JP7337850B2 - 抗体ライブラリー及びこれを用いた抗体スクリーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規の抗体ライブラリー及びこれを用いた抗体スクリーニング方法に関し、本発明に係る抗体ライブラリーは、ヒト配列由来の特定VH又はVL骨格(scaffold)を有することにより、高い熱力学的安定性(thermodynamic stability)を有し、高い可溶性発現(high soluble expression)が可能であるという長所の他、可逆的なフォールディング(reversible folding)が可能であるという長所もある。
また、本発明に係る抗体ライブラリーは、全ての抗原に対して高い特異性(specificity)と高い親和度(affinity)を有するように合理的に調節された(rationally controlled)様々なCDRを含んでいるので、目的とする抗原に対する適切な候補抗体を選別するのに有用に利用可能である。
抗体は、免疫系内の白血球のB細胞(Bリンパ球)において抗原の刺激によって作られるタンパク質であり、抗原に出会うと、細胞にある受容体を通じて抗原を認識し、受容体を通じて結合する。このような抗体は、疾病を治療するためのタンパク質新薬の候補物質とされており、目的とする機能的な抗体を見出すために様々な抗体ライブラリーを作製し、それからスクリーニングする。
このような抗体ライブラリーは、遺伝子組換え技術を用いるものであり、人体内に存在するB細胞から抗体タンパク質をコードする遺伝子を抽出して抗体遺伝子ライブラリーを作製し、このライブラリーから、所望の抗原結合特異性を持つ抗体を選別する。抗体ライブラリー技術はヒト抗体などの抗体の作製に一大革新をもたらした。抗体免疫反応の最も目立つ特徴は、外部からいかなる種類、或いは形状の抗原が体内に侵入しても、その抗原が体内の成分と同一でない外来物質であれば、その抗原と特異的に結合する抗体が1週内に作られるということである。
抗体は、Bリンパ球によって作られ、1つのBリンパ球はただ1種類の抗体だけを生産する。実際に我々は、人体には数多くのBリンパ球があり、それぞれのBリンパ球は固有の独特の抗原結合特異性を持つ抗体を細胞膜に発現させているが、一般に、約108余種の抗原結合多様性が人体内に存在すると知られている。抗原が侵入する場合には、この抗原と特異的に結合する抗体を発現させているBリンパ球だけが速く増殖しながら抗体を多量生産し、結果的に、血清内にこの特定抗体の濃度が急に上昇して、侵入した抗原の迅速な除去機能を果たす。したがって、人体内には数億種の抗体多様性(diversity)が存在し、このような抗体の多様性を抗体レパートリー(repertoire)と表現する。
したがって、人体から十分な数字のBリンパ球を採血によって獲得し、この細胞からmRNAを分離した後、RT-PCR(reverse transcriptase-polymerase chain reaction)方法で重鎖及び軽鎖の可変領域をコードするcDNAを得ると、比較的簡単な方法で人体内の抗体レパートリーを遺伝子の形態で試験管内(in vitro)に確保可能になる。抗体ライブラリー技術の核心は、このようなヒト抗体遺伝子レパートリーをタンパク質として発現させる(或いは、ディスプレイと表現)と同時に、その抗体タンパク質をコードする遺伝子が、ある媒体を通じて連結される、いわゆる遺伝型-表現型連結(genotype-phenotype linkage)であり、これによって抗体ライブラリーから特定抗原と結合する抗体を選別すると同時に、その特定抗体をコードする遺伝子を獲得することにある。
このとき、完璧な形態の免疫は必要でなく、抗原結合機能を持つ抗体のFab形態で発現したり、或いは重鎖及び軽鎖可変ドメイン(VHとVL)が約15アミノ酸の短いペプチド連結子(linker)で連結されている、scFv(single-chain variable fragment)と命名される抗体断片として発現する。このとき、このような抗体の遺伝型-表現型連結(genotype-phenotype linkage)に使用される媒体をどのような媒体の表面に発現させるかによって、ファージディスプレイ、リボソームディスプレイ、酵母ディスプレイなどに区別され、抗原を投与するなどの免疫反応の誘導無しで所望の抗原結合性の抗体を得ることができる。
しかし、抗体ライブラリー作製及び抗体選別には多いノウハウが必要であり、高親和度の抗体が得難いことから、抗体選別後に親和度成熟などの抗体最適化過程を行う場合が多く、特に、1次選別時に、毒性などの問題から、哺乳動物細胞(mammalian cell)において直ちに機能分析することができないという短所などがある。治療抗体は、単純に抗原との結合ではなく実際に治療機能を持つ抗体を選別しなければならないが、このような短所は治療用抗体開発に障壁とされてきた。
抗体ライブラリーにおいて現在最も使用されているものは、ファージディスプレイ抗体ライブラリーであり、実際に、現在商業化されているリウマチ関節炎治療剤であるヒュミラ(Humira,anti-TNF-alphaヒト単クローン抗体)がファージディスプレイ技術によって作製された治療用抗体である。理想的な抗体ライブラリーは巨大な抗体多様性を含んでおり、所望の抗原結合特異性を持つ高親和度の抗体クローンをいつでも獲得できるライブラリーである。そのためには、約1010~1011程度の抗体多様性を持つライブラリーを作製しなければならないが、抗体遺伝子クローニング作業によってこのようなサイズのライブラリーを作製することは非常に難しく、この点がファージディスプレイ抗体ライブラリー作製における最大の難題であるといえる。また、ファージ自体が毒性として働き、機能分析を直ちに行うことができないという短所がある。
リボソームディスプレイの最大の長所は無細胞(cell-free)システムであるということであり、理論的に1013サイズのライブラリー作製が可能な程度に巨大なサイズのライブラリーを容易に作ることができ、高親和度抗体(high affinity antibody)の獲得に有利であり(一般に、抗体ライブラリーのサイズが大きいほどライブラリー内に高親和度の抗体が含まれている可能性が高い)、また、PCR増幅過程があるので、エラープローンポリメラーゼ(error-prone polymerase)などを用いることができ、分子進化(molecular evolution)を人為的に誘導するための突然変異の導入が非常に容易であるが、これもまた、毒性問題及び種々の実験上の問題から、実際には、ナイーブ(naive)起源の抗体ライブラリーの作製には、ファージディスプレイ技術を主に用いている。
酵母ディスプレイ技術は、組換えベクターをS.cerevisiae菌株に挿入する過程と酵母細胞の大きいサイズのため、10以上の多様性を持つ抗体ライブラリーを作るには多くの技術的制限があり、このため、選別過程における長所を活用して既に確保されている抗原-特異的抗体の突然変異ライブラリーを作製し、これから高親和度の抗体を選別するのに主に利用する。
このうち、ファージディスプレイは、バクテリオファージの表面に抗体断片を発現させて抗体をスクリーニングする技術であり、既存の抗体開発技術(ハイブリドーマを用いたキメラ/ヒト化抗体開発、遺伝子移植トランスジェニックマウスを用いた抗体開発)に比べて短時間で抗原特異的抗体を同定できるという長所がある。高い多様性のライブラリーが確保されないと効果的に抗体が同定できないという短所があるが、最近の遺伝子増幅技術及びクローニング技術の発達によってライブラリー確保は相当解決されている。
ヒト遺伝子ベースの自然的ライブラリーに比べて、抗体の相補性決定部位(CDR)に無作為合成配列を入れて多様性を創造したものを合成抗体ライブラリー(Synthetic antibody library)という。しかし、合成抗体ライブラリーは、突然変異やフレームシフト(frameshift)などの影響から、正常に機能可能な抗体断片の比率が、自然的ヒトライブラリーに比べて低い。最近では新規標的抗原を同定するための抗体ライブラリー利用戦略が多様化しており、その代表として、腫瘍由来1次細胞(Tumor-derived primary cells)を用いたセルパンニング(Cell panning)によって新規抗原特異的抗体を同定した(Zhu X.et al.,Mol.Cancer Res.2010)。
このように、様々な接近戦略が可能であるため、持続した抗体候補物質の確保が可能であり、クローニングによって抗体を生産できる側面で、ファージディスプレイは効率的な接近戦略であるといえる。このようなファージディスプレイ技術を応用して同定された種々の癌を標的にする候補抗体医薬品が臨床に入っている。ファージディスプレイ技術の活用のために、目的とする抗体同定のためには抗体可変領域遺伝子のライブラリー化が必要であり、様々なライブラリー構築が必須であるといえよう。
現在、様々な抗体ライブラリーが開発されているが、依然として高い熱力学的安定性(thermodynamic stability)及び高い可溶性発現(high soluble expression)が可能であり、且つ大きい多様性(diversity)を有する点から、様々な抗原に対する高い特異性(specificity)及び高い親和度(affinity)を有する抗体を選別できる抗体ライブラリーに対する要求は続いている現状である。
このような技術的背景の下に、本発明者らは鋭意努力した結果、アジア及びコーカサス人種のcDNAから共通の配列を抽出し、これに基づき、特定VH及び/又はVL骨格(scaffold)の組合せを基盤とする抗体ライブラリーを用いる場合、選別された抗体が高い熱力学的安定性を有しており、高い可溶性発現が可能であり、且つ、可逆的なフォールディング(reversible folding)が可能であるという点を明らかにし、本発明を完成するに至った。
さらに、本発明に係る抗体ライブラリーは、全ての抗原に対して高い特異性(specificity)及び高い親和度(affinity)を有するように合理的に調節され設計された(rationally controlled and designed)様々なCDRを含んでいるので、自然上の抗体ライブラリーに比べて優れた多様性及び低い反復配列比率を示すだけでなく、目的とする抗原に対する適切な候補抗体を選別するのに有用である。本背景技術の部分に記載された前記情報は、単に本発明の背景に対する理解を向上させるためのもので、よって、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に周知の先行技術を形成する情報を含まなくてもよい。
