JP7372842B2 - リップ付きプレート部材およびキャンセラー部材 - Google Patents

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Description

本発明は、環溝状の装着部内に挿入されるリップ付きプレート部材に関し、特に、クラッチを作動させるクラッチピストン機構に適用可能なリップ付きプレート部材に関する。
一般に、自動変速機(無段変速機を含む)に用いられるクラッチピストン機構では、油圧室の油圧によりピストン部材が往復動する。このピストン部材の往復動により多板クラッチが締結又は解放されることで当該車両の変速が行われる。従来のピストン部材の一例として特許文献1に記載された自動変速機用ピストンシールが知られている。特許文献1に記載された自動変速機用ピストンシール(以下では「ピストン部材」という)は、有底円筒形状のシリンダの内部に配設され、シリンダとの間で加圧室(以下では「油圧室」という)を形成している。このピストン部材は、金属板からなるピストンプレートを有し、このピストンプレートの内周部にはゴム状弾性体からなる内周シールリップが固着されている。そして、ピストンプレートの外周部にはゴム状弾性体からなる外周シールリップが固着されている。
特開2010-190391号公報
ところで、上記のようなクラッチピストン機構では、ピストン部材をシリンダの内部に挿入する際、ピストン部材の内周シールリップ及び外周シールリップの各先端部がシリンダの挿入口の端面に当接する。シリンダの挿入口には、一般的に開口端の角を斜めに切り落とす面取りなどを施した逃がし部が形成されている。このため、ピストン部材の各シールリップの先端部は、シリンダ内に押し込まれるとき、シリンダの逃がし部からの抵抗力(荷重)を受けることになる。この抵抗力が増大するとピストン部材のシールリップの先端側部分が挿入方向とは反対方向の外側にめくれ易くなる。したがって、シリンダへの組付時のシールリップのめくれを回避するための工夫が求められ得る。このような工夫は、クラッチピストン機構において高速回転時の遠心油圧をキャンセルするために設けられているキャンセラー部材(BCS)のシールリップについても同様に求められ得る。
そこで、本発明は、組付時のリップのめくれを確実に回避可能なリップ付きプレート部材を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、環溝状の装着部における逃がし部を有した挿入口を介して装着部内に挿入されるリップ付きプレート部材が提供される。このリップ付きプレート部材は、環状のプレートと、プレートの内周部及び外周部の少なくとも一方に設けられるリップと、を含む。リップは、プレートに固定される基端部と装着部の側面に摺動自在に接触する先端部とを有し、基端部から先端部に向かって拡径するとともに装着部の底面側に延びる。リップの先端部は、全周に亘って凹み内部に流体を保持可能な保持部を有している。
本発明の一側面によれば、組付時のリップのめくれを確実に回避可能なリップ付きプレート部材を提供することができる。
本発明の一実施形態によるリップ付きプレート部材が装着されたクラッチピストン機構の構成を示す要部断面図である。 挿入前のピストン部材の内側リップを含む拡大断面図である。 図2に示すB方向から視た内側リップの開口部分と装着部の逃がし部との位置関係を示す部分平面図である。 挿入前のピストン部材の第1外側リップを含む拡大断面図である。 挿入前のキャンセラー部材の第2外側リップを含む拡大断面図である。
[クラッチピストン機構の概略構成]
以下、本発明に係るリップ付きプレート部材の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるリップ付きプレートが装着されたクラッチピストン機構の構成を示す要部断面図である。図1に示すクラッチピストン機構1は、主に車両用の自動変速機に用いられ、ハウジング10の収容部11に多板クラッチCとともに収容されて多板クラッチCの締結と解放を行うように構成されている。収容部11は、ハウジング10の軸線Xの周囲を囲む(軸線Xを中心とした)環溝状に形成されている。なお、本明細書においては、軸線Xに近い側を「内側」、軸線Xに近づく方向を「内方」、軸線Xから遠い側を「外側」、軸線Xから離れる方向を「外方」という。
収容部11は、内側側面111と、外側側面112と、内側側面111と外側側面112の端部同士を連結する底面113と、によって区画された空間として形成されている。収容部11の内側側面111及び外側側面112は、軸線Xに平行な面であり、収容部11の底面113は、軸線Xに垂直な面である。なお、内側側面111及び外側側面112は軸線Xに概ね平行であればよく厳密に平行である必要はなく、底面113は軸線Xに概ね垂直であればよく厳密に垂直である必要はない。
