JP6989679B1 - 飲料 - Google Patents
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Abstract
Description
飲料は、0.02〜1ppbの含有量の2−イソブチル−3−メトキシピラジンを含有する飲料であり、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを0.1〜1000ppbの含有量で含有する。このような飲料であることにより、濃い味わいを維持しつつも、土っぽさ等の違和感が低減された飲料となる。
飲料には2−イソブチル−3−メトキシピラジンが含まれる。飲料中の2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量は0.02〜1ppbの範囲である。飲料の濃い味わいを達成する観点から、2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量は0.03ppb以上であってもよく、0.04ppb以上であってもよく、0.05ppb以上であってもよい。
飲料には2−エチル−3,5−ジメチルピラジンが含まれる。2−エチル−3,5−ジメチルピラジンとしては、特に限定されないが、化合物の市販品を用いて配合したり、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンが含まれる天然物やその抽出物等を配合することができる。
飲料中のカフェインの含有量は、特に限定されないが、カフェインによる苦味が土っぽさ等の違和感を増強させることがある。したがって、カフェインによる苦味を低減させる観点から、飲料中のカフェインの含有量は10ppm以下であることが好ましく、7ppm以下であることがより好ましく、5ppm以下であることが更に好ましい。
飲料においては、その効果を阻害しない範囲で、一般的な飲料に通常用いられる他の原料や添加剤を適宜配合できる。なお、配合量は目的とする効果に応じて適宜調整できる。具体的には、例えば、酸化防止剤、pH調整剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
飲料においては、容器に充填することで容器詰飲料とすることができる。容器としては、飲料業界で公知の密封容器であればよく、適宜選択して用いることができ、流通形態や消費者ニーズに応じて適宜決定できる。その具体例としては、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、紙、アルミ、スチール等の単体、又はこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。特に、透明(半透明も含む)容器が好ましい。透明容器は全体が透明であっても、一部が透明であってもよい。
飲料は、飲料の製造において採用される任意の条件や方法を用いて製造できる。例えば、2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量が0.02〜1ppbである飲料に、含有量が0.1〜1000ppbとなるように2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを添加し、更にその他必要に応じて加えられる成分を添加するなどして飲料を調製する。
上記のとおり、本発明によれば、2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量が0.02〜1ppbである飲料に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンをその含有量が0.1〜1000ppbとなるように添加することで、飲料の土っぽさ等の違和感が低減され、風味を改善させることができる。
飲料の風味を改善させる風味改善剤は、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを含むものである。この風味改善剤は、2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量が0.02〜1ppbである飲料における2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が0.1〜1000ppbとなるように添加して用いられる。
(基準品及び試験サンプルの作製)
純水に2−イソブチル−3−メトキシピラジンを0.2ppbの濃度となるように添加し、基準品1を得た。次に、調製した基準品1に2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを0.1〜1000ppbの各濃度となるように添加し、試験サンプルを作製した。
基準品1及び試験サンプル中における2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)を用いて下記の条件にて測定した。具体的には、超純水で10倍希釈した分析対象の抽出液10mL、塩化ナトリウム3.5gをバイアル瓶(容量20mL)に入れてセプタム付きキャップにて密栓し、SPME法によりGC−MS(アジレント・テクノロジー社製)に導入した。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:6890A(G1530A)GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:5973N MSD(アジレント・テクノロジー社製)
全自動揮発性成分抽出導入装置:Multipurpose sampler MPS2(ゲステル社製)
・SPMEファイバー:DVB/CAR/PDMS(スペルコ社製)
・前処理条件:Incubation 50℃,10min
Extraction 50℃,30min
Desorption 5min
・カラム:DB−WAX、30m×0.25mm 0.25μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法:スプリットレス
・注入口温度:240℃
・キャリアガス:He(1.0mL/分)
・昇温プログラム:40℃(2分間保持)→8℃/分→240℃(10分間保持)
・MSトランスファーライン:240℃
・イオン化方法:EI
・イオン源温度:230℃
・四重極温度:150℃
・定量イオン(2−イソブチル−3−メトキシピラジン):124
・定量イオン(シクロヘキサノール):57
