JP3187301U - 耐力壁および木造建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも狭い壁長で耐力壁として認められる耐力壁およびこの耐力壁を用いた設計自由度の高い木造建物を提供すること。
【解決手段】耐力壁10は、枠状の軸組11と、軸組11の内周面に固定された枠状の枠組71と、軸組11の内側開口を覆うように内側開口に嵌め込まれ、枠組71に固定された構造用合板81と、を有する。また、枠組71の外面と軸組11の外面との間には段差が形成されており、構造用合板81は、軸組11の外面側から段差に嵌め込まれている。
【選択図】図3

Description

本考案は、耐力壁および木造建物に関する。
従来から、木造建物の工法として、軸組工法(従来工法)や枠組工法(2×4工法)が知られている。いずれの工法においても、耐震基準を満たすために「耐力壁(水平荷重に抵抗する能力を持つ壁)」を所定量以上かつバランス良く設ける必要がある。
従来工法では、図1(a)に示すように、並設された柱5(561、562)を筋交いYで連結することにより耐力壁を形成するが、耐力壁として認められるには壁長(柱561、562の中心間距離)Wが900mm以上でなければならない。
一方、枠組工法では、図1(b)に示すよう、柱561、562に構造用合板9を所定の釘で打ち付け、構造用合板9で柱561、562を連結することにより耐力壁を形成するが、耐力壁として認められるには壁長Wが600mm以上でなければならない。
このように、いずれの工法においても、耐力壁として認められるには広い壁長の壁が必要となり、このことが設計の自由度を低下させている。特に、狭小住宅では、その問題がより顕著に発生する。
また、枠組工法においては、用いられる木材のほとんどが外来材であるため、これでは、林野庁が2013年4月1日から実施する「木材利用ポイント」の発行を受けることができないと言った問題もある。なお、「木材利用ポイント」とは、簡単に言えば、国産材(地域材)を一定以上使用して住宅を建設した者に、上限30万円分のポイントを付与する制度である。
本考案の目的は、従来よりも狭い壁長で耐力壁として認められる耐力壁およびこの耐力壁を用いた設計自由度の高い木造建物を提供することにある。
このような目的は、下記の本考案により達成される。
(1) 枠状の軸組と、
前記軸組の内周面に固定された枠状の枠組と、
前記軸組に嵌め込まれ、前記枠組に釘止めまたはビス止めされた第1面材と、を有することを特徴とする耐力壁。
(2) 前記枠組の一方の面と前記軸組の一方の面との間には段差が形成されており、
前記第1面材は、前記軸組の前記一方の面側から前記段差に嵌め込まれている上記(1)に記載の耐力壁。
(3) さらに、前記軸組の前記第1面材が嵌め込まれている側とは反対側の面に釘止めまたはビス止めされた第2面材を有している上記(1)または(2)に記載の耐力壁。
(4) 前記軸組は、土台と、土台の上方に配置された梁と、前記土台と前記梁とを連結する一対の柱とにより形成されている上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の耐力壁。
(5) 前記軸組は、上下に離間して配置された一対の梁と、前記一対の梁を連結する一対の柱とにより形成されている上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の耐力壁。
(6) 壁長が450mm〜1000mmである上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の耐力壁。
(7) 開口を有する第1壁部と、
前記第1壁部に隣接して設けられ、壁長が900mm以上の第2壁部と、を有することを特徴とする耐力壁。
(8) 土台と、土台の上方に配置された梁と、前記土台と前記梁とを連結する並設された第1柱、第2柱および第3柱と、により形成された枠状の軸組を有し、
前記第1壁部は、開口を有するかまたは上下に分割された第1面材を、前記第1柱と前記第2柱とを連結するように前記軸組の一方の面に釘止めまたはビス止めすることにより形成され、
前記第2壁部は、第2面材を、前記第2柱と前記第3柱とを連結するように、前記軸組の一方の面に釘止めまたはビス止めすることにより形成されている上記(7)に記載の耐力壁。
(9) 上下に離間して配置された一対の梁と、前記一対の梁を連結する並設された第1柱、第2柱および第3柱と、により形成された枠状の軸組を有し、
前記第1壁部は、開口を有するかまたは上下に分割された第1面材を、前記第1柱と前記第2柱とを連結するように前記軸組の一方の面に釘止めまたはビス止めすることにより形成され、
前記第2壁部は、第2面材を、前記第2柱と前記第3柱とを連結するように、前記軸組の一方の面に釘止めまたはビス止めすることにより形成されている上記(7)に記載の耐力壁。
(10) 互いに離間して並設された枠状の第1軸組および第2軸組と、
前記第1軸組の内周面に固定された枠状の第1枠組と、
前記第2軸組の内周面に固定された枠状の第2枠組と、
前記第1軸組に嵌め込まれ、前記第1枠組に釘止めまたはビス止めされた第1面材と、
前記第2軸組に嵌め込まれ、前記第2枠組に釘止めまたはビス止めされた第2面材と、
前記第1軸組と前記第2軸組との間に開口を残しつつ、前記第1面材および前記第2面材上に重なるように前記第1軸組と前記第2軸組とに跨って配置され、前記第1軸組と前記第2軸組とに釘止めまたはビス止めされた第3面材と、
前記第1軸組および前記第2軸組を介して前記第3面材と対向配置され、前記第1軸組と前記第2軸組とに釘止めまたはビス止めされた第4面材と、を有することを特徴とする耐力壁。
(11) 土台と、土台の上方に配置された梁と、前記土台と前記梁とを連結する並設された第1柱、第2柱、第3柱および第4柱と、を有し、
前記土台、前記梁、前記第1柱および前記第2柱で前記第1軸組が形成され、