収容部11の内側側面111は、底面113に近い側に位置する第1内側側面111aと、底面113から離れた側であって且つ第1内側側面111aよりも内側に位置する第2内側側面111bと、を有する段付き面として形成されている。また、収容部11の外側側面112は、底面113に近い側に位置する第1外側側面112aと、底面113から離れた側であって且つ第1外側側面112aよりも外側に位置する第2外側側面112bと、を有する段付き面として形成されている。なお、多板クラッチCは、収容部11の第2外側側面112bに対応する領域に配置されている。
収容部11の第1内側側面111a、第1外側側面112a及び底面113によって区画された空間はクラッチピストン機構1の後述するピストン部材3を装着可能であり、ピストン部材3とハウジング10との間で油圧室20が形成される。以下では、ピストン部材3の装着部となる収容部11内の領域(空間)を「ピストン装着部M1」と呼ぶ。つまり、ピストン装着部M1は、第1内側側面111a、第1外側側面112a及び底面113によって区画された空間として形成されている。ピストン部材3は、ピストン装着部M1における底面113とは反対側に開口した挿入口を介してピストン装着部M1の内部に挿入される。
ピストン装着部M1の挿入口には、逃がし部12が形成されている。逃がし部12は、径方向内側の部分である内側逃がし部111cと、径方向外側の部分である外側逃がし部112cとを有している。内側逃がし部111cは、第1内側側面111aの開口端にある角部を斜めに切り落とす加工(面取り)などにより形成されている。第2内側側面111bは、内側逃がし部111cの第1内側側面111aとは反対側の端部に連結している。換言すると、内側側面111の段差部分は、内側逃がし部111cで構成されている。また、外側逃がし部112cは、第1外側側面112aの開口端の角部を斜めに切り落とす加工(面取り)などにより形成されている。外側逃がし部112cの第1外側側面112aとは反対側の端部から径方向外側に向かって延びる段差面112dの外側端部は、第2外側側面112bに連結している。換言すると、外側側面112の段差部分は、外側逃がし部112c及び段差面112dで構成されている。
クラッチピストン機構1は、ピストン部材3と、キャンセラー部材5と、リターンスプリング7と、を含む。なお、本実施形態では、ピストン部材3及びキャンセラー部材5が本発明に係る「リップ付きプレート部材」に相当し、リターンスプリング7が本発明に係る「付勢部材」に相当する。
ピストン部材3は、金属材からなり全体として環状に形成されているピストンプレート31と、ピストンプレート31の内周部に設けられる内側リップ32と、ピストンプレート31の外周部に設けられる第1外側リップ33と、を含み、いわゆる「ボンデットピストンシール(BPS)」を構成している。ピストン部材3の中心線は、ハウジング10の軸線Xに一致している。ピストン部材3は、ピストン装着部M1内をハウジング10の軸線X方向(軸線Xの延伸方向)に移動(往復動)可能である。なお、ピストン部材3の中心線はハウジング10の軸線Xに概ね一致していればよく厳密に一致している必要はない。
ピストンプレート31は、第1環状板部31aと、内側円筒部31bと、外側円筒部31cと、第1内方延在部31dと、第1外方延在部31eと、を有しており、これら(31a-31e)は、一体に形成されている。
第1環状板部31aは、収容部11の底面113に対向している。内側円筒部31bは、第1環状板部31aの内周縁から収容部11の底面113から離れる方向に延びている。外側円筒部31cは、第1環状板部31aの外周縁から収容部11の底面113から離れる方向に延びている。外側円筒部31cと収容部11の第1外側側面112aとの間には隙間が設けられている。第1内方延在部31dは、内側円筒部31bの先端部(図1では下端部)から内方にフランジ状に延在している。第1内方延在部31dの端部と収容部11の第1内側側面111aとの間にも隙間が設けられている。第1外方延在部31eは、外側円筒部31cの先端部(図1では下端部)から外方(具体的には、収容部11の第2外側側面112b)に向かってフランジ状に延在している。外側円筒部31c及び第1外方延在部31eは、多板クラッチCの上方に位置している。ピストンプレート31は、例えば、圧延鋼板に対してプレス加工等を施すことによって形成され得る。