本発明の目的は、疾病の治療又は診断に効果的に使用可能なヒト抗体をスクリーニングするための抗体ライブラリー及びこれを用いて抗体をスクリーニングする方法を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明では、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域対(pair)を含み、前記重鎖可変領域は、VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)及びVH1-69(配列番号11)からなる群から選ばれる重鎖可変領域に含まれているフレームワーク領域(framework region)と、各重鎖可変領域別に異なる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、重鎖相補性決定領域2(CDRH2)及び重鎖相補性決定領域3(CDRH3)の組合せを含み、前記軽鎖可変領域は、Vκ1-39(配列番号16)、Vκ3-20(配列番号21)、Vκ3-20-2(配列番号26)及びVλ1-51(配列番号31)からなる群から選ばれる軽鎖可変領域に含まれているフレームワーク領域と、各軽鎖可変領域別に異なる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)及び軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)の組合せを含むことを特徴とする抗体又はその断片の集合を提供する。
前記抗体又はその断片の集合に含まれる個別的な抗体又はその断片をコードする核酸は、個別的に別個のファージ(phage)又は宿主細胞(host cell)に含まれ、前記抗体又はその断片はそれぞれ、ファージ又は宿主細胞の表面に発現する形態を有することが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明はまた、前記抗体又はその断片の集合をコードする核酸を提供する。前記抗体又はその断片の集合をコードする核酸は、個別的に別個のファージ(phage)又は宿主細胞(host cell)に含まれることが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明はまた、(a)抗原を前記抗体の集合と接触させる段階;及び(b)前記抗原に結合する一つ以上の抗体又は抗体断片を選択する段階を含む、抗原に対して特異的な抗体又はその断片を同定する方法を提供する。
本発明に係るライブラリーベクターを構築する過程を示す模式図である。 本発明の一実施例で構築したライブラリーの重鎖相補性決定領域(CDRH3)の位置別アミノ酸分布を確認したグラフである。 本発明の一実施例で構築したライブラリー配列の反復される配列の比率を分析したグラフである。 本発明の一実施例で構築したライブラリーの重鎖相補性決定領域(CDRH3)の長さ分布を確認した結果である。
特に定義しない限り、本明細書で使われる技術的及び科学的用語はいずれも、本発明の属する技術の分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書における命名法は、本技術分野でよく知られており、通常用いられるものである。
本発明では、フレームワーク領域の安定性が高いVH、VLクローンを確保し、翻訳後修飾(Posttranslational modification,PTM)を最小化しながら、免疫原性を最小化するアミノ酸だけを正確に合成するためにトライマーコドン(trimer codon)を用いて抗体ライブラリーを構築する場合、高い多様性及び安定性を有する抗体ライブラリーを構築できるということを確認した
すなわち、本発明の一実施例では、アジア人(Asian)及びコーカサス人(Caucasian)のcDNAから、ヒト可変領域のうち、重鎖可変領域はVH1、VH3、軽鎖可変領域はVκ1、Vκ3、Vλ1遺伝子を確保した後、ヒト抗体可変領域に含まれた相補性決定領域(CDR)のアミノ酸組合せを分析したが、特に、重鎖相補性決定領域3(CDRH3)は9個~14個の長さ別にそれぞれを分析した。分析後、確保したアジア人とコーカサス人との可変領域のアミノ酸の組合せは、有意差なく類似性を示し、確保されたアジア人とコーカサス人との組合せの平均値を求めてライブラリープライマーデザインに反映した。そして、重鎖相補性決定領域2(CDRH2)の場合、分析された組合せからN-X-S/Tアミノ酸によって5%のN-グリコシル化部位(N-Glycosylation site)の発生可能性を発見し、このPTMによって将来に抗体結合力及び安定性に阻害を与える可能性を排除するために、N-グリコシル化部位の発生可能性を1%以下に調節した。前記方法によって、高い多様性を有するライブラリー構築用プライマーを設計した。前記プライマーに基づいてFabライブラリーを構築した結果、1.54X1011の多様性を有するライブラリーを構築した(図1)。
したがって、本発明は、一観点において、抗体又はその断片の集合であって、前記抗体又はその断片は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域対(pair)を含み、前記重鎖可変領域は、VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)及びVH1-69(配列番号11)からなる群から選ばれる重鎖可変領域に含まれているフレームワーク領域(framework region)と、各重鎖可変領域別に異なる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、重鎖相補性決定領域2(CDRH2)及び重鎖相補性決定領域3(CDRH3)の組合せを含み、前記軽鎖可変領域は、Vκ1-39(配列番号16)、Vκ3-20(配列番号21)、Vκ3-20-2(配列番号26)及びVλ1-51(配列番号31)からなる群から選ばれる軽鎖可変領域に含まれているフレームワーク領域と、各軽鎖可変領域別に異なる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)及び軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)の組合せを含むことを特徴とする抗体又はその断片の集合に関する。
好ましくは、本発明に係る抗体又はその断片の集合は、
VH3-15(配列番号1)/Vκ1-39(配列番号16)、VH3-15(配列番号1)/Vκ3-20(配列番号21)、VH3-15(配列番号1)/Vκ3-20-2(配列番号26)、VH3-15(配列番号1)/Vλ1-51(配列番号31)、VH3-23(配列番号6)/Vκ1-39(配列番号16)、VH3-23(配列番号6)/Vκ3-20(配列番号21)、VH3-23(配列番号6)/Vκ3-20-2(配列番号26)、VH3-23(配列番号6)/Vλ1-51(配列番号31)、VH1-69(配列番号11)/Vκ1-39(配列番号16)、VH1-69(配列番号11)/Vκ3-20(配列番号21)、VH1-69(配列番号11)/Vκ3-20-2(配列番号26)及びVH1-69(配列番号11)/Vλ1-51(配列番号31)からなる群から選ばれる重鎖及び軽鎖可変領域対に含まれているフレームワーク領域と、
各重鎖可変領域別に異なるCDRH1、CDRH2及びCDRH3の組合せ及び各軽鎖可変領域別に異なるCDRL1、CDRL2及びCDRL3の組合せを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る抗体又はその断片の集合は、
前記VH3-15(配列番号1)の配列を有する重鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号2)、FR2(配列番号3)、FR3(配列番号4)及びFR4(配列番号5)を含み、
VH3-23(配列番号6)の配列を有する重鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号7)、FR2(配列番号8)、FR3(配列番号9)及びFR4(配列番号10)を含み、
VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号12)、FR2(配列番号13)、FR3(配列番号14)及びFR4(配列番号15)を含み、
Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号17)、FR2(配列番号18)、FR3(配列番号19)及びFR4(配列番号20)を含み、
Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号22)、FR2(配列番号23)、FR3(配列番号24)及びFR4(配列番号25)を含み、
Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号27)、FR2(配列番号28)、FR3(配列番号29)及びFR4(配列番号30)を含み、及び
Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号32)、FR2(配列番号33)、FR3(配列番号34)及びFR4(配列番号35)を含むことができる。
前記抗体又はその断片は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域対(pair)の各可変領域内に含まれた相補性決定領域(CDR)が、潜在的な翻訳後修飾(PTM:post-translational modification)が起き得るアミノ酸が変形されて翻訳後修飾が発生しないように設計されたことを特徴とし得る。
特に、本発明に係る抗体又はその断片の集合に含まれるCDR配列は、
前記VH3-15(配列番号1)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表3の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表4の範囲を含み、
前記VH3-23(配列番号6)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表3の範囲を含み、
前記VH3-23(配列番号6)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表4の範囲を含み、
前記VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表5の範囲を含み、
