以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、撮像装置として、撮像装置本体に対してレンズ及び照明装置が着脱可能な構成のものを取り上げる。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1000の概略構成を示すブロック図である。撮像装置1000は、所謂、デジタル一眼レフカメラであり、撮像装置本体100(以下「カメラ本体100」と記す)、レンズ200及び照明装置300(以下「ストロボ装置300」と記す)を備える。
カメラ本体100は、カメラ制御部101、撮像素子102、マウント接点群103、シャッタ104、カメラ操作部105、カメラ表示部106、画像記憶部107及びストロボ接点群109を有する。レンズ200は、レンズ制御部201、撮像レンズ202及び絞り203を有する。ストロボ装置300は、ストロボ制御部301、発光部302、ストロボ操作部303、ストロボ表示部304、充電部305及び光電流検知部306を有する。
レンズ200は、カメラ本体100に対して着脱可能となっている。また、ストロボ装置300は、カメラ本体100に設けられた不図示のアクセサリシューに着脱可能な外部照明装置である。カメラ本体100とレンズ200は、マウント接点群103を介して電気的に接続されている。また、カメラ本体100とストロボ装置300は、ストロボ接点群109を介して電気的に接続されている。
カメラ本体100のカメラ制御部101は、撮像装置1000全体の動作を統括的に制御するマイクロコンピュータである。撮像素子102は、撮像レンズ202からの入射光を電気信号に変換して画像データを生成し、カメラ制御部101へ出力する。シャッタ104は、撮像素子102と撮像レンズ202との間に配置され、カメラ制御部101の指示により動作する。シャッタ104は、例えば、先幕と後幕とで構成されるフォーカルプレーンシャッタであり、先幕が走行しシャッタが開くことにより撮像素子102に対する露光が開始され、後幕が走行しシャッタが閉じることで撮像素子102に対する露光を終了させる。
カメラ操作部105は、撮像動作の開始や撮像条件等を変更、設定するためのボタン、スイッチ、ダイヤル等を含み、操作指示に応じた信号をカメラ制御部101へ送る。また、カメラ操作部105は、接続機器等を介して撮影者が行った操作を検知し、操作指示に応じた信号をカメラ制御部101へ送る。
カメラ操作部105は、撮像動作の開始を指示するためのレリーズボタンを有する。レリーズボタンが半押し操作されるとSW1信号が、全押し操作されるとSW2信号が、それぞれカメラ制御部101へ出力される。カメラ制御部101は、SW1信号を受信すると撮像準備動作(AE動作、AF動作等)を開始し、SW2信号を受信すると撮像動作(露光動作)を開始する。
カメラ表示部106は、撮像時における被写体像、カメラ本体100やストロボ装置300の設定情報の表示、撮影画像の再生表示等を行う。なお、カメラ表示部106での表示制御は、カメラ制御部101によって行われる。
カメラ制御部101は、カメラ操作部105からの出力信号に基づいて、カメラ本体100の動作を制御する。カメラ操作部105からSW1信号が出力された場合、カメラ制御部101は、撮像素子102を駆動して被写体の光学像(被写体像)を取得し、得られた光学像の画像データから被写体の輝度を測定する測光制御(AE動作)を繰り返す。また、カメラ制御部101は、測光結果に基づいて、本撮像時に使用するシャッタ速度、絞り値、ISO感度を決定する。以下の説明において、撮像時に使用するシャッタ速度、絞り値、ISO感度をまとめて、露出制御値と称呼する。決定された露出制御値は、カメラ表示部106の表示画面(例えば、液晶パネル)上に表示される。
カメラ操作部105からSW2信号が出力された場合、カメラ制御部101は、撮像レンズ202内の絞り203を駆動し、撮像素子102の感度(ISO感度)を設定し、シャッタ104を制御して撮像素子102へ入射光を照射させる。カメラ制御部101は、撮像素子102から取得した画像データに従ってカメラ表示部106の画面上に撮影画像を表示させると共に、画像記憶部107へ画像データを書き込む制御を行う。
レンズ200において、レンズ制御部201は、レンズ200の各部の動作を制御するマイクロコンピュータである。撮像レンズ202は、複数のレンズにより構成され、被写体像を撮像素子102に結像させる。なお、撮像レンズ202は、ピントを調整するためのフォーカスレンズ(不図示)を有する。絞り203は、入射光量を調節する。レンズ制御部201は、マウント接点群103を介して受信するカメラ制御部101からの指示に従い、カメラ本体100内に取り込む光の光量とピントを調整する。