前記土台、前記梁、前記第3柱および前記第4柱で前記第2軸組が形成され、
前記第2柱および前記第3柱の間に前記開口が形成されている上記(10)に記載の耐力壁。
(12) 上下に離間して配置された一対の梁と、前記一対の梁を連結する並設された第1柱、第2柱、第3柱および第4柱と、を有し、
前記一対の梁、前記第1柱および前記第2柱で前記第1軸組が形成され、
前記一対の梁、前記第3柱および前記第4柱で前記第2軸組が形成され、
前記第2柱および前記第3柱の間に前記開口が形成されている上記(10)に記載の耐力壁。
(13) 前記開口の壁長は、900mm〜1800mmである上記(10)ないし(12)のいずれか1項に記載の耐力壁。
(14) 枠状の軸組と、
前記軸組の上端部および下端部に開口が形成されるように、前記軸組の上端部および下端部を除く中央部に釘止めまたはビス止めされた面材と、を有することを特徴とする耐力壁。
(15) 上記(1)ないし(14)のいずれか1項に記載の耐力壁を有することを特徴とする木造建物。
本考案によれば、軸組工法や枠組工法と比較して耐力壁の壁長を狭くすることができる(具体的には600mm未満とすることができる)。また、同じ寸法であれば、軸組工法や枠組工法よりも強度(壁倍率)の高い耐力壁を得ることができるため、耐力壁の量を減らすことができる。このように、本考案によれば、耐力壁の壁長を狭くすることができ、かつ耐力壁の量を減らすことができるため、設計の自由度が高まる。さらには、本考案によれば、軸組工法や枠組工法と同等のコストで建物を建設することができるため、消費者への過度な負担増となることもない。また、本考案によれば、国産材(地域材)を多く使用することができるため、林野庁が実施する「木材利用ポイント」の発行を受け易くなる。
従来の耐力壁の構成を示す立面図である。 木造住宅の軸組の一部を示す立面図である。 本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、(a)が外面側から見た立面図、(b)が内面側から見た立面図、(c)が断面図である。 釘の打ち付け方の一例を示す平面図である。 本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、(a)が外面側から見た立面図、(b)が内面側から見た立面図である。 本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、(a)が内面側から見た立面図、(b)が外面側から見た立面図、(c)が断面図である。 本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、構造用合板の図示を省略した軸面図である。 図7に示す耐力壁を外面側から見た立面図である。 図7に示す耐力壁を内面側から見た立面図である。 (a)が図8中のA−A線断面図、(b)が図8中のB−B線断面図である。 本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、外面側から見た立面図である。 面内せん断耐力の実験に用いた耐力壁を示す図である。 面内せん断耐力の実験に用いた耐力壁を示す図である。 面内せん断耐力の実験に用いた耐力壁を示す図である。 面内せん断耐力の加力方法を示すグラフである。 図12に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図12に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図12に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図12に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図13に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図13に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図13に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図14に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図14に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図14に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 面内せん断耐力の実験に用いた耐力壁を示す図である。 図26に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図26に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図26に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 面内せん断耐力の実験に用いた耐力壁を示す図である。 面内せん断耐力の実験に用いた耐力壁を示す図である。 図30に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図30に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図30に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図31に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図31に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図31に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 面内せん断耐力の実験に用いた耐力壁を示す図である。 図38に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図38に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図38に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 面内せん断耐力の実験に用いた耐力壁を示す図である。 図42に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図42に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。 図42に示す耐力壁の実験結果を示すグラフである。
