JP7322405B2 - 光配線部品、光配線部品の製造方法および電子機器 - Google Patents

光配線部品、光配線部品の製造方法および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、光配線部品、光配線部品の製造方法および電子機器に関するものである。
光通信において光信号を複数に分配するため、分岐構造を備えた光導波路が用いられることがある。
例えば、特許文献1には、1本のコア部を3つに分岐する分岐構造を備えた光導波路基板と、光導波路基板の一方の面に配された1本の光ファイバーと、他方の面に配された3本の光ファイバーと、を備える光モジュールが開示されている。このような光モジュールは、例えば光回線における回線分岐部品として用いられる。
特開2004-29216号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光モジュールでは、光ファイバーの直径に応じて光導波路を大きくする必要がある。すなわち、光導波路基板の他方の面は、3本の光ファイバーの光入出射面に対向している必要がある。このため、光導波路基板の他方の面は、3本の光ファイバーを並べた状態で、それらの光入出射面すべてと重なり得るサイズの面である必要がある。その結果、光導波路基板の大きさが、分岐構造に必要な大きさよりもはるかに大きくなってしまうことがある。これにより、光モジュールの設計の自由度が制限されるとともに、大きさが大きい分だけ製造難易度が高くなっている。
本発明の目的は、設計自由度が高く製造難易度が低い光配線部品およびその製造方法、ならびにかかる光配線部品を備える電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(7)の本発明により達成される。
(1) 一端に設けられている第1光入出射面と、第1コア部と、を有する第1光ファイバーと、
一端に設けられている第2光入出射面と、第2コア部と、を有する第2光ファイバーと、
前記第1光入出射面と前記第2光入出射面との間に設けられ、前記第1光入出射面と対向する第3光入出射面および前記第2光入出射面と対向する第4光入出射面と、前記第3光入出射面と前記第4光入出射面との間に延在し、途中で分岐している第3コア部と、を有し、樹脂で構成されている光導波路と、
前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーとの間にまたがって設けられている第1支持部材と、
前記第1光入出射面と前記第3光入出射面との間、および、前記第2光入出射面と前記第4光入出射面との間、にそれぞれ設けられている第1接着部と、
前記第1光ファイバーと前記第1支持部材との間、前記第2光ファイバーと前記第1支持部材との間、および、前記光導波路と前記第1支持部材との間、にそれぞれ設けられている第2接着部と、
前記第1支持部材との間に前記光導波路を挟むように設けられ、前記第1光ファイバー、前記第2光ファイバー、前記光導波路、前記第1支持部材、前記第1接着部および前記第2接着部を内部に収容して支持する筐体である第2支持部材と、
前記第1光ファイバーの他端に装着され、前記第2支持部材に設けられている第1光アダプターと、
前記第2光ファイバーの他端に装着され、前記第2支持部材に設けられている第2光アダプターと、
を備えることを特徴とする光配線部品。
(2) 前記第1接着部は、光硬化性接着剤の硬化物を含んでいる上記(1)に記載の光配線部品。
(3) 前記第2接着部は、光硬化性接着剤の硬化物を含んでいる上記(1)または(2)に記載の光配線部品。
(4) 前記第1光ファイバーと前記第2支持部材との間、前記第2光ファイバーと前記第2支持部材との間、および、前記光導波路と前記第2支持部材との間、にそれぞれ設けられている第3接着部をさらに備える上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光配線部品。
(5) 前記第3接着部の弾性率は、前記第2接着部の弾性率より小さい上記(4)に記載の光配線部品。
(6) 前記第1接着部の屈折率は、前記第1コア部の屈折率と前記第3コア部の屈折率との間の値であって、かつ、前記第2コア部の屈折率と前記第3コア部の屈折率との間の値である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光配線部品。
(7) 前記第1支持部材は、透光性を有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光配線部品。
(8) 一端に第1光入出射面を有する第1光ファイバーと、一端に第2光入出射面を有する第2光ファイバーと、前記第1光入出射面と前記第2光入出射面との間に設けられ、前記第1光入出射面と対向する第3光入出射面および前記第2光入出射面と対向する第4光入出射面を有し、樹脂で構成されている光導波路と、を用意し、これらの位置を互いに合わせた状態で、治具で支持する工程と、
前記第1光入出射面と前記第3光入出射面との間、および、前記第2光入出射面と前記第4光入出射面との間、をそれぞれ第1接着部で接着する工程と、
前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーとの間にまたがるように第1支持部材を配置し、前記第1光ファイバーと前記第1支持部材との間、前記第2光ファイバーと前記第1支持部材との間、および、前記光導波路と前記第1支持部材との間、をそれぞれ第2接着部で接着する工程と、
前記治具を外す工程と、
前記第1光ファイバー、前記第2光ファイバー、前記光導波路、前記第1支持部材、前記第1接着部および前記第2接着部、ならびに、第1光アダプターおよび第2光アダプターを、それぞれ、筐体である第2支持部材の内部収容し、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に前記光導波路を挟んで固定するとともに、前記第1光ファイバーの他端に前記第1光アダプターを装着し、前記第2光ファイバーの他端に前記第2光アダプターを装着する工程と、
を有することを特徴とする光配線部品の製造方法。