ストロボ装置300において、ストロボ制御部301は、ストロボ装置300の各部の動作を制御するマイクロコンピュータである。ストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してカメラ制御部101と通信し、カメラ制御部101から発光制御指示やカメラ情報を受信し、また、ストロボ情報をカメラ制御部101へ送信することができる。
充電部305は、ストロボ装置300に搭載された不図示のバッテリから供給される電力を用いて、被写体へ照射する光を生成するためのエネルギを発光用コンデンサ(不図示)に蓄えるための充電動作を行う。以下の説明では、発光用コンデンサへの充電を「ストロボ充電」と称呼する。
ストロボ充電は、ストロボ制御部301によって制御される。その際、ストロボ制御部301は、発光用コンデンサの充電電圧(以下「ストロボ充電電圧」という)を検知し、ストロボ充電電圧が所定の電圧閾値に達すると、ストロボ充電が完了したと判断して、ストロボ充電を停止し、充電完了フラグを更新する。換言すると、所定の電圧閾値とは、所望の発光量を被写体に照射することが可能となったために、ストロボ充電を停止するための値である。また、ストロボ制御部301は、ストロボ充電電圧が所定の電圧閾値より小さくなるとストロボ充電を開始する。ストロボ充電電圧及び充電完了フラグは、ストロボ接点群109を介してカメラ制御部101へ送信される。
ストロボ操作部303は、撮影者が操作するボタンやダイヤル等の操作部材を備えており、撮影者が操作部材に対して行った操作を検知し、操作指示に応じた信号をストロボ制御部301へ送る。ストロボ表示部304は、発光モード等の表示を行う。なお、ストロボ表示部304での表示制御は、ストロボ制御部301によって行われる。
発光部302は、放電管、発光回路、発光光学系により構成される。発光部302は、ストロボ制御部301の指示に従って発光回路を駆動し、発光用コンデンサに蓄えられたエネルギを放電管に放出することにより発光し、発光光学系を介して被写体に光を照射する。発光部の発光量は、光電流検知部306を介してストロボ制御部301が監視しており、所定の発光量が検出されると、発光を停止する。光電流検知部306は、受光ダイオードと、受光ダイオードから発生した電流を積分し電圧に変換する回路等を有する。ストロボ制御部301は、光電流又はその積分電圧を所定の閾値と比較することにより、所定の発光量の光が被写体へ向けて照射されたか否かを判定する。なお、ストロボ操作部303によって発光量を設定する構成としてもよい。また、ストロボ接点群109を介して、カメラ制御部101から通信により発光量を取得するようにしてもよい。
ストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してカメラ制御部101からの制御信号を受信し、カメラ本体100での撮像動作に同期させて発光部302を所定の発光量で発光させる。
<第1実施形態>
第1実施形態において撮像装置1000は、撮像時のストロボ装置300での発光モードを「レリーズ優先発光モード」又は「光量優先発光モード」に設定可能であるとする。レリーズ優先発光モードは、ストロボ充電状態よりも撮像動作を優先するモードであり、ストロボ充電が不十分であっても、レリーズ操作に従ってストロボ撮影を行うモードである。一方、「光量優先発光モード」は、撮像動作よりもストロボ充電状態を優先するモードであり、充電レベルが所定の閾値以上である(所望の発光量が得られる)場合にのみ、レリーズ操作に従ってストロボ撮影を行うモードである。
ストロボ装置300(ストロボ制御部301)は、設定された発光モードがレリーズ優先発光モードであるか又は光量優先発光モードであるかを設定情報として保有する。ストロボ装置300での発光モードの切り替えと設定は、撮影者によるストロボ操作部303の操作によって決定されるものとする。但し、これに限定されず、撮影者がカメラ操作部105を操作して発光モードを決定し、その操作情報がストロボ装置300に送信されることによって発光モードの設定が行われるようになっていてもよい。
また、第1実施形態では、自動調光モードが設定されているものとする。自動調光モードでは、被写体に対してプリ発光を行い、被写体からの反射光を撮像素子102で受光した結果に基づいて本撮像時の適切な発光量(メイン発光量)を算出し、適切な露出での本撮像が実行される。
図2は、撮像装置1000による第1実施形態に係るストロボ撮影での制御を説明するフローチャートである。図2のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、カメラ制御部101が所定のプログラムを実行して撮像装置1000の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。図2のフローチャートは、ストロボ撮影を連続して行う連続発光撮影を前提としており、フローチャートの「終了」は1画像の撮像の終了を表している。
