JP7352500B2 - 熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート及び熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート及び熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器 Download PDF

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本発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート及び熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器に関する。
熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート(以下、単に「積層発泡シート」ともいう。)を成形してなる容器(熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器)は、耐熱性に優れることが知られている。このため、熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器は、電子レンジやオーブンで加熱する調理済食品の容器として、広く使用されている。
例えば、熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器に調理済食品を盛り付けた容器入り調理済食品がある。
容器入り調理済食品としては、冷蔵又は冷凍で輸送される商品がある。このような商品としては、いわゆる冷凍食品がある。また、例えば、冷蔵又は冷凍で輸送される容器入り調理済食品としては、セントラルキッチン等で製造され、冷蔵又は冷凍で店舗等に輸送される製品がある。これらの容器入り調理済食品は、消費者の喫食時、又は店舗での加工時に、容器入りの状態で電子レンジやスチームコンベクションオーブン等で加熱される。このように、容器入り調理済食品は、容器の詰め替え等を要さず、調理等のオペレーションが簡便である。
容器入り調理済食品を冷蔵又は冷凍で輸送する場合、輸送の過程で、容器入り調理食品が落下等で物理的衝撃を受けると、容器が破損するという問題があった。即ち、熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器には、低温において脆く(低温脆性が高く)、低温環境下における耐衝撃強度が低い(耐寒性が低い)という問題があった。
こうした問題に対して、ポリエステル系樹脂のシートに、ポリオレフィン系樹脂又はゴム分を含有する熱可塑性樹脂を介してポリエステル系樹脂のシートを積層した複合シートを素材とする食品容器が提案されている(特許文献1)。特許文献1の発明によれば、特定の層構成にすることで、割れの発生の低減を図っている。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂の発泡シートの少なくとも一面に、熱可塑性樹脂の非発泡フィルムを貼り合わせてなる複合シートを材料とし、非発泡フィルムを内側に向けて成形した食品容器が提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載された発明によれば、加熱耐性、断熱性及び耐衝撃性の向上を図っている。
特開平10-278918号公報 特開平03-111244号公報
しかしながら、従来の技術では、耐寒性が未だ充分ではない。加えて、熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器には、加熱による品質低下が少ない(耐熱性が高い)ことが求められる。
そこで、本発明は、耐熱性に優れ、耐寒性をより高められる熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート及び熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器を目的とする。
<1>熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡層と、前記発泡層の少なくとも一方の面に設けられた非発泡層とを有し、
30℃から290℃まで昇温した際に熱流束示差走査熱量測定装置で測定される1つ以上の吸収エネルギーピークの内、最も低温側の吸収エネルギーピークが170℃以上であり、
-20℃におけるダイナタップ衝撃試験での全吸収エネルギーが0.15J以上であり、
下記測定方法で求められる200℃での寸法変化率が10%未満である、
熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
<測定方法>
MD方向50mm、TD方向50mmの熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シートを200℃の加熱炉で10分間加熱し、一方の面のMD方向長さLm1及びTD方向長さLt1と、他方の面のMD方向長さLm2及びTD方向長さLt2を測定し、[長さLm1]と[長さLm2]との平均値をMD方向の長さの平均値とし、[長さLt1]と[長さLt2]との平均値をTD方向の長さの平均値とし、下記式(s0)により算出される寸法変化量の絶対値の内、数値が大きい方を「加熱後の寸法変化値(α1)mm」とし、下記式(s1)により算出した値を寸法変化率(%)とする。
寸法変化量(mm)=[加熱前の一辺の寸法:50mm]-[加熱後のMD方向又はTD方向の長さの平均値] ・・・(s0)
寸法変化率(%)=[加熱後の寸法変化値(α1)mm]÷[加熱前の一辺の寸法:50mm]×100 ・・・(s1)
<2>前記非発泡層は、無延伸フィルムである、<1>に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
<3>前記非発泡層は、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ(1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-G)、酸変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-A)及びエチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
<4>前記吸収エネルギーピークを2つ以上有する、<1>~<3>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
<5>前記吸収エネルギーピークを2つ以上有し、低温側の前記吸収エネルギーピークが200℃以上である、<1>~<4>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
<6>前記発泡層の坪量が、200~1000g/mである、<1>~<5>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
<7>厚みが0.2~3mmである、<1>~<6>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
<8>前記発泡層のZ平均分子量Mzが100,000~500,000である、<1>~<7>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
<9>底壁部と、前記底壁部の周縁から立ち上がる側壁部とを有する熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器において、
熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡層と、前記発泡層の少なくとも一方の面に設けられた非発泡層とを有し、
30℃から290℃まで昇温した際に熱流束示差走査熱量測定装置で測定される1つ以上の吸収エネルギーピークの内、最も低温側の吸収エネルギーピークが170℃以上であり、
-20℃におけるダイナタップ衝撃試験での全吸収エネルギーが0.15J以上であり、
