JP7313492B2 - Dna-pk阻害剤としてのキノリン及びシンノリン誘導体 - Google Patents

Dna-pk阻害剤としてのキノリン及びシンノリン誘導体 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
CN201910568738.0、出願日2019-06-27。
CN202010076183.0、出願日2020-01-23。
CN202010209372.0、出願日2020-03-23。
[技術分野]
本発明は、一連のDNA-PKキナーゼ阻害剤、それらの使用及び合成方法に関し、具体的には又はDNA-PKキナーゼ阻害剤に関連する薬物の製造における式(I)で示される化合物、それらの異性体又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。
[背景技術]
DNA二本鎖切断(DSB)は、深刻なDNA損傷として、遺伝物質の欠失、遺伝子組み換えを引き起こし、がん又は細胞死を引き起こす可能性がある。遺伝子の安定性と細胞活性を維持するために、生物は損傷検出、シグナル伝達及び損傷修復のためのDNA損傷応答(DDR)メカニズムを進化させてきた。DNA二本鎖切断修復は、主に二つを含む:相同組み換え(HR)修復と非相同末端結合(NHEJ)修復。MRNなどのDDR初期損傷因子は、損傷部位を検出して認識し、ホスファチジルイノシトールキナーゼファミリーメンバー(ATM、ATR、DNA-PK)を動員し、H2AXをリン酸化してγH2AXの形成を促進し、関連するシグナルタンパク質(53BP1、Chk1、Chk2、BRCA1、NBS1など)を動員して損傷シグナルを伝達し、細胞を細胞周期停止状態にし、関連する修復タンパク質を動員し、損傷したDNAを修復する。
DNA損傷修復の重要なメンバーとして、DNA-PKは主に非相同末端での二本鎖切断を標的とし、KU70、KU80、DNA-PKcs、CRCC4、リガーゼIVとArtemisの6つのコアな因子で構成される。DNA二本鎖損傷を修復する場合、KU分子は、事前に形成されたチャネルを介して二本鎖損傷に特異的に結合し、それぞれDNA鎖の末端を認識して結合し、続いてATP依存でDNA鎖に沿って両端に一定距離スライドし、KU-DNA複合体を形成し、DNA-PKcsを損傷部位に吸引し、それと結合してキナーゼの活性を活性化し、更に修復及び損傷シグナル伝達に関与する一連のタンパク質をリン酸化し、修復を完了する。
現在、放射線療法と化学療法(トポイソメラーゼII、ブレオマイシン、ドキソルビシン、エトポシド)などの方式によってDNA損傷を誘発することは、腫瘍の成長を制御するための主な方法の一つである。しかし、研究によると、放射性化学療法後の腫瘍組織におけるDNA-PKの高発現と、放射性化学療法によって損傷した腫瘍細胞の継続的な修復が、放射性化学療法に対する抵抗性の主な原因の一つになっている。
本発明は、放射性化学療法薬との併用によりDNA-PK活性を阻害し、それにより腫瘍DNA修復を大幅に減少させ、細胞をアポトーシスプログラムに入れるように誘導することができるDNA-PKの小分子阻害剤を発見することを目的とする。放射性化学療法に対する抵抗性の問題を大幅に克服し、小細胞肺がん、頭頸部がん、結腸直腸がん、膵臓がんなどの腫瘍に対する抑制効果を高めることができる。この種類の化合物は、優れた活性を持ち、優れた効果と機能を示し、幅広い使用の見通しを有する。
特許WO2018178133は、DNA-PKキナーゼ阻害剤に属する抗腫瘍小分子化合物の化合物M3814を開示しており、その構造式は以下のとおりである:
Figure 0007313492000001
[発明の概要]
本発明は、式(I)で示される化合物、その異性体又はその薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 0007313492000002
ここで、
TはCH、CR又はNであり、
、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立してN又はCRであり、
及びRは、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、I、OH又はNHであり、
は、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基であり、前記C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基は、任意選択的に1、2又は3個のRaで置換され、
は、H、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基であり、前記C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基は、任意選択的に1、2又は3個のRで置換され、
及びRは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、OH、NHであり、
ここで、TがCHであり、RがFである場合、RはF、Cl、Br、I、OH、又はNHである。
本発明のいくつかの態様において、上記R及びRは、それぞれ独立してH、Cl又
はFであり、その他の変数は本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記Rは、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、前記C1-3アルキル基及びC1-3アルコキシ基は、任意選択的に1、2又は3個のRaで置換され、その他の変数は、本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記Rは、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、CH、CHCH又はOCHであり、前記CH、CHCH及びOCHは、任意選択的に1、2又は3個のRaで置換され、その他の変数は、本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記Rは、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はOCHであり、その他の変数は、本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記Rは、H、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、前記C1-3アルキル基及びC1-3アルコキシ基は、任意選択的に1、2又は3個のRで置換され、その他の変数は、本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記Rは、H、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、CH、CHCH又はOCHである。
本発明のいくつかの態様において、上記Tは、CH、N、C(NH)、C(OCH)又はC(CHF)であり、その他の変数は本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記Z、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立してN、CH、C(OCH)又はC(CH)であり、その他の変数は本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記構造の断片
Figure 0007313492000003
Figure 0007313492000004
であり、その他の変数は本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記構造の断片
Figure 0007313492000005
Figure 0007313492000006
であり、その他の変数は本発明によって定義される。
本発明のいくつかの態様において、上記構造の断片
Figure 0007313492000007
Figure 0007313492000008
であり、その他の変数は本発明によって定義される。
本発明の更にいくつかの態様では、上記変数の任意の組み合わせによって構成される。
本発明のいくつかの態様において、上記化合物、その異性体又はその薬学的に許容される塩は、以下から選択される:
Figure 0007313492000009
ここで、
、R、R及びRは、本発明によって定義される。
本発明はまた、下記式の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、それは以下から選択される:
Figure 0007313492000010
本発明のいくつかの態様において、上記化合物又はその薬学的に許容される塩は、以下から選択される:

Figure 0007313492000011
Figure 0007313492000012
本発明はまた、有効成分としての治療有効量の上記化合物、その薬学的に許容される塩又は異性体、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、DNA-PKに関連する疾患を治療する薬物の製造における上記化合物、その異性体又は薬学的に許容される塩の使用を提供する。
本発明のいくつかの態様において、上記及びDNA-PK関連薬物は、腫瘍を治療するための薬物である。
技術的効果
本発明の化合物は、DNA-PKキナーゼ活性について試験されており、データは、いくつかの化合物の活性が現在の臨床化合物M3814よりも優れているか又は等しいことを示している。PKの結果は、本発明のいくつかの化合物の薬物動態特性がM3814よりも優れており、経口投与用に開発することができる非常に優れた分子であることを示している。NCI-H69小細胞肺がん移植腫瘍モデルでは、化学療法薬エトポシド(10mpk)との併用による相乗効果が明らかであり、M3814と比較して、かなりの抗腫瘍効果を示し、安全性がより高い。FaDu頭頸部がん移植腫瘍モデルでは、放射線療法との併用により、腫瘍を完全に消失させることができ、後期薬剤を中止した後のリバウンドはなく、本発明の化合物は、様々な腫瘍阻害剤になる可能性がある。
定義及び説明
特に説明がない限り、本明細書で使用する以下の用語及びフレーズは、以下の意味を有することを意図する。一つの特定の用語又はフレーズは、特に定義されていない場合、不確定又は不明と見なすべきではなく、一般的な意味で理解すべきである。本明細書において商品名が記載されている場合、それに対応する商品又はその活性成分を意味する。
ここで使用される「薬学的に許容される」という用語は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に関して、それらは、信頼できる医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適しており、過度の毒性、刺激性、アレルギー性反応又はその他の問題又は合併症がなく、適切な利益/リスク比に適合する。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の塩を意味し、本発明によって発見された特定の置換基を有する化合物及び比較的無毒な酸又はアルカリで調製される。本発明の化合物に比較的酸性の機能団が含まれている場合、アルカリ付加塩は、純粋な溶液又は適当な不活性溶媒中で十分な量のアルカリをこれらの化合物と接触させることによって調製することができる。薬学的に許容されるアルカリ付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン又はマグネシウム塩などの塩を含む。本発明の化合物が比較的アルカリ性の官能基を含む場合、酸付加塩は、純粋な溶液又は適切な不活性溶媒中で化合物を十分な量の酸と接触させることによって調製することができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、例えば塩酸、臭素水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、硫酸水素、ヨウ素酸、亜リン酸等を含む無機酸塩と。酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸及びメチルスルホン酸等の類似の酸を含む有機酸塩とを含む。アミノ酸(例えばアルギニン等)の塩、及びグルクロン酸等の有機酸の塩を更に含む。本発明のいくつか特定の化合物は、アルカリ性及び酸性の官能基を含み、それによって任意のアルカリ又は酸付加塩に変換することができる。
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、酸根又はアルカリ基を含む親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩の調製方法は以下のとおりである:水又は有機溶媒又は両者の混合物中で、遊離酸又はアルカリ形態のこれらの化合物を介して化学量論的に適切なアルカリ又は酸と反応して調製する。
本発明の化合物は、特定の幾何学的又は立体異性体の形態で存在し得る。本発明で想定される全ての化合物は、シスとトランス異性体、(-)-と(+)-エナンチオマー、(R)-と(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、及びそれらのラセミ混合物、並びにエナンチオマー又はジアステレオマーに富む混合物などの混合物を含み、全てのこれらの混合物は本発明の範囲内に属する。アルキル基などの置換基には、他の非対称炭素原子が存在し得る。全てのこれらの異性体及びそれらの混合物は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
特に説明がない限り、「エナンチオマー」又は「光学異性体」という用語は、互いに鏡像関係を有する立体異性体を意味する。
特に説明がない限り、「順反異性体」又は「幾何異性体」という用語は、二重結合又は環状炭素原子の単結合が自由に回転できないことに起因する。
特に説明がない限り、「ジアステレオマー」という用語は、分子が二つ以上のキラル中心を有し、且つ分子間が非鏡像関係の立体異性体を指す。
特に説明がない限り、「(+)」は右旋、「(-)」は左旋、「(±)」はラセミを意味する。
特に説明がない限り、くさび形の実線結合(
Figure 0007313492000013
)とくさび形の破線結合(
Figure 0007313492000014
)で立体中心の絶対配置を表し、直線の実線結合(
Figure 0007313492000015
)と直線の破線結合(
Figure 0007313492000016
)で立体中心の相対配置を表し、波線(
Figure 0007313492000017
)でくさび形の実線結合(
Figure 0007313492000018
)又はくさび形の破線結合(
Figure 0007313492000019
)を表し、又は波線(
Figure 0007313492000020
)で直線の実線結合(
Figure 0007313492000021
)と直線の破線結合(
Figure 0007313492000022
)を表す。
特に説明がない限り、化合物に炭素-炭素二重結合、炭素-窒素二重結合及び窒素-窒素二重結合などの二重結合構造があり、且つ二重結合上の各原子に二つの異なる置換基が接続されている場合(窒素原子を含む二重結合では、窒素原子上の孤立電子対はそれに接続された置換基と見なされ)、該化合物の二重結合上の原子とその置換基が波線(
Figure 0007313492000023
)で接続されている場合、それは該化合物の(Z)型異性体、(E)型異性体又は二つの異性体の混合物を意味する。例えば、下記式(A)は、該化合物が式(A-1)又は式(A-2)の単一異性体の形態で存在するか、又は式(A-1)及び式(A-2)の二種類の異性体混合物の形態で存在することを示す。下記式(B)は、該化合物が式(B-1)又は式(B-2)の単一異性体の形態で存在するか、又は式(B-1)及び式(B-2)の二種類の異性体混合物の形態で存在することを示す。下記式(C)は、該化合物が式(C-1)又は式(C-2)の単一異性体の形態で存在するか、又は式(C-1)及び式(C-2)の二種類の異性体混合物の形態で存在することを示す。
Figure 0007313492000024
特に説明がない限り、用語「互変異性体」又は「互変異性体形態」は、室温において、異なる官能基異性体が動的に平衡し、急速に相互変換できることを意味する。互変異性体が可能であれば(例えば溶液中で)、互変異性体の化学的平衡を達成することができる。例えば、プロトン互変異性体(proton tautomer)(プロトン転移互変異性体(prototropic tautomerとも呼ばれる))は、ケトン-アルケノール異性化及びイミド-アルケニルアミン異性化のようなプロトン転移による相互変換を含む。原子価互変異性体(valence tautomer)は、いくつかの結合電子の再結合による相互変換を含む。ここで、ケトン-エノール互変異性化の具体例は、ペンタン-2,4-ジケトンと4-ヒドロキシペン-3-エン-2-オンの二つの互変異性
体との間の互変である。
特に説明がない限り、「一種の異性体に富む」、「異性体に富む」、「一種の鏡像体に富む」又は「鏡像体に富む」という用語は、一種の異性体又は鏡像体の含有量が100%未満であり、且つ該異性体又は鏡像体の含有量が60%以上、又は70%以上、又は80%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上、又は99.5%以上、又は99.6%以上、又は99.7%以上、又は99.8%以上、又は99.9%以上であることを意味する。
特に説明がない限り、「異性体過剰」又は「鏡像体過剰」という用語は、二つの異性体又は二つの鏡像体の相対パーセンテージの差を意味する。例えば、一種の異性体又は鏡像体の含有量が90%であり、もう一つの異性体又は鏡像体の含有量が10%であると、異性体又は鏡像体過剰(ee値)は80%である。
光学活性の(R)-と(S)-異性体及びDとL異性体は、キラル合成又はキラル試薬又は他の従来技術によって調製することができる。本発明のある化合物の一つの鏡像体を得るためには、得られたジアステレオマー混合物を分離し、且つ純粋な所望のエナンチオマーを提供するために補助基を開裂させる非対称合成又はキラル助剤の誘導作用によって調製することができる。 又は、分子中にアルカリ性官能基(例えばアミノ基)又は酸性官能基(例えばカルボキシル基)が含まれている場合、適当な光学活性の酸又はアルカリとジアステレオマーの塩を形成し、その後、本分野で周知の従来方法によりジアステレオマーを分解し、続いて純粋な鏡像体を回収する。また、エナンチオマーとジアステレオマーとの分離は、通常、キラル固定相を用い、任意選択的に化学誘導法(例えば、アミンからカルバミン酸塩を生成する)と組み合わせたクロマトグラフィーを用いて行われる。
