JP7348801B2 - トロリ線 - Google Patents

トロリ線 Download PDF

Info

Publication number
JP7348801B2
JP7348801B2 JP2019185197A JP2019185197A JP7348801B2 JP 7348801 B2 JP7348801 B2 JP 7348801B2 JP 2019185197 A JP2019185197 A JP 2019185197A JP 2019185197 A JP2019185197 A JP 2019185197A JP 7348801 B2 JP7348801 B2 JP 7348801B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact wire
groove
limit position
protrusion
uneven wear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019185197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021059248A (ja
Inventor
浩義 蛭田
智行 藤田
正彦 鈴木
洋 加藤
英聡 藤倉
武泰 道本
裕司 猿田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
East Japan Railway Co
Proterial Ltd
Original Assignee
East Japan Railway Co
Proterial Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by East Japan Railway Co, Proterial Ltd filed Critical East Japan Railway Co
Priority to JP2019185197A priority Critical patent/JP7348801B2/ja
Publication of JP2021059248A publication Critical patent/JP2021059248A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7348801B2 publication Critical patent/JP7348801B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)

Description

本発明は、電車線路に使用されるトロリ線に関する。
電車線路に用いられるトロリ線は、パンタグラフの接触により機械的、電気的に摩耗する。このため、断線などを防ぐために、トロリ線の摩耗度を測定し、摩耗限度位置に達する前に新しいものへの取り換えを実施している。
従来、横面にハンガーイヤー溝とは別に連続的な溝状標識線が設けられたトロリ線が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のトロリ線によれば、摩耗が標識線の位置に達したかどうかを観察し、取り替えの要否を判別することができる。この方法によれば、マイクロメータなどの測定器を用いてトロリ線の残存高さを測定する方法と比較して、必要とされる人手や作業時間が抑えられる。
実公昭42―8903号公報
しかしながら、電車線路のカーブ区間などでは、摩耗面が傾斜した偏摩耗がトロリ線に生じ得る。偏摩耗が生じている場合、トロリ線の両側面における摩耗面の高さが異なるため、特許文献1に記載のトロリ線の標識線は、摩耗度の指標として機能しない。
したがって、本発明の目的の1つは、摩耗管理に必要とされる人手や時間が抑えられ、かつ偏摩耗した場合にも摩耗管理が可能なトロリ線を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、両側面の摩耗限度位置以下かつ偏摩耗限度位置以上の位置に設けられた、長手方向に沿った線状の第1の溝又は突起と、前記両側面の前記偏摩耗限度位置以下の位置に設けられた、前記長手方向に沿った線状の第2の溝又は突起と、を備え、前記偏摩耗限度位置は、摩耗面の水平方向からの角度が予め設定された所定の角度で偏摩耗が生じた場合に、前記両側面における前記摩耗面の位置の低い方が前記偏摩耗限度位置に達したときの断面積が、前記摩耗限度位置まで偏りなく摩耗したときの断面積と等しくなるような位置である、トロリ線を提供する。
