JP7348508B2 - 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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本開示は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置に関する。
鉄道車両の制動装置として、ディスクブレーキ装置が広く使用されている。ディスクブレーキ装置は、環状のブレーキディスクと、ブレーキライニングと、を備える。ブレーキディスクは、例えば、車輪に締結され、車輪とともに回転する。ブレーキディスクには、ブレーキライニングが押し付けられる。ブレーキライニングとブレーキディスクとの摩擦により、ブレーキディスク及び車輪が制動される。
鉄道車両に用いられるディスクブレーキ装置のブレーキディスクには、その耐久性を確保する観点から、十分な冷却性能が要求される。制動時における冷却性能を確保するため、一般に、ブレーキディスクの裏面には、複数のフィンが放射状に形成されている。各フィンは、車輪に接触し、ブレーキディスクの裏面と車輪との間に通気路を形成する。当該通気路は、ブレーキディスクが車輪とともに回転するとき、ブレーキディスクの内周側から外周側に向かって空気を通過させる。通気路内を流れる空気により、ブレーキディスクが冷却される。
しかしながら、鉄道車両の走行中、ブレーキディスクと車輪との間の通気路内を空気が流れることにより、空力音が発生する。特に、鉄道車両が高速で走行する場合、通気路内の通気量が増加して大きな空力音が発生する。
これに対して、特許文献1には、周方向に隣り合うフィン同士を連結部で連結したディスクブレーキ装置が開示されている。このディスクブレーキ装置では、連結部により、フィン間の通気路各々において断面積が最小となる部分が形成される。特許文献1によれば、通気路の最小断面積の総和を18000mmとすることで、高速走行時における空力音を低減することができる。
特許文献1において、空力音を低減するための連結部は、ブレーキディスクのディスク本体及びフィンと一体的に形成されている。そのため、ブレーキディスクのうち、連結部の近傍部分の剛性が他の部分の剛性と比較して大きくなっている。よって、制動時においてブレーキライニングがブレーキディスクに対して摺動し、摩擦熱が発生したとき、連結部の近傍部分が他の部分よりも熱変形しにくく、ブレーキディスクに反りが発生する。その結果、ブレーキディスクを車輪に締結するボルトへの負荷が増大する。
そこで、特許文献2では、ブレーキディスクとは別体の空力音低減部材(制御部材)をディスクブレーキ装置に設ける技術が提案されている。制御部材は、板状の支持部と、この支持部から突出する複数の突出部とを有している。特許文献2によれば、制御部材の各突出部によって通気路の一部を塞ぐことで、通気路内の空気の流れを抑制し、鉄道車両の走行中に発生する空力音を低減することができる。また、ブレーキディスクと制御部材とが別個の部品であるため、制御部材の突出部がブレーキディスクの剛性に影響しない。よって、突出部に起因してブレーキディスクに反りが発生するのを防止することができる。
特開2007-205428号公報 国際公開第2019/194203号
特許文献2のディスクブレーキディスク装置では、空力音を低減するため、ブレーキディスクとは別体の制御部材が用いられる。制御部材は、主に、板状の支持部及び複数の突出部で構成されている。この制御部材を製造する方法としては、例えば、板状の支持部と複数の突出部とを別々に成形し、これらを溶接等で接合する方法や、金属の薄肉材をプレス加工して支持部及び突出部を一体成形する方法等が挙げられる。ただし、いずれの方法を採用する場合であっても、ブレーキディスクの複雑な形状を考慮しなければならない。すなわち、ディスク本体の裏面に設けられた多数のフィンに干渉しないように、突出部を支持部上に正確に配置する必要がある。そのため、制御部材の加工に対する労力及びコストが増加する可能性がある。
本開示は、通気路内の通気量を制御するための制御部材を含む鉄道車両用ディスクブレーキ装置において、制御部材の製造を簡素化することを課題とする。
