JP7361668B2 - 凍結工法用セグメント及び凍結工法 - Google Patents

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Description

本発明は、凍結工法用セグメント及び凍結工法に関する。
特許文献1には、掘削されたトンネルの周方向及び軸方向に沿って複数のセグメントを組み立てることにより構成されたシールドトンネルの覆工体の内側に、シールドトンネルの周辺地盤を凍結するための凍結管を配置した構成が開示されている。
特開2016-160717号公報
特許文献1に記載の発明では、凍結管がコンクリート製のセグメントの内周面に配置されている。一般的にコンクリート製のセグメントは伝熱性が低いため、凍結管に冷媒を流通させてから、シールドトンネルの周辺地盤の温度が低下して凍土が造成されるまでには比較的長い時間を要することとなる。このため、十分な強度の凍土が造成されてから行われる次工程の開始が遅れ、工期が長くなり、結果として施工コストが増大するおそれがある。
本発明は、シールドトンネルの周囲に効率よく凍土を造成可能なセグメントを提供することを目的とする。
本発明は、地中に構築される坑の周方向及び軸方向に沿って組み立てられ覆工体となる凍結工法用セグメントであって、少なくともコンクリートを含み形成され、トンネルに面する外周面と凍結管が取り付けられる内周面とを有する本体部と、本体部に設けられ、本体部よりも熱伝導率が高い熱伝導部と、を備え、熱伝導部は、内周面側において少なくとも凍結管と対向する位置に配置され、当該位置から外周面に向かって延在する。
本発明によれば、シールドトンネルの周囲に効率よく凍土を造成可能なセグメントを提供することができる。
本線とランプとが分岐・合流する分岐合流部の平面図である。 図1のA-A線に沿う断面図である。 地下構造物の施工方法を時系列に沿って示す模式図である。 図3に続く地下構造物の施工方法を時系列に沿って示す模式図である。 凍土を造成する構成を説明するための図である。 図5の矢印Bで示される方向に向かって見た図である。 図6のC-C線に沿う断面図である。 図7の矢印Dで示される方向に向かって見た図である。 第1変形例を示す図であり、図7に相当する断面を示した断面図である。 第2変形例を示す図であり、図8と同じ方向で見た図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る凍結工法用セグメント100及び凍結工法用セグメント100を用いた凍結工法について説明する。
本発明の実施形態に係る凍結工法用セグメント100は、地中に構築されるトンネル(掘削坑)や立坑といった坑の壁面に沿って設けられることによって、坑の覆工体となるものであり、例えば、地中(地山)を掘進するシールド掘進機の後方において、掘削されたトンネル(掘削坑)の壁面に沿って嵌め合わせられることによってトンネルの覆工体となるセグメントピースとして用いられるものである。
以下では、凍結工法用セグメント100が、地中に大断面トンネル10を構築する過程で形成される後述の先行シールドトンネル21の先行外殻21Aの構築に用いられる場合について説明する。なお、本発明の実施形態に係る凍結工法用セグメント100は、このような先行外殻21Aの構築に用いられるものに限定されない。
大断面トンネル10は、図1及び図2に示すように、本線シールドトンネル11とランプシールドトンネル12との分岐合流領域を囲むように構築される地下構造物であり、地下空洞14の外郭となる略円弧状の外郭躯体15を備えている。図1は、本線とランプ(傾斜路)とが分岐・合流する分岐合流部の平面図であり、図2は、図1のA-A線に沿う断面図である。なお、本線シールドトンネル11及びランプシールドトンネル12は、それぞれシールド工法によって予め地中に掘削された断面が円形のシールドトンネルである。
外郭躯体15は、本線シールドトンネル11及びランプシールドトンネル12を囲むように重なり合って構築された複数のシールドトンネル20と、複数のシールドトンネル20内に構築された鋼板コンクリート構造物30と、により構成される躯体である。
次に、図3及び図4を参照し、外郭躯体15を備えた大断面トンネル10を施工する方法について簡単に説明する。図3の(A)~(C)及び図4の(A)~(C)は、大断面トンネル10を施工する方法を時系列に沿って示した模式図である。