以下、本考案の耐力壁および木造建物の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図2は、木造住宅の軸組の一部を示す立面図である。図3は、本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、(a)が外面側から見た立面図、(b)が内面側から見た立面図、(c)が断面図である。図4は、釘の打ち付け方の一例を示す平面図である。図5は、本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、(a)が外面側から見た立面図、(b)が内面側から見た立面図である。図6は、本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、(a)が内面側から見た立面図、(b)が外面側から見た立面図、(c)が断面図である。図7は、本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、構造用合板の図示を省略した軸面図である。図8は、図7に示す耐力壁を外面側から見た立面図である。図9は、図7に示す耐力壁を打ち面側から見た立面図である。図10は、(a)が図8中のA−A線断面図、(b)が図8中のB−B線断面図である。図11は、本考案の耐力壁の好適な実施形態を示す図であり、外面側から見た立面図である。
図2に示す木造住宅1は、軸組工法と同様にして建てられており、コンクリート製の基礎2と、土台3と、梁4と、柱5とを有している。
ここで、土台3、梁4および柱5の材料としては、特に限定されず、例えば、土台3にはヒノキを用い、梁4には米松を用い、柱5にはスギを用いることができる。また、土台3、梁4および柱5の寸法としては、特に限定されず、例えば、土台3を105mm×105mmとし、梁4を105mm×210mmとし、柱5を105mm×105mmとすることができる。
土台3は、アンカーボルト21を介して基礎2に固定されている。また、柱5は、ホゾ付けによって土台3および梁4に連結されている。さらに、必要に応じて、柱5の上端部および下端部にホールダウン金物6が取り付けられ、ホールダウン金物6は、ホールダウン金物用のアンカーボルト22、41を介して基礎2、梁4に固定されている。これにより、基礎2、土台3、梁4および柱5が互いに強固に連結された状態となる。なお、土台3および柱5、梁4および柱5を、さらに山型プレート等の金物で緊結してもよく、これにより耐震性がさらに向上する。
このような木造住宅1は、以下に詳述する特徴的な耐力壁(本考案の耐力壁)10、10A、10B、10C、10Dのいずれかを有している。以下、これら5つの耐力壁10、10A、10B、10C、10Dについて順番に説明する。なお、耐力壁10、10A、10B、10C、10Dは、それぞれ、1階に適用しても、2階以上の階に適用してもよいが、以下では、代表して1階に適用した場合について説明し、2階以上の階に適用した場合については、その説明を省略する。2階以上の階に適用する場合には「土台3」を「梁」に置き換えることで説明することができる。
≪耐力壁10≫
図3に示すように、耐力壁10は、受材真壁仕様の耐力壁であり、隣り合う2本の柱5(511、512)を構造用合板(面材)81で連結した構成となっている。耐力壁10の壁長W(柱511、512の中心間距離L1)としては、特に限定されないが、例えば、450mm、600mm、900mm等、450mm〜1000mm程度とすることができる。壁長Wとしては、この範囲の中でも、特に600mm未満とすることが好ましい。これにより、後述するように、軸組工法や枠組工法では実現することのできない細い壁長の耐力壁となる。
以下、具体的に説明すると、耐力壁10では、梁4の下面に合板受け材711が釘92で打ち付けてあり、土台3の上面に合板受け材712が釘92で打ち付けてある。また、柱511の内側面に合板受け材713が釘92で打ち付けてあり、柱512の内側面に合板受け材714が釘92で打ち付けてある。これら4つの合板受け材711〜714は、枠状に配置されており、構造用合板81を受けるための枠組71を構成する。つまり、耐力壁10では、土台3、梁4および柱511、512で構成された枠状の軸組11の内周面に、合板受け材711、712、713、714で構成された枠組71が固定されている。
なお、枠組71は、構造用合板81を連結するのに支障を来たさない限り、枠組71の一部が欠損していてもよい。すなわち、例えば、合板受け材712、713と合板受け材711、712との間に隙間が生じていてもよいし、合板受け材711〜714の少なくとも1つが途中で分割、離間した2つの部材で構成されていてもよい。本願では、このように一部が欠損している場合であっても「枠状」に含むものとする。
また、合板受け材711、712の寸法(横断面寸法)としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、45mm×96mmとすることができ、合板受け材713、714の寸法(横断面寸法)としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、40mm×45mmとすることができる。