本発明の化合物は、該化合物を構成する一つ以上の原子上に不自然な割合の原子同位体を含み得る。例えば、化合物は、トリチウム(H)、ヨウ素-125(125I)又はC-14(14C)などの放射性同位元素で標識できる。別の例として、水素の代わりに重水素を使用して重水素化薬物を形成することができ、重水素と炭素によって形成される結合は通常の水素と炭素によって形成される結合よりも堅固であり、未重水素化薬物に比べて重水素化薬物は毒性と副作用の低下、薬物安定性の増加、治療効果の増強、薬物生物半減期の延長などの利点がある。本発明の化合物の全ての同位体組成の変換は、放射性の有無にかかわらず、本発明の範囲内に含まれる。
「任意選択」又は「任意選択的に」という用語は、後に記載されるイベント又は状況が、必ずしも発生しなくてもよいことを意味し、該説明は、前記イベント又は状況が発生した場合、及び前記イベント又は状況が発生しない場合を含む。
「置換される」という用語は、特定の原子上のいずれか一つ以上の水素原子が置換基で置換されることを意味し、特定の原子の原子価状態が正常であり、且つ置換後の化合物が安定的である限り、重水素及び水素の変異体を含むことができる。置換基が酸素(即ち=O)である場合、二つの水素原子が置換されることを意味する。酸素置換は芳香族基では起こらない。「任意選択的に置換される」という用語、置換されてもよく、置換されなくてもよいことを意味し、特に明記しない限り、置換基の種類及び数は化学的に実現可能である上で任意であってもよい。
任意の変数(例えばR)が化合物の組成又は構造において一回以上存在する場合、それぞれの場合での定義は独立している。従って、例えば、一つの基が0~2個のRで置換されている場合、前記基は任意選択的に多くとも二個のRで置換されていてもよく、且つそれぞれの場合のRには独立した選択肢がある。また、置換基及び/又はその変異体の組み
合わせは、このような組み合わせが安定した化合物を生成する場合に限って許容される。
1つの結合基の数が0である場合、例えば、-(CRR)-は、該結合基が単結合であることを示す。
変数の一つが単結合から選択されると、その結合を示す二つの基が直接結合され、例えばA-L-Z中のLが単結合を示す場合、該構造が実際にA-Zであることを示す。
一つの置換基が空席である場合、該置換基が存在しないことを示し、例えばA-X中のXが空席である場合、該構造が実際にAであることを示す。列挙された置換基において、置換された基にどの原子を介して結合されているかが示されていない場合、この置換基は、その任意の原子を介して結合することができ、例えば、ピリジン基は置換基としてピリジン環上の任意の炭素原子を介して置換された基団に結合することができる。
特に明記しない限り、ある基が一つ以上の結合可能な部位を有する場合、該基の任意の一つ以上の部位は、化学結合によって他の基に結合することができる。該化学結合の結合方式が非局在であり、且つ結合可能な部位にH原子が存在する場合、化学結合を結合すると、該部位のH原子の個数は、結合された化学結合の個数に応じて相応の価数の基に減少する。前記部位が他の基と結合する化学結合は、直線実線結合(
Figure 0007313492000025
)、直線破線結合(
Figure 0007313492000026
)、又は波線(
Figure 0007313492000027
)で表すことができる。例えば、-OCHの直線実線結合は、該基の酸素原子を介して他の基に結合されていることを意味する。
Figure 0007313492000028
中の直線の破線結合は、該基内の窒素原子の両端が他の基に結合されていることを意味する。
Figure 0007313492000029
中の波線は、該フェニル基の部位1と2の炭素原子を介して他の基に結合されていることを意味する。
Figure 0007313492000030
は、該ピペリジニル基の任意の結合可能な部位が1つの化学結合によって他の基に結合できることを意味し、少なくとも
Figure 0007313492000031
の四つの結合方式を含み、H原子が-N-に描かれていても、
Figure 0007313492000032
には
Figure 0007313492000033
この結合方式の基が含まれるが、1つの化学結合が接続されると、その部位のHは1つ減少して対応する一価ピペリジン基になる。
特に明記しない限り、「C1-6アルキル基」という用語は、直鎖又は分枝鎖の1~6個の炭素原子からなる飽和炭化水素基を表すために用いられる。前記C1-6アルキル基は、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-4、C及びCアルキル基などを含む。これは、一価(例えばメチル基)、二価(例えばメチレン基)、又は多価(例えばメチレン基)であってもよい。C1-6アルキル基の実例は、メチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(n-プロピル基及びイソプロピル基を含む)、ブチル基(n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基及びt-ブチル基を含む)、ペンチル基(n-ペンチル基、イソペンチル基及びネオペンチル基を含む)、ヘキシル基などを含むが、これらに限定されない。
特に明記しない限り、「C1-3アルキル基」という用語は、直鎖又は分枝鎖の1~3個の炭素原子からなる飽和炭化水素基を表すために用いられる。前記C1-3アルキル基は、C1-2及びC2-3アルキル基などを含む。これは、一価(例えばメチル基)、二価(例えばメチレン基)、又は多価(例えばメチレン基)であってもよい。C1-3アルキル基の実例は、メチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(n-プロピル基及びイソプロピル基を含む)などを含むが、これらに限定されない。
特に明記しない限り、「C1-6アルコキシ基」という用語は、酸素原子を介して分子の残りの部分に結合された1~6個の炭素原子を含むアルキル基を表す。前記C1-6アルコキシ基は、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-4、C、C、C及びCアルコキシ基などを含む。C1-6アルコキシ基の実例は、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基(n-プロピオキシ基及びイソプロピオキシ基を含む)、ブトキシ基(n-ブトキシ基、イソブトキシ基、s-ブトキシ基及びt-ブトキシ基を含む)、ペンタキシ基(n-オキシペンチル基、イソペンチルオキシ基及びネオペンチルオキシ基を含む)、ヘキサキシ基などを含むが、これらに限定されない。
特に明記しない限り、「C1-3アルコキシ基」という用語は、一つの酸素原子を介して分子の残りの部分に結合された1~3個の炭素原子を含むアルキル基を表す。前記C1-3アルコキシ基は、C1-2、C2-3、C及びCアルコキシ基などを含む。C1-3アルコキシ基の実例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n-プロポキシ基及びイソプロポキシ基を含む)などを含むが、それらに限定されない。
特に明記しない限り、Cn-n+m又はCn-n+mはn~n+m個の炭素のいずれかの具体的な状況を含み、例えばC1-12はC、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、及びC12を含み、n~n+mのいずれかの範囲を含み、例えばC1-12は、C1-3、C1-6、C1-9、C3-6、C3-9、C3-12、C6-9、C6-12、及びC9-12などを含む。同様に、n~n+m元は、環上の原子数がn~n+m個であり、例えば、3~12元環は、3元環、4元環、5元環、6元環、7元環、8元環、9元環、10元環、11元環、及び12元環を含み、n~n+mのいずれかの範囲を含み、例えば、3~12元環は、3~6元環、3~9元環、5~6元環、5~7元環、6~7元環、6~8元環、及び6~10元環などを含む。
「脱離基」という用語は、置換反応(例えば、親核置換反応)によって別の官能基又は原子によって置換され得る官能基又は原子を意味する。例えば、代表的な脱離基は、トリフルオロメタンスルホネート基。塩素、臭素、及びヨウ素。メシラート、トシラート、パラブロモベンゼンスルホン酸エステル、パラトルエンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル基。アセトキシル基、トリフルオロアセトキシ基などのアシルオキシ基などを含む。
「保護基」という用語は、「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」又は「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されない。「アミノ保護基」という用語は、アミノ窒素部位での副反応を阻止するのに適する保護基を意味する。代表的なアミノ保護基は以下を含むが、それらに限定されない:ホルミル基。アシル基、例えばアルカノイル基(アセチル基、トリクロロアセチル基又はトリフルオロアセチル基など)。アルコキシカルボニル基、例えばtert-ブトキシカルボニル基(Boc)。アリールメトキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル基(Cbz)及び9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)。アリールメチル基、例えばベンジル基(Bn)、トリチル基(Tr)、1,1-ビス-(4’-メトキシフェニル基)メチル基。シリル基。例えばトリメチルシリル基(TMS)及びtert-ブチルジメチルシリル基(TBS)など。「ヒドロキシ保護基」という用語は、ヒドロキシ基の副反応を阻止するのに適する保護基を意味する。代表的なヒドロキシ保護基は以下を含むが、それらに限定されない:メチル基、エチル基及びtert-ブチル基などのアルキル基。アルカノイル基(例えばアセチル基)などのアシル基。ベンジル基(Bn)、p-メトキシベンジル基(PMB)、9-フルオレニルメチル基(Fm)及びジフェニルメチル基(ジフェニルメチル基、DPM)などのアリールメチル基。トリメチルシリル基(TMS)及びtert-ブチルジメチルシリル基(TBS)などのシリル基。
本発明の化合物は、当業者によく知られている種々の合成方法によって調製することができ、以下に列挙される具体的な実施形態、他の化学合成方法との組み合わせによって形成される実施形態、及び当業者によく知られている同等の代替形態を含み、好ましい実施形態は、本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、当業者によく知られている従来の方法によって構造を確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関与する場合、該絶対配置は当業者の従来の技術手段によって確証することができる。例えば単結晶X線回折法(SXRD)は、育成した単結晶に対してBruker D8 venture回折計で回折強度データを収集し、光源がCuKα放射であり、走査方式は以下のとおりである:φ/ω走査、関連データを収集した後、更に直接法(Shelxs97)を用いて結晶構造を解析すれば、絶対配置を確証できる。
本発明で使用される溶媒は市販されている。本発明は以下の略号を使用する:aqは水を表す。HATUはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)N、N、N’、N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスファートを表す。EDCはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩を表す。m-CPBAは3-クロロペルオキシ安息香酸を表す。eqは当量、等量を表す。CDIはカルボニルジイミダゾールを表す。DCMはジクロロメタンを表す。PEは石油エーテルを表す。DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルを表す。DMFはN、N-ジメチルホルムアミドを表す。DMSOはジメチルスルホキシドを表す。EtOAcは酢酸エチルを表す。EtOHはエタノールを表す。MeOHはメタノールを表す。CBzは、アミン保護基であるベンジルオキシカルボニル基を表す。BOCは、アミン保護基であるtert-ブトキシカルボニル基を表す。HOAcは酢酸を表す。 NaCNBHはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを表す。r.t.は室温を表す。O/Nは一晩を表す。THFはテトラヒドロフランを表す。BocOは二炭酸ジ-tert-ブチルを表す。TFAはトリフルオロ酢酸を表す。DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを表す。SOClは塩化チオニルを表す。CSは二硫化炭素を表す。TsOHはp-トルエンスルホン酸を表す。NFSIはN-フルオロ-N-(ベンゼンスルホニル)ベンゼンスルホンアミドを表す。NCSは1-クロロピロリジン-2,5-ジオンを表す。n-BuNFはテトラブチルアンモニウムフルオリドを表す。iPrOHは2-プロパノールを表す。mpは融点を表す。LDAはリチウムジイソプロピルアミドを表す。Pd(dba)はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを表す。POは経口投与を表す。QDは一日一回の投与を表す。IPは腹腔内注射を表す。BIDは一日二回の投与を表す。Gyは放射線治療線量の単位がグレイであることを表す。
化合物は本分野の従来の命名原則に従って、又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアを使用して命名され、市販の化合物はサプライヤーのカタログ名を使用する。
以下、実施形態によって本発明を詳細に説明するが、本発明のいかなる不利な制限も意味しない。本明細書では、本発明について詳細に説明したが、その具体的な実施形態も開示されており、当業者にとって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態を種々の変更及び改善することが明らかになる。
実施例1&2
Figure 0007313492000034
ステップ1
化合物1a(5g、22.3mmol、1eq)をオキシ塩化リン(18.6g、121mmol、11.2mL、5.42eq)に添加し、混合物を乾燥条件下、110℃で2時間撹拌し、反応終了後、混合物を飽和炭酸カリウム溶液(300mL)にゆっくり滴下して希釈し、酢酸エチル(50mL*3)で抽出し、併合した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、化合物1bを得た。
ステップ2
p-メトキシベンジルアルコール(5.70g、41.2mmol、5.13mL、2eq)をN、N-ジメチルホルムアミド(50.0mL)に溶解し、混合物を0℃で撹拌しながら水素化ナトリウム(1.65g、41.2mmol、60%純度、2eq)を徐々に添加し、該温度で0.5時間反応を続けた。続いて化合物1b(5.00g、20.6mmol、1eq)を添加し、混合物を80℃で4.5時間撹拌し、反応終了後、水(250mL)を添加して希釈し濾過し、濾過ケーキを減圧下で濃縮した後、化合物1cを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]344、346実測値344、346。
ステップ3
化合物1c(6g、17.4mmol、1eq)、モルホリン(7.59g、87.2mmol、7.67mL、5eq)、ナトリウムtert-ブトキシド(3.35g、34.9mmol、2eq)、トリ(ベンジルアセトン)ジパラジウム(798mg、872μmol、0.05eq)、(±)-2、2-ビス(ジフェニルホスホニル)-11-ナフタレン(542mg、872μmol、0.05eq)をトルエン(60ml)に添加し、混合物を窒素保護下、100℃で3時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、水(80mL)を添加して希釈し、酢酸エチル(50mL*3)で抽出し、カラムクロマ
トグラフィーにより化合物1dを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.57(d,J=5.2Hz,1H),7.95(d,J=9.2Hz,1H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),7.36(dd,J=2.0,9.2Hz,1H),7.17(d,J=2.0Hz,1H),6.98(d,J=8.4Hz,2H),6.89(d,J=5.2Hz,1H),5.25(s,2H),3.78(brs,4H),3.34(s,3H),3.31-3.20(m,4H)。
ステップ4
化合物1d(5.2g、14.9mmol、1eq)をトリフルオロ酢酸(20.0mL)に溶解し、混合物を80℃で20分間撹拌し、反応終了後、減圧下で濃縮した後、石油エーテル:酢酸エチル20:1、スラリーにし、濾過し、乾燥して化合物1eを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]231実測値231。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:13.58(brs,1H),8.40(d,J=6.8Hz,1H),8.06(d,J=9.2Hz,1H),7.45(dd,J=2.0,9.2Hz,1H),7.01(d,J=2.0Hz,1H),6.68(d,J=7.2Hz,1H),3.82-3.74(m,4H),3.34-3.42(m,4H)。
ステップ5
化合物1e(6g、17.4mmol、1eq)をオキシ塩化リン(45.5g、297mmol、27.6mL、17.0eq)に添加し、混合物を乾燥条件下、110℃で1時間撹拌し、反応終了後、減圧下でオキシ塩化リンの大部分を濃縮し、残りの混合物を飽和炭酸カリウム溶液(200mL)にゆっくり滴下して希釈し、酢酸エチル(50.0mL*3)で抽出し、併合した有機相を無水ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、石油エーテル:酢酸エチル20:1、スラリーにし、化合物1fを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]249、251実測値249、251。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.66(d,J=4.8Hz,1H),8.01(d,J=9.2Hz,1H),7.61(dd,J=2.4,9.6Hz,1H),7.44(d,J=4.8Hz,1H),7.29(d,J=2.4Hz,1H),3.76-3.82(m,4H),3.34(brs,4H)。
ステップ6
