JP7385458B2 - 茶飲料 - Google Patents

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本発明は、茶飲料に関する。
茶葉や穀物等の原料からの抽出物を含む飲料(以下、「茶飲料」という。)は、その香ばしさや止渇性等により、消費者に幅広く受け入れられている飲料のひとつである。茶飲料が水分補給目的で飲用される場合には、特に、すっきりとした味わいが求められる。しかしながら、すっきりとした味わいにしようとすると、味がうすく、物足りない香味となってしまうという問題がある。
このような問題に対して、例えば特許文献1には、穀物茶飲料において、濃厚感、味の厚み、ボディ感などのいわゆるコク味を増強させることができる、呈味改善剤を製造する方法が提案されている。
しかし、特許文献1に記載された方法では、呈味改善剤を別途調製し、茶飲料に含有させる必要があるという問題がある。したがって、より簡便に作製できる、嗜好性に優れた茶飲料が望まれる。
特開2013-252113号公報
本発明はこのような実情に鑑みて提案されたものであり、後切れのよさが良好ですっきりとした味わいでありつつ、香りのよさや味の厚みが増強された茶飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、茶飲料において、所定の濃度のジメチルトリスルフィドと、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとを含有させ、そのジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比を特定の範囲とすることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
<1> ジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを含み、
上記ジメチルトリスルフィドの含有量が1~4ppbであり、
上記ジメチルトリスルフィドと上記2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比が1:0.6~8である、
茶飲料。
<2> 上記ジメチルトリスルフィドの含有量が1.2~3ppbである、<1>に記載の茶飲料。
<3> 上記ジメチルトリスルフィドと上記2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比が1:2~4である、<1>又は<2>に記載の茶飲料。
<4> 穀物の抽出物を含有する、<1>~<3>のいずれか一つに記載の茶飲料。
<5> 大麦及びハトムギの抽出物を含有する、<1>~<4>のいずれか一つに記載の茶飲料。
本発明によれば、後切れのよさが良好ですっきりとした味わいでありつつ、香りのよさや味の厚みが増強された茶飲料を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において「X~Y(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.茶飲料≫
茶飲料は、ジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを含み、茶飲料中のジメチルトリスルフィドの含有量は1~4ppbであり、ジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比は1:0.6~8である。このような茶飲料であることにより、後切れのよさが良好ですっきりとした味わいでありつつ、香りのよさや味の厚みが増強された茶飲料となる。
茶飲料は、茶葉や穀物等の植物由来の抽出物(以下、単に「抽出物」ということもある。)を含む。なお、ここで、抽出物とは、茶葉や穀物等の植物を溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液又は濃縮液、あるいはそれらの乾燥物及びその粉末を意味する。
また、茶飲料は、ある1種の植物を抽出して得られる抽出物を含む液体だけでなく、その抽出物に他の植物の抽出物を混合して得られる液体、あるいはこれらの液体に添加物を加えて得られる液体、又はこれらの液体を乾燥したものを分散させてなる液体等を含む。
抽出物の由来となる植物の品種、産地、摘採時期、摘採方法、栽培方法は限定されない。植物の種類も特に限定されず、例えば、ハトムギ、大麦、玄米、ハブ茶、黒豆、トウモロコシ、大豆、小豆、芋、びわの葉、チャの葉、昆布、熊笹、ごま、柿の葉、アマチャヅル、桑の葉、霊芝、クコ、みかんの皮、杜仲葉、シソの葉、ドクダミ、オオバコ、ギムネマ、ルイボス、ラフマ、タンポポ、ペパーミント、モロヘイヤ、イチョウ、松葉、蓮、オリーブ、大麦若葉、仙草、明日葉、よもぎ、月見草等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの内、本発明の効果が奏されやすいという観点から、茶飲料は、穀物の抽出物を含有することが好ましく、大麦及びハトムギの抽出物を含有することがより好ましく、大麦及びハトムギと更に1種以上の植物の抽出物を含有することが更に好ましい。これらの植物の抽出物を含有する茶飲料は、詳しくは後述する香気成分を特定の割合で含有させることによる効果に特に優れる。