本開示に係るディスクブレーキ装置は、鉄道車両用のディスクブレーキ装置である。ディスクブレーキ装置は、回転部材と、ブレーキディスクと、制御部材と、を備える。回転部材は、鉄道車両の車軸に取り付けられる。ブレーキディスクは、環状のディスク本体と、複数のフィンと、を含む。ディスク本体は、回転部材に対向する裏面を有する。複数のフィンは、当該裏面上に放射状に配置される。制御部材は、複数のフィンのうちブレーキディスクの周方向において隣り合うフィンの間の通気量を制御する。制御部材は、ベースプレートと、突出部と、を含む。ベースプレートは、回転部材とフィンとの間に挟まれる。突出部は、ベースプレートからディスク本体に向かって突出する。隣り合うフィンの各々の頂面には、当該フィンを周方向に横断する凹部が形成される。突出部は、隣り合うフィンの一方から他方にわたり、凹部を通って周方向に延びている。
本開示によれば、通気路内の通気量を制御するための制御部材を含む鉄道車両用ディスクブレーキ装置において、制御部材の製造を簡素化することができる。
図1は、第1実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置の概略構成を示す縦断面図である。 図2は、図1に示すディスクブレーキ装置に含まれるブレーキディスクの裏面図である。 図3は、図1に示すディスクブレーキ装置に含まれる制御部材の平面図である。 図4は、図3のIV-IV断面図である。 図5は、第2実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置の一部分を示す縦断面図である。
実施形態に係るディスクブレーキ装置は、鉄道車両用のディスクブレーキ装置である。ディスクブレーキ装置は、回転部材と、ブレーキディスクと、制御部材と、を備える。回転部材は、鉄道車両の車軸に取り付けられる。ブレーキディスクは、環状のディスク本体と、複数のフィンと、を含む。ディスク本体は、回転部材に対向する裏面を有する。複数のフィンは、当該裏面上に放射状に配置される。制御部材は、複数のフィンのうちブレーキディスクの周方向において隣り合うフィンの間の通気量を制御する。制御部材は、ベースプレートと、突出部と、を含む。ベースプレートは、回転部材とフィンとの間に挟まれる。突出部は、ベースプレートからディスク本体に向かって突出する。隣り合うフィンの各々の頂面には、当該フィンを周方向に横断する凹部が形成される。突出部は、隣り合うフィンの一方から他方にわたり、凹部を通って周方向に延びている(第1の構成)。
第1の構成に係るディスクブレーキ装置によれば、制御部材により、ブレーキディスクのディスク本体の裏面上で周方向に隣り合うフィンの間の通気量を制御することができる。すなわち、当該ディスクブレーキ装置では、周方向に隣り合うフィンがディスク本体及び回転部材とともに形成する通気路が、制御部材に設けられた突出部によって部分的に塞がれる。これにより、通気路内の通気量を制限することができ、鉄道車両の走行時に発生する空力音を低減することができる。
第1の構成に係るディスクブレーキ装置において、ブレーキディスクの周方向に隣り合うフィンは、それぞれ、当該フィンを周方向に横断する凹部をその頂面に有する。制御部材の突出部は、フィンの凹部を通って周方向に延びている。すなわち、周方向に延びる突出部のうちフィンに対応する部分を、フィンの凹部に収容することができる。そのため、制御部材を製造する際、ディスク本体の裏面上に設けられた各フィンの位置を考慮し、フィンを避けるように突出部を配置する必要がない。よって、制御部材の製造を比較的簡素に行うことができ、制御部材の加工に対する労力及びコストを低減させることができる。
制御部材の突出部は、ブレーキディスクの内周側に位置付けられることが好ましい(第2の構成)。
例えば、回転部材とブレーキディスクとで形成される通気路内の異物を除去する際には、ディスクブレーキ装置を解体することなく、ブレーキディスクの内周側から通気路内に送風を行う。これに対して、第2の構成では、制御部材の突出部がブレーキディスクの内周側に位置付けられている。そのため、通気路を部分的に塞ぐ制御部材の突起部と、ブレーキディスクとの間にゴミや泥等の異物が詰まったとしても、当該異物を容易に除去することができる。よって、ディスクブレーキ装置のメンテナンス性を向上させることができる。
制御部材の突出部は、ブレーキディスクの外周側に位置付けられていてもよい(第3の構成)。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置100の概略構成を示す縦断面図である。縦断面とは、中心軸Xを含む平面でディスクブレーキ装置100を切断した断面をいう。中心軸Xは、鉄道車両の車軸200の軸心である。以下、中心軸Xが延びる方向を軸方向という。