下記測定方法で求められる200℃での寸法変化率が10%未満である、
熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<測定方法>
熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器の底壁部から50mm角の切片を切り出し、この切片を200℃の加熱炉で10分間加熱し、一方の面における任意の辺に沿う方向の長さLd1及び前記任意の辺に直交する方向の長さLd2と、他方の面における前記任意の辺に沿う方向の長さLd11及び前記任意の辺に直交する方向の長さLd12とを測定し、[長さLd1]と[長さLd11]との平均値を前記任意の辺に沿う方向の長さの平均値とし、[長さLd2]と[長さLd12]との平均値を前記任意の辺に直交する方向の長さの平均値とし、下記式(s2)により算出される寸法変化量の絶対値の内、数値が大きい方を「加熱後の寸法変化値(α2)mm」とし、下記式(s3)により算出した値を寸法変化率(%)とする。
寸法変化量(mm)=[加熱前の一辺の寸法:50mm]-[加熱後の前記任意の辺に沿う方向又は前記任意の辺に直交する方向の長さの平均値] ・・・(s2)
寸法変化率(%)=[加熱後の寸法変化値(α2)mm]÷[加熱前の一辺の寸法:50mm]×100 ・・・(s3)
<10>前記非発泡層は、無延伸フィルムである、<9>に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<11>前記非発泡層は、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ(1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-G)、酸変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-A)及びエチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、<9>又は<10>に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<12>前記吸収エネルギーピークを2つ以上有する、<9>~<11>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<13>前記吸収エネルギーピークを2つ以上有し、低温側の前記吸収エネルギーピークが200℃以上である、<9>~<12>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<14>前記発泡層の坪量が、200~1000g/mである、<9>~<13>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<15>前記底壁部の厚みが0.2~3mmであり、前記底側部の厚みが0.2~3mmである、<9>~<14>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<16>前記発泡層のZ平均分子量Mzが100,000~500,000である、<9>~<15>のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<17>前記発泡層の結晶化度が15%以上30%以下である、<9>~<16>のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<18>食品用である、<9>~<17>のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
<19>冷蔵食品用又は冷凍食品用である、<18>に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート、熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器によれば、耐熱性に優れ、耐寒性をより高められる。
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シートの一例を示す断面図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器のDSCチャートの一例である。
(熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート)
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート(積層発泡シート)は、熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡層と、発泡層の少なくとも一方の面に設けられた非発泡層とを有する。
発泡シートにおいて、非発泡層は、発泡層の片面に設けられていてもよいし、発泡層の両面に設けられていてもよい。
本発明の一実施形態に係る積層発泡シートについて、図1を参照して説明する。
図1の積層発泡シート1は、発泡層10と、発泡層10の一方の面に設けられた非発泡層20とを有する。
積層発泡シート1の厚みTは、例えば、0.2~3mmが好ましく、0.5~2mmがより好ましい。厚みTが上記下限値以上であれば、得られる容器の強度を高められる。厚みTが上記上限値以下であれば、容器を成形しやすい。
なお、厚みTは、以下の方法で求められる。積層発泡シート1のTD方向の任意の10点の厚みをシックネスゲージで測定する。10点の測定値を平均して、積層発泡シート1の厚みTとする。
<物性>
積層発泡シート1において、30℃から290℃まで昇温した際に熱流束示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される吸収エネルギーピーク(DSCピーク)の内、最も低温側のDSCピーク(低温側DSCピーク)は170℃以上であり、190℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。低温側DSCピークが上記下限値以上であれば、耐寒性をより高められる。低温側DSCピークの上限値は、実質的に290℃である。
低温側DSCピークの温度は、発泡層10の素材と、非発泡層20の素材との組み合わせ等により調節できる。
積層発泡シート1は、DSCピークを2つ以上有することが好ましい。DSCピークを2つ以上有する(即ち、低温側DSCピークよりも高温側のDSCピークを少なくとも1つ有する)ことで、耐熱性をより高められる。
積層発泡シート1がDSCピークを2つ以上有する場合、低温側DSCピーク以外のDSCピーク(他のDSCピーク)は、190℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、220℃以上がさらに好ましい。
低温側DSCピークと他のDSCピークとの差は、10~80℃が好ましく、20~70℃がより好ましく、25~60℃がさらに好ましい。
積層発泡シート1において、-20℃におけるダイナタップ衝撃試験での全吸収エネルギー(-20℃全吸収エネルギー)は、0.15J以上であり、0.20J以上が好ましい。-20℃全吸収エネルギーが上記下限値以上であれば、耐寒性をより高められる。-20℃全吸収エネルギーの上限は、実質的に5.0J以下である。
なお、積層発泡シート1の-20℃全吸収エネルギーは、積層発泡シート1の両面の-20℃全吸収エネルギーの平均値である。
-20℃全吸収エネルギーは、発泡層10の素材、密度又は厚み、非発泡層20の素材又は厚みの組み合わせ等により調節できる。
ダイナタップ衝撃試験は、ASTM D-3763「Standard Test Method for High Speed Puncture Properties
of Plastics Using Load and Displacement
Sensors」に準じて測定される。
本稿におけるダイナタップ衝撃試験について、以下に説明する。積層発泡シートをTD方向の5点から各10cm角に切り出し、これらを-20℃の環境で16時間養生して試験片とする。
試験片について、下記試験条件に従って測定し、得られたグラフの積分値を試験装置の自動計算にて算出して、全吸収エネルギーとする。