内側リップ32は、ピストンプレート31の内周部(具体的には、第1内方延在部31dの端部)と収容部11の第1内側側面111aとの間の隙間をシールしている。また、第1外側リップ33は、ピストンプレート31の外周部(具体的には、第1外側円筒部31c)と収容部11の第1外側側面112aとの間の隙間をシールしている。なお、本実施形態のピストン部材3では、内側リップ32が本発明に係る「ピストン部材」の「内側リップ」に相当し、第1外側リップ33が本発明に係る「ピストン部材」の「外側リップ」に相当する。
内側リップ32及び第1外側リップ33は、例えば、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(VMQ)、フッ素ゴム(FKM)などの合成ゴムからなり、いわゆるリップシールとして形成されている。内側リップ32の先端部は、収容部11の第1内側側面111aに接触しており、ピストン部材3の移動に伴って収容部11の第1内側側面111aに沿って摺動する。第1外側リップ33の先端部は、収容部11の第1外側側面112aに接触しており、ピストン部材3の移動に伴って収容部11の第1外側側面112aに沿って摺動する。したがって、内側リップ32は収容部11の第1内側側面111aに常時接触しているとともに、第1外側リップ33は収容部11の第1外側側面112aに常時接触しており、これによって、収容部11の底面113とピストン部材3との間には、密封された油圧室20が形成されている。換言すると、油圧室20は、ピストン装着部M1におけるピストン部材3よりも底面113側の空間である。なお、内側リップ32及び第1外側リップ33の詳細な形状等については後述する。
収容部11の第1内側側面111aの底面113側の部位には、油圧室20に作動油を供給するための作動由通路21の一端が開口している。ピストン部材3は、油圧室20に供給された作動油の油圧により収容部11の底面113から離れる方向(図1における矢印A方向)に移動し、第1外方延在部31eが多板クラッチCの駆動側のクラッチ板C1を押圧することによって多板クラッチCを締結させるように構成されている。なお、本実施形態では、矢印A方向が本発明に係る「第1方向」に相当する。
キャンセラー部材5は、ピストン部材3に対して収容部11の底面113と反対側(つまり、ピストン部材3の矢印A方向側)に配置されている。具体的には、キャンセラー部材5は、全体的に、ピストンプレート31における第1環状板部31a及び内方延在部31dに対して収容部11の底面113から離れる方向に間隔を空けて配置されている。
キャンセラー部材5は、金属材からなり全体として環状に形成されているキャンセルプレート51と、キャンセルプレート51の外周部に設けられる第2外側リップ52と、を含み、いわゆる「ボンデットキャンセラーシール(BCS)」を構成している。キャンセラー部材(BCS)5の中心線は、ハウジング10の軸線Xに一致(概ね一致していればよく厳密に一致している必要はない)している。
キャンセルプレート51は、第2環状板部51aと、中間円筒部51bと、第2外方延在部51cと、を有しており、これら(51a-51c)は、一体に形成されている。
第2環状板部51aは、ピストンプレート31の第1環状板部31a、内側円筒部31b及び内方延在部31dの矢印A方向側に位置している。具体的には、第2環状板部51aは、ピストンプレート31の第1環状板部31a及び内方延在部31dに対向している。中間円筒部51bは、第2環状板部51aの外周縁からピストンプレート31の第1環状板部31aに向かって延びている。中間円筒部51bは、径方向について、ピストンプレート31の内側円筒部31bと外側円筒部31cとの間に位置している。第2外方延在部51cは、中間円筒部51bの先端部(図1では上端部)から外方に、より具体的には、ピストンプレート31の外側円筒部31cの内面に向かってフランジ状に延在している。第2環状板部51aの内周縁と収容部11の第2内側側面111bとの間には隙間が形成されている。第2外方延在部51cの端部とピストンプレート31の外側円筒部31cとの間にも隙間が形成されている。キャンセルプレート51は、例えば、圧延鋼板に対してプレス加工等を施すことによって形成され得る。
第2外側リップ52は、キャンセルプレート51の外周部(具体的には、第2外方延在部51cの端部)とピストンプレート31の外側円筒部31cとの間の隙間をシールしている。第2外側リップ52は、例えば、ピストン部材3の内側リップ32及び第1外側リップ33と同様に、合成ゴムからなりいわゆるリップシールとして形成されている。第2外側リップ52の先端部は、ピストンプレート31の外側円筒部31cに接触しており、ピストンプレート31の外側円筒部31cの内面に沿って摺動する。なお、本実施形態のキャンセラー部材5では、第2外側リップ52が本発明に係る「キャンセラー部材」の「外側リップ」に相当する。