まず、図3(A)を参照し、シールドトンネル20のうち先行して施工される先行シールドトンネル21を形成する工程について説明する。この工程では、大断面トンネル10の一端側に予め施工された図示しない発進基地から大断面トンネル10の他端側へ向けて複数の先行シールド掘進機(不図示)が発進することにより、複数の先行シールドトンネル21が構築される。
複数の先行シールド掘進機は、本線シールドトンネル11及びランプシールドトンネル12を囲むようにして周方向に所定の間隔をあけて発進する。先行シールド掘進機の掘削により地中(地山)に形成された先行掘削坑(トンネル、坑)21Bの内周面には、複数のセグメントピースを組み立てて周方向に閉合された所定幅(例えば1m)のセグメントリングが順次形成される。複数のセグメントリングがトンネル軸方向において連結されることで、シールドトンネル20の外殻20Aの一部であり、先行シールドトンネル21の一部である先行外殻21Aが形成される。
これにより、本線シールドトンネル11及びランプシールドトンネル12を囲むようにして、複数の先行シールドトンネル21が周方向に所定の間隔をあけて構築される。
また、この工程では、続いて行われる後行シールドトンネル22の形成に備えて、凍土(凍結土壌)24の造成が行われる。凍土24の造成は、先行外殻21Aの内周面に取り付けられた図示しない凍結管に冷媒を流すことにより行われる。この工程での凍土24の造成は、先行外殻21Aの全周ではなく、先行外殻21Aのうち、後行シールドトンネル22を構築する後行シールド掘進機(不図示)によって切削される部分を含む所定の範囲の凍結管に冷媒が流される。所定の範囲には、先行外殻21Aと後行外殻22Aの境界部が含まれることが好ましい。なお、凍土24を造成する際の先行シールドトンネル21の構成については、後述する。
次に、図3(B)を参照し、後行シールドトンネル22を形成する工程について説明する。この工程では、発進基地から先行シールドトンネル21に沿って後行シールド掘進機(不図示)が発進することにより、隣り合う2つの先行シールドトンネル21の間に後行シールドトンネル22が構築される。
後行シールド掘進機は、所定の間隔をあけて隣接するトンネルであって、本実施形態では2つの先行シールドトンネル21の先行外殻21Aの一部を切削しながら掘進する。後行シールド掘進機の掘削により地中(地山)に形成された後行掘削坑(トンネル)22Bの内周面には、先行シールドトンネル21の形成工程と同様にして、シールドトンネル20の外殻20Aの一部であり、後行シールドトンネル22の一部または全部である後行外殻22Aが形成される。
これにより、後行シールドトンネル22は、トンネルの軸方向の全域にわたって、隣接する先行シールドトンネル21と一部が重なり合った状態で構築される。そして、周方向において交互に配置される先行シールドトンネル21の先行外殻21Aと後行シールドトンネル22の後行外殻22Aとによって、本線シールドトンネル11及びランプシールドトンネル12を囲む環状の外殻20Aが形成される。
上述のように、先行シールドトンネル21の周囲には、凍土24が造成されていることから、先行シールドトンネル21の先行外殻21Aの一部が後行シールド掘進機によって切削されても、先行シールドトンネル21内に地下水が流入することが防止される。
続いて、図3(C)を参照し、シールドトンネル20の周囲に凍土25を造成する工程について説明する。この工程では、続いて行われる外殻20A内への鋼板コンクリート構造物30の形成に備えて、凍土(凍結土壌)25の造成が行われる。凍土25の造成は、先行外殻21A及び後行外殻22Aの内周面に取り付けられた図示しない凍結管に冷媒を流すことにより行われる。この工程での凍土25の造成は、先行外殻21A及び後行外殻22Aの外側、つまり、シールドトンネル20の外殻20Aの外側全体に渡って行われる。このように外殻20Aの外側全体に渡って凍土25を造成することで、次の工程において、シールドトンネル20内に地下水が流入することを防止することが可能となる。
次に、図4(A)を参照し、外殻20A内に鋼板コンクリート構造物30を形成する工程について説明する。