(9) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光配線部品を備えることを特徴とする電子機器。
本発明によれば、設計自由度が高く製造が容易な光配線部品が得られる。
また、本発明によれば、設計自由度が高く製造が容易な光配線部品を効率よく製造することができる。
さらに、本発明によれば、前記光配線部品を備える電子機器が得られる。
第1実施形態に係る光配線部品を示す斜視図である。 図1に示す光配線部品のX-Y面と平行な面で切断したときの断面図である。 図2に示す光配線部品の光路に沿ってZ軸と平行な面で切断したときの断面図である。 図3のA部拡大図である。 図3に示す光配線部品を製造する方法を説明するための工程図である。 図5に示す製造方法を説明するための図である。 図5に示す製造方法を説明するための図である。 図5に示す製造方法を説明するための図である。 図5に示す製造方法を説明するための図である。 図5に示す製造方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る光配線部品を示す断面図である。 図11のB部拡大図である。
以下、本発明の光配線部品、光配線部品の製造方法および電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
≪光配線部品≫
まず、第1実施形態に係る光配線部品について説明する。
図1は、第1実施形態に係る光配線部品を示す斜視図である。図2は、図1に示す光配線部品のX-Y面と平行な面で切断したときの断面図である。図3は、図2に示す光配線部品の光路に沿ってZ軸と平行な面で切断したときの断面図である。図4は、図3のA部拡大図である。なお、図3では、筐体の図示を省略している。また、各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定している。また、以下の説明では、説明の便宜上、Z軸方向のうち、プラス側を「上」、マイナス側を「下」として説明する。
図1および図2に示す光配線部品100は、1本の第1光ファイバー1と、4本の第2光ファイバー2と、第1光ファイバー1および第2光ファイバー2の双方を光学的に接続する光導波路3と、第1支持部材4と、第2支持部材である筐体5と、第1光ファイバー1が挿入されている第1光アダプター6と、第2光ファイバー2が挿入されている第2光アダプター7と、を備えている。
そして、光導波路3には、Y軸方向に延在するコア部34(第3コア部)が形成されており、そのコア部34は途中で4本に分岐している。このため、例えば第1光ファイバー1から光導波路3に向けて出射された光は、分岐部で4つに分岐され、4本の第2光ファイバー2に分配される。したがって、この場合の光配線部品100は、光分配器として機能する。一方、第2光ファイバー2から光導波路3に向けてそれぞれ出射された光は、分岐部で1つに混合され、1本の第1光ファイバー1に集約される。したがって、この場合の光配線部品100は、光混合器として機能する。
以下、光配線部品100の各部について詳述する。
(第1光ファイバー)
第1光ファイバー1は、Y軸方向に延在する光ファイバー本体11と、光ファイバー本体11のY軸方向プラス側の端部に装着されたフェルール12と、を備えている。
このうち、光ファイバー本体11としては、例えばガラス製光ファイバー、プラスチック製光ファイバー等が挙げられる。
また、光ファイバー本体11の導波モードは、シングルモードであっても、マルチモードであってもよいが、マルチモードであるのが好ましい。マルチモードでは、シングルモードに比べて位置合わせの際の軸ずれに対する許容度が大きくなる。このため、マルチモードの光ファイバー本体11は、光導波路3との光学的な接続に際し、接続作業を容易にすることができるので、光配線部品100の組立容易性を高めるという観点で有用である。
図3に示す光ファイバー本体11は、横断面形状が円形をなしており、その中央に位置するコア部111(第1コア部)と、その側面を覆うクラッド部112と、を有している。
また、光ファイバー本体11のY軸方向マイナス側の端面を第1光入出射面113とする。この第1光入出射面113と光導波路3との間が後述する第1接着部81を介して光学的に接続されている。
フェルール12は、図示しない挿通孔を有しており、この挿通孔に光ファイバー本体11の端部を装着することにより、光ファイバー本体11を保持する。
フェルール12としては、例えばセラミックス製フェルール、ガラス製フェルール、プラスチック製フェルール等が挙げられる。また、必要に応じて、これらのフェルール本体に金具が装着されていてもよい。
なお、フェルール12は、必要に応じて図示しないハウジングに挿入した状態で用いられてもよい。このハウジングは、種々の規格に応じた形状を有している。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
(第2光ファイバー)
第2光ファイバー2は、Y軸方向に延在する光ファイバー本体21と、光ファイバー本体21のY軸方向マイナス側の端部に装着されたフェルール22と、を備えている。
このうち、光ファイバー本体21としては、例えばガラス製光ファイバー、プラスチック製光ファイバー等が挙げられる。
また、光ファイバー本体21の導波モードは、シングルモードであっても、マルチモードであってもよいが、マルチモードであるのが好ましい。マルチモードでは、シングルモードに比べて位置合わせの際の軸ずれに対する許容度が大きくなる。このため、マルチモードの光ファイバー本体21は、光導波路3との光学的な接続に際し、接続作業を容易にすることができるので、光配線部品100の組立容易性を高めるという観点で有用である。
図3に示す光ファイバー本体21は、横断面形状が円形をなしており、その中央に位置するコア部211(第2コア部)と、その側面を覆うクラッド部212と、を有している。
また、光ファイバー本体21のY軸方向プラス側の端面を第2光入出射面213とする。この第2光入出射面213と光導波路3との間が後述する第1接着部81を介して光学的に接続されている。
