JP5575055B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される回転電機に関し、特に、冷却性能を向上させるための冷却構造を有する回転電機に関する。
電動機あるいは発電機として用いられる回転電機は、ロータと、その周囲に配設されるステータとを備える。ステータはステータコア及びステータコイルを有し、ステータコイルは、ステータコアにコイル線が巻回されることで形成される。
ところで、ステータコイルに電流が流れると、ステータコイルやステータコアが発熱する。発熱が生じると、回転電機に発生する磁束に影響を与え、回転電機の効率を低下させる。そこで、冷却構造を有する回転電機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような冷却構造の一例として、オイル等の絶縁性の冷媒をステータコイルに流すようにしたものが挙げられる。例えば、上記特許文献1に記載された発明では、軸方向が水平になるように回転電機が車両に搭載されることを前提に、ステータから突出するコイルエンドの円周面に、冷媒を誘導する周方向の溝を設けている。したがって、横置きされた回転電機のコイルエンドに滴下されたオイル等の冷媒は、円周面に沿って流れ落ちる。
特開2005−12961号公報
ところで、ステータコイルの製造方法の一つに「SC巻き」という方法がある。「SC巻き」とは、略U字形に形成された複数のセグメントコンダクタをステータの軸方向の一端からスロットに挿通し、ステータの他端にて互いに隣接するセグメントコンダクタの端部同士を溶接等で接続してステータコイルを製造する方法である。
SC巻きで製造されたステータコイル等では、コイル線同士の間隔が比較的広くなる。そのため、特許文献1に記載の従来技術のようにコイルエンドの円周面に溝を設けたとしても、コイル線の隙間から鉛直方向へオイル等の冷媒が落下し、円周面に沿った冷媒の流れを作り出すことができない。
このような場合、コイル線を樹脂モールドして隙間を塞ぐことも考えられるが、その場合には、オイル等の冷媒が樹脂材を介して間接的にステータコイルに接触することになるため、冷却性能を低下させる虞がある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、オイル等の冷媒を用いて冷却される回転電機であって、十分な冷却性能を有する回転電機を提供することにある。
上述した目的を達成するためになされた請求項1〜25に記載の回転電機は、ステータと、ステータの径方向内側に収容され回転軸を中心に回転可能なロータとを備える。
ステータは、ステータコアと、ステータコイルと、冷媒誘導部とを有する。ステータコアは、周方向に複数のスロットを有する。ステータコイルは、スロットに挿通するスロット収容部、及び、ステータコアの軸方向に突出しスロット収容部同士を接続するコイルエンド部を有する。
冷媒誘導部は、コイルエンド部を径方向外側から覆うようにして配設され、冷媒を径内方向および周方向に導く穴を有する。補足すると、冷媒は、径内方向へは穴を通過して導かれ、周方向へは穴と穴の周囲部分との相互作用により冷媒誘導部の表面に沿って滑落する。ここで、冷媒としては、例えばオイルが該当する。
冷媒誘導部の穴は、冷媒が径方向に通過可能で、かつ冷媒の表面張力を利用して冷媒を導く。穴の形状は均一とは限らず、また、穴と冷媒との接触長さは均一とは限らない。
この穴は、冷媒の表面張力を大きくするための冷媒との接触長さ、すなわち穴の周長さを有するものであればよい。穴の形状は、例えば直線や曲線部で形成される形状や格子状(メッシュ状)などを広く含み、不均一であってもよい。
この構成により、冷媒は、冷媒誘導部の穴を通過してステータコイルに広い範囲で接触することができるため、回転電機の冷却性能を向上させることができる。
特に、請求項1〜13に記載の回転電機では、ステータコイルは、上述の「SC巻き」のように、コイル線同士が冷媒を保持できない程度に広い間隔を開けて巻回されており、このような冷媒誘導部を備えることが有効である。
また、冷媒誘導部とコイルエンド部との間に冷媒が流通し、且つ、冷媒誘導部は冷媒を介してコイルエンド部に接触している。そして、冷媒の鉛直下方への落下を抑制しつつ、径方向内側に配置されたコイルエンド部に冷媒を接触させる程度の表面張力を発揮する。
このようにすれば、冷媒誘導部に沿って周方向に冷媒が誘導されることになり、ステータコイルのコイルエンド部に十分に冷媒を接触させることができ、十分な冷却性能が発揮される。
冷媒誘導部は、例えば請求項に示すように、糸状部材を複数連結して形成される。さらに請求項に示すように、糸状部材を格子状に配置して形成されてもよい。糸状部材としては、樹脂、金属、金属に樹脂コーティングしたもの等を使用することができる。格子状の配置は、規則的に配置してもよく、不規則に配置してもよい。
あるいは、冷媒誘導部は、例えば請求項に示すように、板状部材に複数の穴を開けて形成される。板状部材としては、樹脂板、金属板等を使用することができる。板状部材に形成される穴の配置は、規則的に配置してもよく、不規則に配置してもよい。
なお、冷媒誘導部の材質として耐熱性樹脂を使用した場合、冷媒誘導部の剛性が低くなり、コイルエンド部の外周面に合わせて成形し易く設置が容易となる。また、コイルエンド部の外周面を傷付けにくい。
この場合、請求項に示すように、板状部材の複数の穴は、ステータコイルのターン数よりも多く設定することが好ましい。これにより、ステータコイルの各ターンについて、1箇所以上の穴から冷媒を供給することができ、冷却性能が向上する。
また、請求項に示すように、板状部材の複数の穴は、冷媒誘導部における冷媒が供給される部位で他の部位よりも密度が高い。具体的には、冷媒が供給される部位には比較的小さい穴を多く形成し、その他の部位には比較的大きい穴を少なく形成する。これにより、例えば天側に配置される部位の穴の密度を高くし、天側では冷媒誘導部を通過する冷媒量を相対的に多くする等の調整をすることができる。
請求項12、14、15に記載の回転電機は、上述の冷媒誘導部に加え、冷媒遮断シートがコイルエンド部の径方向内側に配設される。冷媒遮断シートは、コイルエンド部に沿って設けられ、冷媒が通過せず表面を移動することによりコイルエンド部に冷媒を接触させる。
これにより、冷媒誘導部を通過して落下した冷媒が冷媒遮断シートの表面を移動しつつコイルエンド部の径方向内側に接触するため、十分な冷却性能が発揮される。
ここで、冷媒遮断シートは、コイルエンド部のコイル巻線との間に、毛細管現象が生じる程度の隙間を有するように配置することが好ましい。このようにすれば、冷媒が冷媒遮断シートの表面を移動し径方向内側からコイルエンド部に接触するようにして誘導されるため、より十分な冷却性能が発揮される。
請求項に記載の回転電機は、冷媒遮断シートがコイルエンド部の径方向内側に配設されており、さらに、回転軸が水平方向に設置されたとき、冷媒誘導部が、基準水平面に対して天側にのみ配設される。また、冷媒誘導部の周方向の両方の端部と基準水平面との間に、冷媒誘導部が配設されずコイルエンド部が露出する開放部を有する。ここで、「基準水平面」とは、回転軸を含む水平面をいう。
上述の請求項1〜に記載の回転電機では、冷媒供給部から供給される流量が大きい場合、冷媒が冷媒誘導部を滑落する速度が大きくなる。そのため、基準水平面上の最外端から接線方向に落下する冷媒の量が多くなり、また、基準水平面の天側で冷媒誘導部を通過してステータコイルに供給される冷媒の量が少なくなる。そこで、請求項の構成により、基準水平面の天側に開放部を有するようにすることで、冷媒誘導部の周方向の端部から鉛直方向に落下した冷媒は、ステータコイルの内部に取り込まれ、内部に取り込まれた冷媒は、基準水平面の地側のステータコイルに供給される。よって、より十分な冷却性能が発揮される。
この場合、請求項に示すように、冷媒誘導部の周方向の両方の端部を天方向から基準水平面に投影した位置を、コイルエンド部の内周と外周との間の位置とすることが考えられる。周方向の端部の位置が内側に寄りすぎると、冷媒誘導部による誘導の効果が発揮されない。そこで、請求項の構成により、冷媒誘導部の周方向の端部の位置を適正な位置にすることができる。よって、より十分な冷却性能が発揮される。
請求項10に記載の回転電機では、冷媒遮断シートは、コイルエンド部の径方向内側に加え、基準水平面に対して地側でコイルエンド部の径方向外側にさらに配設される。
これにより、冷媒誘導部から落下した冷媒は、基準水平面の地側で径方向外側の冷媒遮断シートに回収され、地側のステータコイルに供給される。よって、より十分な冷却性能が発揮される。
上述の請求項またはに記載の回転電機では、基準水平面の天側においてコイルエンド部の径方向外側に冷媒誘導部を配設し、コイルエンド部の径方向内側に冷媒遮断シートを配設する。この構成を実現するため、請求項11に記載の回転電機は、一体成形物を複合冷却部材として用いる。この複合冷却部材は、軸方向の断面が「コの字」状である第一外側壁、第一内側壁および第一底壁からなる。第一外側壁および第一内側壁の径方向の断面は、同芯の円弧状である。
第一外側壁は、コイルエンド部の径方向外側を覆うように配設される冷媒誘導部によって構成される。第一内側壁は、コイルエンド部の径方向内側に沿って設けられる冷媒遮断シートによって構成される。第一底壁は、コイルエンド部の軸方向端部に対向して設けられる。