この工程では、まず、先行シールドトンネル21と後行シールドトンネル22とを隔てている後行外殻22Aの一部を撤去して、先行シールドトンネル21の内部空間と後行シールドトンネル22の内部空間とを連通する連通開口部を形成する。なお、上述のように、シールドトンネル20の周囲には凍土25が造成されていることから、連通開口部を形成したとしても先行シールドトンネル21及び後行シールドトンネル22内に地下水が流入することは防止される。
そして、連通開口部が形成されることによって環状空間となったシールドトンネル20内の空間に、鋼材によって組み立てられた鋼材構造体を配置し、さらに、鋼材構造体が配置されたシールドトンネル20内にコンクリートを打設することによって、外殻20A内には、環状の鋼板コンクリート構造物30が構築される。
シールドトンネル20内に打設されたコンクリートが硬化し、鋼板コンクリート構造物30とシールドトンネル20とが一体的な躯体となることによって、図4(B)に示すように、外郭躯体15が構築される。
外郭躯体15が構築されると、図4(B)に示されるように、外郭躯体15が構築された部分において凍結管への冷媒の供給が順次停止され、外殻20Aの外側に造成された凍土25が徐々に解凍される。
そして、凍土25の解凍が完了すると、図4(C)に示されるように、外郭躯体15内の掘削が行われる。この工程では、外郭躯体15内を上方から下方に向かって徐々に掘削することにより、外郭躯体15内に地下空洞14を形成する。
以上のような工程を経て、図2に示すように、地下空洞14の外郭となる外郭躯体15を備えた大断面トンネル10が構築される。
次に、図5及び図6を参照し、上述の大断面トンネル10を構築する工程において、先行シールドトンネル21の周囲に凍土24,25を造成する際の先行シールドトンネル21の構成について説明する。図5は、先行シールドトンネル21の先行外殻21Aを構成するセグメントリング40の一例を模式的に示したトンネル軸方向から見た正面図であり、図6は、図5の矢印Bで示される方向に向かってセグメントリング40を見た展開図である。なお、図5において、破線で示される円は、先行シールドトンネル21に隣接して構築される後行シールドトンネル22の外縁を示しており、この破線円内に表示される先行シールドトンネル21の部分は、後行シールドトンネル22が構築される際に、後行シールド掘進機によって切削されて掘削土とともに後行シールド掘進機から排出され除去される。
先行シールドトンネル21を構成するセグメントリング40は、図5及び図6に示すように、複数のセグメントピース41,42をトンネルの周方向に沿って環状に組み立てることによって形成された環状体であり、複数のセグメントリング40がトンネルの軸方向において連結されることで先行掘削坑(トンネル、坑)21Bの内周面を覆う覆工体である先行外殻21Aとなる。
凍土24,25を造成するにあたって、セグメントリング40の内周面40Aには、トンネルの軸方向に沿って凍結管45が取り付けられる。凍結管45に液化二酸化炭素等の気化冷媒が流されると、セグメントリング40の外周面40Bが臨む地盤がセグメントリング40を介して冷却され、外周面40Bからある程度の厚さの土壌が凍結し、凍土が造成される。
なお、上述の工程において、後行シールドトンネル22が構築される前に、先行外殻21Aの外周の一部に凍土24を造成する際には、後行シールド掘進機によって切削される部分を含む範囲、例えば、図5において、「冷媒供給範囲1」として示される範囲に取り付けられた凍結管45に冷媒が流される。また、「冷媒供給範囲2」として示される、後行シールドトンネル22が構築される予定領域と先行外殻21Aとの境界部として示される範囲に取り付けられた凍結管45に冷媒が流され、この境界部周辺に凍土24が造成される。
その後、外郭躯体15を構築する際には、後行シールド掘進機によって切削されなかった部分、すなわち、図5において、破線で示された円の外側に取り付けられた凍結管45と、後行シールドトンネル22に取り付けられた図示しない凍結管と、に冷媒が流され、シールドトンネル20の外殻20Aの外側に凍土25が造成される。
