JP7338597B2 - バルブ異常判定装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ガスを充填されるタンクに設けられたバルブの閉弁異常を判定する技術に関する。
燃料電池車両などでは搭載した燃料ガスタンクの出口に、電気的に開閉弁される電磁弁などのタンクバルブが設けられている。燃料ガスを使用しない場合には、このタンクバルブを電気信号によって閉弁し、ガスの放出を止めている。こうしたタンクバルブでは、閉弁状態にされたバルブを通り抜けるガス(以下、閉弁時通過ガスという)が、許容値以下であることが要請される。閉弁時通過ガスが許容値より大きい場合には、タンクバルブに異常が生じたとして、通常、これをインスツルメントバネルなどに表示し報知する。
下記特許文献1には、こうしたバルブの閉弁時通過ガスを検出する手法が開示されている。具体的には、燃料ガスを充填したタンクからタンクバルブを通過して燃料電池に至るまでの流路に設けられた各種電磁弁を制御して、閉空間を作り出し、この閉空間からガスを放出させてその内部の圧力を一旦下げる。そのあとで、再び閉空間にし、この状態おける閉空間の圧力変動を計測することで、タンクバルブの閉弁時通過ガス量を測定している。
国際公開WO2005/088756A1公報
この特許文献1に記載の技術は、閉弁時通過ガス量を広い範囲に亘って精度良く検出する優れたものであるが、測定時に、閉空間のガスを放出して内部の圧力を下げているため、閉弁時通過ガス量の測定のために減圧量を大きくすると、外部に放出されるガス量が増えてしまう。他方、ガスの放出量を抑制すると、閉空間の圧力を十分に、例えば複数回の測定が可能な圧力まで低下することができない。かかる問題は、トレードオフの関係にあり、燃料電池車両に限らず、ガスタンクの出口に設けられたタンクバルブの閉弁時通過ガス量が許容値以上となった場合にタンクバルブに閉弁異常があると判定するものに共通している。
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本開示の第1の態様は、バルブ異常判定装置としての態様である。このバルブ異常判定装置は、ガスが外気より高い圧力で充填されるタンクと、前記タンクの出口に設けられ、外部からの指示に応じてガス流路を開閉する第1バルブと、前記第1バルブから下流側の流路に設けられ、開弁することで、前記第1バルブとの間に閉空間を形成し、開弁することで、前記閉空間のガスを外部に放出する第2バルブと、前記閉空間の圧力を検出するセンサと、前記第1,第2バルブの開閉を制御する制御部であって、前記閉空間が前記タンクに充填されたガスの圧力によって圧力を高められた状態で、かつ前記第1バルブが閉弁された第1状態から、前記第2バルブを一時的に開弁することによって、前記閉空間内のガスを外部に放出し、前記閉空間が前記第1状態の圧力より低い圧力で、かつ前記第2バルブが閉弁された第2状態とする制御部と、前記第1バルブおよび前記第2バルブの動作に伴って、前記センサにより検出された前記閉空間の圧力の変化から、前記第1バルブの閉弁時通過ガス量を評価して、前記第1バルブの閉弁異常の有無を判定する異常判定部と、を備える。ここで、前記異常判定部は、前記第1状態から前記第2状態への前減圧量が予め定めた閾値未満の場合には、前記第2バルブの前記閉弁後に前記センサにより検出された圧力の変化により前記第1バルブの閉弁異常を判定する手法のうち、予め定めた第1の判断手法で前記第1バルブの閉弁異常の有無の判定を行ない、前記第2状態への前記減圧量が前記閾値以上の場合には、前記第1の判断手法よりも精度が高い第2の判断手法で前記閉弁異常の有無の判定を行なう。
こうすれば、第1状態から第2状態への減圧量が前記閾値以上の場合には、前記第1の判断手法よりも精度が高い第2の判断手法で前記閉弁異常の有無の判定を行なうので、第1バルブの異常判定において、誤判定する可能性を低減できる。しかも、閉空間からのガスの放出量の増加を抑制できる。
(2)こうしたバルブ異常判定装置において、前記第2の判断手法は、前記第1の判断手法よりも、前記圧力の変化による前記判断の回数が多い手法であるものとしてもよい。こうすれば、第2の判断手法は判断回数が多いので、誤判定の可能性を低減できる。
(3)こうしたバルブ異常判定装置において、前記第2の判断手法は、前記第2バルブの前記閉弁後に前記センサにより検出された圧力の変化により前記第1バルブの閉弁異常を判断する処理を1回行なった後で、前記閉空間の圧力が、前記第1状態の圧力に対して所定の圧力範囲に入っているとき、前記第1バルブに閉弁異常があると判定するものとしてもよい。こうすれば、閉空間の圧力が閉弁時通過ガス量が多く、1回の異常判断の処理で、閉空間の圧力が第1状態に近づいてしまうような場合でも、第1バルブの異常の誤判定を回避できる。
(4)こうしたバルブ異常判定装置において、前記第2の判断手法は、前記第1の判断手法より、前記圧力の変化を検出するための時間が長い手法であるものとしてもよい。こうすれば、第2の判断手法は判断回数を維持しやすいので、誤判定の可能性を低減できる。