釘92としては、特に限定されず、例えば、JIS規格N90の釘を用いることができる。また、合板受け材711、712では、図4(a)に示すように、釘92を約50mm間隔以下で千鳥状に打ち付けることが好ましく、合板受け材713、714では、図4(b)に示すように、釘92を約100mm間隔以下で直線的に打ち付けることが好ましい。
また、図3(c)に示すように、枠組71の奥行が軸組11の奥行よりも小さく、枠組71の外面(一方の面)71aが軸組11の外面(一方の面)11aから内側に退避した状態となっている。そして、枠組71の外面71aと軸組11の外面11aとの間に形成された段差に嵌るようにして、軸組11に構造用合板81が嵌め込まれ、この構造用合板81が釘91で枠組71の外面71aに打ち付けられている。
構造用合板81の輪郭は、軸組11の内周輪郭とほぼ一致しており、構造用合板81は、実質的に、隙間なく軸組11に嵌め込まれている。また、枠組71の外面71aと、軸組11の外面11aとのギャップGが構造用合板81の厚みとほぼ等しく設定されており、構造用合板81の外面81aと軸組11の外面11aとが面一となっている。ただし、構造用合板81の外面81aと軸組11の外面11aとは、面一となっていなくてもよく、構造用合板81の外面81aが軸組11の外面11aから突出していてもよいし、退避していてもよい。
構造用合板81としては、特に限定されないが、例えば、厚さが9mm〜12mm程度のスギ合板を用いることができる。また、釘91としては、特に限定されず、例えば、JIS規格N50の釘を用いることができる。また、釘91は、構造用合板81の外縁に沿って100mm間隔以下で打ち付けるのが好ましい。これにより、十分強固に、構造用合板81を枠組71(軸組11)に固定することができ、耐力壁10の壁倍率を高めることができる。
なお、釘91に替えてビス(ネジ)を用いてもよい。ビスは、釘よりも強い力で構造用合板81を枠組71に固定することができるため、その分、耐力壁10の強度が向上する。また、建設中に発生する音(インパクト等の機械音)が、釘打ちよりもビス止めの方が小さいため、周辺環境に配慮した住宅の建設を行うことができる。
また、釘91は、打ち込み深さを管理することが難しく、釘91の打ち込み深さが深過ぎたり、浅過ぎたりすると壁強度が低下するおそれがある。これに対して、ビスは、締め込みトルクを管理し易いため、壁強度の低下を抑制することができる。また、特に、柱511、512の中心間距離が900mm以上の場合、上記効果に加えて、長期優良住宅の9つの性能項目(すなわち劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画)のうちの可変性を取得することができる。
以上のような、軸組11と、枠組71と、構造用合板81とを有する耐力壁10によれば、その壁長Wを、軸組工法や枠組工法での耐力壁の壁長の下限値未満とすることが可能である。言い換えれば、耐力壁10によれば、従来工法や枠組工法では耐力壁となり得なかった壁を耐力壁化することができる。
具体的には、軸組工法で用いられる筋交い方式(図1(a)参照)では壁長Wが900mm以上でなければ耐力壁として認められず、枠組工法で用いられる合板方式(図1(b)参照)では壁長Wが600mm以上でなければ耐力壁として認められないが、耐力壁10では壁長Wが600mm未満(具体的には450mm程度)であっても耐力壁として認められるため、木造住宅1が有する壁であって従来では非耐力壁であった壁を耐力壁として有効に利用することができ、その分、壁量を減らすことができる。
以上のような効果から、耐力壁10によれば、軸組工法や枠組工法よりも、木造住宅1の設計の自由度を高めることができる。この効果は、特に、狭小住宅の設計で有利となる。また、木造住宅1の壁量を減らすことができ、例えば、大開口の窓を設置することが容易となる。
1つの例を挙げて説明すれば、例えば、玄関の横に駐車場を設置した住宅の場合、耐震強度を高めるために、玄関の横に耐力壁を配置する必要がある場合がある。この場合、前述したように、軸組工法では900mm以上の壁長が必要であり、枠組工法では600mm以上の壁長が必要となる。そのため、例えば、間口(正面の幅)が4550mm程度の面積に建てられた狭小住宅の場合には、駐車場のスペース(幅)を十分に確保することができない場合があった。これに対して、本考案によれば、450mmの壁長を確保すれば、その壁を耐力壁とすることができる。そのため、玄関横の壁長を狭くすることができ、その分、駐車場のスペースを確保することができる。
さらに、耐力壁10は、軸組工法や枠組工法と同等のコストで提供することができるため、消費者の負担増となることもない。また、特に、従来工法の筋交い方式の耐震壁と比較して、筋交いが無い分、壁内部へ断熱材を密に配設することができる。また、耐力壁10によれば、スギやヒノキと言った国産材(地域材)を使用することができる(特に構造用合板81として国産スギ合板を好適に用いることができる)ため、林野庁が2013年4月1日から実施する「木材利用ポイント」の発行を受け易くなる。
≪耐力壁10A≫
図5に示すように、耐力壁10Aは、大壁仕様の耐力壁であり、窓等を設置するための開口(空間)S2を有する第1壁部10A’と、第1壁部10A’に隣接して設置され、壁長Wが900mm以上の第2壁部10A”とを有している。
本実施形態では、第1壁部10A’および第2壁部10A”の壁長Wがそれぞれ900mmとなっている。ただし、第1壁部10A’の壁長Wとしては900mmに限定されず、900mm未満でも900mm超であってもよい。また、第2壁部10A”の壁長Wとしては900mm以上であれば特に限定されない。