この複合冷却部材を用いることにより、基準水平面の天側において回転電機の組み付け作業性が向上する。
また、上述の請求項10に記載の回転電機では、基準水平面の地側においてコイルエンド部の径方向外側および径方向内側に冷媒遮断シートを配設する。この構成を実現するため、請求項12に記載の回転電機は、一体成形物を複合冷却部材として用いる。この複合冷却部材は、軸方向の断面が「コの字」状である第二外側壁、第二内側壁および第二底壁からなる。第二外側壁および第二内側壁の径方向の断面は、同芯の円弧状である。
第二外側壁は、コイルエンド部の径方向外側に沿って設けられる冷媒遮断シートによって構成される。第二内側壁は、コイルエンド部の径方向内側に沿って設けられる冷媒遮断シートによって構成される。第二底壁は、コイルエンド部の軸方向端部に対向して設けられる。
この複合冷却部材を用いることにより、基準水平面の地側において回転電機の組み付け作業性が向上する。
請求項14、15に記載の回転電機は、請求項11および12の複合冷却部材を組み合わせて用いる。この複合冷却部材は、周方向の一方の側で軸方向の断面が「コの字」状である第一外側壁、内側壁および底壁からなり、周方向の他方の側で軸方向の断面が「コの字」状である第二外側壁、内側壁および底壁からなる。内側壁および底壁は、周方向の一方の側と他方の側とで共有される。内側壁は円筒面であり、第一外側壁および第二外側壁の径方向の断面は、内側壁と同芯の円弧状である。
第一外側壁は、コイルエンド部の径方向外側を覆うように配設される冷媒誘導部によって構成される。第二外側壁は、コイルエンド部の径方向外側に沿って設けられる冷媒遮断シートによって構成される。内側壁は、コイルエンド部の径方向内側に沿って設けられる冷媒遮断シートによって構成される。底壁は、コイルエンド部の軸方向端部に対向して設けられる。
この複合冷却部材を用いることにより、回転電機の組み付け作業性が特に向上する。
請求項13、16〜25に記載の回転電機は、ステータおよびロータが収容されるハウジングを備える。ハウジングは、冷媒誘導部の外周面へ冷媒を供給可能な冷媒供給部を有している。
回転電機は、例えば回転軸方向が略水平となるように車両に搭載される。したがって、冷媒誘導部の外周面へ供給された冷媒は、そのまま下方へ落下することなく、表面張力によってコイルエンド部の外周に沿って誘導される。このとき、冷媒の一部は、冷媒誘導部の穴を通過しコイルエンド部に接触する。
ここで、冷媒誘導部が軸方向にある程度の幅を有する筒状となっていることを前提として、請求項16、17に示すように、冷媒供給部は、その供給口が軸方向に幅広の扁平形状となっていることとしてもよい。このようにすれば、軸方向において比較的広い範囲で冷媒が供給され、かつ冷媒誘導部上の冷媒の厚みが薄くなることで冷媒の単位面積当たりの重量が小さくなり、冷媒が周方向に誘導されやすくなる。したがって、十分な冷却性能が発揮される。
また、請求項17、18に示すように、冷媒供給部は、その供給口が冷媒誘導部の外周面の略接線方向と同方向に開口することとしてもよい。このようにすれば、軸方向を水平にして配置される回転電機において、冷媒誘導部による誘導方向(周方向)に沿って冷媒の供給がなされるため、十分な冷却性能が発揮される。
請求項19、20に記載の回転電機では、冷媒誘導部は、谷部および傾斜部を有する。
谷部は、コイルエンド部の回転軸方向の頂点に対応して設けられ、穴を有する。
傾斜部は、回転軸が水平方向に対して傾斜したとき、冷媒供給部から供給された冷媒が穴に到達するように谷部に向かって下方に傾斜する。
例えば前方エンジン後輪駆動車両では、回転電機の回転軸方向が車両の前後方向となるように車両に搭載される。すると、車両が坂道を走行するとき、コイルエンド部および冷媒誘導部は共に傾き、冷媒誘導部上の冷媒の一部は、ステータコイルに全く供給されないまま低い側の端部から落下する。もしくは、ステータコイルの一部分を濡らすのみで、大部分を濡らすことなく落下する。その結果、ステータコイルの濡れ面積が減少し、冷却効率が低下するおそれがある。
そこで、冷媒誘導部に谷部および傾斜部を設けることで、車両が坂道を走行するとき、冷媒供給部から供給された冷媒を無駄なく谷部の穴に導くことができる。谷部の穴を通過した冷媒は、コイルエンド部の頂点から稜線を伝ってステータコイルの下方へ滑落し、ステータコイルを濡らす。したがって、冷媒がステータコイルの冷却に有効に利用され、ステータコイルの濡れ面積を増加させることができる。
よって、車両の前後方向の傾きによる回転軸の傾きに関わらず、ステータコイルへの冷媒供給を安定させ、ロバスト性を向上することができる。
また、例えば前方エンジン前輪駆動車両のように回転電機の回転軸方向が車両の左右方向となるように車両に搭載される場合は、車両が左右方向に傾いたときに同様の効果が得られる。すなわち、右左折時やカーブ走行時等に車両が傾いたときでもステータコイルへの冷媒供給を安定させ、ロバスト性を向上させることができる。
さらに請求項20に記載の回転電機では、冷媒供給部は、傾斜部の回転軸方向の谷部と反対側の端部から上方に突出する壁部を有する。
これにより、冷媒供給部から供給された冷媒が傾斜部の端部を超えて落下することを防止し、冷媒を一層有効に利用することができる。
一方、請求項21〜25に記載の回転電機では、車両の傾きに対するロバスト性向上の課題に対し冷媒供給部の構成によって解決を図る。請求項21〜25に係る冷媒供給部は、冷媒貯蔵部、第1連通路、第2連通路および第3連通路を有する。
冷媒貯蔵部は、当該冷媒供給部の上部に形成され、供給する冷媒を貯蔵する。
第1連通路は、冷媒貯蔵部の内底に形成される第1入口と冷媒供給部の下底に形成される第1出口とを連通する。
第2連通路は、第1連通路に対して独立して形成され、冷媒貯蔵部の内底であって第1入口の回転軸方向の一方側に形成される第2入口と、冷媒供給部の下底であって第1出口の回転軸方向の他方側に形成される第2出口とを連通する。
第3連通路は、第1連通路および第2連通路に対して独立して形成され、冷媒貯蔵部の内底であって第1入口の回転軸方向の他方側に形成される第3入口と、冷媒供給部の下底であって第1出口の回転軸方向の一方側に形成される第3出口とを連通する。
すなわち、回転軸が水平に設置されたときに主として冷媒が供給される通路が第1連通路であるとすれば、回転軸が水平方向に対して傾斜したときに主として冷媒が供給される通路が第2連通路および第3連通路となる。これにより、回転軸の傾きに関わらず、冷媒貯蔵部に貯蔵された冷媒は、第1連通路、第2連通路および第3連通路のうち少なくとも一つ以上を経由して冷媒誘導部に供給される。
そして、第1出口、第2出口および第3出口は、当該回転電機の径方向への投影において冷媒誘導部の回転軸方向の幅の内側に設けられる。
これにより、第2出口および第3出口から落下する冷媒は、冷媒誘導部の回転軸方向の外側へ無駄に落下することなく、冷媒誘導部上に有効に供給される。
この場合、請求項22に示すように、冷媒供給部の第1連通路は、回転軸に直交するように設けられることが好ましい。例えば、冷媒供給部が天方向に配置されたときは、第1連通路は鉛直方向に向くこととなる。
さらに、請求項23に示すように、冷媒供給部の第2連通路と第3連通路とは、第1連通路の中心軸を含む仮想平面への投影において第1連通路の中心軸に対して対称に形成されることが好ましい。
これにより、回転軸方向が車両の前後方向となるように車両に搭載される回転電機では坂道走行時等において、また、回転軸方向が車両の左右方向となるように車両に搭載される回転電機では右左折時等において、冷媒供給部が水平方向に対して傾斜したときでも、冷媒は、いずれかの通路を経由して冷媒誘導部の中央付近に供給される。そして、冷媒誘導部の穴を通過した冷媒は、コイルエンド部の頂点から稜線を伝ってステータコイルの下方へ滑落し、ステータコイルを濡らす。よって、回転軸の傾きに関わらず、ステータコイルへの冷媒供給を安定させ、ロバスト性を向上させることができる。
また、請求項24に記載の回転電機では、冷媒誘導部は、回転軸方向の幅がコイルエンド部の回転軸方向の幅と同等に設けられる。これにより、冷媒供給部から供給された冷媒を冷媒誘導部によってコイルエンド部へ効率よく誘導することができる。
さらに請求項25に記載の回転電機は、穴を有する基部と、当該基部の回転軸方向の端部から上方に突出する壁部を有する。
これにより、冷媒供給部から供給された冷媒が冷媒誘導部の軸方向の端部から落下することを防止し、冷媒誘導部に冷媒をより確実に供給することができる。
以上、請求項1〜25に係る発明は回転電機に係る発明である。その他、本発明を回転電機のステータに係る発明として実現してもよい。
次に、本発明とは別の態様の回転電機について説明する。
上述した目的を達成するためになされた別の態様の回転電機は、ステータと、ステータの径方向内側に収容され回転軸を中心に回転可能なロータとを備える。
ステータは、ステータコアと、ステータコイルと、冷媒遮断シートとを有する。ステータコアは、周方向に複数のスロットを有する。ステータコイルは、スロットに挿通するスロット収容部、及び、ステータコアの軸方向に突出しスロット収容部同士を接続するコイルエンド部を有する。
冷媒遮断シートは、コイルエンド部の径方向内側に沿って設けられ、冷媒が通過せず表面を移動することによりコイルエンド部に冷媒を接触させる。これにより、冷媒が冷媒遮断シートの表面を移動しつつコイルエンド部の径方向内側に接触するため、十分な冷却性能が発揮される。
