JP7350304B2 - アレルギー性の鼻炎症状抑制剤 - Google Patents
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Description
(1)下記の一般式(I)で表される、レンコン節部由来のプロアントシアニジンと、エピガロカテキンガレート又はエピガロカテキンガレート含有物質を有効成分として含有する、アレルギー性の鼻炎症状抑制剤。
(2)前記鼻炎症状が、くしゃみ、水性鼻漏、又は鼻の腫れ若しくは発赤である、(1)に記載のアレルギー性の鼻炎症状の抑制剤。
(3)前記プロアントシアニジンの一日の投与量が、患者の体重1kgあたり0.2~10mgである、(1)又は(2)に記載のアレルギー性の鼻炎症状抑制剤。
(4)前記エピガロカテキンガレート含有物質が緑茶抽出物である、(1)~(3)のいずれかに記載のアレルギー性の鼻炎症状抑制剤。
本発明のアレルギー性鼻炎症状抑制剤は、レンコン節部由来のプロアントシアニジンと、エピガロカテキンガレート又はエピガロカテキンガレート含有物質を有効成分として含有する。
本発明のアレルギー性鼻炎症状抑制剤の有効成分であるプロアントシアニジンは、下記の一般式(I)で示される、フラバン-3-オールを構成単位とする重合体である。
エピガロカテキンガレート(EGCG)は、緑茶ポリフェノールの主要成分である。本発明に用いるエピガロカテキンガレートは、化学的に合成されたもの、茶葉を含む各種の植物体から抽出・精製されたもの等、特に制限はなく、商業的に入手可能である。茶葉としては、ツバキ科の常緑樹であるチャ(学名:Camellia sinensis(L)O.Kuntze)から得られる茶葉から製茶された煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露、てん茶、釜入り茶などの不発酵茶である緑茶、前記茶葉から半発酵又は発酵工程を経て製茶された半発酵茶である烏龍茶(鉄観音、黄金桂、武夷岩茶等)又は発酵茶である紅茶(ダージリン、アッサム、ジャワティー等)などが挙げられる。これらの茶葉を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、エピガロカテキンガレートを多く含有する緑茶が好ましい。
(1)レンコンエキス粉末の調製
徳島県産(主に備中種)のレンコン節部793kgをフードカッターで粉砕し、これに水2382kgを加え、95℃以上で1時間撹拌抽出した。抽出液に常温の水1588kgを加え温度を50℃まで低下させた後、0.476kgのプロテアーゼM「アマノ」を添加し、酵素処理を1時間行った。酵素活性失活のために95℃以上に加温し、100メッシュのフィルターでろ過した後、遠心分離処理により固形分を分離除去し、抽出液を珪藻土濾過処理により清澄化した。得られた濾過液を、減圧濃縮器により710kgまで濃縮した。濃縮液に、濃縮液中の固形分が80%(W/W)、添加するデキストリン固形分が20%(W/W)になるように、デキストリンを添加溶解し、スプレードライ法によって粉末化し、レンコンエキスの粉末75.6kgを回収した。
(1)で調製したレンコンエキス粉末60.89gを0.5M塩化ナトリウム水溶液6000gに溶解した。この溶液を0.2μmフィルターにより濾過した。濾過液を2等分し、精製水で膨潤させたSephadex LH-20(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)を充填した50x200mmのカラムに2等分した濾過液を連続して負荷し、プロアントシアニジンを吸着させた。続いてカラムを0.5M塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに精製水6000gを通液し、塩化ナトリウムを除去した。その後、カラム吸着成分を50%(V/V)アセトン水溶液で溶出した。この溶出液を減圧濃縮器によりアセトンを除去することで濃縮し、凍結乾燥処理により粉末化した。2回のカラム処理により、凍結乾燥粉末2.0085gを回収した。
(2)で得られた吸着画分を、メタノールに溶解し、酸性条件下でベンジルメルカプタン(シグマ・アルドリッチ)を作用させチオール分解処理を行った。この分解液をC18カラム(ODS-3 ジーエルサイエンス社製)により分析した結果、9種類の成分(P1~P9)から構成される成分であることが判明した(図1)。この9種類の成分は、NMR等による分析により、P1はガロカテキン、P2はエピガロカテキン、P3はカテキン、P4はエピカテキン、P5は(+)-ガロカテキンチオール誘導体(ガロカテキンチオール1)、P6は(-)-ガロカテキンチオール誘導体(ガロカテキンチオール2)、P7はエピガロカテキンチオール誘導体、P8はカテキンチオール誘導体、P9はエピカテキン誘導体であることを確認した。各構成成分の濃度を測定し、組成比率及び推定重合度(構成成分の総モル数)/(末端部の総モル数)を分析した。結果を表1に示す。