前記VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表6の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が9個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表7の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が10個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表8の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が11個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表9の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が12個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表10の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が13個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表11の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が14個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表12の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表13の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表14の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表15の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表16の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表17の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表18の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表19の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表17の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表18の範囲を含み、
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表20の範囲を含み、
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表21の範囲を含み、及び
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表22の範囲を含むことを特徴とし得る。
特に、本発明に係る抗体又は又はその断片の集合は、
次のi)~iv)から選択された一つ以上の特性を有することを特徴とし得る。
i)10%以下のリダンダンシー(redundancy)(反復配列の比率)
ii)CDR構成(composition)のp値(p-value)>0.05
iii)70℃以上の熱安定性
iv)10以上の多様性(library size)。
本発明で使われる用語“抗体”は、IgA、IgE、IgM、IgD、IgY及びIgGからなる群から選ばれる免疫グロブリンであり、目標抗原に特異的に結合できる。軽鎖(light chain)及び重鎖(heavy chain)がそれぞれ2個ずつ集まってなり、それぞれの鎖は、アミノ酸配列が可変的な可変領域(variable domain)と一定の配列を有する定常領域(constant domain)とからなっている。可変領域の3次元構造末端に抗原の結合する部位が位置し、この部位は、軽鎖と重鎖にそれぞれ3個ずつ存在する相補性決定部位(complementarity determining region)が集まって形成される。相補性決定部位は、可変領域の中でもアミノ酸配列の可変性が特に高い部分であり、このような高い可変性によって様々な抗原に対して特異的抗体が見つけられ得る。本発明の範囲には、完全な抗体形態の他、前記抗体分子の抗原結合断片も含まれる。
完全な抗体は、2本の全長の軽鎖及び2本の全長の重鎖を有する構造であり、各軽鎖は重鎖とジスルフィド結合で連結されている。重鎖の定常領域は、ガンマ(γ)、ミュー(μ)、アルファ(α)、デルタ(δ)及びエプシロン(ε)のタイプを有し、サブクラスとしてガンマ1(γ1)、ガンマ2(γ2)、ガンマ3(γ3)、ガンマ4(γ4)、アルファ1(α1)及びアルファ2(α2)を有する。軽鎖の定常領域は、カッパ(κ)及びラムダ(λ)のタイプを有する。
本発明に係る“抗原結合断片”は、特定抗原と結合できる機能を保有している抗体の断片を意味し、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv(scFv)、scFv-Fc、及びFvなどを含む概念であり、本明細書では“抗体断片”と同じ意味で使われる。
抗体断片のうち、Fabは、軽鎖及び重鎖の可変領域、軽鎖の定常領域及び重鎖の最初の定常領域(CH1)を有する構造であり、1個の抗原結合部位を有する。Fab’は、重鎖CH1ドメインのC-末端に一つ以上のシステイン残基を含むヒンジ領域(hinge region)を有するという点でFabと異なる。F(ab’)抗体は、Fab’のヒンジ領域のシステイン残基がジスルフィド結合をなしながら生成される。Fvは、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域だけを持つ最小の抗体断片であり、Fv断片を生成する組換え技術は、PCT国際公開特許出願WO88/10649号、WO88/106630号、WO88/07085号、WO88/07086号及びWO88/09344号に開示されている。二本鎖Fv(two-chain Fv)は、非共有結合で重鎖可変領域と軽鎖可変領域が連結されており、一本鎖Fv(single-chain Fv,scFv)は、一般にペプチドリンカーを通じて重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域が共有結合で連結されたり又はC-末端で直接連結され、二本鎖Fvのようにダイマーのような構造をなすことができる。このような抗体断片は、タンパク質加水分解酵素を用いて得ることができ(例えば、全抗体をパパインで制限切断すればFabが得られ、ペプシンで切断すればF(ab’)断片が得られる。)、遺伝子組換え技術を用いて作製してもよい。
本発明で使われる用語“ScFv(single-chain Fv、一本鎖断片抗体又は抗体断片)”は、軽鎖及び重鎖の可変領域を連結した抗体である。場合によって、15個前後のアミノ酸が連結されたペプチド鎖からなるリンカー(linker、連結部位)を含むことができ、このとき、ScFvは、軽鎖可変領域-連結部位-重鎖可変領域、又は重鎖可変領域-連結部位-軽鎖可変領域の構造を有することができ、親抗体と同一或いは類似の抗原特異性を有する。
本発明で使われる用語“抗体ライブラリー”は、異なる配列を有する様々な抗体の組合せを意味し、本発明における特定重鎖可変領域及び軽鎖可変領域対の組合せからなる集合を意味する。
前記抗体ライブラリーに含まれる個別の抗体又はその断片をコードする核酸はそれぞれ、別個のファージ(phage)又は宿主細胞(host cell)に含まれ、前記抗体又はその断片はそれぞれ、ファージ又は宿主細胞の表面に発現する形態(surface display)を有することが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明に係る抗体又はその断片が表面に発現する形態において用いられる宿主細胞としては、大腸菌、サッカロマイセスセレビジエ(Sacchromyces cerevisiae)、ピキアパストリス(Pichia pastoris)などの酵母などのようなヒトとネズミのB細胞が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ファージ又は宿主細胞の表面に発現する抗体又はその断片の形態によって、本発明に係るライブラリーは、Fabライブラリー又はscFvライブラリーのように命名できる。
また、本発明における“抗体ライブラリー”とは、タンパク質レベルにおける特定重鎖可変領域及び軽鎖可変領域対の組合せだけでなく、各特定重鎖可変領域及び軽鎖可変領域対をコードする遺伝子レベルにおける組合せも含む意味で使われる。
抗体ライブラリーから任意の抗原に対して特異的抗体を分離するためには非常に高い多様性が要求され、それぞれ異なる抗体クローンからなるライブラリーが構築されて用いられる。このような抗体ライブラリーをなす抗体遺伝子は、例えば、ファージミド(phagemid)ベクターにクローニングされ、形質転換体(大腸菌などの宿主細胞)に形質転換され得る。
本発明で使われる用語“核酸”は、遺伝子又はヌクレオチドと同じ意味で使われてもよく、例えば、天然/合成DNA、ゲノムDNA、天然/合成RNA、cDNA及びcRNAからなる群から選ばれ得るが、これに制限されるものではない。
本発明で使われる用語“ファージミド”ベクターは、ファージディスプレイに用いられ、ファージ複製起点(phage origin of replication)を有するプラスミドDNAであり、通常、抗生剤耐性遺伝子を選択マーカー(selection marker)として持っている。ファージディスプレイに用いられるファージミドベクターの場合、M13ファージのgIII遺伝子又はその一部が含まれており、ScFv遺伝子はgIII遺伝子の5’末端にライゲーション(ligation)され、形質転換体を通じて発現する。
本発明で使われる用語“ヘルパーファージ(helper phage)”は、ファージミドがファージ粒子に組み立てられるように必要な遺伝情報を提供するファージである。ファージミドにはファージ遺伝子中のgIII或いはその一部だけが存在するので、ファージミドで形質転換された宿主細胞(形質転換体)をヘルパーファージで感染させて残りのファージ遺伝子を供給する。M13K07或いはVCSM13などの種類があり、たいてい、カナマイシン(kanamycin)などの抗生剤耐性遺伝子を含み、ヘルパーファージに感染された形質転換体を選択できるようにしている。また、組立信号(packaging signal)に欠陥があるので、ヘルパーファージ遺伝子よりはファージミド遺伝子が選別的にファージ粒子中に組み立てられる。
本発明で使われる用語“信号配列”は、遺伝子の5’末端部分に位置し、遺伝子からコードされたタンパク質が外部に分泌される時に必要な信号として機能する塩基配列或いはそれに相応するアミノ酸配列である。
本発明で使われる用語“ファージディスプレイ”は、変異体ポリペプチドを、ファージ、例えば、繊維状ファージ粒子の表面上に外皮タンパク質の少なくとも一部との融合タンパク質としてディスプレイする技術である。ファージディスプレイの有用性は、無作為化タンパク質変異体の大きいライブラリーを対象にして、標的抗原と高親和度で結合する配列を迅速且つ効率的に分類できるということにある。ペプチド及びタンパク質ライブラリーをファージ上にディスプレイすることは、特異的結合特性を持つポリペプチドを調べるために数百万個のポリペプチドをスクリーニングする上で用いられてきた。
ファージディスプレイ技術は、特定リガンド(例:抗原)と結合する新規タンパク質を生成及び選別するための強力な道具を提供した。ファージディスプレイ技術を用いて、タンパク質変異体の大きいライブラリーを生成させ、標的抗原と高親和性で結合する配列を迅速に分類できる。変異体ポリペプチドをコードする核酸を、ウイルス性外皮タンパク質、例えば遺伝子IIIタンパク質又は遺伝子VIIIタンパク質をコードする核酸配列と融合させる。タンパク質又はポリペプチドをコードする核酸配列を遺伝子IIIタンパク質の一部をコードする核酸配列と融合させた1価ファージディスプレイシステムが開発された。1価ファージディスプレイシステムでは、遺伝子融合物が低レベルに発現し、野生型遺伝子IIIタンパク質も発現して粒子感染性が維持される。
