JP7362029B2 - クリーニング装置、ベルト装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8(ベルト部材)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7Y(光書込ヘッド)から発せられた露光光の照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写ローラ(9Y)の1次転写ニップを順次通過する。こうして、各感光体ドラム(1Y)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部26には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
その後、シートPは、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部(本体カバー110)上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ6Yは、感光体ドラム1Y(像担持体)、帯電ローラ4Y(帯電装置)、現像装置5Y、クリーニング装置2Y、等で構成される。
像担持体としての感光体ドラム1Yは、負帯電の有機感光体であって、装置本体100側に設置された駆動モータから駆動力を受けて図2の時計方向に回転駆動される。
クリーニング装置2Yは、感光体ドラム1Yに摺接するクリーニングブレード2aが設置されていて、感光体ドラム1Y上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。クリーニングブレード2aは、ウレタンゴム等の弾性材料で形成された略板状部材であって、感光体ドラム1Yに対して所定の当接圧及び当接角で当接している。
現像装置5Yは、現像剤担持体としての現像ローラ51、供給部材としての供給ローラ53、現像剤規制部材としてのドクターブレード52、撹拌部材としての撹拌パドル54、搬送部材としての搬送スクリュ55、等で構成されている。
先に図1を用いて説明したように、本実施の形成における画像形成装置100には、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15が設置されている。
そして、図1、図3(A)等に示すように、中間転写ベルト装置15には、ベルト部材としての中間転写ベルト8や、クリーニングブレード16や、対向ローラ17や、対向ローラ17用のクリーニング装置18、などが設置されている。
クリーニングブレード16は、中間転写ベルト8(ベルト部材)の表面(画像担持面)に当接して中間転写ベルト8の表面に付着した付着物(主として、未転写トナーである。)を除去するブレード状部材である。クリーニングブレード16によって掻き取られた未転写トナーなどの付着物は、不図示のケース内に回収される。
回転体としての対向ローラ17は、中間転写ベルト8を介してクリーニングブレード16に当接している。対向ローラ17を設置することで、中間転写ベルト8に圧接するクリーニングブレード16の姿勢が定まりやすくなるため、クリーニングブレード16によるクリーニング性が向上することになる。なお、対向ローラ17は、両端の回転軸17aがそれぞれ軸受を介して装置筐体に回転可能に保持されていて、中間転写ベルト8の移動に沿うように図3の反時計方向に従動回転(連れ回り)することになる。
画像形成装置100において印刷動作が繰り返しおこなわれていくと、中間転写ベルト8の内周面(ウラ面)にトナーや紙粉やベルトカス等の付着物W(異物)が付着してしまうことがある。そして、図3を参照して、中間転写ベルト8の内周面に付着した付着物Wが、対向ローラ17に移行して付着してしまうと、対向ローラ17に付着した付着物Wによって中間転写ベルト8が持ち上がって、クリーニングブレード16の圧接状態が変化してしまい、クリーニング不良やブレード破損などの不具合が発生してしまうことになる。
これに対して、本実施の形態では、対向ローラ17の表面をクリーニングするクリーニング装置18を設置しているため、そのような不具合の発生を軽減することができる。
駆動機構75は、板状部材としてのスクレーパ19を移動させて対向ローラ17(回転体)に対するスクレーパ19の当接状態を調整する調整手段として機能するものである。
支持部材20は、樹脂材料などからなる剛体であって、スクレーパ19(板状部材)を片持ち支持している。具体的に、スクレーパ19は、その根元部が支持部材20に貼着されていて、その先端部が対向ローラ17の外周面に回転軸17aの軸方向にわたって圧接している。また、支持部材20には、対向ローラ17(回転体)の回転軸17aに嵌合する長穴20a(略矩形状の穴部である。)が形成されている(回転軸17aの軸方向の両端にそれぞれ形成されている。)。支持部材20は、回転軸17aに回転可能に支持されている。本実施の形態において、長穴20aは、その長手方向が、対向ローラ17に当接しない状態でスクレーパ19が延在する方向(回転軸17aの軸方向に対して直交する方向)に対してほぼ平行になるように形成されている。
本実施の形態における駆動機構75(調整機構)は、制御部70による制御によって、スクレーパ19とともに支持部材20を、矢印S1方向に直線移動させるか、対向ローラ17の回転軸17aを中心に矢印S2方向に回転移動させるか、矢印S1方向に直線移動させるとともに矢印S2方向に回転移動させるか、のいずれか1つの移動動作をさせることで、スクレーパ19の当接状態を自動調整するように構成されている。
