JP6639162B2 - レンコン節部の抽出物を含有する抗アレルギー剤 - Google Patents

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Description

本発明は、インターロイキン−9(IL−9)産生抑制剤、抗アレルギー剤、及び抗アレルギー用組成物に関する。
近年、自然環境や食生活の変化、ストレスの増加等により、アレルギー患者の数は、年々増加している。アレルギーの発症機構は通常I型からIV型の4つに分類されており、これらの混合型も存在する。花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹などのI型アレルギーは抗原が作用してから短時間で症状が出てくるため即時型アレルギーと呼ばれている。
I型アレルギーの作用機序は、IgE抗体の誘導と肥満細胞や好塩基球からのヒスタミンやロイコトリエン等のケミカルメディエーターの放出(脱顆粒)を特徴とする。まず、外界から侵入したアレルゲン(花粉、室内塵、ダニ、カビ等)は、樹状細胞やマクロファージ等の抗原提示細胞によってその一部をMHC class II分子に結合した状態でT細胞に対して提示され、Th2細胞が活性化・分化する。Th2細胞が放出したTh2サイトカイン(IL−4、IL−5、IL−9、IL−13等)はB細胞のクラススイッチを誘導し、IgE抗体が産生され、IgE抗体は組織内の肥満細胞や血中の好塩基球表面のFcεRIに結合する。アレルゲンは次回の侵入時に肥満細胞や好塩基球表面に結合しているIgE抗体に認識され、IgE抗体間に架橋が形成され、この刺激を引き金として肥満細胞や好塩基球がケミカルメディエーターを放出(脱顆粒)することによって、アレルギーの諸症状が発現する。例えば、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)では、鼻粘膜の肥満細胞、好塩基球から放出されるヒスタミンにより、血管拡張、血管透過性亢進が起こった結果、くしゃみ、水性鼻漏、鼻閉(鼻づまり)等の不快な鼻炎症状が現れる。これまでこのようなIgEやケミカルメディエーターを介するアレルギー症状を抑制及び改善する薬剤としては、例えば、肥満細胞の活性を弱めてケミカルメディエーターの遊離を抑制するケミカルケミカルメディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1受容体にヒスタミンと拮抗的に結合することによってその機能を阻害するヒスタミンH1拮抗薬、ロイコトリエン受容体にロイコトリエンと拮抗的に結合することによってその機能を阻害するロイコトリエン拮抗薬、トロンボキサンの産生及び作用を抑制するトロンボキサン阻害・拮抗薬、IL−4及びIL−5の産生を抑制するTh2サイトカイン阻害薬といった抗アレルギー剤のほか、免疫応答性を弱めることによって炎症を軽減するステロイド剤などがある。また、抗ヒスタミン薬のなかでも、ヒスタミン拮抗作用と肥満細胞からのケミカルメディエーターの遊離の抑制作用を併せ持つ第2もしくは第3世代の抗ヒスタミン薬が日本では抗アレルギー薬として呼ばれることもある。しかしながら、これまで上記のような薬剤はアレルギー症状の治療に十分な効果が得られているとはいえず、また、重大な副作用があったり、他の疾患を有する患者には使用禁忌であるなどの問題がある。さらに、上記のような薬剤の長期にわたる使用は、医療経済上大きな負担ともなる。よって、治療効果が高く、安全かつ安価な次世代の抗アレルギー剤の開発が要求されている。
本発明者らは、これまでアレルギー疾患の新規治療戦略として、アレルギー疾患感受性遺伝子の同定とその発現機構の解明を進めてきた。その結果、ヒスタミンH1受容体遺伝子がアレルギー疾患感受性遺伝子であり、ヒスタミンH1受容体(H1R)遺伝子の発現亢進にはプロテインキナーゼC−δ(PKCδ)の活性化が必要であること、ヒスタミンH1受容体遺伝子の発現亢進が、アレルギー性鼻炎の症状の重さ、及びIL−5遺伝子の発現と高い相関性があることを明らかにした。さらに、抗アレルギー性和漢薬「苦参」の抽出物から、ヒスタミンH1受容体遺伝子/IL−4遺伝子発現抑制物質であるマーキアインを同定した(特許文献1)。また、上記のようなPKCδシグナル伝達系とは別のアレルギー発症に関与するシグナルとして、カルシニューリン/NFATシグナル伝達系の活性化により誘導されるIL−9遺伝子の発現亢進をスプラタストが抑制すること、また、カルシニューリン/NFAT抑制薬であるスプラタストとPKCδを抑制する抗ヒスタミン薬であるエピナスチンを同時に経口投与すると鼻過敏症の症状が有意に改善されることが報告されている(特許文献2)。
特開2011-126791号公報 特開2013-173722号公報