本発明によれば、摩耗管理に必要とされる人手や時間が抑えられ、かつ偏摩耗した場合にも摩耗管理が可能なトロリ線を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るトロリ線の径方向の断面図である。 図2は、図1のトロリ線の第1の溝及び第2の溝の周辺を拡大した図である。 図3は、本発明の第2の実施の形態に係るトロリ線の径方向の断面図である。
〔第1の実施の形態〕
(トロリ線の構造)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るトロリ線1の径方向の断面図である。図2は、図1のトロリ線1の第1の溝14及び第2の溝15の周辺を拡大した図である。
トロリ線1は、トロリ線1の両側面(鉛直方向の中心線24の両側の面)の摩耗限度位置20以下かつ偏摩耗限度位置21以上の位置に設けられた、トロリ線1の長手方向に沿った線状の第1の溝14と、トロリ線1の両側面の偏摩耗限度位置21以下の位置に設けられた、トロリ線1の長手方向に沿った線状の第2の溝15と、を備える。
トロリ線1は、JRS(日本国有鉄道規格)、JISE2101、EN50149に規定されたみぞ付硬銅トロリ線に該当する異形丸形のトロリ線であり、上部の小弧面11、下部の大弧面12、両側部の小弧面11と大弧面12の間のV字状のイヤー溝13とを有する。
トロリ線1は、銅合金、例えば、Cu-Sn-In系合金又はCu-Sn系合金を主成分とする。トロリ線1の公称断面積は110mm(110SQ)以上かつ170mm(170SQ)以下である。トロリ線1の引張強さは、例えば、340MPa以上である。典型的には、トロリ線1は、Cu-Sn-In系合金からなり、公称断面積が170mmであり、引張強さが440MPa以上である。
トロリ線1を介して鉄道車両に給電が行われる際には、大弧面12の底部が、パンタグラフなどの鉄道車両の集電装置に接触する。このため、集電装置の摺動により、トロリ線1は大弧面12の底部から摩耗する。一般に、摩耗したトロリ線が安全に使用できる強度を保つことのできる限界を摩耗限度と呼ぶ。
摩耗限度位置20は、摩耗面が水平になる偏りのない摩耗が生じる場合のトロリ線1の摩耗限度を示す位置である。偏りのない摩耗が摩耗限度位置20を超えて進むと、安全に使用できる強度を保つことのできる断面積を下回り、断線するおそれが高まる。
図1に示されるトロリ線1の垂直断面において、トロリ線1の両側面の摩耗限度位置20は、水平な直線22上にある。偏りのない摩耗が生じて摩耗面が摩耗限度位置20に達したときに、トロリ線1の垂直断面における摩耗面の位置は直線22と一致する。
偏摩耗限度位置21は、摩耗面の水平方向からの角度(偏摩耗角度)が所定の角度である偏摩耗が生じる場合のトロリ線1の摩耗限度を示す。ここで、所定の角度は、トロリ線1が用いられる線路において想定される偏摩耗角度の最大値を設計値として形成される角度である。偏摩耗角度の大きさは、トロリ線1が用いられる線路の曲がり具合などによって変わり、その最大値は、典型的には、18°と想定される。その場合の理想的な所定の角度は、18°である。
摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じる場合、トロリ線1の両側面における摩耗面の位置の低い方の位置が、偏摩耗限度位置21以上になると、安全に使用できる強度を保つことのできる断面積を下回り、断線するおそれが高まる。
偏摩耗限度位置21は、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じて、トロリ線1の両側面における摩耗面の位置の低い方が偏摩耗限度位置21に達したときのトロリ線1の径方向の断面積が、摩耗限度位置20まで偏りなく摩耗したときのトロリ線1の径方向の断面積と等しくなるような位置である。
ここで、所定の角度は、上述のように、トロリ線1が用いられる線路においてトロリ線1に生じ得る偏摩耗における、摩耗面の水平方向からの最大角度として設定される数値である。このため、偏摩耗限度位置21は、トロリ線1が用いられる線路において摩耗面の水平方向からの角度が最も大きい偏摩耗が生じる場合のトロリ線1の摩耗限度を示している。
図1に示される直線23aは、トロリ線1の右側面上の偏摩耗限度位置21を通る、水平方向から時計回りの方向に所定の角度だけ傾斜した直線である。摩耗面が水平方向から時計回りの方向に所定の角度だけ傾斜した偏摩耗が生じる場合、トロリ線1の垂直断面における摩耗面の位置が直線23aと一致するときが摩耗限度である。すなわち、図1に示されるトロリ線1の垂直断面において、直線22以上の領域の面積と、直線23a以上の領域の面積が等しい。