また、キャンセラー部材5は、ストッパリング53によって矢印A方向の移動が規制されている。ストッパリング53は、キャンセルプレート51の第2環状板部51aの収容部11の底面113と反対側の面における凸部51dよりも内側の部分に当接した状態で収容部11の第2内側側面111bに固定されている。ストッパリング53は、自身の収容部11の底面113側の面が第2環状板部51aの凸部51dよりも内側の部分に当接することによってキャンセラー部材5の矢印A方向の移動を規制し、自身の外周面が凸部51dの側面に当接することによってキャンセラー部材5の径方向の移動を規制している。
ピストン部材3とキャンセラー部材5との間には、キャンセラー油圧室22が形成されている。換言すると、キャンセラー部材5は、ピストン部材3と協働してキャンセラー油圧室22を形成している。多板クラッチCの解放時にハウジング10などが高速回転すると、油圧室20に残存した作動油によって油圧室20内に遠心油圧が発生し、発生した遠心油圧による力によってピストン部材3が矢印A方向に移動して多板クラッチCを締結してしまうおそれがある。キャンセラー油圧室22は、このような油圧室20内に発生する遠心油圧による影響を抑制するために設けられている。具体的には、キャンセラー油圧室22には所定量の油が貯留されており、油圧室20内に遠心油圧が発生したとき、キャンセラー油圧室22内にも遠心油圧が発生するようになっている。これにより、油圧室20内に発生した遠心油圧による力に対抗する力がピストン部材3に作用し、油圧室20内に発生する遠心油圧による影響が抑制される。
キャンセラー油圧室22の形成を可能にするキャンセラー部材5の装着部としては、ピストン部材3のピストンプレート31(具体的には、第1環状板部31a、内側円筒部31b、外側円筒部31c及び第1内方延在部31d)及び内側リップ32と、収容部11の内側側面111(具体的には、第1内側側面111a、第2内側側面111b及び内側逃がし部111c)とによって区画された空間が該当する。以下の説明では、キャンセラー部材5の装着部となる収容部11内の領域(空間)を「キャンセラー装着部M2」と呼ぶ。
キャンセラー部材5は、キャンセラー装着部M2における第1環状板部31aとは反対側に開口した挿入口を介してキャンセラー装着部M2の内部に挿入される。キャンセラー装着部M2の挿入口には、ピストン装着部M1と同様の逃がし部13が形成されている。逃がし部13は、ピストンプレート31の外側円筒部31cにおける先端部(図1における下端部)に形成された外側逃がし部31fを有する。外側逃がし部31fは、ピストンプレート31の外側円筒部31cと第1外方延在部31eが連結する内側の角部を丸くする加工(R面取り)により形成されている。
リターンスプリング7は、ピストン部材3とキャンセラー部材5との間に設けられている。リターンスプリング7は、ピストン部材3とキャンセラー部材5とを互いに離隔する方向に付勢している。換言すると、リターンスプリング7は、ピストン部材3を矢印A方向とは反対の方向に付勢している。具体的には、リターンスプリング7は、ピストン部材3を収容部11の底面113に近づく方向に付勢している。したがって、本実施形態では、矢印A方向とは反対の方向(収容部11の底面113に近づく方向)が本発明に係る「第2方向」に相当する。
[ピストン部材の詳細構造]
次に、本実施形態におけるピストン部材3の詳細構造について内側リップ32及び第1外側リップ33を中心に図2~図4を参照しながら説明する。
図2は、ピストン部材3がピストン装着部M1に挿入される前(装着前)の状態におけるピストン部材3の内側リップ32付近を示す拡大断面図である。図3は、図2に示すB方向から視た内側リップ32の後述する内側保持部32cの開口部分と収容部11の内側逃がし部111cとの位置関係を示す部分平面図である。図4は、挿入前の状態におけるピストン部材3の第1外側リップ33付近を示す拡大断面図である。
ピストン部材3の内側リップ32は、図2に示すように基端部32aと先端部32bとを有している。基端部32aは、ピストンプレート31の第1内方延在部31dの端部を収容部11の内側側面111側から覆うように固定されている。先端部32bは、ピストン部材3がピストン装着部M1に挿入された状態において、収容部11(ピストン装着部M1)の第1内側側面111aに摺動自在に接触する。内側リップ32は収容部11の底面113側に延びるテーパー筒状の形状に形成されている。