(5)こうしたバルブ異常判定装置において、前記タンクは燃料電池に供給される燃料ガスが充填されるガスタンクであり、前記第2バルブは、前記燃料ガスを燃料電池に供給するインジェクタであるものとしてもよい。こうすれば、燃料電池に燃料ガスを供給するタンクに設けられたバルブの閉弁異常を、既存の装置を利用して、容易に判定できる。
(6)本開示の第2の態様は、バルブの異常判定方法としての態様である。このバルブの異常判定方法は、前記タンクバルブから下流側の流路に設けられ、前記タンクバルブより下流側に形成される閉空間に設けられたセンサにより、前記閉空間の圧力を検出し、前記閉空間の圧力を、前記タンクに充填されたガスの圧力によって高め、かつ前記タンクバルブを閉弁した第1状態とし、前記第1状態から、前記流路に設けられた放出バルブを一時的に開弁することで、前記閉空間の前記ガスを外部に放出して、前記閉空間の圧力を、前記第1状態の圧力より減圧し、かつ前記放出バルブが閉弁された第2状態とし、前記第1状態から前記第2状態への減圧量が予め定めた閾値未満の場合には、前記放出バルブの前記閉弁後に前記センサにより検出された圧力の変化により前記タンクバルブの閉弁異常を判定する手法のうち、予め定めた第1の判断手法で前記タンクバルブの閉弁異常の有無の判定を行ない、前記第2状態への前記減圧量が前記閾値以上の場合には、前記第1の判断手法よりも精度が高い第2の判断手法で前記閉弁異常の有無の判定を行なう。
この異常判定方法によれば、前記第1状態から前記第2状態の減圧量が前記閾値以上の場合には、前記第1の判断手法よりも精度が高い第2の判断手法で前記閉弁異常の有無の判定を行なうので、タンクバルブの異常判定において、誤判定する可能性を低減できる。しかも、閉空間からのガスの放出量の増加を抑制できる。
実施形態のバルブ異常判定装置の概略構成図。 第1実施形態におけるタンクバルブ異常判定処理を示すフローチャート。 第1実施形態において、閉空間の圧力が十分に低下できた場合の判定の様子を示す説明図。 第1実施形態において、閉空間の圧力の低下が不十分な場合の判定の様子を示す説明図。 第2実施形態におけるタンクバルブ異常判定処理を示すフローチャート。 第3実施形態におけるタンクバルブ異常判定処理を示すフローチャート。 第3実施形態における判定の様子を示す説明図。
第1実施形態:
(1)ハードウェア構成:
燃料電池システムにおけるバルブ異常判定装置20の概略構成を、図1に示す。図示するように、第1バルブに相当するタンクバルブ53は、燃料電池システムに用いられるガスタンク(以下、単にタンクという)51に設けられている。まず、燃料電池システムの概略構成について簡単に説明する。燃料電池システムは、燃料電池30と、酸素を含有する大気を供給し排気するエア給排気系40と、水素を供給し排出する水素給排気系50と、図示しない冷却水循環系とが設けられている。
燃料電池30は、燃料ガスと酸化ガスとを電気化学的に反応させて電力を取り出すための発電装置であり、単セルが複数積層されたスタック構成を有している。本実施形態の燃料電池30は、固体高分子形燃料電池であるが、他種の燃料電池を用いてもよい。燃料電池30を構成する各単セルでは、電解質膜を間に介して、アノード側に燃料ガスである水素が流れる流路(以後、アノード側流路とも呼ぶ)が形成され、カソード側に酸化ガスである空気が流れる流路(以後、カソード側流路とも呼ぶ)が形成されている。
エア給排気系40は、図示しないコンプレッサにより供給される空気を、燃料電池30内のカソード側流路に導くエア供給管41と、燃料電池30で酸素の一部が消費された空気が排気されるエア排気管43とを備える。エア排気管43は、希釈器67に接続されている。
水素給排気系50は、タンク51に貯蔵された水素を燃料電池30のアノード側流路に供給するためのものであり、タンク51から燃料電池30のアノード側流路入口までの管路52に、タンク51から順に下流側に向けて、タンクバルブ53、調圧バルブ55,第2バルブ(放出バルブ)に相当するインジェクタ57が設けられている。また、燃料電池30のアノード側流路出口には、気液分離器65を介して、アノード排ガスをアノード側流路入口に接続する循環管路64が設けられ、ここに、水素循環ポンプ63が設けられている。気液分離機65で水分を分離された後のアノード排ガスは、希釈器67で空気により希釈され、システムの外部に放出される。
水素給排気系50の管路52には、高圧用、中圧用、低圧用の圧力計が設けられている。タンクバルブ53と調圧バルブ55との間には第1圧力計71が、調圧バルブ55とインジェクタ57との間には第2圧力計72が、インジェクタ57の下流には第3圧力計73が、それぞれ設けられている。また、タンク51の口金には、タンク51から取り出されたガスの温度Tを検出する温度センサ75が設けられている。
