベンゾニトリルの合成
ドライTHF(12mL)中の2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)アミノ)-6-フルオロベンゾニトリル(200mg、0.64mmol)の溶液にNaH(33mg、0.83mmol、鉱油中60%)をN2下で加えた。混合物をN2下0℃で30分間撹拌した。次いでCH3I(90mg、0.64mmol)を反応混合物に加えた。得られた混合物をN2下室温で2時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 2:1~DCM/MeOH 20:1、v/v)によって精製して、2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)(メチル)アミノ)-6-フルオロベンゾニトリル(100mg、収率48%)を得た。
工程6:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)(メチル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
NMP(6mL)中の2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)(メチル)アミノ)-6-フルオロベンゾニトリル(100mg、0.3mmol)の溶液にNaH(120mg、3.0mmol、鉱油中60%)をN2下で加えた。混合物をN2下0℃で15分間撹拌した。次いでプロパン-1-スルホンアミド(369mg、3.0mmol)を反応混合物に加えた。得られたものをN2下100℃で一晩撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)(メチル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(10.0mg、収率5%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000114
実施例35:N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物43)の調製
スキーム35
Figure 0007394768000115
DMF(5.0mL)中の2-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)アミノ)-6-フルオロベンゾニトリル(120mg、0.37mmol)とプロパン-1-スルホンアミド(54mg、0.44mol)との溶液にNaH(22mg、0.55mmol、鉱油中60%)を加えた。反応混合物を120℃で一晩撹拌した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-シアノ-3-((3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3-e]ピリミド[1,2-c]ピリミジン-10-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(7.0mg、収率5%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000116
実施例36:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-2-スルホンアミド(化合物44)の調製
スキーム36
Figure 0007394768000117
工程1:2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリンの合成
DMSO(20.0mL)中の9-ヨード-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(1.0g、3.36mmol)と3-アミノ-2-クロロフェノール(0.96g、6.73mmol)との溶液にCuI(64mg、0.34mmol)、K3PO4(1.40g、6.60mmol)、2-ピリジンカルボリック酸(pyridinecarbolic acid)(41mg、0.34mmol)を加えた。混合物をN2下80℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(30.0mL)からDCM(100mL×3)で抽出し、有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。得られた混合物を蒸発させ、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~50:1、v/v)によって精製して、2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(0.6g、収率60%)を黄褐色の固形物として得た。
工程2:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-2-スルホンアミドの合成
DMF(5mL)中の2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(200mg、0.64mmol)の溶液に0℃のNaH(256mg、6.4mmol、鉱油中60%)をN2下で加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。プロパン-2-スルホニルクロリド(454mg、3.2mmol)を混合物に加えた。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。混合物をMeOH(1.0mL)でクエンチし、濃縮して溶媒を除去した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-2-スルホンアミド(TFA塩、4.5mg、収率1.3%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000118
実施例37:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルアミノ-1-スルホンアミド(化合物45)の調製
スキーム37
Figure 0007394768000119
DCM(20mL)中の2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(150mg、0.48mmol)の溶液にDMAP(3.0mg、0.05mmol)、エチル(メチル)スルファモイルクロリド(136mg、1.44mmol)およびピリジン(75mg、0.96mmol)を室温で加えた。反応物を60℃で4日間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルアミノ-1-スルホンアミド(TFA塩、18.0mg、収率7%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000120
実施例38:(R)-N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(化合物46)の調製
スキーム38
Figure 0007394768000121
工程1:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミドの合成
