JP7377532B2 - タイヤ劣化状況計測器 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの溝部の残量の計測、並びに、タイヤの溝部内及びタイヤの側面におけるひび割れの発生分布を解析すべく画像を撮像することができるタイヤ劣化状況計測器及びその保持用治具及びこれらからなるタイヤ劣化状況計測装置に関する。
一般に、自動車等の車輪を有する設備の走行時の安全性を確保するには、定期的にタイヤの劣化状況を確認する必要がある。
このような事情に鑑み、タイヤのトレッドに形成されている溝部の残量(深さ)を短時間で正確に計測するための設置タイプやハンディータイプの溝部残量計測器がいくつか知られている。
例えば、特許文献1には「タイヤ溝検出装置」という名称で、例えば自動車、オートバイ、自転車などにおけるタイヤの溝深さ(磨耗度)を測定検出するようなタイヤ溝検出装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示されるタイヤ溝検出装置は、タイヤの溝深さを検出するセンサ部と、このセンサ部で検出したタイヤの溝深さを出力する出力部とを備えたタイヤ溝検出装置であって、少なくとも上記センサ部を可動式台車に配設したことを特徴とするものである。
上記構成の特許文献1に開示される発明によれば、上述のセンサ部はタイヤの溝深さを検出し、上述の出力部は上記センサ部で検出したタイヤの溝深さを出力する。そして、少なくとも上述のセンサ部が可動式台車に配設されているので、このセンサ部によりタイヤの接地部以外の非変形箇所を正確に検出することができる。しかも、特許文献1に開示される発明によれば、被検出タイヤを有する車両等を任意の箇所に停車させても、センサ部を備えた可動式台車の移動で、タイヤ位置とセンサ位置とを容易に位置決め操作することができる。この結果、特許文献1に開示される発明によれば、タイヤ溝検出装置の操作性の大幅な向上を図ることができる。
特許文献2には「タイヤ溝残量測定装置及びタイヤ溝残量測定システム」という名称で、タイヤの溝残量を測定するタイヤ溝残量測定装置及びタイヤ溝残量測定システムに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示されるタイヤ溝残量測定装置は、タイヤのトレッドに形成された溝の深さをトレッドに接触することなく測定するレーザー変位センサーと、このレーザー変位センサーをタイヤ幅方向にスライドさせる電動スライダーと、レーザー変位センサーによって測定された溝の深さを示す測定データを出力する出力部と、レーザー変位センサー及び電動スライダーを収容する収容部とを備えてなるものである。
上記構成の特許文献2に開示される発明によれば、容易かつ正確にタイヤの溝残量を定期的に測定することができる。
特許文献3には「タイヤトレッドの磨耗測定用のハンドヘルド式プローブ」という名称で、タイヤトレッドの磨耗を測定する装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示されるハンドヘルド式のプローブは、ハウジングであってその主軸に平行に形成したスリットを有するハウジングと、レーザーからウィンドウを介してタイヤ表面に光を向ける間、ハウジングのチューブの長さの大部分を横切ることができるようにハウジング内に取り付けたレンジファインダと、ユーザーがプローブをタイヤに対して所定の場所に保持できるようにチューブの近端により支持されたブラケットと、コンピュータとの接続のためのシリアルポートと、作動用のバッテリとIRまたはRF送信機とを収容するハンドルとを備えてなるものである。
上記構成の特許文献3に開示される発明によれば、使用時の操作が容易な装置を提供することができる。より具体的には、特許文献3に開示される発明によれば、ブラケットと弓形のハウジングによって、容易に、装置が安定するようにタイヤに対して位置決めすることができる。さらに、特許文献3に開示される発明によれば、コンピュータへのデータ伝送をサポートするコンピュータポートによって、どのようなコンピュータを経由しても測定結果がユーザーに迅速に利用可能となるという利点も有する。
特開平9-49719号公報 特開2019-86293号公報 特表2002-535613号公報
一般に、タイヤが使用されることなく長期間保管又は放置された場合、タイヤの溝部の残量(深さ)が十分であっても、ゴムの劣化が過度に進行している場合がある。このような場合も、そのタイヤは走行には適さない。
また、このようなタイヤのゴムの劣化状況は、タイヤの溝部内や側面におけるひび割れの有無を確認することで容易に判断することができる。
これに対して、特許文献1乃至特許文献3に開示される発明の場合は、タイヤの溝部の残量(深さ)を計測することができるものの、タイヤのゴムの劣化状況については検査することが出来なかった。
また、タイヤの劣化状況の確認を行う場面としては、機器や設備の車輪にタイヤが装着されている場合と、車輪からタイヤが取り外されている場合とが想定される。
これに対して、特許文献1乃至特許文献3に開示される発明の場合はいずれも、車輪にタイヤが装着された状態でタイヤの劣化状況を検査するのに特に適した形態となっている。
このため、特許文献1乃至特許文献3に開示される発明の場合は、工場等において車輪から取り外された状態のタイヤの劣化状態を人手によらず全自動で計測する設備として利用することが困難であった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、構造がシンプルで、かつタイヤのトレッドに形成されている溝部の残量(深さ)の計測時に併せて、タイヤの溝部内及びタイヤの側面におけるひび割れの発生分布を解析すべく画像を撮像することができるタイヤ劣化状況計測器を提供することにある。
さらに、本発明は上記目的に加えて、ハンディータイプとして、あるいは常設する設備の一部としても使用することができるタイヤ劣化状況計測器及びその保持用治具及びこれらからなるタイヤ劣化状況計測装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の発明であるタイヤ劣化状況計測器は、タイヤの劣化状況を計測するための器具であって、タイヤの接地面に接触又は近接して配される窓部を計測面に備えている筐体と、この筐体内において窓部と相対する位置に設けられ、タイヤの溝部を横断する方向にスライドする測距センサと、筐体内において窓部と相対する位置に設けられ、タイヤの溝部を横断する方向にスライドする照明用の光源と、筐体内において窓部と相対する位置に設けられ、タイヤの溝部を横断する方向にスライドする撮像装置と、測距センサ、光源及び撮像装置をスライドさせるスライド機構と、を備え、撮像装置および光源は、タイヤの接地面の縁端部を超えてタイヤから離れた位置にスライドすることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、筐体は、その内部に測距センサ、光源、撮像装置及びこれらのスライド機構を収容するという作用を有する。また、測距センサは、タイヤの溝部を横断する方向にスライドする際に、溝部を含むタイヤの接地面までの距離を連続的に計測するという作用を有する。この場合、タイヤの溝部の底までの距離と、タイヤの接地面までの距離の差分から、タイヤの溝部の深さ(いわゆる残溝深さ)の計測値が得られる。また、光源は、撮像装置の撮像対象を明るく照らすという作用を有する。さらに、撮像装置は、光源からの光が照射されたタイヤの溝部内及びタイヤの側面を撮像するという作用を有する。加えて、スライド機構は、測距センサ、光源及び撮像装置を、タイヤの溝部を横断する方向にスライドさせるという作用を有する。
したがって、第1の発明によれば、タイヤの溝部の深さの計測時に併せて、タイヤの溝部内及びタイヤの側面におけるひび割れの発生分布を解析すべく画像を撮像することができる。
なお、第1の発明において、撮像装置により撮像された画像に基づいてタイヤの溝部内及びタイヤの側面におけるひび割れの発生分布を解析する具体的な手法と、測距センサを用いて得られる残溝深さも用いてタイヤの劣化を評価する手法については、例えば、本願出願人による特許第6283534号公報あるいは特許第6381094号公報に開示されるような方法で可能である。
第2の発明であるタイヤ劣化状況計測器は、上述の第1の発明において、測距センサ、光源及び撮像装置を載置するとともに、タイヤの溝部を横断する方向にスライドするテーブルを備え、スライド機構は、テーブルをスライドさせることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用に加えて、テーブルは、測距センサ、光源及び撮像装置をひとまとめにして載置するという作用を有する。また、スライド機構によりテーブルをスライドさせることで、測距センサ、光源及び撮像装置のスライド機構の構造を簡素化するという作用を有する。