また、図1に示される直線23bは、トロリ線1の左側面上の偏摩耗限度位置21を通る、水平方向から反時計回りの方向に所定の角度だけ傾斜した直線である。摩耗面が水平方向から反時計回りの方向に所定の角度だけ傾斜した偏摩耗が生じる場合、トロリ線1の垂直断面における摩耗面の位置が直線23bと一致するときが摩耗限度である。すなわち、図1に示されるトロリ線1の垂直断面において、直線22以上の領域の面積と、直線23b以上の領域の面積が等しい。
第1の溝14は、上述のように、トロリ線1の両側面の摩耗限度位置20以下かつ偏摩耗限度位置21以上の位置、すなわち、摩耗限度位置20以下の摩耗限度位置20に近接した位置に設けられている。このため、摩耗による第1の溝14の消失を、摩耗が摩耗限度位置20に達している又は近づいている指標とすることができる。
第2の溝15は、上述のように、トロリ線1の両側面の偏摩耗限度位置21以下の位置に設けられている。このため、摩耗による第2の溝15の消失を、摩耗が偏摩耗限度位置21に達している又は近づいている指標とすることができる。ただし、第2の溝15が偏摩耗限度位置21から離れすぎていると、この指標としての機能が弱まるため、トロリ線1の両側面上の偏摩耗限度位置21と第2の溝15との距離Lが0.1mm以下であることが好ましい。
トロリ線1を観察する際に、第1の溝14と第2の溝15が個別に設けられた2つの溝であることを視認しやすくするため、トロリ線1の両側面上の第1の溝14と第2の溝15との距離Lが0.8mm以上であることが好ましい。
トロリ線1を観察する際に、第1の溝14と第2の溝15をそれぞれ視認しやすくするため、第1の溝14の幅Wと第2の溝15の幅Wが0.8mm以上であることが好ましい。
トロリ線1を観察する際に、第1の溝14と第2の溝15をそれぞれ視認しやすくするため、第1の溝14の深さDと第2の溝15の深さDが0.3mm以上であることが好ましい。また、トロリ線1の強度や曲げ剛性などに与える影響を抑えるため、第1の溝14の深さDと第2の溝15の深さDが0.7mm以下であることが好ましい。
また、第1の溝14と第2の溝15がトロリ線1の破断の起点となることを避けるため、トロリ線1の径方向の垂直断面における第1の溝14と第2の溝15の形状は、図1、図2に示されるように、曲線のみで構成されることが好ましく、例えば、半円形であることが好ましい。また、トロリ線1の径方向の垂直断面における第1の溝14と第2の溝15の両側の縁は、曲率半径Rが0.3mm以上の曲線で構成されることが好ましい。
トロリ線1の上端と摩耗限度位置20との鉛直方向(図1の上下方向)の距離は、トロリ線1が偏りなく摩耗して摩耗面が摩耗限度位置20に達したときに残存している部分の高さであり、残存高さと呼ばれる。また、トロリ線1の上端と偏摩耗限度位置21との鉛直方向の距離は、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じて、トロリ線1の両側面における摩耗面の位置の低い方の位置が偏摩耗限度位置21に達したときに残存している部分の高さであり、以下、これを偏摩耗残存高さと呼ぶ。
以下の表1に、在来線の9.8kN(1.0トン)張力の架線に用いられる公称断面積110mmの異型丸型トロリ線(GT110、GTSN110、GTSNN110)の残存高さ及び偏摩耗残存高さの例を示す。表1の偏摩耗残存高さは、所定の角度を18°として算出したものである。
この場合、トロリ線に求められる必要荷重は、張力9.8kN、安全率2.2、張力変動1.1を乗じて、23.8kN(小数点第2位以下切り上げ)と算出される。例えば、トロリ線の単位面積当たりの引張強度が344MPaである場合、必要荷重(N)を単位面積当たりの強度(MPa)で除して求められる必要断面積(mm)は、70mm(小数点以下切り上げ)となる。そして、この必要断面積を確保するための残存高さは、0.5mm刻みで設定されるため、7.5mmとなる。また、この必要断面積を確保するための偏摩耗残存高さは、0.5mm刻みで設定されるため、9.5mmとなる。
Figure 0007348801000001
表1は、トロリ線1を在来線の9.8kN張力の架線に用いる場合、例えば、引張強度が344~434MPaであれば、残存高さを7.5mm以上に設定し、偏摩耗残存高さを9.5mm以上に設定すればよいことを示している。
続いて、以下の表2に、在来線の14.7kN(1.5トン)張力の架線に用いられる公称断面積170mmの異型丸型トロリ線(GTMSNH170、GT170、GTMSN170、GTSN170、GTMSNN170)の残存高さ及び偏摩耗残存高さの例を示す。表2の偏摩耗残存高さは、所定の角度を18°として算出したものである。