S200にてカメラ制御部101は、SW1信号がオンになったか否かを判定する。カメラ制御部101は、SW1信号がオフのままであると判定した場合(S200でNO)、S200の判定を繰り返し(SW1がオンになるまで待機し)、SW1信号がオンになったと判定した場合(S200でYES)、処理をS201へ進める。
S201にてカメラ制御部101は、ストロボ装置300からストロボ情報を取得する。S201でカメラ制御部101が取得するストロボ情報には、ストロボ装置300がレリーズ優先発光モードと光量優先発光モードのどちらに設定されているかを示す情報と、ストロボ充電状態を示す情報が含まれる。
S202にてカメラ制御部101は、ストロボ装置300がレリーズ優先発光モードに設定されているか否かを判定する。ここで、ストロボ装置300は、レリーズ優先発光モードに設定されていない場合には、光量優先発光モードに設定されているものとする。カメラ制御部101は、レリーズ優先発光モードに設定されていると判定した場合(S202でYES)、処理をS204へ進め、光量優先発光モードに設定されていると判定した場合(S202でNO)、処理をS203へ進める。
S203にてカメラ制御部101は、ストロボ装置300から得た情報に基づき、ストロボ充電が完了しているか否かを判定する。S203では、発光用コンデンサの充電電圧が所定の電圧閾値(ストロボ充電を停止する電圧閾値)以上である場合にストロボ充電が完了していると判定される。カメラ制御部101は、ストロボ充電が完了していると判定した場合(S203でYES)、処理をS204へ進め、ストロボ充電が完了していないと判定した場合(S203でNO)、処理をS205へ進める。なお、ストロボ充電が完了しているか否かの判定をストロボ制御部301が行うようにしてもよい。この場合、例えば、カメラ制御部101は、ストロボ装置300から充電完了フラグを受信する。
S204にてカメラ制御部101は、充電状態に関係なくストロボ発光を行うか又は所定の発光量でストロボ発光が可能であるため、ストロボ撮影のためのAE動作を行い、その後、処理をS206へ進める。一方、S205にてカメラ制御部101は、所望の発光量でのストロボ発光は保証されないとS203で判定されているため、ストロボ発光を伴わない通常撮影のためのAE動作を行い、その後、処理をS206へ進める。
なお、AE動作とは、撮像素子102から出力される信号から被写体領域の輝度を算出し、本撮像時の露出パラメータを決定する処理である。露出パラメータには、ISO感度、シャッタスピード、レンズの絞り値がある。S204でのAE動作では、本撮像時にストロボ装置300を発光させることを前提とした露出パラメータが決定される。一方、S205でのAE動作では、本撮像時にストロボ装置300が発光しないことを前提とした露出パラメータが決定される。例えば、ストロボ装置300から照射された光によって撮影画像に白とび(撮像素子102の飽和)が生じることを回避するために、S204でのISO感度の上限値はS205でのISO感度よりも低い値に設定される。
S206にてカメラ制御部101は、SW2信号がオンしたか否かを判定する。カメラ制御部101は、SW2信号がオンしたと判定した場合(S206でYES)、処理をS207へ進め、SW2信号がオンしていないと判定した場合(S206でNO)、処理をS201へ戻すことでS201~S206の処理を繰り返す。
S207にてカメラ制御部101は、ストロボ情報に基づき、ストロボ装置300に設定された発光モードがレリーズ優先発光モードであるか否かを判定する。カメラ制御部101は、レリーズ優先発光モードに設定されていると判定した場合(S207でYES)、処理をS209へ進め、レリーズ優先発光モードに設定されていないと判定した場合(S207でNO)、処理をS208へ進める。
S208にてカメラ制御部101は、ストロボ装置300は光量優先発光モードに設定されているため、ストロボ情報に基づいてストロボ充電状態を調べて、ストロボ充電が完了しているか否かを判定する。S208での判定手法は、S203での判定手法と同じである。カメラ制御部101は、ストロボ充電が完了していると判定した場合(S208でYES)、処理をS209へ進め、S208でストロボ充電が完了していないと判定した場合(S208でNO)、処理をS221へ進める。なお、処理がS208からS209へ進む場合、後のプリ発光量がプリ発光量閾値より小さくならず、且つ、メイン発光量がメイン発光量閾値より小さくならないように、十分なエネルギが発光用コンデンサに充電されるようストロボ装置300は設計されている。