第3の発明であるタイヤ劣化状況計測器は、上述の第1又は第2の発明において、筐体は、計測面と平行な背面と、計測面に対する角度θが35°~57°の範囲内である2つの設置面と、を備え、計測面から背面までの距離は、筐体の測距センサ又は光源又は撮像装置のスライド方向に対する垂直断面における計測面の長さを1とする場合に0.6以下であることを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による作用と同じ作用に加えて、筐体において計測面から背面までの距離を、筐体の測距センサ又は光源又は撮像装置のスライド方向に対する垂直断面における計測面の長さを1とする場合に0.6以下になるように設定しておくことで、筐体の外形を扁平状にするという作用を有する。これにより、第3の発明であるタイヤ劣化状況計測器をハンディータイプの計測器として使用する場合に、タイヤとそのカバーの隙間又はタイヤとその駆動機構の隙間に、第3の発明であるタイヤ劣化状況計測器を挿脱し易くするという作用を有する。
また、計測面に対する設置面の角度θを35°~57°の範囲内とし、かつこの設置面を載置面(例えば、地表面)に接触させて用いることで、直径サイズが400~1000mmの範囲内であるタイヤの接地面における溝部の深さを計測する際の計測誤差を小さくするという作用を有する。
より具体的には、第3の発明であるタイヤ劣化状況計測器をタイヤの接地面と地表面との間に設置した状態でこれらをタイヤの回転軸方向から見た際に、測距センサから発信されるレーザの進路がタイヤの中心を通過する場合に、測距センサによるタイヤの接地面における溝部の深さの計測誤差が理論上ほぼなくなる。
従って、タイヤの直径サイズが比較的大きい例えば1000mmである場合は、計測面に対する設置面の角度θが35°に近づくにつれて、測距センサから発信されるレーザの進路からタイヤの中心までの距離がゼロに近づき、これにより測距センサによるタイヤの溝部の深さの計測誤差がゼロに近づく。
また、タイヤの直径サイズが比較的小さい例えば400mmである場合は、計測面に対する設置面の角度が57°に近づくにつれて、上記と同じ理由により、測距センサによるタイヤの溝部の深さの計測誤差がゼロに近づく。
よって、第3の発明によれば、計測面に対する設置面の角度θが35°に近づくほど、直径が大きいタイヤ(直径サイズが1000mmに近いタイヤ)の溝部の深さを計測するのに適したタイヤ劣化状況計測器になる。また、第3の発明によれば、計測面に対する設置面の角度θが57°に近づくほど、直径が小さいタイヤ(直径サイズが400mmに近いタイヤ)の溝部の深さを計測するのに適したタイヤ劣化状況計測器になる。
第4の発明であるタイヤ劣化状況計測器は、上述の第3の発明において、2つの設置面は、角度θがθである第1の設置面と、角度θがθである第2の設置面であり角度θと角度θは、35°≦θ<θ≦57°であることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、上述の第3の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第1の設置面は、この第1の設置面を載置面(例えば、地表面)に接触させて用いる際に、タイヤの直径が400~1000mmの範囲内である所望のタイヤサイズ(以下、このタイヤサイズを「第1のタイヤサイズ」いう。)である場合の測距センサによる計測誤差を最小にするという作用を有する。また、第2の設置面は、この第2の設置面を載置面(例えば、地表面)に接触させて用いる際に、タイヤの直径が400~1000mmの範囲内であり、かつ上記「第1のタイヤサイズ」とは異なる「第2のタイヤサイズ」である場合の測距センサによる計測誤差を最小にするという作用を有する。
よって、第4の発明によれば、2種類の異なる直径サイズ(第1のタイヤサイズ及び第2のタイヤサイズ)のタイヤの接地面における溝部の深さの計測に特に適したタイヤ劣化状況計測器を提供するという作用を有する。
第5の発明であるタイヤ劣化状況計測器は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明において、筐体は、測距センサ又は撮像装置又は光源のスライド方向に対する垂直断面が、略
外1
Figure 0007377532000001
形状(上記図形と略同様の形状、すなわち長方形における一の長辺側の2つの角部を切除してなる六角形状)をなしており、この垂直断面において、計測面が最も長い辺であることを特徴とするものである。
上記構成の第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。また、第5の発明において筐体の垂直断面形状が上述のように特定されていることで、この第5の発明をハンディータイプの計測器として用いる際に、計測面以外の面を使用者の手のひらにフィットさせるという作用を有する。これにより、第5の発明を手で把持して使用する際の操作性を向上させるという作用を有する。
第6の発明であるタイヤ劣化状況計測器は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明であって、筐体において、測距センサ又は光源又は撮像装置のスライド方向における端面の少なくとも一方は接続部を備え、この接続部は、タイヤ劣化状況計測器を所望に保持しておくための保持用治具に接続されることを特徴とするものである。
上記構成の第6の発明は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。また、第6の発明において接続部は、タイヤ劣化状況計測器と保持用治具とを接続させるという作用を有する。また、第6の発明において接続部が筐体において、測距センサ又は光源又は撮像装置のスライド方向における端面の少なくとも一方に設けられていることで、保持用治具にタイヤ劣化状況計測器を接続した場合でも、タイヤ劣化状況計測器の外形を扁平状に維持するという作用を有する。
この場合、タイヤとそのカバーの隙間、又はタイヤとその駆動機構の隙間にタイヤ劣化状況計測器を挿入して使用する際に、保持用治具に接続されたタイヤ劣化状況計測器の挿脱を容易にするという作用を有する。
第7の発明である保持用治具は、第1乃至第6のそれぞれのタイヤ劣化状況計測器を所望に保持しておくための保持用治具であって、載置面上に立設される支柱と、この支柱に枢設されて、支柱の軸方向に対する角度を所望に変更可能な支持アームと、を備え、支持アームは、タイヤ劣化状況計測器の窓部をタイヤの接地面に接触又は近接させて保持可能な固定具を備えることを特徴とするものである。
上記構成の第7の発明において、支持アームは、タイヤ劣化状況計測器における窓部をタイヤの接地面に接触又は近接させた状態でタイヤ劣化状況計測器を保持するという作用を有する。また、支柱は、載置面上に立設されて、その軸方向に対する角度を所望に変更可能にしながら支持アームを支持するという作用を有する。さらに、固定具は、支持アームにタイヤ劣化状況計測器を、その窓部をタイヤの接地面に接触又は近接させた状態で固定するという作用を有する。
第8の発明である保持用治具は、上述の第7の発明であって、支柱に対して支持アームのなす角度を変更可能に固定する枢軸を備え、支持アームは、枢軸を挿通させるための長孔を備え、かつこの長孔の長手方向に支持アームをスライド可能であることを特徴とするものである。
上記構成の第8の発明は、上述の第7の発明による作用と同じ作用を有する。また、第8の発明では、支持アームが長孔を備え、この長孔に枢軸を挿通して支柱に支持アームを枢設することで、長孔の長手方向に支持アームをスライド可能にするという作用を有する。
この場合、計測対象であるタイヤの直径が異なる場合でも、1台の第8の保持用治具を用いて様々な直径サイズを有するタイヤの劣化状況を評価すべくタイヤの接地面における溝部深さの計測、並びに、タイヤの溝部内及びタイヤの側面の画像を撮像することが可能になる。
第9の発明であるタイヤ劣化状況計測装置は、第1乃至第6のそれぞれの発明であるタイヤ劣化状況計測器と、第7又は第8の発明である保持用治具と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第9の発明において、タイヤ劣化状況計測器は、第1乃至第6のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。また、保持用治具は、第7又は第8の発明による作用と同じ作用を有する。