図1に示すように、ディスクブレーキ装置100は、回転部材10と、ブレーキディスク20と、制御部材30と、を備える。
回転部材10は、車軸200に取り付けられ、車軸200と一体で中心軸X周りに回転する。本実施形態の例では、回転部材10は、鉄道車両の車輪である。ただし、回転部材10は、車輪以外のディスク体であってもよい。図1に示す回転部材10は、ボス部11と、リム部12と、板部13と、を有する。板部13は、車軸200が挿入されるボス部11と、車輪の外周部を構成するリム部12とを連結している。板部13の内周縁は、回転部材10の縦断面視で円弧状の曲線部14を介して、ボス部11に接続されている。板部13の外周縁は、回転部材10の縦断面視で円弧状の曲線部15を介して、リム部12に接続されている。
ブレーキディスク20は、ディスク状の回転部材10の両面に設けられている。これらのブレーキディスク20は、例えば、ボルト及びナットで構成される締結部材40により、回転部材10の板部13に締結される。軸方向において各ブレーキディスク20の外側には、ブレーキライニング50が設けられる。制御部材30は、回転部材10と各ブレーキディスク20との間に配置されている。
(細部の構成)
図2は、回転部材10の両面上に配置されたブレーキディスク20のうち、一方のブレーキディスク20を回転部材10側から見た図(裏面図)である。図2では、ブレーキディスク20の1/4周部分を示す。以下、ブレーキディスク20の周方向及び径方向を単に周方向及び径方向という。
図2を参照して、ブレーキディスク20は、ディスク本体21と、複数のフィン22と、を含む。
ディスク本体21は、環状をなす。ディスク本体21は、実質的に、中心軸Xを軸心とする円環板状を有する。ディスク本体21は、摺動面211及び裏面212を有する。摺動面211は、ディスク本体21において軸方向の一方側に設けられた面である。摺動面211には、制動力を発生させるためにブレーキライニング50(図1)が押し付けられる。裏面212は、ディスク本体21において軸方向の他方側に設けられた面であり、回転部材10(図1)に対向する。
複数のフィン22は、ディスク本体21の裏面212上に放射状に配置されている。これらのフィン22は、ディスク本体21の内周側から外周側に延びている。各フィン22は、裏面212から回転部材10(図1)側に突出する。これにより、回転部材10と、周方向において隣り合うフィン22と、ディスク本体21との間に空間が形成される。これらの空間は、ブレーキディスク20が回転部材10とともに回転する際に空気が通過する通気路となる。
本実施形態において、一部のフィン22には、当該フィン22及びディスク本体21を貫通する締結孔23が形成されている。その他のフィン22の頂面221には、凹状のキー溝24が形成されている。各締結孔23には、締結部材40(図1)が挿入される。各キー溝24には、ブレーキディスク20と回転部材10(図1)との相対回転を規制するためのキー(図示略)が嵌め込まれる。フィン22の数、締結孔23の数、及びキー溝24の数は、適宜設定することができる。本実施形態の例では、全てのフィン22に締結孔23又はキー溝24が形成されているが、締結孔23及びキー溝24が形成されていないフィン22が存在してもよい。
各フィン22の頂面221には、凹部222が形成されている。凹部222の各々は、当該凹部222が設けられたフィン22を周方向に横断する。凹部222は、ブレーキディスク20の内周側に配置されている。これらの凹部222は、例えば、ブレーキディスク20の裏面視で、ディスク本体21と同心の仮想円C上に配列されている。
本実施形態の例において、キー溝24を有するフィン22の凹部222は、キー溝24と重ならないように、径方向においてキー溝24よりも内側に配置されている。ただし、キー溝24に嵌め込まれるキー(図示略)が凹部222に干渉しなければ、凹部222の一部とキー溝24の一部とが重なっていてもよい。締結孔23を有するフィン22の凹部222は、締結孔23と重ならないように、径方向において締結孔23よりも内側に配置されている。
図2に示すように、径方向におけるキー溝24の長さは、典型的には、締結孔23の直径よりも大きい。そのため、複数のフィン22に対応する複数の凹部222の径方向の位置は、通常、キー溝24及びキー(図示略)を基準に決定される。ただし、径方向におけるキー溝24の長さよりも締結孔23の直径が大きい場合、締結孔23を基準に凹部222の径方向の位置を決定することができる。