≪試験条件等≫
・試験装置:ダイナタップ衝撃試験装置 GRC 8250(General Research Corp.社製)。
・試験片:100×100×元厚み(mm)。
・スパン:丸穴内径76mm。
・試験速度:1.52m/s。
・試験温度:-20℃。
・落下高さ(ストッパー位置):56cm。
・落錘距離:12cm。
・試験荷重:3.17kg。
・試験数:5。
積層発泡シート1の200℃での寸法変化率は、10%未満であり、7%未満がより好ましく、5%未満がさらに好ましい。200℃での寸法変化率が上記上限値未満であれば、耐熱性をより高められる。
200℃での寸法変化率の測定方法について、説明する。
積層発泡シート1から、MD方向50mm、TD方向50mmの正方形の切片を切り出す。切り出した切片を200℃の加熱炉で10分間加熱する。加熱した切片について、一方の面のMD方向長さLm1及びTD方向長さLt1と、他方の面のMD方向長さLm2及びTD方向長さLt2とを測定する。[長さLm1]と[長さLm2]との平均値をMD方向の長さの平均値とする。[長さLt1]と[長さLt2]との平均値をTD方向の長さの平均値とする。下記式(s0)により寸法変化量を算出する。
寸法変化量(mm)=[加熱前の一辺の寸法:50mm]-[加熱後のMD方向又はTD方向の長さの平均値] ・・・(s0)
算出された寸法変化量の絶対値の内、数値が大きい方を「加熱後の寸法変化値(α1)mm」とする。下記式(s1)により寸法変化率(%)を算出する。
寸法変化率(%)=[加熱後の寸法変化値(α1)mm]÷[加熱前の一辺の寸法:50mm]×100 ・・・(s1)
なお、切り出した切片の正方形の中心を通る線分の長さをそれぞれ[長さLm1]、[長さLm2]、[長さLt1]、[長さLt2]とし、切片が反った場合は、反った面に沿う線分の長さをそれぞれ[長さLm1]、[長さLm2]、[長さLt1]、[長さLt2]とする。
200℃での寸法変化率は、発泡層10の素材、密度又は厚み、非発泡層20の素材又は厚みの組み合わせ等により調節できる。
<発泡層>
発泡層10の厚みとしては、0.1~5mmが好ましく、0.2~4mmがより好ましく、0.3~3mmがさらに好ましく、0.4~2mmが特に好ましい。上記下限値以上であれば、後述する熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器(以下、「発泡容器」ということがある)の強度をより高められる。上記上限値以下であれば、容器の成形時に積層発泡シートの内部まで十分に加熱しやすい。
なお、厚みT1は、以下の方法で求められる。発泡層10のTD方向の任意の10点の厚みをシックネスゲージで測定する。10点の測定値を平均して、発泡層10の厚みT1とする。
発泡層10の坪量としては、200~1000g/mが好ましく、250~900g/mがより好ましく、300~800g/mがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、発泡容器の強度をより高められる。上記上限値以下であれば、発泡容器をより成形しやすい。
発泡層10の発泡倍率としては、1.5~15倍が好ましく、2~10倍がより好ましく、2~8倍がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、発泡容器の断熱性をより高められる。上記上限値以下であれば、発泡容器の成形時に積層発泡シートの内部まで十分に加熱しやすい。「発泡層の発泡倍率」は、1を「発泡層の見掛け密度」で除した値である。
発泡層10の平均気泡径は、例えば、80~1000μmが好ましい。発泡層10の平均気泡径は、ASTM D2842-69に記載の方法に準拠して測定される。
発泡層10の独立気泡率は、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましく、80%以上が特に好ましく、90%以上でもよい。発泡層10の独立気泡率は、JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック-連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により測定される。
≪ポリエステル系樹脂≫
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂(PEF)、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの共重合体、及びこれらの混合物並びにこれらと他の樹脂との混合物等が挙げられる。また、植物由来のポリエチレンテレフタレート樹脂、植物由来のポリエチレンフラノエート樹脂、植物由来のポリトリメチレンテレフタレート樹脂が用いられてもよい。これらのポリエステル系樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。ポリエステル系樹脂の中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましく、結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂(A-PET)がより好ましい。A-PETは、酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコールであるポリエステル系樹脂である。
ポリエステル系樹脂としては、いわゆるバイオPET等、植物由来のポリエステル系樹脂でもよい。
植物由来のポリエステル系樹脂は、サトウキビ、トウモロコシ等の植物原料を由来とするポリマーである。「植物原料を由来とする」とは、植物原料から合成され又は抽出されたポリマーが挙げられる。また、例えば、「植物原料を由来とする」とは、植物原料から合成され又は抽出されたモノマーが重合されたポリマーが挙げられる。「植物原料から合成され又は抽出されたモノマー」には、植物原料から合成され又は抽出された化合物を原料とし合成されたモノマーが含まれる。植物由来のポリエステル系樹脂は、モノマーの一部が「植物原料を由来とする」ものを含む。
植物由来のポリエステル系樹脂について、PET、PEFを例にして説明する。
PETの合成反応を(1)式に示す。nモルのエチレングリコールとnモルのテレフタル酸(Benzen-1,4-dicarboxylic Acid)との脱水反応によって、PETが合成される。この合成反応における化学量論上の質量比は、エチレングリコール:テレフタル酸=30:70(質量比)である。
Figure 0007352500000001
[(1)式中、nは化学量論係数(重合度)であり、250~1100の数である。]
エチレングリコールは、エチレンを酸化し、水和することで、工業的に製造される。また、テレフタル酸は、パラキシレンを酸化することで、工業的に製造される。
ここで、図2に示すように、植物由来のエタノール(バイオエタノール)の脱水反応によりエチレンを得、このエチレンから合成されたエチレングリコール(バイオエタノール由来のエチレングリコール)と、石油化学品由来のテレフタル酸からPETを合成する場合、製造されるPETは、植物由来30質量%のPETである。
また、図3に示すように、植物由来のイソブタノール(バイオイソブタノール)の脱水反応によりパラキシレンを得、このパラキシレンから合成したテレフタル酸と、バイオエタノール由来のエチレングリコールとからPETを合成する場合、製造されるPETは、植物由来100質量%のPETである。
PEFの合成反応を(2)式に示す。nモルのエチレングリコールと、nモルのフランジカルボン酸(2,5-Furandicarboxylic Acid)との脱水反応によって、PEFが合成される。
Figure 0007352500000002
[(2)式中、nは化学量論係数(重合度)であり、250~1100の数である。]
フランジカルボン酸(FDCA)は、例えば、植物由来のフルクトースやグルコースの脱水反応によってヒドロキシメチルフラール(HMF)を得、HMFを酸化して得られる。
図4に示すように、FDCA及びエチレングリコールの双方が植物由来の場合、製造されるPEFは、植物由来100質量%のPEFである。