フェルール22は、図示しない挿通孔を有しており、この挿通孔に光ファイバー本体21の端部を装着することにより、光ファイバー本体21を保持する。
フェルール22としては、例えばセラミックス製フェルール、ガラス製フェルール、プラスチック製フェルール等が挙げられる。また、必要に応じて、これらのフェルール本体に金具が装着されていてもよい。
なお、フェルール22は、必要に応じて図示しないハウジングに挿入した状態で用いられてもよい。このハウジングは、種々の規格に応じた形状を有している。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
(光導波路)
光導波路3は、前述したように、第1光ファイバー1と第2光ファイバー2との間に設けられ、これらを光学的に接続している。
図4に示す光導波路3は、下側から、下側保護層37、クラッド層31、コア層33、クラッド層32、および上側保護層38がこの順で積層されてなる積層体を備えている。また、コア層33中には、図2に示すように、Y軸方向に延在する長尺状(線状)のコア部34と、コア部34のX軸方向に隣接して設けられた側面クラッド部35と、が形成されている。
以下、光導波路3の各部についてさらに詳述する。
-コア層-
図2に示すコア部34は、その側面が、図2に示す側面クラッド部35および図4に示すクラッド層31、32で囲まれている。そして、コア部34の屈折率は、側面クラッド部35やクラッド層31、32の屈折率よりも高くなっている。これにより、コア部34に光を閉じ込めて伝搬させることができる。
コア層33において、光路に直交する面内における屈折率分布は、いかなる分布であってもよく、例えば屈折率が不連続的に変化したいわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化したいわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。
また、コア部34の光路に直交する面によるコア部34の断面形状は、特に限定されず、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、その他の異形状であってもよい。
さらに、コア層33の平均厚さは、特に限定されず、光ファイバー本体11、21のコア部111、211の直径に応じて結合損失が最小になるように最適化されるが、1~200μm程度であるのが好ましく、5~100μm程度であるのがより好ましく、10~70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、コア部34に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
コア層33の構成材料(主材料)としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料等が挙げられる。なお、樹脂材料には、異なる組成のものを組み合わせた複合材料も用いられる。
また、図2に示すコア部34は、第1分岐部361、第2分岐部362および第3分岐部363を備えている。このうち、第1分岐部361では、1本のコア部34が2本に分岐している。これにより、例えばY軸方向プラス側から伝搬してくる光を第1分岐部361において2つに分配することができる。また、第2分岐部362および第3分岐部363は、第1分岐部361よりもY軸方向マイナス側に位置している。そして、第1分岐部361で2つに分配された光を、それぞれさらに2つに分配する。これにより、コア部34全体では、入射した光を4つに分配して出射させることができる。
-クラッド層-
クラッド層31、32の平均厚さは、それぞれ1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、クラッド層31、32に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
また、クラッド層31、32の構成材料としては、例えば、前述したコア層33の構成材料と同様の材料を用いることができるが、特に(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましく、(メタ)アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂がより好ましい。
なお、クラッド層31、32は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。このとき、例えばコア層33が外気(空気)に曝されていれば、その外気がクラッド層31、32として機能する。
-保護層-
下側保護層37および上側保護層38は、コア層33やクラッド層31、32を保護し、外部環境等に起因したコア部34の伝送効率の低下を抑制するとともに、光導波路3の機械的強度を高める。
下側保護層37および上側保護層38の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂を含む材料が挙げられる。
下側保護層37および上側保護層38の平均厚さは、特に限定されないが、5~500μm程度であるのが好ましく、10~400μm程度であるのがより好ましい。
また、下側保護層37および上側保護層38は、互いに同じ構成であっても互いに異なる構成であってもよい。
なお、下側保護層37および上側保護層38は、それぞれ必要に応じて設けられればよく、少なくとも一方が省略されていてもよい。
ここで、光導波路3のY軸方向プラス側の端面を第3光入出射面391とし、Y軸方向マイナス側の端面を第4光入出射面392とする。そして、前述した第1光ファイバー1の第1光入出射面113と光導波路3の第3光入出射面391との間が第1接着部81を介して光学的に接続されている。また、前述した第2光ファイバー2の第2光入出射面213と光導波路3の第4光入出射面392との間が第1接着部81を介して光学的に接続されている。
第1接着部81としては、光透過性を有する接着剤であれば、いかなる接着剤も用いられるが、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、オレフィン系接着剤、各種ホットメルト接着剤(ポリエステル系、変性オレフィン系)等が挙げられる。