図3は、制御部材30をブレーキディスク20側から見た図(平面図)である。図3では、制御部材30の1/4周部分を示す。図3では、制御部材30(実線)に加え、ブレーキディスク20を二点鎖線で示している。
制御部材30は、ブレーキディスク20とは別の部材である。制御部材30は、周方向に隣り合うフィン22の間の通気量を制御する。制御部材30は、ベースプレート31と、突出部32と、を含む。
ベースプレート31は、概略円環板状をなし、ディスク本体21と実質的に同軸に配置されている。ベースプレート31は、回転部材10(図1)と複数のフィン22との間に挟まれる。すなわち、ベースプレート31の一方面に回転部材10が接触し、ベースプレート31の他方面にフィン22の頂面221が接触する。
本実施形態の例では、ベースプレート31の径方向の長さは、ディスク本体21の径方向の長さよりもわずかに短い。ただし、ベースプレート31の径方向の長さは、ディスク本体21の径方向の長さよりも長くてもよいし、ディスク本体21の径方向の長さと等しくてもよい。ベースプレート31の径方向の長さは、回転部材10の板部13(図1)の内周縁から外周縁までの範囲で適宜設定することができる。
ベースプレート31には、締結部材40(図1)を挿通させるため、ブレーキディスク20の締結孔23に対応して複数の開口311が形成されている。また、ベースプレート31には、上述したキー(図示略)を挿通させるため、ブレーキディスク20のキー溝24に対応して複数の開口312が形成されている。
ベースプレート31の両面のうち、ブレーキディスク20側の面には、突出部32が形成されている。突出部32は、ベースプレート31からディスク本体21に向かって突出する。突出部32は、径方向において、フィン22の凹部222に対応する位置に配置されている。本実施形態では、凹部222がブレーキディスク20の内周側に配置されているため、突出部32もブレーキディスク20の内周側に位置付けられている。ブレーキディスク20の内周側とは、例えば、ブレーキディスク20のうち、締結孔23の軸心よりも径方向において内側の領域をいう。ブレーキディスク20のうち、締結孔23の軸心よりも径方向において外側の領域は、ブレーキディスク20の外周側である。
突出部32は、周方向に隣り合うフィン22の一方から他方にわたり、凹部222を通って周方向に延びている。本実施形態の例では、突出部32は、全てのフィン22の凹部222を通り、周方向に延びている。すなわち、突出部32は、制御部材30の平面視で概略円環状をなす。
制御部材30は、1.0mm~3.0mmの板厚を有する金属の薄肉材で構成することができる。制御部材30は、例えば、この薄肉材をプレス加工することによって成形される。この場合、ベースプレート31と突出部32とが一体的に形成される。ただし、ベースプレート31と、突出部32とを別体で形成した後、突出部32をベースプレート31に対して溶接等で固定することもできる。
以下、図4を参照して、ブレーキディスク20と制御部材30との関係をより詳細に説明する。図4は、図3のIV-IV断面図である。図4では、説明の便宜上、ブレーキディスク20及び制御部材30とともに、回転部材10も示している。
図4を参照して、ブレーキディスク20において、凹部222は、フィン22の頂面221からディスク本体21側に陥没する部分である。ただし、ディスク本体21の熱容量を確保するため、凹部222は、ディスク本体21には侵入しない。すなわち、凹部222の底面222bは、ディスク本体21の裏面212と実質的に同一平面上にあるか、裏面212よりもフィン22の頂面221側に位置している。
本実施形態の例において、凹部222は、ブレーキディスク20の縦断面視で概ねL字状をなす。凹部222は、底面222bと、キー溝24側の側面222sとによって画定されている。
制御部材30の突出部32は、ベースプレート31からディスク本体21の裏面212に向かって突出する。この突出部32のうちフィン22に対応する部分は、凹部222内に配置される。突出部32の先端は、ディスク本体21の裏面212及び凹部222の底面222bには接触しない。すなわち、突出部32の先端とブレーキディスク20との間には、空気を通過させるための隙間が形成されている。突出部32の先端からディスク本体21の裏面212までの軸方向の距離は、例えば、0.5mm~4.5mmである。