この場合、トロリ線に求められる必要荷重は、張力14.7kN、安全率2.2、張力変動1.1を乗じて、35.6kN(小数点第2位以下切り上げ)と算出される。例えば、トロリ線の単位面積当たりの引張強度が450MPaである場合、必要荷重(N)を単位面積当たりの強度(MPa)で除して求められる必要断面積(mm)は、80mm(小数点以下切り上げ)となる。そして、この必要断面積を確保するための摩耗限度位置は、0.5mm刻みで設定されるため、8.0mmとなる。また、この必要断面積を確保するための偏摩耗残存高さは、0.5mm刻みで設定されるため、10.0mmとなる。
Figure 0007348801000002
表2は、トロリ線1を在来線の14.7kN張力の架線に用いる場合、例えば、引張強度が340~450MPaであれば、残存高さを10mm以上に設定し、偏摩耗残存高さを12.0mm以上に設定すればよいことを示している。
続いて、以下の表3に、新幹線の19.6kN(2.0トン)張力の架線に用いられる公称断面積170mmの異型丸型トロリ線(GTSNN170)の残存高さ及び偏摩耗残存高さの例を示す。表3の偏摩耗残存高さは、所定の角度を18°として算出したものである。
この場合、トロリ線に求められる必要荷重は、張力19.6kN、安全率2.2、張力変動1.1を乗じて、47.5kN(小数点第2位以下切り上げ)と算出される。例えば、トロリ線の単位面積当たりの引張強度が425MPaである場合、必要荷重(N)を単位面積当たりの強度(MPa)で除して求められる必要断面積(mm)は、112mm(小数点以下切り上げ)となる。そして、この必要断面積を確保するための摩耗限度位置は、0.5mm刻みで設定されるため、10.5mmとなる。また、この必要断面積を確保するための偏摩耗残存高さは、0.5mm刻みで設定されるため、12.5mmとなる。
Figure 0007348801000003
表3は、トロリ線1を在来線の19.6kN張力の架線に用いる場合、例えば、引張強度が424.9MPaであれば、残存高さを10.5mm以上に設定し、偏摩耗残存高さを12.5mm以上に設定すればよいことを示している。
(トロリ線の摩耗管理方法)
以下に、本実施の形態に係るトロリ線1の摩耗管理方法の一例を示す。
まず、トロリ線1の一方の側面を目視又はカメラなどにより観察し、第2の溝15が消失しているか否かを判定する。上述のように、第2の溝15は、偏摩耗限度位置21以下の位置に設けられている。このため、トロリ線1の一方の側面の第2の溝15が消失したとき、摩耗限度に達している可能性があると判断することができる。
これは、観察している側の側面における摩耗面の位置が反対側の側面における摩耗面の位置よりも低く、かつ、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗、すなわちトロリ線1の摩耗管理にとって最も厳しい条件での偏摩耗が生じていた場合には、摩耗限度に達しているためである。
トロリ線1の一方の側面の第2の溝15が消失していることを確認した場合には、他方の側面の観察を行い、生じている摩耗が偏摩耗であるか否か、偏摩耗の場合はその傾斜方向や傾斜の大きさなどを調べる。
その結果、偏摩耗であることが確認された場合は、摩耗面の水平方向からの角度に応じて、間もなくトロリ線1の張り替えを実施したり、摩耗限度に達するまでの時間を予測して張り替え予定を計画したりすることができる。また、偏摩耗ではない、すなわち摩耗面が水平であることが確認された場合は、第1の溝14が消失するまで使用することができる。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態に係るトロリ線1によれば、第1の溝14と第2の溝15を備えたことにより、摩耗管理に必要とされる人手や時間が抑えられ、かつ偏摩耗した場合にも摩耗管理が可能である。また、摩耗を検知するための検知線を内部に有するトロリ線と比較して、トロリ線の管理費用を大きく抑えることができる。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、第1の溝14と第2の溝15の代わりに突起を用いる点において第1の実施の形態と相違する。なお、第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るトロリ線2の径方向の断面図である。
トロリ線2は、トロリ線2の両側面(鉛直方向の中心線24の両側の面)の摩耗限度位置20以下かつ偏摩耗限度位置21以上の位置に設けられた、トロリ線2の長手方向に沿った線状の第1の突起16と、トロリ線2の両側面の偏摩耗限度位置21以下の位置に設けられた、トロリ線2の長手方向に沿った線状の第2の突起17と、を備える。