繊維状ファージ表面上におけるペプチドの発現と宿主細胞の周辺細胞質における機能性抗体断片の発現を立証することが、抗体ファージディスプレイライブラリーを開発する上で重要である。抗体又は抗原結合性ポリペプチドのライブラリーは、多数の方式、例えば、無作為DNA配列を挿入することによって単一遺伝子を変更させる方法又は関連遺伝子系列をクローニングする方法で作製した。ライブラリーを対象にして、目的とする特徴を伴う抗体又は抗原結合性タンパク質の発現に関してスクリーニングすることができる。
ファージディスプレイ技術は、目的とする特徴を持つ抗体を作製するための通常のハイブリドーマ及び組換え方法に比べていくつかの利点がある。このような技術によれば、動物を使用しなくても短時間で様々な配列を持つ大きい抗体ライブラリーを生成させることができる。ハイブリドーマの作製やヒト化抗体の作製には数ヵ月の作製期間がかかることがある。また、免疫が全く要求されないので、ファージ抗体ライブラリーは、毒性であるか抗原性の低い抗原に対しても抗体を生成させることができる。さらに、ファージ抗体ライブラリーを用いて新規の治療的抗体を生成及び確認することができる。
ファージディスプレイライブラリーを用いてヒト生殖細胞系組織又は美感作B細胞Igレパートリー(repertoire)からヒト抗体を生成させる技術を用いることができる。各種のリンパ系組織を用いて、美感作又は非免疫抗原結合性ライブラリーを作製できる。
ファージディスプレイライブラリーから高親和性抗体を確認及び分離できる技術は、治療用新規抗体分離に重要である。ライブラリーから高親和性抗体を分離することは、ライブラリーのサイズ、細菌性細胞中における生産効率及びライブラリーの多様性に左右され得る。ライブラリーのサイズは、抗体又は抗原結合性タンパク質の不適切なフォールディングと停止コドンの存在による非効率的生産によって減少する。細菌性細胞における発現は、抗体又は抗原結合性ドメインが適切にフォルディングされない場合には抑制され得る。発現は、可変/定常界面の表面や選別されたCDR残基における残基を交互に突然変異させることによって改善させることができる。骨格領域の配列は、細菌性細胞において抗体ファージライブラリーを生成させる場合に適切なフォールディングを提供するための一つの要素である。
高親和性抗体分離において抗体又は抗原結合性タンパク質の様々なライブラリーを生成させることが重要である。CDR3領域は、それらがしばしば抗原結合に参加することが明らかにされた。重鎖上のCDR3領域は、サイズ、配列及び構造的立体形態の面において非常に多様であり、これを用いて様々なライブラリーを作製することができる。
また、各位置において20個のアミノ酸を全て使用して可変重鎖及び軽鎖のCDR領域を無作為化することによって、多様性を発生させることができる。20個の全てのアミノ酸を使用すれば、多様性の大きい変異体抗体配列が生成され、新規の抗体を確認する機会が増加し得る。
本発明で使われる用語“抗体可変領域”は、相補性決定領域(CDR;すなわち、CDR1、CDR2、及びCDR3)、及びフレームワーク領域(framework region,FR)のアミノ酸配列を含む抗体分子の軽鎖及び重鎖部分のことを指す。VHは重鎖の可変ドメインのことを指す。VLは軽鎖の可変ドメインのことを指す。
“相補性決定領域”(CDR;すなわち、CDR1、CDR2、及びCDR3)は、抗原結合のために必要な存在である、抗体可変ドメインのアミノ酸残基のことを指す。各可変ドメインは典型的に、CDR1、CDR2及びCDR3として確認された3個のCDR領域を有する。
“フレームワーク領域”(FR)は、CDR残基以外の可変ドメイン残基である。各可変ドメインは典型的に、FR1、FR2、FR3及びFR4として確認された4個のFRを有する。
本発明において、前記抗体又はその断片の集合は、VH3-15(配列番号1)/Vκ1-39(配列番号16)、VH3-15(配列番号1)/Vκ3-20(配列番号21)、VH3-15(配列番号1)/Vκ3-20-2(配列番号26)、VH3-15(配列番号1)/Vλ1-51(配列番号31)、VH3-23(配列番号6)/Vκ1-39(配列番号16)、VH3-23(配列番号6)/Vκ3-20(配列番号21)、VH3-23(配列番号6)/Vκ3-20-2(配列番号26)、VH3-23(配列番号6)/Vλ1-51(配列番号31)、VH1-69(配列番号11)/Vκ1-39(配列番号16)、VH1-69(配列番号11)/Vκ3-20(配列番号21)、VH1-69(配列番号11)/Vκ3-20-2(配列番号26)及びVH1-69(配列番号11)/Vλ1-51(配列番号31)からなる群から選ばれる重鎖及び軽鎖可変領域対に含まれているフレームワーク領域と、各重鎖可変領域別に異なるCDRH1、CDRH2及びCDRH3の組合せ及び各軽鎖可変領域別に異なるCDRL1、CDRL2及びCDRL3の組合せを含むことを特徴とし得る。
本発明において、前記VH3-15(配列番号1)の配列を有する重鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号2)、FR2(配列番号3)、FR3(配列番号4)及びFR4(配列番号5)を含み、
VH3-23(配列番号6)の配列を有する重鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号7)、FR2(配列番号8)、FR3(配列番号9)及びFR4(配列番号10)を含み、
VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号12)、FR2(配列番号13)、FR3(配列番号14)及びFR4(配列番号15)を含み、
Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号17)、FR2(配列番号18)、FR3(配列番号19)及びFR4(配列番号20)を含み、
Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号22)、FR2(配列番号23)、FR3(配列番号24)及びFR4(配列番号25)を含み、
Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号27)、FR2(配列番号28)、FR3(配列番号29)及びFR4(配列番号30)を含み、及び
Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域内のフレームワーク領域は、FR1(配列番号32)、FR2(配列番号33)、FR3(配列番号34)及びFR4(配列番号35)を含むことを特徴とし得る。
本発明の重鎖可変領域、軽鎖可変領域及び各可変領域内のフレームワーク領域の配列を整理すると、下記の通りである:
Figure 0007337850000001
Figure 0007337850000002
Figure 0007337850000003
Figure 0007337850000004
Figure 0007337850000005
本発明において、前記抗体又はその断片は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域対(pair)の各可変領域内に含まれた相補性決定領域(CDR)は、潜在的な翻訳後修飾(PTM:post-translational modification)が生じ得るアミノ酸が変形されて翻訳後修飾が発生しないように設計されたことを特徴とし得る。
本発明において、前記VH3-15(配列番号1)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表3の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表4の範囲を含み、
前記VH3-23(配列番号6)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表3の範囲を含み、
前記VH3-23(配列番号6)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表4の範囲を含み、
前記VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表5の範囲を含み、
前記VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表6の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が9個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表7の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が10個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表8の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が11個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表9の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が12個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表10の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が13個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表11の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が14個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表12の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表13の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表14の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表15の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表16の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表17の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表18の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表19の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表17の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表18の範囲を含み、
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表20の範囲を含み、
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表21の範囲を含み、及び