ここで、冷媒遮断シートは、コイルエンド部のコイル巻線との間に、毛細管現象が生じる程度の隙間を有するように配置することが好ましい。このようにすれば、冷媒が冷媒遮断シートの表面を移動し径方向内側からコイルエンド部に接触するようにして誘導されるため、より十分な冷却性能が発揮される。
特に、上述の「SC巻き」のように、コイル線同士が冷媒を保持できない程度に広い間隔を開けてステータコイルが巻回されている構成では、このような冷媒遮断シートを備えることが有効である。
このように本発明とは別の態様の回転電機は、請求項1〜25に記載の回転電機に対し、冷媒誘導部を用いることなく冷却性能を確保する。この前提のもと、さらに以下の構成A〜Eを採用することができる。
構成A、Bの回転電機は、請求項10、14、15に記載の回転電機に対し、冷媒誘導部を設けないものである。
構成Aの回転電機は、ロータの回転軸が水平方向に設置されたとき、冷媒遮断シートは、コイルエンド部の径方向内側に加え、基準水平面に対して地側でコイルエンド部の径方向外側にさらに配設される。ここで、「基準水平面」とは、ロータの回転軸を含む水平面をいう。
これにより、コイルエンド部から落下した冷媒は、基準水平面の地側で径方向外側の冷媒遮断シートに回収され、地側のステータコイルに供給される。よって、より十分な冷却性能が発揮される。
上述の構成Aの回転電機では、コイルエンド部の径方向内側、及び、基準水平面の地側でコイルエンド部の径方向外側に冷媒遮断シートを配設する。この構成を実現するため、構成Bの回転電機は、一体成形物を複合冷却部材として用いる。この複合冷却部材は、周方向の一方の側で軸方向の断面が「コの字」状である外側壁、内側壁および底壁からなる。外側壁および内側壁の径方向の断面は、同芯の円弧状である
外側壁は、周方向の一方の側でコイルエンド部の径方向外側に沿って設けられる冷媒遮断シートによって構成される。内側壁は、コイルエンド部の径方向内側に沿って設けられる冷媒遮断シートによって構成される。底壁は、コイルエンド部の軸方向端部に対向して設けられる。
この複合冷却部材を用いることにより、基準水平面の地側において回転電機の組み付け作業性が向上する。
構成C、D、Eの回転電機は、請求項21、22、23に記載の回転電機に対し、冷媒誘導部を設けないものである。
構成C、D、Eの回転電機では、冷媒供給部は、冷媒貯蔵部、第1連通路、第2連通路および第3連通路を有する。
冷媒貯蔵部は、当該冷媒供給部の上部に形成され、供給する冷媒を貯蔵する。
第1連通路は、冷媒貯蔵部の内底に形成される第1入口と冷媒供給部の下底に形成される第1出口とを連通する。
第2連通路は、第1連通路に対して独立して形成され、冷媒貯蔵部の内底であって第1入口の回転軸方向の一方側に形成される第2入口と、冷媒供給部の下底であって第1出口の回転軸方向の他方側に形成される第2出口とを連通する。
第3連通路は、第1連通路および第2連通路に対して独立して形成され、冷媒貯蔵部の内底であって第1入口の回転軸方向の他方側に形成される第3入口と、冷媒供給部の下底であって第1出口の回転軸方向の一方側に形成される第3出口とを連通する。
すなわち、回転軸が水平に設置されたときに主として冷媒が供給される通路が第1連通路であるとすれば、回転軸が水平方向に対して傾斜したときに主として冷媒が供給される通路が第2連通路および第3連通路となる。これにより、回転軸の傾きに関わらず、冷媒貯蔵部に貯蔵された冷媒は、第1連通路、第2連通路および第3連通路のうち少なくとも一つ以上を経由してコイルエンド部に供給される。
そして、第1出口、第2出口および第3出口は、当該回転電機の径方向への投影においてコイルエンド部の回転軸方向の幅の内側に設けられる。
これにより、第2出口および第3出口から落下する冷媒は、コイルエンド部の回転軸方向の外側へ無駄に落下することなく、コイルエンド部上に有効に供給される。
この場合、構成Dの回転電機のように、冷媒供給部の第1連通路は、回転軸に直交するように設けられることが好ましい。例えば、冷媒供給部が天方向に配置されたときは、第1連通路は鉛直方向に向くこととなる。
さらに、構成Eの回転電機のように、冷媒供給部の第2連通路と第3連通路とは、第1連通路の中心軸を含む仮想平面への投影において第1連通路の中心軸に対して対称に形成されることが好ましい。
(a):本発明の第1実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。 (b):ステータコイルを除いた状態の(a)のIb部拡大図である。 図1(a)のII−II断面図である。 オイル誘導部の構成のバリエーションを示す模式図である。 (a):図1(a)のIVa方向矢視図であり、オイルの流れを模式的に示す説明図である。(b):(a)のb−b断面図である。 板状部材に比較的小さい穴を開けて形成したオイル誘導部の模式図である。 板状部材に比較的大きい穴を開けて形成したオイル誘導部の模式図である。 糸状部材を複数連結して形成したオイル誘導部の模式図である。 コイルエンド部の軸方向についてのオイル誘導部の形状のバリエーションを示す模式図である。 本発明の第2実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。 図1(a)の(a)Xa部拡大図、(b)Xb部拡大図である。 (a):本発明の第3実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。(b):(a)のb部拡大図である。 本発明の第4実施形態による回転電機と対比するための第1実施形態の説明図である。 本発明の第4実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。 本発明の第3、第4実施形態による回転電機の冷却性能を比較したレーダーチャートである。 本発明の第5実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。 (a):本発明の第6実施形態による回転電機の複合冷却部材の斜視図である。(b):(a)のb−b断面図である。(c):(a)のc−c断面図である。 本発明の第6実施形態による回転電機の複合冷却部材をコイルエンド部に組み付ける状態を示す斜視図である。 本発明の第7実施形態による回転電機と対比するための第4実施形態の坂道走行時の作用を説明する図である。 本発明の第7実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。 (a):図19のXXa方向矢視図、(b):(a)のb−b断面図である。 本発明の第7実施形態による回転電機の坂道走行時の作用を説明する図である。 本発明の第8実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。 (a):図22のXXIIIa方向矢視図、(b):(a)のb−b断面図である。 本発明の第8実施形態による回転電機のオイル供給部の(a):模式的な平面図、(b):(a)のb−b断面図、(c):(a)のc−c断面図、(d):(a)のd−d断面図である。 本発明の第8実施形態による回転電機の坂道走行時の作用を説明する図である。 (a):本発明のその他の実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。(b):(a)のb部拡大図である。 本発明のその他の実施形態による回転電機を模式的に示す説明図である。 本発明のその他の実施形態による回転電機の複合冷却部材の斜視図である。 本発明のその他の実施形態による回転電機のコイルエンド部の軸方向断面模式図である。
本発明の実施形態による回転電機は、車両に搭載され、電動機または発電機として用いられる。
(第1実施形態)
第1実施形態の回転電機について、図1〜図8を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の回転電機1を模式的に示す説明図であり、(a)は軸方向に見た正面図であり、(b)は、ステータコイルを除いた状態の(a)のIb部拡大図である。なお、(a)では、回転電機1全体を覆うハウジング10について、外周に配置されている部分のみを示している。この図示は、以下の実施形態についても同様とする。
また、図2は、図1(a)のII−II断面図である。
回転電機1は、車両が平地に停車しているとき、または平地を走行中、軸方向が水平となるように設置される。
回転電機1は、ハウジング10、ステータ20およびロータ15を備える。
ハウジング10は、オイル供給部40を有している。オイル供給部40は、ハウジング10の内壁の天側に設けられ、コイルエンド部25の径方向外側に近接する位置に開口している(図2、図4(b)参照)。
ステータ20は、ハウジング10の径方向内側に収容され、ステータコア21と、ステータコア21に巻回されたステータコイル22とを有している。図1(b)に示すように、ステータコア21には、周方向に複数のスロット23が形成されており、スロット23を隔てるようにティース24が突出している。
ロータ15は、ステータ20の径方向内側に収容され、回転軸Zを中心に回転可能である。シャフト16は、ロータ15と共に回転する。以下、回転軸Zを単に「軸」という。