トロリ線2は、第1の溝14と第2の溝15の代わりに第1の突起16と第2の突起17を備える点において、第1の実施の形態に係るトロリ線1と異なる。トロリ線2のその他の構造上の特徴や性質は、トロリ線1と同様である。
摩耗限度位置20は、摩耗面が水平になる偏りのない摩耗が生じる場合のトロリ線2の摩耗限度を示す位置である。偏摩耗限度位置21は、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じて、トロリ線2の両側面における摩耗面の位置の低い方が偏摩耗限度位置21に達したときのトロリ線2の径方向の断面積が、摩耗限度位置20まで偏りなく摩耗したときのトロリ線2の径方向の断面積と等しくなるような位置である。
第1の突起16は、第1の溝14と同様に、トロリ線2の両側面の摩耗限度位置20以下かつ偏摩耗限度位置21以上の位置、すなわち、摩耗限度位置20以下の摩耗限度位置20に近接した位置に設けられている。このため、摩耗による第1の突起16の消失を、摩耗が摩耗限度位置20に達している又は近づいている指標とすることができる。
第2の突起17は、第2の溝15と同様に、トロリ線2の両側面の偏摩耗限度位置21以下の位置に設けられている。このため、摩耗による第2の突起17の消失を、摩耗が偏摩耗限度位置21に達している又は近づいている指標とすることができる。ただし、第2の突起17が偏摩耗限度位置21から離れすぎていると、この指標としての機能が弱まるため、トロリ線2の両側面上の偏摩耗限度位置21と第2の突起17との距離が、偏摩耗限度位置21と第2の溝15との距離Lと同様に、0.1mm以下であることが好ましい。
トロリ線2を観察する際に、第1の突起16と第2の突起17が個別に設けられた2つの溝であることを視認しやすくするため、トロリ線2の両側面上の第1の突起16と第2の突起17の距離が、第1の溝14と第2の溝15との距離Lと同様に、0.8mm以上であることが好ましい。
トロリ線2を観察する際に、第1の突起16と第2の突起17をそれぞれ視認しやすくするため、第1の突起16の幅と第2の突起17幅が、第1の溝14の幅Wと第2の溝15の幅Wと同様に、0.8mm以上であることが好ましい。
トロリ線2を観察する際に、第1の突起16と第2の突起17をそれぞれ視認しやすくするため、第1の突起16の高さと第2の突起17の高さが0.3mm以上であることが好ましい。
また、第1の突起16と第2の突起17が第1の溝14と第2の溝15と同様の機能を有するため、トロリ線2は、トロリ線1と同様の方法により摩耗管理することができる。
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態に係るトロリ線2によれば、第1の突起16と第2の突起17を備えたことにより、第1の実施の形態に係るトロリ線1と同様に、摩耗管理に必要とされる人手や時間が抑えられ、かつ偏摩耗した場合にも摩耗管理が可能である。なお、トロリ線2は、第1の突起16と第2の突起17を備えるために、横巻きでドラムに巻き付ける場合に曲がりが残存して架線に悪影響を及ぼすことがあり得るが、一方で、第1の溝14と第2の溝15を備えるトロリ線1よりも断面積が大きくなるため、摩耗に対する寿命が長くなるなどの優位点がある。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]両側面の摩耗限度位置(20)以下かつ偏摩耗限度位置(21)以上の位置に設けられた、長手方向に沿った線状の第1の溝(14)又は突起(16)と、前記両側面の偏摩耗限度位置(21)以下の位置に設けられた、長手方向に沿った線状の第2の溝(15)又は突起(17)と、を備え、偏摩耗限度位置(21)は、摩耗面の水平方向からの角度が予め設定された所定の角度で偏摩耗が生じた場合に、前記両側面における前記摩耗面の位置の低い方が偏摩耗限度位置(21)に達したときの径方向の断面積が、摩耗限度位置(20)まで偏りなく摩耗したときの径方向の断面積と等しくなるような位置である、トロリ線(1、2)。
[2]前記所定の角度が、18°である、上記[1]に記載のトロリ線(1、2)。
[3]前記両側面上の第1の溝(14)又は突起(16)と第2の溝(15)又は突起(17)との距離が0.8mm以上である、上記[1]又は2に記載のトロリ線(1、2)。
[4]第1の溝(14)又は突起(16)と第2の溝(15)又は突起(17)の幅が0.8mm以上である、上記[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のトロリ線(1、2)。
