JP7337274B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
本発明は、回転電機に関する。
ロータと、ロータの外径側に配置されたステータと、ステータに巻回されたステータコイルのコイルエンドに冷却液を滴下し、コイルエンドを冷却する冷却構造と、を備えた回転電機が知られている(特許文献1参照)。コイルエンドに冷却液が滴下されると、滴下された冷却液はコイルエンドの円周に沿って下方に向かって流れ、コイルエンドが冷却される。
本願発明者らは、ステータコアのスロットから突出するスロット外導体がスロット内導体に対して周方向一方側に向かって屈曲しているために、コイルエンドに対する冷媒の付着範囲に偏りが生じ、冷媒による冷却性能に影響を与えてしまっているという課題を見出した。
本発明は、コイルエンドに対する冷媒の付着範囲の偏りを抑制し、ステータコイルを効果的に冷却することを目的とする。
本発明の一態様による回転電機は、回転中心軸が水平となるように配置されるロータと、前記ロータと空隙を介して径方向に配置されるステータと、前記ステータを支持しかつ冷媒を流す流路を形成するケースと、を備える。前記ステータは、複数のスロットを有するステータコアと、前記ステータコアに装着されるステータコイルと、を有し、前記ステータコイルは、前記ステータコアの前記スロット内に配置されるスロット内導体と前記スロット外に配置されるスロット外導体と、を有し、前記ケースは、前記スロット外導体に向かって冷媒を流出させる第1流出孔と第2流出孔を形成する。前記ケースが設置された状態において、前記第1流出孔及び前記第2流出孔は、前記スロット外導体の上方に配置され、前記ステータの上部に配置される前記ステータコイルにおける前記スロット内の最も外径側に配置される前記スロット内導体に対する前記スロット外導体の屈曲方向を上部コイル屈曲方向とし、前記水平に対して垂直でありかつ前記回転中心軸を通る直線を垂直線としたとき、前記第1流出孔は、前記垂直線に対して前記上部コイル屈曲方向側に配置され、前記第2流出孔は、前記垂直線に対して前記上部コイル屈曲方向とは反対側に配置され、前記第1流出孔及び前記第2流出孔は、前記第1流出孔と前記回転中心軸とを結ぶ直線と前記垂直線とのなす角度である第1配置角度に比べて、前記第2流出孔と前記回転中心軸とを結ぶ直線と前記垂直線とのなす角度である第2配置角度が大きくなるように形成される。
本発明によれば、コイルエンドに対する冷媒の付着範囲の偏りを抑制し、ステータコイルを効果的に冷却することができる。
図面を参照して、本発明の実施形態に係る回転電機について説明する。本実施形態に係る回転電機は、自動車の走行に使用するのが好適な回転電機である。本実施形態に係る回転電機は、回転電機のみによって走行する純粋な電気自動車、及び、エンジンと回転電機の双方によって駆動されるハイブリッド型の電気自動車のいずれにも適用することができる。また、回転電機は、かご型回転子を備える誘導電動機、または永久磁石を有する回転子を備える同期電動機である。以下、ハイブリッド型の電気自動車に用いられる同期電動機を例に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機を搭載したハイブリッド型電気自動車の概略構成を示す図である。電気自動車(車両とも記す)は、エンジンENG、第1の回転電機100A及び第2の回転電機100Bを備える。なお、第1の回転電機100A及び第2の回転電機100Bを総称して、回転電機100とも記す。エンジンENGと第1の回転電機100Aによって発生する動力は、変速機TMにより変速され、前輪FWに伝達される。また、第2の回転電機100Bによって発生する動力は、後輪RWに伝達される。
回転電機100は、車両の走行状態に応じて、駆動力を発生する力行運転と、エネルギーを回収する回生運転を行う。回転電機100の駆動、発電動作は、車両の運転状況に応じて、トルク及び回転数が最適になるように電力変換装置INVにより制御される。回転電機100の駆動に必要な電力は、電力変換装置INVを介してバッテリBATから供給される。また、回転電機100が発電動作のときは、電力変換装置INVを介してバッテリBATに電気エネルギーが充電される。
回転電機100の構造について図面を参照して説明する。第1の回転電機100Aと第2の回転電機100Bとはほぼ同様の構造であるため、以下、第1の回転電機100Aの構造を代表例として説明する。なお、以下に示す構造は、第1の回転電機100A及び第2の回転電機100Bの双方に採用されている必要はなく、一方だけに採用されていてもよい。また、以下の説明において、「軸方向」、「周方向」、「径方向」とは、次のとおりである。「軸方向」とは、回転電機100(ロータ150)の回転中心軸Caに沿う方向である。なお、回転中心軸Caは、円筒形状のステータ130の中心軸と一致する。「周方向」とは、回転電機100の回転方向(ロータ150の回転方向)に沿う方向、すなわち回転中心軸Caに直交しかつ回転中心軸Caを中心とする円周方向である。「径方向」とは、回転電機100の回転中心軸Caに直交しかつ回転中心軸Caを中心とする放射方向、すなわち半径方向である。また、「内周側」は径方向内側(内径側)を指し、「外周側」はその逆方向、すなわち径方向外側(外径側)のことを指す。
図2は、本発明の実施形態に係る回転電機100の構成を示す側面断面図である。図2では、回転電機100の一部分を断面とすることで、回転電機100の内部を示している。図3は、回転電機100の斜視図であり、ケース110の図示を省略している。図4は、ステータコア132及びロータコア152の平面断面図であり、回転電機100を軸方向からみた断面を示す。
図2に示すように、回転電機100は、回転可能に設けられるロータ150と、ロータ150と空隙を介して径方向外側に配置されるステータ130と、ステータ130を支持する(固定する)ケース110と、を備える。
回転電機100は、永久磁石埋込型の三相同期電動発電機である。回転電機100は、ステータコア132に巻回されるステータコイル138に三相交流電流が供給されることで、ロータ150を回転させる電動機として作動する。また、回転電機100は、エンジンENGによって駆動されることにより、発電機として作動して三相交流の発電電力を出力する。