バルブ異常判定装置20には、燃料電池制御用ECU80が含まれている。この燃料電池制御用ECU80は、周知のCPUやROM,RAMなどを内蔵しており、ROMに記憶したプログラムを実行することにより、燃料電池30の運転の制御とタンクバルブ53の異常判定とを行なう。図では、燃料電池制御用ECU80の内部のうち、タンクバルブ53の異常判定に関与する部分、すなわち異常判定部81,制御部82,出力部83のみを示した。また、燃料電池制御用ECU80は、既に説明した各種センサやアクチュエータと接続され、タンクバルブ53の異常の判定を行なうための検出信号の入力や制御信号の出力などを行なう。燃料電池制御用ECU80に異常判定に関して入力される信号は、第1圧力計71からの圧力検出信号P1、第2圧力計72からの圧力検出信号P2、第3圧力計73からの圧力検出信号P3、温度センサ75からの温度検出信号Tなどである。また、燃料電池制御用ECU80が異常判定に関して出力する制御信号は、第1バルブであるタンクバルブ53の開閉を指示する制御信号S1、第2バルブであるインジェクタ57を駆動する制御信号S2、などである。燃料電池制御用ECU80は、燃料電池30の運転の際には、水素循環ポンプ63に対して制御信号を出力するなど、他の部品にも信号を出力し、あるいは信号を入力しているが、これらの信号については、タンクバルブ53の異常判定には直接関わらないので、図示および説明を省略した。
(2)タンクバルブの閉弁異常の判定手法:
バルブ異常判定装置20は、タンクバルブ53の閉弁異常を判定するが、これは以下のようにして行なわれる。燃料電池30の運転時にはタンクバルブ53は、開弁されている。この場合、インジェクタ57が閉じていれば、タンクバルブ53からインジェクタ57までの管路52の内部は、タンク51内の圧力と等しくなる。この状態を、第1状態と呼ぶ。この状態からタンクバルブ53を閉弁すると、タンクバルブ53からインジェクタ57までの管路52から水素は流出しないので、この間が閉空間60となる。この閉空間60の圧力は、第1圧力計71または第2圧力計72により検出することができる。以下の説明では、第1圧力計71を用いるものとして説明する。
次に、インジェクタ57を一時的に、つまり所定時間だけ開弁すると、閉空間60内の圧力は、燃料電池30のアノード側流路の圧力より高いから、閉空間60の水素はインジェクタ57から噴出し、閉空間60の圧力は、その分低下する。これを減圧量ΔPと呼ぶ。インジェクタ57が指定時間後に閉弁すると、閉空間60の圧力の低下は止まり、閉空間60の圧力は維持される。この状態を第2状態と呼ぶ。このとき、閉弁しているタンクバルブ53をタンク51側から通過する閉弁時通過ガスが存在すると、閉空間60の圧力は上昇する。この上昇の際の圧力の変化を検出すれば、タンクバルブ53の閉弁時通過ガスの流量が許容値以下である正常な状態か、閉弁時通過ガスの流量が許容値を超えており、タンクバルブ53が閉弁異常であるかを判定することができる。なぜなら、閉空間60の体積V、閉空間60の圧力P、閉空間60内のガスの温度T、閉空間60内のガスの質量(モル数)nの間には、気体定数Rを用いて、以下の状態方程式、
P=nRT/V
が成り立つから、閉弁されているタンクバルブ53を介してタンク51側からガスが流入すると、閉空間60内のガスの質量は増加し、結果的に閉空間60の圧力Pも上昇するからである。
閉空間60の圧力の上昇は、閉弁されているタンクバルブ53の閉弁時通過ガスの流量により生じるので、圧力の変化はタンクバルブ53の閉弁時通過ガスの流量に比例する。これを精度良く検出するには、ある程度の時間を要するから、インジェクタ57が閉弁した直後の閉空間60の圧力とそれから検出時間Tppが経過した時点の閉空間60の圧力との差から、タンクバルブ53の閉弁時通過ガスの流量Qを求めることができる。この閉弁時通過ガスの流量を評価して、流量が許容値を超えていれば、タンクバルブ53は閉弁異常を起こしていると判定する。
以上説明した判定原理に基づいて、バルブ異常判定装置20が行なうタンクバルブ異常判定処理について、図2のフローチャートおよび図3の説明図を参照して説明する。図3は、閉空間60の圧力の時間的な変化を示す。図2に示す処理は、燃料電池30への燃料ガス等の供給を停止し、燃料電池30の運転を終了する際に実行される。燃料電池制御用ECU80は、燃料電池30の運転を停止すると共に、図2に示した異常判定処理を開始する。燃料電池30の運転を終了することから、この処理の開始より前に、タンクバルブ53は、既に閉弁されている。なお、この処理を開始する際、何回目の異常判断であるかを示す変数Nは初期化され、値1に設定される。
タンクバルブ異常判定処理を開始すると、まず減圧処理を行なう(ステップS100)。減圧処理は、インジェクタ57を所定時間開弁することにより行なう。インジェクタ57を開くと、閉空間60内の高圧のガスは燃料電池30向かって放出され、閉空間60の圧力は低下する。この様子を、図3に示した。図示するように、インジェクタ57が時刻t1からt2までの時間開弁すると、その間に、閉空間60の圧力は、第1状態である圧力PP1から、第2状態である圧力PP2まで低下する。これらの圧力は、所定のサンプリングタイムで、第1圧力計71または第2圧力計72の出力を読み取ることにより、検出できる。