[5]第1の溝(14)又は突起(16)と第2の溝(15)又は突起(17)の深さ又は高さが0.3mm以上である、上記[1]乃至[4]のいずれか1項に記載のトロリ線(1、2)。
[6]前記両側面上の偏摩耗限度位置(21)と第2の溝(15)又は突起(17)との距離が0.1mm以下である、上記[1]乃至[5]のいずれか1項に記載のトロリ線(1、2)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 トロリ線
14 第1の溝
15 第2の溝
16 第1の突起
17 第2の突起
20 摩耗限度位置
21 偏摩耗限度位置

Claims (6)

  1. 両側面の摩耗限度位置以下かつ偏摩耗限度位置以上の位置に設けられた、長手方向に沿った線状の第1の溝又は突起と、
    前記両側面の前記偏摩耗限度位置以下の位置に設けられた、前記長手方向に沿った線状の第2の溝又は突起と、
    を備え、
    前記偏摩耗限度位置は、摩耗面の水平方向からの角度が予め設定された所定の角度で偏摩耗が生じた場合に、前記両側面における前記摩耗面の位置の低い方が前記偏摩耗限度位置に達したときの径方向の断面積が、前記摩耗限度位置まで偏りなく摩耗したときの径方向の断面積と等しくなるような位置である、
    トロリ線。
  2. 前記所定の角度が、18°である、
    請求項1に記載のトロリ線。
  3. 前記両側面上の前記第1の溝又は突起と前記第2の溝又は突起との距離が0.8mm以上である、
    請求項1又は2に記載のトロリ線。
  4. 前記第1の溝又は突起と前記第2の溝又は突起の幅が0.8mm以上である、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトロリ線。
  5. 前記第1の溝又は突起と前記第2の溝又は突起の深さ又は高さが0.3mm以上である、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトロリ線。
  6. 前記両側面上の前記偏摩耗限度位置と前記第2の溝又は突起との距離が0.1mm以下である、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトロリ線。
JP2019185197A 2019-10-08 2019-10-08 トロリ線 Active JP7348801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019185197A JP7348801B2 (ja) 2019-10-08 2019-10-08 トロリ線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019185197A JP7348801B2 (ja) 2019-10-08 2019-10-08 トロリ線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021059248A JP2021059248A (ja) 2021-04-15
JP7348801B2 true JP7348801B2 (ja) 2023-09-21

Family

ID=75379628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019185197A Active JP7348801B2 (ja) 2019-10-08 2019-10-08 トロリ線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7348801B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7327615B1 (ja) 2022-10-18 2023-08-16 株式会社プロテリアル トロリ線

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001253272A (ja) 2000-03-08 2001-09-18 Hitachi Cable Ltd 光ファイバ入りトロリ線
JP2006069306A (ja) 2004-08-31 2006-03-16 Takahagi Jiko:Kk 軌道レール保守システムおよび軌道レール保守方法
JP2016142540A (ja) 2015-01-30 2016-08-08 株式会社明電舎 トロリ線摩耗測定装置およびトロリ線摩耗測定方法