化合物c(2.60g,10.5mmol,1eq)、ビスピナコラートジボロン(3.19g,12.6mmol,1.2eq)を無水ジオキサン(20.0mL)に添加し、続いて酢酸カリウム(2.05g,20.9mmol,2eq)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(367mg,523μmol,0.05eq)を添加し、窒素保護下、130℃で0.5時間撹拌した後、化合物1f(1.56g,6.28mmol,0.6eq)、1,1-ビス(ジフェニルリン)ジメチルフェライト塩化パラジウム(383mg,523μmol,0.05eq)、炭酸ナトリウム(2.22g,20.9mmol,2eq)と水(4.00mL)を添加し、窒素保護下、90℃で2時間反応させ、反応終了後、減圧下でジオキサンの大部分を濃縮し、水を添加して希釈した後に酢酸エチルで(50.0mL*3)抽出し、併合した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより化合物1hを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]382、384実測値382、384。
ステップ7
化合物1h(1.8g,4.71mmol,1eq)をジメチルスルホキシド(20.0mL)に溶解し、続いて水酸化カリウム(688mg,12.3mmol,2.6eq)と3,6-ジクロロピリダジン(632mg,4.24mmol,0.9eq)を添加し、40℃で1時間反応させ、反応終了後、水(30.0mL)を添加して希釈した後に酢酸エチルで(50.0mL*3)抽出し、併合した有機相を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で遠心脱水し、化合物1iを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]494、495、496実測値494、495、496。
ステップ8
化合物1i(1.8g,3.64mmol,1eq)をアセトニトリル(15.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(688mg,12.3mmol,2.6eq)と30%過酸化水素水溶液(2.00mL)を添加し、20℃で20分間反応させ、反応終了後、0℃で飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(150mL)を添加してクエンチした後、水(50.0mL)を添加して希釈した後に酢酸エチルで(50.0mL*3)抽出し、併合した有機相を飽和食塩水(20.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で遠心脱水し、化合物1jを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]483、484、485実測値483、484、485。
ステップ9
化合物1j(1.75g,3.62mmol,1eq)をメタノール(10.0mL)に溶解し、続いて炭酸カリウム(1.00g,7.24mmol,2eq)を添加し、40℃で30分間反応させ、反応終了後、水(100mL)を添加して希釈し、濾過した。濾過ケーキを減圧下で遠心脱水し、化合物1kを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]479、481実測値479、481。
ステップ10
化合物1k(1.6g,3.34mmol,1eq)をメタノール(20.0mL)に溶解し、ホウ素水素化ナトリウム(1.90g,50.1mmol,15eq)を徐々に添加し、25℃で1時間反応させ、反応終了後、減圧下でメタノールの大部分を濃縮し、水(30.0mL)を添加して希釈した後に酢酸エチルで(50.0mL*3)抽出し、併合した有機相を飽和食塩水(20.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー精製後、高速液体クロマトグラフィーにより分離調製後、キラル分離を行った(クロマトグラフィーカラム:Chiralcel OJ-3 100×4.6mm I.D.,3μm)。移動相:\[A相:二酸化炭素、B相:エタノール(0.05%ジエチルアミンを含む)。グラジエント:4.5分内でB相は5%から40%に上昇し、40%で2.5分間保持してから、5%のB相を1分間保持した]。流速:1分あたり2.8ミリリットル。カラム温度:40℃。溶出時間:8分)分離により化合物1(保持時間:3.406分)と2(保持時間:3.913分)を得た。
MS-ESI計算値\[M+H]481、483実測値481、483。
化合物1(保持時間:3.406分)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.83(d,J=4.4Hz,1H),7.77(d,J=8.0Hz,1H),7.73-7.62(m,2H),7.47(brs,2H),7.33(s,1H),7.26(d,J=4.4Hz,1H),7.21(d,J=9.2Hz,1H),6.61(brs,1H),6.22(b
rs,1H),4.00(s,3H),3.76-3.81(m,4H),3.32-3.30(m,4H)。
化合物2(保持時間:3.913分)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.83(d,J=4.4Hz,1H),7.77(brd,J=8.0Hz,1H),7.74-7.64(m,2H),7.47(brs,2H),7.34(s,1H),7.27(d,J=4.4Hz,1H),7.21(d,J=9.2Hz,1H),6.62(brs,1H),6.23(brs,1H),4.01(s,3H),3.74-3.86(m,4H),3.26-3.32(m,4H)。
実施例3&4
Figure 0007313492000035
ステップ1
化合物a(48g,215mmol,1.00eq)、N-ブロモスクシンイミド(42.1g,236mmol,1.10eq)、過酸化ベンゾイル(1.04g,4.30
mmol,0.02eq)をアセトニトリル(80.0mL)に溶解し、90℃で4時間反応させ、反応終了後、減圧下で乾燥し、濾過し、酢酸エチルで(50.0mL)濾過ケーキを洗浄し、濾液に飽和食塩水(100mL)を添加して希釈した後に酢酸エチルで(200mL)抽出し、有機相を飽和食塩水(100mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で遠心脱水して化合物bを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:7.63(d,J=7.2Hz,1H),7.18(d,J=8.0Hz,1H),4.49(s,2H)。
ステップ2
化合物b(73.4g,243mmol,1.00eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)と水(30.0mL)に溶解し、シアン化カリウム(25.3g,389mmol,1.60eq)を反応液にバッチ添加し、25℃で2時間反応させ、反応終了後、水(500mL)を添加して希釈し、酢酸エチルで抽出(300mL)、有機相を飽和食塩水(150mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で遠心脱水し、カラムクロマトグラフィーにより化合物cを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:7.72(d,J=7.2Hz,1H),7.24(s,1H),3.79(s,2H)。
ステップ3
化合物c(10g,40.2mmol,1.00eq)、3,6-ジクロロトリアジン(8.99g,60.4mmol,1.5eq)をジメチルスルホキシド(50.0mL)に溶解し、反応液に水酸化カリウム(3.39g,60.4mmol,1.5eq)をバッチ添加して30℃で2時間反応させた。反応終了後、水(250mL)を添加して希釈し、酢酸エチル(500mL)で抽出し、有機相を飽和食塩水(400mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で遠心脱水し、カラムクロマトグラフィーにより化合物dを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]360、362、364実測値360、362、364。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.00(s,1H),7.97(s,1H),7.84(d,J=4.0Hz,1H),7.82(d,J=4.0Hz,1H),6.49(s,1H)。
ステップ4
化合物d(6.00g,16.6mmol,1.00eq)、炭酸カリウム(2.99g,21.6mmol,1.30eq)をアセトニトリル(18.0mL)に溶解し、反応液に30%質量分率の過酸化水素水(6.01g,53.0mmol,3.19eq)を添加して20℃で20分間反応させた。反応終了後、反応液をゆっくりと冷たい飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(15.0mL)に滴下し、水(20.0mL)を添加して希釈し、酢酸エチル(40.0mL)で抽出し、有機相を飽和食塩水(40.0mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で遠心脱水し、化合物eを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]349、351、353実測値349、351、353。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:8.19(d,J=8.8Hz,1H),7.81(d,J=7.2Hz,1H),7.76(d,J=8.8Hz,1H),7.28(s,1H)。
ステップ5
化合物e(5.75g,16.4mmol,1.00eq)、炭酸カリウム(2.50
g、18.1mmol、1.10eq)をメタノール(50.0mL)に溶解し、20℃で6時間反応させた。反応終了後、水(200mL)を添加して希釈し、濾過し、濾過ケーキを水(40.0mL)で2回洗浄し、酢酸エチル(300mL)で希釈し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で遠心脱水し、化合物fを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]345、347、349実測値345、347、349。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:8.17(d,J=9.2Hz,1H),7.73(d,J=7.2Hz,1H),7.24(s,1H),7.15(d,J=9.2Hz,1H),4.24(s,3H)。
ステップ6
化合物f(10.0g、28.9mmol、1.00eq)をメタノール(100mL)に溶解し、反応液に水素化ホウ素ナトリウム(1.3g、34.4mmol、1.19eq)をバッチ添加し、15℃で1時間反応させた。反応終了後、水(20.0mL)を添加してクエンチし、ジクロロメタン(500mL)で希釈し、飽和食塩水(200mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で遠心脱水し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物gを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]345、347、349実測値345、347、349。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.95(d,J=7.6Hz,1H),7.70(d,J=8.8Hz,1H),7.65-7.59(m,1H),7.21(d,J=8.8Hz,1H),6.66(d,J=4.8Hz,1H),6.10(d,J=4.8Hz,1H),3.99(s,3H)。
ステップ7
化合物g(409mg,1.18mmol,1eq)とビスピナコラートジボロン(448mg,1.77mmol,1.5eq)のジオキサン(20mL)溶液にPd(PPhCl(41.31mg,58.86μmol,0.05eq)と酢酸カリウム(346.6mg,3.53mmol,3eq)を添加した。得られた反応液を130℃で4時間撹拌した。反応終了後、反応液を濃縮し、残留物を高速液体クロマトグラフィーにより分離して化合物3eを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]313、315実測数値313、315。
ステップ8
化合物3a(288mg,1.35mmol,1eq)を塩酸(5.00mL)と水(1.00mL)に添加し、0℃で亜硝酸ナトリウム(102mg,1.48mmol,1.1eq)の水(1.00mL)溶液を滴下し、この温度で30分間撹拌反応させ、70℃に昇温して12時間撹拌し、反応終了後、水(20.0mL)を添加して希釈し、濾過し、濾過ケーキを減圧下で濃縮して化学化合物3bを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]225、227実測数値225、227。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:13.53(brs,1H),7.95(d,J=8.8Hz,1H),7.80-7.73(m,2H),7.56(dd,J=1.6,8.7Hz,1H)。
ステップ9
化合物3b(70mg、311μmol、1eq)、モルホリン(54.2mg,622μmol,54.8μL,2eq)、メチルスルホン酸(2-ジシクロヘキシルホスフ
ィン-2、6-ジイソプロピルオキシ-1、1-ビフェニル)(2-アミノ-1、1-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(43.8mg、52.3μmol、1.68e-1eq)、カリウムtert-ブトキシド(105mg、933μmol、3eq)を、無水テトラヒドロフラン(1.00mL)に添加し、混合物を80℃で12時間撹拌した。反応終了後、濾過して減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(20:1ジクロロメタン:メタノール)で化合物3cを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]232実測値232。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.84(d,J=9.2Hz,1H),7.57(s,1H),7.20(brd,J=9.2Hz,1H),6.67(s,1H),3.77-3.75(m,4H),3.30-2.29(m,4H)。
ステップ10
化合物3c(70.0mg、303μmol、1eq)をオキシ塩化リン(2.18mL)に溶解し、混合物を110℃で30分間撹拌した。反応完了後、オキシ塩化リンを減圧下で濃縮し、続いて無水ジオキサン(20.0mL)で希釈し、減圧下で濃縮した後に化合物3dを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]250、252実測値250、252。
ステップ11
化合物3e(250mg、801μmol、2eq)、化合物3d(100mg、401μmol、1eq)、1,1-ビス(ジフェニルリン)ジメチルフェライト塩化パラジウム(23.4mg、32.0μmol、0.08eq)、炭酸ナトリウム(127mg、1.20mmol、3eq)を無水ジオキサン(5.00mL)と水(1.00mL)に添加し、窒素保護下、80℃で2時間反応させ、反応終了後、減圧下でジオキサンの大部分を濃縮し、水(20.0mL)を添加して希釈した後にジクロロメタンで(25.0mL*2)抽出し、併合した有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー精製後にキラル分離を行った(クロマトグラフィーカラム:Chiralpak AD-3 50*4.6mm I.D.,3μm)。移動相:\[40%(0.05%ジエチルアミンを含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:40℃。溶出時間:3分)化合物3(保持時間:0.845分)及び化合物4(保持時間:1.890分)を得た。
MS-ESI計算値\[M+H]482、484実測数値482、484。
化合物3(保持時間:0.845分)
H NMR(400MHz,アセトニトリル-d)δ:9.03(s,1H),7.77(d,J=7.8Hz,1H),7.67(s,1H),7.65-7.56(m,3H),7.47(d,J=9.2Hz,1H),7.06(d,J=9.2Hz,1H),6.35(d,J=4.4Hz,1H),4.68(brd,J=4.4Hz,1H),4.05(s,3H),3.87-3.83(m,4H),3.44-3.39(m,4H)。
化合物4(保持時間:1.890分)
H NMR(400MHz,アセトニトリル-d)δ:9.04(s,1H),7.77(d,J=8.0Hz,1H),7.67(s,1H),7.64-7.57(m,3H),7.49-7.45(m,1H),7.06(d,J=9.2Hz,1H),6.35(d,J=4.4Hz,1H),4.68(brs,1H),4.05(s,3H),3.87-3.83(m,4H),3.43-3.40(m,4H)。
実施例5&6
Figure 0007313492000036
ステップ1
化合物5a(3.3g,14.0mmol,1eq)とモルホリン(1.22g,14.0mmol,1.23mL,1eq)のジオキサン(40.0mL)溶液に炭酸セシウム(9.09g,27.9mmol,2eq),Pd(dba)(639mg,698μmol,0.05eq)と4,5-ビスジフェニルホスフィン-9,9-ジメチルオキシヘテロアントラセン(808mg,1.40mmol,0.1eq)を添加した後に窒素保護下、85℃で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮し除去した後、水(30.0mL)で希釈し、酢酸エチル(50.0mL)で抽出した。分離した有機相を飽和食塩水(50.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗品を得た。カラムクロマトグラフィーにより化合物5cを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]243、245実測値243、245。
ステップ2
化合物5c(900mg,3.71mmol,1eq)のエタノール(10.0mL)と水(2.00mL)溶液に鉄粉(1.24g,22.2mmol,6eq)と塩化アンモニウム(1.19g,22.3mmol,778μL,6eq)を添加し、得られた混合物を85℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、珪藻土で濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50.0mL)で希釈し、続いて酢酸エチル(50.0mL)で抽出し、併合した有機相を飽和食塩水(50.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して粗品を得て、粗品はカラムクロマトグラフィーにより化合物5dを得た。MS-ESI計算値\[M+H]213、215実測値213、215。