上記のように、抗ヒスタミン薬は代表的な抗アレルギー剤であるが、単独では完全にアレルギー症状を抑制することができず、効果を上げるために投薬量を増やすと副作用が発生したり、費用がかかるなどの問題がある。
従って、本発明の課題は、抗ヒスタミン薬によるアレルギー疾患の治療効果を高め、安全かつ安価な薬剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、レンコン節部の抽出物がIL−9遺伝子の発現亢進を抑制する作用を有すること、また、当該抽出物と抗ヒスタミン薬を併用すると、鼻過敏症モデルラットにおいてその鼻炎症状が顕著に抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)レンコン節部の抽出物を有効成分として含有するIL−9産生抑制剤。
(2)レンコン節部の抽出物を有効成分として含有する抗ヒスタミン物質の抗アレルギー活性の増強剤。
(3)レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質とを含む抗アレルギー剤。
(4)(3)に記載の抗アレルギー剤を含む、抗アレルギー用組成物。
(5)医薬品又は飲食品である、(4)に記載の抗アレルギー用組成物。
(6)レンコン節部からIL−9産生抑制活性成分を抽出する工程を含む、抗アレルギー剤の製造方法。
本発明によれば、レンコン節部の抽出物を有効成分として含有するIL−9産生抑制剤又は抗ヒスタミン物質の抗アレルギー活性の増強剤が提供される。また、レンコン節部の抽出物は、抗ヒスタミン物質を併用することによりアレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を抗ヒスタミン物質単独使用に比べて顕著に改善することができる。よって、本発明によれば、レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質とを含む抗アレルギー剤も提供される。本発明の抗アレルギー剤は、天然物であるレンコンの抽出物を有効成分とするため、日常的に使用しても副作用がなく、安全性が高い。よって、医薬品や健康食品などに安心して使用できる。また、レンコンは安価にかつ容易に入手可能である材料であるから、アレルギー治療の費用負担が軽減される。
図1は、レンコンの各部位(節部、可食部、葉、種子)の抽出物(濃度:10, 50, 100μg/ml)のIL-9発現抑制活性を示す(陰性対照:レンコン抽出物もイオノマイシンも添加しない試験区、イオノマイシン(陽性対照):レンコン抽出物を添加しないでイオノマイシンを添加する試験区)。 図2Aは、レンコン節部(節、節〜1cm)、レンコン可食部(節より1〜2cm、2〜3cm、3〜4cm、4〜5cm、5〜6cm、6〜7cm)の抽出物(濃度:50μg/ml)のIL-9発現抑制活性を示す。図2Bは、レンコン節部(節、節〜1cm)、レンコン可食部(節より1〜2cm)の抽出物(濃度:1〜150μg/ml)のIL-9発現抑制活性を示す(陰性対照:レンコン抽出物もイオノマイシンも添加しない試験区、イオノマイシン(陽性対照):レンコン抽出物を添加しないでイオノマイシンを添加する試験区)。 図3は、TDI感作鼻過敏症モデルラットの作成スケジュールを示す。 図4は、レンコン節部の抽出物(濃度:7.5, 25, 75, 753μg/ml)のIL-9発現抑制活性を示す(陰性対照:レンコン節部抽出物もイオノマイシンも添加しない試験区、イオノマイシン(陽性対照):レンコン節部抽出物を添加しないでイオノマイシンを添加する試験区)。 TDI感作鼻過敏症モデルラットに対するレンコン節部抽出物単独投与、エピナスチン単独投与、レンコン節部抽出物とエピナスチンの併用投与による鼻症状スコアを示す(陰性対照:TDIによる感作と発作誘発と同スケジュールで、TDIに代えて酢酸エチル溶液を塗布した試験区、TDI(陽性対照):TDI感作鼻過敏症モデルラットに薬剤を投与しない試験区、エピナスチン:TDI感作鼻過敏症モデルラットにエピナスチンのみを投与した試験区、レンコン:TDI感作鼻過敏症モデルラットにレンコン節部抽出物のみを投与した試験区、併用:TDI感作鼻過敏症モデルラットにエピナスチンとレンコン節部抽出物とを同時に投与した試験区)。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.インターロイキン−9(IL−9)産生抑制剤、抗ヒスタミン物質の抗アレルギー活性の増強剤