ステータコイル22は、スロット23に収容されるスロット収容部26と、ステータコア21の軸方向に突出しスロット収容部26同士を接続しつつコイルが曲げられるコイルエンド部25とを有している。
また、ステータコイル22は、「SC巻き」により製造されている。すなわち、ステータコイル22は、略U字形に形成された複数のセグメントコンダクタがステータ20の軸方向の一端からスロット23に挿通され、ステータ20の他端にて互いに隣接するセグメントコンダクタの端部同士が溶接等で接続されている。SC巻きされたステータコイル22は、コイル線同士がオイルを保持できない程度に広い間隔を有している。したがって、ステータコイル22を冷却するため、「冷媒」としてのオイルをコイルエンド部25に供給したとしても、オイルは、この隙間を通過して、ほぼ鉛直方向へ落下する。
そこで本実施形態では、コイルエンド部25を径方向外側から覆うオイル誘導部30を設けている。オイル供給部40は、コイルエンド部25の鉛直方向天側からオイル誘導部30の外周面へオイルを供給する。オイル供給部40から鉛直下方へ供給されたオイルの一部は、図1(a)中に矢印R1で示すように、オイル誘導部30の表面張力により、周方向へ移動する。
オイル誘導部30とは、「オイルの保持および供給機能を備えた構造体」をいう。本実施形態のオイル誘導部30は、径方向外側のオイル供給部40から供給されたオイルをコイルエンド部25の径内方向および周方向に導く穴を有する。
オイル誘導部30は、特許請求の範囲に記載の「冷媒誘導部」に相当し、オイル供給部40は、特許請求の範囲に記載の「冷媒供給部」に相当する。
図3に、オイル誘導部30の構成例を示す。オイル誘導部30は、図3(a)、(b)に示すように糸状部材を複数連結して構成したもの、図3(c)、(d)に示すように板状部材に複数の穴を開けて複数連結して構成したもの、その他の製作方法によるものを含む。
図3(a)に示すオイル誘導部30は、周方向に延びる複数の糸状部材31と軸方向に延びる複数の糸状部材32とで格子状(メッシュ状)に構成されており、これらの糸状部材31、32で囲まれる複数の窓が穴30hを構成している。図3(b)に示すオイル誘導部30は、周方向に延びる複数の糸状部材31で構成されており、糸状部材31同士の間の空間が穴30hを構成している。オイル誘導部30の表面張力は、周方向の糸状部材31及び軸方向の糸状部材32の長さの総和が大きくなるほど大きくなる。
なお、糸状部材は直線状に限らず、曲線状でもよい。また、格子状にする場合、糸状部材は直交に限らず、直角以外の角度で交差してもよい。
図3(c)に示すオイル誘導部30は、板状部材34に略同径の複数の穴30hを規則的な配列で形成したものである。また、図3(c)に示すオイル誘導部30は、板状部材34に異径の複数の穴30hを、図の中央部から左右に向かうに従い穴径が大きくなるように形成したものである。仮に、オイルが図の中央部に供給され、図の中央部から図の左右方向(ステータコイル20の下方)に流れるとすると、「オイルが供給される部位」である中央部が他の部位よりも穴30hの密度が高い構成であるといえる。
なお、穴の形状は丸穴に限らず、多角形状の穴でもよい。
このように、オイルを透過させる穴が形成されており、当該穴のエッジなどによって表面張力を増加させるものであれば、図示した構成に限らず、オイル誘導部30として採用することができる。
また、オイル誘導部30を構成する糸状部材31、32および板状部材34は、例えば耐熱性のある樹脂で形成される。樹脂で形成されたオイル誘導部30は剛性が低くなり、コイルエンド部25の外周面に合わせて成形しやすく設置が容易である。また、コイルエンド部25の外周面を傷付けにくい。その他、オイル誘導部30は、金属、金属に樹脂コーティングしたもの等を使用してもよい。
続いて、オイル誘導部30における「オイルの保持および供給機能」について、図4〜図7を参照して説明する。
図4(a)、(b)にオイルの移動を模式的に示す。図4(a)は、図1(a)のIVa方向矢視図にオイルの流れを模式的に書き込んだものである。図4(a)では、オイル誘導部30として、図3(a)に示した糸状部材を格子状に配置した構成を例示する。
図4(b)は、図4(a)のb−b線概略断面図である。
図4(a)では、周方向(図の上下方向)に誘導されるオイルの流れに加え、軸方向(図の左右方向)の糸状部材32の張力により、軸方向へ分岐するオイルの流れが生じている様子が示されている。
そして、一部のオイルはオイル誘導部30の表面張力によって落下せず周方向に流れ、また一部のオイルは、図4(b)に示すように、オイル誘導部30を通過して、オイル誘導部30の径方向内側のコイルエンド部25に接触する。
また、SC巻きのステータコイル20では、コイルエンド部25の最外径に相当する位置がコイル曲げ部の頂点25tとなる。コイルエンド部の頂点25tにオイルを供給すれば、オイルは、コイルエンド部25の曲げ形状に沿って滑落する(図4(b)のLa)。したがって、オイル供給部40からのオイルは、オイル誘導部30のコイルエンド部25の頂点25tに対応する位置に供給されるのが最も効率的である。
次に図5〜図7は、穴30hの大きさ(又は粗さ)による「オイルの保持および供給機能」の違いについて説明するための、オイル誘導部30を径方向外側から視た図である。
図5に示すように、板状部材34に複数の比較的小さい(細かい)穴30hが形成される場合、オイル供給部40から外周面に供給されたオイルは、一部が穴30hを通過してオイル誘導部30とコイルエンド部25との間に保持される。すなわち、「オイル誘導部30がオイルを介してコイルエンド部25に接触している」状態となる。また一部のオイルは、表面張力で外周面に溜まり(Ls)、ステータコイル20の下方へ滑落する。
また、図5(c)に示すように、複数の穴30hは、ステータコイル20のターン数よりも多く設けられる。穴30hを通過したオイルは、オイル誘導部30の裏面側すなわち径方向内側を伝って流れ(Lw)、ステータコイル20下部まで到達してステータコイル20の冷却に利用される。
図6に示すように、板状部材34に複数の比較的大きい(粗い)穴30hが形成される場合、オイル供給部40から外周面に供給されたオイルは、一部が穴30hを通過してオイル誘導部30とコイルエンド部25との間に保持される。すなわち、「オイル誘導部30がオイルを介してコイルエンド部25に接触している」状態となる。また一部のオイルは、表面張力で穴30hの内壁を伝いながら(Lw)、ステータコイル20の下方へ移動する。
なお、図6(a)では、穴30hの内角はエッジ状(いわゆる「ピン角」)に図示してあるが、内角は角丸めされて(Rが取られて)いてもよい。同様に、「多角形」という記載は、角丸めされたものを含む趣旨である。
図7(a)、(b)は、格子状の糸状部材31、32によるオイル誘導部30を示す。図7(a)に示すように穴が比較的小さい(細かい)場合には図5の例と同様であり、図7(b)に示すように穴が比較的大きい(粗い)場合には図6の例と同様である。
なお、穴の「大きい、小さい(粗い、細かい)」はあくまで説明状の便宜的な区分であり、ある境界で明確に区分されるものではない。現実には、両方の作用メカニズムが複合して働くと考えられる。
加えて、オイル誘導部30の軸方向断面形状のバリエーションについて図8を参照して説明する。図8は、図4(b)と同様、回転電機の軸方向断面を示す。ただし、簡単のため、断面の向こう側に見える線およびハウジングの図示を省略している。
図8(a)に示すオイル誘導部30は、軸方向の断面が軸に略平行な直線状であり、部材の成形や組み付け作業が容易である。この例では、主にコイルエンド部25のコイル曲げ部の25t付近で、オイル誘導部30とコイルエンド部25とがオイルを介して接触する。
また、図8(b)、(c)に示すオイル誘導部30は、軸方向の断面の一部または全部がコイルエンド部25の形状に倣って曲線状に成形される。これらの例では、より広い面積でオイル誘導部30とコイルエンド部25とがオイルを介して接触する。
以上詳述したように、本実施形態の回転電機1では、コイルエンド部25を径方向外側から覆うメッシュ状のオイル誘導部30を設けている。これにより、オイル供給部40から供給されたオイルは、オイル誘導部30を通過してオイル誘導部30の径方向内側のコイルエンド部25に接触すると共に、オイル誘導部30の表面張力によって周方向に流れる。その結果、ステータコイル22のコイルエンド部25に十分にオイルを接触させることができ、十分な冷却性能が発揮される。
また、本実施形態では、ステータコイルがSC巻きとなっているため、このようなオイル誘導部30を備える構成が特に有効となり、上述した効果が際立つ。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態の回転電機2を模式的に示す説明図であり、(a)は軸方向に見た正面図であり、(b)は(a)のb方向矢視図である。
第2実施形態の回転電機2は、第1実施形態に対し、ハウジング10のオイル供給部のみが異なる。第1実施形態ではオイル供給部40が鉛直下方へ向かって開口していたが、本実施形態では、図9に示すようなオイル供給部400を採用している。
オイル供給部400は、特許請求の範囲に記載の「冷媒供給部」に相当する。
オイル供給部400は、図9(b)に示すように、供給口401が軸方向に幅広の扁平形状となっている。また、オイル供給部400は、図9(a)に示すように、供給口401がオイル誘導部30の外周面の略接線方向と同方向へ開口している。