ケース110は、ケース本体112と、エンドブラケット111と、を有する。ケース本体112は、一端が開口とされた有底円筒状の部材であって、円筒部113と底部114とを有する。エンドブラケット111は、ケース本体112の開口(円筒部113の開口)を塞ぐようにケース本体112に取り付けられる。エンドブラケット111及びケース本体112の底部114には、シャフト118が挿通される挿通孔111a,114aが設けられる。エンドブラケット111の挿通孔111aには第1軸受14Aが設けられ、ケース本体112の底部114の挿通孔114aには第2軸受14Bが設けられる。なお、ケース110は、軸方向両端が開口とされたセンターブラケットと、センターブラケットを軸方向に挟持する一対のエンドブラケットと、により構成してもよい。換言すれば、ケース本体112の円筒部113と底部114とを別部材として、ボルト等により双方の部材を接続する構成としてもよい。
ケース110には、車両の車体の支持部材9に取り付けられる取付部110aが設けられている。車体の支持部材9は、例えば、変速機TMのケースに設けられる支持部材、エンジンENGのケースに設けられる支持部材、または、変速機TMとエンジンENGの間に設けられる支持部材である。取付部110aがボルト等により支持部材9に締結されることにより、回転電機100が車両に取り付けられる。なお、ケース110は、変速機TM、またはエンジンENGのケースの一部を構成するようにしてもよい。
ロータ150は、シャフト118に固定されている。シャフト118は、円柱状または円筒状の部材である。シャフト118が第1軸受14Aと第2軸受14Bによって支承されることにより、ロータ150がステータコア132の内側で回転可能に保持される。ロータ150は、回転中心軸Caが水平となるように配置される。つまり、ケース110の取付部110aは、支持部材9に取り付けられたときに、回転中心軸Caが水平に配置されるように形成される。
ケース本体112の円筒部113には、液状の冷媒を流す流路としての冷媒通路121が形成されている。つまり、ケース本体112は、冷媒通路121を形成する流路形成部材である。本実施形態では、冷媒通路121は、高さ(径方向長さ)に比べて幅(軸方向長さ)が大きい矩形断面形状であって、円筒部113の周方向に沿って螺旋状に形成されている。
冷媒は、100℃の動粘度が、4~24[mm2/s]のオイルである。本実施形態では、冷媒は、変速機TM内の部品(動力伝達部等)の潤滑、冷却に用いられるATF(オートマチックトランスミッションフルード)である。
冷媒は、回転電機100の下部の冷媒溜まり(不図示)からポンプ(不図示)によって吸引され、冷媒通路121を経由して、ケース110の上部に形成された第1流出孔122A及び第2流出孔122B(図10参照)から流出され、冷媒溜まりに戻る。回転電機100においては、ステータコイル138が主要な発熱部分であり、ステータコイル138で発生した熱は、ステータコア132を介してケース110に伝達され、ケース110の冷媒通路121を流通する冷媒により、放熱される。また、本実施形態では、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bから冷媒をステータコイル138のコイルエンド139に滴下し、コイルエンド139に付着させることにより、ステータコイル138を直接冷却する。第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの詳細については、後述する。なお、図示しないが、冷媒は、空冷式または水冷式の熱交換器(オイルクーラ)により冷却される。
図2及び図3に示すように、ステータ130は、円筒状のステータコア132と、ステータコア132に装着されるステータコイル138と、を有する。図4に示すように、ステータコア132の内周部には、ステータコア132の中心軸方向に平行な複数(本実施形態では72個)のスロット133が形成され、スロット133にはステータコイル138(図2、図3及び図5参照)を構成するU相、V相、W相の複数の相巻線が装着される。複数のスロット133は、ステータコア132の円周方向に等間隔で形成される。
スロット133間にはティース134が形成される。本実施形態では、複数のティース134が、環状のコアバック135と一体となっている。つまり、ステータコア132は、複数のティース134とコアバック135とが一体成形された一体型コアである。ティース134は径方向の磁路を形成し、コアバック135は周方向の磁路を形成する。ティース134は、ステータコイル138によって発生した回転磁界をロータ150に導き、ロータ150に回転トルクを発生させる。
ステータコア132は、例えば、円環形状の電磁鋼板を複数枚積層することにより形成される。ステータコア132は、円筒部(図2参照)113の内側に焼嵌め、圧入等により嵌合固定される。
図2及び図4に示すように、ロータ150は、ロータコア152と、ロータコア152に固定される複数の永久磁石154と、を備える。ロータコア152は、例えば、円環形状の電磁鋼板を複数枚積層することにより形成される。永久磁石154は、ロータ150の界磁極を形成する。永久磁石154には、ネオジウム系、サマリウム系の焼結磁石、フェライト磁石、ネオジウム系のボンド磁石などを用いることができる。
ロータコア152には、直方体形状の磁石挿入孔が外周部近傍において周方向に等間隔で形成されており、各磁石挿入孔には永久磁石154が埋め込まれ、接着剤などで固定されている。磁石挿入孔の周方向の幅は、永久磁石154の周方向の幅よりも大きい。永久磁石154の周方向両端と磁石挿入孔の周方向両端との間には磁気的空隙156が形成される。この磁気的空隙156には接着剤を埋め込んでもよいし、樹脂で永久磁石154と一体に固めてもよい。
永久磁石154の磁化方向は径方向を向いており、界磁極毎に磁化方向の向きが反転している。つまり、ある磁極を形成するための永久磁石154のステータ130側の面がN極、シャフト118側の面がS極に磁化されていたとすると、隣の磁極を形成する永久磁石154のステータ130側の面はS極、シャフト118側の面はN極に磁化されている。
本実施形態では、磁極を形成する各永久磁石154間に補助磁極159が形成されている。この補助磁極159は、ステータコイル138が発生するq軸の磁束の磁気抵抗が小さくなるように作用する。補助磁極159により、q軸の磁束の磁気抵抗がd軸の磁束の磁気抵抗に比べて非常に小さくなるため、大きなリラクタンストルクが発生する。
