JP7355186B1 - ニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法 - Google Patents

ニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硫化澱物の粒径を制御すると共にばらつきを低減することが可能なニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法を提供する。【解決手段】ニッケル酸化鉱石を高圧硫酸浸出した後のニッケルを含む硫酸水溶液の中和後液から亜鉛を除去した溶液に硫化水素ガスを添加することでニッケルコバルト混合硫化物を生成させる硫化工程を有し、硫化工程は、硫化反応始液に含まれる鉄濃度とニッケル濃度を測定する金属濃度測定工程と、硫化反応始液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収して水酸化ナトリウム水溶液を添加して水硫化ナトリウム溶液を生成させる水硫化ナトリウム生成工程と、生成した水硫化ナトリウム溶液を硫化工程の反応溶液に添加する水硫化ナトリウム添加工程とを含み、金属濃度測定工程におけるニッケル濃度に対する鉄濃度の比に基づいて水硫化ナトリウム添加工程における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量を調整する。【選択図】図3

Description

本発明は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬に関し、ニッケルコバルト混合硫化物を生成させる硫化工程において、混合硫化物の粒径を制御するニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法に関する。
近年、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬法として、硫酸を用いた高圧酸浸出(High Pressure Acid Leaching)法が注目されている。この方法は、乾燥及び焙焼工程等の乾式処理工程を含まず、一貫した湿式工程からなるので、エネルギー的及びコスト的に有利であるとともに、ニッケル品位を50質量%程度まで向上させたニッケルコバルト混合硫化物を得ることができるという利点を有している。
高圧酸浸出法は、鉱石のスラリーに硫酸を添加し、220~280℃の温度条件で撹拌処理して、浸出スラリーを形成する浸出工程、浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣を得る固液分離工程、浸出液の酸化を抑制しながら炭酸カルシウムを添加し、3価の鉄を含む中和澱物スラリーとニッケル回収用母液を形成する中和工程、及び、母液に硫化水素ガスを吹きこみ、ニッケル及びコバルトを含む硫化物と貧液を形成する硫化工程、などを有する。
硫化工程では、加圧下で有価金属を含む硫酸浴に硫化水素ガスなどの硫化剤を添加することにより硫化物(混合硫化物)として回収する方法が行われている。例えば、特許文献1には、効率よく硫化反応を行うための方法として、反応容器圧力、反応時間、反応溶液pH、種晶の添加などを調整する方法が開示されている。また、硫化反応効率の改善方法のひとつとして、硫化水素ガス(HS)の供給とともに、反応容器へNaHS(水硫化ナトリウム(Sodium Hydrosulfide))を添加することが記載されている。
これは硫化反応におけるpHの低下を抑制し、生成した硫化物の再溶解を抑えて、反応終液中のニッケルおよびコバルト濃度を低く維持することにより硫化反応効率の向上を実現する手法である。この方法を用いることによりニッケルやコバルトといった有価金属を高効率で回収することができる。水硫化ナトリウム(NaHS)としては、硫化反応容器へ過剰に吹き込んだ硫化水素ガス(HS)を苛性ソーダ(NaOH)水溶液で回収することで得られるスラリーを用いることができる。
硫化工程において産出する混合硫化物の粒径については、粗大化しすぎず、また微細化しすぎない適度な大きさに調整することが望ましい。粒径が粗大化しすぎた場合、混合硫化物の出荷先の工場において設備摩耗を生じるほか、混合硫化物からニッケルやコバルトといった有価金属を浸出する際の浸出率が悪化するといった悪影響がある。また、粒径が微細化しすぎた場合、濾過機で濾過する際の脱水効率が悪化し、混合硫化物の水分率が高くなる。混合硫化物の水分率が高くなると、混合硫化物を出荷する際の単位ニッケル量当たりの輸送コストが増加するため望ましくない。
特許文献2には、混合硫化物の粒径制御のため、硫化工程への供給液流量に対する水硫化ナトリウムの添加流量比率を制御することが開示されている。しかしながら、水硫化ナトリウムの添加流量比率を一定以下に保つだけでは微小粒径の混合硫化物はある程度防止できるが、しばしば小粒径の混合硫化物が発生しており、一定以上の粒径の維持、粒径のばらつき低減が望まれていた。
特開2010-126778号公報 特開2020-193386号公報