支持部材20を、矢印S1方向に直線移動させる第1駆動機構としては、ピニオン・ラック機構などを用いることができる。また、支持部材20を矢印S2方向に回転移動させる第2駆動機構としては、カム機構などを用いることができる。そして、このような第1、第2駆動機構のうち少なくとも一方によって駆動機構75(調整機構)が構成されることになる。
特に、本実施の形態におけるスクレーパ19は、低コスト化や軽量化や省スペース化を目的として、経時で変形や摩耗が生じやすいPETなどで形成されたものを用いているため、本発明の構成が有用になる。
なお、本実施の形態では、調整手段として制御部70による制御によってスクレーパ19の当接状態を自動調整する駆動機構75を用いたが、調整手段としてスクレーパ19の当接状態を手動調整する駆動機構を用いることもできる。
そして、駆動機構75(調整手段)は、フォトセンサ21(検知手段)の検知結果に基づいてスクレーパ19(板状部材)を移動させることになる。具体的に、フォトセンサ21の出力値が所定の閾値を超えたときに、スクレーパ19によるクリーニング性が低下して、フォトセンサ21の対向位置で対向ローラ17の表面に多量の付着物Wが付着しているものとして、駆動機構75によってスクレーパ19の当接条件を調整している。
まず、スクレーパ19が新品状態であるときには、図3(A)に示すように、支持部材20は基準位置に位置している。このとき、スクレーパ19は最適な当接条件で対向ローラ17に当接しているため、図3(A)に示すように、中間転写ベルト8から対向ローラ17に移行した付着物Wがスクレーパ19によってきれいに掻き取られることになる。そのため、その下流側に位置するフォトセンサ21によって付着物Wは検知されないことになる。
これに対して、経時で、対向ローラ17との摺接が繰り返されていき、スクレーパ19に変形や撓みが生じてしまうと、スクレーパ19が最適な当接条件で対向ローラ17に当接しない状態になるため、図3(B)に示すように、中間転写ベルト8から対向ローラ17に移行した付着物Wがスクレーパ19によってきれいに掻き取られないことになる。そのため、その下流側に位置するフォトセンサ21によって、スクレーパ19の当接位置をすり抜けた付着物Wが検知されることになる。
そして、このようにフォトセンサ21によって一定量以上の付着物Wが検知されると、制御部70による駆動機構75の制御によって、例えば、図3(C)に示すように、スクレーパ19とともに支持部材20が矢印S1方向に直線移動するとともに矢印S2方向に回転移動する。これにより、スクレーパ19が再び最適な当接条件で対向ローラ17に当接して、図3(C)に示すように、中間転写ベルト8から対向ローラ17に移行した付着物Wがスクレーパ19によってきれいに掻き取られることになる。このような駆動機構75による調整は、フォトセンサ21によって付着物Wが検知されなくなるまでおこなわれる。
そして、さらに経時でスクレーパ19に変形や撓みが生じてフォトセンサ21によって付着物Wが検知されたときには、図3(A)~(C)と同様の動作が繰り返されることになる。
これに対して、駆動機構75における第1駆動機構と第2駆動機構とを別々に制御して、スクレーパ19(支持部材20)の矢印S1方向の直線移動と矢印S2方向の回転移動とを別々のタイミングでおこなうこともできる。
例えば、スクレーパ19が磨耗しやすい材質で形成されている場合には、スクレーパ19の食い込み量M(図4参照)が変化しやすくて、矢印S1方向への直線移動を優先させた方が最適な当接条件にすばやく近づけることができるため、回転移動よりも直線移動の度合いを多くする。また、スクレーパ19が撓みやすい材質(へたりやすい材質)で形成されている場合には、スクレーパ19の撓み量N(図4参照)が変化しやすくて、矢印S2方向への回転移動を優先させた方が、腹当りすることなく最適な当接条件にすばやく近づけることができるため、直線移動よりも回転移動の度合いを多くする。
このようなことから、スクレーパ19の特性などに合わせて、適宜に、直線移動と回転移動とを別々のタイミングでおこなうこともできる。
なお、「スクレーパ19の食い込み量M」とは、作図上、対向ローラ17がなかったときに弾性変形していない状態のスクレーパ(図4にて破線で示すものである。)に対して、対向ローラ17が重なり合う量であるものと定義する。
また、「スクレーパ19の撓み量N」とは、作図上、対向ローラ17がなかったときに弾性変形していない状態のスクレーパ(図4にて破線で示すものである。)が、対向ローラ17との当接によって弾性変形して反り上がる量(変形量)であるものと定義する。
これに対して、図5(A)に示すように、スクレーパ19の矢印S1方向(図3参照)の突出し量が小さくなり過ぎると、撓み量N´が小さくなって、当接圧F´も小さくなってしまう(N´<N、F´<F)ため、クリーニング性が低下してしまう。さらに、スクレーパ19は、突出し量が小さくなり過ぎると、座屈によって、図5(A)にて破線示したような変形(めくれ)が生じやすくなる。
そのため、経時でスクレーパ19の摩耗や撓みによって突出し量が小さくなってしまったときに、図5(B)に示すように、スクレーパ19を矢印S1方向に直線移動するとともに矢印S2方向に回転移動することにより、スクレーパ19が腹当りせずに、座屈が生じない範囲で、最適な当接圧Fが維持されるように、当接条件(食い込み量M、及び、撓み量N)を調整している。
図6(A)~(C)は、変形例としての中間転写ベルト装置15の要部の動作を示す図であって、本実施の形態における図3(A)~(C)に対応する図である。