また、第1接着部81の硬化方法は、特に限定されず、熱硬化型、硬化剤混合型、溶剤揮散型等であってもよいが、好ましくは光硬化型であるのが好ましい。すなわち、第1接着部81は、光硬化性接着剤の硬化物を含んでいるのが好ましい。光硬化型の第1接着部81は、透光性を有する治具等で保持されたまま、短時間で硬化可能である。このため、後述するようにして光導波路3と第1光ファイバー1および第2光ファイバー2とを位置合わせした状態で、これらを精度よく簡単に固定することができる。その結果、接続部の光結合効率をより高めることができる。なお、光硬化型には紫外線硬化型を含む。
また、第1接着部81が光硬化性接着剤の硬化物を含んでいる場合、第1接着部81の弾性率を比較的大きくすることができる。具体的には、第1接着部81の弾性率は、好ましくは1000~20000MPa程度とされ、より好ましくは300~15000MPa程度とされ、さらに好ましくは500~12500MPa程度とされ、特に好ましくは1000~10000MPa程度とされる。第1接着部81の弾性率を前記範囲内に設定することにより、第1接着部81が変形しにくくなるため、光導波路3と第1光ファイバー1および第2光ファイバー2とを位置合わせした後、位置ずれが発生しにくくなる。このため、光結合効率を良好に維持することができる。
なお、第1接着部81の弾性率は、JIS K 7127に規定された方法で測定され、測定温度は25℃とする。
さらに、第1接着部81の屈折率は、特に限定されないが、光ファイバー本体11のコア部111(第1コア部)の屈折率と光導波路3のコア部34(第3コア部)の屈折率との間の値であって、かつ、光ファイバー本体21のコア部211(第2コア部)の屈折率と光導波路3のコア部34(第3コア部)の屈折率との間の値であるのが好ましい。第1接着部81の屈折率を前記範囲内に設定することにより、第1接着部81が屈折率調整機能を有することになる。このため、第1光ファイバー1と光導波路3との間、および、第2光ファイバー2と光導波路3との間で、屈折率差に伴う結合損失が発生するのを抑制することができ、光結合効率が良好な光配線部品100を実現することができる。
なお、光導波路3におけるコア部34の分岐数は、上記の4に限定されず、全体で2~3であってもよく、5以上であってもよい。
(第1支持部材)
第1支持部材4は、光導波路3の上方に設けられ、光導波路3を覆うように配置されている。また、第1支持部材4は、第1光ファイバー1および第2光ファイバー2にも重なるように配置されている。したがって、第1支持部材4は、第1光ファイバー1の上方から光導波路3の上方を経て第2光ファイバー2の上方に至るまで連続して覆うように配置されている。つまり、第1支持部材4は、第1光ファイバー1と第2光ファイバー2との間にまたがって設けられている。
そして、第1光ファイバー1と第1支持部材4との間、第2光ファイバー2と第1支持部材4との間、および、光導波路3と第1支持部材4との間は、それぞれ第2接着部82を介して接着されている。
以上のような第1支持部材4および第2接着部82により、第1光ファイバー1、光導波路3および第2光ファイバー2は、光軸合わせをした状態で、確実に保持されることとなる。このため、光学的に接続された接続界面の光結合効率を、高い状態で長期にわたって維持することができる。
また、第2接着部82の硬化方法は、特に限定されず、熱硬化型、硬化剤混合型、溶剤揮散型等であってもよいが、好ましくは光硬化型であるのが好ましい。すなわち、第2接着部82は、光硬化性接着剤の硬化物を含んでいるのが好ましい。光硬化型の第2接着部82は、短時間で硬化するため、後述するようにして光導波路3と第1光ファイバー1および第2光ファイバー2とを位置合わせした状態で、これらと第1支持部材4との間を精度よく簡単に固定することができる。その結果、接続部の光結合効率をより高めることができる。なお、光硬化型には紫外線硬化型を含む。
また、第2接着部82が光硬化性接着剤の硬化物を含んでいる場合、第2接着部82の弾性率を比較的大きくすることができる。具体的には、第2接着部82の弾性率は、好ましくは1000~20000MPa程度とされ、より好ましくは300~15000MPa程度とされ、さらに好ましくは500~12500MPa程度とされ、特に好ましくは1000~10000MPa程度とされる。第2接着部82の弾性率を前記範囲内に設定することにより、第2接着部82が変形しにくくなるため、光導波路3と第1光ファイバー1および第2光ファイバー2とを位置合わせした後、位置ずれが発生しにくくなる。このため、光結合効率を良好に維持することができる。
なお、第2接着部82の弾性率は、JIS K 7127に規定された方法で測定され、測定温度は25℃とする。
一方、第1支持部材4は、第1光ファイバー1および第2光ファイバー2よりも剛性が大きい部材であれば、特に限定されない。第1支持部材4の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とするブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、第1支持部材4の構成材料は、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびABS樹脂からなる群から選択される1種が好ましく用いられる。これらは、曲げ強度が比較的大きいことから、第1支持部材4の構成材料として有用である。
また、第1支持部材4は、透光性を有しているのが好ましい。これにより、第2接着部82として光硬化性接着剤を用いた場合、第1支持部材4越しに光を照射して第2接着部82を硬化させることができる。このため、第2接着部82の硬化作業を効率よく行うことができ、光導波路3と第1光ファイバー1および第2光ファイバー2とを位置合わせした状態で効率よく固定することができる。