ポリエステル系樹脂が前記他の樹脂を含有する場合、他の樹脂の含有量は、ポリエステル系樹脂の総質量に対して50質量%未満が好ましく、30質量%未満がより好ましく、10質量%未満がさらに好ましい。
発泡層10のポリエステル系樹脂の数平均分子量Mnは、9,000~26,000であり、15,000~26,000が好ましく、20,000~25,000がより好ましい。
Mnが上記下限値以上であれば、耐寒性をさらに高められる。Mnが上記上限値以下であれば、耐熱性をさらに高められる。
発泡層10のポリエステル系樹脂のZ平均分子量Mzは、100,000~500,000であり、150,000~450,00が好ましく、200,000~400,000がより好ましい。
Mzが上記範囲内であれば、耐寒性をさらに高められる。
Mn及びMzは、以下の方法で測定できる。
[ポリエステル系樹脂の分子量]
測定対象から試料5mgを取り、これにヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)0.5mL、クロロホルム0.5mLの順に追加して軽く手動で振とうする。これを浸漬時間24±1.0hrで放置する。試料が完全に溶解したことを確認後に、クロロホルムで10mLに希釈して軽く手動で振とうして、混合する。その後、ジーエルサイエンス(株)製の非水系0.45μmのクロマトディスク、又は(株)島津ジーエルシー製の非水系0.45μmシリンジフィルターにて濾過して、測定試料とする。測定試料を次の測定条件にて、クロマトグラフで測定し、予め作成しておいた標準ポリスチレン検量線から試料の数平均分子量Mn及びZ平均分子量Mzを求める。
〔測定装置〕
・測定装置=東ソー(株)製、「HLC-8320GPC EcoSEC」、ゲル浸透クロマトグラフ(RI検出器・UV検出器内蔵)。
〔GPC測定条件〕
・カラム
〈サンプル側〉
ガードカラム=東ソー(株)製 TSK guardcolumn HXL-H(6.0mm×4.0cm)×1本。
測定カラム=東ソー(株)製 TSKgel GMHXL(7.8mmI.D.×30cm)×2本直列。
〈リファレンス側〉
抵抗管(内径0.1mm×2m)×2本直列。
カラム温度=40℃。
移動相=クロロホルム。
〈動相流量〉
サンプル側ポンプ=1.0mL/分。
リファレンス側ポンプ=0.5mL/分。
検出器=UV検出器(254nm)。
注入量=15μL。
測定時間=26分。
サンプリングピッチ=500m秒。
〔検量線用標準ポリスチレン試料〕
検量線用標準ポリスチレン試料は、昭和電工(株)製の製品名「STANDARD SM-105」及び「STANDARD SH-75」から、質量平均分子量Mwが5,620,000、3,120,000、1,250,000、442,000、131,000、54,000、20,000、7,590、3,450、1,320のものを用いる。
上記検量線用標準ポリスチレンをA(5,620,000、1,250,000、131,000、20,000、3,450)及びB(3,120,000、442,000、54,000、7,590、1,320)にグループ分けしる。Aを秤量(2mg、3mg、4mg、4mg、4mg)した後、クロロホルム30mLに溶解する。Bを秤量(3mg、4mg、4mg、4mg、4mg)した後、クロロホルム30mLに溶解する。
標準ポリスチレン検量線は、作成した各A及びB溶解液を50μL注入して測定後に得られた保持時間から較正曲線(三次式)を作成することにより得る。その検量線を用いて数平均分子量Mn及びZ平均分子量Mzを算出する。
原料であるポリエステル系樹脂の極限粘度(IV値)は0.50~1.50が好ましく、0.80~1.10がより好ましい。IV値が上記下限値以上であれば、発泡しやすくなり発泡層を得られやすくなる。IV値が上記上限値以下であれば、平滑なシートが得られやすくなる。
IV値は、JIS K7367-5(2000)の方法で測定できる。
<発泡剤>
発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテル等のエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1-ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタン等のフロン、二酸化炭素、窒素等が挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素、窒素が好ましい。これらの発泡剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
発泡剤の含有量は、特に限定されないが、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、例えば、0.1~12質量部が好ましい。
<任意成分>
本発明の積層発泡シートは、ポリエステル系樹脂、結晶化促進剤及び発泡剤以外にその他成分(任意成分)を含有していてもよい。
かかる任意成分としては、気泡調整剤、安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、結晶化促進剤、滑剤、架橋剤、界面活性剤、収縮防止剤、難燃剤、劣化防止剤等が挙げられる。
なお、ポリエステル系樹脂、発泡剤及び任意成分の合計は、100質量%を超えない。
架橋剤としては、例えば、無水ピロメリット酸等の酸二無水物、多官能エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、例えば、0.08~0.5質量部が好ましい。
気泡調整剤は、例えば、タルク、シリカ等の無機粉末等の混合物等である。これらの気泡調整剤は、発泡層10の独立気泡率を高め、発泡層10を形成しやすい。
気泡調整剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、例えば、0.2~5質量部が好ましい。
安定剤は、例えば、カルシウム亜鉛系熱安定剤、スズ系熱安定剤、鉛系熱安定剤等である。
安定剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以下が好ましい。
紫外線吸収剤は、例えば、酸化セシウム系紫外線吸収剤、酸化チタン系紫外線吸収剤等である。
紫外線吸収剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以下が好ましい。
酸化防止剤は、例えば、酸化セリウム、酸化セリウム/ジルコニア固溶体、水酸化セリウム、カーボン、カーボンナノチューブ、酸化チタン、及びフラーレン等である。
酸化防止剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以下が好ましい。
着色剤は、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、焼成顔料、メタリック顔料、マイカ、パール顔料、亜鉛華、沈降性シリカ、カドミウム赤等である。
本発明の積層発泡シートを食品用の発泡容器の製造に用いる場合には、上記の着色剤の中から衛生協議会登録品を選択することが好ましい。
着色剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、例えば、2質量部以下が好ましい。
結晶化促進剤は、例えば、ケイ酸塩、炭素、金属酸化物等である。ケイ酸塩としては、例えば、含水ケイ酸マグネシウムであるタルクが挙げられる。炭素としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、活性炭、グラファイト、グラフェン、コークス、メソポーラスカーボン、ガラス状炭素、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられ、カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラックが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。
結晶化促進剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、例えば、3質量部以下が好ましい。