基準品1及び試験サンプル中における2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量は、ガスクロマトグラフタンデム質量分析計(GC−MS/MS)を用いて下記の条件にて測定した。具体的には、分析対象である飲料100μLをバイアル瓶(容量10mL)に入れ、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法によりGC−MS/MS(アジレント・テクノロジー社製)に導入した。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
<GC−MS/MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
全自動揮発性成分抽出導入装置:MPS Robotic Pro/DHS/TDU2/CIS4(ゲステル社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TATM、Carbopack−B/Carbopack−X
・カラム:DB−WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法:スプリットレス
・キャリアガス:He(1.0mL/分)
・トランスファーライン:250℃
・昇温プログラム:40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:2−エチル−3,5−ジメチルピラジン 135>135(5V)
:シクロヘキサノール 82>72(5V)
・イオン化方法:EI
・四重極温度:150℃
・イオン源温度:230℃
作製した基準品1及び試験サンプルについて、専門パネル6名にて官能評価を行った。官能評価は、具体的には、基準品1に対して、「後味の良さ」、「すっきり感」、「土っぽさ」について比較評価することで行った。各評価点数は、下記の評価基準に従って各パネルがつけた評価点数の平均値として算出した。なお、「後味の良さ」は「後味が良いか否か」を、「すっきり感」は「すっきりした香味か」を、「土っぽさ」は「飲みやすさを低減する土のような香味が感じられるか」をそれぞれ評価した。
7点:かなり良い
6点:良い
5点:やや良い
4点:基準品と同等
3点:やや悪い
2点:悪い
1点:かなり悪い
7点:かなり強い
6点:強い
5点:やや強い
4点:基準品と同等
3点:やや弱い
2点:弱い
1点:かなり弱い
(抽出液の作製)
ゴボウを焙煎して、ゴボウの抽出液を作製した。なお、焙煎したゴボウのL*値(焙煎度)は67.7であった。上記L*値は、室温にした焙煎ゴボウを、ミルサー IFM−300(岩谷産業社製)を用いて20秒間粉砕した後に、粉砕後の試料を分光色差計 SE7700(日本電色工業社製)を用いて反射法にて測定して得られた値である。
上記で得られた抽出液を、2−イソブチル−3−メトキシピラジン濃度が0.0125ppbとなるように希釈して、基準品2を作製した。なお、基準品2の2−エチル−3,5−ジメチルピラジン濃度は0.265ppbであった。得られた基準品2に、2−イソブチル−3−メトキシピラジンを0.02ppbの濃度となるように添加して比較例2−1を、0.2ppbの濃度となるように添加して比較例2−2を作製した。更に、比較例2−1に2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを10ppbの濃度となるように添加して実施例2−1を、比較例2−2に2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを10ppbの濃度となるように添加して実施例2−2を作製した。
作製した基準品2及び試験サンプルについて、専門パネル6名にて官能評価を行った。官能評価は、具体的には、基準品2に対して、「後味の良さ」、「すっきり感」、「土っぽさ」、「ゴボウ茶らしさ」について比較評価することで行った。「後味の良さ」、「すっきり感」、「土っぽさ」の各評価点数は、試験1と同様の評価基準に従い、「ゴボウ茶らしさ」の評価点数は、下記の評価基準に従って、各パネルがつけた評価点数の平均値として算出した。なお、「ゴボウ茶らしさ」は「濃い味わいが感じられるか」を評価した。
7点:かなり強い
6点:強い
5点:やや強い
4点:基準品と同等
3点:やや弱い
2点:弱い
1点:かなり弱い
Claims (8)
- 0.02〜1ppbの含有量の2−イソブチル−3−メトキシピラジンを含有する飲料であり、
2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを0.1〜1000ppbの含有量で含有する、
飲料。 - 前記2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が1〜100ppbである、請求項1に記載の飲料。
- カフェインの含有量が10ppm以下である、請求項1又は2に記載の飲料。
- 前記飲料が茶飲料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料。
- 焙煎したゴボウの抽出液、焙煎したタンポポの根の抽出液のうち、少なくとも一つを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料。
- 飲料の製造方法であって、
2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量が0.02〜1ppbである飲料に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンをその含有量が0.1〜1000ppbとなるように添加することを含む、
飲料の製造方法。 - 飲料の風味を改善させる方法であって、
2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量が0.02〜1ppbである飲料に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンをその含有量が0.1〜1000ppbとなるように添加する、
風味改善方法。 - 飲料の風味を改善させる風味改善剤であって、
2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを含み、
2−イソブチル−3−メトキシピラジンの含有量が0.02〜1ppbである飲料中に、前記2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が0.1〜1000ppbとなるように添加して用いられる、
風味改善剤。
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