本発明は、このような状況を解決するためになされたものであり、硫化澱物の粒径を意図した大きさに制御すると共にばらつきを低減することが可能なニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬の硫化工程において、始液槽中の液中Fe/Ni比率に応じて水硫化ナトリウムの添加流量や添加比率を調整することで、硫化澱物の粒径を意図した大きさに制御すると共にばらつきを低減できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一態様は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬において生成させるニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法であって、ニッケル酸化鉱石を高圧硫酸浸出した後のニッケルを含む硫酸水溶液の中和後液から亜鉛を除去した溶液を硫化反応始液とし、該硫化反応始液に硫化水素ガスを添加することでニッケルコバルト混合硫化物を生成させる硫化工程を有し、硫化工程は、少なくとも、硫化反応始液に含まれる鉄濃度とニッケル濃度を測定する金属濃度測定工程と、硫化反応始液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウム水溶液を添加して水硫化ナトリウム溶液を生成させる水硫化ナトリウム生成工程と、生成した水硫化ナトリウム溶液を硫化工程の反応溶液に添加する水硫化ナトリウム添加工程とを含み、金属濃度測定工程におけるニッケル濃度Xに対する鉄濃度Yの比Y/Xを指標として、該指標に基づいて水硫化ナトリウム添加工程における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を調整し、調整は、指標Y/Xが相対的に大きくなったときに水硫化ナトリウム添加工程における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を小さくし、指標Y/Xが相対的に小さくなったときに水硫化ナトリウム添加工程における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を大きくし、指標Y/Xの大小に基づいて区分する各数値範囲において、水硫化ナトリウム添加工程における水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率は、水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率に対するニッケルコバルト混合硫化物の粒径の検量線を作成した場合の検量線に基づいて、複数の数値範囲でニッケルコバルト混合硫化物の粒径が同一水準となるように、各数値範囲の水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率を決定し、生成させるニッケルコバルト混合硫化物の50%粒径が50~110μmとなるように調整する
本発明の一態様によれば、ニッケル濃度Xに対する鉄濃度Yの比Y/Xを指標とすることで、該指標と相関関係のある硫化澱物の粒径を意図した大きさに制御することが可能となり、ばらつきも低減することができる。また、指標Y/Xをいくつかの数値範囲ごとに分類して検量線を作成することにより、指標Y/Xの実測値に応じてより細かな硫化澱物の粒径の制御を行うことが可能となる。また、ニッケルコバルト混合硫化物の粒径を上記範囲となるように制御することにより、後のニッケル製錬に適したニッケルコバルト混合硫化物を得ることができる。
このとき、本発明の一態様は、硫化工程では、直列に接続された2基以上の反応槽を備え、水硫化ナトリウム添加工程では、反応槽の各槽に水硫化ナトリウム溶液を添加し、指標Y/Xに基づいて添加する水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を調整し、調整は、指標Y/Xが相対的に大きくなったときに、添加する水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を小さくし、指標Y/Xが相対的に小さくなったときに、添加する水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を大きくするとしてもよい。
第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を調整することによっても、硫化澱物の粒径を制御することが可能となる。
また、本発明の一態様では、第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比が80%~90%(本明細書中において「~」は、下限以上、上限以下を意味するものとする。以下同じ)となるように調整してもよい。
第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を上記範囲とすることで、目的とする粒径の硫化澱物を得ることができる。
本発明によれば、硫化澱物の粒径を意図した大きさに制御すると共にばらつきを低減することが可能となる。
ニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法による湿式製錬方法のプロセスを示す工程図である。 本発明の一実施形態に関する硫化工程における各装置の構成を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法におけるプロセスの概略を示す工程図である。 硫化工程母液中のFe濃度とNi濃度との比(Fe/Ni)と、硫化澱物の粒径(D50%)の比率の関係を示した図である。 硫化工程母液中のFe濃度とNi濃度との比(Fe/Ni)が所定の範囲内にある時の、水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率と、硫化澱物の粒径(D50%)の比率の関係を示した図である。 (A)乃至(D)は、Fe濃度とNi濃度との比(Fe/Ni)を各数値範囲ごとに分けた場合の水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率と、硫化澱物の粒径(D50%)の比率の関係を示した図である。 (A)は従来の硫化工程の操業(比較例)における硫化澱物の粒径(D50%)の比率のヒストグラムであり、(B)は本発明の一実施形態に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法を適用した場合(実施例)の硫化澱物の粒径(D50%)の比率のヒストグラムである。