上述した任意成分は、それぞれ1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
発泡層10に含まれる任意成分の総量は、発泡層10の総質量に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.5~3質量部がより好ましい。
<非発泡層>
非発泡層20は、例えば、無延伸フィルムが好ましい。非発泡層20が無延伸フィルムであれば、-20℃におけるダイナタップ衝撃試験での全吸収エネルギーを高めやすく、200℃での寸法変化率を小さくしやすい。
非発泡層20の素材としては、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ(1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-G)、酸変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-A)、エチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)が挙げられ、ポリアミド、PBT、PET-G、ポリ(1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂、及びPCT-Aのいずれかが好ましく、ポリアミド及びPCT-Aのいずれかがより好ましく、ポリアミドがさらに好ましい。中でも、非発泡層20としては、ポリアミドの無延伸フィルムが特に好適である。
ポリアミドとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66等が挙げられる。ポリアミドとしては、ナイロン4及びナイロン6のいずれかが好ましく、ナイロン6がより好ましい。
ここで、PET-Gは、酸成分としてテレフタル酸を含み、グリコール成分としてエチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を含むコポリエステル樹脂であり、下記式(3)で表される。
Figure 0007352500000003
[(3)式中、p、qは重合度であり、250~1100の数であり、p>qある。]
ポリ(1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂は、酸成分としてテレフタル酸を含み、グリコール成分として1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)及び2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)を含むコポリエステル樹脂であり、下記式(4)で表される。
Figure 0007352500000004
[(4)式中、x、yは重合度であり、250~1100の数である。]
PCT-Gは、酸成分としてテレフタル酸を含み、グリコール成分としてエチレングリコール及びCHDMを含むコポリエステル樹脂であり、下記式(5)で表される。
Figure 0007352500000005
[(5)式中、p、qは重合度であり、250~1100の数であり、p<qある。]
PCT-Aは、酸成分としてテレフタル酸及びイソフタル酸を含み、グリコール成分としてCHDMを含むコポリエステル樹脂であり、下記式(6)で表される。
Figure 0007352500000006
[(6)式中、p、qは重合度であり、250~1100の数である。]
非発泡層20は、単層構造でもよく、二層以上の多層構造でもよい。
非発泡層20が多層構造の場合、上記の素材(例えば、ポリアミド)の外層と、ポリエステル系樹脂(例えば、結晶性ポリエチレンテレフタレート(A-PET))の内層と、外層と内層とを接着する接着剤層と、を有する多層フィルムが好ましい。この多層フィルムは、外層が表面(露出面)に位置し、内層が発泡層10側に位置する。
非発泡層20の厚みT2は、積層発泡シート1の用途等を勘案して決定され、例えば、10~300μmが好ましく、20~200μmがより好ましい。非発泡層20の厚みT2が上記下限値以上であれば、積層発泡シート1の強度のさらなる向上を図れる。非発泡層20の厚みT2が上記上限値以下であれば、積層発泡シート1の軽量化を図れる。
厚みT2は、厚みTから厚みT1を減じて求められる。
<熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シートの製造方法>
積層発泡シート1は、従来公知の製造方法により製造される。
積層発泡シート1の製造方法は、発泡層単層の発泡シートを得、発泡シートの少なくとも一方の面に非発泡層20を形成する。
発泡シートの製造方法は、ポリエステル系樹脂を溶融し、溶融したポリエステル系樹脂と発泡剤とを混練して混練物とし、この混練物を押し出し、発泡して発泡層を得る工程を有する。
かかる発泡シートの好適な製造方法としては、公知の発泡シートの製造方法を採用でき、例えば、以下に示す製造方法が挙げられる。
ポリエステル系樹脂及びその他成分を含有する原料組成物と、発泡剤とを押出機に供給して溶融し、混練して混合物とする。ポリエステル系樹脂を溶融する温度(溶融温度:設定温度)は、例えば、220~300℃が好ましく、240~290℃がより好ましい。
溶融温度が上記下限値以上であれば、ポリエステル系樹脂と他の原料とを均一に混合できる。溶融温度が上記上限値以下であれば、ポリエステル系樹脂の分解を抑制できる。
混合物の温度(到達温度)は、280~330℃が好ましく、290~320℃がより好ましい。到達温度が上記下限値以上であれば、流動しやすく、押出機からより円滑に押し出せる。到達温度が上記上限値以下であれば、ポリエステル系樹脂の分解を抑制できる。
続いて、押出機内のスクリューで混合物を混錬しつつ、前記押出機の先端に取り付けたサーキュラーダイから混合物を押し出し、発泡して円筒状の発泡体を得る。
この円筒状の発泡体を拡径させ、マンドレルに供給して冷却する。冷却された円筒状の発泡体を押出方向に連続的に切断し、これを展開して、発泡シートとする。
発泡シートの一方の面に非発泡層20を設ける方法としては、従来公知の方法が挙げられる。
例えば、多層構造(ポリアミドの外層/接着剤層/ポリエステル系樹脂の内層)の非発泡層を形成する場合、以下の製造方法を例示できる。予め製造されたポリアミドの非発泡シートと予め製造されたポリエステル系樹脂の非発泡シートとを接着剤を介してドライラミネートした多層構造の非発泡シートを作成する。次いで、内層(ポリエステル系樹脂)の面をポリエステル系樹脂発泡シートに熱溶着又は熱圧着する。
その他の方法としては、非発泡シートを発泡シートに熱溶着又は熱圧着する方法、非発泡シートを接着剤で発泡シートに接着する方法等が挙げられる。
接着剤は、特に限定されず、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂又はメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等が挙げられる。
なお、上述の実施形態では、発泡層の一方の面にのみ非発泡層が設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、発泡層の他方の面に非発泡層が設けられていてもよい。即ち、本発明の積層発泡シートは、発泡層の両面に非発泡層が設けられていてもよい。
加えて、本発明の積層発泡シートは、非発泡層の表面に印刷層が設けられていてもよく、印刷層の表面にさらに非発泡層が設けられていてもよい。
(熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器)
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器(発泡容器)は、上述した本発明の積層発泡シートを成形してなるものである。
発泡容器は、底壁部と、底壁部の周縁から立ち上がる側壁部とを有する、発泡容器は、側壁部の上端で囲まれた開口部を有する。側壁部は、底壁部に向かうに従い、窄まっていてもよい。
発泡容器の形状は特に限定されず、例えば、平面視形状が真円形、楕円形、半円形、多角形、扇形等のトレー、丼形状の容器、有底円筒状又は有底角筒状等の容器、納豆用容器等の蓋付容器等の種々の発泡容器が挙げられる。