そこで、次に減圧量ΔPを演算する(ステップS110)。減圧量ΔPは、
ΔP=PP1-PP2
として求めることができる。減圧量ΔPを求めると、この減圧量ΔPが、予め定めた減圧閾値TDpより小さいか否かの判断を行なう(ステップS120)。この減圧閾値TDpは、その後に行なわれる2回の異常判断に必要な減圧が行なわれたか否かを判断する閾値である。減圧量ΔPが減圧閾値TDpより小さければ(ステップS120:「YES」)、異常判断を行なう回数を示す設定値Mに値1を代入し(ステップS130)、減圧量ΔPが減圧閾値TDp以上であれば(ステップS130:「NO」)、設定値Mに値2を代入する(ステップS135)。
その後、予め設定された時間Tppが経過するまで待って、閉弁時通過ガス量Q(N)を検出する。ここで、閉弁時通過ガス量Q(N)とは、時間当たりの流量を言う。閉弁時通過ガス量Q(N)は、時間Tppの間に生じた圧力差P(N)に、閉空間60の体積Vと温度Tとから求められる係数kを乗じることにより検出できる。式で表わせば、
Q(N)=k・P(N)/Tpp
である。つまり、1回目の異常判断の際には、時間Tppの間に生じた圧力の上昇による圧力差P(1)を用いて、
Q(1)=k・P(1)/Tpp=k・(PP3-PP2)/Tpp
として、閉弁時通過ガス量Q(1)が求められる。
次に、こうして求めた異常判断1回目の閉弁時通過流量Q(N)が、予め定めた許容値TQを超えているかを判断する(ステップS150)。閉弁時通過流量Q(N)が許容値TQを超えていれば(ステップS150:「YES」)、タンクバルブ53に閉弁異常が生じている可能性があるとして、フラグF(N)に値1を設定し(ステップS160)、閉弁時通過流量Q(N)が許容値TQを超えていなければ(ステップS150:「NO」)、タンクバルブ53に閉弁異常は認められないとして、フラグF(N)に値0を設定する(ステップS165)。続いて、何回目の異常判断かを示す変数Nを値1だけインクリメントし(ステップS170)、変数Nが、ステップS130またはS135で設定した設定値Mより大きいかを判定する(ステップS180)。設定値Mが値1に設定されていれば、異常判断の処理回数を示す変数Nは、ステップS170でインクリメントしたことにより設定値Mを超えるので、ステップS180での判断は「YES」となり、上述したステップS140からS165の処理を1回行なったところで、ステップS200の異常判断に移行する。他方、設定値Mが値2に設定されていれば、ステップS170での判断は「NO」となり、上記ステップS140に戻って、2回目の異常判断の処理を行なう。
図3に示した例は、減圧処理(ステップS100)により閉空間60の圧力PPが十分に低下でき(ΔP≧TDp)、異常判断の時間Tppを2回とっても、異常判断が正しく行なえる場合を示している。図2おいて、破線B1は、タンクバルブ53の閉弁時通過ガスの流量Qが許容値であるの場合を示し、実線J1は、閉弁時通過ガスの流量Qが許容値より大きい場合を示す。図示から分かるように、流量Q(1)は1回目の異常判断で検出された流量であり、第1圧力計71により検出された圧力PP3と圧力PP2との差圧P(1)から求められる。同様に、流量Q(2)は2回目の異常判断で検出された流量であり、第1圧力計71により検出された圧力PP4と圧力PP3との差圧P(2)から求められる。
設定値Mが値2の場合には、二度目の異常判断を行なったところで、ステップS180の判断は「YES」となり、異常判定(ステップS200)に移行する。異常判定(ステップS200)では、テーブルTB1にしたがって、異常判定を行なう。すなわち、1回目の異常判断と2回目の異常判断との結果を組み合わせ、2回の判断が行なえた場合には、いずれか1回でもフラグF(N)に値0が設定されていれば、つまり1回でも、タンクバルブ53に閉弁異常がないと判断されていれば、「正常」と判定する。2回の異常判断において、フラグF(1)もF(2)も値1に設定された場合には、「異常」と判定する。他方、減圧量ΔPが減圧閾値TDpより小さいために異常判断が1回しか行なえなかった場合には、その1回の異常判断の結果にしたがって、「正常」または「異常」と判定する。異常判断が1回しか行なえなかった場合を、テーブルTB1では、F(2)について「N/A」として示した。
他方、ステップS120において減圧量ΔPが減圧閾値TDp未満であると判断された場合には、設定値Mは値1に設定されるから、異常判断(ステップS140、S150)は1回しか行なわれない。この様子を、図4に示した。図3と同じく、破線B2は、タンクバルブ53の閉弁時通過ガスの流量Qが許容値であるの場合を示し、実線J2は、閉弁時通過ガスの流量Qが許容値より大きい場合を示す。この例では、減圧量ΔPが減圧閾値TDp未満なので、2回の検出時間Tpp×2が経過する前に、閉空間60の圧力は減圧前の圧力に戻ってしまう可能性がある。こうした可能性がある場合には、2回目の判断を行なわないので、誤ってタンクバルブ53の閉弁時通過ガス量Q(N)が許容値以下と判断して、フラグF(N)を値0に設定することがない。