本発明のインターロイキン−9(以下、IL−9と記載する)産生抑制剤又は抗ヒスタミン物質の抗アレルギー活性の増強剤は、レンコン節部の抽出物を有効成分として含有する。本発明でいうレンコン(Lotus root)とは、ハス(Nelumbo nucifera)の地下茎が肥大したものをいい、本発明において「レンコン節部」とは、節または節の端から1cm以内の節近傍部をいう。レンコンの品種(カッコ内は産地)としては、例えば、備中(徳島県鳴門産、石井産)、オオジロ(徳島県川内産)、ロータス(徳島県川内産)等が挙げられるが、品種や産地はこれらに特に限定されるものではない。
抽出方法は、特に限定されないが、水もしくは熱水、又は水と有機溶媒の混合溶媒を用い、撹拌又はカラム抽出する方法により行うことができる。有機溶媒としては、水溶性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール又は含水低級アルコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール又は含水多価アルコール、アセトン、酢酸エチル、あるいはこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。これらの溶媒のなかでも、本発明で使用する溶媒は、水、熱水、エタノールが好ましい。溶媒の使用量については、特に限定はなく、例えば上記レンコン節部(乾燥重量)に対し、10倍以上、好ましくは20倍以上であればよいが、抽出後に濃縮を行なったり、単離したりする場合の操作の便宜上100倍以下であることが好ましい。また、抽出温度や時間は、用いる溶媒の種類によるが、例えば、水を溶媒として用いる場合、10〜120℃、好ましくは20〜100℃で、10分〜24時間、好ましくは30分〜5時間を例示することができる。
抽出物は、遠心分離により不溶物を除去し、濃縮液としてそのまま使用してもよく、あるいは、濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を粉末状態で使用する。また、必要に応じて、抽出物は、遠心分離ののち適当な手段で精製して用いてもよい。精製手段としては、イオン交換カラム、活性炭、ゲル濾過など、当該分野で公知の手段を用いることができる。
上記のようにして得られるレンコン節部の抽出物は、後記実施例で示すように、ラット好塩基球性白血病細胞RBL−2H3において、イオノマイシン刺激によってカルシウムイオンを流入させて誘導したIL−9遺伝子発現の亢進を抑制する活性を有する。また、レンコン節部の抽出物は、後記実施例で示すように、抗ヒスタミン物質と併用投与することによりTDI感作鼻過敏症モデルラットのアレルギー症状を抗ヒスタミン物質単独よりも有意に抑制することができる。よって、レンコン節部の抽出物は、そのままで、あるいは適当な担体を加え、所望の形態に製剤化してIL−9産生抑制剤又は抗ヒスタミン物質の抗アレルギー活性の増強剤として使用できる。
上記のイオノマイシン刺激によるRBL−2H3におけるIL−9遺伝子発現の亢進は、NFATが核内に移行してIL−9遺伝子のNFAT結合部位に結合することによって誘導されるものである。また、アレルギー性鼻過敏症の発症機序の一つとして、カルシニューリン/NFATシグナル伝達系を介したIL−9の発現亢進が確認されている(特許文献2)。カルシニューリン/NFATシグナル伝達系とは、セリン/スレオニン脱リン酸化酵素カルシニューリンによって脱リン酸化された活性化T細胞核因子(NFAT: Nuclear factor of activated T cells)がDNA上のNFAT結合部位に結合することによって下流の遺伝子転写が促進される細胞内シグナル伝達系をいい、このカルシニューリン/NFATシグナルを阻害してT細胞活性化を抑制する薬剤は免疫抑制剤として使用されている。また、IL−9は、IL−4、IL−5、IL−13と並んでTh2細胞が産生するサイトカインの一つであり、これらのTh2サイトカインは、アレルギー反応において脂肪細胞、好塩基球、好酸球からのヒスタミンをはじめとする種々のケミカルメディエーターの産生、及びそれに続く炎症や組織障害のいずれにも関与する。IL−9は、IL−4とは異なって、IgE産生の誘導に必須であるか否かは不明であるが、肥満細胞を増殖させ、活性化された肥満細胞や好塩基球からも産生されることが分かっている。よって、これらの知見から、レンコン節部の抽出物は、抗ヒスタミン物質が抑制するPKCδシグナル伝達系とは異なる、カルシニューリン/NFATシグナル伝達系の阻害作用に基づき、過剰なアレルギー反応の抑制の緩和に関与していると考えられる。
2.抗アレルギー剤