ステップ3
化合物5e(610mg、4.23mmol、1.5eq)のオルトギ酸トリエチル(4.46g、30.1mmol、5.00mL、10.66eq)溶液を135℃で1時間還流した。室温(10~20℃)まで冷却した後、化合物5d(600mg、2.82mmol、1eq)を反応液に添加し、135℃で2時間還流した。減圧下で濃縮して溶剤を除去した後に化合物5fを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]367、369実測値367、369。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:11.65(brd,J=13.6Hz,1H),8.74(d,J=13.6Hz,1H),7.60(d,J=8.0Hz,1H),7.41(t,J=8.0Hz,1H),7.11-7.01(m,1H),3.78-7.738(m,4H),3.01-2.95(m,4H),1.69(s,6H)。
ステップ4
化合物5f(1.3g,3.54mmol,1eq)をダウサムA(3.54mmol,13.0mL,1eq)の溶液中で260℃に加熱して1時間反応させた。反応液を室温(10~20℃)まで冷却し、冷却に伴って形成された沈殿物を濾過し、石油エーテル(5.00mL*3)で洗浄し、化合物5gを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]265、268実測値265、268。
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ:11.18(brd,J=5.6Hz,1H),8.03(d,J=8.8Hz,1H),7.19(d,J=8.8Hz,1H),7.01(d,J=7.8Hz,1H),6.03(d,J=6.8Hz,1H),3.81-3.76(m,4H),3.14-3.09(m,4H)。
ステップ5
化合物5g(0.5g,1.89mmol,1eq)とオキシ塩化リン(19.2g,125mmol,11.6mL,66.3eq)の混合物を110℃で1時間撹拌した。反応液を10~20℃に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)に滴下し、酢酸エチル(150mL)で3回抽出した。併合した有機相を飽和食塩水(30.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して粗品を得た。粗品はカラムクロマトグラフィーにより化合物5hを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]283、284、285実測値283、284、285。
HNMR(400MHz,CDCl)δ:8.88(d,J=4.8Hz,1H),8.17(d,J=9.2Hz,1H),7.50-7.44(m,2H),3.99-3.94(m,4H),3.31-3.26(m,4H)。
ステップ6
化合物g(409mg,1.18mmol,1eq)とビスピナコラートジボロン(448mg,1.77mmol,1.5eq)のジオキサン(20mL)溶液にPd(PPhCl(41.3mg,58.9μmol,0.05eq)と酢酸カリウム(347mg,3.53mmol,3eq)を添加した。得られた反応液を130℃で4時間撹拌した。10~20℃まで冷却した後、化合物5h(200mg、706μmol、0.6eq)、炭酸ナトリウム(250mg、2.35mmol、2eq)、Pd(dppf)Cl(68.9mg、94.2μmol、0.08eq)及びHO(4.00mL)を添加した。反応液を窒素で3回置換した後、90℃で2時間反応させた。減圧下で濃縮して溶媒を除去し、残留物を水で希釈し、続いて酢酸エチル(150mL)で3回抽出した。併合した有機相を飽和食塩水(20.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗品を得た。粗品は高速液体クロマトグラフィーにより精製した後、SFCにかけた(クロマトグラフィーカラム:Chiralcel OJ-3 150×4.6mm I.D.,3μm。移動相:A相:二酸化炭素、B相:エタノール(0.05%ジエチルアミン)。グラジエント:五分内で5%から40%に上昇し、40%で2.5分間保持してから、5%で2.5分間保持した。 流速:2.5ミリリットル/分。カラム温度:35摂氏度。溶出時間:10分)化合物5(保持時間5.118分)と化合物6(保持時間:5.569分)を精製した。
化合物5(保持時間5.118分)
MS-ESI計算値\[M+H]+515、516、517実測値515、516、517。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:9.02(brs,1H),7.55(brd,J=7.6Hz,1H),7.47-7.29(m,4H),7.21(brs,1H),6.99(d,J=9.2Hz,1H),6.42(brs,1H),5.12(brs,1H),4.13(s,3H),3.96(brs,4H),3.25(brs,4H)。
化合物6(保持時間5.569分)
MS-ESI計算値\[M+H]515、516、51実測値515、516、517。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:8.96(brd,J=4.4Hz,1H),7.47(d,J=7.6Hz,1H),7.37-7.21(m,4H),7.18-7.08(m,1H),6.92(d,J=9.2Hz,1H),6.35(s,1H),4.97(brs,1H),4.05(s,3H),3.91-3.86(m,4H),3.18(brs,4H)。
実施例7&8
Figure 0007313492000037
ステップ1
化合物7a(7.00g,31.8mmol,1eq)、モルホリン(5.54g,63.6mmol,5.60mL,2eq)、炭酸セシウム(20.7g,63.6mmol,2eq)、トリ(ジベンジルアセトン)ジパラジウム(1.46g,1.59mmol,0.05eq)を無水ジオキサンに添加し、混合後に窒素保護下で85℃まで加熱して3時間撹拌し、反応終了後、減圧下で濃縮し、水(100mL)を添加して希釈し、酢酸エチル(100mL*3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(30.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル10:1)で化合物7bを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]227実測値227。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:7.58-7.56(m,1H),7.19-7.16(m,2H),3.91-3.851(m,4H),3.16-3.10(m,4H)。
ステップ2
化合物7b(2.5g,11.1mmol,1eq)をエタノール(25.0mL)及び水(5.00mL)に添加した。続いて鉄粉(6.17g,111mmol,10eq)と塩化アンモニウム(8.87g,166mmol,5.80mL,15eq)を添加し、混合物を85℃で1時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、水(50.0mL)を添加して希釈し、酢酸エチル(50.0mL*3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(30.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーで化合物7cを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]197実測値197。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:6.78-6.718(m,1H),6.42-6.40(m,1H),6.19-6.16(m,1H),4.97(s,2H),3.78-3.66(m,4H),2.96-2.87(m,4H)。
ステップ3
化合物7c(420mg,2.14mmol,1eq)を無水テトラヒドロフラン(15.0mL)に溶解し、続いてN-ヨードスクシンイミド(578mg,2.57mmol,1.2eq)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。反応終了後、濾過し、得られた濾液カラムはカラムクロマトグラフィーにより化合物7dを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]323実測値323。
ステップ4
化合物7d(432mg、1.34mmol、1eq)、トリメチルシリルアセチレン(527mg、5.36mmol、743μL、4eq)、ヨード化亜銅(25.5mg、134μmol、0.1eq)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(47.1mg、67.1μmol、0.05eq)をトリエチルアミン(5.00mL)に添加し、混合物を窒素保護下、50℃で5時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより化合物7eを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]293実測値293。
ステップ5
化合物7e(350mg、1.20mmol、1eq)を希塩酸(3.00mL)に溶解し、0℃で亜硝酸ナトリウム(124mg、1.80mmol、1.5eq)の水(1.00mL)溶液をゆっくり滴下し、この温度で30分間撹拌した後、20℃に昇温して2時間反応させた。反応終了後、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液(200mL)に添加し、酢酸エチル(50mL*3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(20.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより化合物7fを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]268、270実測値268、270。
ステップ6
化合物g(100mg,288μmol,1eq)、ビスピナコラートジボロン(110mg,432μmol,1.5eq)を無水ジオキサン(10.0mL)に添加し、続いて酢酸カリウム(84.7mg,863μmol,3eq)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(10.1mg,14.4μmol,0.05eq)を添加し、窒素保護下、130℃で2時間撹拌した後、化合物7f(69.3mg、259μmol、0.9eq)、1,1-ビス(ジフェニルリン)ジクロルベートパラジウム(16.8mg,23.0μmol,0.08eq)、炭酸ナトリウム(61.0mg、575μmol、2eq)と水(2.00mL)を添加し、窒素保護下、90℃で2時
間反応させ、反応終了後、ジオキサンの大部分を減圧下で濃縮し、水(40.0mL)を添加して希釈した後に酢酸エチル(50mL*3)で抽出し、併合した有機相を飽和食塩水(20.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。高速液体クロマトグラフィーにより精製した後、キラル分離を行った(クロマトグラフィーカラム:Chiralpak AD-3 50*4.6mm I.D.,3μm)。移動相:\[40%の(0.05%ジエチルアミンを含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:40℃。溶出時間:3分)分離により化合物7(保持時間:0.586分)と化合物8(保持時間:0.830分)を得た。
化合物7(保持時間:0.586分)
MS-ESI計算値\[M+H]500、502実測値500、502。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.33(s,1H),7.90(d,J=7.8Hz,1H),7.80(t,J=8.8Hz,1H),7.74-7.72(m,2H),7.55-7.50(m,1H),7.21(d,J=9.2Hz,1H),6.65(d,J=4.8Hz,1H),6.23(d,J=4.8Hz,1H),4.00(s,3H),3.85-3.78(m,4H),3.39-3.36(m,4H)。
化合物8(保持時間:0.830分)
MS-ESI計算値\[M+H]500、502実測値500、502。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.33(s,1H),7.90(d,J=8.0Hz,1H),7.81(t,J=8.8Hz,1H),7.73-7.71(m,2H),7.55-7.50(m,1H),7.21(d,J=9.2Hz,1H),6.64(d,J=4.8Hz,1H),6.23(d,J=4.8Hz,1H),4.00(s,3H),3.87-3.73(m,4H),3.39-3.32(m,Hz,4H)。
実施例9&10
Figure 0007313492000038
ステップ1
化合物9a(2.00g、10.7mmol、1eq)とモルホリン(6.60g、75.8mmol、6.67mL、7.09eq)を混合して100℃に加熱し、12時間撹拌し、反応終了後、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより化合物9bを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]255実測値255。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.47(dd,J=1.6,8.8Hz,1H),6.40(s,2H),6.26(t,J=8.8Hz,1H),3.77(s,3H),3.74-3.64(m,4H),3.14-3.06(m,4H)。
ステップ2
化合物9b(730mg、2.87mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(3.00mL)及び水(2.00mL)に添加した。続いて水酸化ナトリウム(230mg,5.74mmol,2eq)の水溶液(1.00mL)を添加し、混合物を40℃で12時間撹拌した。反応終了後、酢酸を滴下して反応液を中性にし、減圧下で濃縮して化合物9cを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]241実測値241。
ステップ3
化合物9c(1.10g、4.58mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解し、続いてトリホスゲン(2.11g、35.8mmol、2.05mL、5eq)を反応に添加した。混合物を80℃で40分間撹拌した。反応終了後、ゆっくり水(50.0mL)に添加し、濾過し、固体を得て減圧下で濃縮した後、石油エーテル(20.0mL)でスラリーにし、化合物9dを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]267実測値267。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:11.73(s,1H),7.62(d,J=8.4Hz,1H),6.88(t,J=8.4Hz,1H),3.81-3.69(m,4H),3.30-3.17(m,4H)。
ステップ4
化合物9d(720mg,2.70mmol,1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に添加し、続いてマロノニトリル(312mg,3.25mmol,1.2eq)とトリエチルアミン(328mg,3.25mmol,452μL,1.2eq)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2mL)を滴下し、混合物を60℃で0.4時間撹拌し、冷たい0.2モルの希塩酸(14.9mL)に添加し、濾過し、得られた濾過ケーキを減圧下で濃縮した後、8モルの水酸化カリウム溶液(15.0mL)に添加し、120℃で40時間撹拌した。反応終了後、12モルの塩酸で中性に中和し、濾過して固体を得て、乾燥した後に化合物9eを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]264実測値264。
ステップ5
化合物9e(650mg、2.47mmol、1eq)をオキシ塩化リン(9.22g、60.1mmol、5.59mL、24.4eq)に溶解し、混合物を125℃で12時間反応させた。その後、オキシ塩化リンを減圧下で濃縮し、得られた固体混合物を水(10.0mL)に添加し、混合物を125℃で4時間反応させ、反応終了後、水酸化ナトリウム溶液1モルを滴下して中性に中和し、濾過し、得られた固体を減圧下で濃縮し、化合物9fを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]282、284実測値282、284。
ステップ6
化合物g(200mg,575μmol,1eq)、ビスピナコラートジボロン(219mg,863μmol,1.5eq)を無水ジオキサン(10.0mL)に添加し、酢
酸カリウム(169mg,1.73mmol,3eq)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(20.2mg,28.8μmol,0.05eq)を添加し、窒素保護下、130℃で2時間撹拌した後、化合物9f(250mg、887μmol、1.54eq)、1,1-ビス(ジフェニルリン)ジフェロ塩化パラジウム(33.7mg、46.0μmol、0.08eq)、炭酸ナトリウム(244mg、2.30mmol、4eq)と水(2.00mL)を添加し、窒素保護下、90℃で2時間反応させ、反応終了後、ジオキサンの大部分を減圧下で濃縮し、水(40.0mL)を添加して希釈した後に酢酸エチル(50.0mL*3)で抽出し、併合した有機相を飽和食塩水(20.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。高速液体クロマトグラフィーにより精製した後、キラル分離を行った(クロマトグラフィーカラム:Chiralcel OJ-H 150*4.6mm I.D.,5μm)。移動相:\[A相:二酸化炭素、B相:メタノール(0.05%ジエチルアミンを含む)。グラジエント:5%のB相を0.5分間保持し、3.5分内でB相は5%から40%に上昇し、40%で2.5分間保持してから、5%のB相を1.5分間保持した]。流速:1分あたり3ミリリットル。カラム温度:40℃。溶出時間:8分)分離により化合物9(保持時間:4.607分)と化合物10(保持時間:5.167分)を得た。