よって、第9の発明によれば、第1乃至第6のそれぞれの発明であるタイヤ劣化状況計測器をその保持用治具(第7又は第8の発明)と一体化させることで、人手により操作するタイプのタイヤ劣化状況計測器(第1乃至第6のそれぞれの発明)を、常設される設備であるタイヤ劣化状況計測装置として転用可能にするという作用を有する。
この場合、第1乃至第6のそれぞれの発明の汎用性を向上させるという作用を有する。
上述のような第1の発明によれば、タイヤの接地面に形成される溝部の深さを計測する際に、併せてタイヤの溝部内及びタイヤの側面(タイヤをその回転軸方向から見た場合の面)のひび割れの発生分布を解析すべく画像を撮像することができる。
また、第1の発明では、撮像装置とともに光源もスライドするため、タイヤの溝部内及びタイヤの側面を撮像する際の明るさを略均一化することができる。この結果、第1の発明によりタイヤの溝部内及びタイヤの側面の様子を撮像し、この撮像された画像を、例えば先に述べた本願出願人による特許公報に開示されるような方法等を用いて解析することで、タイヤの溝部内及びタイヤの側面におけるひび割れの発生分布を把握することができる。これにより、タイヤの劣化状況を総合的に評価することができる。
この結果、第1の発明を利用してタイヤの劣化状況を評価して、劣化の程度が軽いものをリサイクルする場合に、リサイクルされたタイヤの品質と安全性を担保することができる。
第2の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果を有する。加えて、第2の発明では、測距センサ、光源及び撮像装置を個別にスライドさせる場合に比べて、スライド機構の構造を簡素化することができる。
よって、第2の発明によれば、シンプルな構造でありながら、高性能なタイヤ劣化状況計測器を提供することができる。
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による効果と同じ効果に加えて、筐体の外形を細長扁平状にすることができる。この場合、第3の発明をタイヤとそのカバーの隙間に、又はタイヤとその駆動機構の隙間に挿入して使用する際に、これらの隙間への第3の発明の挿脱を容易にすることができる。
また、第3の発明は、計測面に対する設置面の角度を35°~57°の範囲内に特定することで、計測対象のタイヤの直径が400mm~1000mmの範囲内である場合に、タイヤの接地面における溝部の深さの計測誤差を小さくすることができる。
より具体的には、第3の発明における計測面に対する設置面の角度θが35°に近づくほど、直径サイズの大きいタイヤ(直径が1000mmに近いタイヤ)の溝部の深さを計測する際の計測誤差を小さくすることができる。他方、第3の発明における計測面に対する設置面の角度θが57°に近づくほど、直径サイズの小さいタイヤ(直径が400mmに近いタイヤ)の溝部の深さを計測する際の計測誤差を小さくすることができる。なお、第3の発明では、計測面に対する設置面の角度θが、2つの設置面で略同一である場合を想定している。
さらに、第3の発明によれば、筐体が背面を挟んで2つの設置面を備えていることで、タイヤの進行側、又は後退側のいずれにおいてもタイヤの劣化状況を計測することができる。
よって第3の発明によれば、操作性が良好で、400mm~1000mmの範囲内の所望の直径サイズを有するタイヤの溝部の深さを計測する際に、計測誤差が生じにくい高性能なタイヤ劣化状況計測器を提供することができる。
第4の発明は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第4の発明では、タイヤの直径サイズが400mm~1000mmの範囲内である任意の2種類のタイヤ(第1のタイヤサイズを有するタイヤ及び第2のタイヤサイズを有するタイヤ)の溝部の深さの計測する際の測定誤差を最小にできるタイヤ劣化状況計測器を提供することができる。
この場合、タイヤの直径サイズに応じた適切な設置面(第1又は第2の設置面)を載置面(例えば、地表面等)に接触させて用いることで、所望の2種類の直径サイズのタイヤの溝部の深さを高精度に計測することができる。
よって、第4の発明によれば、所望の2種類の直径サイズのタイヤの溝部の深さの計測に適したタイヤ劣化状況計測器を提供することができる。
第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第5の発明によれば、タイヤ劣化状況計測器の外形を手のひらに馴染む形態にすることができる。この場合、作業者がタイヤ劣化状況計測器を手に持って操作する際に、作業者の身体的な負担を軽減できる。さらに、作業中に作業者が、タイヤ劣化状況計測器を落下させるリスクも低減できる。
第6の発明は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第6の発明によれば、保持用治具との接続部が、筐体において測距センサ又は光源又は撮像装置のスライド方向の端面に設けられていることで、保持用治具に第6の発明を接続した場合でも筐体の外形を細長扁平状にしておくことができる。
したがって、第6の発明によれば保持用治具に接続されたタイヤ劣化状況計測器を、タイヤとそのカバーの隙間に、あるいはタイヤとその駆動機構との隙間に容易に挿脱することができる。
よって、第6の発明によれば、保持用治具に接続した状態におけるタイヤ劣化状況計測器の操作性を良好にすることができる。
第7の発明によれば、タイヤの劣化状況を評価すべく、タイヤの溝部の深さを計測する作業、並びに、タイヤの溝部内及び側面の様子を撮像する作業を人手に拠らず行うことができる。
また、第7の発明によれば、タイヤ劣化状況計測器とタイヤの接地面との位置関係を略一定にすることができる。このため、第7の発明によれば、タイヤ劣化状況計測器を手で把持して使用する場合や、タイヤ劣化状況計測器を載置面(例えば、地表面等)に載置して使用する場合に比べて、タイヤの溝部の深さを計測する際の計測誤差、及び、タイヤの溝部内及びタイヤの側面の様子を撮像する際の画質のばらつき、を小さくすることができる。この結果、第7の発明の使用により得られた誤差の小さい計測値、及び、画質のばらつきが小さい画像に基づいてタイヤの劣化状況を定量化することができる。したがって、第7の発明を用いることで、タイヤの劣化状況を適切に判断することが可能になる。
さらに、第7の発明によれば、車輪等から取り外したタイヤを自動で計測位置に供給するとともに、計測済のタイヤを自動で排出させる機構に第7の発明に係る保持用治具を組込むことで、タイヤの劣化状況を評価すべく所望の計測値や画像を得るための作業を完全に自動化することができる。
この場合、タイヤ劣化状況を評価する作業を迅速かつ効率的に実施することができる。
第8の発明によれば、上述の第7の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第8の発明において、支持アームに形成される長孔の長手方向に支持アームをスライドできるということは、枢設位置からの支持アームの長さを所望に変更できることを意味している。
したがって、第8の発明によれば、枢設位置からの支持アームの長さを所望に変更することで、タイヤの直径が異なる場合でもそれぞれのタイヤの接地面にタイヤ劣化状況計測器の窓部を接触又は近接さて保持することができる。
この結果、第8の発明によれば、タイヤの直径に対する汎用性の高い保持用治具を提供することができる。
第9の発明によれば、上述の第1乃至第6のそれぞれの発明による効果と、上述の第7又は第8の発明による効果を併せた効果を発揮させることができる。
すなわち、第9の発明によればタイヤ劣化状況計測器を設置型のタイヤ劣化状況計測装置として使用できるだけでなく、保持用治具からタイヤ劣化状況計測器を取り外してハンディータイプのタイヤ劣化状況計測器として使用することもできる。
よって、第9の発明によれば、第1乃至第6のそれぞれの発明であるタイヤ劣化状況計測器の汎用性を高めることができる。
本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器の計測面側から見た透視図である。 本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器における筐体の断面図である。 (a)本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器を計測面側から見た斜視図であり、(b)同タイヤ劣化状況計測器を背面側から見た斜視図である。 本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器の一使用状態を示す側面図である。 (a)本発明の実施例2に係る保持用治具に本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器を設置してなるタイヤ劣化状況計測装置の正面図であり、(b)同装置の側面図である。 (a)本発明の実施例2の変形例に係る保持用治具に本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器を設置してなるタイヤ劣化状況計測装置の正面図であり、(b)同装置の側面図である。