レンコン節部由来のプロアントシアニジンと精製エピガロカテキンガレート(長良サイエンス株式会社)の組み合わせによるアレルギー性の鼻炎症状抑制効果について鼻過敏症モデルラットを用いて評価した。本試験には、レンコン節部由来のプロアントシアニジンとして、実施例1でレンコンエキス粉末より精製したプロアントシアニジン重合体を含むセファデックス吸着画分を使用した。
(1)鼻過敏症モデルラットの作成
6週齢Brown-Norway系雄性ラット(200 g、SLC, Hamamatsu, Japan)を使用した。動物は22±1℃の室温で12時間毎の昼夜サイクルで飼育した。TDI(トルエン2,4-ジイソシアン酸)によるラットの感作は、Kitamuraらの方法(Acta Otolaryngol. 2004, 124, 1053-1058)の変法を用いた。すなわち、Brown- Norway系雄性ラットの両側鼻前庭に、極細耳鼻用綿棒を用いて10μLの10% TDI-酢酸エチル溶液を連日5日間×2回塗布した(TDI感作)。その後1週間無処置期間をおいた上で10% TDI-酢酸エチル溶液の鼻前庭塗布にて発作を誘発した。図3にTDI感作鼻過敏症モデルラットの作成スケジュールを示す。また、上記のTDIによる感作と発作誘発と同スケジュールで、TDIに代えて酢酸エチル溶液を塗布した対照モデルラット(陽性対照)を作成した。
経口投与の終了日に、「くしゃみ」の回数を10分間測定し、その回数を記録した。
経口投与の終了日に、鼻過敏症症状として、「水溶性鼻漏」、「鼻の腫れ及び発赤」を下記表2に示す指標により評価しスコア化した。
くしゃみの回数の結果を図4に、鼻過敏症症状(鼻症状スコア)の結果を図5に示す。
アレルギー性のくしゃみ回数は、レンコンエキス粉末由来のプロアントシアニジンとエピガロカテキンガレートとを組み合わせて投与したTDI感作鼻過敏症モデルラット(陽性対照)に対し、28mg/kg投与群(Mix28)においてそれぞれの単独投与群(LR14、LR28、EGCG)に比べて有意に低下した。また低用量投与群の14mg/kg投与群(Mix14)では有意なくしゃみ回数の低下は確認されなかった。また、鼻症状スコアは、TDI(陽性対照)に対して、28mg/kg投与群(Mix28)において有意な低下が認められた。
Claims (6)
- 前記鼻炎症状が、くしゃみ、水性鼻漏、又は鼻の腫れ若しくは発赤である、請求項1に記載のアレルギー性の鼻炎症状抑制用組成物。
- 前記プロアントシアニジンの一日の投与量が、患者の体重1kgあたり0.2~10mgである、請求項1又は2に記載のアレルギー性の鼻炎症状抑制用組成物。
- 前記エピガロカテキンガレート含有物質が茶葉抽出物である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアレルギー性の鼻炎症状抑制用組成物。
- 医薬品の形態である、請求項1~4のいずれか1項に記載のアレルギー性の鼻炎症状抑制用組成物。
- 飲食品の形態である、請求項1~4のいずれか1項に記載のアレルギー性の鼻炎症状抑制用組成物。
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Meng Fu et al.,"Anti-inflammatory effect of epigallocatechin gallate in a mouse model of ovalbumin-induced allergic rhinitis",International Immunopharmacology,2017年,Vol.49,p.102-108,http://dx.doi.org/10.1016/j.intimp.2017.05.030 |
鶴田裕美,外3名,「佐賀県産レンコンの成分および機能性に関する部位別解析」,日本調理科学会大会研究発表要旨集,2015年,2P-19,https://doi.org/10.11402/ajscs.27.0_168 |
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