このような抽出物は、植物から抽出液等の抽出物を得るために通常行われる抽出処理によって得られる。例えば、原料穀物としてハトムギを用いる場合、ハトムギに対して抽出溶媒を用いて抽出処理を行うことで、ハトムギに含まれる諸成分を含む抽出液を回収できる。なお、その原料穀物は、焙煎や粉砕等の処理が施されていても、施されていなくてもよい。
[香気成分について]
茶飲料に含まれるジメチルトリスルフィド及び2-エチル-3,5-ジメチルピラジンは、それぞれスルフィド類及びピラジン類に属する化合物であり香気成分である。
これらの香気成分は、特に限定されないが、その化合物の市販品を用いて配合することができる。また、ジメチルトリスルフィド及び2-エチル-3,5-ジメチルピラジンは、大麦やその他の穀物成分に微量に含まれていることが知られており、そのような成分の抽出液やその抽出液から単離したものを用いて配合することもできる。
(ジメチルトリスルフィドの含有量)
茶飲料中のジメチルトリスルフィドの含有量は、1~4ppbの範囲である。
ジメチルトリスルフィドの含有量に関して、1ppb以上であることにより、茶飲料の後切れのよさを良好としつつ、香りのよさや味の厚みを増強することができる。また、ジメチルトリスルフィドの含有量は、1.2ppb以上であることが好ましい。
一方で、ジメチルトリスルフィドの含有量が多いと、当該成分に由来する「つけもの臭の強さ」が増強されてしまうが、ジメチルトリスルフィドの含有量を4ppb以下とすることにより、それを効果的に抑制することができる。また、ジメチルトリスルフィドの含有量が多いと、「後切れのよさ」が不良となるが、ジメチルトリスルフィドの含有量を4ppb以下とすることにより、それを抑制することができる。また、ジメチルトリスルフィドの含有量は、3ppb以下であることが好ましく、2.5ppb以下であることがより好ましい。
茶飲料中のジメチルトリスルフィドの含有量は、茶飲料中のその化合物の配合量により調整できる。また、例えば穀物成分の抽出物が含まれる茶飲料等では、その穀物成分の抽出物に含まれるジメチルトリスルフィドの含有量を含めて調整する。
なお、茶飲料中のジメチルトリスルフィドの含有量は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて測定することができる。各原料中における濃度が把握できている場合には計算することもできる。
(ジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比)
茶飲料中のジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比(以下、単に「両香気成分の質量比」ともいう。)は、1:0.6~8の範囲である。
両香気成分の質量比に関して、1:0.6~8の範囲であることにより、茶飲料の後切れのよさを良好としつつ、香りのよさや味の厚みを増強することができる。また、両香気成分の質量比は、1:0.8~5であることが好ましく、1:1~5であることがより好ましく、1:2~4であることが更に好ましい。
(2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量)
茶飲料中の2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量は、上述した「ジメチルトリスルフィドの含有量」及び「両香気成分の質量比」との関係で、0.6~32ppbの範囲となる。
但し、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量が多いと、当該成分に由来する「カカオのような香りの強さ」が増強されてしまうが、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量を、ジメチルトリスルフィドとの質量比との関係で32ppb以下とすることにより、それを抑制することができる。また、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量は、20ppb以下であることが好ましく、15ppb以下であることがより好ましい。
茶飲料中の2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量は、茶飲料中のその化合物の配合量により調整できる。また、例えば穀物成分の抽出物が含まれる茶飲料等では、その穀物成分の抽出物に含まれる2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量を含めて調整する。
なお、茶飲料中の2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて測定することができる。各原料中における濃度が把握できている場合には計算することもできる。
[その他の成分]
茶飲料においては、その効果を阻害しない範囲で、一般的な茶飲料に通常用いられる他の原料や添加剤を適宜配合できる。なお、配合量は目的とする効果に応じて適宜調整できる。具体的には、例えば、酸化防止剤、pH調整剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
[容器]