木造住宅1の一部では、3本の柱5(第1柱521、第2柱522、第3柱523)が中心間距離900mm間隔で並設されている。各柱521、522、523は、土台3および梁4にホゾ付けで連結されているが、さらに、山型プレート等の金物やホールダウン金物6を用いて土台3および梁4に固定されていてもよい。
また、柱521、522の間には水平に延びる窓台524および窓たて525が上下に離間して配置され、窓台524と窓たて525の間の空間S2が窓を設置する開口となっている。窓台524および窓たて525は、例えば、ホゾ付けで柱521、522に連結され、さらに、羽子板ボルト等の金物(図示せず)を用いて柱521、522に固定されている。
また、柱521、522の間には間柱526が配置されており、柱522、523の間には間柱527が配置されている。なお、間柱526、527は、必要に応じて配置すればよく、省略してもよい。
第1壁部10A’は、構造用合板(第1面材)82によって柱521、522を連結することで構成され、一方の第2壁部10A”は、構造用合板(第2面材)83によって柱522、523を連結することで構成されている。
構造用合板82は、空間S2を避けて上下に分割されており、上側に位置する合板821は、柱521、522、梁4、窓たて525および間柱526に、軸組11の外面側から釘92で打ち付けられている。一方、下側に位置する合板822は、柱521、522、窓台524、土台3および間柱526に、軸組11の外面側から釘92で打ち付けられている。ただし、構造用合板82は、上下に分割されていなくてもよく、例えば、その中央部付近に構造用合板82の外周に開放しない開口が形成されていてもよい。
また、構造用合板83は、柱522、523、梁4、土台3および間柱527に、軸組11の外面側から釘92で打ち付けられている。
なお、構造用合板82、83は、継手目地として1mm程度離間させて配置するのが好ましい。
釘92としては、特に限定されず、例えば、JIS規格N50の釘を用いることができる。また、釘92は、構造用合板82、83の外縁に沿って150mm間隔以下程度で打ち付けるのが好ましい。これにより、十分強固に、構造用合板82、83を軸組11に固定することができる。なお、釘92に替えてビスを用いてもよい。前述したように、ビス止めすることで耐力壁10Aの壁強度(壁倍率)が向上する。また、第1壁部10A’および第2壁部10A”の壁長Wがそれぞれ900mmであるため、長期優良住宅の9つの性能項目のうちの可変性を取得することができる。
以上のような耐力壁10Aによれば、従来では、筋交いを設けることができないために耐力壁として用いることのできなかった第1壁部10A’を耐力壁の一部として用いることができる。そのため、木造住宅1が有する壁(従来では非耐力壁であった壁)を耐力壁として有効に利用することができ、その分、壁量を減らすことができる。そのため、木造住宅1の設計の自由度が高まる。また、軸組工法や枠組工法で建てられた木造住宅と壁量が等しい場合には、より耐震性に優れた木造住宅となる。
≪耐力壁10B≫
図6に示すように、耐力壁10Bは、受材真壁仕様と大壁仕様とを組み合わせた仕様の耐力壁であり、前述した耐力壁10に、さらに構造用合板(面材)84を追加した構成となっている。耐力壁10の部分の構成は、前述した通りであるため、以下では、耐力壁10に加えられた構造用合板84について主に説明する。ただし、耐力壁10Bでは、構造用合板81が固定されている側が内側となる。
構造用合板84は、構造用合板81とは反対側(軸組11の外面11b側)に設けられている。また、構造用合板84は、軸組11の開口よりも大きく、その外縁部が軸組11の内面11bに釘91で打ち付けられている。
構造用合板84としては、特に限定されないが、例えば、厚さが9mm〜12mmのスギ合板を用いることができる。また、釘91は、構造用合板84の外縁に沿って100mm間隔以下で打ち付けるのが好ましい。これにより、十分強固に、構造用合板84を軸組11に固定することができ、耐力壁10Bの壁倍率を高めることができる。
なお、釘91に替えてビス(ネジ)を用いてもよい。前述したように、ビス止めすることで耐力壁10Bの壁強度(壁倍率)が向上する。また、特に、柱511、512の中心間距離が900mm以上の場合、上記効果に加えて、長期優良住宅の9つの性能項目のうちの可変性を取得することができる。
以上のような耐力壁10Bによれば、耐力壁10と同様の効果を発揮することができるとともに、耐力壁10よりもさらに強度(壁倍率)を高くすることができる。
≪耐力壁10C≫
図7ないし図10に示すように、耐力壁10Cは、受材真壁仕様と大壁仕様とを組み合わせた仕様の耐力壁であり、並設されている4本の柱5(第1柱541、第2柱542、第3柱543、第4柱544)を4枚の構造用合板(面材)85、86、87、88で連結した構成となっている。各柱541、542、543、544は、それぞれ、土台3、梁4にホゾ付けで連結されており、さらに、ホールダウン金物6によって土台3、梁4に固定されている。
なお、本実施形態では、柱541、542の中心間距離L2が450mmであり、柱542、543の中心間距離L3が1050mmであり、柱543、544の中心間距離L4が300mmである。ただし、中心間距離L2、L3のとしては、これに限定されず、上記数値よりも広くてもよい。
また、柱542、543の間には水平方向に延びるまぐさ545が配置され、まぐさ545より下の部分が例えば扉(特に玄関扉)を設置する開口S4となっている。まぐさ545は、例えば、ホゾ付けで柱542、543に連結され、さらに、羽子板ボルト等の金物(図示せず)を用いて柱542、543に固定されている。
また、柱542、543の間には間柱546が配置されている。ただし、間柱546は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