図2及び図5~図8を参照して、ステータコイル138について説明する。図5は、三相分のステータコイル138を示す斜視図である。図6Aは、ステータコア132に巻回されるU相のステータコイル138の斜視図であり、U1相及びU2相のステータコイル138について示す。図6Bは、ステータコア132に巻回されるU1相のステータコイル138の斜視図である。ステータコア132には、ステータコイル138が分布巻きで(波巻き)巻き回されている。分布巻きとは、複数のスロット133を跨いで離間した二つのスロット133に相巻線が収納されるように、相巻線がステータコア132に巻かれる巻線方式である。
ステータコイル138は、ステータコア132のスロット133内に配置されるスロット内導体137と、ステータコア132の両端からスロット133外に突出して配置されるスロット外導体であるコイルエンド139と、を有する。ステータコイル138には、各スロット133内でステータコイル138の長方形断面が周方向の長さに比べて、径方向の長さが長い平角線(図7(d)参照)が使用されている。なお、平角線は、外周が絶縁被膜で覆われている。
ステータコイル138は、図6A、図6B及び図7に示すように、U字形状の複数のセグメント導体140が互いに接続されることで形成されるセグメント型コイルである。図6A及び図6Bに示すように、セグメント導体140は、中央部140cがステータ130の軸方向一方のコイルエンド139を構成し、両側の端部140eが溶接されてステータ130の軸方向他方のコイルエンド139を構成する。
図5に示すように、ステータコイル138は、全体で6系統(U1,U2,V1,V2,W1,W2)のコイルがステータコア132に密着して装着されている。ステータコイル138を構成する6系統のコイルは、スロット133によって相互に適正な間隔をもって配列される。
ステータコイル138における一方のコイルエンド139には、UVW三相それぞれのステータコイル138の入出力用のコイル導体である交流端子41(U),42(V),43(W)と、中性点結線用導体40と、が引き出されている。ステータ130は、交流端子41(U),42(V),43(W)を介して電力変換装置INVに接続される。交流端子41(U),42(V),43(W)の両側には中性点結線用導体40が配置される。中性点結線用導体40は、U1相の巻き終わりとなるU1相中性線とV1相の巻き終わりとなるV1相中性線とW1相の巻き終わりとなるW1相中性線で構成され、予め溶接されている。U2,V2,W2相も同様である。
図7は、セグメント導体140をステータコア132に装着する工程を説明するための模式図である。なお、図7(d)において、セグメント導体140とスロット133との間に配置される絶縁紙(スロットライナー)の図示は省略している。図8は、ステータコア132のスロット133に挿入されたセグメント導体140の位置を説明するための模式図である。本実施の形態では、電気角360度にスロット133が12個配置されており、例えば、図8のスロット番号01からスロット番号12までが2極分に相当する。そのため、毎極スロット数は6、毎極毎相スロット数NSPPは2(=6/3)である。各スロット133には、ステータコイル138のセグメント導体140が4本ずつ挿通されている。セグメント導体140を表す矩形枠の中には、ステータコア132の一方側から反対側への方向を示すクロス印「×」、その逆の方向を示す黒丸印「●」をそれぞれ記した。なお、U相のセグメント導体140については、周回巻線を表す符号U11~U24で示し、V相及びW相のセグメント導体140に関しては、相を表す符号V,Wで示した。
図7(a)に示すように、セグメント導体140は、直線状に延在する一対の脚部141a,141bと、一対の脚部141a,141b同士を接続する頭頂部142とを有する略U字形状に形成されている。頭頂部142は、一対の傾斜部143a,143bと、一対の傾斜部143a,143b同士を連結する屈曲部144とを有している。頭頂部142の両端部と一対の脚部141a,141bとの間は、導体が屈曲された屈曲部145とされている。つまり、頭頂部142と脚部141a,141bとは屈曲部145により連結されている。傾斜部143a,143bは、軸方向に平行な脚部141a,141bに対して所定の角度で傾斜している。
セグメント導体140同士を接続して各相巻線を形成する場合、図7(a)に示すように、セグメント導体140の一対の脚部141a,141bを、ステータコア132の軸方向一方の側から異なるスロット133にそれぞれ挿入する。その後、図7(b)に示すように、ステータコア132の軸方向他方の側に突出した脚部141a,141bを、接続すべきセグメント導体方向に折り曲げて、図7(c)に示すように、脚部141a,141bの端部140eを別のセグメント導体140の端部140eに溶接する。
セグメント導体140同士を接続する部分を接続部149と記す。接続部149は、一対の傾斜部147a,147bと、傾斜部147a,147bのそれぞれに設けられる端部140eとを有している。端部140eは、軸方向に平行となるように傾斜部147aの先端部が折り曲げられることにより形成される。傾斜部143a,143bは、屈曲部146を介して脚部141a,141bに接続されている。屈曲部146は、一対の脚部141a,141bの端部がそれぞれ互いに離隔するように周方向外側に折り曲げられることにより形成される。傾斜部147a,147bは、傾斜部143a,143bと同様、軸方向に平行な脚部141a,141bの直線部分に対して所定の角度で傾斜している。端部140eの絶縁被膜は、溶接前に除去される。
各セグメント導体140が端部140eで溶接され、ステータコイル138としてステータコア132に装着されると、図7(d)に示すように、各セグメント導体140の一対の脚部141a,141bの直線部分は、スロット133内に配置される。このため、スロット133内に配置される脚部141a,141bの直線部分が、ステータコイル138におけるスロット内導体137に相当する。
図8に示すように、ステータコア132の各スロット133内には、複数(4つ)のスロット内導体137が層状に配置されている。本実施形態では、スロット133内に4つの導体挿通空間が設けられている。各導体挿通空間について、径方向の内周側(図示下側)から外周側(図示上側)に向かって順に第1レイヤ(L1)、第2レイヤ(L2)、第3レイヤ(L3)、第4レイヤ(L4)と記す。図7(d)に示すように、セグメント導体140には、一対の脚部141a,141bの一方の脚部141bが第1レイヤ(L1)に挿通され他方の脚部141aが第2レイヤ(L2)に挿通されるものと、一対の脚部141a,141bの一方の脚部141bが第3レイヤ(L3)に挿通され他方の脚部141aが第4レイヤ(L4)に挿通されるものとがある。