JP2017019388A (ja) 2015-07-10 2017-01-26 西日本旅客鉄道株式会社 レーザ点群を用いた建築限界内点群判定システム及びレーザ点群を用いた建築限界内点群判定方法並びにレーザ点群を用いた建築限界内点群判定プログラム
JP2018131054A (ja) 2017-02-15 2018-08-23 日立金属株式会社 トロリ線
JP2020098533A (ja) 2018-12-19 2020-06-25 株式会社明電舎 摩耗測定装置および摩耗測定方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS428903Y1 (ja) * 1965-06-30 1967-05-12
JPS57165527U (ja) * 1981-04-10 1982-10-19
JP3729942B2 (ja) * 1995-08-10 2005-12-21 住友電気工業株式会社 トロリー線

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001253272A (ja) 2000-03-08 2001-09-18 Hitachi Cable Ltd 光ファイバ入りトロリ線
JP2006069306A (ja) 2004-08-31 2006-03-16 Takahagi Jiko:Kk 軌道レール保守システムおよび軌道レール保守方法
JP2016142540A (ja) 2015-01-30 2016-08-08 株式会社明電舎 トロリ線摩耗測定装置およびトロリ線摩耗測定方法
JP2017019388A (ja) 2015-07-10 2017-01-26 西日本旅客鉄道株式会社 レーザ点群を用いた建築限界内点群判定システム及びレーザ点群を用いた建築限界内点群判定方法並びにレーザ点群を用いた建築限界内点群判定プログラム
JP2018131054A (ja) 2017-02-15 2018-08-23 日立金属株式会社 トロリ線
JP2020098533A (ja) 2018-12-19 2020-06-25 株式会社明電舎 摩耗測定装置および摩耗測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021059248A (ja) 2021-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7348801B2 (ja) トロリ線
US3934397A (en) Wire rope splice assembly
AU2013231579A1 (en) Electric power transmission cable particularly for an overhead line
JP2010195580A (ja) 吊支持用ロープ
JP6416739B2 (ja) パンタグラフ異常検知方法及び検知装置
JP6549852B2 (ja) トロリ線
EP3089933A1 (en) Guide device with gib wear detector
JP6165078B2 (ja) エレベータガイド装置およびそれを用いたエレベータ
JP2010143450A (ja) 集電子磨耗検出装置および集電子磨耗検出システム
JP2018095912A (ja) トロリ線及び架線
JP7501748B2 (ja) トロリ線
JP6828282B2 (ja) トロリ線
KR102624843B1 (ko) 표면 누설 강인형 애자 섹션
CN103114477B (zh) 一种切割大理石用钢丝绳
JP6759612B2 (ja) トロリ線及びき電ちょう架式架線
CN112490996A (zh) 电缆滑车滑动牵引装置
JP2018131054A (ja) トロリ線
CN212050308U (zh) 一种升降装置的组合绞车
JP6574730B2 (ja) パンタグラフ異常検知方法及び検知装置
JP7043800B2 (ja) 光ファイバ入りトロリ線の架線方法
US2717739A (en) Head bearing rail joint
JP7077654B2 (ja) トロリ線
JP6814523B2 (ja) パンタグラフ異常検知方法及び検知装置
CN210295947U (zh) 一种自动化设备专用耐弯曲拖链电缆
CN221026836U (zh) 一种数控切割母线加工用送线装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7348801

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150