本発明の抗アレルギー剤は、上記のレンコン節部の抽出物と組み合わせた抗ヒスタミン物質とを含む。抗ヒスタミン物質は、抗ヒスタミン作用を有するものであれば、合成物であっても天然物であってもよく、特に限定はされない。よって、本発明においては、抗ヒスタミン物質として、抗ヒスタミン薬、抗ヒスタミン作用を有する植物の抽出物(生薬エキス)などを用いることができる。抗ヒスタミン薬としては、ヒスタミンH1受容体拮抗薬であればいかなるものでもよく、例えば、エピナスチン又はその塩、クロルフェニラミン、カレバスチン、メピラミン、オキサトミド、フェキソフェナジン、セチリジン、ロラタジン、ジフェンヒドラミン、オロパタジン等が挙げられるが、エピナスチン又はその塩が好ましい。また、エピナスチン又はその塩としては、エピナスチン塩酸塩、エピナスチン臭素酸塩、エピナスチンシュウ酸塩、エピナスチン硝酸塩、エピナスチンスルホン酸塩、エピナスチンフマル酸塩、エピナスチンマレイン酸塩、エピナスチン硫酸塩、エピナスチンリン酸塩等のエピナスチンの酸付加塩が挙げられるが、エピナスチン塩酸塩が好ましい。また、抗ヒスタミン作用を有する植物抽出物(生薬エキス)としては、苦参(クジン)、群雀(ムレスズメ)、紫夏藤(ムラサキナツフジ)、西洋イラクサ、甜茶(テンチャ)、槐(エンジュ)、カミツレ、延命草(エンメイソウ)、ハマメリス、サンザシ、アカクローバー、桑枝(ソウジ)、松節(ショウセツ)、沈香(ジンコウ)、丁子(チョウジ)、降香(コウコウ)、炮姜(ホウキョウ)等の抽出物が挙げられる。
本発明の抗アレルギー剤は、レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質の別個の製剤から構成されていてもよく、レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質を混合して含む単一の製剤から構成されていてもよい。
本発明の抗アレルギー剤の投与の方法は、レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質を実質上同時に投与する方法であればよく、例えば、レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質を、投与対象に対して完全に同時に投与してもよいし、短時間(好ましくは数分以内)に連続的に投与してもよい。さらに効果を最大限に高めるためには、レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質をあらかじめよく混和した製剤を投与することが好ましい。従って、本発明の抗アレルギー剤の投与形態には、例えば、(a)レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(b)レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(c)レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与(例えば、レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)、(d)レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(e)レンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与態様が含まれる。
上記製剤中のレンコン節部の抽出物と抗ヒスタミン物質の含有量は、目的や剤型によって異なり、特に限定されないが、製剤全重量に対して、レンコン節部の抽出物は固形分換算で、0.001〜30重量%が好ましく、0.01〜10重量%がより好ましく、抗ヒスタミン物質は、0.01〜30重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。製剤化における有効成分の添加法については、予め加えておいても、製造途中で添加してもよく、作業性を考えて適宜選択すればよい。
3.抗アレルギー用組成物
本発明の抗アレルギー剤は、本発明の効果を損なわない範囲で適当な添加物とともに抗アレルギー用組成物に配合することができる。抗アレルギー用組成物としては、抗アレルギー用医薬品又は抗アレルギー用飲食品等が挙げられる。なお、本発明の医薬品には、動物に用いる薬剤、即ち獣医薬も包含されるものとする。
本発明の医薬品は、有効成分であるレンコン節部の抽出物のIL−9産生抑制作用及び抗ヒスタミン物質の抗アレルギー活性の増強作用に基づき、アレルギー症状を伴う疾患及び病態の発症を抑制する予防薬として、及び/又は、正常な状態に改善する治療薬として機能する。すなわち、本発明の医薬品は、アレルギー症状発生の予防、ならびに発症後はアレルギー症状の緩和や改善に使用できる。