以下、本発明に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法について図面を参照しながら以下の順序で説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
1.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法
2.硫化工程
3.ニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法
<1.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法>
先ず、ニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法のより具体的な説明に先立ち、本発明に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法が適用されるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法について簡単に説明する。このニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、例えば高圧酸浸出法(HPAL法)を用いて、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを浸出させて回収する湿式製錬方法である。図1に、ニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法による湿式製錬方法の工程(プロセス)図の一例を示す。
スラリー調製工程S1では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石を用いて、数種類のニッケル酸化鉱石を所定のNi品位、不純物品位となるように混合し、それらを水と混合してスラリー化し、篩にかけて所定の分級点で分級してオーバーサイズの鉱石粒子を除去した後に、アンダーサイズの鉱石のみを使用する。
浸出工程S2では、スラリー調整工程S1で得られたニッケル酸化鉱石のスラリーに対して、例えば高圧酸浸出法を用いた浸出処理を施す。具体的には、原料となるニッケル酸化鉱石を混合等して得られた鉱石スラリーに硫酸を添加し、例えば耐熱耐圧容器(オートクレーブ)を用いて、220~280℃の高い温度条件下で加圧することによって鉱石からニッケル、コバルト等を浸出し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する。
浸出工程S2では、浸出率を向上させる観点から過剰の硫酸を加えるようにしている。そのため、得られた浸出スラリーには浸出反応に関与しなかった余剰の硫酸が含まれていて、そのpHは非常に低い。
このことから、予備中和工程S3では、次工程の固液分離工程S4における多段洗浄時に効率よく洗浄が行われるように、浸出工程S2にて得られた浸出スラリーのpHを高めて所定の範囲に調整する。pHの調整方法としては、例えば石灰石(炭酸カルシウム)スラリー等の中和剤を添加することによって所定の範囲のpHに調整する。
固液分離工程S4では、予備中和工程S3にてpH調整された浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトのほか不純物元素として亜鉛を含む浸出液と浸出残渣とを得る。
中和工程S5では、固液分離工程S4にて分離された浸出液のpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物を分離して、ニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液を得る。浸出液のpHは、石灰石(炭酸カルシウム)スラリー等の中和剤を添加することで調整される。
脱亜鉛工程S6では、中和工程S5から得られた中和終液に硫化水素ガス等の硫化剤を添加して硫化処理を施すことにより亜鉛硫化物を生成させ、その亜鉛硫化物を分離除去してニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液(脱亜鉛終液)を得る。脱亜鉛工程S6では、微加圧された反応槽にて粗硫酸ニッケル溶液に硫化水素ガス等の硫化剤を添加することで含まれる亜鉛を硫化し、亜鉛硫化物とニッケル回収用母液とを生成する。
その後、硫化工程S7では、脱亜鉛工程S6後のニッケル回収用母液である脱亜鉛終液を硫化反応始液として、その硫化反応始液に対して硫化剤としての硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせ、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトの混合硫化物と、ニッケル及びコバルトの濃度を低い水準で安定させた貧液とを生成させる。本発明に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法は、主にこの硫化工程S7において適用される。詳細については後述する。