このようにすれば、オイル誘導部30の軸方向において比較的広い範囲でオイルが供給され、かつオイル誘導部30上のオイルの厚みが薄くなることでオイルの単位面積当たりの重量が小さくなり、オイルが周方向に誘導されやすくなるため、十分な冷却性能が発揮される。また、軸方向を水平に設置される回転電機において、オイル誘導部30による誘導方向に沿ってオイルの供給がなされるため(図9(a)中の矢印R2)、十分な冷却性能が発揮される。
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態と対比するための第1実施形態の回転電機の部分拡大図である。上述のように、第1実施形態の回転電機1は、軸方向を水平に設置された場合、オイル供給部30をコイルエンド部25の天側に接触するように設置することで、オイルが重力でステータコイル22を伝い落ち、ステータコイル22を冷却することを目的としている。
ここで、ステータコイル22の巻き方が「スロット外周側から紙面の手前方向に立ち上がったステータコイル22が反時計回り方向のスロット内周側に戻る」構成(図1、図10参照)におけるオイルの流れ方を詳しく検討する。
図10(a)に示すように、紙面左側ではステータコイル22が径方向外側のオイル冷媒部30から地方向に向かって巻かれているため、オイル冷媒部30が供給するオイルが重力でステータコイル22を伝わって流れステータコイル22全体を濡らすことができる。
一方、図10(b)に示すように、紙面右側ではステータコイル22が径方向外側のオイル冷媒部30から天方向に向かって巻かれているため、オイルが重力に反して径方向内側へ流れることができず、ステータコイル22を濡らすことができない。
そこで次に、第3実施形態の回転電機について図11を参照して説明する。図11(a)は第3実施形態の回転電機を軸方向に見た正面図であり、(b)は(a)のb部の拡大図である。
第3実施形態の回転電機3は、第1実施形態の回転電機1に対し、ハウジング10、ロータ15、及び、ステータ20のうちステータコア21、ステータコイル22の構成は同様である。また、第1実施形態と同様に、コイルエンド部25を径方向外側から覆うオイル誘導部30を設けている。オイル誘導部30は、表面張力を大きくするようにメッシュ状に形成されている。
第3実施形態では、図11に示すように、コイルエンド部25の径方向内側にオイル遮断シート50をさらに設けている。オイル遮断シート50は円筒状のシートであり、オイルを通過させない。また、コイルエンド部25との間に、毛細管現象を生じさせる程度の隙間CLを有している。そのため、オイルは、オイル遮断シート50の表面を移動し、コイルエンド部25に径方向内側から接触する。
オイル遮断シート50は、特許請求の範囲に記載の「冷媒遮断シート」に相当する。
そのため、図11(a)に示すように、軸方向が水平となるように設置されたとき、回転電機3の天側では、オイル誘導部30→コイルエンド部25→オイル遮断シート50という順序でオイルが案内され、オイル誘導部30を通過してコイルエンド部に沿って流れるオイル(Lc)の一部をオイル遮断シート50で回収することができる。一方、地側では、オイル遮断シート50→コイルエンド部25→オイル誘導部30という順序でオイルが案内され、オイル遮断シート50が回収したオイルをステータコイル22に供給することができる。
これにより、第3実施形態では、第1実施形態の作用に加え、オイル誘導部30から落下したオイルがオイル遮断シート50上を移動することで径方向内側からコイルエンド部25へ接触することになるため、十分な冷却性能が発揮される。特に回転電機3の紙面右側では効果が顕著となる。
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態と対比するための第3実施形態の回転電機3の説明図である。
上述のように、第3実施形態の回転電機3は、オイルエンド部25の径方向内側にオイル遮断シート50を設けることで、オイル誘導部30を通過したオイルの一部をオイル遮断シート50で回収し、十分な冷却性能を発揮することを目的としている。
ところが、オイル供給部から供給されるオイル流量が大きい場合には、オイルがオイル誘導部30上を滑落する速度が大きくなる。そのため、軸Zを通る水平面を基準水平面Hとすると、図12に示すように、基準水平面H上の最外端から、オイル誘導部30の接線方向すなわち鉛直方向に落下するオイルLyの量が多くなる。その結果、オイル誘導部30を通過してステータコイル22に供給されるオイルLa(図11参照)の量が減少する。したがって、紙面右側では、オイルを十分にオイル遮断シート50に回収することができないため、オイル遮断シート50から地側のステータコイル22にオイルを十分に供給することができない。また、紙面左側では、オイル供給部30の最下部までオイルを供給させることができない。
そこで次に、第4実施形態の回転電機について、図13を参照して説明する。図13は第4実施形態の回転電機4を軸方向に視た正面図である。
第4実施形態の回転電機4は、第3実施形態に対し、ハウジング10、ロータ15、及び、ステータ20のうちステータコア21、ステータコイル22の構成は同様である。
第4実施形態では、オイル誘導部35は、コイルエンド部25の外周のうち基準水平面Hの天側にのみ配設される。そして、オイル誘導部35の周方向の両方の端部36、36を天方向から基準水平面Hに投影した位置は、コイルエンド部25の内周Xiと外周Xoとの間の位置である。すなわち、図13に示すように、オイル誘導部35は、基準水平面Hの天側の範囲のうち60〜80%程度の範囲を覆う。
また、第3実施形態と同様にコイルエンド部25の径方向内側にオイル遮断シート50が設けられる他、基準水平面H地側の径方向外側にオイル遮断シート55が設けられる。オイル遮断シート55は、基準水平面Hの地側の範囲のほぼ全体に設けられる。
すなわち、コイルエンド部25の外周は、基準水平面Hの天側にオイル誘導部35が設けられ、基準水平面Hの地側にオイル遮断シート55が設けられる。また、回転電機4は、基準水平面Hの天側においてオイル誘導部35およびオイル遮断シート55のいずれも存在しない開放部39を有する。
オイル誘導部35は、特許請求の範囲に記載の「冷媒誘導部」に相当し、オイル遮断シート55は、特許請求の範囲に記載の「冷媒遮断シート」に相当する。
以上の構成により、オイル供給部40から供給されるオイル流量が大きい場合、一部のオイルは、オイル誘導部35を通過し(La)、コイルエンド部25に沿って流れる(Lc)。また、オイル誘導部35上を滑落するオイルは、コイルエンド部25の内周Xiと外周Xoとの間に位置する端部36、36にて鉛直方向に落下する(Lb)。
紙面右側では、オイル誘導部35の端部36から落下したオイル(Lb)は、径方向内側のオイル遮断シート50に回収され、地側で地を向いたステータコイル22aに供給される。一方、紙面左側では、オイル誘導部35の端部36から落下したオイル(Lb)は、径方向外側のオイル遮断シート55に回収され、地を向いたステータコイル22bに供給される。
図14は、第3実施形態の回転電機3と第4実施形態の回転電機4との冷却性能を比較した試験結果を示す。この試験結果は、定常運転時におけるコイルエンド部25の温度を実測したものであり、回転方向の温度分布を示している。第4実施形態の回転電機4は、天側のA点を除くすべての点で第3実施形態の回転電機3に比べて温度が低下しており、特に地側のD点、E点で顕著な差が認められる。
このように、第4実施形態では、第3実施形態の作用に加え、オイル供給部40から供給されるオイル流量が大きい場合でも、十分な冷却性能が発揮される。
(第5実施形態)
図15に示す第5実施形態の回転電機5は、第4実施形態の回転電機4(図11(a)参照)に対して、ステータコイル22の巻き方向が逆である。すなわち、「スロット外周側から紙面の手前方向に立ち上がったステータコイル22が時計回り方向のスロット内周側に戻る」構成である。
この場合でも、第4実施形態と同様の効果を奏する。
(第6実施形態)
上記の第4、第5実施形態は、オイル誘導部30およびオイル遮断シート50をそれぞれ別の部材として、接着などによってコイルエンド部25に装着する。しかし、<1>径方向外側の天側のオイル誘導部35、<2>径方向外側の地側のオイル遮断シート55、<3>径方向内側のオイル遮断シート50、の3つの部材をそれぞれ取り付けるのは作業効率が悪い。
そこで、第6実施形態の回転電機は、これら3つの部材を1つの「複合冷却部材」として構成する。
図16に示すように、複合冷却部材600は、概略として径方向の断面形状が「コの字」状で環状の一体成形物である。より詳しくは、図16(a)の上側に示す周方向の一方の側で軸方向の断面が「コの字」状である第一複合部610を形成し、図16(a)の下側に示す周方向の他方の側で軸方向の断面が「コの字」状である第2複合部620を形成する。周方向の第一複合部610と第2複合部620との間には、2箇所の接続部650を有する。