図6に示すように、変形例では、支持部材20に形成された長穴20aの長辺20a1が、対向ローラ17(回転体)に当接しない状態でスクレーパ19(板状部材)が延在する方向(回転軸17aの軸方向に対して直交する方向)に対して傾斜するように形成されている。
このように構成した場合には、駆動機構75によって支持部材20を直線移動させたときに、支持部材20(スクレーパ19)は長穴20aの傾斜に沿うように矢印R方向(図3の矢印S方向に対して傾斜した方向である。)に移動することになる。
これにより、駆動機構75によって支持部材20(スクレーパ19)を回転軸17aを中心に回転移動させなくても、スクレーパ19に摩耗や撓みが生じたときに、スクレーパ19の当接条件を最適なものに調整しやすくなる。そのため、駆動機構75(調整手段)の構成が簡略化されることになる。
そして、変形例においても、本実施の形態のものと同様に、経時においてもクリーニング装置18(スクレーパ19)によるクリーニング性の低下を軽減することができる。
これにより、経時においてもクリーニング装置18(スクレーパ19)によるクリーニング性を低下しにくくすることができる。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト8(ベルト部材)を挟んで、上方にクリーニングブレード16が設置されて、下方に対向ローラ17(回転体)が設置された中間転写ベルト装置15(ベルト装置)に対して、本発明を適用した。しかし、本発明が適用されるベルト装置は、これに限定されることなく、例えば、ベルト部材を挟んで、上方に回転体が設置されて、下方にクリーニングブレードが設置されたベルト装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、支持部材20を直線移動させるとともに回転移動させるように調整部材(駆動機構75)を構成して、変形例では支持部材20を回転移動させずに長穴20aの長手方向に沿って直線移動させるように調整部材(駆動機構75)を構成したが、支持部材を直線移動させずに回転体の回転軸を中心に回転移動させるように構成することもできる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
15 中間転写ベルト装置(ベルト装置)、
16 クリーニングブレード、
17 対向ローラ(回転体)、
17a 回転軸、
18 クリーニング装置(対向ローラ・クリーニング装置)、
19 スクレーパ(板状部材)、
20 支持部材、
20a 長穴、
20a1 長辺、
21 フォトセンサ(検知手段)、
75 駆動機構(調整手段)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
W 付着物。
Claims (5)
- 所定の回転方向に回転する回転体に当接して、前記回転体の表面に付着した付着物を除去する板状部材と、
前記板状部材を片持ち支持するとともに、前記回転体の回転軸に嵌合する長穴が形成された支持部材と、
前記板状部材が前記回転体に当接する位置に対して前記回転方向の下流側に設置されて、印刷動作がおこなわれているときに前記回転体に付着した付着物を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、前記印刷動作がおこなわれているときに前記板状部材を移動させて前記回転体に対する前記板状部材の当接状態を調整する調整手段と、
を備え、
前記調整手段は、前記支持部材を、前記長穴の長手方向に沿って直線移動させるか、前記直線移動させるとともに前記回転軸を中心に回転移動させるか、のどちらか一方の移動動作をさせ、
前記板状部材が摩耗しやすい材質で形成されている場合には、前記板状部材が摩耗しにくい材質で形成されている場合に比べて、前記回転移動よりも前記直線移動の度合いが多くなるように前記調整手段を制御し、
前記板状部材が撓みやすい材質で形成されている場合には、前記板状部材が撓みにくい材質で形成されている場合に比べて、前記直線移動よりも前記回転移動の度合いが多くなるように前記調整手段を制御することを特徴とするクリーニング装置。 - 前記印刷動作は、ベルト部材の外周面に形成された所望の画像をシートの表面に転写する動作をともなうものであって、
前記回転体は、前記ベルト部材の内周面に当接することを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。 - 前記調整手段は、前記回転体に対して前記板状部材が腹当りせずに前記回転体に対する前記板状部材の当接圧が略一定になるように、前記回転体に対する前記板状部材の食い込み量と前記板状部材の撓み量とを調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクリーニング装置。
- 請求項1~請求項3のいずれかに記載のクリーニング装置を備えたベルト装置であって、
所定方向に移動するベルト部材と、
前記ベルト部材の表面に当接して前記ベルト部材の表面に付着した付着物を除去するクリーニングブレードと、
前記ベルト部材を介して前記クリーニングブレードに当接する前記回転体としての対向ローラと、
を備えたことを特徴とするベルト装置。 - 請求項1~請求項3のいずれかに記載のクリーニング装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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