図2に示すように、ステータコア132の軸方向一方(図示左方)の外側に突出し、ステータコア132から露出するコイルエンド(スロット外導体)139であって、頭頂部142(図7参照)を有するコイルエンド139を屈曲コイルエンド139Bとも記す。
ステータコア132の軸方向他方(図示右方)の外側に突出し、ステータコア132から露出するコイルエンド(スロット外導体)139であって、接続部149(図7参照)を有するコイルエンド139を溶接コイルエンド139Aとも記す。なお、図3に示すように、コイルエンド139は、ステータコア132の周方向に重なるようにして配置されるため、回転電機100の軸方向長さを短くすることができる。
ステータコア132の軸方向他方(図示右方)の外側に突出し、ステータコア132から露出するコイルエンド(スロット外導体)139であって、接続部149(図7参照)を有するコイルエンド139を溶接コイルエンド139Aとも記す。なお、図3に示すように、コイルエンド139は、ステータコア132の周方向に重なるようにして配置されるため、回転電機100の軸方向長さを短くすることができる。
図9及び図10を参照して、コイルエンド139に向かって冷媒を流出させる流出孔122A,122Bについて詳しく説明する。図9及び図10は、車体に取り付けられた状態の回転電機100の平面図(上面図)及び軸方向から見た側面図(一部断面図)である。図9は、図2のIX方向から見た回転電機100を示す図であり、図9では、ケース本体112を二点鎖線で示し、溶接コイルエンド139Aの一部を拡大して示している。図10は、溶接コイルエンド139Aを軸方向から見た図であり、図10では、図2のX-X線でのケース110の切断断面を示し、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを拡大して示している。
図9に示すように、ケース本体112の軸方向一端側(屈曲コイルエンド139B側)及び軸方向他端側(溶接コイルエンド139A側)のそれぞれに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bが設けられている。なお、ケース本体112の軸方向一端側の冷媒流出孔は第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの計2つのみであり、第1流出孔122A及び第2流出孔122B以外に屈曲コイルエンド139B側に向かって冷媒を滴下する冷媒流出孔は存在しない。同様に、ケース本体112の軸方向他端側の冷媒流出孔は第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの計2つのみであり、第1流出孔122A及び第2流出孔122B以外に溶接コイルエンド139Aに向かって冷媒を滴下する冷媒流出孔は存在しない。第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、ケース本体112の軸方向一端側(屈曲コイルエンド139B側)及び軸方向他端側(溶接コイルエンド139A側)のそれぞれに設けられるが、同様の構成である。このため、以下では、溶接コイルエンド139Aに向けて冷媒を滴下する第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを代表して説明する。
図9及び図10は、ケース110の取付部110aが車体の支持部材9に取り付けられ(図2参照)、ケース110が車体の所定位置に設置された状態を示している。図9及び図10に示すように、ケース110が設置された状態において、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、コイルエンド139の上方に配置される。第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、円形断面状であり、ケース110(円筒部113)の内周面115から冷媒通路121に亘って径方向に貫通する貫通孔であり、ケース110の内部空間と冷媒通路121とを連通する。第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、冷媒通路121からコイルエンド139に向かって冷媒を流出させる。
図9に示すように、溶接コイルエンド139Aの最外周部を構成する導体(傾斜部147a)は、スロット内導体137(脚部141a)に対して屈曲部146で周方向一方側に向かって屈曲している。また、屈曲コイルエンド139Bの最外周部を構成する導体(傾斜部143a)は、スロット内導体137(脚部141a)に対して屈曲部145で周方向他方側に向かって屈曲している。
以下の説明では、ステータ130の上部に配置されるコイルエンド139の最外周部を構成する導体におけるスロット内導体に対するスロット外導体の屈曲方向を上部コイル屈曲方向と記す。より具体的には、上部コイル屈曲方向とは、ステータ130を上方から見たときに、ステータ130の上部(例えば、最上部)に配置されるステータコイル138(拡大図参照)におけるスロット133内の最も外径側に配置されるスロット内導体(図7に示すセグメント導体140の脚部141aの直線部分に相当)に対するスロット外導体(図7に示すセグメント導体140の傾斜部143a,147aに相当)の屈曲方向である。つまり、溶接コイルエンド139Aにおける上部コイル屈曲方向とは、セグメント導体140における脚部141aに対する傾斜部147aの屈曲方向であり、屈曲コイルエンド139Bにおける上部コイル屈曲方向とは、セグメント導体140における脚部141aに対する傾斜部143aの屈曲方向である。このため、溶接コイルエンド139Aの上部コイル屈曲方向Daは、図示左方向であり、屈曲コイルエンド139Bの上部コイル屈曲方向Dbは、図示右方向である。また、図10に示すように、水平に対して垂直でありかつ回転中心軸Caを通る直線(鉛直線)を垂直線VLとする。