本発明の実施の形態に係るタイヤ劣化状況計測器及びその保持用治具及びこれらからなるタイヤ劣化状況計測装置について実施例1,2を参照しながら詳細に説明する。
はじめに、本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器の内部構造及び外形について図1,2を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器の計測面側から見た透視図(要部部分図)である。また、図2は本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器における筐体の断面図である。
実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1は、タイヤの劣化状況を計測するための器具である。このような、タイヤ劣化状況計測器1は、例えば図1,2に示すように、タイヤ16の接地面17に接触又は近接して配される窓部3(図1、図2(a)を参照)を計測面4に備えている筐体2と、この筐体2内において窓部3と相対する位置に設けられ、タイヤ16の溝部18を横断する方向にスライドする測距センサ9と、同じく筐体2内において窓部3と相対する位置に設けられ、タイヤ16の溝部18を横断する方向にスライドする照明用の光源10及び撮像装置11と、上記測距センサ9、光源10及び撮像装置11をスライドさせるスライド機構(スライダ13)を備えてなるものである。
さらに、上述の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1において、撮像装置11及び光源10は、図1に示すように、タイヤ16の接地面17の縁端16aを超えてタイヤ16から離れた位置にスライドするよう構成されている。
なお、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1において、上述の測距センサ9、光源10及び撮像装置11をスライドさせるスライド機構(スライダ13)を駆動するモータ等は、図1に示すように筐体2内に格納されている。あるいは、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1は、スライド機構(スライダ13)を駆動するモータ等を筐体2の外に配置するとともに、このモータ等を図示しないケース内に格納して、このケースを後段において詳細に説明する接続部7として用いることもできる。
また、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1におけるスライド機構は、例えば図1に示すように、ガイドレール14上においてスライダ13が往復運動するよう構成されていてもよい。
上述のような実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1が、測距センサ9に加えて光源10及び撮像装置11を備え、しかもこの光源10及び撮像装置11が図1に示すように、タイヤ16の接地面17の縁端16aを超えてタイヤ16から離れた位置にまでスライドするよう構成されていることで、タイヤ16の接地面17に形成される溝部18の深さを測距センサ9により計測する際に、併せてタイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16b(タイヤ16をその回転軸方向から見た場合の面)の様子を撮像装置11により撮像することができる。
また、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1では、撮像装置11によりタイヤ16の側面16bを撮像する際に、光源10から照射される光でタイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bを照らすことができる。この場合、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1が光源10を備えていない場合に比べて、タイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bの様子を撮像する際の明るさが不均一になるのを防止できる。つまり、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1が光源10を備えていることで、撮像装置11により撮像された画像の画質に大きなばらつきが生じるのを防止できる。
この場合、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の撮像装置11により撮像された画像を、例えば先に述べた本願出願人による特許公報等に開示されるような方法を用いて解析して、タイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bにおけるひび割れの発生分布を把握する際の解析精度を向上させることができる。
一般に、タイヤ16を形成しているゴムの劣化が進行すると、タイヤ16の側面16bにひび割れが生じる。そして、このひび割れの長さや深さが大きいほどタイヤ16の劣化が進行している。
このため、タイヤ16の劣化状況を計測する場合、タイヤ16の側面16bにおけるひび割れの有無を確認するだけでなく、そのひび割れの程度(長さや深さ)がどの程度であるかについても詳細に把握する必要がある。
したがって、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1によれば、タイヤ16の溝部18の深さを計測することによりタイヤ16の接地面17の摩耗状態を把握することができる。加えて、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1によれば、光源10を用いて光を照射しながら撮像装置11でタイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bの様子を撮像した後、この画像を例えば先に述べた本願出願人による特許公報等に開示されるような方法を用いて解析することで、タイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bにおけるひび割れの発生分布を把握することができる。この結果、タイヤ16のゴムの劣化状況を的確に評価することが可能になる。
したがって、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1によれば、タイヤ16の溝部18の残量、及び、タイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bのひび割れの発生状況から総合的に、そのタイヤ16がリサイクル可能な品質を有しているか否かを評価することが可能になる。
この場合、劣化が進んでいないタイヤ16を抽出することができるので、そのリサイクルを促進することができる。これにより、廃棄されるタイヤ16の総量を減らすことができる。この結果、タイヤ16の廃棄に伴う環境負荷を軽減することができる。
よって、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1によれば、シンプルな構造でありながら性能が優れたタイヤ劣化状況計測器を提供することができる。
さらに、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1では、図1,2に示すように、筐体2内においてスライドするスライダ13(スライド機構)に、例えば平板体を折曲してなるテーブル12を取設しておき、このテーブル12の窓部3と対向する側の面に測距センサ9、光源10及び撮像装置11を設置してもよい(任意選択構成要素)。
この場合、筐体2内において測距センサ9、光源10及び撮像装置11をタイヤ16の溝部18を横断する方向にスライドさせるための機構を集約して簡素化することができる。なお、テーブル12は折曲板である必要はなく、単なる平板体でもよい。