化合物9(保持時間:4.607分)
MS-ESI計算値\[M+H]514、516実測値514、516。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.69(brd,J=8.8Hz,2H),7.62(brd,J=8.8Hz,1H),7.21(brd,J=8.8Hz,1H),7.06-6.87(m,2H),6.78(brs,2H),6.69-6.55(m,2H),6.21(brs,1H),4.00(s,3H),3.77(brs,4H),3.11(brs,4H)。
化合物10(保持時間:5.167分)
MS-ESI計算値\[M+H]514、516実測値514、516。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.70(dd,J=5.2,8.4Hz,2H),7.62(d,J=9.2Hz,1H),7.21(d,J=9.2Hz,1H),7.03-6.87(m,2H),6.78(brs,2H),6.67-6.54(m,2H),6.20(s,1H),4.00(s,3H),3.82-3.73(m,4H),3.17-3.00(m,4H)。
実施例11&12
Figure 0007313492000039
ステップ1
化合物11a(500mg、2.25mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解し、更にトリホスゲン(1.45g、4.89mmol、2.17eq)をゆっくりと反応に添加した。混合物を80℃で40分間撹拌した。反応終了後、ゆっくり水(50.0mL)に注ぎ、濾過し、得られた固体を減圧下で濃縮して化合物11bを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]249実測値249。
ステップ2
化合物11b(496mg,2.00mmol,1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)に添加し、続いてマロノニトリル(230mg,2.40mmol,1.2eq)及びトリエチルアミン(243mg,2.40mmol,334μL,1.2eq)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(1.00mL)を滴下し、混合物を60℃で0.6時間撹拌し、冷たい0.2モルの希塩酸(11.0mL)に注ぎ、濾過し、得られた濾過ケーキを減圧下で濃縮した後、8モルの水酸化カリウム溶液(11.1mL)に添加し、120℃で40時間撹拌した。反応終了後、12モルの塩酸で中性に中和し、濾過して固体を得て、乾燥して化合物11cを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]246実測値246。
ステップ3
化合物11c(500mg,2.04mmol,1eq)をオキシ塩化リン(4.95g,32.3mmol,3mL,15.8eq)に溶解し、混合物を125℃で12時間反応させた。その後、オキシ塩化リンを減圧下で濃縮し、得られた固体混合物を水(10.0mL)に添加し、混合物を125℃で4時間反応させ、反応終了後、水酸化ナトリウム溶液1モルを滴下して中性に中和し、濾過し、得られた固体を減圧下で濃縮し、化合物11dを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]264、266実測値264、266。
ステップ4
化合物g(200mg,575μmol,1eq)、ビスピナコラートジボロン(219mg,863μmol,1.5eq)を無水ジオキサン(10.0mL)に添加し、酢酸カリウム(169mg,1.73mmol,3eq)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(20.2mg,28.8μmol,0.05eq)を添加し、窒素保護下、130℃で2時間撹拌した後、化合物11d(273mg,1.04mmol,1.8eq)、1,1-ビス(ジフェニルリン)ジフェロ塩化パラジウム(33.7mg、46.0μmol、0.08eq)、炭酸ナトリウム(122mg,1.15mmol,2eq)と水(2.00mL)を添加し、窒素保護下、90℃で2時間反応させ、反応終了後、ジオキサンの大部分を減圧下で濃縮し、水(40.0mL)を添加して希釈した後に酢酸エチル(50.0mL*3)で抽出し、併合した有機相を飽和食塩水(20.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。高速液体クロマトグラフィー精製後にキラル分離を行った(クロマトグラフィーカラム:Chiralpak AD-3 50*4.6mm I.D.,3μm)。移動相:\[40%(0.05%ジエチルアミンを含む)イソプロパノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:40℃。溶出時間:3分)分離により化合物11(保持時間:0.793分)及び化合物12(保持時間:1.203分)を得た。
化合物11(保持時間:0.793分)
MS-ESI計算値\[M+H]496、498実測値496、498。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.69(d,J=9.2Hz,2H),7.61(d,J=9.6Hz,1H),7.21(d,J=9.2Hz,1H),7.10(s,1H),6.96(s,1H),6.86(s,1H),6.59(d,J=5.2Hz,1H),6.50(s,1H),6.36(brs,2H),6.20(d,J=5.2Hz,1H),4.00(s,3H),3.76(brs,4H),3.21(brs,4H)。
化合物12(保持時間:1.203分)
MS-ESI計算値\[M+H]496、498実測値496、498。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.69(brd,J=9.2Hz,2H),7.60(d,J=9.2Hz,1H),7.21(d,J=9.2Hz,1H),7.14-7.07(m,1H),6.97-6.92(m,1H),6.85(s,1H),6.59(d,J=5.2Hz,1H),6.49(s,1H),6.36(brs,2H),6.20(d,J=5.2Hz,1H),4.00(s,3H),3.76(brs,4H),3.20(brs,4H)。
実施例13&14
Figure 0007313492000040
ステップ1
化合物13a(10.0g,39.8mmol,1eq.)をN、N-ジメチルホルムアミド(30.0mL)に溶解し、次いで2,4-ジメトキシベンジルアミン(6.66g,39.8mmol,6.00mL,1eq.)と炭酸セシウム(26.0g,79.7mmol,2eq.)を順次添加した。混合後に60℃に加熱して2時間撹拌して反応させた。反応終了後、水を添加して希釈し、酢酸エチルで抽出し、併合した有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮し、石油エーテル酢酸エチル混合溶液(20:1)(100mL)をスラリーにして化合物13bを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.85(brt,J=5.2Hz,1H),7.16(d,J=8.4Hz,1H),6.75(s,1H),6.65(dd,J=1.6,11.2Hz,1H),6.59(d,J=2.0Hz,1H),6.50(dd,J=2.8,8.8Hz,1H),4.28(d,J=5.6Hz,2H),3.83(s,3H),3.81(s,3H),3.75(s,3H)。
ステップ2
化合物13b(6.8g、17.1mmol、1eq.)、モルホリン(7.44g、85.4mmol、7.51mL、5eq.)、炭酸セシウム(11.1g、34.1mmol、2eq.)、トリ(ベンジルアセトン)ジパラジウム(469mg、512μmol,0.03eq.)及び4,5-ビス(ジフェニルリン)-9,9-ジメチルオキシヘテロアントラセン(593mg,1.02mmol,0.06eq.)をトルエン(40.0mL)に添加し、窒素保護下、110℃で4時間撹拌し、反応終了後、減圧下で濃縮した。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。80g SepaFlash(登録商標)高速シリカゲルカラム、溶出剤0~30%酢酸エチル/石油エーテル@30mL/min)により化合物13cを精製した。
ステップ3
化合物13c(6g,14.8mmol,1eq.)をメタノール(100mL)とテトラヒドロフラン(100mL)の混合溶液に溶解した後、窒素雰囲気下で湿潤パラジウム炭素(1g,10%純度)を添加し、水素で3回置換した後、水素圧力50Psiを保持して50℃で12時間撹拌した後、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した後、得られた固体をジクロロメタン(150mL)で溶解し、続いてトリフルオロ酢酸(23.10g、202.59mmol、15mL、13.66eq.)を添加し、混合物を25℃で2時間撹拌して反応させた。反応終了後、減圧下で濃縮し、飽和炭酸ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出し、併合した有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。40g SepaFlash(登録商標)高速シリカゲルカラム、溶出剤0~35%酢酸エチル/石油エーテル@30mL/min)により化合物13dを精製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:6.66(s,2H),6.04(dd,J=2.0,16.0Hz,1H),5.98(d,J=2.0Hz,1H),3.72(s,3H),3.64-3.70(m,4H),3.09-3.20(m,4H)。
ステップ4
化合物13d(3.00g,11.80mmol,1eq.)をメタノール(10.0mL)と水(10.0mL)の混合溶液に添加した。続いて水酸化ナトリウム(2.36g、59.0mmol、5eq.)を添加し、混合物を80℃で4時間撹拌した。反応終了後、メタノールの大部分を減圧下で濃縮し、残りの混合液を1モルの塩酸でpH=5に調節し、濾過した。濾過ケーキを減圧下で濃縮して化合物13eを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:5.97-6.06(m,1H),5.95(d,J=2.4Hz,1H),3.60-3.73(m,4H),3.02-3.18(m,4H)。
ステップ5
化合物13e(1g,4.16mmol,1eq.)をテトラヒドロフラン(25.0mL)に溶解し、続いてトリホスゲン(2.55g,8.59mmol,2.06eq.)を反応に添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮してテトラヒドロフランの大部分を除去し、残りの混合物をゆっくりと水に注ぎ、濾過し、濾過ケーキを減圧下で濃縮して化合物13fを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:11.54(s,1H),6.70(dd,J=2.4,15.2Hz,1H),6.21(d,J=1.6Hz,1H),3.65-3.75(m,4H),3.25-3.35(m,4H)。
ステップ6
化合物13f(430mg,1.62mmol,1eq.)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解した後、マロノニトリル(186mg,1.94mmol,1.2eq.)とトリエチルアミン(196mg,1.94mmol,269μL,1.2eq.)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(1mL)を滴下し、混合物を60℃で0.6時間撹拌した後、冷たい0.2モルの希塩酸(8.80mL)に注ぎ、濾過し、得られた濾過ケーキを減圧下で濃縮した後、8モルの水酸化カリウム溶液(20.0mL)に添加し、120℃で12時間撹拌した。反応終了後、6モルの塩酸で中性に中和し、濾過し、濾過ケーキを減圧下で濃縮して化合物13gを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]264実測値264。
ステップ7
化合物13g(320mg、1.22mmol、1eq.)をオキシ塩化リン(11.2g、73.2mmol、6.81mL、60.26eq.)に溶解し、混合物を125℃で4時間反応させた。続いて、減圧下で濃縮してオキシ塩化リンを除去し、得られた固体混合物を水(20mL)に添加し、混合物を80℃で0.5時間反応させた。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出し、併合した有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して化合物13hを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]282、284実測値282、284。
ステップ8
化合物13h(50mg,177μmol,1eq.),化合物3e(49.92mg,160μmol,0.9eq.),1,1-ビス(ジフェニルリン)ジメチルフェライト塩化パラジウム(6.49mg,8.87μmol,0.05eq.)及び炭酸ナトリウム(37.6mg,355μmol,2eq.)をジオキサン(2.5mL)と水(0.5mL)の混合溶液に添加し、窒素保護下、96℃で3時間撹拌して反応させ、反応終了後、濾過し、減圧下で濃縮した。高速液体クロマトグラフィーにより(HPLC)(分離カラム:Xtimate C18 150x25mmx5μm。移動相:\[水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル]。B%:30%-60%,7min)精製し、超臨界流体(クロマトグラフィーカラム:Chiralcel OD-3 100x4.6mm
I.D.,3μm)。移動相:\[40%の(0.05%ジエチルアミンを含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり2.8ミリリットル。カラム温度:40℃。溶出時間:8分)化合物13(保持時間:5.171分)と化合物14(保持時間:5.765分)を得た。
化合物13(保持時間:5.171分)
MS-ESI計算値\[M+H]514、516実測値514、516。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.60-7.75(m,2H),7.48(brd,J=8.4Hz,1H),7.15-7.27(m,1H),6.74(s,1H),6.68(s,1H),6.59(brd,J=4.4Hz,2H),6.55(brs,1H),6.40(d,J=6.4Hz,1H),6.18(s,1H),4.00(d,J=6.0Hz,3H),3.74(s,4H),3.21(s,4H)。
化合物14(保持時間:5.765分)
MS-ESI計算値\[M+H]514、516実測値514、516。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.61-7.72(m,2H),7.48(brd,J=8.0Hz,1H),7.17-7.25(m,1H),6.74(s,1H),6.68(s,1H),6.58-6.64(m,2H),6.56(brs,1H),6.40(d,J=6.4Hz,1H),6.18(s,1H),4.00(d,J=6.0Hz,3H),3.73(s,4H),3.21(s,4H)。
実施例15&16
Figure 0007313492000041
ステップ1
化合物15a(0.5g,2.81mmol,1eq.)及び15b(475mg,3.65mmol,461μL,1.3eq.)のメタンスルホン酸(2mL)の混合系に五酸化二リン(796mg,5.61mmol,346μL,2eq.)を添加した。反応系は135℃で2時間反応した。反応終了後、反応液を30mLの氷水にゆっくりと注ぎ、続いて2Mの炭酸水素ナトリウム溶液でPh>7に調節し、濾過し、濾過ケーキを収集し、減圧下で乾燥して化合物15cを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]245実測値245。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:7.69-7.67(m,1H),7.55-7.53(m,1H),7.23(s,1H),7.11-7.09(m,1H),3.97-3.89(m,2H),3.88-3.82(m,2H),3.06-3.04(m,2H),2.88-2.86(m,2H),2.60(s,3H)。
ステップ2
化合物15c(8.5g,34.8mmol,1eq)の塩化ホスホリル(8.55g,512mmol,47.6mL,14.7eq)混合系を110℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧下で濃縮して塩化ホスホリルの大部分を除去し、水(300mL)を添加して希釈し、且つ飽和炭酸ナトリウム溶液で体系をpH>7に調節し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。80g SepaFlash(登録商標)高速シリカゲルカラム、溶出剤0~100%-酢酸エチル/石油エーテル@20mL/min)により化合物15dを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]263、265実測値263、265。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:8.05-7.99(m,1H),7.31-7.27(m,2H),7.17(s,1H),3.93-3.87(m,4H),3.38-3.30(m,4H),2.69-2.62(s,3H)。
ステップ3
化合物15d(2g,7.61mmol,1eq.)のキシレン(50mL)溶液に二酸化セレン(2.11g,19mmol,2.07mL,2.5eq.)を添加し、反応系を100℃、窒素雰囲気下で5時間反応させ、反応終了後、濾過し、濾過ケーキを減圧下で濃縮し、高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。20g高速シリカゲルカラム、溶出剤0~100%-石油エーテル/酢酸エチル流速10mL/min)により化合物15eを精製した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ:10.05(s,1H),8.08(d,J=9.2Hz,1H),7.80(s,1H),7.47-7.37(m,2H),3.89-3.83(m,4H),3.38-3.30(m,4H)。