アレルギー症状を伴う疾患及び病態としては、例えば、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、蕁麻疹、食物アレルギー、花粉症、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、鼻又は眼のかゆみ、咽のかゆみ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なかでも、鼻過敏症、特に、カルシニューリン/NFATシグナル伝達系を介したIL−9の発現増加によって生じるアレルギー性鼻過敏症が好ましい。ここで、「アレルギー鼻過敏症」とは、反復性のくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉(鼻づまり)のうちのいくつかの症状を呈することを特徴とするアレルギー性の疾患を意味する。
本発明の医薬品の有効成分は、天然物由来であるため、安全性が高く副作用がないため、前述の疾患又は病態の治療及び予防用医薬として用いる場合、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ等の哺乳動物に対して広い範囲の投与量で経口的に又は非経口的に投与することができる。
本発明の医薬品は、上記抗アレルギー剤を、薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物と混合し、患部に適用するのに適した製剤形態の各種製剤に製剤化することができる。薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物としては、その剤形、用途に応じて、適宜選択した製剤用基材や担体、賦形剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、崩壊剤又は崩壊補助剤、安定化剤、保存剤、防腐剤、増量剤、分散剤、湿潤化剤、緩衝剤、溶解剤又は溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、噴射剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、香料等を適宜添加し、公知の種々の方法にて経口又は非経口的に全身又は局所投与することができる各種製剤形態に調製すればよい。本発明の医薬品を上記の各形態で提供する場合、通常当業者に用いられる製法、たとえば日本薬局方の製剤総則[2]製剤各条に示された製法等により製造することができる。
経口投与用製剤には、例えば、デンプン、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖、ソルビトール、マンニトール、結晶セルロース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、又はデキストリン等の賦形剤;カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、デンプン、又はヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、又はゼラチン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又はタルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール、又は酸化チタン等のコーティング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、又はハードファット等の基剤などを用いることができるが、これらに限定はされない。
本発明の医薬品の形態としては、特に制限されるものではないが、例えば錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、液剤、丸剤、乳剤、シロップ剤、懸濁剤、エリキシル剤などの経口剤、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、点鼻剤、点眼剤、座剤、軟膏剤、ローション剤、噴霧剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤などの非経口剤などが挙げられる。また、使用する際に再溶解させる乾燥生成物にしてもよく、注射用製剤の場合は単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態で提供される。これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。
本発明の医薬品の投与量は、疾患の種類、投与対象の年齢、性別、体重、症状、投与経路、投与スケジュール、製剤形態などに応じて適宜決定することができる。例えば、成人に経口投与する場合には、一日の投与量として、レンコン節部の抽出物は固形分換算で、1〜1000mg、好ましくは5〜500mg、より好ましくは10〜100mg、抗ヒスタミン物質は0.01〜20mg、好ましくは0.1〜10mg、より好ましくは1〜5mgである。