また、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1では、テーブル12が取設されたスライダ13をガイドレール14の端部において確実に停止させるために、センサを用いてもよい。
より具体的には、例えば図1に示すように、テーブル12に撮像装置11等とともに移動する原点センサ15aを備え、さらに、ガイドレール14の一の端部側に前進限センサ15bを、さらにガイドレール14の端部側に後退限センサ15cをそれぞれ備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、例えば上記センサ(原点センサ15a、前進限センサ15b及び後退限センサ15c)の検出値に基づいてガイドレール14上におけるテーブル12の現在位置を求めることができる。これによりガイドレール14上におけるテーブル12の位置を所望に制御することが可能になる。
あるいは、テーブル12の位置制御機構として上述のような原点センサ15a、前進限センサ15b及び後退限センサ15cを用いることに代えて、例えば近接センサ(図示せず)を備えていてもよい(任意選択構成要素)。この場合、近接センサの信号に基づいてスライダ13の動作を制御することができるので、テーブル12のスライド機構をシンプルにできる。なお、近接センサによる検出対象は、筐体2の内側面であってもよい。あるいは、近接センサによる検出対象として適当な位置に筐体2の内側面が存在しない場合は、筐体2内に仕切り壁を設けるなどしてスライダ13がガイドレール14の端部に接近していることを近接センサにより検知することができるよう構成すればよい。
よって、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1がテーブル12を備えている場合は、タイヤ劣化状況計測器1の制御機構、及び内部構造を一層シンプルにできる。そして、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の構造がシンプルであることで、タイヤ劣化状況計測器1を軽量化できるだけでなく、その使用時に不具合を生じ難くすることができる。加えて、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の使用時に、万一不具合が生じた場合でもそのメンテナンスが容易である。
続いて、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の細部構造について先の図1,2に加えて、図3,4を参照しながら詳細に説明する。
図3(a)は本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器を計測面側から見た斜視図であり、(b)は同タイヤ劣化状況計測器を背面側から見た斜視図である。なお、図1,2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の筐体2は、図2に示すように、計測面4と平行に配されている背面6と、計測面4に対する角度θが35°~57°の範囲内である2つの設置面5a,5bを備えている。
さらに、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の筐体2は、図2に示すように、計測面4から背面6までの距離Hが、筐体2の測距センサ9又は光源10又は撮像装置11のスライド方向(図2の紙面表側から裏側に向かう方向)に対する垂直断面における計測面4の長さLを1とする場合に0.6以下となるよう構成されていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、図2,3に示すように、筐体2の外形を扁平状にすることができる。このように実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の筐体2が扁平状であることで、タイヤ16とそのカバー(図示せず)の隙間、あるいは、タイヤ16とその駆動機構(図示せず)の隙間へのタイヤ劣化状況計測器1の挿脱が容易になる。
さらに、実施例に係るタイヤ劣化状況計測器1の筐体2が、設置面5a,5bを備えていることで、この設置面5a又は設置面5bを、載置面(例えば、後段の図4に示す地表面20等)に接触させて載置することで、人手に因らずタイヤ劣化状況計測器1によりタイヤ16の溝部18の深さを計測することができ、さらにタイヤ16の溝部18内及び側面16bの様子を撮像装置11により撮像することができる。
実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1における設置面5a,5bを利用してタイヤ16の溝部18の深さを計測する方法について図4を参照しながらより詳細に説明する。
図4は本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器の一使用状態を示す側面図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図4に示すように、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1は、筐体2における設置面5a(又は設置面5b)を地表面20に接触させた状態で載置して使用することができる。
この場合、計測面4に対する設置面5a(又は設置面5b)の角度θを35°~57°の範囲内に設定しておくことで、タイヤ16の直径サイズが特に400mm(θ=57°)~1000mm(θ=35°)の範囲内である場合に、測距センサ9によりタイヤ16の溝部18の深さを測定する際に生じる計測誤差を小さくすることができる。
なお、地表面20に設置面5a(又は設置面5b)を接触させて実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を使用する場合、タイヤ16の接地面17と筐体2の窓部3が接触又は可能な限り接近するように、筐体2の他の部分のサイズを設定する必要がある。
この点をより詳細に説明すると、図4に示すように、地表面20に設置面5a(又は設置面5b)を接触させるとともに、筐体2の計測面4(窓部3)をタイヤ16の接地面17に接触又は近接させた場合に、測距センサ9から発信されるレーザーの進路上にタイヤ16の中心19が存在していれば、溝部18の深さの計測時に計測誤差は生じない。
その一方で、図4に示す状態において、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1における測距センサ9から発信されるレーザーの進路とタイヤ16の中心19位置とのズレが大きいほど溝部18の深さを計測する際の計測誤差が大きくなる。
例えば、タイヤ16の直径が600mmである場合、計測面4に対する設置面5a(又は設置面5b)の角度θが43°であれば、タイヤ16の溝部18の深さを計測する際の計測誤差は理論上ほぼ生じない。
他方、計測面4に対する設置面5a(又は設置面5b)の角度θが43°に設定されたタイヤ劣化状況計測器1を用いて、直径が600mmよりも大きい又は小さいタイヤ16の溝部18の深さを計測する場合は、タイヤ16の直径サイズに応じて計測誤差がわずかながら生じるため、求められる精度によっては計測値を補正することが望ましい。
したがって、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1では、計測面4に対する設置面5a(又は設置面5b)の角度θを35°~57°の範囲内に設定しておくことで、直径が400~1000mmの範囲内のタイヤ16の溝部18の深さを計測するのに適したタイヤ劣化状況計測器を提供することができる。
また、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の筐体2は2つの設置面(設置面5a,5b)を有している。ただし、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1では、計測面4に対する設置面(設置面5a,5b)の角度θを1種類に特定する必要はなく、異なる2種類にしてもよい。
すなわち、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の筐体2は、計測面4に対する角度θがθ°(ただし、35°≦θ≦57°)である設置面5a(先の図2を参照)と、同じく計測面4に対する角度θがθ°(ただし、35°≦θ<θ≦57°)である設置面5b(先の図2を参照)の2種類を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、設置面5aを用いて計測を行うと、計測面4に対する角度θがθ°である場合に測距センサ9から発信されるレーザーの進路からタイヤ16の中心19までの距離(最短距離)が略ゼロとなるような直径サイズ有するタイヤ16、すなわち測距センサ9から発信されるレーザーの進路上にタイヤ16の中心19が存在するような直径サイズ有するタイヤ16(第1のタイヤサイズ)の溝部18の深さを計測する際の計測誤差を最小にすることができる。