DCM(50mL)中のイソシアン酸クロロスルホニル(9.07g、64mmol)の溶液に-5℃の2-ブロモエタン-1-オール(7.93g、64mmol)をN2下で加えた。混合物を-5~0℃で2時間撹拌した。上記溶液に0℃のDCM(100mL)中の2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(1.0g、3.2mmol)とEt3N(8.74mL、64mmol)との溶液をN2下で加えた。混合物を10℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH = 10/1、v/v)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(800mg、収率54%)を白色の固形物として得た。
工程2:(R)-N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミドの合成
アセトニトリル(5mL)中のN-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(120mg、0.26mmol)と(R)-3-フルオロピロリジン(231mg、2.6mmol)との溶液にEt3N(78mg、0.78mmol)を加えた。混合物をマイクロ波下120℃で40分間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をPrep-HPLCによって精製して、(R)-N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(TFA塩、43.5mg、収率29%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000122
実施例39:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-(2-フルオロエチル)(メチル)アミノ-1-スルホンアミド(化合物47)の調製
スキーム39
Figure 0007394768000123
工程1:(2-フルオロエチル)カルバミン酸tert-ブチルの合成
THF/H2O(80mL/80mL)中の2-フルオロエタン-1-アミン塩酸塩(5.0g、0.05mol)の溶液に0℃のNaHCO3(16.8g、0.2mol)を加えた。5分後、Boc2O(12.4mL、0.05mol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を濃縮し、H2O(100mL)で希釈し、DCM(100mL×3)で抽出し、合わせた有機層をH2O(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。濃縮により(2-フルオロエチル)カルバミン酸tert-ブチル(7.8g、96%)が無色の油状物として得られた。
工程2:(2-フルオロエチル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチルの合成
ドライTHF(100mL)中の(2-フルオロエチル)カルバミン酸tert-ブチル(7.8g、47.8mmol)の溶液に0℃のNaH(2.25g、71.7mmol、鉱油中60%)をN2下で加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。MeI(10.1g、71.7mmol)を反応に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をH2O(2mL)でクエンチし濃縮した。残渣をDCMと水の間で分割した。有機層をNa2SO4で乾燥させて濃縮して、(2-フルオロエチル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル(粗製、9.2g、100%)を油状物として得た。
工程3:2-フルオロ-N-メチルエタン-1-アミン塩酸塩の合成
DCM(20mL)中の(2-フルオロエチル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル(8.8g、49.7mmol)の溶液に0℃のTFA(20mL)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をHCl/MeOH(2M、20mL)に溶解した。混合物を濃縮し、残渣をEt2O(50mL×2)で洗浄した。固形物を真空下で乾燥させて、2-フルオロ-N-メチルエタン-1-アミン塩酸塩(5.0g、89%)を白色の固形物として得た。
工程4:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-(2-フルオロエチル)(メチル)アミノ-1-スルホンアミドの合成
CH3CN(4mL)中のN-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(100mg、0.22mmol)と2-フルオロ-N-メチルエタン-1-アミン塩酸塩(237mg、2.1mmol)との混合物に室温のEt3N(212mg、2.1mmol)を加えた。混合物をマイクロ波下120℃で40分間撹拌した。溶媒の除去後、残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-(2-フルオロエチル)(メチル)アミノ-1-スルホンアミド(TFA塩、6.7mg、収率5%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000124
実施例40:N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(化合物48)の調製
スキーム40
Figure 0007394768000125
CH3CN(5mL)中のN-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(50mg、0.11mmol)とピロリジン(16mg、0.22mmol)とEt3N(34mg、0.33mmol)との混合物をマイクロ波下120℃で1時間加熱した。混合物を蒸発させ、残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(10mg、収率20%)を茶色の固形物として得た。
Figure 0007394768000126
実施例41:N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(化合物49)の調製
スキーム41
Figure 0007394768000127
工程1:5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロアニリンの合成
DMSO中の9-ヨード-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(1.0g、3.37mmol)と3-アミノ-4-フルオロフェノール(0.85g、6.73mmol)との溶液にCuI(64mg、0.34mmol)、K3PO4(2.14g、10.11mmol)、2-ピリジンカルボリック酸(41mg、0.34mmol)を加えた。混合物をN2下80℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、DCMと水の間で分割した。有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。得られた混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~50:1、v/v)によって精製して、5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロアニリン(0.6g、収率60%)を黄褐色の固形物として得た。