なお、前述した第1接着部81は、少なくとも、前述した第1光入出射面113と第3光入出射面391との間、および、第2光入出射面213と第4光入出射面392との間に、それぞれ位置していればよいが、図4に示すように、第2光ファイバー2の側面214および光導波路3の上面393の少なくとも一方に接するように濡れ広がっていてもよい。また、図示しないものの、第1接着部81は、第1光ファイバー1の側面に接するように濡れ広がっていてもよい。このような濡れ広がりが生じることによって、第1接着部81は、第1光ファイバー1や第2光ファイバー2と第2接着部82との間に介在することとなる。このため、第1接着部81がいわゆるプライマーのように作用し、第1光ファイバー1および第2光ファイバー2と第2接着部82との間、および、光導波路3と第2接着部82との間を、それぞれより強固に接着することができる。
また、併せて、第1接着部81が接触する面積が増えることになるため、第1接着部81と第1光ファイバー1および第2光ファイバー2との接着強度、および、第1接着部81と光導波路3との接着強度を、より高めることができる。
第1支持部材4をZ軸方向から見たときの形状は、特に限定されず、第1光ファイバー1と第2光ファイバー2との間にまたがる形状であれば、いかなる形状であってもよい。
図3に示す第1支持部材4は、例えばX-Y面に沿って広がる板状とされるが、板状以外の形状、例えばブロック状等であってもよい。第1支持部材4の厚さは、第1支持部材4の構成材料に応じて適宜設定されるが、一例として0.10mm以上5.0mm以下程度とされる。
なお、第2接着部82は、第1光ファイバー1と第1支持部材4との間、第2光ファイバー2と第1支持部材4との間、および、光導波路3と第1支持部材4との間にそれぞれ設けられていればよいので、これらの間に生じる隙間を全て埋めている必要はない。ただし、できるだけ隙間をなくすように第2接着部82を設けるのが好ましい。
(筐体)
筐体5は、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2、光導波路3および第1支持部材4を収容するケースである。図2に示す筐体5の外形は、略直方体をなしており、内部が空洞になっている。
また、筐体5をZ軸方向から見ると長方形に見えるが、その長方形のうち、Y軸方向プラス側の短辺に対応して第1光アダプター6が装着され、Y軸方向マイナス側の短辺に対応して第2光アダプター7が装着されている。第1光アダプター6および第2光アダプター7は、それぞれ筐体5に設けられた貫通孔を介して一部が筐体5内に挿入され、他部が筐体5から突出するように装着されている。
筐体5の構成材料には、前述した第1支持部材4の構成材料として列挙した材料から適宜選択して用いられるが、特に耐候性、機械的特性、コスト等の観点から、ABS樹脂が好ましく用いられる。
なお、前述した第1光ファイバー1、第2光ファイバー2、光導波路3および第1支持部材4のうちの少なくとも1つは、例えばネジ、リベットのような係止部材またはその他の部材を介して筐体5に固定されていてもよい。これにより、筐体5は、第1光ファイバー1と第2光ファイバー2との間にまたがって設けられることにより、これらを支持する第2支持部材として機能する。すなわち、筐体5は、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2、光導波路3、第1支持部材4、第1接着部81および第2接着部82を少なくとも収容し、保護する機能と、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および光導波路3を位置合わせした状態で保持する機能と、を併せ持つものとなる。これにより、光導波路3と第1光ファイバー1および第2光ファイバー2とを位置合わせした状態で、より精度よく固定することができる。その結果、結合損失をより小さく抑えることができる。
なお、筐体5と第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および光導波路3との間にさらに別の部材を介在させ、その部材を第2支持部材としてもよい。
また、筐体5内にポッティング剤のような樹脂材料を充填することによって、内容物を保持するようにしてもよい。
(第1光アダプターおよび第2光アダプター)
第1光アダプター6は、例えば外形が略直方体をなす部材であって、前述したように、筐体5を貫通するように装着されている。第1光アダプター6のY軸に直交する2つの面のうち、Y軸方向マイナス側の面には、第1光ファイバー1を挿入可能な挿入部61が1つ設けられている。一方、Y軸方向プラス側の面には、第1光ファイバー1と光学的に接続される接続相手の光ファイバーが挿入される挿入部62が1つ設けられている。したがって、第1光アダプター6を介して、第1光ファイバー1と接続相手の光ファイバーとが光学的に接続される。
第1光アダプター6は、光コネクターハウジングに関する種々の規格に準拠していてもよい。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
第2光アダプター7も、例えば外径が略直方体をなす部材であって、前述したように、筐体5を貫通するように装着されている。第2光アダプター7のY軸に直交する2つの面のうち、Y軸方向プラス側の面には、第2光ファイバー2を挿入可能な挿入部71が4つ設けられている。一方、Y軸方向マイナス側の面には、第2光ファイバー2と光学的に接続される接続相手の光ファイバーが挿入される挿入部72が4つ設けられている。したがって、第2光アダプター7を介して、4本の第2光ファイバー2と接続相手の4本の光ファイバーとが光学的に接続される。
第2光アダプター7は、光コネクターハウジングに関する種々の規格に準拠していてもよい。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