ここで、先行シールドトンネル21のセグメントリング40を構成するセグメントピース41,42のうち、後行シールド掘進機によって切削される位置に配置されるセグメントピース41は、少なくともコンクリートを含む材料により形成された切削可能なコンクリート製である。なお、セグメントピース41は、切削が可能であれば、鉄筋等の鋼材が含まれる鉄筋コンクリート製であってもよい。また、後行シールド掘進機によって切削されない位置に配置されるセグメントピース42は、剛性の高い鋼製とすることができる。なお、切削されることのない後行シールドトンネル22のセグメントリングを構成するセグメントピースは、すべて鋼製とすることができる。
鉄筋コンクリート製のセグメントピース41は、骨材やセメントからなるコンクリートが主原料であることから、鋼製のセグメントピース42よりも伝熱性が低い。このため、鉄筋コンクリート製のセグメントピース41の内周面に取り付けられた凍結管45に冷媒を流通させてから、その周辺地盤の温度を低下させて凍土を造成する際に熱伝達効率が悪く、例えば、凍土が造成されるまでには比較的長い時間を要することとなる。
したがって、鉄筋コンクリート製のセグメントピース41の外側に凍土を造成する必要がある場合には、十分な強度の凍土が造成されてから行われる次工程の開始が遅れ、工期が長くなり、結果として施工コストが増大してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、鉄筋コンクリート製のセグメントピース41が用いられる場合であっても、その外側に効率よく凍土を造成するために、鉄筋コンクリート製のセグメントピース41として、以下のような構成の凍結工法用セグメント100を採用している。
凍結工法用セグメント100(以下、「セグメント100」という。)は、図7及び図8に示すように、鉄筋コンクリートにより形成される本体部50と、本体部50の内部に設けられ本体部50よりも熱伝導率が高い熱伝導部52と、を備えたセグメントピースである。図7は、図6のC-C線に沿う断面図であり、トンネル軸方向に直交する面におけるセグメント100の断面を示す図である。また、図8は、図7の矢印Dで示される方向に向かってセグメント100を見た図であり、トンネルの周方向に沿う曲面を平面状に展開して示した図である。
本体部50は、先行掘削坑(トンネル、坑)21Bの内周面に面する外周面50Aと、凍結管45が取り付けられる内周面50Bと、を有し、先行掘削坑21Bの周方向に沿って湾曲した円弧状に形成されている。
熱伝導部52は、本体部50の内周面50B側において凍結管45と対向する位置から外周面50Aに向かって延在する延在部53と、本体部50の外周面50Aを覆うように本体部50の表面に設けられた板状の露出部54と、を有する金属製部材である。熱伝導部52は、本体部50を形成する際に本体部50内に埋め込まれ、本体部50と一体的に形成される。
熱伝導部52を構成する材料は、本体部50よりも熱伝導率が高い金属であればどのような金属であってもよく、一般的な鋼鉄であってもよい。なお、熱伝導部52が設けられるセグメント100は、上述のように、切削される部分に配置されるセグメントピースであることから、熱伝導部52を構成する材料としては、例えば、銅やアルミニウムといった切削性のよい金属、これらの酸化物(酸化銅、アルミナ)、または、これらを含む合金(真鍮、ジュラルミン等)や比較的切削性に優れた鋼材であるSUM材等の快削鋼を用いることが好ましい。
延在部53は、本体部50の内周面50B側において本体部50から露出しており、露出した部分には、凍結管45が接する接触部としての接触面53Aが形成される。また、延在部53は、図8に示すように、トンネルの軸方向、すなわち、凍結管45が取り付けられる方向に沿って延びて形成される。つまり、延在部53は、トンネルの径方向に沿って延びるとともにトンネルの軸方向に沿って延びる平板状に形成されている。また、延在部53には、本体部50を構成する鉄筋に対して延在部53を括り付けるための図示しない括付部が設けられている。なお、本体部50内に設けられる補強筋としては、鉄筋に代えて、繊維強化プラスチックといった繊維強化樹脂材を用いることが、セグメント100の切削性を向上させるためには好ましい。
このようにセグメント100に設けられる熱伝導部52は、本体部50の表面に配置されることで先行掘削坑(トンネル、坑)21Bの内周面に臨んだ状態となる露出部54と、一端が露出部54に結合され他端が凍結管45に接する延在部53と、を有することから、露出部54が臨む地盤には、熱伝導率が高い露出部54及び延在部53を介して凍結管45内を通る冷媒の冷熱が効率的に伝達される。換言すれば、露出部54が臨む地盤の熱は、露出部54で吸収され、延在部53を介して凍結管45内を流れる冷媒へと効率的に放熱される。このため、セグメント100の外側の地盤の温度は、凍結管45に冷媒を流すことによって速やかに低下することになる。