突出部32の径方向外側の表面は、凹部222の側面222sと接触していてもよいし、非接触であってもよい。突出部32を凹部222の側面222sに予め接触させている場合、制御部材30が回転部材10及びブレーキディスク20とともに回転する際、突出部32の変形を抑制することができる。また、制御部材30をブレーキディスク20に組み付ける際、制御部材30の位置決めを容易に行うことができる。
突出部32の形状は、適宜決定することができる。突出部32は、中空に形成されていてもよいし、中実に形成されていてもよい。突出部32の表面は、通気路内の空気を円滑に案内する観点から、角部を有しない滑らかな形状であることが好ましい。突出部32のうちベースプレート31との境界に位置する部分は、例えば、制御部材30の縦断面視で概略円弧状をなす。すなわち、突出部32の内端32iは、径方向内側におけるベースプレート31との境界部分のR止まりであり、突出部32の外端32eは、径方向外側におけるベースプレート31との境界部分のR止まりである。
突出部32の内端32i及び外端32eの位置、すなわち突出部32の位置及び範囲は、適宜決定することができる。本実施形態の例では、内端32iは、径方向においてディスク本体21の内周縁よりもやや外側に配置されている。ただし、突出部32の先端がディスク本体21の範囲内にあれば、内端32iは、ディスク本体21の内周縁よりも径方向内側に配置されていてもよい。外端32eは、径方向においてキー溝24の内端24iよりもやや内側に配置されている。
(効果)
本実施形態に係るディスクブレーキ装置100では、制御部材30の突出部32がディスク本体21側に突出し、回転部材10と、ブレーキディスク20のディスク本体21及びフィン22とで画定される通気路を部分的に塞いでいる。これにより、通気路内の通気量を制限することができ、鉄道車両の走行時に発生する空力音を低減することができる。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置100において、ブレーキディスク20の各フィン22は、自身を周方向に横断する凹部222を頂面221に有する。制御部材30の突出部32は、フィン22の凹部222を通り、複数のフィン22にわたって周方向に延びている。すなわち、周方向に延びる突出部32のうちフィン22に対応する部分は、凹部222に収容される。そのため、制御部材30を製造する際、各フィン22の位置を考慮し、フィン22を避けて突出部32を形成する必要がない。よって、制御部材30を簡素に製造することができ、制御部材30の加工に対する労力及びコストを低減させることができる。
本実施形態では、制御部材30の突出部32がブレーキディスク20の内周側に位置付けられている。そのため、ブレーキディスク20の内周側から通気路内に送風することにより、突出部32とブレーキディスク20との間に詰まった異物を比較的容易に除去することができる。よって、ディスクブレーキ装置100のメンテナンス性を向上させることができる。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係るディスクブレーキ装置100Aの一部分を示す縦断面図である。本実施形態に係るディスクブレーキ装置100Aは、基本的に、第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100と同一の構成を有する。ただし、ディスクブレーキ装置100Aは、制御部材30Aの突出部32の位置において、ディスクブレーキ装置100と異なる。
図5に示すように、制御部材30Aの突出部32は、ブレーキディスク20Aの外周側に位置付けられている。これに対応して、ブレーキディスク20Aの各フィン22に設けられた凹部222も、ブレーキディスク20Aの外周側に位置付けられている。
本実施形態の例において、凹部222は、ブレーキディスク20Aの縦断面視で実質的に矩形状をなす。すなわち、凹部222は、底面222bと、底面222bの両側に配置された側面222sとによって画定されている。
制御部材30Aの突出部32は、第1実施形態と同様に、ベースプレート31からディスク本体21の裏面212に向かって突出する。凹部222は、突出部32のうちフィン22に対応する部分を収容する。ディスク本体21の裏面212及び凹部222の底面222bには、突出部32は接触しない。ただし、凹部222の両側面222sのうち少なくとも一方には、突出部32が接触してもよい。凹部222の側面222sの一方又は双方に突出部32を接触させる場合、回転時における突出部32の変形が抑制される。また、ブレーキディスク20Aに対する制御部材30Aの位置決めを容易に行うことができる。