茶飲料においては、容器に充填することで容器詰茶飲料とすることができる。容器としては、飲料業界で公知の密封容器であればよく、適宜選択して用いることができ、流通形態や消費者ニーズに応じて適宜決定できる。その具体例としては、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、紙、アルミ、スチール等の単体、又はこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。特に、透明(半透明も含む)容器が好ましい。透明容器は全体が透明であっても、一部が透明であってもよい。
≪2.茶飲料の製造方法≫
茶飲料は、茶飲料の製造において採用される任意の条件や方法を用いて製造できる。例えば、茶飲料は、抽出物を含む液体に、ジメチルトリスルフィド及び2-エチル-3,5-ジメチルピラジンをそれぞれ所定の含有量及び含有比率となるように添加することで、製造することができる。より具体的には、ジメチルトリスルフィドの含有量が1~4ppbとなり、かつ、ジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比が1:0.6~8となるように、添加する。
ジメチルトリスルフィド及び2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを添加する方法は、常法に従えばよく、例えば、準備されたそれぞれ所定量の成分を含有する抽出液等を順次又は同時に添加する方法が挙げられる。そして、各成分を添加したのち、撹拌等により混合することで製造できる。各成分の混合順序等については、特に限定されない。また、複数の植物を予め混合して抽出処理を行って抽出液を得た後に、得られた抽出液にジメチルトリスルフィド及び2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを所定濃度となるように添加する方法も挙げられる。
また、抽出液を作製した時点等において、ジメチルトリスルフィド及び2-エチル-3,5-ジメチルピラジンが、所定の含有量や含有比率を上回っている場合は、適宜希釈等をして調整することで、茶飲料を製造することもできる。
製造された茶飲料は、容器に充填して容器詰茶飲料とすることができ、容器に充填する前又は後に、適宜殺菌処理してもよい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
(抽出液の調製)
焙煎したハトムギ、大麦、ハブ茶を、ハトムギが2.0g/L、大麦が1.0g/L、ハブ茶が1.0g/Lとなるように混合し、カラム型抽出器を用いて、90℃、20倍容の純水で抽出した。次に、2号ろ紙でろ過後、冷却して抽出液を得た。得られた抽出液に、L-アスコルビン酸ナトリウムを0.4g/L、炭酸水素ナトリウム(重曹)を0.1g/Lとなるように添加し、調合液を得た。得られた調合液をUHT殺菌(140℃、30秒間)した後、無菌的にボトル充填し、殺菌抽出液を得た。得られた殺菌抽出液に含まれるジメチルトリスルフィドの濃度は0.7ppbであり、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの濃度は、0.9ppbであった。
(試験品の茶飲料の作製)
調製した殺菌抽出液に、ジメチルトリスルフィド及び2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを添加して、試験サンプルである茶飲料を作製した。
なお、茶飲料中におけるジメチルトリスルフィドの含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて測定した。具体的には、分析対象である飲料100μLをバイアル瓶(容量10mL)に入れ、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法によりGC-MS(アジレント社製)に導入した。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてイソプロピルスルフィドを用いた。
<GC-MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0mL/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:ジメチルトリスルフィド 126>79(20V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
また、茶飲料中における2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて測定した。具体的には、分析対象である飲料100μLをバイアル瓶(容量10mL)に入れ、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法によりGC-MS(アジレント社製)に導入した。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
<GC-MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0mL/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:2-エチル-3,5-ジメチルピラジン 135>135(5V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
(官能評価)