また、本発明の抗アレルギー剤は、飲食品にも配合できる。本発明の飲食品は、前記のアレルギー症状を伴う疾患及び病態を有する患者に、予防または治療等の目的で使用される機能性食品として利用できる。本発明において、飲食品とは、一般的な飲食品のほか、医薬品以外で健康の維持や増進を目的として摂取できる食品、例えば、健康食品、機能性食品、保健機能食品、又は特別用途食品を含む意味で用いられる。健康食品には、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等の名称で提供される食品を含む。保健機能食品は食品衛生法又は食品増進法により定義され、特定の保健の効果や栄養成分の機能、疾病リスクの低減などを表示できる、特定保健用食品及び栄養機能食品、ならびに科学的根拠に基づいた機能性について消費者庁長官に届け出た内容を表示できる機能性表示食品が含まれる。また特別用途食品には、特定の対象者や特定の疾患を有する患者に適する旨を表示する病者用食品、高齢者用食品、乳児用食品、妊産婦用食品等が含まれる。飲食品の形態は、食用に適した形態、例えば、固形状、液状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状、クリーム状、ペースト状のいずれであってもよい。
飲食品の種類としては、パン類、麺類、菓子類、乳製品、水産・畜産加工食品、油脂及び油脂加工食品、調味料、各種飲料(清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳飲料など)及び該飲料の濃縮原液及び調整用粉末等が挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明の飲食品は、その種類に応じて通常使用される添加物を適宜配合してもよい。添加物としては、食品衛生上許容されうる添加物であればいずれも使用できるが、例えば、ブドウ糖、ショ糖、果糖、異性化液糖、アスパルテーム、ステビア等の甘味料;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料;デキストリン、澱粉等の賦形剤;結合剤、希釈剤、香料、着色料、緩衝剤、増粘剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などが挙げられる。食品には上記した必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常食品に用いられる材料、添加物(例えば賦形剤、崩壊剤、乳化剤、安定剤、滑沢剤、緩衝剤、香料等)を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明の飲食品における抗アレルギー剤の含有量は、抗アレルギー作用を発揮できる量であればよく、飲食品の一般的な摂取量、飲食品の形態、呈味性、嗜好性及びコストなどを考慮して適宜決定すればよいが、例えば飲食品全体に対して0.1〜99.0重量%となるように配合できる。
本発明の飲食品の摂取量は、前述の疾患または病態の予防や改善を目的として摂取する場合、摂取させる対象の状態、摂取形態、摂食量等により異なるが、成人1日につき、レンコン節部の抽出物は固形分換算で、1〜1000mg、好ましくは5〜500mg、より好ましくは10〜100mg、抗ヒスタミン物質は0.01〜20mg、好ましくは0.1〜10mg、より好ましくは1〜5mgである。前記の量は1回で摂取してもよいが、数回(2〜4回)に分けて摂取してもよい。本発明の飲食品は、摂取量の目安とするため1回に摂取するべき量の飲食品が、1個の袋やビン等の容器に包装または充填されていることが好ましい。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらの内容は本発明を限定するものでない。
(実施例1)レンコン抽出物のIL-9 mRNA発現抑制作用の評価(部位別の比較)
1. 試験方法
(1) レンコン抽出物の粉末の調製
徳島県で採取された備中種レンコンの可食部、節部、葉、種子各40gに蒸留水500mlを加え30分間100℃で煮た。この煮汁を50 ml遠心管に分注し、3000gで10分間遠心分離を行った。この遠心処理後の上清をろ過し、ろ液を凍結乾燥により粉末化してレンコン抽出物の粉末を調製し、これをIL-9 mRNA発現抑制作用試験に用いた。
(2) IL-9 mRNA発現抑制作用試験(リアルタイムPCR法)
(2-1) RBL-2H3細胞の培養