S209にてカメラ制御部101は、プリ発光を行うことはできたがメイン発光での発光量がメイン発光量閾値以上で行うことができなかった回数(以下「メイン発光NG回数」という)が所定回数以上か否かを判定する。カメラ制御部101は、メイン発光NG回数が所定回数以上であると判定した場合(S209でYES)、処理をS210へ進め、メイン発光NG回数が所定回数未満であると判定した場合(S209でNO)、処理をS211へ進める。
S210にてカメラ制御部101は、ストロボ制御部301からストロボ情報を取得する。S210でカメラ制御部101が取得する情報は、ストロボ装置300での現在の充電レベルが含まれる。そこで、S210にてカメラ制御部101は、ストロボ装置300での現在の充電レベルが、プリ発光は実行されたがメイン発光量がメイン発光量閾値未満であった際(以下「メイン発光NG時」という)の最大充電レベル以上か否か判定する。
なお、プリ発光を行うことが可能であってもメイン発光を所望の発光量で行うことができない場合には、プリ発光に用いた充電エネルギは無駄になってしまう。そこで、本実施形態での発光制御では、メイン発光NG回数が所定回数以上となった場合において充電レベルが所定の充電レベル未満である場合には、発光制御を行わない(プリ発光及びメイン発光を行わない)こととする。このように、発光制御を行うか否か(S211以降の制御)の判断基準となる所定の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベルであり、後述のS220で設定される。
カメラ制御部101は、現在の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル以上であると判定した場合(S210でYES)、処理をS211へ進める。一方、カメラ制御部101は、現在の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル未満であると判定した場合(S210でNO)、処理をS221へ進める。
S211にてカメラ制御部101は、ストロボ制御部301にプリ発光制御を実行させる。なお、プリ発光制御の詳細については後述する。S212にてカメラ制御部101は、ストロボ制御部301からプリ発光時及びプリ発光後のストロボ情報を取得する。この情報には、プリ発光量閾値フラグが含まれる。ストロボ制御部301は、プリ発光量が所定のプリ発光量閾値以上であった場合に、プリ発光量閾値フラグを立てる(プリ発光量閾値フラグを‘1’に設定する)。逆に、ストロボ制御部301は、プリ発光量がプリ発光量閾値未満であった場合には、プリ発光量閾値フラグを立てない(プリ発光量閾値フラグを‘0’に設定する)。
S213にてカメラ制御部101は、プリ発光量閾値フラグが立っている(1)か否か(0)を判定する。カメラ制御部101は、プリ発光量閾値フラグが立っている(1)と判定した場合(S213でYES)、処理をS214へ処理を進め、プリ発光量閾値フラグが立っていない(0)と判定した場合(S213でNO)、処理をS221へ進める。
S214にてカメラ制御部101は、S212で取得したストロボ情報に基づき、本撮像時のストロボ発光量(メイン発光量)を算出する。S215にてカメラ制御部101は、ストロボ制御部301にメイン発光制御を命令すると共に、撮像素子102やシャッタ104等の駆動を制御した露光動作(本撮像)を行う。
S216にてカメラ制御部101は、ストロボ制御部301からメイン発光時とメイン発光後のストロボ情報を取得する。このストロボ情報には、メイン発光量閾値フラグとメイン発光時(メイン発光の前後)の充電レベルが含まれる。なお、ストロボ制御部301は、メイン発光量が所定のメイン発光量閾値以上であった場合に、メイン発光量閾値フラグを立てる(メイン発光量閾値フラグを‘1’に設定する)。逆に、ストロボ制御部301は、メイン発光量がメイン発光量閾値未満であった場合には、メイン発光量閾値フラグを立てない(メイン発光量閾値フラグを‘0’に設定する)。
S217にてカメラ制御部101は、S212で取得したプリ発光量閾値フラグが立っており(1)、且つ、S216で取得したメイン発光量閾値フラグが立っていない(0)かを判定する。カメラ制御部101は、プリ発光量閾値フラグ(1)、且つ、メイン発光量閾値フラグ(0)であると判定した場合(S217でYES)、処理をS218へ進める。一方、カメラ制御部101は、プリ発光量閾値フラグ(0)、又は、メイン発光量閾値フラグ(1)であると判定した場合(S217でNO)、本処理を終了させる。