また、設置面5bを用いて計測を行うと、計測面4に対する角度θがθ°である場合に測距センサ9から発信されるレーザーの進路からタイヤ16の中心19までの距離(最短距離)が略ゼロとなるような直径サイズ有するタイヤ16(第2のタイヤサイズ)の溝部18の深さを計測する際の計測誤差を最小にすることができる。
つまり、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の筐体2が計測面4に対する角度θが異なっている2種類の設置面5a,5bを備えている場合は、特定の2種類のタイヤサイズ(第1のタイヤサイズ及び第2のタイヤサイズ)の溝部18深さを計測する際の計測誤差をそれぞれ最小にすることができる。
さらに、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1は、筐体2の断面(測距センサ9又は光源10又は撮像装置11のスライド方向に対する垂直断面)が、略
外2
Figure 0007377532000002
形状(上記図形と略同様の形状)をなすよう構成してもよい(任意選択構成要素)。ただし、上記断面において最も長い辺が計測面4である。
なお、ここで筐体2の断面形状を「略」としているのは、上述の通り、計測面4に対する設置面(設置面5a,5b)の角度θが2種類存在する場合があり、この場合、筐体2の断面形状が厳密な線対称をなさない場合があるためである。
そして、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の筐体2が上記断面形状を有する場合は、作業者がタイヤ劣化状況計測器1における計測面4以外の面を手のひらに把持した状態で使用する際に、筐体2の外形を作業者の手の平にフィットさせることができる。
この場合、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を用いてタイヤ16の溝部18の深さを計測する際に、作業者の手の疲労を軽減できることで作業者の身体的な負担を軽減することができる。さらに、作業者がタイヤ16の溝部18の深さの計測作業中に、誤ってタイヤ劣化状況計測器1を落下させてしまうリスクを低減することもできる。
したがって、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の断面形状を上述のように特定することで、その操作性を向上させることができる。
さらに、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1は、図3(a),(b)に示すように、必要に応じて筐体2の端部にハンドル8を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、タイヤ劣化状況計測器1の筐体2がハンドル8を備えない場合に比べて、タイヤ劣化状況計測器1の操作性及び携行性を向上させることができる。
さらに、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1は、図3(a),(b)に示すように、必要に応じて筐体2の端部(筐体2がハンドル8を備える場合はハンドル8を有しない側の端部)に例えば棒状の接続部7を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を、後段において示す保持用治具(後段における図5中の保持用治具26Aを参照)を用いて使用することが可能になる。
なお、本実施の形態では、タイヤ劣化状況計測器1の筐体2にハンドル8及び接続部7の両方を備える場合を例に挙げて説明しているが、筐体2にハンドル8又は接続部7のいずれか一方のみを備えていてもよい。
次に、図5を参照しながら先の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を保持するための実施例2に係る保持用治具について説明する。
図5(a)は本発明の実施例2に係る保持用治具に本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器を設置してなるタイヤ劣化状況計測装置の正面図であり、(b)は同装置の側面図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係る保持用治具26Aは、例えば図5に示すように、載置面21上に立設される支柱22と、この支柱22に枢設されるとともに、支柱22の軸方向に対する角度を所望に変更することができる支持アーム23により構成されてもよい。
また、図5に示すような実施例2に係る保持用治具26Aでは、支持アーム23に先の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1が、その筐体2に設けられる窓部3をタイヤ16の接地面17に接触又は近接させるように取設されて用いられる。
なお、実施例2に係る保持用治具26Aの支持アーム23への実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の取設方法としては、例えばタイヤ劣化状況計測器1の筐体2において測距センサ9又は光源10又は撮像装置11のスライド方向における端面の少なくとも一方に棒状の接続部7を設けておき、この接続部7を直接又は間接的に支持アーム23に取設してもよい。
より具体的には、支持アーム23に実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を直接取設する場合は、タイヤ劣化状況計測器1の筐体2の端面の接続部7に対し、支持アーム23を例えばボルト等の固定具(図示せず)を用いて固設してもよい。あるいは、支持アーム23に実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を間接的に取設する場合は、例えば図5に示すように、タイヤ劣化状況計測器1のスライダ13(図1,2を参照)のスライド方向と平行に伸縮する伸縮機構25を固定具として支持アーム23に設けおき、この伸縮機構25にタイヤ劣化状況計測器1の接続部7を接続して用いてもよい。
また、接続部7や伸縮機構25が設けられなくともタイヤ劣化状況計測器1の筐体2が支持アーム23にボルト等の固定具(図示せず)を用いて固定されるようにしてもよい。
なお、実施例2に係る保持用治具26Aに対する実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の取設方法は、上述のものに特定される必要はなく、例えば、計測面4に対して略垂直に形成される1対の側面31,31を挟持する挟持具(図示せず)を固定具として支持アーム23に設けてもよい。
また、実施例2に係る保持用治具26Aに先の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を一体に取設したものが実施例2に係る2タイヤ劣化状況計測装置27Aである。
上述のような実施例2に係る保持用治具26Aによれば、タイヤ16の接地面17に形成される溝部18の深さを計測するのに最も適した状態で実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を保持することができる。
この場合、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1とその計測対象であるタイヤ16の位置関係を適切な状態に保つことができる。この場合、タイヤ16と実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1との位置関係が不適切であることに起因してタイヤ16の溝部18の深さの計測時に計測誤差が生じるのを防止することができる。
したがって、実施例2に係る保持用治具26Aに実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を取設した装置、すなわち、実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27Aによれば、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1によるタイヤ16の溝部18の深さの計測精度を高めることができる。