以上のように、本実施形態に係る光配線部品100は、一端に設けられている第1光入出射面113と、コア部111(第1コア部)と、を有する第1光ファイバー1と、一端に設けられている第2光入出射面213と、コア部211(第2コア部)と、を有する第2光ファイバー2と、第1光入出射面113と第2光入出射面213との間に設けられ、第1光入出射面113と対向する第3光入出射面391および第2光入出射面213と対向する第4光入出射面392と、第3光入出射面391と第4光入出射面392との間に延在し、途中で分岐しているコア部34(第3コア部)と、を有する光導波路3と、第1光ファイバー1と第2光ファイバー2との間にまたがって設けられている第1支持部材4と、第1光入出射面113と第3光入出射面391との間、および、第2光入出射面213と第4光入出射面392との間、にそれぞれ設けられている第1接着部81と、第1光ファイバー1と第1支持部材4との間、第2光ファイバー2と第1支持部材4との間、および、光導波路3と第1支持部材4との間、にそれぞれ設けられている第2接着部82と、を備える。
このような光配線部品100によれば、第1支持部材4が第1光ファイバー1と第2光ファイバー2との間にまたがって設けられ、それらの間が第1接着部81で接着されているため、小さな光導波路3であっても、光導波路3と第1光ファイバー1および第2光ファイバー2との間を十分な接着強度で接着し、固定することができる。これにより、位置合わせの状態を長期にわたって良好に維持し、結合損失を小さく抑えることができる。そして、例えば第2光ファイバー2を引き回すという簡単な構造によって、第2光ファイバー2同士の間隔を自由に変更することが可能になる。このため、光導波路3が小さくても、第2光ファイバー2の他端では十分な間隔を確保することができる。したがって、光導波路3が小さいがゆえに設計自由度が高く、かつ、構造が簡単であるがゆえに製造難易度が低いという効果を奏する光配線部品100を実現することができる。
なお、第1光アダプター6および第2光アダプター7は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。その場合、第1光ファイバー1の一部および第2光ファイバー2の一部をそれぞれ筐体5の外部に露出させるようにすればよい。
また、第2光アダプター7は、Z軸方向に複数積み重ねられた多段構造であってもよい。なお、その場合でも、本実施形態によれば、第2光ファイバー2を適宜引き回すだけで対応することが可能である。
≪光配線部品の製造方法≫
次に、図3に示す光配線部品100を製造する方法、すなわち実施形態に係る光配線部品の製造方法について説明する。
図5は、図3に示す光配線部品100を製造する方法を説明するための工程図である。図6ないし図10は、それぞれ図5に示す製造方法を説明するための図である。なお、図6では、押さえ板94、95の図示を省略するとともに、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2、および光導波路3の内部を透視するようにして図示している。
図5に示す製造方法は、[1]第1光ファイバー1および第2光ファイバー2と光導波路とを治具で支持する支持工程S01と、[2]第1接着部81で接着する第1接着工程S02と、[3]第2接着部82で接着する第2接着工程S03と、[4]治具を外す脱治具工程S04と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
[1]支持工程S01
まず、一端に第1光入出射面113を有する第1光ファイバー1と、一端に第2光入出射面213を有する第2光ファイバー2と、第1光入出射面113と対向する第3光入出射面391および第2光入出射面213と対向する第4光入出射面392を有する光導波路3と、を用意する。第1光入出射面113と第3光入出射面391との間、および、第2光入出射面213と第4光入出射面392との間は、それぞれわずかな距離を隔てて互いに対向するように配置されている。
次に、これらの位置を互いに合わせた状態で、治具9で支持する。治具9は、図6および図7に示すように、平板状の基部90と、基部90から上方に向かって突出する第1凸部91、第2凸部92および第3凸部93と、を備えている。このうち、第1凸部91は、第1光ファイバー1の下方に設けられ、第1光ファイバー1を下方から支持している。また、第2凸部92は、第2光ファイバー2の下方に設けられ、第2光ファイバー2を下方から支持している。また、第2凸部92の上面921には、図8に示すように、溝96が形成されている。この溝96には第2光ファイバー2が嵌められることにより、その位置を容易に規制することができる。なお、図示しないものの、第1凸部91の上面にも、同様に溝96を形成することにより、第1光ファイバー1の位置を容易に規制することができる。さらに、第3凸部93は、光導波路3の下方に設けられ、光導波路3を下方から支持している。
また、治具9は、図7に示す押さえ板94、95を備えている。このうち、押さえ板94は、第1光ファイバー1の上方に設けられ、自重または第1凸部91との係合により第1光ファイバー1を上方から押さえ込んでいる。また、押さえ板95は、第2光ファイバー2の上方に設けられ、自重または第2凸部92との係合により第2光ファイバー2を上方から押さえ込んでいる。このような押さえ板94、95を用いることにより、第1光ファイバー1および第2光ファイバー2を前述した溝96に確実に嵌め込むことができる。その結果、第1光ファイバー1および第2光ファイバー2をそれぞれ目的の位置に誘導し、移動を規制することができる。
[2]第1接着工程S02
次に、第1光入出射面113と第3光入出射面391との間、および、第2光入出射面213と第4光入出射面392との間に、それぞれ第1接着部81を形成するための接着剤を供給する。そして、接着剤を硬化させることにより、図9に示すように、第1接着部81を介してこれらが接着される。
なお、治具9には、必要に応じて、図9に示すように、Y軸方向における第1凸部91と第3凸部93との間、および、Y軸方向における第2凸部92と第3凸部93との間に、それぞれ凹部97が形成されていてもよい。このような凹部97が設けられることにより、第1接着部81が治具9に付着するのを防止することができる。また、併せて、第1接着部81が光導波路3の上面や第1光ファイバー1および第2光ファイバー2の側面に濡れ広がるのを妨げにくくなる。