ラット好塩基球性白血病細胞RBL-2H3細胞(公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 ヒューマンサイエンス研究資源バンクより購入)の培養には、MEM(アール塩含有、L-グルタミン含有、非必須アミノ酸含有、重炭酸ナトリウム不含)を用いた。MEM 500mlに対し、抗生物質(10,000 Units/ml ペニシリンGナトリウム, 10mg/mlストレプトマイシンを含む0.9% 生理食塩水)6 mlと56℃で30分インキュベートして非働化したウシ胎児血清(FBS)を最終濃度が10%となるように添加した。RBL-2H3細胞は6 wellプレートで培養し、(1)で調製したレンコン抽出物(10, 50, 100μg/ml)を添加して22時間インキュベートし、1μMのイオノマイシン(ionomycin)を加えて2時間刺激を行い、これを試験サンプルとした。なお、レンコン抽出物を添加しないでイオノマイシンを添加した試験区を陽性対照、レンコン抽出物もイオノマイシンも添加しない試験区を陰性対照とした。
(2-2) RBL-2H3細胞からのtotal RNA抽出
試験サンプルをPBS(-)で2回洗浄した後、RNAiso Plus(Takara)を700μl加えてかきとった。クロロホルムを210μl加え、15秒間強く振盪し、二層に分離させた後、15,000 rpm、15分、4℃で遠心した。RNAを含む上層を採取し、上層と同量のイソプロパノールを加え、15秒間強く振盪し、15,000rpm、15分、4℃で遠心することで、ペレット状のRNAを得た。このペレットに75%エタノール(-20℃)を0.5 ml加え洗浄した。さらに、15,000 rpm、15分、4℃で遠心後、エタノールを除き、得られたペレットにジエチルピロカルボネート(DEPC)水を加え、RNA 溶液とした。分光光度計 (Thermo : Nanodorop ND-1000) により、波長260nm、280nmで吸光度を測定し、260nmの吸光度と2つの波長の比による検定で、各試験サンプルのtotal RNA濃度と純度を測定した。
(2-3) cDNA合成
サンプルチューブにtotal RNA 1.0μg相当のRNA 溶液となるようにDEPC水を加え、全量を5μlとした。表1に示す組成の逆転写用反応液を調製し、PrimeScriptTM RT reagent Kit (Takara)を用いてサーマルサイクラー (Biometra:T3000 Thermocycler) で表2に示すプログラムにより逆転写反応を行った。
Figure 0006639162
Figure 0006639162
(2-4) リアルタイムPCR
表3に示す組成のPCR反応液を調製し、Micro Amp Optical 96-well Reaction Plateの1 ウェル当たり18μlの試薬を調製した。
Figure 0006639162
PCR反応は、Sequence Detector(Gene Amp 7300 Sequence Detection System ; PE Applied Biosystems )にてPCR反応を行い(95℃で30分間保持した後、95℃で5分融解と60℃で31分アニール/伸長を40サイクル)、PCR産物の増幅曲線をリアルタイムで検出し、Sequence Detectionソフトウェアを用いて解析、定量化した。用いたラット IL-9のプライマー及びプローブを以下に示す。
[ラット IL-9のプライマー及びプローブのセット]
フォワード:5’-GAC GAC CCA TCA TCA AAA TGC-3’(配列番号1)
リバース:5’-CTG TGA CAT TCC CTC CTG GAA-3’ (配列番号2)
プローブ : FAM-TTG TGC CTC CCC ATC CCA TCT GAT-TAMRA(配列番号3)
定量的RT-PCRの主な変動の要因であるRNAの純度や逆転写効率の差を補正する内部標準 (internal control)として、細胞の活性化あるいは増殖といった環境条件に伴う発現の変動が理論上なく、常に一定レベルで発現していると考えられるハウスキーピング遺伝子のGAPDH (Glycelaldehyde-3-phosphate dehydrogenase) を用いた。なお、ラットGAPDHのプライマー及びプローブは市販の製品 (Applied Biosystems : TaqMan Rodent GAPDH control reagents) を用いた。また。定量法としてはmRNA発現量の相対値を求めるRelative Standard Curve Method (Separate Tubes) を用いた。
(2-5) 統計処理