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表22の範囲を含むことを特徴とし得るが、これに限定されるものではない。
本発明において、前記VH3-15(配列番号1)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表23の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表24の範囲を含み、
前記VH3-23(配列番号6)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表23の範囲を含み、
前記VH3-23(配列番号6)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表24の範囲を含み、
前記VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表25の範囲を含み、
前記VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表26の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が9個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表27の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が10個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表28の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が11個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表29の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が12個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表30の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が13個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表31の範囲を含み、
前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が14個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表32の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表33の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表34の範囲を含み、
前記Vκ1-39(配列番号16)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表35の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表36の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表37の範囲を含み、
前記Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表38の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表39の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表37の範囲を含み、
前記Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表38の範囲を含み、
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表40の範囲を含み、
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表41の範囲を含み、及び
前記Vλ1-51(配列番号31)の配列を有する軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表42の範囲を含むことを特徴とし得るが、これに限定されるものではない。
本発明において、前記抗体の断片は、Fab、F(ab’)、Fab’、Fv及びscFvからなる群から選ばれる一つ以上の形態であることを特徴とし得るが、これに限定されるものではない。
本発明において、前記抗体又はその断片は、i)10%以下のリダンダンシー(反復配列の比率);ii)CDR構成のp値>0.05;iii)70℃以上の熱安定性;及びiv)10以上の多様性(library size)からなる群から選ばれる一つ以上の特性を有することを特徴とし得る。
本発明は、他の観点において、前記抗体又はその断片の集合をコードする核酸に関する。
本発明は、さらに他の観点において、(a)抗原を前記抗体の集合と接触させる段階;及び(b)前記抗原に結合する一つ以上の抗体又は抗体断片を選択する段階を含む、抗原に対して特異的な抗体又はその断片を同定する方法に関する。
本発明において、前記抗体の集合は、前記抗体の集合をコードする核酸が導入された形質転換体に含まれたファージ表面で発現することを特徴とし得るが、これに限定されるものではない。
本発明において、前記同定方法は、ライブラリーの形質転換体とファージを培養してファージ表面に発現した抗体を抗原と結合させ、所望の抗体を発現する形質転換体をスクリーニングし、選別する過程を含むことができる。このようなスクリーニング及び選別段階は、当業界に公知の様々な技術を用いて行うことができる。
例えば、前記ライブラリーから、パンニング(panning)方法によって、特定抗原に結合する抗体を分離して作製できる。前記パンニングは、特定抗原(target antigen)にファージを結合させ、結合しなかったファージを除去した後、結合したファージを回収して宿主細胞に感染させることによってファージ数を増幅し、この過程を2~4回反復することができる。
実施例
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるものと解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
実施例1)アジア人及びコーカサス人のヒト可変領域cDNA確保
アジア人及びコーカサス人のヒト抗体可変領域CDRのアミノ酸組合せを分析するために、まず、アジア人ヒトメッセンジャーRNAは、研究所内の研究員の血液供与(IRB実施前)を用いたPBMCからB細胞を分化して獲得し、コーカサス人ヒトメッセンジャーRNAは、Clontech社のヒト脾臓全RNA(human spleen total RNA)(CAT No.636525、Lot No.1107171A)を購買した。確保されたアジア人、コーカサス人メッセンジャーRNAは、ImProm-II逆転写システム(ImProm-II Reverse Transcription System)(Promega,CAT No.A3802)を用いてcDNAにそれぞれ変換した。確保したcDNAからヒト可変領域遺伝子を確保するために、アジア人、コーカサス人のcDNAをそれぞれ鋳型とし、VH1タイプは順方向プライマー(表43:配列番号71)、逆方向プライマー(表43:配列番号72)を添加し、VH3タイプは順方向プライマー(表43:配列番号73)、逆方向プライマー(表43:配列番号72)を添加し、Vk1タイプは順方向プライマー(表43:配列番号74)、逆方向プライマー(表43:配列番号75)を添加し、Vk3タイプは順方向プライマー(表43:配列番号76)、逆方向プライマー(表43:配列番号75)を添加し、Vλ1タイプは順方向プライマー(表43:配列番号77)、逆方向プライマー(表43:配列番号78)を添加した後、それぞれのcDNA、プライマー混合物をプラチナ混合ポリメラーゼ(platinum mix polymerase)(Invitrogen,CAT No.11306)を用いてPCRを行った。PCR条件は、94℃で3分間露出後、94℃で1分、55℃で1分、72℃で2分間露出を25回反復した後、72℃で10分間反応した。前記増幅された遺伝子を1%アガロースゲルで予想サイズのDNAバンドを確認し、これをゲル摘出キットを用いてそれぞれ分離した(QIAquick Gel Extraction Kit,QIAGEN,CAT.No.28706)。
Figure 0007337850000046
実施例2)高性能シーケンシング(High-throughput sequencing)用のアジア人及びコーカサス人のヒト抗体可変領域ライブラリー作製
実施例1で確保したアジア人及びコーカサス人のcDNAを、高性能シーケンシングを行うために各タイプを分別するためのバーコード(barcode)を連結するPCRを行った。まず、アジア人は、Asian VH1 cDNAを鋳型にして順方向プライマー(表44:配列番号79)、逆方向プライマー(表44:配列番号89)を添加し、VH3タイプは順方向プライマー(表44:配列番号80)、逆方向プライマー(表44:配列番号89)を添加し、Vk1タイプは順方向プライマー(表44:配列番号81)、逆方向プライマー(表44:配列番号90)を添加し、Vk3タイプは順方向プライマー(表44:配列番号82)、逆方向プライマー(表44:配列番号90)を添加し、Vλ1タイプは順方向プライマー(表44:配列番号83)、逆方向プライマー(表44:配列番号91)を添加した後、それぞれの鋳型、プライマー混合物をPrime star mix(Takara,CAT No.R040B)を用いてPCRを行った。PCR条件は、94℃で2分間露出後、94℃で15分、55℃で15分、72℃で30分露出を10回反復した後、72℃で5分間反応した。前記増幅された遺伝子を、1%アガロースゲルで予想サイズのDNAバンドを確認し、これをゲル摘出キットを用いてそれぞれ分離した(QIAquick Gel Extraction Kit,QIAGEN,CAT.No.28706)。コーカサス人は、Caucasian VH1 cDNAを鋳型にして順方向プライマー(表44:配列番号84)、逆方向プライマー(表44:配列番号89)を添加し、VH3タイプは順方向プライマー(表44:配列番号85)、逆方向プライマー(表44:配列番号89)を添加し、Vk1タイプは順方向プライマー(表44:配列番号86)、逆方向プライマー(表44:配列番号90)を添加し、Vk3タイプは順方向プライマー(表44:配列番号87)、逆方向プライマー(表44:配列番号90)を添加し、Vλ1タイプは順方向プライマー(表44:配列番号88)、逆方向プライマー(表44:配列番号91)を添加した後、それぞれの鋳型、プライマー混合物をPrime star mix(Takara,CAT No.R040B)を用いてPCRを行った。PCR条件は、94℃で2分間露出後、94℃で15分、55℃で15分、72℃で30分露出を10回反復した後、72℃で5分間反応した。前記増幅された遺伝子を、1%アガロースゲルで予想サイズのDNAバンドを確認し、これをゲル摘出キットを用いてそれぞれ分離した(QIAquick Gel Extraction Kit,QIAGEN,CAT.No.28706)。