図9及び図10に示すように、第1流出孔122Aは、垂直線VLに対して上部コイル屈曲方向Da側(図示左側)に配置され、第2流出孔122Bは、垂直線VLに対して上部コイル屈曲方向Daとは反対側(図示右側)に配置される。図10に示すように、回転中心軸Caを原点、回転中心軸Caを通る水平線(水平面に平行な線)HLをX軸、垂直線VLをY軸とした座標系において、図示するように反時計方向(すなわち、第4レイヤL4に配置されるスロット内導体137(脚部141a)に対してスロット外導体(傾斜部147a)が傾斜する周方向一方)に、第1象限、第2象限、第3象限及び第4象限に区分した場合、第1流出孔122Aは第2象限に配置され、第2流出孔122Bは第1象限に配置される。
上述したように、ステータコア132のスロット133から突出するスロット外導体(傾斜部147a)はスロット内導体137に対して周方向一方(図示反時計方向)に向かって屈曲している。第1流出孔122A及び第2流出孔122Bからコイルエンド139の最外周部に滴下された冷媒は、最外周部のコイル導体(傾斜部147a)に沿って流れる。このため、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bが、垂直線VLに対して左右対称に配置されている場合、コイルエンド139に対する冷媒の付着範囲に偏りが生じるおそれがある。そこで、本実施形態では、第1流出孔122Aと第2流出孔122Bを垂直線VLに対して左右非対称に配置することにより、冷媒の付着範囲の偏りを低減する。
図10に示すように、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、垂直線VLを基準とした第1流出孔122Aの配置角度(以下、第1配置角度θaとも記す)に比べて、第2流出孔122Bの配置角度(以下、第2配置角度θbとも記す)が大きくなるように形成される。なお、第1配置角度θaとは、第1流出孔122Aの冷媒出口部中心と回転中心軸Caとを結ぶ直線(線分)Laと垂直線VLにおける回転中心軸Caから上方に延在する半直線とのなす角度(鋭角)に相当する。また、第2配置角度θbとは、第2流出孔122Bの冷媒出口部中心と回転中心軸Caとを結ぶ直線(線分)Lbと垂直線VLにおける回転中心軸Caから上方に延在する半直線とのなす角度(鋭角)に相当する。つまり、第1配置角度θa及び第2配置角度θbは、垂直線VLに近いほど、その値が小さくなる。
また、別の言い方をすれば、図9に示すように、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、第1流出孔122Aの冷媒出口部中心と回転中心軸Ca(または垂直線VL)との間の水平方向距離Xaに比べて、第2流出孔122Bの冷媒出口部中心と回転中心軸Ca(または垂直線VL)との間の水平方向距離Xbが大きくなるように形成される。
図10に示すように、本実施形態では、第1配置角度θaは30度であり、第2配置角度θbは40度である。なお、第1配置角度θa及び第2配置角度θbは、冷媒の動粘度に応じて種々の角度に設定することができるが、第1配置角度θaと第2配置角度θbとの角度差Δθ(θb-θa)が、少なくともスロットピッチ角(本実施形態では、360/72=5度)以上となるように設定することが好ましい。また、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、水平線HL(X軸)に近い位置に設けられると、コイルエンド139の上部の冷却が効果的にできないため、第1配置角度θa及び第2配置角度θbは、45度以下に設定することが好ましい。このため、第1配置角度θaと第2配置角度θbの角度差Δθは、5度以上であって15度以下となるように、第1配置角度θa及び第2配置角度θbを設定することが好ましい。
図9に示すように、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、ステータ130を上方(真上)から見たときに、コイルエンド139と重なる位置に設けられる。すなわち、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの冷媒出口部を通る鉛直軸上にコイルエンド139が配置されている。また、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、コイルエンド139の軸方向端部よりもステータコア132の端面132aに近い位置に形成される。すなわち、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの冷媒出口部中心からステータコア132の端面132aまでの軸方向距離Z1は、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの冷媒出口部中心からコイルエンド139の軸方向端部までの軸方向距離Z2よりも短い(Z1<Z2)。なお、軸方向距離Z2は、溶接コイルエンド139Aにおいては、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの冷媒出口部中心と端部140eの先端との間の距離であり、屈曲コイルエンド139Bにおいては、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの冷媒出口部中心と屈曲部144の先端との間の距離である。このように、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bをステータコア132寄りに形成することにより、コイルエンド139だけでなく、ステータコア132の端面132aを冷媒によって効果的に冷却することができる。
図11Aは、本実施形態に係る回転電機100における溶接コイルエンド139Aに対する冷媒の付着範囲について示す図であり、図11Bは、本実施形態の比較例に係る回転電機900における溶接コイルエンド139Aに対する冷媒の付着範囲について示す図である。なお、図11A及び図11Bは、溶接コイルエンド139Aを軸方向から見た回転電機の側面模式図である。本実施形態の比較例に係る回転電機900は、第2流出孔922Bの位置のみが本実施形態に係る回転電機100と異なっている。比較例に係る回転電機900では、第1流出孔122A及び第2流出孔922Bが、垂直線VLに対して線対称に設けられている。