実験データは、平均±SEMで示した。また、GraphPad Prism software (GraphPad Software INC., La Jolla, CA, USA)を用いて、One-way ANOVA及びDunnet's multiple comparison testにより統計処理を行った。P<0.05を有意とした。
2.試験結果
図1にレンコン各部位の抽出物のIL-9 mRNA発現抑制作用試験の結果を示す。図1に示されるように、節部抽出物には明確にIL-9 mRNA発現抑制作用が認められたが、葉、種子、可食部には確認できなかった。
(実施例2)レンコン抽出物のIL-9 mRNA発現抑制作用の評価(節部と可食部の比較)
徳島県で採取された備中種レンコンの節部と可食部について、実施例1と同様にして抽出を行い、抽出物のIL-9mRNA発現抑制活性を測定した。図2Aに示すように、節と、節の近傍部分(節の端から1cmまでの部分)では有意にIL-9 mRNA発現抑制活性が認められた。また、IL-9 mRNA発現抑制活性が認められた節と、節の近傍部分(節の端から1cmまでの部分)の抽出物について濃度を変えて同様に試験を行ったところ、濃度依存的に抑制活性が増加したが、抑制活性が認められなかった節から1〜2cmの可食部では濃度を上げても抑制活性が認められなかった(図2B)。
(実施例3)レンコン抽出物の鼻過敏症症状の抑制作用の評価
1.試験方法
(1) レンコン抽出物の粉末の調製
徳島県で採取された備中種のレンコン節部(本実施例では節を使用)40gに蒸留水500 mlを加え30分間煮た。この煮汁を50 ml遠心管に分注し、3000gで10分間遠心分離を行った。この遠心処理後の上清をろ過し、ろ液を凍結乾燥により粉末化してレンコン抽出物の粉末を調製し、この一部について実施例1と同様にIL-9 mRNA発現抑制作用試験(50%発現阻害濃度の確認試験)に用いた。
(2) TDI感作鼻過敏症モデルラット試験
(2-1) TDIによるラット感作
(1)で調製したレンコン節部抽出物の抗アレルギー作用についてTDI感作鼻過敏症モデルラットを用いて評価した。
6週齢Brown-Norway系雄性ラット(200 g、SLC, Hamamatsu, Japan)を使用した。動物は22±1℃の室温で12時間毎の昼夜サイクルで飼育した。TDI(トルエン2,4-ジイソシアン酸)によるラットの感作は、Kitamuraらの方法(Acta Otolaryngol. 2004, 124, 1053-1058)の変法を用いた。すなわち、Brown- Norway系雄性ラットの両側鼻前庭に極細耳鼻用綿棒を用い、10μlの10% TDI-酢酸エチル溶液を連日5日間×2回塗布した(TDI感作)。その後1週間無処置期間をおいた上で10% TDI溶液の鼻前庭塗布にて発作を誘発した。図3にTDI感作鼻過敏症モデルラットの作成スケジュールを示す。
また、症状の観察及び試験結果の比較のため、上記のTDIによる感作と発作誘発と同スケジュールで、TDIに代えて酢酸エチル溶液を塗布した試験区を陰性対照とした。また、上記のTDIによる感作と発作誘発を行うが、薬剤を投与しない試験区を陽性対照とした。TDI感作鼻過敏症モデルラットには、その作製過程の間に、薬剤として、エピナスチン(エピナスチン塩酸塩、シグマ社製)24 mg/kg、レンコン節部抽出物40 mg/kg、またはエピナスチン24 mg/kgとレンコン節部抽出物40 mg/kgを、1日1回、3週間連続で経口投与した。
(2-2) 鼻過敏症のアレルギー症状評価方法
鼻過敏症のアレルギー症状として、「水溶性鼻漏」、「鼻の腫れ及び発赤」については下記表4に示す指標により評価しスコア化した。
Figure 0006639162
2.試験結果
図4にレンコン節部抽出物のIL-9 mRNA発現抑制作用試験の結果を示した。レンコン節部抽出物のIL-9 mRNA発現抑制作用の50%発現阻害濃度は27.4μg/mlであった。また、図5に同レンコン節部抽出物の鼻過敏症のアレルギー症状の評価結果を示す。図5に示されるように、レンコン節部抽出物は、抗アレルギー薬として使用されているエピナスチンと混合して併用投与すると、有意に鼻過敏症モデルラットの鼻症状(水溶性鼻漏、鼻の腫れ及び発赤)を抑制し、非常に強い相乗効果があることが確認された。
本発明は、アレルギー症状を伴う疾患及び病態の治療、改善、及び予防するための医薬品、健康食品や機能性食品などの飲食品の製造分野において利用できる。

Claims (3)

  1. レンコン節部の熱水抽出物とエピナスチンまたはその塩とを含む抗アレルギー剤。
  2. 請求項に記載の抗アレルギー剤を含む、抗アレルギー用組成物。
  3. 医薬品又は飲食品である、請求項に記載の抗アレルギー用組成物。
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