内側リップ32の先端部32bは、全周に亘って凹み内部に流体を保持可能な環状の内側保持部32cを有している。この内側保持部32cの内面は、凹みの底から収容部11の底面113側に向かって直線的に延びる直線部分SL1と、凹みの底から収容部11の内側側面111側に向かって延びて滑らかに湾曲する曲線部分CL1とから構成されている。直線部分SL1は、収容部11の第1内側側面111a(軸線X)に平行(概ね平行であればよく厳密に平行である必要はない)である。曲線部分CL1は、直線部分SL1における収容部11の底面113とは反対側の一端(内側保持部32cの上記凹みの底)に接続している。
内側リップ32の内側保持部32cは、直線部分SL1における収容部11の底面113側の他端P1と、該他端P1から曲線部分CL1に引いた接線(図2の破線)の接点P2との間において、収容部11の内側側面111側に開口している。したがって、内側保持部32cは、自身の開口部分から流入する組付油などの流体を、直線部分SL1及び曲線部分CL1により構成された内面を有した環状の凹みの内部に保持し得る。
内側リップ32における内側保持部32cの開口部分は、ピストン装着部M1へのピストン部材3の挿入方向(図2の矢印B方向)から視た平面視(図3)で、収容部11(ピストン装着部M1)の内側側面111に形成されている内側逃がし部111cの範囲内に位置している。換言すると、内側リップ32の内側保持部32cにおいて、直線部分SL1が収容部11の第1内側側面111aよりも内側(軸線Xに近い側)に位置し、かつ、曲線部分CL1上の接点P2が内側逃がし部111cの第1内側側面111aとは反対側の端部(収容部11の第2内側側面111b)よりも外側(軸線Xから遠い側)に位置している。
ピストン部材3の第1外側リップ33は、図4に示すように基端部33aと先端部33bとを有している。基端部33aは、ピストンプレート31の第1環状板部31aの外周側端部及び第1外側円筒部31cの外面を収容部11の外側側面112側から覆うように固定されている。先端部33bは、ピストン部材3がピストン装着部M1に挿入された状態において、収容部11(ピストン装着部M1)の第1外側側面112aに摺動自在に接触する。第1外側リップ33は、基端部33aから先端部33bに向かって拡径するとともに収容部11の底面113側に延びるテーパー筒状の形状に形成されている。
第1外側リップ33の先端部33bは、内側リップ32と同様に、全周に亘って凹み内部に流体を保持可能な環状の外側保持部33cを有している。この外側保持部33cの内面は、凹みの底から収容部11の底面113側に向かって直線的に延びる直線部分SL2と、凹みの底から収容部11の外側側面112側に向かって延びて滑らかに湾曲する曲線部分CL2とから構成されている。直線部分SL2は、収容部11の第1外側側面112a(軸線X)に平行(概ね平行であればよく厳密に平行である必要はない)である。曲線部分CL2は、直線部分SL2における収容部11の底面113とは反対側の一端(外側保持部33cの上記凹みの底)に接続している。
第1外側リップ33の外側保持部33cは、直線部分SL2における収容部11の底面113側の他端P3と、該他端P3から曲線部分CL2に引いた接線(図3の破線)の接点P4との間において、収容部11の外側側面112側に開口している。したがって、外側保持部33cは、自身の開口部分から流入する組付油などの流体を、直線部分SL2及び曲線部分CL2により構成された内面を有した環状の凹みの内部に保持し得る。
第1外側リップ33における外側保持部33cの開口部分は、ピストン装着部M1へのピストン部材3の挿入方向から視た平面視(図示省略)で、収容部11(ピストン装着部M1)の外側側面112に形成されている外側逃がし部112cの範囲内に位置している。換言すると、第1外側リップ33の外側保持部33cにおいて、直線部分SL2が収容部11の第1外側側面112aよりも外側(軸線Xから遠い側)に位置し、かつ、曲線部分CL2上の接点P4が外側逃がし部112cの第1外側側面112aとは反対側の端部(段差面112dの内側の端部)よりも内側(軸線Xに近い側)に位置している。
[ピストン部材の組付作業]
ところで、従来のクラッチピストン機構では、ピストン装着部の挿入口の逃がし部における面取り面(換言すると、傾斜面又はテーパー面)の傾斜とピストン部材の各リップの先端部(接触面)の傾斜とがほぼ同じ角度になっている場合が多かった。このような場合、ピストン部材挿入時における逃がし部とリップの先端部との接触面の面積が広くなる。この接触面は、通常、組付油を供給するなどして潤滑な状態とされるが、接触面の面積が広くなると油膜が切れ易くなり潤滑な状態を保つことが難しくなる。このような状態では、各シールリップの先端部がシリンダの逃がし部から受ける抵抗力(荷重)が増大してしまうため、シールリップの先端側部分のめくれが発生し得る。