加えて、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1が保持用治具26Aにより適切に保持される場合は、撮像装置11によりタイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bの状態を撮像する場合に、タイヤ劣化状況計測器1とタイヤ16の位置関係を略一定にすることができる。この場合、撮像装置11により撮像された画質のばらつきを小さくすることができる。この結果、撮像装置11で撮像された画像を、例えば先に述べた本願出願人による特許公報等に開示されるような方法により解析して、タイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bにおけるひび割れの発生分布を定量化して把握する際の精度を向上させることができる。
さらに、実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27Aでは、図5(a),(b)に示すように、支柱22に支持アーム23が枢設されている。このため、図5(a)に示すように支柱22の軸方向に対する支持アーム23の角度を所望に変更することができる。
このことは、実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27Aを用いることで、タイヤ16を回転させることなしに、タイヤ16の接地面17上における所望の位置の溝部18の深さを略同じ条件で測定できる上、この動作と併せてタイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bの状態についても撮像装置11により撮像できることを意味している。
したがって、実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27Aによれば、タイヤ16の接地面17上の所望の位置において溝部18の深さを高い精度で計測することができ、さらにその際に撮像装置11により撮像された画像を解析することでタイヤ16のゴムの劣化状況を定量化して的確に評価することができる。
この結果、実施例2に係る保持用治具26A(タイヤ劣化状況計測装置27A)によれば、タイヤ16全体の劣化状況をより正確に把握することができ、これによりそのタイヤ16がリサイクル可能であるか否かあるいは安全に走行することができるか否かを適切に評価することが可能になる。
さらに、実施例2に係る保持用治具26A(タイヤ劣化状況計測装置27A)は、図5(a),(b)に示すように、支持アーム23は長孔23aを備えていてもよい(任意選択構成要素)。この場合、支持アーム23に形成される長孔23aに挿設される枢軸24a(ボルト24の軸)により支柱22に支持アーム23が枢設される。
そして、支持アーム23が長孔23aを備える場合は、長孔23aの長手方向に支持アーム23をスライドさせることができる。
この場合、実施例2に係る保持用治具26A(実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27A)において、ボルト24の取設位置から実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1までの距離を無段階で変更することができる。
この結果、1台の保持用治具26Aを用いて、様々な直径サイズのタイヤ16の劣化状況を計測することができる。
よって、実施例2に係る保持用治具26A(実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27A)によれば、タイヤ16直径に対する保持用治具26Aの汎用性を高めることができる。
なお、実施例2に係る保持用治具26A(実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27A)において計測対象のタイヤ16の直径が変わる場合は、支柱22における枢軸24aの取設位置をタイヤ16の回転中心と一致させるべく、支柱22上における枢軸24aの軸受32の位置を変更する必要がある。したがって、実施例2に係る保持用治具26Aは、支柱22に軸受32のスライド構造を備えている。
より具体的には、例えば図5に示すように、支柱22の長辺に沿って目盛り33を設けるとともに、支持アーム23の長孔23aにも目盛り34を設けてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、支柱22に設けられる目盛り33は、例えば載置面21の位置をゼロとして鉛直上方側に向かうにつれてその目盛り33の数値が大きくなるように設定されている。また、支持アーム23に設けられる目盛り34は、例えばタイヤ劣化状況計測器1における計測面4の位置をゼロとしてタイヤ劣化状況計測器1から離れるにつれてその目盛り33の数値が大きくなるように設定されている。
このように、支柱22及び支持アーム23が目盛り33及び目盛り34を備える場合は、計測対象のタイヤ16の直径が変わる際に、支柱22上における軸受32の位置を変更する作業、及び、タイヤ劣化状況計測器1の計測面4からボル枢軸24aまでの距離を変更する作業、を容易かつ正確に行うことができる。
さらに、実施例2に係る保持用治具26Aにセッティングするタイヤ16の直径サイズが予め決まっている場合は、各タイヤ16のサイズに応じた枢軸24aの設置位置を示す基準線を、目盛り33や目盛り34に代えて支柱22や支持アーム23に設けておいてもよい(任意選択構成要素;図示せず)。
あるいは、支柱22上における軸受32の位置を変更可能にすることに代えて、タイヤ16の中心(中心19;先の図4を参照)と枢軸24aの中心を予め一致させて固定しながらタイヤ16を保持するタイヤ保持構造(図示せず)をタイヤ径に応じて複数備えていてもよい(任意選択構成要素)。
さらに、図5(b)に示すように、実施例2に係る保持用治具26A(実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27A)は、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1と、保持用治具26Aの支持アーム23の間に伸縮機構25を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、2つのタイヤ16が並設されている場合でも、伸縮機構25を利用して、支持アーム23から離れて位置するタイヤ16の接地面17上に接触又は近接させながら実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1を配設することができる。
つまり、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の計測面4の長さ(ガイドレール14(図1を参照)の中心軸方向における長さ)が、単数のタイヤ16の幅における溝部18の深さの計測に適するよう設定されていても、そのタイヤ劣化状況計測器1を用いて、図5(b)に示すように、トラックの後輪等に採用される並設された2つのタイヤ16のそれぞれの溝部18の深さを計測することができる。
したがって、実施例2に係る保持用治具26A(実施例2に係るタイヤ劣化状況計測装置27A)が伸縮機構25を備える場合は、保持用治具26Aの利便性を一層向上させることができる。
最後に、実施例2の変形例に係る保持用治具の変形例について、図6を参照しながら説明する。
図6(a)は本発明の実施例2の変形例に係る保持用治具に本発明の実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器を設置してなるタイヤ劣化状況計測装置の正面図であり、(b)は同装置の側面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2の変形例に係る保持用治具26B(タイヤ劣化状況計測装置27B)は、計測対象であるタイヤ16をその周方向に回転させるための回転機構を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この回転機構は、図6(a),(b)に示すように、例えば支柱22を起立状態で保持する台座28と、この台座28に設けられてタイヤ16をその周方向に回転させるローラ29とを備えるものでもよい。なお、図6(a),(b)には特に示していないが、上述の回転機構はさらに、ローラ29を所望の速度で回転させる駆動機構を備えている。