工程2:N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミドの合成
DCM(20mL)中のイソシアン酸クロロスルホニル(104mg、0.74mmol)の溶液に2-ブロモエタン-1-オール(92mg、0.74mmol)を-5℃で加えた。混合物を-5~0℃で2時間撹拌した。上記溶液に0℃のDCM(10mL)中の5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロアニリン(200mg、0.67mmol)とEt3N(135mg、1.34mmol)との溶液をN2下で加えた。混合物を10℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH = 30/1、v/v)によって精製して、N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(50mg、収率17%)を白色の固形物として得た。
工程3:N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミドの合成
アセトニトリル(5mL)中のN-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(50mg、0.11mmol)とピロリジン(80mg、1.12mmol)との溶液にEt3N(33mg、0.33mmol)を加えた。混合物をマイクロ波下150℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(TFA塩、10mg、収率16%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000128
実施例42:N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-N,N-ジメチルアミノ-1-スルホンアミド(化合物50)の調製
スキーム42
Figure 0007394768000129
アセトニトリル(5mL)中のN-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(50mg、0.11mmol)とジメチルアミン/THF(0.5mL)との溶液にEt3N(34mg、0.33mmol)を加えた。混合物をマイクロ波下150℃で60分間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)-N,N-ジメチルアミノ-1-スルホンアミド(TFA塩、12mg、収率21%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000130
実施例43:N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物51)の調製
スキーム43
Figure 0007394768000131
DCM(10mL)中の5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロアニリン(100mg、0.33mmol)、プロパン-1-スルホニルクロリド(433.6mg、3.04mmol)とEt3N(411mg、4.05mmol)との混合物を30℃で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残渣にMeOH(10mL)および水性NaOH(10mL、2N)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、濃HClをpH=6~7になるまで混合物に加えた。揮発性物質の除去後、残渣をDCM/MeOH(10/1)によって抽出し、Na2SO4で乾燥させた。濃縮により粗生成物が得られ、これをPrep-HPLCによって精製して、N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(TFA塩、62.8mg、収率37%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000132
実施例44:N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-2-スルホンアミド(化合物52)の調製
スキーム44
Figure 0007394768000133
DMF(5mL)中の5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロアニリン(100mg、0.33mmol)の溶液に0℃のNaH(鉱物油中60%、270mg、6.7mmol、鉱物油中60%)をN2下で加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。プロパン-2-スルホニルクロリド(430mg、3.0mmol)を混合物に加えた。反応混合物を80℃で一晩撹拌した。混合物をMeOH(1.0mL)でクエンチし、濃縮して溶媒を除去した。残渣をDCMと水の間で分割した。有機層を濃縮し、Prep-HPLCによって精製して、N-(5-((2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)-2-フルオロフェニル)プロパン-2-スルホンアミド(TFA塩、4.6mg、収率3%)を黄色の固形物として得た。
Figure 0007394768000134
実施例45:(R)-N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(化合物53)の調製
スキーム45
Figure 0007394768000135
工程1:2-((6-ヨードキナゾリン-4-イル)アミノ)-2-メチルプロパン-1-オールの合成
i-PrOH(30.0mL)中の4-クロロ-6-ヨードキナゾリン(3.0g、10.3mmol)と2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール(1.8g、20.6mmol)との溶液にEt3N(2.1g、20.6mmol)を加えた。反応混合物を80℃で16時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、固形物をろ過して、2-((6-ヨードキナゾリン-4-イル)アミノ)-2-メチルプロパン-1-オール(3.5g、収率100%)を白色の固形物として得た。
工程2:9-ヨード-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリンの合成
CHCl3(10.0mL)中の2-((6-ヨードキナゾリン-4-イル)アミノ)-2-メチルプロパン-1-オール(3.5g、10.2mmol)の溶液にSOCl2(20.0mL)を加えた。反応混合物を還流状態で一晩撹拌した。得られた混合物を濃縮し、残渣にMeOHおよびDCMを加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。固形物をろ過して9-ヨード-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(3.3g、収率100%)をオフホワイト色の固形物として得た。
工程3:2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリンの合成