これらの発泡容器の用途としては、例えば、食品用が好ましく、冷蔵食品用又は冷凍食品用がより好ましい。
発泡容器の大きさは、特に限定されず、用途を勘案して適宜決定される。
調理済食品用の発泡容器であれば、底壁部の長手方向が10~30cm、底壁部の短手方向が10~20cm、高さが3~10cmの容器が挙げられる。
発泡容器の底壁部の厚みは、例えば、0.2~3mmが好ましく、0.5~2mmがより好ましい。底壁部の厚みは、無作為の10点をシックネスゲージで測定した値の平均値である。
発泡容器の側壁部の厚みは、例えば、0.2~3mmが好ましく、0.5~2mmがより好ましい。側壁部の厚みは、無作為の10点をシックネスゲージで測定した値の平均値である。
<物性>
発泡容器の低温側DSCピークは、積層発泡シートの低温側DSCピークと同様に、170℃以上であり、190℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。低温側DSCピークが上記下限値以上であれば、耐寒性をより高められる。低温側DSCピークの上限値は、実質的に290℃である。
発泡容器は、積層発泡シートと同様に、DSCピークを2つ以上有することが好ましい。DSCピークを2つ以上有する(即ち、低温側DSCピークよりも高温側のDSCピークを少なくとも1つ有する)ことで、耐熱性をより高められる。
発泡容器がDSCピークを2つ以上有する場合、低温側DSCピーク以外の他のDSCピークは、190℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、220℃以上がさらに好ましい。
低温側DSCピークと他のDSCピークとの差は、10~80℃が好ましく、20~70℃がより好ましく、25~60℃がさらに好ましい。
発泡容器の-20℃全吸収エネルギーは、積層発泡シートと同様に、0.15J以上であり、0.20J以上が好ましい。-20℃全吸収エネルギーが上記下限値以上であれば、耐寒性をより高められる。-20℃全吸収エネルギーの上限は、実質的に5.0J以下である。
なお、発泡容器の-20℃全吸収エネルギーは、発泡容器の底壁部の両面の-20℃全吸収エネルギーの平均値である。
ダイナタップ衝撃試験は、容器の底壁部から直径10cmの円形の試料を切り出す以外は、積層発泡シートを同様にして測定される。
発泡容器の200℃での寸法変化率は、10%未満であり、7%未満がより好ましく、5%未満がさらに好ましい。200℃での寸法変化率が上記上限値未満であれば、耐熱性をより高められる。
発泡容器の200℃での寸法変化率の測定方法について、説明する。
発泡容器の底壁部から、50mm角の正方形の切片を切り出して試料とする。例えば、発泡容器の底壁部の平面視形状が、一方を長手とし、他方を短手とする場合には、長手方向に50mm、短手方向に50mmの正方形として切り出し。即ち、切り出された試料は、底壁部の長手方向に沿った辺と、底壁部の短手方向に沿った辺とを有する。
切り出した試料を200℃の加熱炉で10分間加熱する。加熱した試料について、一方の面における任意の辺(例えば、底壁部の長手方向に沿った辺)に沿う方向の長さLd1及び前記任意の辺に直交する方向の長さLd2と、他方の面における前記任意の辺に沿う方向の長さLd11及び前記任意の辺に直交する方向の長さLd12とを測定する。[長さLd1]と[長さLd11]との平均値を前記任意の辺に沿う方向の長さの平均値とする。[長さLd2]と[長さLd12]との平均値を前記任意の辺に直交する方向の長さの平均値とする。下記式(s2)により寸法変化量を算出する。
寸法変化量(mm)=[加熱前の一辺の寸法:50mm]-[加熱後の前記任意の辺に沿う方向又は前記任意の辺に直交する方向の長さの平均値] ・・・(s2)
算出された寸法変化量の絶対値の内、数値が大きい方を「加熱後の寸法変化値(α2)mm」とする。下記式(s3)により算出した値を寸法変化率(%)とする。
寸法変化率(%)=[加熱後の寸法変化値(α2)mm]÷[加熱前の一辺の寸法:50mm]×100 ・・・(s3)
なお、切り出した試料の正方形の中心を通る線分の長さをそれぞれ[長さLd1]、[長さLd11]、[長さLd2]、[長さLd12]とし、試料が反った場合は、反った面に沿う線分の長さをそれぞれ[長さLd1]、[長さLd11]、[長さLd2]、[長さLd12]とする。
発泡容器の発泡層の坪量は、積層発泡シートの発泡層の坪量と同様である。
発泡容器の発泡層の厚みは、積層発泡シートの発泡層の厚みと同様である。
発泡容器の発泡層のMzは、積層発泡シートの発泡層のMzと同様である。
発泡容器の発泡層の結晶化度は、15~30%が好ましく、16~28%がより好ましく、17~25%がさらに好ましい。発泡層の結晶化度が上記下限値以上であれば、耐熱性のさらなる向上を図れる。発泡層の結晶化度が上記上限値以下であれば、耐寒性のさらなる向上を図れる。
結晶化度は、下記(a)式により求められる。
結晶化度(%)={(融解熱量の絶対値(J/g)-結晶化熱量の絶対値(J/g))÷完全結晶化熱量(J/g)}×100・・・(a)
(a)式中、融解熱量及び結晶化熱量は、JIS K7122(2012)「プラスチックの転移熱測定方法」に従い測定したDSC曲線から求めることができる。測定条件は以下の通りである。
アルミニウム製測定容器の底に、隙間のないように測定試料を5~10mg充填する。
次に窒素ガス流量20mL/分の下、30℃にて2分間保持し、速度10℃/分にて30℃から290℃まで昇温した時のDSC曲線を得る。このときの基準物質としてアルミナを用いる。
算出される結晶化度は、融熱ピークの面積から求められる融解熱量(J/g)と結晶化ピークの面積から求められる結晶化熱量(J/g)の差を、樹脂の完全結晶の理論融解熱量で除して求められる値である。融解熱量及び結晶化熱量は、装置付属の解析ソフトを用いて算出できる。
完全結晶化熱量は、100%結晶化した場合の熱量を表す。なお、PETの完全結晶化熱量は、140.1J/gである。
発泡容器の発泡層の結晶化度は、後述する発泡容器の製造方法において、成形時の金型の温度及び成形時間等の組み合わせにより調節できる。
<熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器の製造方法>
発泡容器の製造方法は、上述した本発明の発泡シートの製造方法で積層発泡シートを得、得られた積層発泡シートを加熱し、任意の形状に成形して容器とする方法である。
かかる発泡容器の好適な製造方法としては、公知の発泡容器の製造方法を採用でき、例えば、以下に示す製造方法が挙げられる。
まず、積層発泡シートを任意の温度に加熱して、積層発泡シートを軟化する(予備加熱工程)。予備加熱工程では、例えば、積層発泡シートを120~130℃とする。
次いで、任意の温度に加熱したプラグ型とキャビティ型と(金型)で、軟化した積層発泡シートを挟み込み、所望の形状に成形する。その後、雄型と雌型とを離間して、成形された容器を取り出す。成形時の金型の温度は、例えば、170~200℃が好ましい。積層発泡シートを金型で挟み込んでいる時間は、例えば、3~20秒間が好ましい。
上述の通り、本発明の積層発泡シートは、発泡層と非発泡層とを有し、低温側DSCピークが特定の範囲であり、-20℃全吸収エネルギーが特定の範囲であり、200℃での寸法変化率が特定の範囲であるため、耐寒性をより高められる。
また、本発明の発泡容器は、発泡層と非発泡層とを有し、低温側DSCピークが特定の範囲であり、-20℃全吸収エネルギーが特定の範囲であり、200℃での寸法変化率が特定の範囲であるため、耐寒性をより高められる。
(使用原料)
<発泡シート>
・A-1:厚み0.75mm、坪量330g/m、Z平均分子量Mz=390,000の発泡シート。下記製造例1で得られたもの。
≪製造例1≫発泡シートA-1の製造方法。
極限粘度(IV値)=1.04のPET(Mz=190,000)100質量部、微細タルク(結晶核剤、商品名「MS-P」、日本タルク社製)1.5質量部及び無水ピロメリット酸(架橋剤、商品名「ダイセル無水ピロメリット酸」、ダイセル社製)0.15質量部を予め100℃で4時間除湿乾燥した。除湿乾燥した後の前記原料をφ90mmの押出機で溶融混練し、窒素ガス(混練物100質量部に対して窒素9質量部)を圧入し、混練した後、口径φ135mmのサーキュラーダイから押出し、マンドレルにて冷却しながらシート状に成形し、巻き取った。