図11A及び図11Bでは、同一条件で行われたコンピュータシミュレーションの結果から得られる、冷媒が付着されていない範囲である非付着範囲191,192,991,992をハッチング部(斜線部)で模式的に示している。図11A及び図11Bに示すように、シミュレーションにより、回転電機100及び回転電機900の双方において、コイルエンド139の上部及び側部(図示右部)に、非付着範囲191,192,991,992が存在することが確認された。つまり、回転電機100及び回転電機900の双方において、コイルエンド139の図示左部に比べて図示右部における冷媒の付着範囲が小さく、コイルエンド139左右側部での冷媒の付着範囲に偏りが生じていることが確認された。
本実施形態に係る溶接コイルエンド139Aの上部における非付着範囲191は、比較例に係る溶接コイルエンド139Aの上部における非付着範囲991に比べて大きいが、本実施形態に係る溶接コイルエンド139Aの側部における非付着範囲192は、比較例に係る溶接コイルエンド139Aの側部における非付着範囲992に比べて小さい。なお、コイルエンド139上部の非付着範囲191と非付着範囲991との差に比べて、コイルエンド139側部の非付着範囲192と非付着範囲992との差が大きいため、本実施形態に係る回転電機100の総非付着面積は、比較例に係る回転電機900の総非付着面積よりも小さい。
本実施形態では、シミュレーションにより、回転電機100のコイルエンド139に対する冷媒の総付着範囲が、回転電機900のコイルエンド139の冷媒の総付着範囲に比べて20%程度拡大することが確認された。
図9に示すように、溶接コイルエンド139Aの上部コイル屈曲方向Daは左方向であるため、溶接コイルエンド139Aに滴下された冷媒は、左方向に流れやすい。このため、図11Bに示すように、垂直線VLに対して左右対称に第1流出孔122A及び第2流出孔922Bが配置されている回転電機900では、第2流出孔922Bから流出された冷媒が、溶接コイルエンド139Aの最外周部の導体に沿って左方向に流れやすく、右側の非付着範囲992が大きくなっている(図11A参照)。つまり、比較例では、垂直線VLを基準として、上部コイル屈曲方向Da側に冷媒が付着する範囲に比べて、上部コイル屈曲方向Daとは反対側に冷媒が付着する範囲が小さく、付着範囲が左右で大きく偏っている。
これに対して、本実施形態では、比較例に比べて、第1流出孔122Aの垂直線VLを基準とした線対称位置よりも上部コイル屈曲方向Da(すなわち冷媒が誘導される方向)とは反対の方向にずれた位置に第2流出孔122Bが配置されているため、溶接コイルエンド139Aの右側側部の非付着範囲192を低減し、溶接コイルエンド139Aの左右側部での冷媒の付着範囲の偏りを比較例に比べて抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、溶接コイルエンド139Aの全体に対する冷媒の付着面積を増加させることができ、溶接コイルエンド139Aを効果的に冷却することができる。
溶接コイルエンド139Aを代表して説明したが、屈曲コイルエンド139Bに冷媒を滴下する第1流出孔122A及び第2流出孔122Bについても同様の構成である。なお、図9に示すように、屈曲コイルエンド139Bにおける上部コイル屈曲方向Dbは、図示右方向であり、溶接コイルエンド139Aにおける上部コイル屈曲方向Daと逆向きである。このため、回転電機100を上方から見たときに、屈曲コイルエンド139B側の第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、溶接コイルエンド139A側の第1流出孔122A及び第2流出孔122Bと左右反対の配置構成となっている。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)回転電機100は、回転中心軸Caが水平となるように配置されるロータ150と、ロータ150と空隙を介して径方向に配置されるステータ130と、ステータ130を支持しかつ冷媒を流す冷媒通路(流路)121を形成するケース110と、を備える。
ステータ130は、複数のスロット133を有するステータコア132と、ステータコア132に装着されるステータコイル138と、を有する。ステータコイル138は、ステータコア132のスロット133内に配置されるスロット内導体137とスロット外に配置されるコイルエンド(スロット外導体)139と、を有する。ケース110は、コイルエンド(スロット外導体)139に向かって冷媒を流出させる第1流出孔122Aと第2流出孔122Bを形成する。ケース110が設置された状態において、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、コイルエンド(スロット外導体)139の上方に配置され、ステータ130の上部に配置されるステータコイル138におけるスロット133内の最も外径側に配置されるスロット内導体137に対するコイルエンド(スロット外導体)139の屈曲方向を上部コイル屈曲方向とし、水平に対して垂直でありかつ回転中心軸Caを通る直線を垂直線VLとしたとき、第1流出孔122Aは、垂直線VLに対して上部コイル屈曲方向側に配置され、第2流出孔122Bは、垂直線VLに対して上部コイル屈曲方向とは反対側に配置される。第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、第1流出孔122Aと回転中心軸Caとを結ぶ直線Laと垂直線VLとのなす角度である第1配置角度θaに比べて、第2流出孔122Bと回転中心軸Caとを結ぶ直線Lbと垂直線VLとのなす角度である第2配置角度θbが大きくなるように形成される。
ステータ130は、複数のスロット133を有するステータコア132と、ステータコア132に装着されるステータコイル138と、を有する。ステータコイル138は、ステータコア132のスロット133内に配置されるスロット内導体137とスロット外に配置されるコイルエンド(スロット外導体)139と、を有する。ケース110は、コイルエンド(スロット外導体)139に向かって冷媒を流出させる第1流出孔122Aと第2流出孔122Bを形成する。ケース110が設置された状態において、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、コイルエンド(スロット外導体)139の上方に配置され、ステータ130の上部に配置されるステータコイル138におけるスロット133内の最も外径側に配置されるスロット内導体137に対するコイルエンド(スロット外導体)139の屈曲方向を上部コイル屈曲方向とし、水平に対して垂直でありかつ回転中心軸Caを通る直線を垂直線VLとしたとき、第1流出孔122Aは、垂直線VLに対して上部コイル屈曲方向側に配置され、第2流出孔122Bは、垂直線VLに対して上部コイル屈曲方向とは反対側に配置される。第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、第1流出孔122Aと回転中心軸Caとを結ぶ直線Laと垂直線VLとのなす角度である第1配置角度θaに比べて、第2流出孔122Bと回転中心軸Caとを結ぶ直線Lbと垂直線VLとのなす角度である第2配置角度θbが大きくなるように形成される。