DMSO(20.0mL)中の9-ヨード-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン(1.0g、3.07mmol)と3-アミノ-2-クロロフェノール(0.88g、6.15mmol)との溶液にCuI(176mg、0.92mmol)、K3PO4(2.94g、13.8mmol)、2-ピリジンカルボリック酸(114mg、0.92mmol)を加えた。混合物をN2下80℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(40.0mL)からDCM(100mL×3)で抽出し、有機層をブライン(60mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。得られた混合物を蒸発させ、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(0.43g、収率41%)を黄褐色の固形物として得た。
工程4:N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミドの合成
DCM(20mL)中のイソシアン酸クロロスルホニル(333mg、2.35mmol)の溶液に0℃のDCM(5mL)中の2-ブロモエタン-1-オール(295mg、2.35mmol)の溶液をゆっくりと加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで混合物をDCM(15mL)中の2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(200mg、0.59mmol)とEt3N(238mg、2.35mmol)との撹拌溶液に滴下し、混合物を室温で一晩撹拌した。濃縮により粗生成物が得られ、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 50:1~10:1、v/v)によって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(100mg、収率35%)を茶色の固形物として得た。
工程5:(R)-N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミドの合成
CH3CN(2mL)中のN-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(30mg、0.06mmol)と(R)-3-フルオロピロリジン(7mg、0.07mmol)とEt3N(8mg、0.07mmol)との混合物をマイクロ波下120℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をPrep-HPLCによって精製して、(R)-N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(TFA塩、4mg、収率11%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000136
実施例46:N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(化合物54)の調製
スキーム46
Figure 0007394768000137
CH3CN(2mL)中のN-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-3-スルホンアミド(70mg、0.14mmol)とピロリジン(13mg、0.17mmol)とEt3N(18mg、0.17mmol)との混合物をマイクロ波下120℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)ピロリジン-1-スルホンアミド(TFA塩、6mg、収率7%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000138
実施例47:N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物55)の調製
スキーム47
Figure 0007394768000139
DCM(10mL)中の2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(100mg、0.29mmol)とプロパン-1-スルホニルクロリド(378mg、2.64mmol)とEt3N(357mg、3.53 mmol)との混合物を30℃で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残渣にMeOH(10mL)および水性NaOH(10mL、2N)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。濃HClをpH=6~7まで加えた。混合物を蒸発させ、残渣をDCM/MeOH(10/1)によって抽出し、Na2SO4で乾燥させた。濃縮により粗生成物が得られ、これをPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(TFA塩、37mg、収率22%)を茶色の固形物として得た。
Figure 0007394768000140
実施例48:N-(2-クロロ-3-((3-((ジメチルアミノ)メチル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物56)の調製
スキーム48
Figure 0007394768000141
工程1:1-(9-ヨード-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-3-イル)-N,N-ジメチルメタンアミンの合成
MeOH(5mL)中の(9-ヨード-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-3-イル)メタンアミン(100mg、0.31mmol)とホルムアルデヒド(5滴)とNaBH3CN(40mg、0.62mmol)との溶液を室温で一晩撹拌した。水を加え、得られた混合物をEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。濃縮により粗生成物が得られ、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:1~20:1、v/v)によって精製して、1-(9-ヨード-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-3-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン(43mg、収率40%)を白色の固形物として得た。
工程2:2-クロロ-3-((3-((ジメチルアミノ)メチル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリンの合成
DMSO(5mL)中の1-(9-ヨード-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-3-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン(43mg、0.12mmol)と3-アミノ-2-クロロフェノール(34mg、0.24mmol)とCuI(3mg、0.012mmol)との溶液を90℃で一晩撹拌した。残渣をPrep-HPLCによって精製して、2-クロロ-3-((3-((ジメチルアミノ)メチル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(15mg、収率33%)を白色の固形物として得た。