これに対して本実施形態では、内側リップ32及び第1外側リップ33を有するピストン部材3をピストン装着部M1内に挿入する際、作業者は、例えば、収容部11の内側側面111及び外側側面112の各逃がし部111c,112cと内側リップ32及び第1外側リップ33の各先端部32b,33bとに組付油を予め塗布する。これにより、組付油が内側リップ32及び第1外側リップ33の各保持部32c,33cの内部に流入する。そして、作業者がピストン部材3をピストン装着部M1の挿入口に移動させると、ピストン部材3の内側リップ32の先端部32bが収容部11の内側側面111における内側逃がし部111cに当接するとともに、ピストン部材3の第1外側リップ33の先端部33bが収容部11の外側側面112における外側逃がし部112cに当接する。このとき、前述したように各逃がし部111c,112cの面取り面の傾斜と、内側リップ32及び第1外側リップ33の各先端部32b,33bの傾斜とがほぼ同じ角度になっていると、各逃がし部111c,112cと各先端部32b,33bとは広い面積で接触することになる。しかし、本実施形態では、互いの接触面の間には内側リップ32の内側保持部32c及び第1外側リップ33の外側保持部33cによる隙間がそれぞれ形成され、該各隙間には予め塗布された組付油が保持された状態となる。この状態で内側リップ32及び第1外側リップ33の各先端部32b,33bが各逃がし部111c,112cに接触しながらピストン装着部M1の内部に向けて押し込まれると、各先端部32b,33bの保持部32c,33cに保持された組付油が互いの接触面の間に供給されるようになる。これにより、接触面の面積が広くても油膜が切れ難くなり、接触面を潤滑な状態に保つことができる。したがって、内側リップ32及び第1外側リップ33の各先端部32b,33bが各逃がし部111c,112cから受ける抵抗力(荷重)の増大を抑えることができ、各先端部32b,33bのめくれを確実に回避することが可能になる。
上記のような各先端部32b,33bの保持部32c,33cによる効果は、各逃がし部111c,112cの面取り面の傾斜と各先端部32b,33bの傾斜とがほぼ同じ角度になっている場合だけに限らない。例えば、各先端部32b,33bの傾斜(軸線Xと接触面のなす挟角)が各逃がし部111c,112cの傾斜(軸線Xと面取り面のなす挟角)よりも大きい場合にも同様の効果が得られる。この場合、内側リップ32及び第1外側リップ33の各先端部32b,33bは、各々の保持部32c,33cの開口部分に関して、収容部11の底面113から遠い側の開口端(前述した接点P2,P4に対応)が先に各逃がし部111c,112cに当接する。そして、各先端部32b,33bが各逃がし部111c,112cに接触しながらピストン装着部M1の内部に向けて押し込まれる過程で、各先端部32b,33bが弾性変形することにより、収容部11の底面113に近い側の開口端(前述した他端P1,P3に対応)が各逃がし部111c,112cに当接する。このようにして各保持部32c,33cの開口端の部分が各逃がし部111c,112cに接触する状態でも、各保持部32c,33cに保持された組付油が互いの接触面の間に供給されるようになるので、各先端部32b,33bのめくれを確実に回避することができる。
また、本実施形態では、ピストン部材3の挿入方向から視た平面視で、各保持部32c,33cの開口部分が各逃がし部111c,112cの範囲内に位置している。これにより、各保持部32c,33cの内部に保持される組付油が、各逃がし部111c,112cと各先端部32b,33bの互いの接触面の間に確実に供給されるようになる。よって、内側リップ32及び第1外側リップ33の各先端部32b,33bのめくれをより確実に回避することが可能になる。
[キャンセラー部材の詳細構造]
次に、本実施形態におけるキャンセラー部材5の詳細構造について第2外側リップ52を中心に図5を参照しながら説明する。図5は、キャンセラー部材5がキャンセラー装着部M2に挿入される前の状態におけるキャンセラー部材5の第2外側リップ52付近を示す拡大断面図である。
キャンセラー部材5の第2外側リップ52は、図5に示すように基端部52aと先端部52bとを有している。基端部52aは、キャンセルプレート51の第2外方延在部51cの端部をピストンプレート31の外側円筒部31c側から覆うように固定されている。先端部52bは、キャンセラー部材5がキャンセラー装着部M2に挿入された状態において、ピストンプレート31の外側円筒部31cの内面に摺動自在に接触する。第2外側リップ52は、基端部52aから先端部52bに向かって拡径するとともにピストンプレート31の第1環状板部31a側に延びるテーパー筒状の形状に形成されている。