このように、本実施形態では、第1流出孔122Aの垂直線VLを基準とした線対称位置よりも第2流出孔122Bが上部コイル屈曲方向(すなわち冷媒が誘導される方向)Da,Dbとは反対の方向にずれた位置に配置されている。このため、コイルエンド139における上部コイル屈曲方向Da,Dbとは反対側の側部の付着範囲を増加させることができる。これにより、垂直線VLを基準としたコイルエンド139の左右側部に対する冷媒の付着範囲の偏りを抑制し、コイルエンド139の全体に対する冷媒の付着面積を増加させることができ、ステータコイル138を効果的に冷却することができる。本実施形態によれば、冷却性能の向上により、ステータコイル138への供給電流の増加が可能となるため、回転電機100の出力の向上及び効率の改善を図ることができる。
(2)第1流出孔122A及び第2流出孔122Bは、コイルエンド(スロット外導体)139の軸方向端部よりもステータコア132の端面132aに近い位置に形成される。コイルエンド139の軸方向端部よりもステータコア132寄りに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを配置することにより、ステータコア132の端面132aを冷却しつつ、コイルエンド139を冷却することができる。つまり、この構成によれば、ステータコア132の端部を効果的に冷却することができる。
(3)冷媒は、100℃の動粘度が、4~24[mm2/s]のオイルである。このため、コイルエンド139の腐食を抑制しつつ、コイルエンド139を直接冷却することにより、ステータコイル138を効果的に冷却することができる。
(4)第1配置角度θaと第2配置角度θbの角度差Δθは、5度以上であって15度以下である。これにより、コイルエンド139の上部の冷媒付着範囲の減少を抑えつつ、コイルエンド139の側部の冷媒付着範囲を効果的に増加させることができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bがステータコア132の端面132a寄りに形成される例について説明したが、コイルエンド139の軸方向端部寄りに形成してもよい。なお、上述したように、ステータコア132の端面132a寄りに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを形成することにより、コイルエンド139とともにステータコア132の端面132aを冷媒により直接冷却することができるため好適である。
上記実施形態では、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bがステータコア132の端面132a寄りに形成される例について説明したが、コイルエンド139の軸方向端部寄りに形成してもよい。なお、上述したように、ステータコア132の端面132a寄りに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを形成することにより、コイルエンド139とともにステータコア132の端面132aを冷媒により直接冷却することができるため好適である。
<変形例2>
上記実施形態では、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの断面形状(冷媒の流れに直交する流路断面の形状)が円形である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの断面形状は、楕円形状、多角形状、あるいは不規則形状であってもよい。
上記実施形態では、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの断面形状(冷媒の流れに直交する流路断面の形状)が円形である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1流出孔122A及び第2流出孔122Bの断面形状は、楕円形状、多角形状、あるいは不規則形状であってもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、ステータコイル138が、断面形状が矩形状の平角線である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ステータコイル138の断面形状は、三角形及び五角形等の多角形状、円形状、楕円形状、あるいは不規則形状であってもよい。
上記実施形態では、ステータコイル138が、断面形状が矩形状の平角線である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ステータコイル138の断面形状は、三角形及び五角形等の多角形状、円形状、楕円形状、あるいは不規則形状であってもよい。
<変形例4>
上記実施形態では、ケース本体112の軸方向一端側(屈曲コイルエンド139B側)及び軸方向他端側(溶接コイルエンド139A側)のそれぞれに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bが設けられている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ケース本体112の軸方向一端側(屈曲コイルエンド139B側)のみに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを設けてもよいし、ケース本体112の軸方向他端側(溶接コイルエンド139A側)のみに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを設けてもよい。