また、本体部50の外周面50A側において露出する露出部54の露出面積を大きくする一方、本体部50の内周面50B側において露出する延在部53の露出面積は、凍結管45に接するのに十分な大きさに制限し、ほぼ凍結管45のみに接するようにすることによって、露出部54が臨む地盤と延在部53が接する凍結管45内の冷媒との間の熱交換効率を向上させることで、より広い範囲の地盤の温度を効率的に低下させることが可能である。
したがって、上記構成のセグメント100を、先行シールドトンネル21のセグメントリング40を構成するセグメントピース41,42のうち、後行シールド掘進機によって切削される位置に配置されるセグメントピース41として用いることにより、セグメントピース41の外側に効率よく凍土を造成することができるとともに、後行シールド掘進機によって先行外殻21Aを容易に切削することが可能となる。なお、セグメント100内に設けられる延在部53のトンネル周方向における厚さは、地盤の冷却性を向上させるためには厚くした方がよいが、セグメント100の切削性を向上させるためには薄くした方がよい。このため、延在部53の厚さは、これらのバランスを考慮して設定される。
続いて、上述の大断面トンネル10を構築する際に凍土24,25を造成する場合を例にして、上記構成のセグメント100を用いた凍結工法について説明する。
図3(A)に示すように、先行シールドトンネル21の周囲に部分的に凍土24を造成する場合、まず、先行シールド掘進機によって掘削された先行掘削坑(トンネル、坑)21Bの周方向及び軸方向に沿って、図5及び図6に示すように、セグメントピース41,42が組み立てられる。なお、鉄筋コンクリート製のセグメントピース42としては、凍結工法用セグメントである上記構成のセグメント100が用いられる。
次に、凍土24の造成が必要となる範囲、例えば、図5において、「冷媒供給範囲」として示される範囲内に配置されたセグメント100と鋼製のセグメントピース41との内周面に、トンネルの軸方向に沿って凍結管45が取り付けられる。
続いて、先行シールドトンネル21内に取り付けられた凍結管45に冷媒が流される。凍結管45内を流れる冷媒の冷熱は、セグメント100内の熱伝導部52を通じてセグメント100の外側の地盤へと伝達される。なお、鋼製のセグメントピース41に取り付けられた凍結管45内を流れる冷媒の冷熱は、セグメントピース41を通じて地盤へと伝達される。
これにより上記構成のセグメント100が一部に適用された先行シールドトンネル21の外側には、所定の範囲にわたって凍土24が速やかに造成される。
一方、図3(C)に示すように、先行シールドトンネル21及び後行シールドトンネル22の周囲に凍土25を造成する場合、まず、先行シールド掘進機によって掘削された先行掘削坑(トンネル、坑)21Bの周方向及び軸方向に沿って、図5及び図6に示すように、セグメントピース41,42が組み立てられる。なお、鉄筋コンクリート製のセグメントピース42としては、凍結工法用セグメントである上記構成のセグメント100が用いられる。
次に、後行シールド掘進機によって、先行シールドトンネル21のうち、上記構成のセグメント100によって組み立てられた部分を切削し、後行シールドトンネル22を構築する。
そして、先行シールドトンネル21の鋼製のセグメントピース41の内周面と、後行シールドトンネル22を構築する際に切削されずに残ったセグメント100の内周面とに、トンネルの軸方向に沿って凍結管45が取り付けられる。また、構築された後行シールドトンネル22の内周面にもトンネルの軸方向に沿って凍結管45が取り付けられる。
続いて、先行シールドトンネル21及び後行シールドトンネル22内に取り付けられた凍結管45に冷媒が流される。凍結管45内を流れる冷媒の冷熱は、セグメント100内の熱伝導部52を通じてセグメント100の外側の地盤へと伝達される。なお、鋼製のセグメントピース41に取り付けられた凍結管45内を流れる冷媒の冷熱は、セグメントピース41を通じて地盤へと伝達される。また、後行シールドトンネル22に取り付けられた凍結管45内を流れる冷媒の冷熱は、後行外殻22Aを構成する鋼製のセグメントピースを通じて地盤へと伝達される。