また、土台3、梁4および柱541、542で構成された枠状の軸組(第1軸組)111の内周面には枠組(第1枠組)72が固定されており、土台3、梁4および柱543、544で構成された枠状の軸組(第2軸組)112の内周面には枠組(第2枠組)73が固定されている。
枠組72は、梁4の下面に釘92で打ち付けられた合板受け材721と、土台3の上面に釘92で打ち付けられた合板受け材722と、柱541の内側面に釘92で打ち付けられた合板受け材723と、柱542の内側面に釘92で打ち付けられた合板受け材724とで構成されている。同様に、枠組73は、梁4の下面に釘92で打ち付けられた合板受け材731と、土台3の上面に釘92で打ち付けられた合板受け材732と、柱543の内側面に釘92で打ち付けられた合板受け材733と、柱544の内側面に釘92で打ち付けられた合板受け材734とで構成されている。なお、図7ないし図10では、釘92の図示を省略している。
合板受け材721、722、731、732の寸法(横断面寸法)としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、45mm×96mmとすることができ、合板受け材723、724、733、734の寸法(横断面寸法)としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、40mm×45mmとすることができる。
また、図10に示すように、枠組72の奥行が軸組111の奥行よりも小さく、枠組72の外面(一方の面)72aが軸組111の外面(一方の面)111aから内側に退避した状態となっている。これにより、枠組72の外面72aと軸組111の外面111aとの間に段差が形成され、この段差に構造用合板(第1面材)85が嵌め込まれている。そして、この構造用合板85が釘91で枠組72の外面72aに打ち付けられている。
同様に、枠組73の奥行が軸組112の奥行よりも小さく、枠組73の外面(一方の面)73aが軸組112の外面(一方の面)112aから内側に退避した状態となっている。これにより、枠組73の外面73aと軸組112の外面112aとの間に段差が形成され、この段差に構造用合板86が嵌め込まれている。そして、構造用合板(第2面材)86が釘91で枠組73の外面73aに打ち付けられている。
構造用合板85の輪郭は、軸組111の内周輪郭とほぼ一致しており、構造用合板85は、実質的に隙間なく軸組111の内側に嵌め込まれている。また、枠組72の外面72aと軸組111の外面111aとのギャップGが構造用合板85の厚みとほぼ等しく設定されており、構造用合板85の外面85aと軸組111の外面111aとが面一となっている。
同様に、構造用合板86の輪郭は、軸組112の内周輪郭とほぼ一致しており、構造用合板86は、実質的に隙間なく軸組112の内側に嵌め込まれている。また、枠組73の外面73aと、軸組112の外面112aとのギャップGが構造用合板86の厚みとほぼ等しく設定されており、構造用合板86の外面86aと軸組112の外面112aとが面一となっている。
構造用合板85、86としては、特に限定されないが、例えば、厚さが9mm〜12mmのスギ合板を用いることができる。また、釘91は、構造用合板85、86の外縁に沿って100mm間隔以下で打ち付けるのが好ましい。これにより、十分強固に、構造用合板85、86を枠組72、73(軸組111、112)に固定することができ、耐力壁10Cの壁倍率を高めることができる。なお、釘91に替えてビスを用いてもよい。前述したように、ビス止めすることで、釘止めした場合と比較して耐力壁10Cの壁強度(壁倍率)が向上する。
また、図8に示すように、構造用合板87は、構造用合板85、86の上から、これらに重なるようにして、軸組11の外面に釘91で打ち付けられている。具体的には、構造用合板87は、その高さ方向では梁4とまぐさ545との間に位置し、これらを連結するように配置され、その幅方向では、柱541と柱544との間に位置し、柱541、542、543、544を互いに連結するように配置されている。そして、構造用合板87は、釘91によって各柱541、542、543、544、梁4、まぐさ545、間柱546および構造用合板84、85に打ち付けられている。
また、構造用合板88は、構造用合板87と同じ形状をなしており、構造用合板87と軸組11を介して対向して配置され、軸組11の内面に釘91で打ち付けられている。すなわち、構造用合板87と同様に、構造用合板88は、その高さ方向では梁4とまぐさ545との間に位置し、これらを連結するように配置され、その幅方向では、柱541と柱544との間に位置し、柱541、542、543、544を互いに連結するように配置されている。そして、構造用合板88は、釘91によって、各柱541、542、543、544、梁4、まぐさ545および間柱546に打ち付けられている。
構造用合板87、88としては、特に限定されないが、例えば、厚さが9mm〜12mmのスギ合板を用いることができる。また、釘91は、構造用合板87、88の外縁に沿って100mm間隔以下で打ち付けるのが好ましい。これにより、十分強固に、構造用合板87、88を軸組11に固定することができ、耐力壁10Cの壁倍率を高めることができる。なお、釘91に替えてビスを用いてもよい。前述したように、ビス止めすることで、釘止めした場合と比較して耐力壁10Cの壁強度(壁倍率)が向上する。
≪耐力壁10D≫
図11に示すように、耐力壁10Dは、大壁仕様の耐力壁であり、並設されている2本の柱5(551、552)を構造用合板(面材)89で連結した構成となっている。柱551、552の中心間距離L4としては、特に限定されないが、例えば、900mm〜1800mm程度とすることが好ましい。
また、柱551、552の間には水平に延びる窓台553、554が上下に離間して配置され、梁4と窓台553との間の空間S6および窓台554と土台3との間の空間S7がそれぞれ窓等を設置する開口となっている。窓台553、554は、例えば、ホゾ付けで柱551、552に連結され、さらに、羽子板ボルト等の金物(図示せず)を用いて柱551、552に固定されている。
