JP7344113B2 - ばら物の水分除去装置 - Google Patents
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Description
ばら物の生産例として、例えば、砕石の製造に於いては、採石場の切羽で採掘した原鉱を粗破砕機で一次破砕した後に、破砕した鉱石の表面に付着した泥などの不純物を除去するための水洗を行い、水洗スクリーン(篩)によって微粒子を除去した上で、製品製造のための二次破砕機及び篩装置に供給し、要求される粒子径の砕石を選別することにより行なわれていた。
樹脂ペレットの生産においては、溶融・混錬した樹脂を細長い棒状に押し出し、水槽中を通して冷却後にペレット状に切断してマスターバッチとしている。
例えば、この湿った石灰砂を炭酸カルシウム粉末などの原料として利用するために粉砕機に投入すると、多量に含まれた水分が原因となり、粉砕機内に於いて居付きが発生し、粉砕効率が悪いばかりか粉砕機を破損してしまうため、化石燃料などを熱源として乾燥した上で使用する必要があった。
しかしながら、砕石のばら物の流通価格は安価であることから、その生産の過程で発生する湿った篩下砕石を乾燥等の工程を経て使用することは、エネルギーのフローおよび費用面で出来ず、その有効利用を図ることが出来なかった。
また、石炭に於いては、洗炭によって篩分けした石炭の粒子の表面に付着した微粉を除去することで、輸送途上や貯炭場に於ける発塵を防止することが出来るが、必要以上に水に濡れることで、運搬コストが嵩む、燃料としての着火性が不良となるなどの不具合が生じていた。
しかし、この移送脱水装置では、砕石等の湿潤粉体は無端ベルト上を水平方向に移送されつつ脱水が行なわれるため、装置自体が大きくなってしまうという問題があった。また、微細粉末を含有する水が、網状の無端ベルトを重量によって垂直方向に通過することになるので、無端ベルトを構成する網に目詰まりが起こりやすいという問題点もあった。
(1)衝突脱水板を垂直方向に配置し、衝突脱水板の一方の面側には、当該一方の面に向けた噴出口を有するエアノズルを水平方向に固定したエア吐出口を配置し、衝突脱水板の当該一方の面の上方には衝突脱水板とエア吐出口との間に湿ったばら物を投下供給する投入ホッパを、下方には水分除去したばら物を排出するばら物排出口を備え、
前記衝突脱水板の他方の面側には、湿ったばら物から除去された水を排出する水分排出口を備えた、ばら物の水分除去装置
(2)前記衝突脱水板は、水分を除去しようとするばら物の粒子径に応じて網目状の隙間の間隔の異なるものと交換できるように固定されている、(1)のばら物の水分除去装置。
(3)前記衝突脱水板として、ウェッジワイヤスクリーンを使用する、(1)または(2)のばら物の水分除去装置。
(4)前記エア吐出口は、湿ったばら物に要求される水分除去の程度に応じて、衝突脱水板にそって垂直方向に複数設置される、(1)~(3)のいずれかのばら物の水分除去装置。
(5)前記エア吐出口は前記エアノズルの角度を変更することができ、エアの吐出方向を微調整することができる、(1)~(4)のいずれかのばら物の水分除去装置。
(6)前記エア吐出口は、前記エアノズルから噴出するエアの圧力を調整する機能を有している、(1)~(5)のいずれかのばら物の水分除去装置。
(7)前記ばら物として砕石の水分除去を行う、(1)~(6)のばら物の水分除去装置。
(8)前記衝突板の一方の面側の下方に設置したばら物排出口部分に、高さや衝突脱水板からの距離を調整できるようにした遮蔽板を設け、この遮蔽板により分級機能を有する、(1)~(7)のいずれかのばら物の水分除去装置。
また、網目の異なる衝突脱水板を交換することで、水分除去するばら物の粒度に応じて水分除去をすることができ、さらに、エア吐出口を垂直方向に設置する段数を増やすことで水分除去の程度を高めることもできる。
本発明における衝突脱水板は、剛性があり、網目状の隙間を多数有する板である。すなわち、エア吐出口から吐出されたエアにより吹き飛ばされたばら物が衝突脱水板に衝突すると、衝突の衝撃で水分が分離除去されたばら物は衝突脱水板に付着することなく下方に落下し、ばら物に付随して飛来した水分は、エアと共に衝突脱水板の有する網目状の隙間を通り抜けて、衝突脱水板の裏面に設置された水分排出口に集められて排出される。
本発明における衝突脱水板はこのような機能を有するもので、ばら物の種類に応じて材質や網目の間隔等を選択することができる。
例えば、ばら物として砕石や土砂の水分除去のためには、ウェッジワイヤスクリーンが適している。これについては後述する。また、石炭や土砂の水分除去には、目の細かい網が、マスターバッチ(樹脂ペレット)には溶接金網が適している。、穀物などは砕けやすいことも有り、若干の柔軟性があるものが好ましい。
また、長尺の帆布や不織布の一方の端と他方の端を接続したものをエンドレスで回転させ、回転に伴い移動しつつある帆布の一面を脱水衝突板と構成することもできる。
ウェッジワイヤ(wedge wire)とは逆三角形の断面形状を有する金属ワイヤで、ウェッジワイヤスクリーン(以下ではWWスクリーンと略す)は、図2に示されるように、ウェッジワイヤを等間隔に並べて用途に適したスリットを形成して固定することで形成される。