最終中和工程S8は、上述した固液分離工程S4から移送された遊離硫酸を含む浸出残渣と、硫化工程S7から移送されたマグネシウムやアルミニウム、鉄等の不純物を含むろ液(貧液)の中和を行う。浸出残渣やろ液は、中和剤によって所定のpH範囲に調整され、廃棄スラリー(テーリング)となる。生成されたテーリングは、テーリングダム(廃棄物貯留場)に移送される。
<2.硫化工程>
これまで、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法のフローを一通り説明してきたが、本発明の一実施形態は、主に、硫化工程S7において生成させるニッケルコバルト混合硫化物(MS:Mixed Sulfide)の粒径を所定の範囲に制御するための方法である。次に、硫化工程における具体的なプロセスについて説明する。
図2は、本発明の一実施形態に関する硫化工程における各装置の構成を説明するための概略図である。なお、図2では説明のために第1反応槽11を大きく表示しているが、実際の各設備の大きさを反映しているわけではない。また、図2は、4段の反応槽(第1反応槽11~第4反応槽14)を記載しているが、この段数に限定されるわけではなく、1段のみであってもよいし、2段以上の複数の反応槽から構成されていてもよい。
硫化工程S7における硫化処理では、主に硫化水素ガス(HS)を硫化剤として用い、硫化反応によって硫化物を生成させるための必要理論当量よりも多い量(過剰量)の硫化水素ガスを、硫化反応始液であるニッケルを含む硫酸酸性溶液(反応始液)に添加する。
一方で、硫化工程S7における硫化処理では、過剰量の硫化水素ガスを添加しているため、硫化反応に関与しなかった未反応のガスが反応槽内に残存するようになる。そのため、硫化工程S7では、添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを除害ファン22等を介してガス洗浄塔21(除害設備)へと送って回収し、回収した硫化水素ガス(HS)に水酸化ナトリウム(NaOH)を添加して水硫化ナトリウム(NaHS)溶液を生成させる。そして、得られた水硫化ナトリウム溶液を硫化剤として硫化水素ガスと共に各反応槽の硫酸酸性溶液に添加している。このことにより、硫酸酸性溶液中のニッケルを、硫化物としてより一層高い回収率で回収できるとともに硫化水素ガスの利用効率を向上させることができる。また、生成するニッケル硫化物が微細になることを防いで、粒径を適切に制御することができる。
硫化工程S7では、反応式1に示すような硫化水素ガスによる硫化反応に加えて、反応式2で示されるような水硫化ナトリウムによる硫化反応が生じている。なお、式中のMはNiやCoを表す。したがって、硫化工程S7では、ニッケルを含む金属の硫酸溶液からニッケルコバルト混合硫化物を得ることができる。
MSO+HS→MS+HSO ・・・(反応式1)
2NaHS+MSO→NaSO+MS+HS ・・・(反応式2)
一例として、図2に示すように、第1反応槽11~第4反応槽14の4段で構成された反応槽において、最も上流側の第1反応槽11に、硫化反応始液(ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおける脱亜鉛処理後の浄液後液)が装入されると、硫化剤である硫化水素ガスが吹き込み添加されて硫化反応が生じる。硫化反応により生成したニッケル硫化物を含むスラリーは、第1反応槽11に続く第2反応槽12に移送され、第2反応槽12においても同様に硫化水素ガスが吹き込み添加されてニッケル硫化物が生成する硫化反応が生じる。そして同様に、ニッケル硫化物を含むスラリーが第3反応槽13、第4反応槽14へと順次移送され、各反応槽にて硫化反応が生じる。これにより、ニッケル硫化物を含むスラリーが徐々に濃縮され、固液分離処理を経てニッケル硫化物が回収される。
なお、硫化剤である硫化水素ガスについては、2基以上の多段に構成された反応槽の全てに添加してもよいが、第1反応槽11のみに添加するようにしてもよい。例えば、硫化水素ガスを第1反応槽11のみに添加することで、最もニッケル濃度が高い第1反応槽11における硫化反応速度を最大化させて、より効果的にニッケル硫化物の生成させることができ、ニッケルの収率を向上させることができる。
また、第1反応槽11からは、硫化反応に関与しなかった未反応の硫化水素ガスが回収されてガス洗浄塔21(除害設備)へと移送される。ガス洗浄塔21(除害設備)では、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウム溶液を添加して水硫化ナトリウムを生成させる除害処理が行われる。ガス洗浄塔21での除害処理により無害化されたガス成分は大気へ放出され、また除害処理により生成した水硫化ナトリウム溶液は、送液ポンプ23等により硫化処理が行われる反応槽に繰り返され添加される。これにより、反応槽では、硫化水素ガスと共に水硫化ナトリウム溶液が添加されて、硫化反応が生じる。
生成した水硫化ナトリウム溶液は、その全量が反応槽に繰り返されるとともに、最も上流側の第1反応槽11とその第1反応槽11より後段の反応槽(第2反応槽12~第4反応槽の少なくともいずれか1つ)とに分配して添加される。なお、第1反応槽11に水硫化ナトリウム溶液を全量添加してもよい。
<3.ニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法>