S218にてカメラ制御部101は、プリ発光は可能であったがメイン発光が不可能であった回数を「メイン発光NG回数」としてインクリメントする。S219にてカメラ制御部101は、S216で取得したメイン発光時の充電レベルが、後述のメイン発光NG時の最大充電レベル以上か否かを判定する。カメラ制御部101は、メイン発光時の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル以上であると判定した場合(S219でYES)、処理をS220へ進める。一方、カメラ制御部101は、メイン発光時の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル未満であると判定した場合(S219でNO)、本処理を終了させる。
S220にてカメラ制御部101は、S216で取得したメイン発光時の充電レベル(ここでは、メイン発光量閾値未満の充電レベル)に所定値αを加算した値をメイン発光NG時の最大充電レベルとして設定し、その後、本処理を終了させる。
なお、メイン発光NG時の最大充電レベルを直近のメイン発光時の充電レベルと同じにした場合、次の撮像でのS210の判定がYESとなって発光制御を行っても、S215で所望のメイン発光量が得られない可能性が高くなる。そこで、次回のS210でメイン発光時の充電レベルに所定値αを加算した充電レベルに達した場合に発光制御を行うようにすることで、メイン発光量不足で撮像が行われることを低減させることが可能になる。
一方で、メイン発光NG時の最大充電レベルを上げれば上げるほどメイン発光を行うことが可能な回数(S215へ進む回数)が少なくなってしまうため、S209,S210の処理を設けている。例えば、S209の判定で用いる「所定回数」が5回であれば、4回までは充電レベルに制限が掛からないため、メイン発光閾値より小さい発光量であったとしても、S215でメイン発光させた画像の取得が可能になる。
S208,S210,S213の各判定で“NO”となる場合の次の処理となるS221にてカメラ制御部101は、撮像素子102やシャッタ104等の駆動を制御して、ストロボ発光を伴わない露光動作(撮像動作)を実行し、その後、本処理を終了させる。なお、連続発光撮影での次の撮像に移る場合には、図2のフローチャートにおいて「終了」からS206へ処理が戻される。
続いて、S211でカメラ制御部101からプリ発光制御を命令されたストロボ制御部301によるストロボ装置300の動作の制御について説明する。図3は、ストロボ装置300でのプリ発光制御を説明するフローチャートである。図3にS番号で示す各処理(ステップ)は、ストロボ制御部301が所定のプログラムを実行してストロボ装置300の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。
ストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してカメラ制御部101からプリ発光制御命令を受信すると、プリ発光制御を開始する。S300にてストロボ制御部301は、カメラ制御部101から受信したプリ発光制御情報に基づいてプリ発光のためのパラメータを設定する。S301にてストロボ制御部301は、S300で設定したパラメータに基づいて発光部302を制御して、プリ発光を行う。その際、ストロボ制御部301は、光電流検知部306から得られる情報を用いて適切な光量を発光(被写体へ照射)するように制御している。なお、カメラ制御部101とストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してタイミング制御を行うことにより、ストロボ発光と撮像素子102の露光タイミングとを同期させている。
S302にてストロボ制御部301は、プリ発光で実際に発光した発光量の情報を取得する。発光量情報は、光電流検知部306から得られる発光時に得られる光電流を積分した電圧でもよいし、発光前後の充電部305の電圧差分(エネルギ差分)から算出した電圧でもよい。
S303にてストロボ制御部301は、S302で得られたプリ発光量が所定のプリ発光量閾値以上か否かを判定する。プリ発光量閾値は、固定値であってもよいし、発光パラメータに応じて可変としてもよい。ストロボ制御部301は、プリ発光量がプリ発光量閾値以上であると判定した場合(S303でYES)、処理をS304へ進め、プリ発光量がプリ発光量閾値未満であると判定した場合(S303でNO)、処理をS305へ進める。
S304にてストロボ制御部301は、プリ発光量閾値フラグを‘1’とし、その後、本処理を終了させる。一方、S305にてストロボ制御部301は、プリ発光量閾値フラグを‘0’とし、その後、本処理を終了させる。
次に、S215でカメラ制御部101からメイン発光制御を命令されたストロボ制御部301によるストロボ装置300の動作の制御について説明する。図4は、ストロボ装置300でのメイン発光制御を説明するフローチャートである。図4にS番号で示す各処理(ステップ)は、ストロボ制御部301が所定のプログラムを実行してストロボ装置300の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。
ストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してカメラ制御部101からメイン発光制御命令を受信すると、メイン発光制御を開始する。S400にてストロボ制御部301は、自身が保持しているプリ発光情報及びカメラ制御部101から受信したメイン発光制御情報に基づき、メイン発光のためのパラメータを設定する。S401にてストロボ制御部301は、発光用コンデンサに充電された電圧値を取得し、メイン発光時の充電レベルを設定する。
S402にてストロボ制御部301は、S400で設定したパラメータに基づいて発光部302を制御してメイン発光を行う。その際、光電流検知部306から得られる情報を用いて、適切な光量を発光するように制御している。なお、カメラ制御部101とストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してタイミング制御を行うことにより、ストロボ発光と撮像素子102の露光タイミングとを同期させている。
S403にてストロボ制御部301は、メイン発光で実際に発光した発光量の情報を取得する。発光量情報は、光電流検知部306から得られる発光時に得られる光電流を積分した電圧でもよいし、発光前後の充電部305の電圧差分(エネルギ差分)から算出した電圧でもよい。
S404にてストロボ制御部301は、S403で得られたメイン発光量が所定のメイン発光量閾値以上であるか否かを判定する。なお、メイン発光量閾値は、固定値であってもよいし、発光パラメータに応じて可変としてもよい。ストロボ制御部301は、メイン発光量がメイン発光量閾値以上であると判定した場合(S404でYES)、処理をS405へ進め、メイン発光量がメイン発光量閾値未満であると判定した場合(S404でNO)、処理をS406へ進める。
S405にてストロボ制御部301は、メイン発光量閾値フラグを‘1’とし、その後、本処理を終了させる。一方、S406にてストロボ制御部301は、メイン発光量閾値フラグを‘0’とし、その後、本処理を終了させる。
図2のフローチャートに従う発光制御では、メイン発光NG回数やメイン発光NG時の最大充電レベルは、カメラ本体100に対するストロボ装置300の着脱に際してリセットする必要が生じる。そこで次に、カメラ本体100に対するストロボ装置300の装着状態に変化が生じた際にカメラ制御部101が実行する処理について説明する。
図5は、カメラ本体100に対するストロボ装置300の装着状態に変化が生じた際のカメラ制御部101での制御のフローチャートである。図5のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、カメラ制御部101が所定のプログラムを実行してカメラ本体100の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。
S500にてカメラ制御部101は、ストロボ接点群109を介してカメラ本体100とストロボ装置300との装着状態に変化があったか(非装着から装着又は装着から非装着の状態に変わったか)否かを判定する。カメラ制御部101は、装着状態に変化があったと判定した場合(S500でYES)、処理をS501へ進め、装着状態に変化はないと判定した場合(S500でNO)、本処理を終了させる。
なお、カメラ制御部101は、カメラ操作部105の1つである不図示の電源スイッチのオフ操作があった場合や無操作時間が所定時間経過した場合には通常の動作モードから省電力モードへの切り替えを行う。その際に、カメラ制御部101が装着状態の変化を検知することができないシステム構成となっている場合には、カメラ制御部101は、装着状態の変化の有無にかかわらず、S501へと処理を進める。また、カメラ制御部101は、カメラ操作部105の1つである不図示の設定リセットスイッチが操作された場合には、装着状態の変化にかかわらず、処理をS501へ進める。
S501にてカメラ制御部101は、メイン発光NG回数の初期化(‘0’に設定)を行う。そして、S502にてカメラ制御部101は、メイン発光NG時の最大充電レベルの初期化(‘0’に設定)を行い、これにより本処理を終了させる。
以上の説明の通り、第1実施形態に係るストロボ撮影では、ストロボ発光のための充電レベルが所定の充電レベル未満でも発光を許可するモードで自動調光がなされた際に、メイン発光NG回数をカウントし、記憶する。そして、メイン発光NG回数が所定回数以上となった場合には、撮像時(SW2信号オン時)の充電レベルに応じて発光制御を実行するか否かを切り替える。これにより、プリ発光を行ってもメイン発光が行われないことで適正露出とならない撮像が行われることを低減することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、メイン発光NG回数とメイン発光NG時の最大充電レベルをカメラ本体100側で保持する構成となっている。これに対して、第2実施形態では、メイン発光NG回数とメイン発光NG時の最大充電レベルをストロボ装置300側で保持する構成とする。