ステップ4
化合物15e(0.32g,1.16mmol,1eq.)のジクロロメタン(8mL)溶液にジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(373mg,2.31mmol,306μL,2eq.)を添加した。反応系は25℃で2時間反応した。反応終了後、反応液に水10mLを添加し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を飽和食塩水20mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。12g高速シリカゲルカラム、溶出剤0~100%-石油エーテル/酢酸エチル流速10mL/min)により化合物15fを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]299、301実測値299、301。
ステップ5
化合物g(0.05g,144μmol,1eq.)、15g(54.8mg,216μmol,1.5eq.)、酢酸カリウム(42.4mg,432μmol,3eq.)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(5.05mg,7.19μmol,0.05eq.)のジオキサン2mL混合液を130℃、窒素雰囲気下で4時間反応させ、室温まで冷却した後、15f(25.8mg,86.3μmol,0.6eq.)、炭酸カリウム(59.7mg,432μmol,3eq.)、1,1-ジ(tert-ブチルリン)ジメチルフェライト塩化パラジウム(4.69mg,7.19μmol,0.05eq)及び水0.4mLに添加し、混合物を115℃、窒素雰囲気下で14時間反応させた。反応終了後、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(分離カラム:超限カラムC18 150x25mmx5μm。移動相:\[水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル]。B%:42%-72%,7min)により精製し、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(クロマトグラフィーカラム:Chiralpak AD-3 50*4.6mm I.D.,3um)。移動相:\[40%(0.05%ジエチルアミンを含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:40℃。溶出時間:3分)分離により化合物15(保持時間:0.487分)と化合物16(保持時間:0.756分)を得た。
化合物15(保持時間:0.487分)
MS-ESI計算値\[M+H]531、533実測値531、533。
H NMR(400MHz,アセトニトリル-d)δ:7.74(d,J=7.6Hz,1H),7.61(d,J=9.2Hz,2H),7.52-7.45(m,3H),7.40(d,J=2.4Hz,1H),7.08(d,J=9.2Hz,1H),7.00-6.70(m,1H),6.37(d,J=5.2Hz,1H),4.62(d,J=4.8Hz,1H),4.08(s,3H),3.88-3.83(m,4H),3.41-3.36(m,4H)。
化合物16(保持時間:0.756分)
MS-ESI計算値\[M+H]531、533実測値531、533。
H NMR(400MHz,アセトニトリル-d)δ:7.74(d,J=8.0Hz,1H),7.61(d,J=9.2Hz,2H),7.52-7.44(m,3H),7.40(d,J=2.4Hz,1H),7.08(d,J=9.2Hz,1H),7.00-6.70(m,1H),6.37(d,J=4.8Hz,1H),4.63(d,J=5.2Hz,1H),4.08(s,3H),3.88-3.83(m,4H),3.42-3.36(m,4H)。
実施例17&18
Figure 0007313492000042
化合物19g(80mg,280μmol,1eq.)、化合物17a(351mg,1.18mmol,3.9eq.)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(16.5mg,22.4μmol,0.08eq.)、炭酸セシウム(183mg,560μmol,2eq.)をジオキサン(10mL)と水(2mL)の混合溶媒に添加し、窒素保護下、90℃で5時間反応させ、反応終了後、減圧下で濃縮し、高速液体クロマトグラフィー(分離カラム:Xtimate C18150x25mm,5μm。 移動相:\[水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル]。B%:42%-62%,7min)により精製し、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(クロマトグラフィーカラム:Chiralpak AD-3 50x4.6mm I.D.,3μm)。移動相:\[40%の(0.05%ジエチルアミンを含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:35℃。溶出時間:2分)分離により化合物17(保持時間:0.538分)と化合物18(保持時間:1.008分)を得た。
化合物17(保持時間:0.538分)
MS-ESI計算値\[M+H]502、504実測値502、504。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.24(brd,J=4.0Hz,1H),8.48-8.29(m,2H),7.90(brt,J=7.2Hz,1H),7.76-7.67(m,1H),7.60(brd,J=9.6Hz,1H),6.47(brs,1H),6.26-6.20(m,1H),3.83-3.76(m,4H),3.45-3.40(m,4H),2.71(brd,J=17.2Hz,3H)。
化合物18(保持時間:1.008分)
MS-ESI計算値\[M+H]502、504実測値502、504。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.25(brd,J=3.6Hz,1H),8.51-8.28(m,2H),7.91(brt,J=7.6Hz,1H),7.80-7.68(m,1H),7.61(brd,J=9.6Hz,1H),
6.48(brs,1H),6.24(brs,1H),3.83-3.76(m,4H),3.44-3.41(m,4H),2.72(brd,J=17.6Hz,3H)。
実施例19&20
Figure 0007313492000043
ステップ1
化合物19a(26g,95.6mmol,1eq),ベンゾフェノンイミン(17.3g,95.6mmol,16.1mL,1eq),Pd2(dba)3(2.63g,2.87mmol,0.03eq),BINAP(5.95g,9.56mmol,0.1eq)とt-BuONa(13.8g,143mmol,1.5eq)のトルエン混合溶液(260mL)を3回泳動窒素置換した後,この雰囲気中、80℃で16時間反応させた。溶媒を減圧下で濃縮して除去した後、シリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により化合物19bを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]372、374実測値372、374。
HNMR(400MHz,CDCl)δ:7.79-7.74(m,2 H),7.56-7.50(m,1H),7.47-7.41(m,2H),7.34(d,J=7.6Hz,2H),7.18-7.13(m,2H),6.86-6.84(m,1H),6.48-6.45(m,1H)。
ステップ2
化合物19b(21g,56.4mmol,1eq)、モルホリン(9.83g,113mmol,9.93mL,2eq)、BINAP(3.51g,5.64mmol,0.1eq)、t-BuONa(8.13g,84.6mmol,1.5eq)及びPd(dba)(1.55g,1.69mmol,0.03eq)の210mLトルエン溶液を窒素で3回置換した後、この雰囲気中、120℃で16時間反応させた。溶媒を減圧下で濃縮して除去した後、水200mLで希釈し、酢酸エチル200mLで2回抽出した。併合した有機相を200mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾
過濃縮して粗品を得た。シリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により化合物19cを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]379実測値379。
ステップ3
窒素雰囲気中で化合物19c(21g,55.5mmol,1eq)の300mLメタノール溶液にPd/C(10%,6.8g)を添加した。反応液を水素で3回置換した後、水素雰囲気下(50Psi)、60℃で16時間撹拌した。反応液は珪藻土で濾過した後、減圧下で濃縮して粗品を得て、粗品はシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により化合物19dを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]215実測値215。
HNMR(400MHz,CDCl)δ:6.17-6.15(m,1H),6.08-6.03(m,1H),3.85-3.88(m,4H),3.79(s,2H),3.04-3.08(m,4H)。
ステップ4
化合物19d(5.5g,25.7mmol,1eq.)を無水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、続いてN-ヨードスクシンイミド(6.07g,27.0mmol,1.05eq.)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮した。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。80g高速シリカゲルカラム、溶出剤0~8%酢酸エチル/石油エーテル流速60mL/min)により化合物19eを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]341実測値341。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:6.24(dd,J=6.8,10.0Hz,1H),5.32(s,2H),3.75-3.66(m,4H),3.01-2.90(m,4H)。
ステップ5
化合物19e(2g,5.88mmol,1eq.)、トリメチルシリルアセチレン(1.73g,17.6mmol,2.44mL,3eq.)、ヨード化亜銅(112mg,588μmol,0.1eq.),ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(206mg,294μmol,0.05eq.)をトリエチルアミン(60mL)に添加し、混合物を窒素保護下、50℃で2時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮した。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。40g高速シリカゲルカラム、溶出剤0~10%酢酸エチル/石油エーテル流速35mL/min)により化合物19fを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]311実測値311。
ステップ6
化合物19f(1.6g,5.15mmol,1eq.)を濃塩酸(10mL)に溶解した後、0℃で亜硝酸ナトリウム(533mg,7.73mmol,1.5eq.)の水(2mL)溶液をゆっくり滴下し、この温度で30分間撹拌した後、20℃に昇温して1時間反応させた。反応終了後、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液に入れてpH=8に調整し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。12g高速シリカゲルカラム、溶出剤0~50%酢酸エチル/ジクロロメタン流速30mL/min)により化合物19gを精製した。
MS-ESI計算値\[M+H]286、288実測値286、288。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.43(s,1H),7.80(dd,J=6.8,14.4Hz,1H),3.81-3.76(m,4H),3.40-3.43(m,4H)。
ステップ7
化合物19g(0.65g,2.28mmol,1eq.),化合物3e(2.5g,8.00mmol,3.52eq.),1,1-ビス(ジフェニルリン)ジメチルフェライト塩化パラジウム(83.2mg,114μmol,0.05eq.)、炭酸ナトリウム(723mg,6.83mmol,3eq.)をジオキサン(30mL)と水(5mL)の混合溶媒に添加し、窒素保護下、95℃で3時間反応させ、反応終了後、濾過し、減圧下で濃縮した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(分離カラム:Xtimate C18150x25mm,5μm。移動相:\[水(10mM炭酸水素アンモニウム)-アセトニトリル]。B%:42%-62%,7min)により精製し、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(クロマトグラフィーカラム:Chiralpak AD-3 50x4.6mm I.D.,3μm)移動相:\[40%の(0.05%ジエチルアミンを含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:35℃。溶出時間:2分)分離により化合物19(保持時間:0.671分)と化合物20(保持時間:1.128分)を得た。
化合物19(保持時間:0.671分)
MS-ESI計算値\[M+H]518、520実測値518、520。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.35-9.18(m,1H),7.91(brt,J=7.6Hz,1H),7.82-7.61(m,3H),7.28-7.17(m,1H),6.65(brs,1H),6.23(brs,1H),4.01(brd,J=10.4Hz,3H),3.81(m,4H),3.41(m,4H)。
化合物20(保持時間:1.128分)
MS-ESI計算値\[M+H]518、520実測値518、520。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:9.35-9.18(m,1H),7.91(brt,J=8.4Hz,1H),7.80-7.59(m,3H),7.28-7.17(m,1H),6.65(brs,1H),6.23(brs,1H),4.01(brd,J=10.4Hz,3H),3.81(m,4H),3.41(m,4H)。
実施例21&22
Figure 0007313492000044
ステップ1
化合物19d(7g,32.7mmol,1eq.)をオルトギ酸トリエチル(71.3g,481mmol,80mL,14.7eq.)に溶解し、続いてメルドラム酸(12.5g,86.7mmol,2.65eq.)を添加した。温度を145℃に上げて3時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥して化合物21aを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]369実測値369。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:11.39(brd,J=13.6Hz,1H),8.72(d,J=13.6Hz,1H),7.49-7.44(m,1H),6.79-6.74(m,1H),3.81-3.67(m,4H),3.14-3.00(m,4H),1.68(s,6H)。
ステップ2
化合物21a(8g,21.7mmol,1eq.)とジフェニルエーテル(107g,629mmol,100mL,28.94eq.)を240℃で1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、イソプロピルエーテルで希釈して濾過し、濾過ケーキを減圧下で乾燥して化合物21bを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]267実測値267。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:11.44(brd,J=4.0Hz,1H),7.66(dd,J=6.0,7.2Hz,1H),6.75(dd,J=6.8,14.0Hz,1H),5.87(d,J=8.0Hz,1H),3.80-3.67(m,4H),3.26-3.05(m,4H)。
ステップ3
化合物21b(5.45g,20.5mmol,1eq.)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(100mL)に溶解した後、三臭化リン(8.31g,30.7mmol,1.5eq.)をゆっくり滴下し、混合物を25℃で0.5時間撹拌して反応させた。反応終了後、(200mL)飽和炭酸ナトリウム溶液を添加し、ジクロロメタンで抽出し、
有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。石油エーテルをスラリーにして化合物21cを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]329、331実測値329、331。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.63(d,J=4.4Hz,1H),7.80(d,J=4.8Hz,1H),7.44(dd,J=7.2,4.8Hz,1H),3.80-3.75(m,4H),3.31-3.26(m,4H)。
ステップ4
化合物21c(1g,3.04mmol,1eq.),化合物3e(3.5g,11.2mmol,3.68eq.),1,1-ビス(ジフェニルリン)ジメチルフェライト塩化パラジウム(111mg,152μmol,0.05eq.)、炭酸ナトリウム(644mg,6.08mmol,2eq.)をジオキサン(30mL)と水(5mL)の混合溶媒に添加し、窒素保護下、95℃で3時間反応させ、反応終了後、減圧下で濃縮し、水を添加して希釈、酢酸エチルで抽出し、併合した有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮し、高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)。20g高速シリカゲルカラム、溶出剤0~100%酢酸エチル/石油エーテル流速35mL/min)により精製し、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(クロマトグラフィーカラム:Chiralpak AD-3 50x4.6mm I.D.,3μm)移動相:\[40%の(0.05%ジエチルアミンを含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:35℃。溶出時間:2.5分)分離により化合物21(保持時間:0.806分)と化合物22(保持時間:1.224分)を得た。