図16(b)に示すように、第一複合部610は、第一外側壁61、内側壁64および底壁63からなる。内側壁64は円筒面であり、第一外側壁61は径方向の断面が内側壁64と同芯の円弧状である。図16(c)に示すように、第二複合部620は、第二外側壁62、内側壁64および底壁63からなる。内側壁64は円筒面であり、第二外側壁61は径方向の断面が内側壁64と同芯の円弧状である。内側壁64は全周に形成され、底壁63は、全周または周方向の一部に形成され、第一複合部610および第二複合部620において共有される。
第一外側壁61は、オイル誘導部によって構成され、第二外側壁62および内側壁64は、オイル遮断シートによって構成される。底壁63は、どのような部材で構成されてもよい。また、接続部650は、第4、第5実施形態における開放部39に対応する。
図17は、複合冷却部材600をコイルエンド部25に組み付ける状態を示す。
複合冷却部材600は、ロータの回転軸Zが水平方向に設置されたとき、軸方向から、第一複合部610を天側に、第二複合部620を地側に配置するように組み付けられる。
第一外側壁61は、コイルエンド部25の天側の径方向外側を覆うように配設される。第二外側壁62は、コイルエンド部25の地側の径方向外側に沿って設けられる。内側壁64は、コイルエンド部25の径方向内側に沿って設けられる。底壁63は、コイルエンド部25の軸方向端部に対向して設けられる。
これにより、組み付けの作業効率が向上する。
なお、第一複合部610および第二複合部620を一体に成形するのではなく、第一複合部および第二複合部を分割して形成してもよい。この場合、第一複合部は、第一外側壁、第一内側壁および第一底壁からなり、第二複合部は、第二外側壁、第二内側壁および第二底壁からなる。第一内側壁と第二内側壁、及び、第一底壁と第二底壁は、それぞれ、内側壁64および底壁63を周方向に分割したものであり、適用される部材は同様である。
(第7実施形態)
図18は、第7実施形態と対比するための第4実施形態の回転電機4(図13参照)の坂道走行時の作用を示す説明図である。ここで、回転電機4が搭載される車両が例えば前方エンジン後輪駆動車両であって、回転電機4は、回転軸Z方向が車両の前後方向となるように車両に搭載されているとする。すると、車両が坂道を走行するとき、回転電機4の回転軸Zは水平方向に対して傾く。
図18(a)は、回転軸Zが水平方向に対して傾いた姿勢での図13のXVIIIa方向矢視図であり、図18(b)は、図18(a)のb−b断面図である。ここで、回転軸Zの傾き方向は、仮に登坂状態を想定し、図18(b)の左方を車両前方とする。ただし、降坂状態であっても実施形態の作用は同様である。
上述のように、第4実施形態の回転電機4において、坂道走行時、回転軸Zが水平方向に対して傾くと、オイル誘導部35上のオイルの一部は、ステータコイル25に全く供給されないまま低い側(図18(b)の右側)の端部から落下する(Ld)。もしくは、ステータコイル20の一部分を濡らす(Lc)のみで、大部分を濡らすことなく落下する。その結果、ステータコイル20の濡れ面積が減少し、冷却効率が低下するおそれがある。
なお、この特性については、第4実施形態以外の上記第1〜第3、第5、第6実施形態でも同様である。
そこで次に、第7実施形態の回転電機について、図19〜図21を参照して説明する。図19、図20に示すように、第7実施形態の回転電機7は、第4実施形態に対し、オイル誘導部の構成が異なる。また、回転電機7は、回転軸Z方向が車両の前後方向となるように車両に搭載されているとする。
第7実施形態では、オイル誘導部70は、谷部71および傾斜部72を有する。谷部71は、コイルエンド部25の回転軸Z方向の最上部に対応して設けられ、穴70hを有する。傾斜部72は、谷部71の回転軸Z方向の両側に設けられ、谷部71に向かって下方に傾斜している。
また、傾斜部72の両外側、すなわち回転軸Z方向の谷部71と反対側の端部には、傾斜部72の上端からさらに上方に突出する壁部73が設けられる。
図21に示すように回転軸Zが水平方向に対して傾いたとき、冷媒供給部40から滴下されたオイルは、傾斜部72上を谷部71に向かって流れ落ちる。そして、谷部71に溜まったオイルは、オイル誘導部70の穴70hを通過し(La)、表面張力によってステータコイル20の下部まで滑落しながら(Lc)、ステータコイル20を濡らして冷却する。また、傾き角度が大きいとき、オイル誘導部70上のオイルは、壁部73に堰き止められ、無駄に落下することが防止される。よって、車両の前後方向の傾きに関わらず、ステータコイル20へのオイル供給を安定させ、ロバスト性を向上することができる。
さらに本実施形態では、オイル供給部40は、単純に重力方向にオイルを滴下するものであればよい。したがって、例えばオイルポンプ等の、オイルを噴霧、噴射するための動力源が必要なく、コストを低減することができる。
また他の実施形態として、例えば前方エンジン前輪駆動車両のように回転電機の回転軸Z方向が車両の左右方向となるように車両に搭載される場合は、車両が左右方向に傾いたときに同様の効果が得られる。すなわち、右左折時やカーブ走行時等に車両が傾いたとき、ステータコイル20への冷媒供給を安定させ、ロバスト性を向上させることができる。
なお、他の実施形態では、傾斜部72は平面状に限らず、例えば凹曲面状に形成され、下端が谷部71と連続的に形成されてもよい。或いは、傾斜部72の上端が壁部73と連続的に形成されてもよい。また壁部73は無くてもよく、回転軸Z方向の一方側のみに設けられてもよい。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態の回転電機について、図22〜図25を参照して説明する。図22〜図24に示すように、第8実施形態の回転電機8は、第4、第7実施形態に対し、オイル供給部およびオイル誘導部の構成が異なる。また、回転電機7は、回転軸Z方向が車両の前後方向となるように車両に搭載されているとする。
図22、図23に示すように、第8実施形態のオイル誘導部75は、回転軸Z方向の幅がコイルエンド部25の幅と略同等に設けられる。オイル誘導部75の基部76には、回転軸Z方向の広い範囲にわたって複数の穴が形成される。また、オイル誘導部75の回転軸Z方向の両端に、上方へ突出する壁部77が形成される。
次に、第8実施形態のオイル供給部41の構成について、図24を参照して説明する。略直方体形状のオイル供給部41は、ハウジング10への取付け側にオイル貯蔵部410が形成される。また、オイル貯蔵部410の内底41aとオイル供給部41の下底41bとを連通する3つの連通路411、412、413が形成される。ここで、図24(a)の左方を車両進行方向の前方、図24(a)の右方を後方と仮定する。
本実施形態における「オイル供給部41」および「オイル貯蔵部410」は、特許請求の範囲に記載の「冷媒供給部」および「冷媒貯蔵部」に相当する。
第1連通路411は、図24(a)、(c)に示すように、オイル貯蔵部410の略中央に、内底41aおよび下底41bに対して略垂直に形成される。言い換えれば、第1連通路411は、回転電機8の回転軸Zに略直交するように形成され、内底41aに開口する第1入口411aと、下底41bに開口する第1出口411bとを連通する。
第2連通路412は、第1連通路411に対し径方向の一方側(図24(a)の下側)に形成され、内底41aに開口する第2入口412aと、下底41bに開口する第2出口412bとを連通する。図24(d)に示すように、第2入口412aは、第1入口411aの後方に位置し、第2出口412bは、第1出口411bの前方に位置する。
第3連通路413は、第1連通路411に対し径方向の他方側(図24(a)の上側)に形成され、内底41aに開口する第3入口413aと、下底41bに開口する第3出口413bとを連通する。図24(b)に示すように、第3入口413aは、第1入口411aの前方に位置し、第3出口413bは、第1出口411bの後方に位置する。
ここで、第2連通路412と第3連通路413とは、第1連通路411の中心軸を含む仮想平面への投影において第1連通路411の中心軸に対して対称に形成されることが好ましい。また、下底41bにおける第2出口412bおよび第3出口413bは、コイルエンド部25の回転軸Z方向の幅の内側に収まるように設けられている。
なお、オイル供給部41の連通路は、3つに限らず、4つ以上形成されてもよい。
図23に示すように回転軸Zが略水平であるとき、ハウジング10からオイル供給部41に供給されたオイルは、オイル貯蔵部410から3つの連通路411、412、413を通ってオイル誘導部75に滴下され、複数の穴75hを通過する(La)。そして、コイルエンド部25のコイル曲げ部の25tに接触しながら滑落する(Lc)。
一方、図25に示すように、回転軸Zが水平方向に対して前方が高く傾いた状態では、ハウジング10からオイル供給部41に供給されたオイルは、主に第2入口412aから第2連通路412に流入する。そして、第2出口412bからオイル誘導部75上に落下し、穴75hを通過して(La)、コイルエンド部25のコイル曲げ部の25tに接触しながら滑落する(Lc)。さらに、穴75hから落下せず、オイル誘導部75上を後方へ滑落したオイルは、壁部77によって堰き止められ、無駄に落下することが防止される。
これにより、第7実施形態と同様、車両の前後方向の傾きに関わらず、ステータコイル20へのオイル供給を安定させ、ロバスト性を向上することができる。
さらに本実施形態では、オイル供給部40は、単純に重力方向にオイルを滴下するものであればよい。したがって、例えばオイルポンプ等の、オイルを噴霧、噴射するための動力源が必要なく、コストを低減することができる。