図6は、撮像装置1000による第2実施形態に係るストロボ撮影での制御を説明するフローチャートである。図6のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、カメラ制御部101が所定のプログラムを実行して撮像装置1000の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。なお、第2実施形態でも、自動調光モードが設定されているものとする。また、図6のフローチャートは、ストロボ撮影を連続して行う連続発光撮影を前提としており、フローチャートの終了は1画像の撮像の終了を表している。
S600~S608,S613の処理は、第1実施形態での図2のフローチャートのS200~S208,S213の処理と同じであるため、説明を省略する。S609にてカメラ制御部101は、ストロボ制御部301にプリ発光制御を実行させる。
ここで、カメラ制御部101からプリ発光制御を命令されたストロボ制御部301によるストロボ装置300の動作の制御について説明する。図7は、ストロボ装置300でのプリ発光制御を説明するフローチャートである。図7にS番号で示す各処理(ステップ)は、ストロボ制御部301が所定のプログラムを実行してストロボ装置300の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。
ストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してカメラ制御部101からプリ発光制御命令を受信すると、プリ発光制御を開始する。S700にてストロボ制御部301は、メイン発光NG回数が所定回数以上か否かを判定する。メイン発光NG回数の定義は、第1実施形態での説明の通りである。ストロボ制御部301は、メイン発光NG回数が所定回数以上であると判定した場合(S700でYES)、処理をS701へ進め、メイン発光NG回数が所定回数未満であると判定した場合(S700でNO)、処理をS702へ進める。
S701にてストロボ制御部301は、発光用コンデンサに充電された電圧値を現在の充電レベルとして取得し、現在の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル以上か否かを判定する。ストロボ制御部301は、現在の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル以上であると判定した場合(S701でYES)、処理をS702へ進める。一方、ストロボ制御部301は、現在の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル未満であると判定した場合(S701でNO)、処理をS707へ進める。S702~S707の処理は、図3のフローチャートのS300~S305の処理と同じであるため、説明を省略する。
図6のフローチャートの説明に戻る。S610にてカメラ制御部101は、ストロボ制御部301からプリ発光時及びプリ発光後のストロボ情報を取得する。S611にてカメラ制御部101は、S610で取得したストロボ情報に基づいて本撮像時のストロボ発光量(メイン発光量)を算出する。S612にてカメラ制御部101は、ストロボ制御部301にメイン発光制御を命令すると共に、撮像素子102やシャッタ104等の駆動を制御した露光動作(本撮像)を行い、その後、本処理を終了させる。
ここで、カメラ制御部101からメイン発光制御を命令されたストロボ制御部301によるストロボ装置300の動作の制御について説明する。図8は、ストロボ装置300でのメイン発光制御を説明するフローチャートである。図8にS番号で示す各処理(ステップ)は、ストロボ制御部301が所定のプログラムを実行してストロボ装置300の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。
ストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してカメラ制御部101からメイン発光制御命令を受信すると、メイン発光制御を開始する。S800にてストロボ制御部301は、プリ発光動作で取得したプリ発光量閾値フラグが立っているか(1)否か(0)を判定する。ストロボ制御部301は、プリ発光量閾値フラグが立っている(1)と判定した場合(S800でYES)、処理をSS801へ進め、プリ発光量閾値フラグが立っていない(0)と判定した場合(S800でNO)、本処理を終了させる。S801~S805の処理は、図4のフローチャートのS400~S404の処理と同じであるため、説明を省略する。