第2外側リップ52の先端部52bは、ピストン部材3における第1外側リップ33と同様に、全周に亘って凹み内部に流体を保持可能な環状の外側保持部52cを有している。この外側保持部52cの内面は、凹みの底からピストンプレート31の第1環状板部31a側に向かって直線的に延びる直線部分SL3と、凹みの底からピストンプレート31の外側円筒部31c(収容部11の外側側面112)側に向かって延びて滑らかに湾曲する曲線部分CL3とから構成されている。直線部分SL3は、ピストンプレート31の外側円筒部31cの内面(軸線X)に平行(概ね平行であればよく厳密に平行である必要はない)である。曲線部分CL3は、直線部分SL3におけるピストンプレート31の第1環状板部31aとは反対側の一端(外側保持部52cの上記凹みの底)に接続している。
第2外側リップ52の外側保持部52cは、直線部分SL3におけるピストンプレート31の第1環状板部31a側の他端P5と、該他端P5から曲線部分CL3に引いた接線(図5の破線)の接点P6との間において、ピストンプレート31の外側円筒部31c側に開口している。したがって、外側保持部52cは、自身の開口部分から流入する組付油などの流体を、直線部分SL3及び曲線部分CL3により構成された内面を有した環状の凹みの内部に保持し得る。
第2外側リップ52における外側保持部52cの開口部分は、キャンセラー装着部M2へのキャンセラー部材5の挿入方向から視た平面視(図示省略)で、ピストンプレート31の外側円筒部31cの先端部に形成されている外側逃がし部31fの範囲内に位置している。換言すると、第2外側リップ52の外側保持部52cにおいて、直線部分SL3がピストンプレート31の外側円筒部31cの内面よりも外側(軸線Xから遠い側)に位置し、かつ、曲線部分CL3上の接点P6が外側逃がし部31fの外側円筒部31cとは反対側の端部(第1外方延在部31eの内側の端部)よりも内側(軸線Xに近い側)に位置している。
[キャンセラー部材の組付作業]
キャンセラー部材5をキャンセラー装着部M2内に挿入する際、作業者は、例えば、ピストンプレート31の外側逃がし部31fと第2外側リップ52の先端部52bとに組付油を予め塗布する。これにより、組付油が第2外側リップ52の外側保持部52cの内部に流入する。そして、作業者がキャンセラー部材5をキャンセラー装着部M2の挿入口に移動させると、キャンセラー部材5の第2外側リップ52の先端部52bがピストンプレート31の外側逃がし部31f(R面)に当接する。そして、先端部52bが外側逃がし部31fに接触しながらキャンセラー装着部M2の内部に向けて押し込まれる過程で、先端部52bが弾性変形することにより、外側保持部52cの各開口端(前述した他端P5及び接点P6に対応)が外側逃がし部31fに当接する。これにより、外側逃がし部31fと先端部52bの互いの接触面の間には外側保持部52cによる隙間がそれぞれ形成され、該隙間には予め塗布された組付油が保持された状態となる。この状態でキャンセラー部材5が更に押し込まれると、第2外側リップ52の外側保持部52cに保持された組付油が互いの接触面の間に供給されるようになる。これにより、接触面の面積が広くても油膜が切れ難くなり、接触面を潤滑な状態に保つことができる。したがって、第2外側リップ52の先端部52bが外側逃がし部31fから受ける抵抗力(荷重)の増大を抑えることができ、先端部52bのめくれを確実に回避することが可能になる。また、キャンセラー部材5の挿入方向から視た平面視で、外側保持部52cの開口部分が外側逃がし部31fの範囲内に位置しているので、外側保持部52c内の組付油を互いの接触面の間に確実に供給することが可能である。
[変形例]
なお、本実施形態においては、各保持部32c,33c,52cの内面の一部を構成する直線部分SL1~SL3が軸線Xに平行である場合について説明した。しかしながら、軸線Xに対して直線部分が傾斜していてもよい。例えば、直線部分が各保持部32c,33c,52cの凹みの底に向かうに従って開口部分から離れる方向に傾斜させるようにすれば、保持可能な流体の量を増加させることができる。また、直線部分を曲線としても構わない。