確保したアジア人、コーカサス人別遺伝子をマクロジェン(韓国ソウル、グロ-ク)に依頼して454シーケンシング(GS FLX Titanium,Roche)手法で、表45に示す個数だけシーケンシングを行った。表46に表記のアミノ酸を基準に、CDR1、CDR2、CDR3に対してシーケンシングされた配列のCDRアミノ酸構成比率を分析した。
Figure 0007337850000047
実施例3)高性能シーケンシングデータ分析及びこれに基づくプライマーデザイン
高性能シーケンシングによって各人種及びタイプ別に10000個以上のヒト可変領域配列を確保した(表45)。確保したヒト可変領域配列のうち、CDR領域のアミノ酸組合せを確認するために、VH1タイプのCDR1は、セリン-システイン(Kabatナンバー22、23番)とトリプトファン-バリン(Kabatナンバー36、37番)との間、CDR2は、グルタミン酸-トリプトファン(Kabatナンバー47、48番)とアルギニン-ランダム-トレオニン(kabatナンバー67、68、69番)との間、CDR3は、チロシン-チロシン-システイン(kabatナンバー90、91、92番)とグリシン-トレオニン-ロイシン(kabatナンバー103、104、105番)との間を分析した。VH3タイプのCDR1は、セリン-システイン(Kabatナンバー22、23番)とトリプトファン-バリン(Kabatナンバー36、37番)との間、CDR2は、グルタミン酸-トリプトファン(Kabatナンバー47、48番)とリシン-グリシン-アルギニン(kabatナンバー67、68、69番)との間、CDR3は、チロシン-チロシン-システイン(kabatナンバー90、91、92番)とグリシン-トレオニン-ロイシン(kabatナンバー103、104、105番)との間を分析した。Vk1のCDR1は、イソロイシン-ランダム-システイン(Kabatナンバー21、22、23番)とトリプトファン-チロシン(Kabatナンバー35、36番)との間、CDR2は、イソロイシン-チロシン(Kabatナンバー48、49番)とグリシン-バリン(kabatナンバー57、58番)との間、CDR3は、チロシン-チロシン-システイン(kabatナンバー86、87、88)とグリシン-トレオニン-リシン(kabatナンバー101、102、103番)との間を分析した。Vk3のCDR1はセリン-システイン(Kabatナンバー22、23番)とトリプトファン-チロシン(Kabatナンバー35、36番)との間、CDR2はロイシン-イソロイシン(Kabatナンバー47、48番)とイソロイシン-プロリン(kabatナンバー58、59番)との間、CDR3は、チロシン-チロシン-システイン(kabatナンバー86、87、88番)とグリシン-トレオニン-リシン(kabatナンバー101、102、103番)との間を分析した。Vλ1のCDR1は、セリン-システイン(Kabatナンバー22、23番)とトリプトファン-チロシン(Kabatナンバー35、36番)との間、CDR2はロイシン-イソロイシン(Kabatナンバー47、48番)とセリン-グリシン(kabatナンバー56、57番)との間、CDR3は、チロシン-チロシン-システイン(kabatナンバー86、87、88)とグリシン-トレオニン-リシン(kabatナンバー101、102、103番)との間を分析した(表46)。VH1とVH3タイプの場合、CDR3の長さが様々なので、既存文献を用いて合成ライブラリー作製時に最も効率的に抗体を選別できる長さであるアミノ酸9~14個別に分けてそれぞれ分析した後、アミノ酸組合せを確認した。
分析の結果、アジア人とコーカサス人のCDRアミノ酸組合せ間の有意の差異点が発見できず、相当類似していることを確認した。VHのCDR1、2の場合、様々なアミノ酸の組合せを有しているが、CDR3に比べて高い割合で保存されているアミノ酸が存在していた。これは、V遺伝子(V-gene)領域であるので、V-D-J連結(joining)が起きず、CDR3に比べて突然変異導入の可能性が低く、構造的安定性に影響を与える剰余数(residue number)があることから、保存されるべきアミノ酸が存在するためである。VH1とVH3のCDR3間にも有意の差異点が発見されず、類似のアミノ酸組合せを有することを確認した。これは、VH1、VH3のV遺伝子末端がチロシン-チロシン-システイン-アラニン-アルギニン/リシンとして共通に保存されており、V-D-J連結時にD遺伝子、J遺伝子は共通して同一遺伝子が適用されるためである。
分析の結果に従ってアジア人とコーカサス人のCDRアミノ酸の組合せの平均値を求めてプライマーコドンデザインに反映した。また、VH1とVH3のCDR3が類似していることから、CDR3を構成するプライマーを共有した。さらに、VH1のCDR2のkabatナンバー52-52a-53、VH3のCDR2においてkabatナンバー52a-53-54のアミノ酸N-X-S/Tの比率が5%程度になり、N-グリコシル化による抗体力価減少の恐れがあるため、VH1の52、VH3の52aのアスパラギンの比率を0%に下げ、N-グリコシル化の可能性を除去した。
Figure 0007337850000048
Figure 0007337850000049
実施例4)Fabライブラリー構築
4-1)軽鎖可変領域ライブラリー構築
1)VLフレームシーケンス合成(VL Frame sequence synthesis):ヒトVLκ1-39、VLκ3-20、VLλ1-51のフレーム1~3の配列(表47)をバイオニア社(http://www.bioneer.co.kr)に合成を依頼して確保した。
Figure 0007337850000050
2)一番目のPCR増幅(Primary PCR amplification)(Fragment PCR):各フレーム配列を鋳型(5ng/reaction)としてVL CDR1~CDR3断片(Fragment1~3)をPCR増幅した。PCRに用いられるプライマー配列は、表48の通りである。前記配列においてX数字は3個の塩基を意味し、配列目録ファイルではNNNと表記した。AccuPower Pfu PCR PreMix(Bioneer,K-2025)を用いて30サイクル(95℃で30秒、50~58℃で30秒、72℃で1分)で反応させる。それぞれのPCR産物は、電気泳動した後、QIAquickゲル抽出キット(QIAquick Gel Extraction Kit)(QIAGEN,CAT.NO.28706)を用いて精製した。
Figure 0007337850000051
Figure 0007337850000052
配列番号93(Vk1-39-F1)、配列番号98(Vk3-20-F1)及び配列番号103(Vk3-20-2-F1)のN1~N8は、下記の表49のような塩基の比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号93(Vk1-39-F1)、配列番号98(Vk3-20-F1)及び配列番号103(Vk3-20-2-F1)のX1~X16は、下記の表50のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号95(Vk1-39-F2)のNは、下記の表51のような塩基の比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号95(Vk1-39-F2)のXは、下記の表52のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号100(Vk3-20-F2)のNは、下記の表53のような塩基の比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号100(Vk3-20-F2)のXは、下記の表54のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号97(VLκ1-39_F3)及び配列番号102(VLκ3-20_F3)のNは、下記の表55のような塩基の比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号97(VLκ1-39_F3)及び配列番号102(VLκ3-20_F3)のXは、下記の表56のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号104(VLλ1-51_F1)のNは、下記の表57のような塩基の比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号104(VLλ1-51_F1)のXは、下記の表58のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号106(VLλ1-51_F2)のXは、下記の表59のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号108(VLλ1-51_F3)のXは、下記の表60のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
3)二番目のPCR増幅(一番目の重複PCR(1st Overlapping PCR)):一番目のPCR産物(断片1~3)を鋳型(各断片当たり20ng/reaction)に添加し、16サイクル(95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分)で反応させた。PCRに用いられるプライマー配列は、表61の通りである。それぞれのPCR産物(Variable Light chains)は、電気泳動した後、QIAquickゲル抽出キット(QIAGEN,CAT.NO.28706)を用いて精製した。
Figure 0007337850000065
4)三番目のPCR増幅(二番目の重複PCR):精製した一番目の重複PCR産物を定量し、VLκ1-39、VLκ3-20、VLκ3-20-2の場合はCLκ(断片PCR産物)を、VLλ1-51の場合はCLλ(断片PCR産物)を共に鋳型(各product党10ng/ reaction)として用いて15サイクル(95℃で1分、55℃で1分、72℃で1分)で反応させた。PCRに用いられるプライマー配列は、表62の通りである。それぞれのPCR産物は、電気泳動した後、QIAquickゲル抽出キット(QIAGEN,CAT.NO.28706)を用いて精製した。
Figure 0007337850000066
5)VLライブラリー形質転換(VL library transformation)
5-a)ライゲーション:可変軽鎖(VL)と定常軽鎖(CL)領域の重複PCR産物にEcoRI(NEB,CAT.NO.R0101L)を添加して37℃で一晩(O/N)反応させた後、QIAquick PCR精製キット(QIAGEN,CAT.NO.28106)を用いて精製した。ここに、XbaI(NEB.CAT.NO.R0145L)を添加して37℃で一晩(O/N)反応させた後、QIAquick PCR精製キット(QIAGEN,CAT.NO.28106)を用いて精製した。EcoRIとXbaIで切ったインサートDNA断片(insert DNA fragments)20μgと線形化pComb3XTTベクター(EcoRI,XbaI cutted)40μgにT4 DNAリガーゼ(NEB,CAT.NO.M0203S)を添加し、25℃で一晩(O/N)反応させた。