S805にてストロボ制御部301は、メイン発光量がメイン発光量閾値以上であると判定した場合(S805でYES)、本処理を終了させ、メイン発光量がメイン発光量閾値未満であると判定した場合(S805でNO)、処理をS806へ進める。S806にてストロボ制御部301は、メイン発光NG回数をインクリメントする。S807にてストロボ制御部301は、S801で設定したメイン発光時の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル以上か否かを判定する。ストロボ制御部301は、メイン発光時の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル以上であると判定した場合(S807でYES)、処理をS808へ進める。一方、ストロボ制御部301は、メイン発光時の充電レベルがメイン発光NG時の最大充電レベル未満であると判定した場合(S807でNO)、本処理を終了させる。
S808にてストロボ制御部301は、S801で取得したメイン発光時の充電レベル(ここでは、メイン発光量がメイン発光量閾値未満の充電レベル)に所定値α加算した値をメイン発光NG時の最大充電レベルとして設定し、その後、本処理を終了させる。
次に、カメラ本体100に対するストロボ装置300の装着状態に変化が生じた際にストロボ制御部301が実行する処理について説明する。図9は、カメラ本体100に対するストロボ装置300の装着状態に変化が生じた際のストロボ制御部301での制御のフローチャートである。図9のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、ストロボ制御部301が所定のプログラムを実行してストロボ装置300の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。
S900にてストロボ制御部301は、ストロボ接点群109を介してカメラ本体100とストロボ装置300との装着状態に変化があったか(非装着から装着又は装着から非装着の状態に変わったか)否かを判定する。ストロボ制御部301は、装着状態に変化があったと判定した場合(S900でYES)、処理をS901へ進め、装着状態に変化はないと判定した場合(S900でNO)、本処理を終了させる。
なお、ストロボ制御部301は、ストロボ操作部303の1つである不図示の電源スイッチのオフ操作があった場合や無操作時間が所定時間経過した場合には通常の動作モードから省電力モードへの切り替えを行う。その際に、ストロボ制御部301が装着状態の変化を検知することができないシステム構成となっている場合には、ストロボ制御部301は、装着状態の変化の有無にかかわらず、S901へと処理を進める。また、ストロボ制御部301は、ストロボ操作部303の1つである不図示の設定リセットスイッチが操作された場合には、装着状態の変化にかかわらず、処理をS901へ進める。
S901にてストロボ制御部301は、メイン発光NG回数の初期化(メイン発光NG回数のクリア(ゼロ設定))を行う。そして、S902にてストロボ制御部301は、メイン発光NG時の最大充電レベルの初期化(ゼロ設定)を行い、これにより本処理を終了させる。
上記の通り、本発明の第2実施形態においても第1実施形態と同様の発光制御が行われるため、プリ発光を行ってもメイン発光が行われないことで適正露出とならない撮像が行われることを低減することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
例えば、上記実施形態では、撮像装置として、撮像装置本体に対してレンズ及び照明装置が着脱可能な構成のものを取り上げた。但し、このような構成に限られず、例えば、撮像装置本体に対してレンズが一体的に構成され、且つ、照明装置が撮像装置本体に内蔵された構成の撮像装置であっても、本発明の適用は可能である。その場合、レンズ制御部201とストロボ制御部301の機能をカメラ制御部101に持たせてもよい。また、ストロボ操作部303の機能をカメラ操作部105に持たせることができる。
そして、上述の撮像装置本体に対して照明装置が着脱可能な構成では、撮像装置本体と照明装置との着脱状態の変化に応じて発光制御をリセットした。これに対して、撮像装置本体に照明装置が内蔵された構成の場合には、撮像装置での撮像条件の設定変更に応じて発光制御がリセットされる構成とすることができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。