そして、上述のような実施例2の変形例に係る保持用治具26B(タイヤ劣化状況計測装置27B)では、タイヤ劣化状況計測器1によりタイヤ16の劣化状況を評価するのに必要な計測値及び画像を得る動作と、この動作の後に所望量だけタイヤ16を周方向に回転させる動作を順次繰り返すことで、人手に因らずタイヤ16の周方向の全域の溝部18の深さの計測、並びに、タイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bの画像の撮像を行うことができる。
よって、実施例2の変形例に係る保持用治具26B(タイヤ劣化状況計測装置27B)によれば、車輪から取り外されたタイヤ16の劣化状況を評価すべく所望の計測値及び画像を取得する作業を完全に自動化することができる。
なお、図6に示す実施例2の変形例に係る保持用治具26B(タイヤ劣化状況計測装置27B)では、タイヤ16を回転させるため、支柱22の中心軸に対する支持アーム23の角度を変更する必要がない。このため、実施例2の変形例に係る保持用治具26B(タイヤ劣化状況計測装置27B)では、枢軸24a(ボルト24)の中心軸と、タイヤ16の回転中心は必ずしも一致していなくともよい。
さらに、実施例2の変形例に係る保持用治具26B(タイヤ劣化状況計測装置27B)は、図6(b)に示すように、タイヤ劣化状況計測器1による計測条件等を必要に応じて入力できる入力部、タイヤ劣化状況計測器1による計測結果を必要に応じて出力することができる出力部、タイヤ劣化状況計測器1による計測結果に対して必要に応じて計測誤差の補正等を行うことができる演算処理部、及び、ローラ29の回転と停止を制御する制御部等を単独で又は必要に応じてこれらを組み合わせて格納したコントロールボックス30を、台座28と一体に又は別体に備えていてもよい(任意選択構成要素)。なお、特に図示しないが実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1は、測距センサ9により計測された計測値、及び、撮像装置11により撮像された画像データ、をタイヤ劣化状況計測器1の外部(例えばコントロールボックス30等)に有線又は無線にて送信可能にするために送信手段(コネクタ接続部や、無線通信設備等)を備えている。
このような実施例2の変形例に係る保持用治具26B(タイヤ劣化状況計測装置27B)によれば、タイヤ16の劣化状況の評価に必要な計測値や画像の取得作業を自動化することができ、かつその計測条件や撮像条件の設定変更ができる、又はタイヤ劣化状況計測器1により得られた計測値及び画像に基づいた解析結果等の出力ができる、又は計測結果や解析結果を必要に応じて補正することができる、又は保持用治具26Bの各パーツの動作を所望に制御することができる、高性能な設置タイプのタイヤ劣化状況計測装置を提供することができる。
なお、図6(b)では、実施例2の変形例に係る保持用治具26Bに、タイヤ劣化状況計測器1のハンドル8を備える側の面が支柱22側に配された状態で取設されている。これは、本実施形態に係るタイヤ劣化状況計測器1では、先の図3(a)に示すように、計測面4の接続部7が配される側に窓部3を有していないためである。
また、図6(b)に示すように、実施例2の変形例に係る保持用治具26Bの支持アーム23に、ボルト等の従来公知の固定具(図示せず)を用いて直接タイヤ劣化状況計測器1を取設してもよい(任意選択構成要素)。このように、接続部7を用いることなく保持用治具26Bにタイヤ劣化状況計測器1を取設するには、タイヤ劣化状況計測器1の筐体2の所望位置に、例えばボルトの軸を受けるための孔を設けておけばよい。
よって、実施例2の変形例に係る保持用治具26Bに、接続部7を用いることなくタイヤ劣化状況計測器1を取設可能に構成する場合は、接続部7を有しない筐体2の外側面に保持用治具26Bを接続できるので、タイヤ劣化状況計測器1の利便性を一層向上させることができる。
なお、特に図示しないが、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の計測面4の長手方向の略全域に窓部3を有している場合は、図6(b)に示す保持用治具26Bの支持アーム23に、タイヤ劣化状況計測器1の接続部7を接続して用いることができる。
上述の通り、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1によれば、タイヤ16の接地面17に形成される溝部18の深さの計測に加えて、タイヤ16の溝部18内及びタイヤ16の側面16bのひび割れの発生分布を解析するために用いられる画像も取得できるタイヤ劣化状況計測器を提供することができる。
さらに、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1によれば、ハンディータイプの計測器としても、又は地表面20等に載置して用いる設置タイプの計測器としても使用できる汎用性の高いタイヤ劣化状況計測器を提供することができる。
なお、本実施形態では、実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1の接続部7及びハンドル8を、筐体2の長手方向端面にそれぞれ設ける場合を例に挙げて説明しているが、接続部7やハンドル8の取設位置は、本願の図面に示される位置に特定される必要はなく、必要に応じて筐体2の所望の位置に設けてよい。
加えて、上述のような実施例1に係るタイヤ劣化状況計測器1は、実施例2に係る保持用治具26A,26Bに取設してタイヤ劣化状況計測装置27A,27Bとして用いることで、タイヤ16の劣化状況の計測を人手に因らず全自動で行うことができる据え置きタイプの設備としても用いることができる。
以上説明したように本発明は、タイヤの接地面に形成される溝部の深さを計測することができ、かつタイヤの溝部内及びタイヤの側面におけるひび割れの発生分布の解析に用いられる画像も取得できるタイヤ劣化状況計測器及びそれを保持するための保持用治具、並びに、これらからなるタイヤ劣化状況計測装置であり、運輸又はその整備に関する技術分野において利用可能である。
1…タイヤ劣化状況計測器 2…筐体 3…窓部 4…計測面 5a,5b…設置面 6…背面 7…接続部 8…ハンドル 9…測距センサ 10…光源 11…撮像装置 12…テーブル 13…スライダ 14…ガイドレール 15a…原点センサ15a 15b…前進限センサ 15c…後退限センサ 16…タイヤ 16a…縁端 16b…側面 17…接地面 18…溝部 19…中心 20…地表面 21…載置面 22…支柱 23…支持アーム 23a…長孔 24…ボルト 24a…枢軸 25…伸縮機構 26A,26B…保持用治具 27A,27B…タイヤ劣化状況計測装置 28…台座 29…ローラ 30…コントロールボックス 31…側面 32…軸受 33,34…目盛り

Claims (3)

  1. タイヤの劣化状況を計測するための器具であって、
    前記タイヤの接地面に接触又は近接して配される窓部を計測面に備えている筐体と、
    前記筐体内において前記窓部と相対する位置に設けられ、前記タイヤの溝部を横断する方向にスライドする照明用の光源と、
    前記筐体内において前記窓部と相対する位置に設けられ、前記タイヤの前記溝部を横断する方向にスライドする撮像装置と、
    前記光源及び前記撮像装置を載置するとともに、前記タイヤの前記溝部を横断する方向にスライドするテーブルと、
    前記テーブルをスライドさせるスライド機構と、を備え、
    前記筐体は、
    前記撮像装置又は前記光源のスライド方向に対する垂直断面が、長方形における一の長辺側の2つの角部を切除してなる六角形状をなしており、
    前記垂直断面において、前記計測面が最も長い辺であり、
    前記計測面からこの計測面と相対して配される背面までの距離は、前記垂直断面における前記計測面の長さを1とする場合に0.6以下であり、
    前記撮像装置および前記光源は、
    互いに隣接して配され、
    これらの位置関係を保ったまま前記テーブルとともに前記タイヤの前記接地面の縁端部を超えて前記タイヤから離れた位置にスライドすることを特徴とするタイヤ劣化状況計測器。
  2. 前記筐体は、前記計測面と平行な背面と、前記計測面に対する角度θが35°~57°の範囲内である2つの設置面と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ劣化状況計測器。
  3. 2つの前記設置面は、
    前記角度θがθである第1の設置面と、
    前記角度θがθである第2の設置面であり、
    前記角度θと前記角度θは、35°≦θ<θ≦57°であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ劣化状況計測器。
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