本実施形態において、突出部32の内端32iは、径方向においてキー溝24の外端24eよりもやや外側に配置されている。突出部32の外端32eは、径方向においてディスク本体21の外周縁よりも内側に配置されている。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置100Aにおいても、制御部材30Aの突出部32により、回転部材10と、ブレーキディスク20Aのフィン22及びディスク本体21とで画定される通気路が部分的に塞がれる。そのため、通気路内の通気量を制限することができ、鉄道車両の走行時に発生する空力音を低減することができる。
制御部材30Aの突出部32は、第1実施形態と同様に、フィン22の凹部222を通り、複数のフィン22にわたって周方向に延びることができる。そのため、制御部材30Aを製造する際、各フィン22の位置を考慮し、フィン22を避けて突出部32を形成する必要がない。よって、制御部材30Aの製造を簡素に行うことができ、制御部材30Aの加工に対する労力及びコストを低減させることができる。
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記第1実施形態では、制御部材30の突出部32がブレーキディスク20の内周側に位置付けられている。上記第2実施形態では、制御部材30Aの突出部32がブレーキディスク20Aの外周側に位置付けられている。しかしながら、突出部32の位置は、これらの実施形態で示す例に限定されるものではない。例えば、回転部材10の板部13の内周縁から外周縁までの範囲で、突出部32を径方向に適宜移動させることができる。すなわち、突出部32の内端32i及び外端32eを板部13の内周縁から外周縁までの範囲で任意の位置に配置することができる。ただし、突出部32は、キー及び締結部材40と干渉しないように配置される。
上記実施形態において、フィン22に設けられた凹部222は、ブレーキディスク20,20Aの縦断面視でL字状又は矩形状をなす。しかしながら、凹部222の形状はこれに限定されるものではない。凹部222は、制御部材30,30Aの突出部32に沿うような形状を有していてもよい。
上記実施形態において、制御部材30,30Aのベースプレート31及び突出部32は、平面視で実質的に円環状をなす。しかしながら、制御部材30,30Aは、周方向において複数に分割されていてもよい。制御部材30,30Aは、例えば、周方向に二分割されていてもよいし、四分割されていてもよい。
100,100A:ディスクブレーキ装置
10:回転部材
20,20A:ブレーキディスク
21:ディスク本体
212:裏面
22:フィン
221:頂面
222:凹部
30,30A:制御部材
31:ベースプレート
32:突出部

Claims (3)

  1. 鉄道車両用のディスクブレーキ装置であって、
    前記鉄道車両の車軸に取り付けられる回転部材と、
    前記回転部材に対向する裏面を有する環状のディスク本体と、前記裏面上に放射状に配置される複数のフィンと、を含むブレーキディスクと、
    前記複数のフィンのうち前記ブレーキディスクの周方向において隣り合うフィンの間の通気量を制御する制御部材であって、前記回転部材と前記フィンとの間に挟まれるベースプレートと、前記ベースプレートから前記ディスク本体に向かって突出する突出部と、を含む前記制御部材と、
    を備え、
    前記隣り合うフィンの各々の頂面には、当該フィンを前記周方向に横断する凹部が形成され、
    前記突出部は、前記隣り合うフィンの一方から他方にわたり、前記凹部を通って前記周方向に延びる、ディスクブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載のディスクブレーキ装置であって、
    前記突出部は、前記ブレーキディスクの内周側に位置付けられる、ディスクブレーキ装置。
  3. 請求項1に記載のディスクブレーキ装置であって、
    前記突出部は、前記ブレーキディスクの外周側に位置付けられる、ディスクブレーキ装置。
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