本発明に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法におけるプロセスの概略を示す工程図である。本発明はニッケル酸化鉱石の湿式製錬において生成させるニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法であって、ニッケル酸化鉱石を高圧硫酸浸出した後のニッケルを含む硫酸水溶液の中和後液から亜鉛を除去した溶液を硫化反応始液とし、該硫化反応始液に硫化水素ガスを添加することでニッケルコバルト混合硫化物を生成させる硫化工程S7を有し、硫化工程S7は、少なくとも、硫化反応始液に含まれる鉄濃度とニッケル濃度を測定する金属濃度測定工程S71と、硫化反応始液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウム水溶液を添加して水硫化ナトリウム溶液を生成させる水硫化ナトリウム生成工程S72と、生成した水硫化ナトリウム溶液を硫化工程S7の反応溶液に添加する水硫化ナトリウム添加工程S73とを含み、金属濃度測定工程S71におけるニッケル濃度Xに対する鉄濃度Yの比Y/Xを指標として、該指標に基づいて水硫化ナトリウム添加工程S73における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を調整し、調整は、指標Y/Xが相対的に大きくなったときに水硫化ナトリウム添加工程における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を小さくし、指標Y/Xが相対的に小さくなったときに水硫化ナトリウム添加工程における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を大きくする。
図4は、硫化工程母液中のFe濃度(Y)とNi濃度(X)との比(Y/X)と、硫化澱物の粒径(D50%)の比率の関係を示した図である。発明者らは、硫化澱物の粒径に影響を与える因子を調査した結果、図4に示すように硫化工程母液中のFe濃度(Y)とNi濃度(X)との比(Y/X)と硫化澱物の粒径との間に相関関係があることが見出した。なお、図4の縦軸の硫化澱物粒径(D50%)の比率は、目標とする粒径(D50%)を1.0とした相対指標である。図4の相関関係から硫化工程母液中のFe濃度(Y)とNi濃度(X)との比(Y/X)が上昇する程、硫化澱物の粒径が微細化することが分かる。したがって、硫化工程母液中のニッケル濃度Xに対する鉄濃度Yの比Y/Xを指標とし、該指標に基づいて硫化工程S7における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を調整することで、生成する硫化澱物の粒径を制御して所定の範囲に調整することが可能となる。なお、水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率とは、硫化工程の母液添加流量に対する水硫化ナトリウム溶液の流量の比をいう。
図5は、硫化工程母液中のFe濃度とNi濃度との比(Fe/Ni=Y/X)が所定の範囲内にある時の、水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率と、硫化澱物の粒径(D50%)の比率の関係を示した図である。図5に示すように水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率と、硫化澱物の粒径(D50%)の比率との間にも相関関係を見出すことができる。したがって、硫化工程S7において直列に接続された2基以上の反応槽を備えるとき、指標Y/Xに基づいて添加する水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を調整することで硫化澱物の粒径(D50%)を制御することが可能となる。調整は、指標Y/Xが相対的に大きくなったときに、添加する水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を小さくし、指標Y/Xが相対的に小さくなったときに、添加する水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を大きくする。第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比は80%~90%となるように調整することが好ましい。
金属濃度測定工程S71では、硫化反応始液に含まれる鉄濃度とニッケル濃度を測定する。金属濃度を測定する手段は特に限定はされないが、例えば、蛍光X線分析法やICP発光分光分析法や原子吸光分析法を用いることができる。本発明では、硫化工程母液中のFe濃度(Y)とNi濃度(X)との比(Y/X)を指標とするため、一例として、第1反応槽11に送られる前の反応始液から一部を抜き出して測定すればよい。
水硫化ナトリウム生成工程S72では、硫化反応始液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウム水溶液を添加して水硫化ナトリウム溶液を生成させる。水硫化ナトリウム溶液の生成プロセスについては、<2.硫化工程>で説明した通りである。
水硫化ナトリウム添加工程S73では、生成した水硫化ナトリウム溶液を硫化工程S7の反応溶液に添加する。このとき、金属濃度測定工程S71におけるニッケル濃度Xに対する鉄濃度Yの比Y/Xを指標として、該指標に基づいて水硫化ナトリウム添加工程S73における反応溶液に対する水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を調整する。