なお、空間S6、S7の高さとしては、特に限定されないが、それぞれ、600mm〜1200mm程度とすることができる。
また、柱551、552の間には間柱555が配置されている。ただし、間柱555は、必要に応じて配置すればよく、省略してもよい。
構造用合板89は、窓台553、554の間に、柱551、552を連結するように配置され、軸組11の外面に釘91で打ち付けられている。具体的には、構造用合板89は、その高さ方向では窓台553、554の間に位置し、これらを連結するように配置され、その幅方向では、柱551、552の間に位置し、これらを連結するように配置されている。そして、構造用合板89は、釘91によって各柱551、552、窓台553、554および間柱555に打ち付けられている。
構造用合板89としては、特に限定されないが、例えば、厚さが9mm〜12mmのスギ合板を用いることができる。また、構造用合板89の高さとしては、特に限定されないが、例えば、900mm〜1800mm程度とすることができる。また、釘91は、構造用合板89の外縁に沿って100mm間隔以下で打ち付けるのが好ましい。これにより、十分強固に、構造用合板89を軸組11に固定することができ、耐力壁10Dの壁強度を高めることができる。なお、釘91に替えてビスを用いてもよい。前述したように、ビス止めすることで、釘止めした場合と比較して耐力壁10Dの壁強度(壁倍率)が向上する。
以上、耐力壁10、10A、10B、10C、10Dの構成についてそれぞれ詳細に説明した。
次に、耐力壁10〜10Dの面内せん断耐力についての実験結果について簡単に説明する。
≪耐力壁10≫
耐力壁10として、図12に示す寸法の耐力壁であるサンプル1〜4と、図13に示す寸法の耐力壁であるサンプル5〜7と、図14に示す寸法の耐力壁であるサンプル8〜10とを用意した。なお、図12〜図14中の数字の単位は「mm」である。また図12〜図14中の「@」は、釘の打ち付け間隔を表している。すなわち、「@10」とは、10mm間隔で釘を打ち付けていることを意味する。このことは、後述する図についても同様である。ここで、図12および図13に示す耐力壁10は、それぞれ、木造軸組工法の評定番号「BCJ評定−LW0040−01」に対応する耐力壁である。
そして、これら耐力壁について、それぞれ、面内せん断耐力を計測した。図15に示すように、加力方法は、正負交番繰り返し加力とし、繰り返しは、見かけの頂部変位(せん断変位角)が1/450、1/300、1/200、1/150、1/100、1/75、1/50rad.の正負変形時に行い、同一変形段階で3回の繰り返し加力を行った。この結果を図16〜図25に示す。図16〜図25に示すように、サンプル1〜10のいずれもが高い面内せん断耐力を有し、サンプル1〜7では、約2.5倍相当の壁倍率を有し、サンプル8〜10では、約2.9倍相当の壁倍率を有していた。
なお、加力方法は、以下に示す耐力壁10A〜10Dの場合も同様である。
≪耐力壁10A≫
耐力壁10Aとして、図26に示す寸法の耐力壁であるサンプル11〜13を用意した。そして、これら耐力壁について、それぞれ、面内せん断耐力を計測した。この結果を図27〜図29に示す。図27〜図29に示すように、サンプル11〜13のいずれもが、高い面内せん断耐力を有し、約2.0倍相当の壁倍率を有していた。ここで、図26に示す耐力壁10Aは、木造軸組工法の評定番号「BCJ評定−LW0040−01」に対応する耐力壁である。
≪耐力壁10B≫
耐力壁10Bとして、図30に示す寸法の耐力壁であるサンプル14〜16と、図31に示す寸法の耐力壁であるサンプル17〜19とを用意した。そして、これら耐力壁について、それぞれ、面内せん断耐力を計測した。この結果を図32〜図37に示す。図32〜図37に示すように、サンプル14〜19のいずれもが、高い面内せん断耐力を有し、約4.2倍相当の壁倍率を有していた。
≪耐力壁10C≫
耐力壁10Cとして、図38に示す寸法の耐力壁であるサンプル20〜22を用意した。そして、これら耐力壁について、それぞれ、面内せん断耐力を計測した。この結果を図39〜図41に示す。図39〜図41に示すように、サンプル20〜22のいずれもが、高い面内せん断耐力を有し、約1.5倍相当の壁倍率を有していた。
≪耐力壁10D≫
耐力壁10Dとして、図42に示す寸法の耐力壁であるサンプル23〜25を用意した。そして、これら耐力壁について、それぞれ、面内せん断耐力を計測した。この結果を図43〜図45に示す。図43〜図45に示すように、サンプル23〜25のいずれもが、高い面内せん断耐力を有し、約0.5倍相当の壁倍率を有していた。
以上、本考案の耐力壁および木造建物について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本考案はこれに限定されるものではない。例えば、本考案の耐力壁および木造建物では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、面材として、構造用合板(複数枚の単板を、繊維方向を交互に重ねて熱圧接着したもの)を用いているが、面材としては、これに限定されない。例えば、木材チップや木材繊維を加熱圧縮して成型したものを用いることができる。
1 木造住宅
10 耐力壁
10A 耐力壁
10A’ 第1壁部
10A” 第2壁部
10B 耐力壁
10C 耐力壁
10D 耐力壁
11 軸組
11a 外面
11b 内面
111 軸組
111a 外面
112 軸組
112a 外面
2 基礎
21 アンカーボルト
22 アンカーボルト
3 土台
4 梁
41 アンカーボルト
5 柱
511 柱
512 柱
521 柱
522 柱
523 柱
524 窓台
525 窓たて
526 間柱
527 間柱
541 柱
542 柱
543 柱
544 柱
545 まぐさ
546 間柱
551 柱
552 柱
553 窓台
554 窓台