<非発泡シート>
・B-1:無延伸ナイロン6、商品名「ダイアミロンC-Z」、三菱ケミカル社製。
・B-2:無延伸PBT、ホモPBT、オージーフィルム社製。
・B-3:コポリエステル(ポリ(1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂)、商品名「トライタン」、イーストマンケミカル社製。
・B-4:無延伸EVOH、商品名「エバール EF-Fグレード」、クラレ社製。
・B-5:二軸延伸ナイロン6、商品名「スーパーニールMXDナイロン系SP-R」、三菱ケミカル社製。
・B-6:無延伸A-PET、商品名「ベルFLL」、東和化工社製。
・B-7:二軸延伸PBT、商品名「ボブレット」、興人フィルム社製。
・B-8:無延伸PCT-A、商品名「Easter Copolyester AN004」、イーストマンケミカル社製。
(実施例1~4、9~10、比較例4~6)
表1~2の非発泡層の組み合わせとなるように、外層のフィルムと、内層のフィルム(非発泡シートB-6)とを接着剤(厚み2μm)〔TM-250HV、東洋モートン社製〕を介してドライラミネートし、多層構造の非発泡シートを得た。
得られた多層構造の非発泡シートの内層の面を発泡シートA-1に向けて、非発泡シートを発泡シートに乗せて接積層物とした。積層物を190℃、0.5MPaで熱圧着して、片面に非発泡層が形成された積層発泡シートを得た。
得られた積層発泡シートについて、DSCピーク、-20℃全吸収エネルギー及び200℃での寸法変化率について測定した。
得られた積層発泡シートを160℃で30秒間加熱した。次いで、プラグ型側から圧縮空気を供給して、積層発泡シートをキャビティ型に密着させ、プラグ型とキャビティ型とを6秒間閉じて、180℃で真空圧空成形をして積層発泡容器を得た。得られた積層発泡容器は、開口径140mm×100mm、開口部フランジ幅10mm、底壁部内径110mm×80mm、高さ20mmの長方形の容器であった。得られた積層発泡容器は、容器の内面に非発泡層が形成された容器であった。
得られた積層発泡容器について、DSCピーク、-20℃全吸収エネルギー、200℃での寸法変化率及び発泡層の結晶化度を測定した。また、各例の積層発泡容器について、耐熱性試験、耐寒性試験を行い、評価した。
測定結果を表1~2に示す。
(実施例5~8、比較例1~3)
表1~2に従い、非発泡層に単層の非発泡シートを用いた以外は、実施例1と同様にして各例の積層発泡シートを得た。得られた積層発泡シートについて、DSCピーク、-20℃全吸収エネルギー及び200℃での寸法変化率について測定した。
また、各例の積層発泡シートを用い、実施例1と同様にして積層発泡容器を得た。得られた積層発泡容器について、DSCピーク、-20℃全吸収エネルギー、200℃での寸法変化率及び発泡層の結晶化度を測定した。また、各例の積層発泡容器について、耐熱性試験、耐寒性試験を行い、評価した。
(評価方法)
<耐熱性試験(変形)>
各例の発泡容器をオーブンで、200℃、10分間加熱した。加熱前後に、発泡容器の上端面の長手方向の長さ(外寸)と、上端の短手方向の長さ(外寸)とを測定し、下記式(s11)~(s13)により平均寸法変化率(%)を求めた。
長手方向の寸法変化率(%)=(|[加熱前の上端面の長手方向の長さ]-[加熱後の上端面の長手方向の長さ]|)÷[加熱前の上端面の長手方向の長さ]×100 ・・・(s11)
短手方向の寸法変化率(%)=(|[加熱前の上端面の短手方向の長さ]-[加熱後の上端面の短手方向の長さ]|)÷[加熱前の上端面の短手方向の長さ]×100 ・・・(s12)
平均寸法変化率(%)=([長手方向の寸法変化率(%)]+[短手方向の寸法変化率(%)])÷2 ・・・(s13)
≪評価基準≫
5点:平均寸法変化率が10%未満である。
0点:平均寸法変化率が10%以上である。
<耐熱性試験(外観)>
各例の発泡容器をオーブンで、200℃、10分間加熱した。加熱後に、非発泡層の面を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
≪評価基準≫
5点:光沢感が維持できており美麗である。
4点:やや白濁している。
2点:非発泡層に微小な溶け(浮き)が確認できる。
0点:非発泡層が溶けている。
≪耐熱性総合評価≫
耐熱性試験(変形)の評価点と耐熱性試験(外観)の評価点の内、点数の低い方を耐熱性の評価点とした。
<耐寒性>
各例の発泡容器に200mLの水を入れ、-20℃で6時間保管して、容器入り凍結品を得た。容器入り凍結品を3個重ねて1単位とし、4単位を並べて段ボールに入れ、段ボールを封止して、段ボール入り製品とした。段ボール入り製品を-20℃の環境下で16時間保管した。その後、段ボール入り製品を80cmの高さからコンクリート面に落下した後、段ボール内の容器入り凍結品を目視で観察した。発泡容器の破損状況について、下記評価基準に従って評価した。
≪評価基準≫
5点:亀裂及び欠損を生じない発泡容器の数(生存容器数)が10~12個であった。
4点:亀裂及び欠損を生じない発泡容器の数(生存容器数)が7~9個であった。
2点:亀裂及び欠損を生じない発泡容器の数(生存容器数)が4~6個であった。
0点:亀裂及び欠損を生じない発泡容器の数(生存容器数)が0~3個であった。
<総合評価>
耐熱性の点数と耐寒性の点との合計が4点以上であり、かつ耐熱性の評価と耐寒性の評価とがいずれも0点ではない場合を「合格」と判断した。
Figure 0007352500000007
Figure 0007352500000008
図5は、実施例1の積層発泡シートのDSCチャートである。図5に示すように、実施例1の積層発泡シートは、2つのDSCピークを有する。実施例1の積層発泡シートは、221.5Cel(℃)に低温側DSCピークを有し、249.8Cel(℃)に他のDSCピークを有する。
表1~2に示す通り、本発明を適用した実施例1~8は、総合評価が4点以上であった。
これに対し、積層発泡シートの-20全吸収エネルギーが0.08~0.14である比較例1~3は、耐寒性の評価が0点であった。
200℃での寸法変化率が12~15%である比較例4~6の積層発泡シートは、成形時の変形が著しく、所望の形状に成形できなかった。また。比較例4~6の発泡容器は耐熱性の評価が0点であった。
1 熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート
10 発泡層
20 非発泡層

Claims (17)

  1. 熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡層と、前記発泡層の少なくとも一方の面に設けられた非発泡層とを有し、
    30℃から290℃まで昇温した際に熱流束示差走査熱量測定装置で測定される1つ以上の吸収エネルギーピークの内、最も低温側の吸収エネルギーピークが170℃以上であり、
    -20℃におけるダイナタップ衝撃試験での全吸収エネルギーが0.15J以上であり、
    下記測定方法で求められる200℃での寸法変化率が10%未満であり、
    前記吸収エネルギーピークを2つ以上有する
    熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
    <測定方法>
    MD方向50mm、TD方向50mmの熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シートを200℃の加熱炉で10分間加熱し、一方の面のMD方向長さLm1及びTD方向長さLt1と、他方の面のMD方向長さLm2及びTD方向長さLt2を測定し、[長さLm1]と[長さLm2]との平均値をMD方向の長さの平均値とし、[長さLt1]と[長さLt2]との平均値をTD方向の長さの平均値とし、下記式(s0)により算出される寸法変化量の絶対値の内、数値が大きい方を「加熱後の寸法変化値(α1)mm」とし、下記式(s1)により算出した値を寸法変化率(%)とする。
    寸法変化量(mm)=[加熱前の一辺の寸法:50mm]-[加熱後のMD方向又はTD方向の長さの平均値] ・・・(s0)