調整の具体的方法については特に限定はされない。一例として、上述した図4では、指標Y/Xと硫化澱物の粒径(D50%)比率には負の相関関係が見て取れるため、指標Y/Xが高めの数値となった場合には、生成する硫化澱物の粒径(D50%)比率が小さくなることが予測される。したがって、この場合には水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を少なくすることにより硫化澱物の粒径(D50%)比率が大きくなるように調整することができる。水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率は、例えば、ガス洗浄塔(除害設備)から各反応槽へと送液する送液ポンプ23の流量を変更することによって行うことができ、各反応槽への送液管に制御弁を設置し、各制御弁の開閉度を調整することによって第1槽目の反応槽に添加する水硫化ナトリウム溶液の流量の比を調整することもできる。
このように、水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率の調整は作業者が計測した指標Y/Xを見ながら判断して手動で制御するようにしてもよいし、過去の操業データを蓄積しておき、指標Y/Xの値に応じて自動的に水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率を制御するよう制御装置にプログラムさせるようにしてもよい。
図6(A)乃至(D)は、Fe濃度とNi濃度との比(Fe/Ni=Y/X)を各数値範囲毎に分けた場合の水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率と、硫化澱物の粒径(D50%)の比率の関係を示した図である。図6(A)はFe/Niが0.00~0.04で水硫化ナトリウム溶液の1槽目の添加比率が90%の場合、図6(B)はFe/Niが0.05~0.10で水硫化ナトリウム溶液の1槽目の添加比率が80%の場合、図6(C)はFe/Niが0.11~0.25で水硫化ナトリウム溶液の1槽目の添加比率が80%の場合、図6(D)はFe/Niが0.26~0.75で水硫化ナトリウム溶液の1槽目の添加比率が80%の場合を示している。
それぞれの指標Y/X(=Fe/Ni)毎に分類した条件においても水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率と、硫化澱物の粒径(D50%)の比率は相関関係を有しており、検量線を引くことができる。したがって、本発明の一態様では、指標Y/Xの大小に基づいて区分する各数値範囲において、水硫化ナトリウム添加工程における水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率は、水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率に対するニッケルコバルト混合硫化物の粒径の検量線を作成した場合の該検量線に基づいて、複数の数値範囲で前記ニッケルコバルト混合硫化物の粒径が同一水準となるように、各数値範囲の水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率を決定することができる。このように指標Y/Xをいくつかの数値範囲ごとに分類して検量線を作成することで、指標Y/Xの実測値に応じてより細かな硫化澱物の粒径の制御を行うことが可能となる。
本発明の一態様において、目標とするニッケルコバルト混合硫化物粒子の50%粒径(D50)としては、50~110μm程度の範囲であることが好ましい。混合硫化物の粒径がD50で110μmを超えると、ニッケルコバルト混合硫化物を原料とした塩素浸出の処理や、オートクレーブでの加圧浸出の処理等において、ニッケル浸出率が低下したり、粗大粒子による撹拌機の磨耗や損傷を引き起こしたりする問題が生ずることがある。また、混合硫化物の粒径がD50で50μm未満であると、ニッケル硫化物を含むスラリーから圧搾濾過器等の固液分離装置を用いて固液分離する際の脱水性が低下し、所望の処理量を確保するためには標準的なものよりも大きな固液分離装置を用いる必要が生じることがある。また、50μm未満の微細なニッケルコバルト混合硫化物粒子は、酸化されやすいため、品質に悪影響を及ぼすことがある。なお、D50は、レーザー回折・散乱法で測定した体積基準の粒度分布におけるメジアン径を意味する。
以上、本発明に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法によれば、ニッケル濃度Xに対する鉄濃度Yの比Y/Xを指標とすることで、該指標と相関関係のある硫化澱物の粒径を意図した大きさに制御することが可能となり、粒径のばらつきも低減することができる。
以下、本発明について、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
従来の硫化工程における操業(比較例)と、本発明の一態様に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法を適用したとき(実施例)の効果を比較した。なお、従来の硫化工程における操業(比較例)では、流量負荷、硫化澱物の水分率に応じて水硫化ナトリウム添加量を調整していた。
実施例では、硫化工程母液中のFe濃度(Y)とNi濃度(X)との比(Y/X)に応じて表1に従って水硫化ナトリウム添加の調整を実施した。表1は過去の操業データ解析結果から硫化澱物の粒径D50%比率が0.88~1.33(目標設定粒径を1.0とする)となる調整を意図して設定した。
なお、表1は、粒径が大きくなりがちであると発明者らが見出したY/Xが0~0.75の範囲について、4つの数値範囲に区分して精密に管理するようにしたものである。表1に記載のないY/Xが0.75以上の範囲については、水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率を0.25%以下、水硫化ナトリウム1槽目添加比率を80%以下とし、表1に準じて両比率を順次低下させることができる。あるいは、Y/Xが0.75以上の範囲については、図4に示すように粒径が安定しているから、従来法を用いても差し支えない。なお従来法である特許文献2における水硫化ナトリウム1槽目添加比率は40~70%である。