また他の実施形態として、例えば前方エンジン前輪駆動車両のように回転電機の回転軸Z方向が車両の左右方向となるように車両に搭載される場合は、車両が左右方向に傾いたときに同様の効果が得られる。すなわち、右左折時やカーブ走行時等に車両が傾いたとき、ステータコイル20への冷媒供給を安定させ、ロバスト性を向上させることができる。
なお、他の実施形態では、壁部77は無くてもよく、回転軸Z方向の一方側のみに設けられてもよい。
(その他の実施形態)
(イ)上記実施形態では、オイルを冷媒として採用しているが、オイルに代わる冷媒を採用しても差し支えない。また、オイルの供給形態は特に限定されず、噴射するようにしてもよいし、噴霧するようにしてもよい。
(ロ)上記の第1〜第6実施形態では、回転電機の冷却性能を向上するための構成として共通にオイル誘導部30、35を採用しており、第3〜第6実施形態では、さらにオイル遮断シート50、55を採用している。これに対し、回転電機の冷却性能を向上するための構成としてオイル誘導部を設けず、オイル遮断シートのみを採用する構成とすることもできる。
例えば、図26に示す回転電機9は、コイルエンド部25の径方向外側にオイル誘導部を設けず、コイルエンド部25の径方向内側にオイル遮断シート50を設けている。オイル遮断シート50は円筒状のシートであり、オイルを通過させない。また、コイルエンド部25との間に、毛細管現象を生じさせる程度の隙間CLを有している。そのため、オイルは、オイル遮断シート50の表面を移動し、コイルエンド部25に径方向内側から接触する。
オイル遮断シート50は、特許請求の範囲に記載の「冷媒遮断シート」に相当する。
そのため、図26(a)に示すように、軸方向が水平となるように設置されたとき、回転電機9の天側では、コイルエンド部25を伝い落ちたオイル(Lx)の一部をオイル遮断シート50で回収することができる。一方、地側では、オイルがオイル遮断シート50上を移動することで径方向内側からコイルエンド部25へ接触することになるため、十分な冷却性能が発揮される。
また、図27に示す回転電機9Aは、コイルエンド部25の径方向外側で基準水平面Hの天側にオイル誘導部を設けていない。そして、コイルエンド部25の径方向内側にオイル遮断シート50を設け、さらに、コイルエンド部25の径方向外側で基準水平面Hの地側にオイル遮断シート55を設けている。
この構成により、オイル供給部40から供給されるオイル流量が大きい場合、コイルエンド部25の天側を周方向に流れて落下するオイルの量が多くなる。紙面右側では、落下したオイル(Lx)は、径方向内側のオイル遮断シート50に回収され、地側で地を向いたステータコイル22aに供給される。一方、紙面左側では、落下したオイル(Lx)は、径方向外側のオイル遮断シート55に回収され、地を向いたステータコイル22bに供給される。よって、オイル供給部40から供給されるオイル流量が大きい場合でも、十分な冷却性能が発揮される。
また、図28に示す複合冷却部材660は、第6実施形態(図16参照)の複合冷却部材600に対し、オイル誘導部によって構成される第一外側壁を設けていない。そして、周方向の一方の側にオイル遮断シートによって構成される外側壁62を設けている。外側壁62は、第6実施形態の複合冷却部材600の「第二外側壁62」に相当する。
複合冷却部材660は、ロータの回転軸Zが水平方向に設置されたとき、軸方向から、外側壁62が地側に配置するように組み付けられる。
これにより、組み付けの作業効率が向上する。
(ハ)上記の第8実施形態では、特徴のあるオイル供給部41と特徴のあるオイル誘導部75とを組み合わせることで、回転軸Zが水平方向に対して傾いたときのオイル供給の安定性を確保している。
これに対し、オイル誘導部75を設けず、オイル供給部41のみの構成としてもよい。オイル供給部41の構成によって、いずれかの連通路からのオイルがコイルエンド部25のコイル曲げ部の25tに落下するため、車両の傾きに関わらず、ステータコイル20へのオイル供給を安定させ、ロバスト性を向上することができる。
(ニ)図29に示すその他の形態では、複数のコイルの集合体からなるコイルエンド部27およびスロット収容部28において、コイルエンド部27は、軸方向において外径が略均一に形成されており、最外径に相当する位置が平坦部27fとなっている。また、オイル誘導部80は、軸方向端部にて、コイルエンド部27を径方向外側から覆うようにして配設されている。ここで、オイル誘導部80は、例えばステータコイル20のターン数よりも多い数の糸状部材を連結し、含浸材等で固定して形成されている。
以上、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施できる。
1、2、3、4、5、7、8、9、9A・・・回転電機、
10 ・・・ハウジング、
15 ・・・ロータ、
16 ・・・シャフト、
20 ・・・ステータ、
21 ・・・ステータコア、
22 ・・・ステータコイル、
23 ・・・スロット、
24 ・・・ティース、
25 ・・・コイルエンド部、
25t ・・・コイル曲げ部の頂点、
26 ・・・スロット収容部、
30 ・・・オイル誘導部(冷媒誘導部)、
30h ・・・穴、
31、32 ・・・糸状部材、
34 ・・・板状部材、
35 ・・・オイル誘導部(冷媒誘導部)、
35h ・・・穴、
36 ・・・端部、
39 ・・・開放部、
40 ・・・オイル供給部(冷媒供給部)、
400 ・・・オイル供給部(冷媒供給部)、
401 ・・・供給口、
41 ・・・オイル供給部(冷媒供給部)、
410 ・・・オイル貯蔵部、
411 ・・・第1連通路、
412 ・・・第2連通路、
413 ・・・第3連通路、
50 ・・・オイル遮断シート(冷媒遮断シート)、
55 ・・・オイル遮断シート(冷媒遮断シート)、
600 ・・・複合冷却部材、
61 ・・・第一外側壁、
62 ・・・第二外側壁、
63 ・・・内壁、
64 ・・・底壁、
660 ・・・複合冷却部材、
70 ・・・オイル誘導部(冷媒誘導部)、
71 ・・・谷部、
72 ・・・傾斜部、
73 ・・・壁部、
75 ・・・オイル誘導部(冷媒誘導部)、
76 ・・・基部、
77 ・・・壁部、
CL ・・・(毛細管現象を生じさせる程度の)隙間、
La ・・・オイル誘導部上を流れるオイル、及びオイル誘導部を通過しステータコイルに供給されるオイル
Lb ・・・周方向端部から落下するオイル
Lc ・・・ステータコイルに沿って流れるオイル
Ld ・・・軸方向端部から落下するオイル
H ・・・基準水平面、
Z ・・・回転軸。

Claims (25)

  1. ステータと、
    前記ステータの径方向内側に収容され回転軸を中心に回転可能なロータと、を備え、
    前記ステータは、
    周方向に複数のスロットを有するステータコアと、
    前記スロットに挿通するスロット収容部、及び、前記ステータコアの軸方向に突出し前記スロット収容部同士を接続するコイルエンド部を有するステータコイルと、
    前記コイルエンド部を径方向外側から覆うようにして配設され、冷媒を径内方向および周方向に導く穴を有する冷媒誘導部と、
    を有し、
    前記ステータコイルは、コイル線同士が冷媒を保持できない程度に広い間隔を開けて巻回されており、
    前記冷媒誘導部と前記コイルエンド部との間に前記冷媒が流通し、且つ、前記冷媒誘導部は前記冷媒を介して前記コイルエンド部と接触していることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部は、糸状部材を複数連結して形成されていることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部は、前記糸状部材を格子状に配置して形成されていることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部は、板状部材に複数の前記穴を開けて形成されていることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項に記載の回転電機において、
    複数の前記穴の数は、前記ステータコイルのターン数よりも多いことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項またはに記載の回転電機において、
    複数の前記穴は、前記冷媒誘導部における前記冷媒が供給される部位で他の部位よりも密度が高いことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記コイルエンド部に沿って設けられ、前記冷媒が通過せず表面を移動することにより前記コイルエンド部に冷媒を接触させる冷媒遮断シートを、前記コイルエンド部の径方向内側に配設したことを特徴とする回転電機。
  8. 請求項に記載の回転電機において、
    前記回転軸が水平方向に設置されたとき、
    前記冷媒誘導部は、前記回転軸を含む水平面である基準水平面に対して天側にのみ配設され、かつ、前記冷媒誘導部の周方向の両方の端部と前記基準水平面との間に、前記コイルエンド部が露出する開放部を有することを特徴とする回転電機。