以上説明した本実施形態では、タンクバルブ53の閉弁異常の検出を行なうための減圧処理(ステップS100)において、減圧量ΔPが減圧閾値より小さいか否かにより、異常判断の回数を変更することで、異常判断の精度の確保とガス放出量の抑制とを両立させている。つまり、減圧量ΔPが減圧閾値TDp未満の場合には、第1の判断手法として異常判断を1回だけ行なうものとし、減圧量ΔPが減圧閾値TDp異常の場合には、第2の判断手法として異常判断を2回行なうものとして、後者での異常判断の精度を高めている。このように、減圧量ΔPによって異常判断の精度を異ならせることで、2回の異常判断が必ず行なえるだけの大きなマージンを見込んで圧力を低下する必要がない。減圧は、つまるところ閉空間60に確保された燃料ガス、ここでは水素を外部に放出することなので、こうした放出量を抑制できる。特に、調圧バルブ55を備え、タンクバルブ53から調圧バルブ55までの高圧部と、調圧バルブ55からインジェクタ57までの中圧部を有する燃料電池システムでは、閉空間60の体積が大きくなりやすい。こうした場合、十分な減圧量ΔPを確保しようとして増加しがちな放出ガス量を抑制できる効果は大きい。
上記実施形態では、減圧量ΔPが減圧閾値TDpより大きければ、異常判断を2回行ない、いずれか一回でも閉弁時通過ガス量Q(N)が許容値以下であれば、タンクバルブ53は「正常」と判定したが、1回目の判断で、許容値以下と判断すれば、2回目の判断を行なわないものとしてもよい。あるいは、2回とも許容値以下でなければ「異常」と判定するものとしてもよい。また、上記実施形態では、判断の最大回数を2回としたが、3回以上としても良い。
第2実施形態:
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様のハードウェア構成を用い、タンクバルブ異常判定処理が異なる。図5に第2実施形態における異常判定処理のフローチャートを示す。第1実施形態と同じ処理には同じステップ番号を付し、説明は省略または簡略なものに留める。
第2実施形態では、減圧量ΔPと減圧閾値TDpとの大小にかかわらず、異常判断の回数は2回とし、検出時間Tppを変更している。つまり、減圧処理(ステップS100)によって生じた減圧量ΔPを検出し(ステップS110)、減圧量ΔPと減圧閾値TDpとの大小関係を判定する(ステップS120)。減圧量ΔPが減圧閾値TDp未満であれば、検出時間Tppを基準時間Tdから時間t0だけ短くする(ステップS130A)。他方、減圧量ΔPが減圧閾値TDp以上であれば、検出時間Tppを基準時間Tdに設定する(ステップS135A)。
その後の処理(ステップS140からS170)は、第1実施形態と同じである。その後、異常判断の回数を示す変数Nが値2より大きくなったかを判断し(ステップS180A)、異常判断が2回行なわれるまで、上記の処理を繰り返す。異常判断を2回行なうと(ステップS180A:「YES」)、異常判定を行なう(ステップS200A)。第2実施形態では、2回の異常判断が行なわれるので、2回の異常判断の組合わせにより、タンクバルブ53の閉弁異常を判定する。この判定の一例をテーブルTB2として示した。第1実施形態と同様、テーブルTB2に示した判定は、2回の異常判断のうち1回でも、タンクバルブ53の閉弁時通過ガス量Q(N)が許容値以下であれば、タンクバルブ53は「正常」と判定するが、2回とも許容値以下でなければ「異常」と判断するものとしてもよい。
第2実施形態では、減圧処理による減圧量がΔPが減圧閾値TDp未満の場合、第1の判断手法として、検出時間Tppを基準時間Tdより短く設定している。このように検出時間を短くしているので、減圧量ΔPが減圧閾値TDpより小さい場合でも、2回の異常判断を行なうことが可能となる。しかも、減圧処理による減圧量がΔPが減圧閾値TDp以上の場合には、第2の判断手法として、検出時間Tppを基準時間Tdとしているので、この場合の異常判断の精度は、減圧処理による減圧量がΔPが減圧閾値TDp未満の場合より高い。なお、検出時間Tppを変更する場合、閉弁時通過ガス量Q(N)が許容値TQを上回るかの判定(ステップS150)における許容値TQを、検出時間Tppに比例して低減する。また、上記実施形態では、減圧量ΔPが減圧閾値TDp未満の場合に検出時間Tppを基準時間Tdより短くする時間t0は固定値としたが、減圧量ΔPに応じて、例えば反比例する値とするようにしてもよい。こうすれば、減圧量ΔPが小さいほど検出時間は短くなり、閉空間60の圧力が減圧前の圧力に戻る前に2回の異常判断を完了できる可能性は高まる。
第3実施形態:
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態も第1,第2実施形態と同様にハードウェア構成を用い、タンクバルブ異常判定処理が異なる。第3実施形態における異常判定処理の一例を、図6に示す。またこの場合、閉空間60の圧力の変化の様子を、図7に示す。図6において、第1,第2実施形態と同じ処理には同じステップ番号を付し、説明は省略または簡略なものとする。