ばら物含む流体がWWスクリーンの平滑面側からWWスクリーンを通過しようとした場合、WWスクリーンに形成されたスリットがスクリーンの裏面方向に向けて末広がりになっているので、前記スリット幅より大きいばら物はウェッジワイヤ間に2点接触のみで拘束される。このため、ばら物は詰まりにくく、仮に詰まっても逆洗が容易に行なえるので、メンテナンス性に優れている。
また、個々のウェッジワイヤは支持部材に溶接で固定されるため高強度であり、スクリーン面が平滑なために磨耗度合いが一定で耐久性が高い。
また、ばら物に付着した水分は、WWスクリーンのスリット幅より粒子径が小さい微細砕石とともにWWスクリーンを通過し、WWスクリーンの裏側の下方に設置された水分排出口から排出される。
エア吐出口は、図3に示されるように、衝突脱水板の一方の面に向けた噴出口を有するエアノズルを、水平方向に固定した装置である。湿ったばら物が投入ホッパから投下されて、衝突脱水板とエア吐出口の間を通過する際に、エアノズルから噴出されるエアにより湿ったばら物を衝突脱水板に吹き飛ばして衝突させる。
また、エアノズルの角度を変更することにより、エアの噴出方向を調整する機能を付与することで、より効率的な水分除去を行うことができる。
電磁フィーダは、本水分除去装置で水分除去を行う、湿ったばら物を投入ホッパに均一に搬送する装置である。湿ったばら物が凝集して「だま」を作らず、投入ホッパに均一に投下される様に設計されることが好ましい。
投入ホッパは、衝突脱水板とエア吐出口との間に、上方から湿ったばら物を投下する装置である。ほぼ均一な量の湿ったばら物を下方に投下できるように設計することが好ましい。
ばら物排出口は、衝突脱水板に衝突して水分除去されつつ落下してきたばら物を排出するための排出口である。また、水分は衝突脱水板を通過して回収される水分の排出口から排出される。
本発明におけるばら物の水分除去装置には、簡易的な分級機能を設けることができる。
すなわち、衝突脱水板の一方の面側の下方に設置したばら物排出口部分に遮蔽板を設ける。この遮蔽板は、その高さや衝突脱水板からの距離を調整できるようにする。
そうすると、エア吐出口から吐出したエアにより飛ばされたばら物の中で、粒子径が大きく重量があるため十分な速度で飛ばされなかったものは、設置した遮蔽板により飛行が阻害され、衝突脱水板に衝突する前にばら物排出口から回収される。これを水分除去処理されたばら物と分離して回収すれば、簡易的な分級を行うことが可能となる。
本発明の水分除去処理を施すことで、水分量が2.5%の石灰砕石を回収することができた。除去した水分は0.12kgで水分減少率は6.3%であった。
本発明の水分除去処理装置を用いて、水分除去処理を施すことで、水分量が2.2%の樹脂ペレットを回収することができた。除去した水分は0.063kgで水分減少率は4.8%であった。
12 エア吐出口
13 投入ホッパ
14 ばら物排出口
15 水分排出口
Claims (8)
- 衝突脱水板を垂直方向に配置し、
前記衝突脱水板の一方の面側には、対向する他方の面に向けた噴出口を有するエアノズルを水平方向に固定したエア吐出口を配置し、
前記衝突脱水板の当該一方の面の上方には衝突脱水板とエア吐出口との間に湿ったばら物を投下供給する投入ホッパを、下方には水分除去したばら物を排出する排出口を備え、
前記衝突脱水板の他方の面側には、ばら物から除去された水を排出する水分排出口を備えた、ばら物の水分除去装置。
- 前記衝突脱水板は、水分除去しようとするばら物の粒子径に応じて網目状の隙間の間隔が異なったものと交換できるように固定されている、請求項1のばら物の水分除去装置。
- 前記衝突脱水板として、ウェッジワイヤスクリーンを使用する、請求項1または2のばら物の水分除去装置。
- 前記エア吐出口は、湿ったばら物に要求される脱水の程度に応じて、脱水衝突板にそって垂直方向に複数設置される、請求項1~3のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
- 前記エア吐出口は、前記エアノズルの角度を変更することができ、エアの噴出方向を微調整することができる、請求項1~4のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
- 前記エア吐出口は、前記エアノズルから噴出するエアの圧力を調整する機能を有している、請求項1~5のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
- 前記ばら物として砕石の水分除去を行う、請求項1~6のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
- 前記衝突脱水板の一方の面側の下方に設置したばら物排出口部分に、高さや衝突脱水板からの距離を調整できるようにした遮蔽板を設け、この遮蔽板により水分除去されたばら物の分級機能を有する、請求項1~7のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
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