Figure 0007355186000002
図7(A)は従来の硫化工程の操業(比較例)における硫化澱物の粒径(D50%)の比率のヒストグラムであり、図7(B)は本発明の一実施形態に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法を適用した場合(実施例)の硫化澱物の粒径(D50%)の比率のヒストグラムである。比較例では、平均値が0.85で標準偏差が0.12であったのに対して、本発明の一態様を適用した実施例では、平均値が0.99で標準偏差が0.06であった。
以上より、本発明の一態様に係るニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法を適用することにより、目標とする粒径(相対比1.0)により近づくように制御することができると共に、ばらつきも低減できることが実証された。
なお、上記のように本発明の一実施形態および各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法の構成も本発明の一実施形態および各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
11 第1反応槽、12 第2反応槽、13 第3反応槽、14 第4反応槽、21 ガス洗浄塔、22 除害ファン、23 送液ポンプ

Claims (3)

  1. ニッケル酸化鉱石の湿式製錬において生成させるニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法であって、
    前記ニッケル酸化鉱石を高圧硫酸浸出した後のニッケルを含む硫酸水溶液の中和後液から亜鉛を除去した溶液を硫化反応始液とし、該硫化反応始液に硫化水素ガスを添加することでニッケルコバルト混合硫化物を生成させる硫化工程を有し、
    前記硫化工程は、少なくとも、
    前記硫化反応始液に含まれる鉄濃度とニッケル濃度を測定する金属濃度測定工程と、
    前記硫化反応始液に添加した前記硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウム水溶液を添加して水硫化ナトリウム溶液を生成させる水硫化ナトリウム生成工程と、
    生成した前記水硫化ナトリウム溶液を前記硫化工程の反応溶液に添加する水硫化ナトリウム添加工程と
    を含み、
    前記金属濃度測定工程におけるニッケル濃度Xに対する鉄濃度Yの比Y/Xを指標として、該指標に基づいて前記水硫化ナトリウム添加工程における前記反応溶液に対する前記水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を調整し、
    該調整は、前記指標Y/Xが相対的に大きくなったときに前記水硫化ナトリウム添加工程における反応溶液に対する前記水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を小さくし、前記指標Y/Xが相対的に小さくなったときに前記水硫化ナトリウム添加工程における反応溶液に対する前記水硫化ナトリウム溶液の添加流量の比率を大きくし、
    前記指標Y/Xの大小に基づいて区分する各数値範囲において、前記水硫化ナトリウム添加工程における水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率は、水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率に対するニッケルコバルト混合硫化物の粒径の検量線を作成した場合の該検量線に基づいて、複数の数値範囲で前記ニッケルコバルト混合硫化物の粒径が同一水準となるように、各数値範囲の水硫化ナトリウム溶液の添加流量比率を決定し、
    生成させる前記ニッケルコバルト混合硫化物の50%粒径が50~110μmとなるように調整することを特徴とする
    ニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法。
  2. 前記硫化工程では、直列に接続された2基以上の反応槽を備え、
    前記水硫化ナトリウム添加工程では、前記反応槽の各槽に前記水硫化ナトリウム溶液を添加し、
    前記指標Y/Xに基づいて添加する前記水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の前記反応槽に添加する前記水硫化ナトリウム溶液の流量の比を調整し、
    該調整は、前記指標Y/Xが相対的に大きくなったときに、添加する前記水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の前記反応槽に添加する前記水硫化ナトリウム溶液の流量の比を小さくし、前記指標Y/Xが相対的に小さくなったときに、添加する前記水硫化ナトリウム溶液の全量に対する、第1槽目の前記反応槽に添加する前記水硫化ナトリウム溶液の流量の比を大きくすることを特徴とする請求項1に記載のニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法。
  3. 前記第1槽目の反応槽に添加する前記水硫化ナトリウム溶液の流量の比が80%~90%であることを特徴とする請求項2に記載のニッケルコバルト混合硫化物の粒径制御方法。
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