555 間柱
561 柱
562 柱
6 ホールダウン金物
71 枠組
71a 外面
711 合板受け材
712 合板受け材
713 合板受け材
714 合板受け材
72 枠組
72a 外面
721 合板受け材
722 合板受け材
723 合板受け材
724 合板受け材
73 枠組
73a 外面
731 合板受け材
732 合板受け材
733 合板受け材
734 合板受け材
81 構造用合板
81a 外面
82 構造用合板
821 合板
822 合板
83 構造用合板
84 構造用合板
85 構造用合板
85a 外面
86 構造用合板
86a 外面
87 構造用合板
88 構造用合板
89 構造用合板
9 構造用合板
91 釘
92 釘
G ギャップ
L1 中心間距離
L2 中心間距離
L3 中心間距離
L4 中心間距離
S2 空間
S4 開口
S6 空間
S7 空間
Y 筋交い
W 壁長

Claims (15)

  1. 枠状の軸組と、
    前記軸組の内周面に固定された枠状の枠組と、
    前記軸組に嵌め込まれ、前記枠組に釘止めまたはビス止めされた第1面材と、を有することを特徴とする耐力壁。
  2. 前記枠組の一方の面と前記軸組の一方の面との間には段差が形成されており、
    前記第1面材は、前記軸組の前記一方の面側から前記段差に嵌め込まれている請求項1に記載の耐力壁。
  3. さらに、前記軸組の前記第1面材が嵌め込まれている側とは反対側の面に釘止めまたはビス止めされた第2面材を有している請求項1または2に記載の耐力壁。
  4. 前記軸組は、土台と、前記土台の上方に配置された梁と、前記土台と前記梁とを連結する一対の柱とにより形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐力壁。
  5. 前記軸組は、上下に離間して配置された一対の梁と、前記一対の梁を連結する一対の柱とにより形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐力壁。
  6. 壁長が450mm〜1000mmである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の耐力壁。
  7. 開口を有する第1壁部と、
    前記第1壁部に隣接して設けられ、壁長が900mm以上の第2壁部と、を有することを特徴とする耐力壁。
  8. 土台と、前記土台の上方に配置された梁と、前記土台と前記梁とを連結する並設された第1柱、第2柱および第3柱と、により形成された枠状の軸組を有し、
    前記第1壁部は、開口を有するかまたは上下に分割された第1面材を、前記第1柱と前記第2柱とを連結するように前記軸組の一方の面に釘止めまたはビス止めすることにより形成され、
    前記第2壁部は、第2面材を、前記第2柱と前記第3柱とを連結するように、前記軸組の一方の面に釘止めまたはビス止めすることにより形成されている請求項7に記載の耐力壁。
  9. 上下に離間して配置された一対の梁と、前記一対の梁を連結する並設された第1柱、第2柱および第3柱と、により形成された枠状の軸組を有し、
    前記第1壁部は、開口を有するかまたは上下に分割された第1面材を、前記第1柱と前記第2柱とを連結するように前記軸組の一方の面に釘止めまたはビス止めすることにより形成され、
    前記第2壁部は、第2面材を、前記第2柱と前記第3柱とを連結するように、前記軸組の一方の面に釘止めまたはビス止めすることにより形成されている請求項7に記載の耐力壁。
  10. 互いに離間して並設された枠状の第1軸組および第2軸組と、
    前記第1軸組の内周面に固定された枠状の第1枠組と、
    前記第2軸組の内周面に固定された枠状の第2枠組と、
    前記第1軸組に嵌め込まれ、前記第1枠組に釘止めまたはビス止めされた第1面材と、
    前記第2軸組に嵌め込まれ、前記第2枠組に釘止めまたはビス止めされた第2面材と、
    前記第1軸組と前記第2軸組との間に開口を残しつつ、前記第1面材および前記第2面材上に重なるように前記第1軸組と前記第2軸組とに跨って配置され、前記第1軸組と前記第2軸組とに釘止めまたはビス止めされた第3面材と、
    前記第1軸組および前記第2軸組を介して前記第3面材と対向配置され、前記第1軸組と前記第2軸組とに釘止めまたはビス止めされた第4面材と、を有することを特徴とする耐力壁。
  11. 土台と、前記土台の上方に配置された梁と、前記土台と前記梁とを連結する並設された第1柱、第2柱、第3柱および第4柱と、を有し、
    前記土台、前記梁、前記第1柱および前記第2柱で前記第1軸組が形成され、
    前記土台、前記梁、前記第3柱および前記第4柱で前記第2軸組が形成され、
    前記第2柱および前記第3柱の間に前記開口が形成されている請求項10に記載の耐力壁。
  12. 上下に離間して配置された一対の梁と、前記一対の梁を連結する並設された第1柱、第2柱、第3柱および第4柱と、を有し、
    前記一対の梁、前記第1柱および前記第2柱で前記第1軸組が形成され、
    前記一対の梁、前記第3柱および前記第4柱で前記第2軸組が形成され、
    前記第2柱および前記第3柱の間に前記開口が形成されている請求項10に記載の耐力壁。
  13. 前記開口の壁長は、900mm〜1800mmである請求項10ないし12のいずれか1項に記載の耐力壁。
  14. 枠状の軸組と、
    前記軸組の上端部および下端部に開口が形成されるように、前記軸組の上端部および下端部を除く中央部に釘止めまたはビス止めされた面材と、を有することを特徴とする耐力壁。
  15. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の耐力壁を有することを特徴とする木造建物。
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