これにより上記構成のセグメント100が一部に適用された先行シールドトンネル21の外側と、後行シールドトンネル22の外側とには、凍土25が速やかに造成される。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
上述のセグメント100は、鉄筋コンクリートにより形成される本体部50と、本体部50の内部に少なくとも一部が設けられ本体部50よりも熱伝導率が高い熱伝導部52と、を備え、熱伝導部52は、本体部50の内周面50B側において凍結管45と対向する位置から外周面50Aに向かって延在している。このように鉄筋コンクリートにより形成される本体部50内に、凍結管45内を流れる冷媒の冷熱を本体部50の外周面50Aに向かって効率よく伝達可能な熱伝導部52を設けておくことによって、セグメント100の外側の地盤を効率的に冷却することが可能となり、結果として、先行シールドトンネル21の周囲に効率よく凍土を造成することができる。
また、先行シールドトンネル21の周囲に効率よく迅速に凍土を造成することが可能となることで、十分な強度の凍土が造成されてから行われる次工程の作業を早めに開始することが可能となり、結果として、工期が短くなり施工コストを低減させることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
上記実施形態では、熱伝導部52は金属製である。これに代えて、熱伝導部52は、本体部50よりも熱伝導率が高く、金属と同等の熱伝導性を有する材料、例えば、カーボンナノファイバーを含むコンクリートにより予め形成された構造体であってもよい。このように、熱伝導性が高い材料を含有させることによって、凍結管45内を流れる冷媒の冷熱を本体部50の外周面50Aに向かって効率よく伝達することが可能となり、熱伝導部52の主材料をコンクリートとすることによって、セグメント100の切削性を向上させることが可能となる。
また、上記実施形態では、熱伝導部52は本体部50の外周面50A側と本体部50の内周面50B側とにおいて露出し、本体部50の表面に配置されている。これに代えて、熱伝導部52は、図9に示す第1変形例のように、本体部50から露出していない平板部材55であってもよく、本体部50の内周面50B側において凍結管45と対向する位置から外周面50Aに向かって延在していればよい。このように凍結管45と対向する位置から外周面50Aに向かって延在していれば、上記実施形態と同様に、凍結管45内を流れる冷媒の冷熱をセグメント100の外側の地盤へと効率よく伝達することが可能である。なお、平板部材55は、本体部50の外周面50A側及び内周面50B側の何れか一方において露出していてもよい。
また、上記実施形態では、本体部50の外周面50A側において本体部50の表面に配置されて露出する熱伝導部52の露出部54は、本体部50の外周面50Aを覆う板状に形成されている。これに代えて、露出部54は、図10に示す第2変形例のように、トンネルの軸方向に沿って延びる部分54Aとトンネルの周方向に沿って延びる部分54Bとを有する格子状に形成されていてもよい。この場合も上記実施形態と同様に、本体部50の外周面50A側において露出する露出部54の露出面積が大きくなるため、露出部54が臨む地盤と延在部53が接する凍結管45内の冷媒との間での熱交換効率が向上し、結果として、より広い範囲の地盤の温度を効率的に低下させることができる。また、本体部50の外周面50Aを覆う場合と比較し、金属製の露出部54が設けられる範囲が減少するため、セグメント100の切削性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、凍結管45がトンネルの軸方向に沿って配置されているため、熱伝導部52の延在部53は、これに合わせてトンネルの軸方向に沿って設けられている。凍結管45が配置される方向は、トンネルの軸方向に限定されず、トンネルの周方向であってもよく、凍結管45がトンネルの周方向に沿って配置されている場合、熱伝導部52の延在部53は、これに合わせてトンネルの周方向に沿って設けられる。