  9. 請求項に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部の周方向の両方の端部を天方向から前記基準水平面に投影した位置は、前記コイルエンド部の内周と外周との間の位置であることを特徴とする回転電機。
  10. 請求項またはに記載の回転電機において、
    前記冷媒遮断シートは、前記基準水平面に対して地側で前記コイルエンド部の径方向外側にさらに配設されることを特徴とする回転電機。
  11. 請求項またはに記載の回転電機において、
    軸方向の断面がコの字状である第一外側壁、第一内側壁および第一底壁からなり、前記第一外側壁および前記第一内側壁の径方向の断面が同芯の円弧状である一体成形物を複合冷却部材として用いる回転電機であって、
    前記第一外側壁は、前記コイルエンド部の径方向外側を覆うように配設される前記冷媒誘導部によって構成され、
    前記第一内側壁は、前記コイルエンド部の径方向内側に沿って設けられる前記冷媒遮断シートによって構成され、
    前記第一底壁は、前記コイルエンド部の軸方向端部に対向して設けられることを特徴とする回転電機。
  12. 請求項10に記載の回転電機において、
    軸方向の断面がコの字状である第二外側壁、第二内側壁および第二底壁からなり、
    前記第二外側壁および前記第二内側壁の径方向の断面が同芯の円弧状である一体成形物を複合冷却部材として用いる回転電機であって、
    前記第二外側壁は、前記コイルエンド部の径方向外側に沿って設けられる前記冷媒遮断シートによって構成され、
    前記第二内側壁は、前記コイルエンド部の径方向内側に沿って設けられる前記冷媒遮断シートによって構成され、
    前記第二底壁は、前記コイルエンド部の軸方向端部に対向して設けられることを特徴とする回転電機。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記ステータおよび前記ロータが収容されるハウジングを備え、
    前記ハウジングは、前記冷媒誘導部の外周面へ前記冷媒を供給可能な冷媒供給部を有することを特徴とする回転電機。
  14. ステータと、
    前記ステータの径方向内側に収容され回転軸を中心に回転可能なロータと、を備え、
    前記ステータは、
    周方向に複数のスロットを有するステータコアと、
    前記スロットに挿通するスロット収容部、及び、前記ステータコアの軸方向に突出し前記スロット収容部同士を接続するコイルエンド部を有するステータコイルと、
    前記コイルエンド部を径方向外側から覆うようにして配設され、冷媒を径内方向および周方向に導く穴を有する冷媒誘導部と、
    を有し、
    前記回転軸が水平方向に設置されたとき、
    前記冷媒誘導部は、前記回転軸を含む水平面である基準水平面に対して天側にのみ配設され、かつ、前記冷媒誘導部の周方向の両方の端部と前記基準水平面との間に、前記コイルエンド部が露出する開放部を有し、
    前記コイルエンド部に沿って設けられ、前記冷媒が通過せず表面を移動することにより前記コイルエンド部に冷媒を接触させる冷媒遮断シートを、前記コイルエンド部の径方向内側、及び、前記基準水平面に対して地側で前記コイルエンド部の径方向外側に配設し、
    周方向の一方の側で軸方向の断面がコの字状である第一外側壁、内側壁および底壁からなり、周方向の他方の側で軸方向の断面がコの字状である第二外側壁、前記内側壁および前記底壁からなり、前記内側壁は円筒面であり、前記第一外側壁および前記第二外側壁は径方向の断面が前記内側壁と同芯の円弧状である一体成形物を複合冷却部材として用いる回転電機であって、
    前記第一外側壁は、前記コイルエンド部の径方向外側を覆うように配設される前記冷媒誘導部によって構成され、
    前記第二外側壁は、前記コイルエンド部の径方向外側に沿って設けられる前記冷媒遮断シートによって構成され、
    前記内側壁は、前記コイルエンド部の径方向内側に沿って設けられる前記冷媒遮断シートによって構成され、
    前記底壁は、前記コイルエンド部の軸方向端部に対向して設けられることを特徴とする回転電機。
  15. 請求項14に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部の周方向の両方の端部を天方向から前記基準水平面に投影した位置は、前記コイルエンド部の内周と外周との間の位置であることを特徴とする回転電機。
  16. ステータと、
    前記ステータの径方向内側に収容され回転軸を中心に回転可能なロータと、
    前記ステータおよび前記ロータが収容されるハウジングと、を備え、
    前記ステータは、
    周方向に複数のスロットを有するステータコアと、
    前記スロットに挿通するスロット収容部、及び、前記ステータコアの軸方向に突出し前記スロット収容部同士を接続するコイルエンド部を有するステータコイルと、
    前記コイルエンド部を径方向外側から覆うようにして配設され、冷媒を径内方向および周方向に導く穴を有する冷媒誘導部と、
    を有し、
    前記ハウジングは、前記冷媒誘導部の外周面へ前記冷媒を供給可能な冷媒供給部を有し、
    前記冷媒供給部は、その供給口が軸方向に幅広の扁平形状となっていることを特徴とする回転電機。
  17. 請求項16に記載の回転電機において、
    前記冷媒供給部は、その供給口が前記冷媒誘導部の外周面の略接線方向と同方向へ開口していることを特徴とする回転電機。
  18. ステータと、
    前記ステータの径方向内側に収容され回転軸を中心に回転可能なロータと、
    前記ステータおよび前記ロータが収容されるハウジングと、を備え、
    前記ステータは、
    周方向に複数のスロットを有するステータコアと、
    前記スロットに挿通するスロット収容部、及び、前記ステータコアの軸方向に突出し前記スロット収容部同士を接続するコイルエンド部を有するステータコイルと、
    前記コイルエンド部を径方向外側から覆うようにして配設され、冷媒を径内方向および周方向に導く穴を有する冷媒誘導部と、
    を有し、
    前記ハウジングは、前記冷媒誘導部の外周面へ前記冷媒を供給可能な冷媒供給部を有し、
    前記冷媒供給部は、その供給口が前記冷媒誘導部の外周面の略接線方向と同方向へ開口していることを特徴とする回転電機。
  19. 請求項16〜18の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部は、
    前記コイルエンド部の前記回転軸方向の頂点に対応して設けられ前記穴を有する谷部と、
    前記回転軸が水平方向に対して傾斜したとき、前記冷媒供給部から供給された冷媒が前記穴に到達するように前記谷部に向かって下方に傾斜する傾斜部と、
    を有することを特徴とする回転電機。
  20. 請求項19に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部は、
    前記傾斜部の前記回転軸方向の前記谷部と反対側の端部から上方に突出する壁部を有することを特徴とする回転電機。
  21. 請求項16〜18の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記冷媒供給部は、
    当該冷媒供給部の上部に形成され、供給する冷媒を貯蔵する冷媒貯蔵部と、
    前記冷媒貯蔵部の内底に形成される第1入口と前記冷媒供給部の下底に形成される第1出口とを連通する第1連通路と、
    前記第1連通路に対して独立して形成され、前記冷媒貯蔵部の内底であって前記第1入口の前記回転軸方向の一方側に形成される第2入口と、前記冷媒供給部の下底であって前記第1出口の前記回転軸方向の他方側に形成される第2出口とを連通する第2連通路と、
    前記第1連通路および前記第2連通路に対して独立して形成され、前記冷媒貯蔵部の内底であって前記第1入口の前記回転軸方向の他方側に形成される第3入口と、前記冷媒供給部の下底であって前記第1出口の前記回転軸方向の一方側に形成される第3出口とを連通する第3連通路と、を有し、
    前記第1出口、前記第2出口および前記第3出口は、当該回転電機の径方向への投影において前記冷媒誘導部の前記回転軸方向の幅の内側に設けられることを特徴とする回転電機。
  22. 請求項21に記載の回転電機において、
    前記冷媒供給部の前記第1連通路は、前記回転軸に直交するように設けられることを特徴とする回転電機。
  23. 請求項22に記載の回転電機において、
    前記冷媒供給部の前記第2連通路と前記第3連通路とは、前記第1連通路の中心軸を含む仮想平面への投影において前記第1連通路の中心軸に対して対称に形成されることを特徴とする回転電機。
  24. 請求項21〜23の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部は、
    前記回転軸方向の幅が前記コイルエンド部の前記回転軸方向の幅と同等に設けられることを特徴とする回転電機。
  25. 請求項24に記載の回転電機において、
    前記冷媒誘導部は、
    前記穴を有する基部と、
    当該基部の前記回転軸方向の端部から上方に突出する壁部と、を有することを特徴とする回転電機。
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