さらに、本実施形態のクラッチピストン機構1においては、ピストン部材3の内側リップ32及び第1外側リップ33、並びに、キャンセラー部材5の第2外側リップ52の全てに保持部32c,33c,52cを形成する場合について説明した。しかしながら、3つのリップのうちの少なくとも1つに保持部を形成するようにしてよい。この場合でも、リップのめくれが発生し得る箇所が低減されるという効果がある。一例を挙げると、ピストン部材3について、ピストンプレート31の内周部を保持部32cが形成されている内側リップ32でシールするとともに、ピストンプレート31の外周部を保持部が形成されていないリップ又は周知のOリング等でシールするようにしてもよく、その逆の組み合わせも可能である。また、ピストンプレート31の内周部及び外周部の双方を保持部が形成されていないリップ又は周知のOリング等でシールするようにしたときでも、キャンセラー部材5について保持部52cが形成された第2外側リップ52が用いられていれば、リップのめくれが発生し得る箇所の低減が可能である。
加えて、本実施形態においては、本発明に係るリップ付きプレート部材の適用例として、車両用の自動変速機に用いられるクラッチピストン機構1のピストン部材3及びキャンセラー部材5について説明したが、リップ付きプレート部材は、クラッチピストン機構以外の各種機械にも適用され得る。
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について幾つか説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
1…クラッチピストン機構、3…ピストン部材、5…キャンセラー部材、7…リターンスプリング、11…収容部、12,13…逃がし部、31…ピストンプレート、31f…外側逃がし部、32…内側リップ、32a,33a,52a…基端部、32b,33b,52b…先端部、32c…内側保持部、33c,52c…外側保持部、33…第1外側リップ、51…キャンセルプレート、52…第2外側リップ、111…収容部の内側側面、111c…内側逃がし部、112…収容部の外側側面、112c…外側逃がし部、113…収容部の底面、A…第1方向、C…多板クラッチ、CL1~CL3…曲線部分、M1…ピストン装着部、M2…キャンセラー装着部、SL1~SL3…直線部分、X…軸線

Claims (3)

  1. 環溝状の装着部における逃がし部を有した挿入口を介して前記装着部内に挿入されるリップ付きプレート部材であって、
    環状のプレートと、
    前記プレートの内周部設けられる内側リップであって、前記プレートの内周部に固定される基端部と前記装着部の内側側面に摺動自在に接触する先端部とを有し、前記基端部から前記先端部に向かって縮径するとともに前記装着部の底面側に延びるテーパー筒状の内側リップと、
    を含み、
    前記内側リップの前記先端部は、全周に亘って凹み内部に流体を保持可能な保持部を有し、
    前記内側リップにおける前記保持部の開口部分は、挿入前の状態において、プレート部材挿入方向から視た平面視で、前記逃がし部のうちの径方向内側の部分である内側逃がし部の範囲内に位置している、
    リップ付きプレート部材。
  2. 前記プレートの外周部に設けられる外側リップであって、前記プレートの外周部に固定される基端部と前記装着部の外側側面に摺動自在に接触する先端部とを有し、前記基端部から前記先端部に向かって拡径するとともに前記装着部の底面側に延びるテーパー筒状の外側リップをさらに含み、
    前記外側リップの前記先端部は、全周に亘って凹み内部に流体を保持可能な保持部を有し、
    前記外側リップにおける前記保持部の開口部分は、挿入前の状態において、プレート部材挿入方向から視た平面視で、前記逃がし部のうちの径方向外側の部分である外側逃がし部の範囲内に位置している、
    請求項1に記載のリップ付きプレート部材。
  3. 圧室の油圧により第1方向に移動してクラッチ板を押圧する環状のピストン部材と、前記ピストン部材の前記第1方向側に配置されるとともに前記第1方向への移動が規制された環状のキャンセラー部材と、前記ピストン部材と前記キャンセラー部材との間に設けられ、前記ピストン部材を前記第1方向とは反対の第2方向に付勢する付勢部材とを含クラッチピストン機構における前記キャンセラー部材であって、
    環状のキャンセルプレートと、
    前記キャンセルプレートの外周部に設けられる外側リップであって、前記キャンセルプレートに固定される基端部と、前記ピストン部材において環状板部の外周縁から前記第1方向に延びる外側円筒部の内面に摺動自在に接触する先端部とを有し、前記基端部から前記先端部に向かって拡径するとともに前記環状板部側に延びるテーパー筒状の外側リップと、
    を含み、
    前記外側リップの前記先端部は、全周に亘って凹み内部に流体を保持可能な保持部を有する、キャンセラー部材。
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