5-b)形質転換(Transformation):ライゲーションした反応物をQIAquick PCR精製キット(QIAGEN,CAT.NO.28106)を用いて精製した。軽鎖の各サブタイプ当たりに1mLのMC1061F’(SS320)コンピテント細胞(Lucigen,CAT.NO.60512-1)に、10個のキュベット(cuvette)(100μl/cuvette)に分けて電気穿孔した。SB液体培地を添加して全体積(total volume)を500mLに合わせた後、1時間、37℃200rpmで振盪培養(shaking incubation)した後、培養懸濁液(Culture sup.)100μLを段階希釈(serial dilution)を通じてLBアガーlopプレート(LB agar lop plate)+カルベニシリン(NaraeBiotech,CAT.NO.LN004CA)にスプレッドした後、37℃で一晩培養(incubation)し、pComb3XTT-合成VLライブラリーサイズを確認した。500mL培地体積当たりにカルベニシリン(100mg/mL)500μLを入れ、37℃で一晩培養(200rpm)した。
4-2)重鎖可変領域ライブラリー構築
1)VHフレームシーケンス合成:ヒトVH1-69、VH3-15、VH3-23のフレーム1~3の配列(表63)を、バイオニア社(http://www.bioneer.co.kr)に合成を依頼して確保した。
Figure 0007337850000067
2)一番目のPCR増幅(断片PCR):各フレーム配列を鋳型(5ng/reaction)としてVL CDR1~CDR3断片(断片1~3)をPCRで増幅した。PCRに用いられるプライマー配列は、表64の通りである。AccuPower Pfu PCR PreMix(Bioneer,K-2025)を用いて30サイクル(95℃で30秒、50~55℃で30秒、72℃で1分)で反応させた。それぞれのPCR産物は、電気泳動した後、QIAquickゲル抽出キット(QIAGEN,CAT.NO.28706)を用いて精製した。
Figure 0007337850000068
Figure 0007337850000069
Figure 0007337850000070
配列番号116(VH1-69_F1)及び配列番号126(VH3-15_F)のNは、下記の表65のような塩基の比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号116(VH1-69_F1)及び配列番号126(VH3-15_F)のXは、下記の表66のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号118(VH1-69_F2)のXは、下記の表67のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号128(VH3-15_F2)のNは、下記の表68のような塩基の比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号128(VH3-15_F2)のXは、下記の表69のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号130(VH3-23_F2)のNは下記の表70のような塩基の比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号130(VH3-23_F2)のXは、下記の表71のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号120(VH1-69_F3_CDR9、VH3-15_F3_CDR9、VH3-23_F3_CDR9)のXは、下記の表72のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
配列番号121(VH1-69_F3_CDR10、VH3-15_F3_CDR10、VH3-23_F3_CDR10)、配列番号122(VH1-69_F3_CDR11、VH3-15_F3_CDR11、VH3-23_F3_CDR11)、配列番号123(VH1-69_F3_CDR12、VH3-15_F3_CDR12、VH3-23_F3_CDR12)、配列番号124(VH1-69_F3_CDR13、VH3-15_F3_CDR13、VH3-23_F3_CDR13)及び配列番号125(VH1-69_F3_CDR14、VH3-15_F3_CDR14、VH3-23_F3_CDR14)のXは、下記の表73のようなコドン比率を有するように設計してPCRを行った。
3)二番目のPCR増幅(一番目の重複PCR):一番目のPCR産物(断片1~3)を鋳型(各断片当たり40ng/reaction)に添加して16サイクル(95℃で30秒、50~55℃で30秒、72℃で1分)で反応させた。PCRに用いられるプライマー配列は、表74の通りである。それぞれのPCR産物(Variable heavy chains)は、電気泳動した後、QIAquickゲル抽出キット(QIAGEN,CAT.NO.28706)を用いて精製した。
Figure 0007337850000080
4)Fabライブラリー形質転換
4-a)ライゲーション:可変重鎖(VH)のPCR産物にXbaI(NEB.CAT.NO.R0145L)を添加して37℃で6時間反応させた後、QIAquick PCR精製キット(QIAGEN,CAT.NO.28106)を用いて精製した。ここにApaI(NEB.CAT.NO.R0114L)を添加して25℃で6時間反応させた後、QIAquick PCR精製キット(QIAGEN,CAT.NO.28106)を用いて精製した。XbaIとapaIで切ったインサートDNA断片10μgと線形化pComb3XTTベクター(EcoRI,XbaI cutted)40μgにT4 DNAリガーゼ(NEB,CAT.NO.M0203S)を添加し、25℃で一晩(O/N)反応させた。この時、CDR3の長さによって全DNA量の比率においてCDR3_9AA(アミノ酸)長は12%、CDR3_10AA長は14%、CDR3_11AA長は17%、CDR3_12AA長は22%、CDR3_13AA長は19%、CDR3_14AA長は16%となるように調整した。
4-b)形質転換:ライゲーションした反応物をQIAquick PCR精製キット(QIAGEN,CAT.NO.28106)を用いて精製する。重鎖の各サブタイプ当たりに1mLのXL1-ブルー電気穿孔-コンピテント細胞(Stratagene,CAT.NO.200228)に、10個のキュベット(100μl/cuvette)に分けて電気穿孔した。SB液体培地を添加して全体積を500mLにした後、1時間、37℃、200rpmで振盪培養した。培養懸濁液100μLを段階希釈を通じてLBアガーlopプレート+カルベニシリン(NaraeBiotech,CAT.NO.LN004CA)にスプレッドした後、37℃で一晩培養し、pComb3XTT-合成VLライブラリーサイズを確認した。500mL培地体積当たりにカルベニシリン(100mg/mL)500μLを入れ、37℃で一晩培養(200rpm)した。
実施例5)Fabライブラリー性能確認
5-1)ライブラリーサイズ確認
Fabライブラリーは、3個のVHタイプ、4個のVLタイプを用いて、総12個のライブラリーをそれぞれ1010サイズ以上に構築して総1.52×1011サイズのFabライブラリーを構築したことを確認し、scFvライブラリーは、2個のVHタイプ、4個のVLタイプを用いて、総8個のライブラリーをそれぞれ1011サイズ以上に構築して総1.27x1012サイズのscFvライブラリーを構築したことを確認した。
Figure 0007337850000081
5-2)ライブラリーCDRアミノ酸分布確認
HT-シーケンシングを用いて得たヒトジャームラインCDR配列と実際に構築されたライブラリーのCDR配列とを比較し、再現レベルを分析した。
その結果、図2に示すように、設計した分だけのアミノ酸多様性を確保したことが確認できた。
これを定量的に分析するために、対応のあるt検定(paired-T test)を用いて分析した。
その結果、全てのライブラリー導入部位(site)の有意水準が5%以下であることを確認し、ヒトジャームラインCDRに基づくデザインと実ライブラリーの突然変異(mutation)配列が同等であることが確認できた。
5-3)反復配列(リダンダンシー,repetitive sequence)分布確認
HT-シーケンシングを用いて各ライブラリー配列を約10000個ずつ分析し、反復される配列の比率を導出した。
その結果、VH3-15、VH3-23タイプは10%以下、VH1-69は13~21%の反復配列を保有した。全体平均で10.5%の反復配列比率を保有することを確認し(表77)、図3に開示のように、反復配列の大部分が2回反復であるため、ライブラリー品質を下げる影響がわずかであることを確認した。
5-4)CDR長の分析
ヒトジャームラインVH CDR3配列を、HT-シーケンシングを通じて長さ別の分布を確認し、これをライブラリーに再現後、HT-シーケンシングを通じて比較分析した。
その結果、図4に開示のように、ヒトジャームライン配列の長さ別分布とライブラリーのCDR長が類似していることが確認できた。
以上、本発明内容の特定の部分を詳細に記述したところ、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的記述は単に好ましい実施様態であるだけで、これに本発明の範囲が制限されない点は明らかであろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付する請求項及びそれらの等価物によって定義されるといえよう。
本発明に係る抗体ライブラリーは、高い熱力学的安定性(thermodynamic stability)を有しており、高い可溶性発現(high soluble expression)が可能であるという長所の他、可逆的なフォールディング(reversible folding)が可能であるという長所もある。
さらに、本発明に係る抗体ライブラリーは、全ての抗原に対して高い特異性(specificity)と高い親和度(affinity)を有するように合理的に調節された(rationally controlled)様々なCDRを含んでおり、高いレベルの多様性を有するので、目的とする抗原に対する適切な候補抗体を選別するのに有用である。
また、本発明に係る抗体ライブラリーは、ヒト抗体配列に基づくライブラリーという特性から、人体内に投与時に、免疫原性が最小化した抗体をスクリーニングでき、疾患の治療又は診断に効果的に利用できる抗体の開発を可能にする。

Claims (11)

  1. 抗体又はその断片の集合であって、
    前記抗体又はその断片は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域対(pair)を含み、