第3実施形態では、減圧処理(ステップS100)によって生じた減圧量ΔPを検出し(ステップS110)、減圧量ΔPと減圧閾値TDpとの大小関係を判定する(ステップS120)。その上で、減圧量ΔPと減圧閾値TDpとの大小によって、異常判断の回数は2回または1回とし、2回の場合には、後述する元圧判定の処理(ステップS218)を行なう。図6では、1回目の異常判断をステップS210として、2回目の異常判断をステップS220として示した。第3実施形態でも、異常判断の回数を変更しており、第1の判断手法として、異常判断の回数を1回とする場合よりも、第2の判断手法として、異常判断の回数を2回とする場合の方が、判定の精度が高い。
減圧量ΔPが減圧閾値TDp未満の場合には、判断回数を示すフラグFFNに値1を設定し(ステップS190)、減圧量ΔPが減圧閾値TDp以上の場合には、判断回数を示すフラグFFNに値2を設定する(ステップS195)。そして、1回目の異常判断の処理(ステップS210)を開始する。
1回目の異常判断では、予め定めた時間Tpp経過後の閉空間60の圧力PP3を、第1圧力計71により検出する(ステップS212)。検出した圧力PP3から、検出時間Tppの間の圧力差P(1)を求め、これからタンクバルブ53の閉弁時通過ガス量Q(1)を求めることができるので、この閉弁時通過ガス量Q(1)が許容値TQ以下であるか否かを判断する(ステップS214)。閉弁時通過ガス量Q(1)が許容値TQ以下であれば(ステップS214:「YES」)、タンクバルブ53は「正常」であると判定する(ステップS270)。この様子を、図7に示した。図示するように、1回目の検出時間Tppが経過した時点の閉空間60の圧力PP3から求めた圧力差P(1)が、閉弁時通過ガス量が許容値である場合(破線B3)の圧力変化より小さければ、この時点でタンクバルブ53は「正常」であると判定し、「END」に抜けて、本処理ルーチンを終了する。
他方、1回目の異常判断(ステップS210)において、1回目の検出時間Tppが経過した時点の閉空間60の圧力PP3から求めた圧力差P(1)が、閉弁時通過ガス量が許容値の場合(破線B3)の圧力変化以上であれば、実線J3として示したように、タンクバルブ53の閉弁時通過ガス量Q(1)が許容値TQより大きいと判断され(ステップS214:「NO」)、この時点でタンクバルブ53は「正常」であると判定できない。そこで、この場合には、ステップS216に進み、ステップS190またはS195で設定されたフラグFFNの値について判別する。
フラグFFNが値1であれば(ステップS216)、減圧量ΔPが減圧閾値TDp未満であり、もう一度異常判断を行なうことができるほどの圧力差がないと判断されていたので、ステップS214の結果(Q(1)>TQ)から、タンクバルブ53は閉弁異常であると判定する(ステップS280)。
他方、フラグFFNが値2であれば(ステップS216)、減圧量ΔPが減圧閾値TDp以上であり、もう一度異常判断を行なうことができるほどの圧力差があったと判断されていたので、2回目の異常判断(ステップS220)を行なうが、その前に、元圧判定の処理(ステップS218)を行なう。この元圧判定の処理は、1回目の検出時間Tppが経過した時点での閉空間60の圧力PP3が、予め定めた閾値圧力TFPより大きいか否か判断である。
図7に例示したように、タンクバルブ53の閉弁時通過ガス量が大きければ、減圧量ΔPが減圧閾値TDpより大きくても、破線D1に示したように、検出時間Tpp経過後に閉空間60の圧力が大幅に低下して、閾値圧力TFPより高くなってしまうことがあり得る。この場合、二度目の異常判断を行なうと、二度目の検出時間Tppの経過後の圧力は、減圧処理(ステップS100)前の圧力に戻ってしまい、圧力差P(2)が小さな値になってしまうことがある。
そこで、ステップS218で、1回目の検出時間Tppが経過した時点での閉空間60の圧力PP3が、予め定めた閾値圧力TFPより大きいと判断された場合には、2回目の異常判断は行なわず、ステップS80に移行して、タンクバルブ53には閉弁異常があると判断する。他方、ステップS218で、1回目の検出時間Tppが経過した時点での閉空間60の圧力PP3が、予め定めた閾値圧力TFP以下だと判断すれば、もう一回異常判断の処理が行なえるだけの減圧量が残っていると判断し、2回目の異常判断(ステップS220)を行なう。
2回目の異常判断では、1回目の異常判断と同様に、検出時間Tppの経過後の閉空間60の圧力PP4を検出する(ステップS222)。検出した圧力PP4から、検出時間Tppの間の圧力差P(2)を求め、これからタンクバルブ53の閉弁時通過ガス量Q(2)を求めることができるので、この閉弁時通過ガス量Q(2)が許容値TQ以下か否かを判断する(ステップS224)。閉弁時通過ガス量Q(2)が許容値TQ以下であれば(ステップS224:「YES」)、タンクバルブ53は「正常」であると判定する(ステップS270)。