工程3:N-(2-クロロ-3-((3-((ジメチルアミノ)メチル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの合成
DCM(1mL)中の2-クロロ-3-((3-((ジメチルアミノ)メチル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)アニリン(15mg、0.04mmol)とEt3N(10mg、0.08mmol)との溶液にプロパン-1-スルホニルクロリド(5mg、0.04mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。水性NaOH(1mL、1mmol/mL)を加え、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。濃縮により粗生成物が得られ、これをPrep-HPLCによって精製して、N-(2-クロロ-3-((3-((ジメチルアミノ)メチル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[1,2-c]キナゾリン-9-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミド(10.0mg、収率50%)を白色の固形物として得た。
Figure 0007394768000142
本明細書において記載される化合物、使用、および方法の上記の説明によって、当業者が本明細書において記載される化合物、使用、および方法を作製しかつ用いることが可能になるが、当業者であれば本明細書における特定の態様、方法、および例のバリエーション、組み合わせ、および均等物の存在を理解しかつ認識しているであろう。本明細書において提供される化合物、使用、および方法は、したがって、上述の態様、方法、または例によって限定されるべきではなく、むしろ本明細書において提供される化合物、使用、および方法の範囲および精神に含まれるすべての態様および方法を包含している。
本明細書において開示されるすべての参照文献はそれらの全体において参照により組み入れられる。
式(I)の化合物のインビトロおよびインビボ活性を以下の手順を用いて決定した。
生物学的実施例B1
抗増殖アッセイ
CellTiter GloによるA375細胞株における試験化合物のインビトロ抗増殖研究。細胞は、5%CO2の空気中37℃で、対応する培地において単層培養としてルーチン的に維持した。
トリプシン-EDTA消化によって指数増殖細胞を収穫する。細胞ペレットを新たな培地に再懸濁し、必要とされる濃度まで調整する(1ウェルあたりの細胞密度は以下のフォームに列挙した)。トリパンブルー染色による細胞生存率は98%を上回る。プレートマップ(90μL/ウェル)に従って96ウェルプレートに細胞を播種する。37℃および5%CO2でプレートを一晩培養する。翌日プレートマップに従って10×化合物含有培地を調製する。10μLの10×化合物含有培地をアッセイプレートの各ウェルに移す(最終DMSO濃度は0.5%である)。培地を穏やかに混合し、37℃および5%CO2でさらに72時間または144時間培養する。
製造業者の説明書に従って試薬を調製する。各ウェルに50μLのCellTiter-Glo試薬を加える。オービタルシェーカー上で内容物を2分間混合して細胞溶解を誘導する。プレートを室温で10分間培養して発光シグナルを安定化させる。各ウェルの反応内容物100μLを透明なプレートから白壁/白色不透明96ウェルプレートに移す。Envisionに発光を記録する。
発光測定結果[時間ゼロ(T0)、コントロール成長(C)、および6つの濃度レベルの薬物の存在下での試験成長(Ti)]を用いて各薬物濃度レベルでの成長率を算出する。
成長阻害率(GI)は:Ti>=T0の場合の濃度はGI(%)=[(Ti-T0)/(C-T0)]×100およびTi<T0の場合の濃度はGI(%)=[(Ti-T0)/T0]×100として算出する。XLFit(Excel)ツールを用い、4パラメータ方程式にフィッティングして濃度応答曲線を生成してデータを解析した。コントロールの細胞成長を50%阻害する化合物濃度(GI50)は、yが式:f(x)205[fit=(A+((B-A)/(1+((C/x)^D))))]による非線形回帰を用いたDMSO処理したコントロールウェルの正味の成長の50%である場合に逆補間し、式中Aは最小応答(Ymin)であり、Bは最大応答(Ymax)であり、Cは曲線の変曲点(Re GI50)であり、Dはヒル係数である。50%成長阻害(GI50)は曲線上の50%成長阻害にて算出した。指標値は各試験化合物濃度での阻害率(IR)の合計であった。表AはA375メラノーマ細胞およびHT-29結腸がん細胞での合成化合物の抗増殖性を示す。
(表A)
Figure 0007394768000143
Figure 0007394768000144
Figure 0007394768000145
Figure 0007394768000146
Figure 0007394768000147
Figure 0007394768000148
Figure 0007394768000149
Figure 0007394768000150
Figure 0007394768000151
Figure 0007394768000152
Figure 0007394768000153
Figure 0007394768000154
Figure 0007394768000155
Figure 0007394768000156
+++:<100nM;++:100~1000nM;+:>1000nM;ND:未測定
生物学的実施例B2
MDCK-MDR1透過性アッセイ
MDCK-MDR1細胞は、P-糖タンパク質という排出タンパク質をコードする遺伝子であるMDR1遺伝子によるMadin Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞のトランスフェクションに由来している。この細胞株は、阻害剤の有無にかかわらず、P-gpの基質を同定するために理想的である。細胞をMultiscreen(商標)プレートに播種して、実験前に4日間にわたってコンフルエントな単層を形成する。4日目に、試験化合物(1~30μM濃度)を膜の頂端側に加え、単層を通過する化合物の輸送を120分間モニタリングする。薬物排出を検討するために、側底部コンパートメントから頂端部コンパートメントへの化合物の輸送を調査し排出比を算出することも必要である。
透過係数(Papp)は以下の方程式から算出される。
Papp=[(dQ/dt)/C0xA]
式中、dQ/dtは細胞を通過する薬物の透過率であり、C0は時間ゼロでのドナーコンパートメント濃度であり、Aは細胞単層の面積である。
排出比は平均頂端部→側底部(A-B)Pappデータおよび側底部→頂端部(B-A)Pappデータから算出される。
排出比=Papp(B-A)/Papp(A-B)
表BはMDCK-MDR1アッセイにおける選択された化合物の透過性をまとめている。
(表B)
Figure 0007394768000157
生物学的実施例B3
Caco-2透過性アッセイ
Caco-2細胞は薬物化合物の透過性を測定するためのインビトロアッセイとして広く用いられている。Caco-2細胞株はヒト結腸直腸癌に由来し、培養すると細胞は分極した腸細胞の単層に自発的に分化する。Caco-2細胞は、細胞および血液脳関門への薬物化合物の透過性に影響を与える最も関連性の高い細胞膜アクティブトランスポーターのうちの2つであるP-糖タンパク質および乳がん耐性タンパク質を発現する。