    前記重鎖可変領域は、VH3-15(配列番号1)の重鎖可変領域に含まれているフレームワーク領域(framework region)と、
    各重鎖可変領域別に異なる、重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、重鎖相補性決定領域2(CDRH2)及び重鎖相補性決定領域3(CDRH3)の組合せとを含み、
    前記軽鎖可変領域は、Vλ1-51(配列番号31)の軽鎖可変領域に含まれているフレームワーク領域と、
    各軽鎖可変領域別に異なる、軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)及び軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)の組合せとを含み、
    前記VH3-15(配列番号1)の重鎖可変領域のフレームワーク領域は、FR1(配列番号2)、FR2(配列番号3)、FR3(配列番号4)及びFR4(配列番号5)を含み、そして
    Vλ1-51(配列番号31)の軽鎖可変領域のフレームワーク領域は、FR1(配列番号32)、FR2(配列番号33)、FR3(配列番号34)及びFR4(配列番号35)を含む
    ことを特徴とする、抗体又はその断片の集合。
  2. 前記抗体又はその断片の集合が、
    VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域に含まれているフレームワーク領域と;
    各重鎖可変領域別に異なるCDRH1、CDRH2及びCDRH3の組合せと;
    Vκ1-39(配列番号16)、Vκ3-20(配列番号21)、又はVκ3-20-2(配列番号26)の軽鎖可変領域に含まれているフレームワーク領域と;
    各軽鎖可変領域別に異なるCDRL1、CDRL2及びCDRL3の組合せと
    を含む抗体又はその断片をさらに含み、
    前記VH3-23(配列番号6)の重鎖可変領域のフレームワーク領域は、FR1(配列番号7)、FR2(配列番号8)、FR3(配列番号9)及びFR4(配列番号10)を含み、
    前記VH1-69(配列番号11)の配列を有する重鎖可変領域のフレームワーク領域は、FR1(配列番号12)、FR2(配列番号13)、FR3(配列番号14)及びFR4(配列番号15)を含み、
    Vκ1-39(配列番号16)の軽鎖可変領域のフレームワーク領域は、FR1(配列番号17)、FR2(配列番号18)、FR3(配列番号19)及びFR4(配列番号20)を含み、
    Vκ3-20(配列番号21)の配列を有する軽鎖可変領域のフレームワーク領域は、FR1(配列番号22)、FR2(配列番号23)、FR3(配列番号24)及びFR4(配列番号25)を含み、そして
    Vκ3-20-2(配列番号26)の配列を有する軽鎖可変領域のフレームワーク領域は、FR1(配列番号27)、FR2(配列番号28)、FR3(配列番号29)及びFR4(配列番号30)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗体又はその断片の集合。
  3. VH3-15(配列番号1)/Vκ1-39(配列番号16)、VH3-15(配列番号1)/Vλ1-51(配列番号31)、VH3-23(配列番号6)/Vκ1-39(配列番号16)、及びVH3-23(配列番号6)/Vλ1-51(配列番号31)からなる群から選ばれる重鎖及び軽鎖可変領域対に含まれているフレームワーク領域と、
    各重鎖可変領域別に異なるCDRH1、CDRH2及びCDRH3の組合せ及び各軽鎖可変領域別に異なるCDRL1、CDRL2及びCDRL3の組合せとを含むことを特徴とする、請求項2に記載の抗体又はその断片の集合。
  4. 前記VH3-15(配列番号1)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表3の分布比率を有し、
    前記VH3-15(配列番号1)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表4の分布比率を有し、
    前記VH3-23(配列番号6)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表3の分布比率を有し、
    前記VH3-23(配列番号6)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表4の分布比率を有し、
    前記VH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域1(CDRH1)内の位置別アミノ酸比率は、表5の分布比率を有し、
    前記VH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域2(CDRH2)内の位置別アミノ酸比率は、表6の分布比率を有し、
    前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が9個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表7の分布比率を有し、
    前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が10個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表8の分布比率を有し、
    前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が11個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表9の分布比率を有し、
    前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が12個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表10の分布比率を有し、
    前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が13個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表11の分布比率を有し、
    前記VH3-15(配列番号1)、VH3-23(配列番号6)又はVH1-69(配列番号11)の重鎖可変領域における重鎖相補性決定領域3(CDRH3)が14個のアミノ酸である場合、前記CDRH3内の位置別アミノ酸比率は、表12の分布比率を有し、
    前記Vκ1-39(配列番号16)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表13の分布比率を有し、
    前記Vκ1-39(配列番号16)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表14の分布比率を有し、
    前記Vκ1-39(配列番号16)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表15の分布比率を有し、
    前記Vκ3-20(配列番号21)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表16の分布比率を有し、
    前記Vκ3-20(配列番号21)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表17の分布比率を有し、
    前記Vκ3-20(配列番号21)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表18の分布比率を有し、
    前記Vκ3-20-2(配列番号26)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表19の分布比率を有し、
    前記Vκ3-20-2(配列番号26)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表17の分布比率を有し、
    前記Vκ3-20-2(配列番号26)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表18の分布比率を有し、
    前記Vλ1-51(配列番号31)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)内の位置別アミノ酸比率は、表20の分布比率を有し、
    前記Vλ1-51(配列番号31)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)内の位置別アミノ酸比率は、表21の分布比率を有し、及び
    前記Vλ1-51(配列番号31)の軽鎖可変領域における軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)内の位置別アミノ酸比率は、表22の分布比率を有することを特徴とする、請求項3に記載の抗体又はその断片の集合。
  5. 前記断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv、(scFv)、scFv-Fc、及びFvからなる群から選ばれる一つ以上の形態であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその断片の集合。
  6. 次のi)又はii)から選択された一つ以上の特性を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の抗体又はその断片の集合:
    i)10%以下のリダンダンシー(反復配列の比率)
    ii)10以上の多様性(library size)。
  7. 前記抗体又はその断片の集合は、前記抗体又はその断片の集合をコードする核酸が導入されたファージ又は宿主細胞の表面で発現することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体又はその断片の集合。
  8. 前記宿主細胞は、大腸菌又は酵母であることを特徴とする、請求項7に記載の抗体又はその断片の集合。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体又はその断片の集合をコードする核酸。
  10. (a)抗原を、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体又はその断片の集合と接触させる段階;及び(b)前記抗原に結合する一つ以上の抗体又は抗体断片を選択する段階を含む、抗原に対して特異的な抗体又はその断片を同定する方法。
  11. 前記抗体又はその断片の集合は、前記抗体又はその断片の集合をコードする核酸が導入されたファージ又は宿主細胞の表面で発現することを特徴とする、請求項10に記載の抗原に対して特異的な抗体又はその断片を同定する方法。
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