作製した茶飲料について、専門パネル6名にて官能評価を行った。官能評価は、具体的には、ジメチルトリスルフィド及び2-エチル-3,5-ジメチルピラジン未添加品を基準品として、「トップの香りのよさ」、「おかきのような軽い香ばしい香りの強さ(以下、「トップの香りの強さ」ともいう。)」、「味の厚み」、「後切れのよさ」、「カカオのような香りの強さ」、「つけもの臭の強さ」について比較評価することで行った。各評価点数は、下記の採点基準に従って各パネルがつけた評価点数の平均値として算出した。
「トップの香りのよさ」、「おかきのような軽い香ばしい香りの強さ(トップの香りの強さ)」、「味の厚み」、「後切れのよさ」については、下記の評価基準を用いて、7段階で評価した。
7点:基準品よりも非常に強い・良い
6点:基準品よりも強い・良い
5点:基準品よりもやや強い・良い
4点:基準品と同等
3点:基準品よりもやや弱い・悪い
2点:基準品よりも弱い・悪い
1点:基準品よりも非常に弱い・悪い
「カカオのような香りの強さ」、「つけもの臭の強さ」については、下記の評価基準を用いて、4段階で評価した。
4点:基準品より強い、許容できない
3点:基準品よりある、許容できない
2点:基準品よりわずかにあるが、許容範囲
1点:基準品と同等
かかる評価において、「トップの香りのよさ」、「おかきのような軽い香ばしい香りの強さ(トップの香りの強さ)」、「味の厚み」、「後切れのよさ」は、基準品の点数を基準値(4点)として評価した。また、「カカオのような香りの強さ」、「つけもの臭の強さ」は、基準品の点数を基準値(1点)として評価した。
(結果)
下記表1及び表2に茶飲料中のジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量、質量比、及び官能評価結果を示す。なお、表中の「質量比」の欄の数値は、ジメチルトリスルフィドを1としたときの2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの質量比の数値である。
Figure 0007385458000001
Figure 0007385458000002
表1及び表2に示されるとおり、いずれの実施例においても、基準品に比べて「トップの香りのよさ」、「トップの香りの強さ」、「味の厚み」、「後切れのよさ」のいずれもが増強された。また、ジメチルトリスルフィド添加による「つけもの臭の強さ」や2-エチル-3,5-ジメチルピラジン添加による「カカオのような香りの強さ」もほとんど発生しなかった。
また、実施例3及び実施例6は、「トップの香りのよさ」、「トップの香りの強さ」、「味の厚み」、「後切れのよさ」が特に良好であった。このことより、茶飲料中のジメチルトリスルフィドの含有量を1.2~3ppbの範囲とし、両香気成分の質量比を1:2~4の範囲とすると、特に高い効果が得られることがわかった。
他方で、ジメチルトリスルフィドの含有量が0.8ppbと所定の量より少ない比較例1、同含有量が5ppbと所定の量より多い比較例5、ジメチルトリスルフィドに対する2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有比率が高く、両香気成分の質量比が1:10である比較例2及び比較例4では、「後切れのよさ」が基準品と同等か又は劣っていた。
また、ジメチルトリスルフィドに対する2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有比率が低く、両香気成分の質量比が1:0.4である比較例3では、「トップの香りのよさ」や「トップの香りの強さ」の向上がみられず、「後切れのよさ」も基準品より劣っていた。
また、ジメチルトリスルフィドの含有量が50ppb、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量が150ppbと、両香気成分の含有量が非常に多い比較例6では、「トップの香りのよさ」、「後切れのよさ」のいずれもが基準品より大きく劣っており、加えて「カカオのような香りの強さ」や「つけもの臭の強さ」が非常に強く、茶飲料として許容できないレベルであった。

Claims (5)

  1. ジメチルトリスルフィドと2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを含み、
    前記ジメチルトリスルフィドの含有量が1~4ppbであり、
    前記ジメチルトリスルフィドと前記2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比が1:0.6~8である、
    茶飲料。
  2. 前記ジメチルトリスルフィドの含有量が1.2~3ppbである、請求項1に記載の茶飲料。
  3. 前記ジメチルトリスルフィドと前記2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとの質量比が1:2~4である、請求項1又は2に記載の茶飲料。
  4. 穀物の抽出物を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の茶飲料。
  5. 大麦及びハトムギの抽出物を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の茶飲料。
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