なお、必要に応じて、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および光導波路3のうちの少なくとも1つに対して、表面処理を施すようにしてもよい。これにより、第1接着部81の濡れ広がりが困難な材料で構成された表面についても、濡れ広がりを生じさせたり、促進したりすることができる。この表面処理は、特に限定されないが、例えばコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理等が挙げられる。
[3]第2接着工程S03
次に、押さえ板94、95を取り除いた後、第1光ファイバー1と第2光ファイバー2との間にまたがるように第1支持部材4を配置する。
続いて、第1光ファイバー1と第1支持部材4との間、第2光ファイバー2と第1支持部材4との間、および、光導波路3と第1支持部材4との間に、それぞれ第2接着部82を形成するための接着剤を供給する。そして、接着剤を硬化させることにより、図10に示すように、第2接着部82を介してこれらが接着される。
[4]脱治具工程S04
次に、治具9を外す。その後、必要に応じて、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2、光導波路3および第1支持部材4を筐体5に固定する。これにより、図3に示す光配線部品100が得られる。
以上のような製造方法によれば、設計自由度が高い光配線部品を効率よく容易に製造することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る光配線部品について説明する。
図11は、第2実施形態に係る光配線部品を示す断面図である。図12は、図11のB部拡大図である。なお、各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定している。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図11および図12において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
第2実施形態に係る光配線部品100は、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および光導波路3が第3接着部83を介して筐体5に支持されている以外、第1実施形態に係る光配線部品100と同様である。
すなわち、前述した第1実施形態では、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および光導波路3を例えば係止部材等を用いて筐体5に係止等しているが、本実施形態では、第3接着部83を介して筐体5に接着している。したがって、本実施形態でも、筐体5が第2支持部材となる。
これにより、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および光導波路3を、第1支持部材4と筐体5とで挟み込むようにして支持することができるので、これらの各部を位置合わせした状態で長期にわたって良好に維持することができる。このため、結合損失をより小さく抑えることができる。
また、第3接着部83は、第1光ファイバー1と筐体5との間、第2光ファイバー2と筐体5との間、および、光導波路3と筐体5との間にそれぞれ設けられている。ただし、これらの間に生じる隙間を全て埋めている必要はない。このような第3接着部83を用いることにより、第2接着部82と第3接着部83とで第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および光導波路3を挟み込むことができる。これにより、光配線部品100には、上方から第1支持部材4、第2接着部82、光導波路3、第3接着部83、筐体5(第2支持部材)という順で部材が並ぶ構造が含まれることになる。この構造は、X-Y面を基準面としたとき面対称の関係を満たす構造となる。このため、振動、衝撃、温度変化といった外乱が加わった場合でも、局所的な応力の集中が生じにくくなり、優れた耐久性を示す。その結果、より信頼性の高い光配線部品100が得られる。
さらに、この場合、第3接着部83は、筐体5に近接して設けられているため、外気温の影響を受けやすい。したがって、第3接着部83の弾性率は、第2接着部82の弾性率より小さいことが好ましい。これにより、外気温の影響で筐体5が伸縮、変形した場合でも、その影響を第3接着部83によって吸収しやすくなる。その結果、筐体5の伸縮を光導波路3やその近傍に影響させにくくすることができ、温度変化に対する信頼性に優れた光配線部品100を実現することができる。
なお、第3接着部83の弾性率と第2接着部82の弾性率との差は、100MPa以上であるのが好ましく、300MPa以上5000MPa以下であるのがより好ましい。弾性率の差を前記範囲内に設定することにより、双方が接着部としての機能を維持しつつ、上述したような効果をより確実に享受することができる。
なお、第3接着部83の弾性率は、JIS K 7127に規定された方法で測定され、測定温度は25℃とする。
以上のことから、第2接着部82と第3接着部83は、互いに接着剤の種類、すなわち接着剤の組成が異なっているのが好ましい。これにより、第2接着部82は、相対的に弾性率が大きい利点を活かして、部材が位置合わせされた状態を維持しやすくなり、一方、第3接着部83は、相対的に弾性率が小さい利点を活かして、外気温の影響を吸収することができる。
また、第3接着部83の硬化方法は、特に限定されず、熱硬化型、硬化剤混合型、溶剤揮散型等であってもよいが、組立容易性、弾性率等の観点からすると、第2接着部82が光硬化性接着剤である一方、第3接着部83はそれ以外の硬化方法による接着剤であるのが好ましい。
≪電子機器≫
上述したような実施形態に係る光配線部品によれば、前述したように、設計自由度が高く製造が容易な光配線部品が得られる。このため、例えば様々な外形を有する光配線部品の設計が可能になり、かつ、その低コスト化が可能になる。したがって、このような光配線部品を備える電子機器は、低コストで付加価値の高いものとなる。
本発明の電子機器としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、サーバー、スーパーコンピューター等の電子機器類が挙げられる。