上記実施形態では、ケース本体112の軸方向一端側(屈曲コイルエンド139B側)及び軸方向他端側(溶接コイルエンド139A側)のそれぞれに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bが設けられている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ケース本体112の軸方向一端側(屈曲コイルエンド139B側)のみに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを設けてもよいし、ケース本体112の軸方向他端側(溶接コイルエンド139A側)のみに第1流出孔122A及び第2流出孔122Bを設けてもよい。
<変形例5>
セグメント導体140の配置構成(図8参照)は、上記実施形態で説明したものに限定されない。また、ステータコア132のスロット133の数についても、上記実施形態で説明したものに限定されない。
セグメント導体140の配置構成(図8参照)は、上記実施形態で説明したものに限定されない。また、ステータコア132のスロット133の数についても、上記実施形態で説明したものに限定されない。
<変形例6>
上記実施形態では、スロット133に4つのレイヤ(L1,L2,L3,L4)が形成される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スロット133に2つのレイヤが形成されるステータ、あるいは、6つ以上のレイヤが形成されるステータを備える回転電機に本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、スロット133に4つのレイヤ(L1,L2,L3,L4)が形成される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スロット133に2つのレイヤが形成されるステータ、あるいは、6つ以上のレイヤが形成されるステータを備える回転電機に本発明を適用してもよい。
<変形例7>
上記実施形態では、ステータコイル138がステータコア132に波巻きで巻き回される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ステータコイル138が重ね巻きでステータコア132に巻き回された回転電機に本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、ステータコイル138がステータコア132に波巻きで巻き回される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ステータコイル138が重ね巻きでステータコア132に巻き回された回転電機に本発明を適用してもよい。
<変形例8>
上記実施形態では、回転電機100が車両に搭載される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。回転中心軸Caが水平となるように、回転電機100が機械に設置される場合に本発明を適用できる。
上記実施形態では、回転電機100が車両に搭載される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。回転中心軸Caが水平となるように、回転電機100が機械に設置される場合に本発明を適用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100…回転電機、110…ケース、112…ケース本体、113…円筒部、121…冷媒通路(流路)、122A…第1流出孔、122B…第2流出孔、130…ステータ、132…ステータコア、132a…ステータコアの端面、133…スロット、137…スロット内導体、138…ステータコイル、139…コイルエンド(スロット外導体)、139A…溶接コイルエンド、139B…屈曲コイルエンド、140…セグメント導体、150…ロータ、152…ロータコア、153…冷媒通路、Ca…回転中心軸、Da…溶接コイルエンドの上部コイル屈曲方向、Db…屈曲コイルエンドの上部コイル屈曲方向、HL…水平線、L1…第1レイヤ、L2…第2レイヤ、L3…第3レイヤ、L4…第4レイヤ、TM…変速機、VL…垂直線、θa…第1配置角度、θb…第2配置角度、Δθ…角度差
Claims (4)
- 回転中心軸が水平となるように配置されるロータと、
前記ロータと空隙を介して径方向に配置されるステータと、
前記ステータを支持しかつ冷媒を流す流路を形成するケースと、を備え、
前記ステータは、複数のスロットを有するステータコアと、前記ステータコアに装着されるステータコイルと、を有し、
前記ステータコイルは、前記ステータコアの前記スロット内に配置されるスロット内導体と前記スロット外に配置されるスロット外導体と、を有し、
前記ケースは、前記スロット外導体に向かって冷媒を流出させる第1流出孔と第2流出孔を形成し、
前記ケースが設置された状態において、
前記第1流出孔及び前記第2流出孔は、前記スロット外導体の上方に配置され、
前記ステータの上部に配置される前記ステータコイルにおける前記スロット内の最も外径側に配置される前記スロット内導体に対する前記スロット外導体の屈曲方向を上部コイル屈曲方向とし、前記水平に対して垂直でありかつ前記回転中心軸を通る直線を垂直線としたとき、
前記第1流出孔は、前記垂直線に対して前記上部コイル屈曲方向側に配置され、
前記第2流出孔は、前記垂直線に対して前記上部コイル屈曲方向とは反対側に配置され、
前記第1流出孔及び前記第2流出孔は、前記第1流出孔と前記回転中心軸とを結ぶ直線と前記垂直線とのなす角度である第1配置角度に比べて、前記第2流出孔と前記回転中心軸とを結ぶ直線と前記垂直線とのなす角度である第2配置角度が大きくなるように形成される、
回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記第1流出孔及び前記第2流出孔は、前記スロット外導体の軸方向端部よりも前記ステータコアの端面に近い位置に形成される、
回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記冷媒は、100℃の動粘度が、4~24[mm2/s]のオイルである、
回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記第1配置角度と前記第2配置角度の角度差は、5度以上であって15度以下である、
回転電機。
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