他方、2回目の異常判断(ステップS220)において、2回目の検出時間Tppが経過した時点の閉空間60の圧力PP4から求めた圧力差P(2)が、閉弁時通過ガス量が許容値の場合(破線B3)の圧力変化以上であれば、タンクバルブ53の閉弁時通過ガス量Q(2)が許容値TQより大きいと判断され(ステップS224:「NO」)、この時点でタンクバルブ53は「正常」であると判定できない。そこで、この場合には、1回目の異常判断でも、2回目の異常判断でも、共に「正常」であると判断できなかったことから、タンクバルブ53には閉弁異常があると判定する(ステップS280)。これらの正常判定(ステップS270)、または異常判定(ステップS280)の処理の後、「END」に抜けて、本処理ルーチンを終了する。
以上説明した第3実施形態では、減圧量ΔPの大きさによって、異常判断の回数を1回または2回に設定して、第1実施形態と同様の作用効果を奏する上、2回の異常判断を行なうものとした場合に、タンクバルブ53の閉弁時通過ガス量が想定以上に大きく、閉空間60の圧力変化が大きくて減圧処理前の圧力に戻る、または近づいてしまった場合に、2回目の異常判断を行なわないので(ステップS218:「YES」)、2回目の異常判断において誤判断することがない。このため、2回の異常判断を行なう場合に、一度でも閉弁時通過ガス量Q(N)が許容値TQ以下であればタンクバルブ53は「正常」と判定するようにしても、誤判定する可能性を抑制できる。
第3実施形態では、検出時間Tppは固定としたが、第2実施形態に示したように、減圧量ΔPに依存して可変するものとしてもよい。この場合には、2回の異常判断が試みられることになるが、1回目の異常判断の後に閉空間60の圧力が、減圧前の圧力に一致または近傍まで戻っていれば、2回目の異常判断を行なわず、タンクバルブは閉弁異常と判定すればよい。
他の態様:
以上説明した第1から第3実施形態では、第1状態から第2状態への減圧量を予め定めた閾値と比較しているが、例えばタンクバルブ53よりタンク側に調圧弁があって、閉空間60の圧力が所定値に保たれている場合には、第2状態の圧力を直接閾値と比較することでも、同様の判断を行なうことができる。あるいは、第1状態の圧力に基づいて、閾値を定めるようにすれば、第2状態の圧力を閾値と比較することによって、同様の判断を行なうことができる。
上記実施形態では、タンクバルブ53の閉弁異常の判断を、閉弁時通過ガス量Q(N)を求めて行なっているが、ガス量の評価は通過ガス量(流量)を算出せず、圧力変化P(1)やP(2)により行なってもよい。検出時間Tppが既知であれば、圧力変化によってガス流量を評価することができるからである。
第1バルブであるタンクバルブ53や第2バルブであるインジェクタ57はいずれも電気的に駆動される電動バルブを用いたが、油圧や空気圧などにより駆動されるタイプのバルブであっても差し支えない。これらのバブルでは、油圧弁や空気圧弁の開閉を指示することにより、結果的にバルブにより流路が開閉される。
上記実施形態では、「異常」との判定がなされた場合には、出力部83がこの判定結果をインスツルメントパネルのランプを点灯させるなどして、燃料電池システムの使用者に報知する。もとより、「正常」の場合を含めて、ダイアグノーシスコンピュータに結果を報知し、判定結果を記憶するようにしてもよい。なお、タンクバルブ53の閉弁時通過ガス量Q(N)が値0でないような場合でも、インジェクタ57が閉弁されているので、閉空間60のガス(水素)が燃料電池30側に漏れ出ることはない。
上記の実施形態では、閉空間60は、管路52の一部であって、タンクバルブ53からインジェクタ57までの管路としたが、タンクバルブ53からインジェクタ57までの間に水素ガスの循環路が接続されている場合などでも、循環路に循環路開閉バルブを設け、管路を遮断できれば、その循環路開閉バルブまでを含めて閉空間60とすることができる。これは水素ガスの循環路に限らず、他の流路などが設けられている場合も同様であり、遮断弁を設けて、閉空間60にできれば、どのような構成であっても差し支えない。
以上本開示の幾つかの実施形態について説明したが、本開示のバルブ異常判定装置20は、燃料電池システム以外であっても実施可能である。また、燃料電池システムに用いる場合、車載のシステムに限らず、例えば設置型の燃料電池システムのタンクに設けられたバルブの閉弁異常の判定に用いることも可能である。こうした場合に、対象となる燃料電池は固体高分子型に限らず、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)などであっても適用できる。第1電動弁は、電磁弁に限らず、モータを用いて弁体を駆動するタイプであってもよい。またロータリソレノイドを用いたものやピエゾ素子を用いたものであってもよい。また開弁、閉弁ともに電動のものに限らず、例えば閉弁はバネや磁力などで実現し、開弁時などに電気信号を必要とするもの、またその逆の構成なども採用可能である。
本開示は、ガスが外気より高い圧力で充填されるタンクの出口に設けられ、ガス流路を開閉するバルブであれば、燃料電池用の水素タンクのバルブに限らず、異常判定を行なうことができる。例えば、プロパンガスや窒素ガスなどのタンクに設けられたバルブの閉弁異常の判定に適用することができる。もとより、上述した各実施形態において説明した様に、バルブの異常判定方法としても実施可能である。