以上、本発明の光配線部品、光配線部品の製造方法および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態に係る光配線部品には、任意の要素が付加されていてもよい。また、前記実施形態に係る光配線部品の製造方法には、任意の目的の工程が付加されていてもよい。さらに、工程の順序は、上記の順序に限定されず、入れ替わっていてもよい。
1 第1光ファイバー
2 第2光ファイバー
3 光導波路
4 第1支持部材
5 筐体
6 第1光アダプター
7 第2光アダプター
9 治具
11 光ファイバー本体
12 フェルール
21 光ファイバー本体
22 フェルール
31 クラッド層
32 クラッド層
33 コア層
34 コア部
35 側面クラッド部
37 下側保護層
38 上側保護層
61 挿入部
62 挿入部
71 挿入部
72 挿入部
81 第1接着部
82 第2接着部
83 第3接着部
90 基部
91 第1凸部
92 第2凸部
93 第3凸部
94 押さえ板
95 押さえ板
96 溝
97 凹部
100 光配線部品
111 コア部
112 クラッド部
113 第1光入出射面
211 コア部
212 クラッド部
213 第2光入出射面
214 側面
361 第1分岐部
362 第2分岐部
363 第3分岐部
391 第3光入出射面
392 第4光入出射面
393 上面
921 上面
S01 支持工程
S02 第1接着工程
S03 第2接着工程
S04 脱治具工程

Claims (9)

  1. 一端に設けられている第1光入出射面と、第1コア部と、を有する第1光ファイバーと、
    一端に設けられている第2光入出射面と、第2コア部と、を有する第2光ファイバーと、
    前記第1光入出射面と前記第2光入出射面との間に設けられ、前記第1光入出射面と対向する第3光入出射面および前記第2光入出射面と対向する第4光入出射面と、前記第3光入出射面と前記第4光入出射面との間に延在し、途中で分岐している第3コア部と、を有し、樹脂で構成されている光導波路と、
    前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーとの間にまたがって設けられている第1支持部材と、
    前記第1光入出射面と前記第3光入出射面との間、および、前記第2光入出射面と前記第4光入出射面との間、にそれぞれ設けられている第1接着部と、
    前記第1光ファイバーと前記第1支持部材との間、前記第2光ファイバーと前記第1支持部材との間、および、前記光導波路と前記第1支持部材との間、にそれぞれ設けられている第2接着部と、
    前記第1支持部材との間に前記光導波路を挟むように設けられ、前記第1光ファイバー、前記第2光ファイバー、前記光導波路、前記第1支持部材、前記第1接着部および前記第2接着部を内部に収容して支持する筐体である第2支持部材と、
    前記第1光ファイバーの他端に装着され、前記第2支持部材に設けられている第1光アダプターと、
    前記第2光ファイバーの他端に装着され、前記第2支持部材に設けられている第2光アダプターと、
    を備えることを特徴とする光配線部品。
  2. 前記第1接着部は、光硬化性接着剤の硬化物を含んでいる請求項1に記載の光配線部品。
  3. 前記第2接着部は、光硬化性接着剤の硬化物を含んでいる請求項1または2に記載の光配線部品。
  4. 前記第1光ファイバーと前記第2支持部材との間、前記第2光ファイバーと前記第2支持部材との間、および、前記光導波路と前記第2支持部材との間、にそれぞれ設けられている第3接着部をさらに備える請求項1ないしのいずれか1項に記載の光配線部品。
  5. 前記第3接着部の弾性率は、前記第2接着部の弾性率より小さい請求項に記載の光配線部品。
  6. 前記第1接着部の屈折率は、前記第1コア部の屈折率と前記第3コア部の屈折率との間の値であって、かつ、前記第2コア部の屈折率と前記第3コア部の屈折率との間の値である請求項1ないしのいずれか1項に記載の光配線部品。
  7. 前記第1支持部材は、透光性を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載の光配線部品。
  8. 一端に第1光入出射面を有する第1光ファイバーと、一端に第2光入出射面を有する第2光ファイバーと、前記第1光入出射面と前記第2光入出射面との間に設けられ、前記第1光入出射面と対向する第3光入出射面および前記第2光入出射面と対向する第4光入出射面を有し、樹脂で構成されている光導波路と、を用意し、これらの位置を互いに合わせた状態で、治具で支持する工程と、
    前記第1光入出射面と前記第3光入出射面との間、および、前記第2光入出射面と前記第4光入出射面との間、をそれぞれ第1接着部で接着する工程と、
    前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーとの間にまたがるように第1支持部材を配置し、前記第1光ファイバーと前記第1支持部材との間、前記第2光ファイバーと前記第1支持部材との間、および、前記光導波路と前記第1支持部材との間、をそれぞれ第2接着部で接着する工程と、
    前記治具を外す工程と、
    前記第1光ファイバー、前記第2光ファイバー、前記光導波路、前記第1支持部材、前記第1接着部および前記第2接着部、ならびに、第1光アダプターおよび第2光アダプターを、それぞれ、筐体である第2支持部材の内部収容し、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に前記光導波路を挟んで固定するとともに、前記第1光ファイバーの他端に前記第1光アダプターを装着し、前記第2光ファイバーの他端に前記第2光アダプターを装着する工程と、
    を有することを特徴とする光配線部品の製造方法。
  9. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の光配線部品を備えることを特徴とする電子機器。
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