細胞をMillipore Millicellプレートに播種して、実験前に20日間にわたってコンフルエントな単層を形成する。20日目に、試験化合物(1~30μM濃度)を膜の頂端側に加え、単層を通過する化合物の輸送を120分間モニタリングする。薬物排出を検討するために、側底部コンパートメントから頂端コンパートメントへの化合物の輸送を調査することも必要である。
透過係数(Papp)は以下の方程式から算出される。
Papp=[(dQ/dt)/C0xA]
式中、dQ/dtは細胞を通過する薬物の浸透率であり、C0は時間ゼロでのドナーコンパートメント濃度であり、Aは細胞単層の面積である。C0は実験開始時の投与溶液の分析から得られる。
Caco-2アッセイにおける選択された化合物の透過性を表Cにまとめる。
(表C)
Figure 0007394768000158
生物学的実施例B4
マウス薬物動態研究
選択された化合物の薬物動態学的特性を、標準的なプロトコルを用いて静脈内および経口投与を介してCD-1マウスで検討した。試験品は、透明な溶液または微細な懸濁液として、20%ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンにおいて形成した。表Dはマウスにおける選択された化合物の静脈内注射による薬物動態学的特徴を示す。
(表D)
Figure 0007394768000159
表Eはマウスにおける選択された化合物の経口投与による血漿曝露を示す。
(表E)
Figure 0007394768000160
生物学的実施例B5
インビボ薬力学研究
インビボでの式(I)の化合物の活性は、コントロールと比べた試験化合物による腫瘍成長の阻害量によって決定し得る。様々な化合物の腫瘍成長阻害効果は、僅かに変更したCorbett T. H., et al., "Tumor Induction Relationships in Development of Transplantable Cancers of the Colon in Mice for Chemotherapy Assays, with a Note on Carcinogen Structure", Cancer Res., 35, 2434-2439 (1975)およびCorbett T. H., et al., "A Mouse Colon-tumor Model for Experimental Therapy", Cancer Chemother. Rep. (Part 2)", 5, 169-186 (1975)の方法に従って測定される。腫瘍は、0.1mlのRPMI1640培地に懸濁させた100万~500万個の対数増殖期培養腫瘍細胞(ヒトA375メラノーマまたはHT-29結腸直腸がん細胞)を皮下注射することによって左側腹部に誘発させる。腫瘍が容易にわかるように十分な時間が経過した後(大きさ100~150mm3/直径5~6mm)、試験動物(雌のBALB/cヌードマウス)を1日1回または2回の経口投与によって試験化合物(20%ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンに10~15mg/mlの濃度で処方)で処理する。抗腫瘍効果を決定するために、腫瘍を2つの直径にわたってVernier測径器でミリメートルで測定し、腫瘍サイズ(mm3)をGeran, R. I., et al. "Protocols for Screening Chemical Agents and Natural Products Against Animal Tumors and Other Biological Systems", Third Edition, Cancer Chemother. Rep., 3, 1-104 (1972)の方法に従って式:腫瘍サイズ(mm3)=(長さ×幅2)/2を用いて算出する。結果は式:阻害(%)=(TuWcontrol-TuWtest)/TuWcontrol×100%に従って阻害率として表される。腫瘍移植の側腹部位はさまざまな化学療法剤について再現可能な用量/応答効果を提供し、測定方法(腫瘍直径)は腫瘍成長率を評価するための信頼性のある方法である。
本発明の化合物(以下「活性化合物」)の投与は作用部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって実施し得る。これらの方法は経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または注入を含む)、局所、および直腸投与を含む。
薬学的組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、徐放性製剤、溶液、懸濁液として経口投与に、無菌溶液、懸濁液もしくは乳液として非経口注射に、軟膏もしくはクリームとして局所投与に、または坐剤として直腸投与に好適な形態であってもよい。薬学的組成物は正確な用量の単回投与に好適な単位剤形であってよい。薬学的組成物は従来の薬学的担体または賦形剤と、活性成分としての発明に係る化合物とを含むであろう。加えて、他の薬剤または医薬品、担体、アジュバントなどを含んでもよい。
下に提供される例および調製は本発明の化合物およびそのような化合物を調製する方法をさらに説明しかつ例示している。本発明の範囲は以下の例および調製の範囲によって何ら限定されないと理解されたい。以下の例では、特に明記しない限り、単一のキラル中心を備えた分子はラセミ混合物として存在する。特に明記しない限り、2つ以上のキラル中心を備えた分子はジアステレオマーのラセミ混合物として存在する。単一のエナンチオマー/ジアステレオマーは当業者に公知の方法によって得られてもよい。
例示的態様
1.式Iaの環状イミノピリミジン誘導体ならびにそれらの同位体誘導体、その薬学的に許容される塩および溶媒和物:
Figure 0007394768000161
式中
X1、X2、およびX3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり;
Y1、Y2、およびY3はそれぞれ独立してNまたはCRbであり;
Z1はO、S、NRcまたはCRdReであり;
Z2は結合またはNRfであり;
m=0、1、2または3;
n=1、2または3;
R1は水素、ハロゲンで置換されてもよいC1~C6アルキル、OH、C1~C6アルコキシ、またはC1~C6ジアルキルアミノであり;
R2は水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、CF3、MeSO2、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、またはC1~C6ジアルキルアミノであり;
R3は、それぞれ1~3個のハロゲンまたはC1~C6アルキルで置換されてもよいC1~C6アルキル、またはアリールもしくはヘテロアリールであり
RaおよびRbは独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシル、およびC1~C6ジアルキルアミノからなる群より選択され;
Rcは水素またはC1~C6アルキルであり;
各Rd、ReおよびRfは独立して水素およびC1~C6アルキルより選択される。
2.下の構造より選択される、態様1の式Iaの環状イミノピリミジン誘導体:
Figure 0007394768000162
3.下の構造より選択される、態様1の式Iaの環状イミノピリミジン誘導体:
Figure 0007394768000163
4.下の構造より選択される、態様1の式Iaの環状イミノピリミジン誘導体:
Figure 0007394768000164
5.下の構造より選択される、態様1の式Iaの環状イミノピリミジン誘導体:
Figure 0007394768000165
6.下の構造より選択される、態様1の式Iaの環状イミノピリミジン誘導体:
Figure 0007394768000166
7.式Iaの化合物の他の特定の態様はZ1がOであるものを含む。
8.式Iaの化合物の他の特定の態様はZ2が結合であるものを含む。
9.式Iaの化合物の他の特定の態様はm=0であるものを含む。
10.式Iaの化合物の他の特定の態様はn=1であるものを含む。
11.式Iaの化合物の他の特定の態様はn=2であるものを含む。
12.式Iaの化合物の他の特定の態様はR1=Hであるものを含む。
13.式Iaの化合物の他の特定の態様はR2がCNであるものを含む。
14.式Iaの化合物の他の特定の態様はR2がClであるものを含む。
15.式Iaの化合物の他の特定の態様はR3が2-FPhであるものを含む。
16.式Iaの化合物の他の特定の態様はR3がプロピルであるものを含む。
17.式Iaの化合物の他の特定の態様はR3がチオフェニルであるものを含む。
18.式Iaの化合物の他の特定の態様はRaがHであるものを含む。式Iaの化合物の他の特定の態様はRbがHであるものを含む。
19.式Iaの化合物の他の特定の態様はRaがFであるものを含む。式Iaの化合物の他の特定の態様はRbがFであるものを含む。
20.哺乳類においてB-Raf V600Eキナーゼ酵素に対する阻害効果をもたらすための方法であって、以下の工程を含む方法:
有効量の態様1~19のいずれかの式Iaの環状イミノピリミジン誘導体またはその薬学的に許容される塩を該動物に投与する工程。
21.薬学的に許容される希釈剤または担体と共に、態様1~19のいずれかの式Iaの環状イミノピリミジン誘導体またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物。
22.そのような治療を必要とする哺乳類において抗がん効果をもたらすための方法であって、以下の工程を含む方法:
有効量の態様1~19のいずれかの式Iaの環状イミノピリミジン誘導体またはその薬学的に許容される塩を該哺乳類に投与する工程。
23.そのような治療を必要とする哺乳類において抗神経変性効果をもたらすための方法であって、以下の工程を含む方法:
有効量の態様1~19のいずれかの式Iaの環状イミノピリミジン誘導体またはその薬学的に許容される塩を該哺乳類に投与する工程。
24.B-Raf V600Eキナーゼ酵素の阻害に感受性があるがんを有する哺乳類において抗増殖効果をもたらすための方法であって、以下の工程を含む方法:
有効量の態様1~19のいずれかの式Iaの環状イミノピリミジン誘導体またはその薬学的に許容される塩を該動物に投与する工程。

Claims (49)

  1. 式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体:
    Figure 0007394768000167
    式中
    X1、X2、およびX3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり;
    Y1、Y2、およびY3はそれぞれ独立してNまたはCRbであり;
    Z1はO、S、NRcまたはCRdReであり;
    Z2は結合またはNRfであり;
    mは0、1、2または3であり;
    nは1、2または3であり;
    R1、R2、R3、Ra、Rb、Rd、およびReはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、-CN、-NO2、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C2~C6アルケニル、置換または非置換C2~C6アルキニル、-ORg、-SRg、-S(O)2Rg、-NRhRi、-C(O)Rg、-OC(O)Rg、-C(O)ORg、-C(O)NRhRi、-OC(O)NRhRi、-NRgC(O)Rh、-NRgC(O)ORh、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;
    R4は水素またはC1~C6アルキルであり;かつ
    Rc、Rf、Rg、Rh、およびRiはそれぞれ独立してH、C1~C6アルキル、またはC1~C6ハロアルキルである。
  2. 式(I-2a)、(I-2b)、もしくは(I-2c)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、請求項1記載の化合物:
    Figure 0007394768000168
    Figure 0007394768000169
    式中
    Y1、Y2、Y3、Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRaは式(I)に関して規定したとおりである。
  3. 式(I-2d)、(I-2e)、もしくは(I-2f)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、請求項1記載の化合物:
    Figure 0007394768000170
    式中
    X1、X2、X3、Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRbは式(I)に関して規定したとおりである。
  4. 式(I-3a)もしくは(I-3b)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、請求項1記載の化合物:
    Figure 0007394768000171
    式中
    Z1、Z2、R1、R2、R3、m、およびRaは式(I)に関して規定したとおりである。
  5. 式(I-4a)、(I-4b)、もしくは(I-4c)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、請求項1記載の化合物:
    Figure 0007394768000172
    式中
    Z1、Z2、R1、R2、R3、m、n、およびRaは式(I)に関して規定したとおりである。
  6. 式(I-5a)もしくは(I-5b)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体である、請求項1記載の化合物:
    Figure 0007394768000173
    式中
    Z1、R1、R2、R3、m、およびRaは式(I)に関して規定したとおりである。