上記各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよい。ソフトウェアによって実現されていた構成の少なくとも一部は、ディスクリートな回路構成により実現することも可能である。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
20…バルブ異常判定装置、30…燃料電池、40…エア給排気系、41…エア供給管、43…エア排気管、50…水素給排気系、51…タンク、52…管路、53…タンクバルブ、55…調圧バルブ、57…インジェクタ、60…閉空間、63…水素循環ポンプ、64…循環管路、65…気液分離機、67…希釈器、71…第1圧力計、72…第2圧力計、73…第3圧力計、75…温度センサ、80…燃料電池制御用ECU、81…異常判定部、82…制御部、83…出力部、TB1,TB2…テーブル

Claims (6)

  1. ガスが外気より高い圧力で充填されるタンクと、
    前記タンクの出口に設けられ、外部からの指示に応じてガス流路を開閉する第1バルブと、
    前記第1バルブから下流側の流路に設けられ、開弁することで、前記第1バルブとの間に閉空間を形成し、開弁することで、前記閉空間のガスを外部に放出する第2バルブと、
    前記閉空間の圧力を検出するセンサと、
    前記第1,第2バルブの開閉を制御する制御部であって、前記閉空間が前記タンクに充填されたガスの圧力によって圧力を高められた状態で、かつ前記第1バルブが閉弁された第1状態から、前記第2バルブを一時的に開弁することによって、前記閉空間内のガスを外部に放出し、前記閉空間が前記第1状態の圧力より減圧された圧力で、かつ前記第2バルブが閉弁された第2状態とする制御部と、
    前記第1バルブおよび前記第2バルブの動作に伴って、前記センサにより検出された前記閉空間の圧力の変化から、前記第1バルブの閉弁時通過ガス量を評価して、前記第1バルブの閉弁異常の有無を判定する異常判定部と、
    を備え、
    前記異常判定部は、
    前記第1状態から前記第2状態への減圧量が予め定めた閾値未満の場合には、前記第2バルブの前記閉弁後に前記センサにより検出された圧力の変化により前記第1バルブの閉弁異常を判断する手法のうち、予め定めた第1の判断手法で前記第1バルブの閉弁異常の有無の判定を行ない、
    前記第2状態への前記減圧量が前記閾値以上の場合には、前記第1の判断手法よりも精度が高い第2の判断手法で前記閉弁異常の有無の判定を行なう、
    バルブ異常判定装置。
  2. 前記第2の判断手法は、前記第1の判断手法よりも、前記圧力の変化による前記判断の回数が多い手法である、請求項1記載のバルブ異常判定装置。
  3. 前記第2の判断手法は、前記第2バルブの前記閉弁後に前記センサにより検出された圧力の変化により前記第1バルブの閉弁異常を判断する処理を1回行なった後で、前記閉空間の圧力が、前記第1状態の圧力に対して所定の圧力範囲に入っているとき、前記第1バルブに閉弁異常があると判定する、請求項2に記載のバルブ異常判定装置。
  4. 前記第2の判断手法は、前記第1の判断手法より、前記圧力の変化を検出するための時間が長い手法である、請求項1記載のバルブ異常判定装置。
  5. 前記タンクは燃料電池に供給される燃料ガスが充填されるガスタンクであり、
    前記第2バルブは、前記燃料ガスを燃料電池に供給するインジェクタである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のバルブ異常判定装置。
  6. ガスが外気より高い圧力で充填されるタンクの出口に設けられ、ガス流路を開閉するタンクバルブの異常を判定する方法であって、
    前記タンクバルブから下流側の流路に設けられ、前記タンクバルブより下流側に形成される閉空間に設けられたセンサにより、前記閉空間の圧力を検出し、
    前記閉空間の圧力を、前記タンクに充填されたガスの圧力によって高め、かつ前記タンクバルブを閉弁した第1状態とし、
    前記第1状態から、前記流路に設けられた放出バルブを一時的に開弁することで、前記閉空間の前記ガスを外部に放出して、前記閉空間の圧力を、前記第1状態の圧力より減圧し、かつ前記放出バルブが閉弁された第2状態とし、
    前記第1状態から前記第2状態への減圧量が予め定めた閾値未満の場合には、前記放出バルブの前記閉弁後に前記センサにより検出された圧力の変化により前記タンクバルブの閉弁異常を判定する手法のうち、予め定めた第1の判断手法で前記タンクバルブの閉弁異常の有無の判定を行ない、
    前記第2状態への前記減圧量が前記閾値以上の場合には、前記第1の判断手法よりも精度が高い第2の判断手法で前記閉弁異常の有無の判定を行なう、
    バルブ異常判定方法。
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