また、上記実施形態では、後行シールドトンネル22を構築する前に、先行シールドトンネル21の周囲に凍土24を造成しているが、後行シールドトンネル22が構築される際に、先行シールドトンネル21内への地下水の流入を防止することが可能な構成等が先行シールドトンネル21に設けられていれば、凍土24を造成しなくともよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記実施形態では、凍結工法用セグメント100が、先行掘削坑(トンネル、坑)21Bの覆工体となるセグメントピース41として用いられる場合を例に説明したが、凍結工法用セグメントの用途はこれに限定されるものではない。凍結工法用セグメントは、地中に構築された構造物において、地盤を凍結する必要がある場所に設けられ、内周面に取り付けられた凍結管に冷媒を流すことにより外周面側に凍土を造成するものであればよく、例えば、ニューマチックケーソン工法や地中連続壁工法において使用され、立坑の地中壁面を構成する覆工体に用いられるセグメントであってもよい。また、凍結工法用セグメント100は、複数のセグメントピース41、42であって、複数の凍結工法用セグメント100によりセグメントリング40を構成しているが、1つの凍結用セグメントがセグメントリング40を形成していてもよい。また、立坑の地中壁面において、複数の凍結用セグメントがリング状の覆工体を形成してもよいし、1つの凍結用セグメントがリング状の覆工体を形成してもよい。
100・・・凍結工法用セグメント、10・・・大断面トンネル(地下構造物)、11・・・本線シールドトンネル、12・・・ランプシールドトンネル、14・・・地下空洞、15・・・外郭躯体、20・・・シールドトンネル、20A・・・外殻、21・・・先行シールドトンネル(シールドトンネル)、21A・・・先行外殻(外殻、覆工体)、21B・・・先行掘削坑(トンネル、坑)、22・・・後行シールドトンネル(シールドトンネル)、22A・・・後行外殻(外殻)、22B・・・後行掘削坑(トンネル)、24・・・凍土(凍結土壌)、25・・・凍土(凍結土壌)、30・・・鋼板コンクリート構造物、40・・・セグメントリング、41・・・セグメントピース、42・・・セグメントピース、45・・・凍結管、50・・・本体部、50A・・・外周面、50B・・・内周面、52・・・熱伝導部、53・・・延在部、53A・・・接触面(接触部)、54・・・露出部、55・・・平板部材

Claims (6)

  1. 地中に構築される坑の周方向及び軸方向に沿って組み立てられ覆工体となる凍結工法用セグメントであって、
    少なくともコンクリートを含み形成され、前記坑に面する外周面と凍結管が取り付けられる内周面とを有する本体部と、
    前記本体部に設けられ、前記本体部よりも熱伝導率が高い熱伝導部と、を備え、
    前記熱伝導部は、前記内周面側において少なくとも前記凍結管と対向する位置に配置され、当該位置から前記外周面に向かって延在する、
    凍結工法用セグメント。
  2. 地中に構築される前記坑はシールドトンネルである、
    請求項1に記載の凍結工法用セグメント。
  3. 前記熱伝導部は、金属により、または、前記本体部よりも熱伝導率が高い材料を含むコンクリートにより形成される、
    請求項1または2に記載の凍結工法用セグメント。
  4. 前記熱伝導部は、前記内周面側及び前記外周面側の少なくとも一方において前記本体部の表面に配置されている、
    請求項1から3の何れか1つに記載の凍結工法用セグメント。
  5. 請求項1から4の何れか1つに記載の凍結工法用セグメントを用いた凍結工法であって、
    地中に構築される前記坑の周方向及び軸方向に沿って前記凍結工法用セグメントを組み立てる工程と、
    前記凍結工法用セグメントの前記内周面に、前記坑の周方向または軸方向に沿って前記凍結管を取り付ける工程と、
    前記凍結管に冷媒を流通する工程と、を有する、
    凍結工法。
  6. 前記凍結工法用セグメントが組立てられた前記坑は先行シールドトンネルであって、前記先行シールドトンネルの一部を切削しながら後行シールドトンネルを構築する工程を、さらに有する、
    請求項5に記載の凍結工法。
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