  7. Z1がOである、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  8. Z2が結合である、請求項1~5および7のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  9. nが1である、請求項1~3、5、および7~8のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  10. nが2である、請求項1~3、5、および7~8のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  11. mが1である、請求項1~10のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  12. mが2である、請求項1~10のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  13. mが0である、請求項1~10のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  14. 各R1が独立して水素、-OH、-C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、またはC1~C6ジアルキルアミノであり、ここでC1~C6アルキルはハロゲンで置換されてもよい、請求項1~12のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  15. 各R1が独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、オキソ、および-NR1aR1bで置換されたC1~C6アルキルであり、ここでR1aおよびR1bはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである、請求項1~12のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  16. R1が水素である、請求項15記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  17. R2が水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、MeSO2、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、または-NRhRiであり、ここでC1~C6アルキルは1つまたは複数のハロゲンで置換されてもよく、RhおよびRiはそれぞれ独立してC1~C6アルキルである、請求項1~16のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  18. R2が-CNである、請求項17記載の化合物。
  19. R2がClである、請求項17記載の化合物。
  20. R2が-CF3である、請求項17記載の化合物。
  21. R3がC1~C6アルキル、またはアリールもしくはヘテロアリールであり、ここでアリールまたはヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C6アルキルより選択される1つまたは複数の基で置換されてもよい、請求項1~20のいずれか一項記載の化合物。
  22. R3が2-フルオロフェニルである、請求項21記載の化合物。
  23. R3がピロリジニルである、請求項21記載の化合物。
  24. R3が3-フルオロピロリジニルである、請求項21記載の化合物。
  25. R3がプロピルである、請求項21記載の化合物。
  26. R3がチオフェニルである、請求項21記載の化合物。
  27. R3が、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、オキソ、および-NR3aR3bより選択される1つまたは複数の基で置換されたC1~C6アルキルであり、ここでR3aおよびR3bはそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキルである、請求項1~20のいずれか一項記載の化合物。
  28. R3が3-フルオロプロピルまたは3-ヒドロキシプロピルである、請求項27記載の化合物。
  29. R3が-NRhRiであり、RhおよびRiがそれぞれ独立してHまたはC1~C6アルキル、またはC1~C6ハロアルキルである、請求項1~20のいずれか一項記載の化合物。
  30. R3が-N(CH3)CH2CH3、-N(CH3)CH2CH2F、または-N(CH3)CH3である、請求項29記載の化合物。
  31. RaがHである、請求項1~30のいずれか一項記載の化合物。
  32. RaがFである、請求項1~30のいずれか一項記載の化合物。
  33. RbがHである、請求項1~3および7~32のいずれか一項記載の化合物。
  34. RbがFである、請求項1~3および7~32のいずれか一項記載の化合物。
  35. 表1:
    Figure 0007394768000174
    Figure 0007394768000175
    Figure 0007394768000176
    Figure 0007394768000177
    Figure 0007394768000178
    Figure 0007394768000179
    Figure 0007394768000180
    の化合物より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  36. 表2:
    Figure 0007394768000181
    Figure 0007394768000182
    Figure 0007394768000183
    の化合物より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは同位体誘導体。
  37. Figure 0007394768000184
    である、請求項1記載の化合物。
  38. Figure 0007394768000185
    である、請求項1記載の化合物。
  39. Figure 0007394768000186
    である、請求項1記載の化合物。
  40. 請求項1~39のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される希釈剤または担体とを含む、薬学的組成物。
  41. 請求項1~39のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と第2の予防剤または治療剤とを含む、薬学的組成物。
  42. 増殖異常の治療および/または予防における使用のための、請求項40または41記載の薬学的組成物。
  43. 増殖異常ががんまたは腫瘍である、請求項42記載の薬学的組成物。
  44. 増殖異常が、肝臓、腎臓、膀胱、***、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺、肝癌、肉腫、膠芽腫、頭頚部、メラノーマの悪性または良性の腫瘍、皮膚の良性過形成および前立腺の良性過形成からなる群より選択される他の過形成状態、ならびにこれらの障害に起因する脳転移からなる群より選択される、請求項42記載の薬学的組成物。
  45. 薬の製造のための、請求項1~39のいずれか一項記載の化合物の使用。
  46. B-Raf V600Eキナーゼの阻害に感受性がある増殖異常、がん、または腫瘍を有する対象において抗増殖効果をもたらすための、請求項40または41記載の薬学的組成物。
  47. 神経変性疾患の治療における使用のための、請求項40または41記載の薬学的組成物。
  48. 神経変性疾患が筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病からなる群より選択される、請求項47記載の薬学的組成物。
  49. 細胞におけるB-Raf V600Eキナーゼの活性を阻害するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    細胞を、有効量の請求項1~39のいずれか一項記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または請求項40もしくは41記載の薬学的組成物とインビトロ、またはエクスビボで接触させる工程。
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