JP7364189B2 - 固液分離システム - Google Patents
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Description
また、後段部において傾斜板の間隔を広くする必要がなく、また傾斜板の長さを短くする必要がないため、有効沈降面積を減少させなくてもよく、処理能力の低下を防ぐことができる。
このように、有効沈降面積を低減させずに複数の傾斜板における流量の偏りを抑制することができる。
これにより、水流に適切に抵抗を与えることができる。
(固液分離システム100)
図1は、本実施の形態の固液分離システム100を示す図である。本実施の形態の固液分離システム100は、下水処理場の最終沈殿池Pにおける被処理水Wの固液分離に適用される。
短絡流防止板18は、傾斜板装置10の下側に配置されている。短絡流防止板18は、傾斜板装置10の前段部への流入水に抵抗を与えて、前段部と後段部における流入する水量の偏りを抑制する。また、短絡流防止板18は、被処理水が傾斜板装置10の下水用傾斜板20の間を通過せずに阻流板11と傾斜板装置10の間を通って傾斜板装置10を短絡することを防止する。
取付部材19は、短絡流防止板18を傾斜板装置10に取り付ける。
図2は、傾斜板装置10の一部の構成を模式的に示す斜視図である。図3は、傾斜板装置10および阻流板11を示す側面図である。図4Aは、傾斜板装置10の方向Dに対して垂直な断面における傾斜板装置10を示す図である。図4Bは、短絡流防止板18と、下水用傾斜板20の配置関係を示す平面図である。
図2に示すように、傾斜板装置10は、複数の下水用傾斜板20と、一対の上側フレーム21と、一対の下側フレーム22と、複数の支持棒23と、複数のフック24と、を有している。
下水用傾斜板20は、概ね長方形状の部材で形成されている。下水用傾斜板20の材質としては、硬質塩化ビニルが好ましいが、これに限るものではない。傾斜板の材質は、たとえば、熱可塑性樹脂、たとえばポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリカーボネート等のカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ABS等のスチレン系樹脂あるいはこれらの共重合体や混合樹脂であってもよいし、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂であってもよく、金属、セラミック、木材、ゴム等であってもよい。
下水用傾斜板20は、図5(a)および図5(b)に示すように、第1面20aと、第2面20bと、上端部20iと、下端部20jと、第1端部20cと、第2端部20dと、を有する。
第1端部20cと第2端部20dは、上側フレーム21から下側フレーム22に向かって傾斜して配置される。
図5(a)に示す下水用傾斜板20の第2面20bには、汚泥の捕捉処理が行われている。ここで、汚泥の捕捉処理とは、被処理水中の汚泥が最終沈殿池Pから流出しないように、下水用傾斜板20の第2面20bを汚泥の滞留し易い状態にする処理である。例えば、傾斜板の表面の粗さを強くすることや、表面に沿った汚泥の動きに沿った方向または直交する方向に凹凸を形成することにより傾斜板の表面に汚泥が付着し易い状態にすることができるが、これに限定されるものではない。表面の粗面化の方法は特に限定されるものではないが、たとえばサンドブラストなどで機械的に加工されていてもよく、或いは、所定の薬剤による微細なエッチング加工または所定の面粗度の型によるプレス加工などであってもよい。また、捕捉処理は、第2面20bの全体に施されていなくてもよい。
なお、下水用傾斜板20は、異形押出成形、射出成形などで作成することができるが、押出成形が好ましい。
短絡流防止板18は、傾斜板装置10に流入する水量の偏りを抑制する。
短絡流防止板18は、板状の部材である。短絡流防止板18は、傾斜板装置10の下側に配置されている。
開口率(%)=(開口部面積の総和/短絡流防止板の見かけ面積)×100・・・(1)
本実施の形態では、図4Bに示すように、短絡流防止板18は、その一部が平面視において複数の下水用傾斜板20と重なるように配置されている。
また、阻流板11と最も阻流板11側に配置された下水用傾斜板20の下端部20jとの間隔をWとすると、短絡流防止板18は、間隔Wの少なくとも一部に対向するように配置されている方が好ましい。なお、短絡流防止板18が間隔Wの少なくとも一部に対向するとは、短絡流防止板18が平面視において間隔Wの少なくとも一部を塞ぐように配置されているともいえる。また、できるだけ間隔Wの全体に亘って対向するように短絡流防止板18が配置されている方がより好ましい。
取付部材19は、短絡流防止板18を傾斜板装置10に取り付ける。図10(a)は、取付部材19の側面図であり、図10(b)は、矢印D方向に沿って取付部材19を見た図である。
以下に、本発明にかかる実施の形態の下水用傾斜板20の支持棒23への取り付け方法について説明する。
以上、本発明による実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記実施の形態の下水用傾斜板20は、複数枚の傾斜板に分割されていてもよい。その場合、複数の下水用傾斜板20の間を接続する接続部材が設けられていてもよい。
上記実施の形態では、フック24によって下水用傾斜板20を支持棒23に支持されているが、フックに限らなくてもよく、複数の下水用傾斜板20を並んで配置することができさえすれば支持方法は限定されるものではない。
上記実施の形態では、間隔Wから阻流板11側の一部の下水用傾斜板20の間にわたって矢印D方向において一枚の短絡流防止板18で下方から覆っているが、これに限られるものではなく、複数の短絡流防止板18に分割されていてもよい。また、複数の短絡流防止板に隙間が設けられていてもよい。
上記実施の形態では、短絡流防止板18に縁部18bが設けられているが、縁部18bが設けられていなくてもよく、その場合、例えば配置部432と短絡流防止板18の双方に上下方向に貫通孔を形成し、ボルトとナット等で固定すればよい。
上記実施の形態では、間隔Wと、一部の下水用傾斜板20の間との双方に対向するように短絡流防止板18が配置されているが、間隔Wまたは一部の下水用傾斜板20の間のいずれか一方のみ対向するように配置されていてもよい。
上記実施の形態では、短絡流防止板18は、取付部材19を介して傾斜板装置10に取り付けられているが、これに限られるものではなく、下水用傾斜板20の下端部20jに短絡流防止板18を接続してもよいし、阻流板11の下端に短絡流防止板18を接続してもよい。
11 :阻流板
12 :越流堰
13 :水路
14 :流入部
15 :流出部
16 :機
17 :汚泥ホッパー
18 :短絡流防止板
19 :取付部材
20 :下水用傾斜板
P :最終沈殿池
Claims (4)
- 沈殿池と、
前記沈殿池内に設置され、複数の傾斜板を有する傾斜板装置と、
平面視において、複数の前記傾斜板と一部が重なるように配置されている板状部材と、
前記沈殿池に被処理水が流入する流入部と、
前記沈殿池から処理水が流出する流出部と、
前記傾斜板装置の前記流入部側に配置された阻流板と、を備え、
前記板状部材は、前記傾斜板装置に接続されており、
前記板状部材は、前記阻流板の前記流出部側に配置され、
前記板状部材は、最も前記阻流板側に配置された前記傾斜板と前記阻流板との間隔の少なくとも一部に対向し、前記流入部から前記流出部に向かう方向に沿って配置されており、前記傾斜板装置の前記流出部側の下側には、配置されていない、
固液分離システム。 - 前記板状部材は、開口部を有する、
請求項1に記載の固液分離システム。 - 前記開口部は、前記開口部が形成されていないと仮定した場合の前記板状部材の面積に対して5~90%の面積を有する、
請求項2に記載の固液分離システム。 - 前記板状部材は、前記傾斜板の下端部との間の距離が、0~1000mmの間で調整可能に前記傾斜板装置に接続されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の固液分離システム。
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