    寸法変化率(%)=[加熱後の寸法変化値(α1)mm]÷[加熱前の一辺の寸法:50mm]×100 ・・・(s1)
  2. 前記非発泡層は、無延伸フィルムである、請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
  3. 前記非発泡層は、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ(1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-G)、酸変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-A)及びエチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
  4. 温側の前記吸収エネルギーピークが200℃以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
  5. 前記発泡層の坪量が、200~1000g/mである、請求項1~のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
  6. 厚みが0.2~3mmである、請求項1~のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
  7. 前記発泡層のZ平均分子量Mzが100,000~500,000である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート。
  8. 底壁部と、前記底壁部の周縁から立ち上がる側壁部とを有する熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器において、
    熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡層と、前記発泡層の少なくとも一方の面に設けられた非発泡層とを有し、
    30℃から290℃まで昇温した際に熱流束示差走査熱量測定装置で測定される1つ以上の吸収エネルギーピークの内、最も低温側の吸収エネルギーピークが170℃以上であり、
    -20℃におけるダイナタップ衝撃試験での全吸収エネルギーが0.15J以上であり、
    下記測定方法で求められる200℃での寸法変化率が10%未満であり、
    前記吸収エネルギーピークを2つ以上有する
    熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
    <測定方法>
    熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器の底壁部から50mm角の切片を切り出し、この切片を200℃の加熱炉で10分間加熱し、一方の面における任意の辺に沿う方向の長さLd1及び前記任意の辺に直交する方向の長さLd2と、他方の面における前記任意の辺に沿う方向の長さLd11及び前記任意の辺に直交する方向の長さLd12とを測定し、[長さLd1]と[長さLd11]との平均値を前記任意の辺に沿う方向の長さの平均値とし、[長さLd2]と[長さLd12]との平均値を前記任意の辺に直交する方向の長さの平均値とし、下記式(s2)により算出される寸法変化量の絶対値の内、数値が大きい方を「加熱後の寸法変化値(α2)mm」とし、下記式(s3)により算出した値を寸法変化率(%)とする。
    寸法変化量(mm)=[加熱前の一辺の寸法:50mm]-[加熱後の前記任意の辺に沿う方向又は前記任意の辺に直交する方向の長さの平均値] ・・・(s2)
    寸法変化率(%)=[加熱後の寸法変化値(α2)mm]÷[加熱前の一辺の寸法:50mm]×100 ・・・(s3)
  9. 底壁部と、前記底壁部の周縁から立ち上がる側壁部とを有する熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器において、
    熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡層と、前記発泡層の少なくとも一方の面に設けられた非発泡層とを有し、
    30℃から290℃まで昇温した際に熱流束示差走査熱量測定装置で測定される1つ以上の吸収エネルギーピークの内、最も低温側の吸収エネルギーピークが170℃以上であり、
    -20℃におけるダイナタップ衝撃試験での全吸収エネルギーが0.15J以上であり、
    下記測定方法で求められる200℃での寸法変化率が10%未満であり、
    前記発泡層の結晶化度が15%以上30%以下である
    熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
    <測定方法>
    熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器の底壁部から50mm角の切片を切り出し、この切片を200℃の加熱炉で10分間加熱し、一方の面における任意の辺に沿う方向の長さLd1及び前記任意の辺に直交する方向の長さLd2と、他方の面における前記任意の辺に沿う方向の長さLd11及び前記任意の辺に直交する方向の長さLd12とを測定し、[長さLd1]と[長さLd11]との平均値を前記任意の辺に沿う方向の長さの平均値とし、[長さLd2]と[長さLd12]との平均値を前記任意の辺に直交する方向の長さの平均値とし、下記式(s2)により算出される寸法変化量の絶対値の内、数値が大きい方を「加熱後の寸法変化値(α2)mm」とし、下記式(s3)により算出した値を寸法変化率(%)とする。
    寸法変化量(mm)=[加熱前の一辺の寸法:50mm]-[加熱後の前記任意の辺に沿う方向又は前記任意の辺に直交する方向の長さの平均値] ・・・(s2)
    寸法変化率(%)=[加熱後の寸法変化値(α2)mm]÷[加熱前の一辺の寸法:50mm]×100 ・・・(s3)
  10. 前記非発泡層は、無延伸フィルムである、請求項8又は9に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
  11. 前記非発泡層は、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ(1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-G)、酸変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT-A)及びエチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
  12. 前記吸収エネルギーピークを2つ以上有し、低温側の前記吸収エネルギーピークが200℃以上である、請求項8~11のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
  13. 前記発泡層の坪量が、200~1000g/mである、請求項12のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
  14. 前記底壁部の厚みが0.2~3mmであり、前記側壁部の厚みが0.2~3mmである、請求項13のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
  15. 前記発泡層のZ平均分子量Mzが100,000~500,000である、請求項14のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
  16. 食品用である、請求項15のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
  17. 冷蔵食品用又は冷凍食品用である、請求項16に記載の熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器。
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