化合物21(保持時間:0.806分)
MS-ESI計算値\[M+H]517、519実測値517、519。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.97(brs,1H),7.79(brs,1H),7.75-7.60(m,1H),7.56(brd,J=8.8Hz,1H),7.38(brs,2H),7.21(brs,1H),6.60(brs,1H),6.21(brs,1H),4.01(brd,J=6.4Hz,3H),3.87-3.70(m,4H),3.37-3.20(m,4H)。
化合物22(保持時間:1.224分)
MS-ESI計算値\[M+H]517、519実測値517、519。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.92-9.03(m,1H),7.82-7.77(m,1H),7.73-7.60(m,1H),7.56(d,J=9.2Hz,1H),7.42-7.28(m,2H),7.20(dd,J=5.2,9.6Hz,1H),6.63-6.57(m,1H),6.21(brd,J=3.6Hz,1H),4.01(d,J=7.6Hz,3H),3.83-3.73(m,4H),3.33-3.22(m,4H)。
実施例23&24
Figure 0007313492000045
ステップ1
化合物21c(100mg,304μmol,1eq.),化合物17a(351mg,1.18mmol,3.9eq.),1,1-ビス(ジフェニルリン)ジメチルフェライト塩化パラジウム(17.8mg,24.3μmol,0.08eq.),炭酸ナトリウム(96.6mg,911μmol,3eq.)をジオキサン(5mL)と水(1mL)の混合溶媒に添加し、窒素保護下、95℃で3時間反応させ、反応終了後、減圧下で濃縮し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(分離カラム:Xtimate C18
150x25mm,5μm。 移動相:\[水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル]。B%:42%-62%,7min)により精製し、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(クロマトグラフィーカラム:Chiralpak IG-3 50x4.6mm I.D.,3μm)。移動相:\[40%の(0.05%ジエチルアミンを含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:35℃。溶出時間:3分)分離により化合物23(保持時間:0.926分)と化合物24(保持時間:1.512分)を得た。
化合物23(保持時間:0.926分)
MS-ESI計算値\[M+H]501、503実測値501、503。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.99(d,J=4.0Hz,1H),8.43(dd,J=2.4,9.6Hz,1H),8.35(dd,J=2.4,11.6Hz,1H),7.81(t,J=8.8Hz,1H),7.52(d,J=9.2Hz,1H),7.41-7.29(m,2H),6.45(brs,1H),6.21(d,J=4.4Hz,1H),3.76-3.82(m,4H),3.30-3.25(m,4H),2.74-2.67(m,3H)。
化合物24(保持時間:1.512分)
MS-ESI計算値\[M+H]501、503実測値501、503。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.98(d,J=4.0Hz,1H),8.48-8.29(m,2H),7.81(t,J=8.8Hz,1H),7.52(brd,J=9.2Hz,1H),7.42-7.27(m,2H),6.44(brs,1H),6.21(brs,1H),3.83-3.73(m,4H),3.33-3.23(m,4H),2.75-2.67(m,3H)。
実施例25&26
Figure 0007313492000046
ステップ1
化合物15a(500mg、2.25mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解し、続いて25b(1.45g、4.89mmol、2.17eq)を反応に添加した。混合物を80℃で40分間撹拌した。反応終了後、ゆっくりと水(50.0mL)に注ぎ、濾過し、25cを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]279実測値279。
ステップ2
化合物25c(496mg,2.00mmol,1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)に添加し、続いてマロノニトリル(230mg,2.40mmol,1.2eq)及びトリエチルアミン(243mg,2.40mmol,334μL,1.2eq)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(1.00mL)を滴下し、混合物を60℃で0.6時間撹拌し、冷たい0.2モルの希塩酸(11.0mL)に注ぎ、濾過し、得られた濾過ケーキを減圧下で濃縮した後、8モルの水酸化カリウム溶液(11.1mL)に添加し、120℃で40時間撹拌した。反応終了後、12モルの塩酸で中性に中和し、濾過し乾燥して化合物25dを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]247実測値247。
ステップ3
化合物25d(500mg,2.04mmol,1eq)をオキシ塩化リン(4.95g,32.3mmol,3mL)に溶解し、混合物を125℃で12時間反応させた。その後、オキシ塩化リンを減圧下で濃縮し、得られた固体混合物を水(10.0mL)に添加し、混合物を125℃で4時間反応させ、反応終了後、水酸化ナトリウム溶液1モルを滴下して中性に中和し、濾過して化合物25eを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]283、284、285実測値283、284、285。
ステップ4
化合物25e(50mg、0.177mmol)を濃塩酸(510mg、4.76mmol)に溶解し、反応液を65℃で反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、乾燥して化合物25fを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]265、267実測値265、267。
ステップ5
化合物25f(40mg,151μmol,1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)に溶解し、続いて酸化銀(37.4mg,302μmol,5.00μL,2eq),ヨウ化メチル(0.4g,2.82mmol,175μL,18.7eq),炭酸カリウム(41.8mg,302μmol,2eq)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(58.6mg,453μmol,78.9μL,3eq)を添加し、混合物を60℃で12時間反応させた。続いてヨウ化メチル(2.19g、15.4mmol、961μL,102eq)を補充し、1時間反応を継続した。反応終了後、得られた固体混合物を水(30.0mL)に添加し、酢酸エチル(20mL*3)で抽出し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、化合物25gを得た。
MS-ESI計算値\[M+H]279、281実測値279、281。
ステップ6
化合物25g(374mg、1.20mmol、5eq)、化合物3e(40mg、144μmol,0.6eq)を無水ジオキサン(2.5mL)及び水(0.5mL)に添加し、続いて炭酸ナトリウム(50.7mg,478μmol,2eq)及び1,1-ビス(ジフェニルリン)ジメチルフェライト塩化パラジウム(14.0mg,19.1μmol,0.08eq)を添加し、窒素保護下、90℃で1時間反応させ、反応終了後、ジオキサンの大部分を減圧下で濃縮し、水(20.0mL)を添加して希釈した後、酢酸エチル(50.0mL*3)で抽出し、併合した有機相を飽和食塩水(20.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(1:1石油エーテル:酢酸エチル)で精製し、続いて超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(クロマトグラフィーカラム:YMC CHIRAL,Amylose-C(250mm*30mm,5μm)にかけた。移動相:\[45%の(0.1%アンモニア水を含む)エタノール二酸化炭素溶液]。流速:1分あたり4ミリリットル。カラム温度:35℃。溶出時間:4分)分離により化合物25(保持時間:0.729分)と化合物26(保持時間:2.168分)を得た。
化合物25(保持時間:0.729分)
MS-ESI計算値\[M+H]511、513実測値511、513。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.69(d,J=9.2Hz,2H),7.61(d,J=9.2Hz,1H),7.20(brd,J=8.0Hz,1H),7.06(brs,1H),6.91(brs,1H),6.85(s,1H),6.58(d,J=5.2Hz,1H),6.36-6.32(m,1H),6.19(d,J=5.2Hz,1H),4.00(s,3H),3.77(brs,4H),3.65(s,3H),3.36-3.33(m,4H)。
化合物26(保持時間:2.168分)
MS-ESI計算値\[M+H]511、513実測値511、513。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ:7.69(d,J=9.2Hz,2H),7.61(d,J=9.2Hz,1H),7.20(brd,J=8.0Hz,1H),7.07(brs,1H),6.91(brs,1H),6.85(s,1H),6.59(d,J=5.2Hz,1H),6.36-6.34(m,1H),6.19(d,J=5.2Hz,1H),4.00(s,3H),3.77(brs,4H),3.65(s,3H),3.34(brs,4H)。
実験例1:DNA-PK、PI3K(p110α/p85α)、PI3K(p110β/p85α)、PI3K(p110σ/p85α)、PI3K(p120γ)キナーゼ阻害活性の体外評価
本実験はEurofins Pharma Discovery Service,Reaction Biology Corp.(RBC)で行った。
実験材料及び方法:
ヒト由来DNA-PK。Mg/ATP。GST-cMyc-p53。EDTA。Ser15抗体。ATP:10μM。ビオチン化ホスファチジルイノシトール-3,4,5-トリスリン酸。GSTタグのGRP1 PHドメイン。ストレプトアビジン別フィコシアニン。ユーロピウム標識のGSTモノクローナル抗体。
実験方法(Eurofins Pharma Discovery Service):
DNA-PK(h)を、50nMgST-cMyc-p53及びMg/ATP(必要な濃度)を含む測定緩衝液中でインキュベートした。反応は、Mg/ATP混合物の添加によって開始された。室温で30分間インキュベートした後、EDTAを含む終止溶液を添加して反応を終了させた。最後に、検出緩衝液(標識を含む抗GSTモノクローナル抗体と、リン酸化p53に対するユーロピウム標識の抗リン酸Ser15抗体)を添加した。続いて時間分解蛍光モードでプレートを読み、式HTRF=10000×(Em665nm/Em620nm)に従って均一時間分解蛍光(HTRF)信号を測定した。
PI3K(p110α/p85α)を、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸及びMg/ATP(必要な濃度)を含む測定緩衝液中でインキュベートした。反応は、ATP溶液の添加によって開始された。室温で30分間インキュベートした後、EDTA及びビオチン化ホスファチジルイノシトール-3,4,5-トリスリン酸を含む終止溶液を添加して反応を終了させた。最後に、検出緩衝液(ユーロピウム標識を含むGSTモノクローナル抗体と、GSTタグを有するGRP1 PHドメイン及びストレプトアビジン別フィコシアニン、リン酸化p53に対するユーロピウム標識の抗リン酸Ser15抗体)を添加した。続いて時間分解蛍光モードでプレートを読み、式HTRF=10000×(Em665nm/Em620nm)に従って均一時間分解蛍光(HTRF)信号を測定した。
PI3K(p110β/p85α)を、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸及びMg/ATP(必要な濃度)を含む測定緩衝液中でインキュベートした。反応は、Mg/ATP混合物の添加によって開始された。室温で30分間インキュベートした後、EDTA及びビオチン化ホスファチジルイノシトール-3,4,5-トリスリン酸を含む終止溶液を添加して反応を終了させた。最後に、検出緩衝液(ユーロピウム標識を含むGSTモノクローナル抗体と、GSTタグを有するGRP1 PHドメイン及びストレプトアビジン別フィコシアニン、リン酸化p53に対するユーロピウム標識の抗リン酸Ser15抗体)を添加した。続いて時間分解蛍光モードでプレートを読み、式HTRF=10000×(Em665nm/Em620nm)に従って均一時間分解蛍光(HTRF)信号を測定した。
PI3K(p110σ/p85α)を、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸及びMg/ATP(必要な濃度)を含む測定緩衝液中でインキュベートした。反応は、Mg/ATP混合物の添加によって開始された。室温で30分間インキュベートした後、EDTA及びビオチン化ホスファチジルイノシトール-3,4,5-トリスリン酸を含む終止溶液を添加して反応を終了させた。最後に、検出緩衝液(ユーロピウム標識を含むGSTモノクローナル抗体と、GSTタグを有するGRP1 PHドメイン及びストレプトアビジン別フィコシアニン、リン酸化p53に対するユーロピウム標識の抗リン酸Ser15抗体)を添加した。続いて時間分解蛍光モードでプレートを読み、式HTRF=10000×(Em665nm/Em620nm)に従って均一時間分解蛍光(HTRF)信号
を測定した。
PI3K(p120γ)を、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸及びMg/ATP(必要な濃度)を含む測定緩衝液中でインキュベートした。反応は、Mg/ATP混合物の添加によって開始された。室温で30分間インキュベートした後、EDTA及びビオチン化ホスファチジルイノシトール-3,4,5-トリスリン酸を含む終止溶液を添加して反応を終了させた。最後に、検出緩衝液(ユーロピウム標識を含むGSTモノクローナル抗体と、GSTタグを有するGRP1 PHドメイン及びストレプトアビジン別フィコシアニン、リン酸化p53に対するユーロピウム標識の抗リン酸Ser15抗体)を添加した。続いて時間分解蛍光モードでプレートを読み、式HTRF=10000×(Em665nm/Em620nm)に従って均一時間分解蛍光(HTRF)信号を測定した。
実験結果:
Figure 0007313492000047
結論:本発明の化合物は、顕著かつ予想外のDNA-PKキナーゼ阻害活性を有し、より高いDNA-PKキナーゼ選択性を有する。
注:
「ND」は、IC50が検出されていないことを示す。
「-」は検出されていないことを示す。
実験例2:薬物動態評価
1.実験方法
被験化合物を10%DMSO/50%PEG400/40%水と混合し、渦巻き超音波により、0.2mg/mL又は0.4mg/mLのほぼ清澄溶液を調製し、微細孔濾過膜で濾過して使用に備えた。18~20グラムのBalb/c雌性マウスを選択し、1又は2mg/kgの用量で候補化合物溶液を静脈内投与した。被験化合物を10%DMSO/50%PEG400/40%水と混合し、渦巻き超音波により、0.2mg/mL又は1mg/mLのほぼ清澄溶液を調製し、微細孔濾過膜で濾過して使用に備えた。18~20グラムのBalb/c雌性マウスを選択し、2又は10mg/kgの用量で候補化合物溶液を経口投与した。一定時間の全血を収集し、血漿を調製し、LC-MS/MS法で薬物濃度を分析し、Phoenix WinNonlinソフトウェア(米国Pharsight社)を用いて薬物パラメータを計算した。
各パラメータの定義は以下のとおりである:
:静脈注射後の瞬時の必要濃度。Cmax:投与後の血中濃度最高値。Tmax:投与後のピーク濃度到達に必要な時間。T1/2:血中濃度が半分に下がるまでの時間。Vdss:見かけ分布容積とは、薬物が体内で動的平衡に達したときの体内薬物量と血中薬物濃度の割合定数を指す。Cl:クリアランスとは、単位時間当たり体内からクリアランスされた薬物の見かけ分布容積数を指す。Tlast:最後の検出点の時間。AUC0-last:薬時曲線下面積とは、血中濃度曲線が時間軸に囲まれた面積を指す。Bioavailability:薬物が血液循環に吸収される速度と程度の尺度であり、薬物吸収の程度を評価する重要な指標である。
試験結果:
試験結果は表2~表6に示す。
Figure 0007313492000048
Figure 0007313492000049
Figure 0007313492000050
Figure 0007313492000051
Figure 0007313492000052
試験結論:被験化合物は、より長い半減期、より低いクリアランス、及びより高い薬物曝露量を示し、参照化合物よりも優れた体内薬物代謝動力学的性質を有する。
実験例3:ヒト小細胞肺がんNCI-H69細胞皮下異種移植腫瘍BALB/cヌードマウスモデルの体内薬効学研究:
実験目的:ヒト小細胞肺がんNCI-H69細胞皮下異種移植腫瘍BALB/cヌードマウスモデルに対する測定対象化合物の体内薬効学の研究
実験動物:雌BALB/cヌードマウス、6-8週齢、体重15-22グラム。サプライヤー:上海霊暢生物科技有限公司(霊暢、上海)
実験方法とステップ:
3.1細胞培養
ヒト小細胞肺がんNCI-H69細胞(ATCC、品番:HTB-119及びECACC-95111733)体外懸濁培養、培養条件はRPMI-1640培地に10%ウシ胎児血清、100 U/mLペニシリン及び100μg/mLペニシリンを添加し、37℃、5%COインキュベータ培養。週に2回通常の世代交代を行った。細胞飽和度が80%~90%であり、数が要求に達すると、細胞を収集し、カウントし、接種した。
3.2腫瘍細胞接種(腫瘍接種)
0.2mL(10×10個)のNCI-H69細胞(マトリゲル添加、体積比率1:1)をマウスの右背に皮下接種し、腫瘍の平均体積が約110~120mmに達した時に群投与を開始した。
3.3被験化合物の調製:
被験化合物は、10%DMSO+50%ポリエチレングリコール400+40%水を溶媒として5mg/mLの清澄溶液に調製した。
3.4腫瘍測定と実験指標
実験指標は腫瘍の成長が抑制され、遅延又は治癒されたかどうかを考察することである。腫瘍の直径を週に2回カーソルスケールで測定した。腫瘍体積の計算式は:V=0.5a×b,ここでaとbはそれぞれ腫瘍の長径と短径を表す。
化合物の腫瘍抑制効果はTGI(%)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)で評価した。TGI(%)は、腫瘍成長抑制率を反映している。TGI(%)の計算:TGI(%)=[1-(ある処理群の投与終了時平均腫瘍体積-該処理群の投与開始時平均腫瘍体積)/(溶剤対照群の治療終了時平均腫瘍体積-溶剤対照群の治療開始時平均腫瘍体積)]×対照群。
相対腫瘍増殖率T/C(%):計算式は以下のとおりである:T/C%=TRTV/CRTV群治療開始時(TRTV:治療群RTV。CRTV:陰性対照群RTV)。腫瘍測定の結果に応じて相対腫瘍体積(relative tumor volume,RTV)を計算し、計算式はRTV=Vt/Vであり、ここでVは群投与時(即ちd)に測定した平均腫瘍体積であり、Vtはある測定時の平均腫瘍体積であり、TRTVはCRTVと同日のデータをとる。
実験終了後、腫瘍重量を測定し、T/重量パーセントを計算し、T重量及びC重量は、それぞれ投与群及び溶媒対照群の腫瘍重量を表す。
3.5統計分析
統計分析は、各群の各時点における腫瘍体積の平均値及び標準誤り(SEM)を含む。治療群は、試験終了時に投与後21日目に最良の治療効果を示したため、このデータに基づいて群間差異を統計学的に分析評価した。両群間の比較はT-testで分析し、三群又は複数群間の比較はone-way ANOVAで分析し、F値に有意差があれば、Games-Howell法を用いて検査した。F値に有意差がなければ、Dunnet(2-sided)法を用いて分析した。SPSS17.0を用いて全てのデータ分析を行った。p<0.05で有意差が認められた。
3.6実験結論と討論
1)溶媒群と比較して、ヒト乳がんヌードマウス移植腫瘍モデルにおいて、M3814(40mg/kg、経口投与、1日1回)+エトキシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)、実施例2(40mg/kg、経口投与、1日1回)+エトキシド(10mg/kg、腹腔内投与、3日間投与、4日間投与中止)、実施例19(40mg/kg、経口、1日1回)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)、及び実施例19(80mg/kg、経口、1日1回)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与)は、溶媒対照群と比較して有意差があり、TGIはそれぞれ74%、89%、64%、80%であった。各群の体重変化は、M3814(40mg/kg、-16.00%)、実施例2(40mg/kg、-16.66%)、実施例19(40mg/kg、-5.88%)、及び実施例19(80mg/kg、0.13%)であった。実施例19は、顕著な腫瘍抑制効果及びより高い安全性を有する。

Figure 0007313492000053
Figure 0007313492000054
2)24日間投与した時、M3814(40mg/kg、経口投与、1日1回)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)、実施例19(40mg/kg、経口投与、1日1回)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)及び実施例19(40mg/kg、PO、BID)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)のT/Cはそれぞれ43.1%、38.6%、28.4%であった。TGIはそれぞれ66.1%、70.5%、81.5%であり、いずれも腫瘍成長を著しく抑制する作用があり、溶媒対照群と比較してp<0.05であった。M3814(40mg/kg、QD)、エトポシド(10mg/kg)、実施例19(40mg/kg、BID)、実施例19(10mg/kg、BID)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)、実施例19(20mg/kg、QD)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間休薬)のT/Cはそれぞれ84.1%、75.6%、85.8%、61.2%、50.6%、TGIはそれぞれ19.8%、33.4%、16.8%、46.5%、56.8%であった。溶媒対照群と比較してp値はそれぞれ0.603、0.570、0.471、0.005及び<0.001であり、一定の腫瘍抑制作用を有する。
腫瘍に基づいて計算したT/C値は体積に基づいて計算したT/C値に近く,且つ傾向は一致した。上記結果は、ヒト小細胞肺がんNCI-H69ヌードマウス移植腫瘍モデルにおいて、M3814(40mg/kg、経口投与、1日1回)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)併用群が顕著な抗腫瘍作用を有することを示唆した。また、実施例19(40mg/kg、経口投与、1日1回)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)及び実施例19(40mg/kg、PO、BID)+エトポシド(10mg/kg、IP、3日間投与、4日間投与中止)の併用群も顕著な抗腫瘍作用を有し、後者の抗腫瘍作用は量効依存性を示した(高用量群は低用量群と比較してp<0.05)。実施例19(40mg/kg、PO、BID)+エトポシド(10mg/kg、IP、1週間の前3日間投与、後4日間投与中止)は、二つの対応する単剤群と比較してp値<0.05であり、相乗効果があった。
Figure 0007313492000055
結論:2回の体内薬効試験の結果によると、実施例19の化合物併用エトポシドは明らかな相乗作用を有し、腫瘍抑制効果が顕著であった。
実験例4:ヒト頭頚がんFaDu細胞皮下異種移植腫瘍BALB/cヌードマウスモデルの体内薬効学研究:
実験目的:本試験はヒト頭頚がんFaDu細胞皮下異種移植腫瘍ヌードマウスモデルを用いて被験化合物の抗腫瘍作用を評価する
実験動物:雌BALB/cヌードマウス、6-8週齢、体重17-23グラム。サプライヤー:上海西普爾-必凱実験動物有限公司
実験方法とステップ:
4.1細胞培養
ヒト頭頚がんFaDu細胞(ATCC、マナサス、バージニア州、品番:HTB-43)、体外単層培養、培養条件はEMEM培地に10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリンと100μg/mLペニシリンを添加し、37℃、5%COインキュベータ培養。1週間に2回インスリン-EDTAを用いて通常の消化処理継代を行った。
4.2腫瘍細胞接種(腫瘍接種)
各マウスは右背位置に0.1mL(5×10)FaDu細胞を皮下接種し、腫瘍の平均体積が約106mmに達した場合、ランダムにグループ化し、投与を開始した。
4.3被験化合物の調製:
被験化合物は、10%DMSO+50%ポリエチレングリコール400+40%水を溶媒として5mg/mLの清澄溶液に調製した。3日ごとに調製した。
4.4腫瘍測定と実験指標
実験指標は腫瘍の成長が抑制され、遅延又は治癒されたかどうかを考察することである。腫瘍の直径を週に2回カーソルスケールで測定した。腫瘍体積の計算式は:V=0.5a×b,ここでaとbはそれぞれ腫瘍の長径と短径を表す。
化合物の腫瘍抑制効果はTGI(%)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)で評価した。TGI(%)は、腫瘍成長抑制率を反映している。TGI(%)の計算:TGI(%)=[1-(ある処理群の投与終了時平均腫瘍体積-該処理群の投与開始時平均腫瘍体積)/(溶剤対照群の治療終了時平均腫瘍体積-溶剤対照群の治療開始時平均腫瘍体積)]×対照群。
相対腫瘍増殖率T/C(%):計算式は以下のとおりである:T/C%=TRTV/CRTV群治療開始時(TRTV:治療群RTV。CRTV:陰性対照群RTV)。腫瘍測定の結果に応じて相対腫瘍体積(relative tumor volume,RTV)を計算し、計算式はRTV=V/Vであり、ここでVは群投与時(即ちd)に測定した平均腫瘍体積であり、Vはある測定時の平均腫瘍体積であり、TRTVはCRTVと同日のデータをとる。
実験終了後、腫瘍重量を測定し、T/重量パーセントを計算し、T重量及びC重量は、それぞれ投与群及び溶媒対照群の腫瘍重量を表す。
4.5統計分析
統計分析は、各群の各時点における腫瘍体積の平均値及び標準誤り(SEM)を含む。治療群は、試験終了時に投与後21日目に最良の治療効果を示したため、このデータに基づいて群間差異を統計学的に分析評価した。両群間の比較はT-testで分析し、三群又は複数群間の比較はone-way ANOVAで分析し、F値に有意差があれば、Games-Howell法を用いて検査した。F値に有意差がなければ、Dunnet(2-sided)法を用いて分析した。SPSS17.0を用いて全てのデータ分析を行った。p<0.05で有意差が認められた。
4.6実験の結論と討論
1)本実験では、ヒト頭頚がんFaDu細胞異種移植腫瘍モデルにおける実施例19の化合物の薬効を評価し、溶媒群を参照した。投与21日間、放射線治療群(2Gy、放射線治療5日間、2日間停止)、M3814(50mg/kg、経口投与、1日1回)+放射線治療群(2Gy、放射線治療5日間、2日間停止)、実施例19(25mg/kg、経口投与、1日1回)+放射線治療群(2Gy、放射線治療5日間、2日間停止)及び実施例19(50mg/kg、経口投与、1日1回)+放射線治療群(2Gy、放射線治療5日間、2日間停止)のT/C値はそれぞれ4.35%、0.24%、0.08%及び0.08%であり、TGIはそれぞれ103.91%、108.46%、108.61%及び108.64%であり、いずれも腫瘍成長を著しく抑制する作用があり、溶媒対照群と比較していずれもp<0.001であった。M3814(50mg/kg、経口、1日1回)及び実施例19(50mg/kg、経口、1日1回)のT/C値はそれぞれ99.60%と114.35%、TGIはそれぞれ-0.43%と-15.37%であり、溶媒対照群と比較してp=1.000と0.990であり、有意な腫瘍抑制作用は認められなかった。
上記結果は、ヒト頭頚がんFaDu細胞ヌードマウス移植腫瘍モデルにおいて、放射線治療群(2Gy、放射線治療5日間、2日間停止)とM3814(50mg/kg、経口投与、1日1回)+放射線治療群(2Gy、放射線治療5日間、2日間停止)の併用群が顕著な抗腫瘍作用を有することを示唆した。また、実施例19(25mg/kg、経口投与、1日1回)+放射線治療群(2Gy、放射線治療5日間、2日間停止)及び実施例19(50mg/kg、経口投与、1日1回)+放射線治療群(2Gy、放射線治療5日間、2日間停止)の併用群はいずれも有意な抗腫瘍作用を有した。詳細は表9と表10を参照されたい。
2)このモデルにおける全投与群の動物の体重は有意に低下しなかったが、照射された4群の動物の体重はわずかに低下したが、平均値はいずれも10%未満であった。照射されていない動物腫瘍の半数は、グループ化投与後の21日目に潰瘍及びかさぶたが出現し、そのうちGroup3(M3814、50mg/kg)の動物1匹は、グループ化投与後23日目に死亡を認めた。Group4(実施例19,50mg/kg)の動物1匹は、腫瘍潰瘍により安楽死基準に達し、投与開始後の22日目に安楽死を行った。Group1(Vehicle)、Group3(M3814、50mg/kg)及びGroup4(実施例19、50mg/kg)は、平均腫瘍体積が2000mmに近いことから、3群すべての残りの動物はいずれも投与開始後の24日目に安楽死を行った。
Figure 0007313492000056

Figure 0007313492000057
Figure 0007313492000058
討論:本試験では、単独照射群と併用群が腫瘍成長にいずれも顕著な抑制作用を有し、治療期間中、併用群の平均腫瘍体積は常に単独照射群より小さく、すべての併用群の平均腫瘍体積はグループ化後の31日目にゼロに低下したが、同日の単独照射群の平均腫瘍体積は最小値24mmに達した。投与停止後7週間の間に単独照射群の動物の腫瘍がリバウンドを開始することが観察されたが、併用群の腫瘍はいずれも完全に消失し、いずれもリバウンドしなかった。これは、より低用量のDNA-PK阻害剤が放射線治療の治療効果を増強し、併用が長期的な腫瘍抑制効果を有することを示唆した。

Claims (12)

  1. 式(I)で示される化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 0007313492000059
    (ここで、
    TはCH、CR又はNであり、
    、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立してN又はCRであり、
    及びRは、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、I、OH又はNHであり、
    は、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基であり、前記C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基は、任意選択的に1、2又は3個のRで置換され、
    は独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基であり、前記C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基は、任意選択的に1、2又は3個のRで置換され、
    及びRは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、OH、NHであり、
    ここで、TがCHであり、RがFである場合、RはF、Cl、Br、I、OH、又はNHである。)
  2. 及びRはそれぞれ独立してH、Cl又はFであり、
    あるいは、RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、前記C1-3アルキル基及びC1-3アルコキシ基は、任意選択的に1、2又は3個のRで置換され、
    あるいは、Rは独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基であり、前記C1-3アルキル基及びC1-3アルコキシ基は、任意選択的に1、2又は3個のRで置換され、
    あるいは、TはCH、N、C(NH)、C(OCH)、又はC(CHF)であり、
    あるいは、Z、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立してN、CH、C(OCH)又はC(CH)であり、
    あるいは、
    における構造の断片
    Figure 0007313492000061
    (ただし、R 及びR におけるOHを除く)
    Figure 0007313492000062
    である、請求項1に記載の化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
  3. は、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、CH、CHCH又はOCHであり、前記CH、CHCH及びOCHは、任意選択的に1、2又は3個のRで置換される、請求項2に記載の化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
  4. はF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はOCHである、請求項3に記載の化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
  5. はH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、CH、CHCH又はOCHである、請求項2に記載の化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
  6. 構造の断片
    Figure 0007313492000063

    Figure 0007313492000064
    である、請求項2に記載の化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
  7. 構造の断片
    Figure 0007313492000065

    Figure 0007313492000066
    である、請求項6に記載の化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
  8. 以下から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 0007313492000067
    (ここで、
    、R、R及びRは請求項1~5のいずれか1項によって定義される。)。
  9. 以下の式で示される化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 0007313492000068
  10. 以下から選択される、請求項9に記載の化合物、その(R)-異性体、(S)-異性体又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 0007313492000069
    Figure 0007313492000070
  11. 活性成分としての治療有効量の請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はその(R)-異性体、(S)-異性体、並びに薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  12. DNA-PK関連疾患を治療するために使用される請求項11に記載の医薬組成物であって、前記DNA-PK関連は腫瘍から選択される、医薬組成物。
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